JP2952811B2 - 洋傘の伸縮自在な骨組構造 - Google Patents

洋傘の伸縮自在な骨組構造

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JP2952811B2
JP2952811B2 JP7124596A JP7124596A JP2952811B2 JP 2952811 B2 JP2952811 B2 JP 2952811B2 JP 7124596 A JP7124596 A JP 7124596A JP 7124596 A JP7124596 A JP 7124596A JP 2952811 B2 JP2952811 B2 JP 2952811B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開傘時に親骨が伸
長して洋傘所期の機能を増大する一方、閉傘時には親骨
が収縮してコンパクトにした洋傘の伸縮自在な骨組構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】洋傘の伸縮自在な骨組構造は、本出願人
において、実公昭62−30965号として既に提案し
たところである。
【0003】この骨組構造は、中棒に固定の上ロクロに
基端を枢着P1された親骨と、先端を親骨の中途部に枢
着P2されると共に基端を中棒に摺動自在の下ロクロに
枢着P3された支骨を有し、前記親骨が、前記一対の枢
着部P1、P2の間で分割され且つ相互に伸縮摺動自在
に嵌合された第1親骨と第2親骨から成り、第1親骨
は、基端を上ロクロに枢着P1され、該第1親骨の先端
と前記支骨の中途部を連動骨により連結され、第2親骨
は、前記支骨に対する枢着部P2から上ロクロに向けて
延びる伸縮挿入部を前記第1親骨に摺動自在に内嵌して
いる。
【0004】従って、開傘時には支骨と連動骨の成す角
度が広がるので、第2親骨を第1親骨から引き出し伸長
せしめる一方、閉傘時には支骨と連動骨の成す角度が狭
まるので、第2親骨を第1親骨に重合し収縮せしめる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術において、第
1親骨は、第2親骨の伸縮挿入部を摺動自在に内嵌せし
める断面U形の金属骨により構成されている。また、第
2親骨は、露先近傍の先端から前記支骨に対する枢着部
P3を越えて延びる基端部を備えた断面U形の金属骨に
より構成されており、該基端部により前記伸縮挿入部を
形成している。即ち、断面形状が大きいU形とした第1
親骨の溝に対して断面形状が小さいU形とした第2親骨
を摺動自在に内嵌した構成である。
【0006】第2親骨を第1親骨から伸長せしめた開傘
状態において、親骨は枢着部P2の部位を支骨により押
上げられ、しかも、傘布の張力を受けるため、該枢着部
P2に位置して荷重を支持する。その結果、親骨は、枢
着部P1と枢着部P2の間においては、支骨の押上力と
傘布の張力の双方向の力により弓状に湾曲され、枢着部
P2から親骨先端の自由端に至る間においては、傘布の
張力により弓状に湾曲する。即ち、上ロクロから親骨の
露先に至り第1親骨及び第2親骨の全体が円弧状に湾曲
せしめられる。この際、第1親骨及び第2親骨は、それ
ぞれ断面U形の金属骨から成り、鉄又は鋼の弾力性によ
り弓状に湾曲するが、閉傘により傘布の張力を解くと、
直線状に復元し、第2親骨を第1親骨に沿って摺動しな
がら収縮せしめる。
【0007】ところが、傘を日常的に使用し、開閉を繰
り返し行うことにより頻繁に傘布の張力を作用せしめる
と、それぞれ金属骨から成る第1親骨及び第2親骨が円
弧状になるように湾曲癖を付与され、閉傘時において
も、最早、両親骨を直線状に復元できなくなる。
【0008】このため、このような湾曲癖が付いた状態
で洋傘の開閉動作を行うと、第2親骨が第1親骨に対し
て円滑に摺動し得なくなり、開閉動作をスムースに行え
ない状態を招来する。そこで、洋傘の使用者が無理に下
ロクロを動かして開閉を行おうとすると、第1親骨及び
第2親骨の摺動個所が更に変形したり、連動骨及び/又
は支骨を変形してしまい、使用不能に至る虞れがある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
した洋傘の伸縮自在な骨組構造を提供するものであ
り、その手段として構成したところは、中棒に固定の上
ロクロ2に基端を枢着P1された第1親骨4aと該第1
親骨に伸縮摺動自在に内嵌された伸縮挿入部7を備えた
第2親骨4bと該第2親骨から先端に向けて延びる樹脂
骨16とから成る親骨4と、先端を樹脂骨16の中途部
に枢着P2されると共に基端を中棒に摺動自在の下ロク
ロ3に枢着P3された支骨5と、前記第2親骨4bの伸
縮挿入部7と支骨5を連結した連動骨6とを備えて成
り、前記第1親骨4aが、断面ほぼU形の金属骨8によ
り構成され、前記第2親骨4bの伸縮挿入部7が、第1
親骨4aに摺動自在に内嵌される金属製の摺動骨部17
により構成され、前記樹脂骨16が、繊維強化樹脂から
成る断面ほぼ円形の丸棒材により構成され、前記摺動骨
部17から離れた部位において樹脂骨16に前記支骨5
に対する枢着部P2を構成する連結具18を固着して成
り、前記樹脂骨16の基端部15を摺動骨部17のほぼ
全長にわたり内嵌せしめ一体化することにより弾性コア
ー部19を構成して成る点にある。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の好
適な実施形態を詳述する。
【0011】図1ないし図3に示す1実施形態におい
て、洋傘の骨組構造は、中棒1に固定の上ロクロ2と、
中棒1に摺動自在の下ロクロ3に対して、親骨4の基端
を上ロクロ2に枢着P1し、支骨5の先端を親骨4の中
途部に枢着P2すると共に、該支骨5の基端を下ロクロ
3に枢着P3することにより構成される。親骨4は、前
記一対の枢着部P1、P2の間で分割され且つ相互に伸
縮摺動自在に嵌合された第1親骨4aと第2親骨4bか
ら成る。第1親骨4aは、前記枢着部P1により基端を
上ロクロに枢着され、該第1親骨4aの先端と前記支骨
5の中途部を連動骨6により連結されている。第2親骨
4bは、前記支骨5に対する枢着部P2から上ロクロに
向けて延びる伸縮挿入部7を設け、該伸縮挿入部7を前
記第1親骨4aに摺動自在に内嵌している。
【0012】前記第1親骨4aは、第2親骨4bの伸縮
挿入部7を摺動自在に内嵌せしめる断面ほぼU形の金属
骨8から成り、先端に前記伸縮挿入部7を挿通可能とす
る断面U形又は筒形のブラケット9を固着し、該ブラケ
ット9に連動骨6の一端を枢着P4している。
【0013】支骨5及び連動骨6のそれぞれは、図例の
場合、カーボンファイバー又はグラスファイバー等の繊
維により強化された樹脂(繊維強化樹脂)を押出成形し
て成る丸棒材により構成されている。支骨5は、両端に
枢支具10、11を固着しており、一方の枢支具10を
前記枢着部P2により第2親骨4bに枢着され、他方の
枢支具11を前記枢着部P3により下ロクロ3に枢着し
ている。また、支骨5の枢着部P2に近傍する個所には
連結具12が固着されている。連動骨6は、両端に枢支
具13、14を固着しており、一方の枢支具13を前記
枢着部P4により第1親骨4aのブラケット9に枢着さ
れ、他方の枢支具14を前記支骨5の連結具12に枢着
P5している。尚、本発明において、支骨5及び/又は
連動骨6は、前述のような繊維強化樹脂製の丸棒材によ
り構成する他、断面ほぼU形の金属製溝骨や、金属製線
材から成る線条骨により構成しても良い。
【0014】図示の実施形態において、第2親骨4b
は、図示省略した露先近傍の先端から前記支骨5に対す
る枢着部P2を越えて延び前記伸縮挿入部7に向かう基
端部15を備えた樹脂骨16と、該樹脂骨16の基端部
15に外嵌された金属製の摺動骨部17とから成る。
【0015】前記樹脂骨16は、カーボンファイバー又
はグラスファイバー等の繊維により強化された樹脂(繊
維強化樹脂)を押出成形して成る断面ほぼ円形の丸棒材
から成り、前記支骨5に対する枢着部P2を構成するた
めの連結具18を固着している。即ち、連結具18は、
樹脂骨16の周面を包囲してカシメ固着され、二股片に
支骨5の枢支具10を枢着せしめることにより前記枢着
部P2を構成する。
【0016】前記摺動骨部17は、第1親骨4aに摺動
自在に内嵌された伸縮挿入部7を構成すると共に、前記
樹脂骨16の基端部15を該摺動骨部17のほぼ全長に
わたり内嵌せしめることにより弾発コアー部19を具備
せしめられる。換言すれば、摺動骨部17は、樹脂骨1
6の基端部15を包囲してカシメ固着される固着片20
を有し、内嵌された弾性コアー部19を一体化する。そ
して、摺動骨部17は、樹脂骨16の基端部15を越え
て突出する突片21にスライドガイド22を揺動自在に
枢結しており、該スライドガイド22を第1親骨4aの
外周に摺動自在に外装せしめている。
【0017】図示実施形態において、図1に示すような
開傘時には、枢着部P5−P2間における支骨5と、枢
着部P5−P4間における連動骨6との成す角度が、広
がるので、伸縮挿入部7が第1親骨4aから摺動しなが
ら引き出され、第2親骨4bを第1親骨4aに対して伸
長せしめる。一方、図2に示すような閉傘時には、前記
のような支骨5と連動骨6との成す角度が狭まるので、
伸縮挿入部7が第1親骨4aに摺動しながら進入し、第
2親骨4bを第1親骨4aに対して収縮せしめる。この
ような第2親骨4bの伸縮動作は、伸縮挿入部7を第1
親骨4aの溝内で摺動せしめると共に、スライドガイド
22を第1親骨4aの外周面に摺動せしめることにより
行われる。
【0018】図1に示すように、第2親骨4bを第1親
骨4aから伸長せしめた開傘状態において、親骨4には
傘布(図示省略)の張力が作用するため、親骨4は弓状
に湾曲する。即ち、支骨5により枢着部P2を押上けら
れて開傘した親骨4は、上ロクロ2から露先に至り第1
親骨4a及び第2親骨4bの全体が円弧状に湾曲せしめ
られ、荷重を枢着部P2で支持する。この際、何れも金
属製とされた第1親骨4aと第2親骨4bは、枢着部P
1とP2の間に拘束された状態で湾曲せしめられるが、
第2親骨4bを構成する金属製の摺動骨部17と枢着部
P2の間に弾性の優れる樹脂骨16を介在せしめてい
る。尚、枢着部P2から先端の自由端に向けては、樹脂
骨16が湾曲する。図2に示すように、閉傘により傘布
の張力を解くと、第1親骨4a及び第2親骨4bは、直
線状に復元し、第2親骨4bを第1親骨4aに沿って摺
動しながら収縮せしめる。
【0019】従来技術について上述したように、洋傘を
日常的に使用し、開閉を繰り返し行うことにより頻繁に
傘布の張力を作用せしめると、第1親骨4a及び第2親
骨4bは円弧状になるように湾曲癖を付与される傾向が
あり、従来技術のように第1親骨及び第2親骨を何れも
金属製の溝骨のみから構成した場合は、湾曲癖が付いて
しまう。
【0020】この点について、図示実施形態によれば、
開傘時に親骨4は、支骨5により金属製の摺動骨部17
を押上げられるのではなく、繊維強化樹脂から成る丸棒
状の樹脂骨16の連結具18を押上げられ、枢着部P1
とP2の間において樹脂骨16の弾力を介して、図1に
示すような親骨4を湾曲された開傘状態とされる。そし
、閉傘により傘布の張力を解くと、図2に示すよう
に、伸縮挿入部7を構成する金属製の摺動骨部17が樹
脂骨16の基端部15により構成された弾性コアー部1
9により強制的に弾発復元され、一直線状に復元せしめ
られる。従って、金属製の摺動骨部17自体に湾曲癖が
付与されようとしても、弾性コアー部19の強力な弾発
復元力により直線状態に強制的に復元せしめられ整形さ
れる。
【0021】ところで、金属骨8から成る第1親骨4a
は、第2親骨4bのような弾性コアー部を有しないた
め、そのままの状態であると、容易に湾曲癖を付与され
る虞れがある。この点について、図示実施形態によれ
ば、閉傘時に、直線状態に整形された摺動骨部17が第
1親骨4aの溝内に進入し概ね全長にわたり内嵌重合せ
しめられるので、これにより第1親骨4aも直線状態に
強制的に復元せしめられ整形される。
【0022】その結果、開傘状態から閉傘状態に至る過
程において、第2親骨4bの摺動骨部17と、第1親骨
4aの何れもが、強制的に復元せしめられ直線状態に整
形されるので、以後の開閉動作に際し、第2親骨4bと
第1親骨4aの円滑な伸縮動作を保証する。即ち、摺動
骨部17は第1親骨4aの溝内をスムースに摺動し、ス
ライドガイド22は第1親骨4aの外周をスムースに摺
動するのであり、従来のように摺動個所に大きな摩擦抵
抗を生じることはない。
【0023】
【発明の効果】従来の伸縮自在な骨組構造においては、
第1親骨及び第2親骨に湾曲癖が付形され、開閉時に第
2親骨が第1親骨に対して円滑に摺動し得なくなり、開
閉動作に大きな摩擦抵抗を生じ、無理な開閉動作を強い
ると骨組構造を変形して使用不能に至る問題があるのに
対して、本発明によれば、傘布の張力により親骨4を好
適に弓状に湾曲せしめる反面、閉傘により傘布の張力を
解いた状態で、繊維強化樹脂製の丸棒材から成る樹脂骨
16の基端部15により構成された弾性コアー部19
(弾発部)を介して、第2親骨4bの伸縮挿入部7を強
制的に直線状に復元せしめるものであるから、該伸縮挿
入部7自体を直線状に整形することができ、しかも、閉
傘時に該伸縮挿入部7を進入せしめ内嵌する第1親骨4
aを同時に直線状に整形することができ、その結果、常
に第2親骨4bと第1親骨4aのスムースな相互摺動を
保証した骨組構造を提供できるという効果がある。
【0024】更に、本発明によれば、開傘時に枢着部P
1とP2の間において拘束された状態で湾曲される親骨
部分に第1親骨4aと第2親骨4bの伸縮摺動機構を設
けた 構成でありながら、連結具18により構成された枢
着部P2と金属製の摺動骨部17との間に、弾力性の優
れる樹脂骨16を介在せしめた構成であるから、該樹脂
骨16により構成された介在部分により曲げ応力を吸収
或いは緩衝せしめることができ、何れも金属製とされた
第1親骨4aと第2親骨4bの過大な湾曲を防止し、両
者4a、4bの摺動機能を保証するという所期の目的を
好適に達することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態に係る骨組構造を開傘状態
にて示す正面図である。
【図2】同実施形態に係る骨組構造を閉傘状態にて示す
正面図である。
【図3】同実施形態に係る骨組構造を一部分解して示す
拡大正面図である。
【符号の説明】
1 中棒 2 上ロクロ 3 下ロクロ 4 親骨 4a 第1親骨 4b 第2親骨 5 支骨 6 連動骨 7 伸縮挿入部 8 金属骨 9 ブラケット 12 連結具 15 基端部 16 樹脂骨 17 摺動骨部 18 連結具 19 弾性コアー部 21 突片 22 スライドガイド

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中棒に固定の上ロクロ2に基端を枢着P
    1された第1親骨4aと該第1親骨に伸縮摺動自在に内
    嵌された伸縮挿入部7を備えた第2親骨4bと該第2親
    骨から先端に向けて延びる樹脂骨16とから成る親骨4
    と、先端を樹脂骨16の中途部に枢着P2されると共に
    基端を中棒に摺動自在の下ロクロ3に枢着P3された支
    骨5と、前記第2親骨4bの伸縮挿入部7と支骨5を連
    結した連動骨6とを備えて成り前記第1親骨4aが、断面ほぼU形の金属骨8により構
    成され、前記第2親骨4bの伸縮挿入部7が、第1親骨
    4aに摺動自在に内嵌される金属製の摺動骨部17によ
    り構成され、前記樹脂骨16が、繊維強化樹脂から成る
    断面ほぼ円形の丸棒材により構成され、前記摺動骨部1
    7から離れた部位において樹脂骨16に前記支骨5に対
    する枢着部P2を構成する連結具18を固着して成り前記樹脂骨16の基端部15を摺動骨部17のほぼ全長
    にわたり内嵌せしめ一体化することにより弾性コアー部
    19を構成して成る ことを特徴とする洋傘の伸縮自在な
    骨組構造。
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