JP2955191B2 - 通気性のある耐火物容器の検査方法 - Google Patents
通気性のある耐火物容器の検査方法Info
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Description
器の検査方法に関し、特に、非鉄金属溶解用の黒鉛ルツ
ボやアルミニウム合金溶解用の浸漬ヒーターチューブな
ど、コップのような形態の耐火物容器の欠陥を検査する
方法に関する。
ウム合金溶解用の浸漬ヒーターチューブは、耐火物粉体
と結合材の混合物を容器の形態に圧縮成形し、それを高
温で焼成するという方法で製造される。製造後の製品を
検査すると、層状亀裂(ラミネーション)や緻密性不足
といった組織内部の欠陥がまれに検出されることがあ
る。この種の内部欠陥の発生原因としては、成形工程で
材料内に空気を巻き込むことや、焼成中に結合材から発
生するガスの一部が脱気できずに材料内に残留すること
などが考えられる。内部欠陥のある黒鉛ルツボやヒータ
ーチューブは使用中に破損するおそれがあるので、製造
後に厳密な検査を行って欠陥製品を排除する必要があ
る。
打音検査、超音波検査、X線透視検査、水圧検査などの
方法で耐火物容器の内部欠陥の有無や程度を調べてい
た。
ハンマーで耐火物容器の表面を叩いたときの音によって
組織内の欠陥を検査する方法である。この方法では検査
が部分的であることや、検査に熟練を要するという問題
がある。また超音波検査というのは、超音波の透過速度
によって組織内の欠陥を検査する方法である。これにも
検査が部分的であるという問題がある(「耐火物におけ
る超音波試験の方法」耐火物技術協会発行「耐火物」平
成元年6月号参照)。これらの方法では、耐火物容器の
全体をもれなく検査することが非常に難しい。
査できるが、検査設備が大がかりで検査費用が非常に高
くつくという問題がある。また水圧検査というのは、耐
火物容器を水中に浸漬し、容器内に圧力を加えて水の漏
れを検査する方法で、検査中に容器が破損しても安全だ
という特徴があるものの、やはり高価な検査設備を要す
るという問題がある。さらに水圧検査法では、耐火物容
器に大きな水圧を加えることで組織内部に侵入した水を
検査後に除去するのが面倒だという大きな問題がある。
耐火物組織の内部に相当量の水が含まれたまま使用する
と、急加熱によって水蒸気爆発を起こす危険性があるの
で、製品としての耐火物容器は組織内部まで充分に乾燥
していなければならない。
されたもので、その目的は、大がかりで高価な検査設備
を必要とせず、耐火物容器の全体を能率よく検査でき、
耐火物組織内部の層状亀裂や緻密性不足といった欠陥の
有無や程度を高精度に調べることができるようにした検
査方法を提供することにある。
発明はつぎの各事項(1)〜(5)により特定される。 (1)通気性のあるコップ状の耐火物容器の欠陥を検査
する方法である。 (2)ゴムシートを敷いた検査場の床に検査対象となる
容器を伏せて載置する。 (3)検査場の床上方にジャッキを取り付けておき、こ
のジャッキによって前記伏せた容器を下方に押圧して前
記ゴムシートに密着させ、この容器の内部をほぼ密閉状
態にする。 (4)前記伏せた容器の内部につながるように前記ゴム
シートの所定位置に空気供給口を開口形成しておき、こ
の空気供給口を適宜な配管により空気圧力源につなげ
る。 (5)前記伏せた容器の外表面を発泡剤混合水で濡らし
た状態でこの容器内に圧縮空気を供給し、この容器の外
表面に生じる発泡現象を観察して欠陥を見つける。
と、耐火物の微孔性組織を通じて容器の外表面に空気が
少しずつ漏れ出す。容器の外表面は発泡剤混合水で濡れ
ているので、空気が濡れると微細な発泡現象となっては
っきりと視認できる。容器内に空気の圧送を開始した時
点から容器表面で発泡が見られるまでの時間や、発泡の
密度および激しさは、耐火物組織の緻密さによってはっ
きりと変わる。耐火物組織内部の層状亀裂や緻密性不足
などの欠陥を局部的に含んでいる容器の場合、その欠陥
部分では正常な部分より早期に発泡が始るし、欠陥部分
の発泡が正常な部分より大きくて激しいものとなる。組
織内部の欠陥部分の通気性が正常部分より高いので、そ
こを通じてより早くより多くの空気が外に漏れるからで
ある。このような発泡現象を注意深く観察していれば、
内部欠陥の有無や程度を高精度に調べることができる。
特に、ここでは、ゴムシートを敷いた検査場の床に容器
を伏せて載置するから、普通の姿勢で容器を検査する場
合に比べて容器の開口部を閉塞する作業を極めて簡単に
済ませることができ、このため、次々に容器を入れ換え
て短時間の内にたくさんの容器に対して検査を実施する
ことができるとともに、容器の底部に対しても簡単に検
査することができる。しかも、容器が伏せて載置される
ゴムシートには容器内部に圧縮空気を送り込むための空
気供給口が所定位置に形成されるから、この空気供給口
の形成位置にあわせて容器を載置するだけで容器内部に
簡単に空気を送り込むことができ、容器内部に空気を送
り込むための配管を配設する作業などを省くことができ
る。なお図1には、容器(黒鉛ルツボ)内に空気の圧送
を開始した時点から容器表面で発泡が見られるまでの時
間が耐火物組織の見掛気孔率によってどのように変化す
るのかを調べた実験結果を示している。
図2に示している。検査場の床の上にゴムシート4が敷
いてあり、その上にコップ状の耐火物容器1(検査対
象)が伏せた状態で載置される。ゴムシート4の中央に
は空気供給口5が開口しており、この供給口5は適宜な
配管を通じて空気圧力源9につながっている。なお圧縮
空気供給経路にはコック6、圧力計7、減圧弁8があ
る。また、検査場の上方には柱2で支持された梁12が
あり、この梁12に取り付けられているジャッキ3で伏
せた容器1を下方に押圧し、容器1の開口部をゴムシー
ト4に密着させて容器内をほぼ密閉状態にする(容器1
とゴムシート4とのシール性はそれほど高くなくても問
題ない)。なお、検査対象の容器1を吊り上げて運搬す
るために真空パッドの付いたチェーンブロック10が梁
12に装備されている。
器1の外表面に発泡剤を混合した水を塗布または散水
し、表面を濡らす。発泡剤は石鹸や合成洗剤、界面活性
剤などを使用する。また圧力源9からの圧縮空気を供給
口5から容器1内に導入する。このときの空気の圧力は
980.7Pa(0.01kgf/cm2 )以上とす
る。空気の供給を開始すると、容器1とゴムシート4の
接触部分から発泡が見られ、続いて容器1の表面から微
細な泡が均一に発生する。このとき容器1に内部欠陥が
あると、前述したように、正常な部分より大きな発泡ま
たは激しい発泡が局部的に、しかも正常な部分にさきが
けて早期に発泡する。このような発泡現象を観察して欠
陥を見つける。
が、従来の水圧検査のように耐火物組織の内部に深く水
が浸透するわけではないので、検査後に乾燥のための処
置を行わなくても問題はない。また、検査時に容器1と
ゴムシート4の接合部から少し空気が漏れても問題はな
く、したがって容器1をそれほど強い力でゴムシート4
に圧接する必要がないので、もろい耐火物容器1を破損
するおそれもない。
m、高さ690mmの非鉄金属溶解用の黒鉛ルツボを前
記の方法で検査した。10倍の水に薄めた合成洗剤混合
水をルツボの外表面に散水したのち、ルツボ内に294
21Pa(0.3kgf/cm2 )の圧縮空気を供給
し、発泡状態を観察した。見掛気孔率21%、曲げ強さ
11.7684MPa(120kgf/cm2 )の品質
である正常部分は空気供給開始後4秒で発泡が見られた
のに対して、局部的に内部欠陥を示す発泡がそれより早
く2秒後に発生した。この内部欠陥部の見掛気孔率は2
6%、曲げ強さが5.8842MPa(60kgf/c
m2 )であり、緻密性の不足した欠陥であった。
mm、高さ1000mmのアルミニウム合金溶解用浸漬
ヒーターチューブを前記の方法で検査した。10倍の水
に薄めた合成洗剤混合水をチューブの外表面に散水した
のち、チューブ内に29421Pa(0.3kgf/c
m2 )の圧縮空気を供給し、発泡状態を観察した。見掛
気孔率18%、曲げ強さ14.7105MPa(150
kgf/cm2 )の品質である正常部分は空気供給開始
後6秒で発泡が見られたのに対して、局部的に内部欠陥
を示す発泡がそれより早く3秒後に発生した。この内部
欠陥部の見掛気孔率は23%、曲げ強さが9.807M
Pa(100kgf/cm2 )であり、緻密性の不足し
た欠陥であった。
査設備を必要とせず、耐火物容器の全体を能率よく検査
でき、耐火物組織内部の層状亀裂や緻密性不足といった
欠陥の有無や程度を高精度に調べることができる。この
検査には高度な熟練は必要ないし、検査費用も少なくて
済む。また、ゴムシートを敷いた検査場の床に容器を伏
せて載置して容器内部を密閉するから、容器を上向きの
姿勢で検査する場合に比べて容器の開口部を閉塞する作
業が極めて簡単になり、このため、次々に容器を入れ換
えて短時間の内にたくさんの容器に対して検査を実施す
ることができる。また、容器の底部に対しても簡単に検
査を実施することができる。しかも、容器が載置される
ゴムシートには容器内部に圧縮空気を送り込む空気供給
口が所定位置に形成されているから、この空気供給口の
形成位置にあわせて容器を載置するだけで容器内部に簡
単に空気を送り込むことができ、容器内部に空気を送り
込むための配管を配設する作業などを省くことができ
る。
での所要時間の試験結果を示すグラフである。
略図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 つぎの事項(1)〜(5)により特定さ
れる発明。 (1)通気性のあるコップ状の耐火物容器の欠陥を検査
する方法である。 (2)ゴムシートを敷いた検査場の床に検査対象となる
容器を伏せて載置する。 (3)検査場の床上方にジャッキを取り付けておき、こ
のジャッキによって前記伏せた容器を下方に押圧して前
記ゴムシートに密着させ、この容器の内部をほぼ密閉状
態にする。 (4)前記伏せた容器の内部につながるように前記ゴム
シートの所定位置に空気供給口を開口形成しておき、こ
の空気供給口を適宜な配管により空気圧力源につなげ
る。 (5)前記伏せた容器の外表面を発泡剤混合水で濡らし
た状態でこの容器内に圧縮空気を供給し、この容器の外
表面に生じる発泡現象を観察して欠陥を見つける。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18806594A JP2955191B2 (ja) | 1994-08-10 | 1994-08-10 | 通気性のある耐火物容器の検査方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP18806594A JP2955191B2 (ja) | 1994-08-10 | 1994-08-10 | 通気性のある耐火物容器の検査方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0854384A JPH0854384A (ja) | 1996-02-27 |
JP2955191B2 true JP2955191B2 (ja) | 1999-10-04 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP18806594A Expired - Fee Related JP2955191B2 (ja) | 1994-08-10 | 1994-08-10 | 通気性のある耐火物容器の検査方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2955191B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008175753A (ja) * | 2007-01-22 | 2008-07-31 | Ngk Insulators Ltd | 黒鉛含有セラミック容器の検査方法 |
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KR101017778B1 (ko) * | 2008-12-19 | 2011-03-02 | 주식회사 한국가스기술공사 | 밸브요소의 기밀시험장치 |
JP5869195B1 (ja) * | 2014-09-22 | 2016-02-24 | 株式会社Sumco | 石英ガラスルツボの破壊検査方法及び良否判定方法 |
TWI585248B (zh) * | 2014-09-22 | 2017-06-01 | Sumco股份有限公司 | 石英玻璃坩堝之破壞檢查方法及是否良好之判定方法 |
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1994
- 1994-08-10 JP JP18806594A patent/JP2955191B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0854384A (ja) | 1996-02-27 |
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