JP2952201B2 - 現金輸送システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、店舗外ＣＤ、Ａ
ＴＭ等の現金取扱機に対する現金補給または回収等を行
うため、現金を現金収納箱に収納させ、現金取扱機と現
金管理センターとの間で、この現金収納箱を現金輸送車
を用いてやり取りするための現金輸送システムに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、銀行などの金融機関のロビー内、
自動化コーナー以外の場所、例えばスーパーやデパー
ト、各企業内などのいわゆる店舗外にＣＤ、ＡＴＭ等が
設置され、利用されるようになっている。この店舗外Ｃ
Ｄ、ＡＴＭに対する現金の補給及びまたは回収は、通
常、金庫化された現金収納箱単位で行われるようになっ
ている。すなわち、ＣＤ、ＡＴＭ等に利用される現金収
納箱には、通常、現金管理センターなどにおいて現金の
補給及びまたは回収を行う現金管理係員が操作する現金
装填・回収用の蓋に対する施錠装置と、この現金収納箱
をＣＤ、ＡＴＭ等にセットすることにより自動的に操作
される現金放出・収納用の蓋に対する施錠装置とからな
る２種類の施錠装置が設けられている。 従って、現金管理センターから店舗外ＣＤ、ＡＴＭ等に
現金収納箱を輸送する現金管理係員は、直接現金に触れ
なくて済むようになされている。また、さらには、現金
収納箱をＣＤ、ＡＴＭ等にセットした際には、これらＣ
Ｄ、ＡＴＭ等から現金収納箱を引き出せないように、該
現金収納箱をＣＤ、ＡＴＭの機体にロックする施錠装置
も設けられている（実開昭５５ー１３８３７１号公報参
照）

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記現金収
納箱を、公共的な場所であるスーパーやデパートなどで
交換する作業の際には、例えば、ＣＤ、ＡＴＭ等の現金
取扱機から取り出された現金収納箱を現金輸送車に搬送
するまでの間、あるいは現金輸送車で輸送されてきた現
金収納箱をＣＤ、ＡＴＭ等の現金取扱機に搬送するまで
の間に、盗難、強奪事件が発生する虞が充分に有り得
る。本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであっ
て、現金取扱機と現金管理センターとの間で、現金収納
箱を現金輸送車を用いてやり取りするための現金輸送シ
ステムにおいて、万一の際には、周囲の人々に対して事
件の発生を直に報知し得る現金輸送システムの提供を目
的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、現金収納箱に対する現金の補給及びまた
は現金収納箱からの現金の回収を行う現金管理センター
とこの現金管理センター外に設置された現金取扱機との
間で、現金輸送車を用いて現金収納箱を輸送することに
より、現金取扱機への現金の補給及びまたは現金取扱機
からの現金の回収を行う現金輸送システムにおいて、現
金輸送車には、現金収納箱がロック可能に装填される収
納箱装填棚を有し、現金取扱機には、現金収納箱がロッ
ク可能に装填される収納箱装填位置を有し、現金収納箱
には、現金収納箱が現金輸送車の収納箱装填棚もしくは
現金取扱機の収納箱装填位置に装填されたとき、これら
にロック状態に装填されるとともに、解錠キーが挿入さ
れることによりこれらとのロック状態が解除される施錠
装置と、現金収納箱が現金輸送車の収納箱装填棚もしく
は現金取扱機の収納箱装填位置に装填されたか否かを検
出する装填検出手段と、前記解錠キーが現金収納箱に挿
入されたか否かを検出するキー挿入検出手段と、前記装
填検出手段により装填が検出されず、且つ前記キー挿入
検出手段により解錠キーの挿入が検出されないときにブ
ザーなどの警報を発する警報手段を有している。これに
より、現金収納箱は、現金管理センターと現金取扱機と
の間では、現金輸送車の収納箱装填棚にロック状態に装
填されて輸送され、また、現金取扱機の収納箱装填位置
に装填された際にはこの収納箱装填位置にロック状態に
装填されて運用されるものであり、さらには、この現金
収納箱は、装填検出手段により現金収納箱が現金取扱機
もしくは現金輸送車のいずれかに装填されていることが
検出されず、かつキー挿入検出手段により、現金収納箱
に解錠キーが挿入されていることが検出されないとき
に、ブザーなどの警報を発するようにした。つまり、現
金収納箱が、現金取扱機および現金輸送車から取り外さ
れた状態にあり、かつこの状態で、該現金収納箱に解錠
キーが挿入されていないときに、ブザーなどの警報を発
するようにしたので、前記解錠キーを持たない現金管理
係員以外の人間が現金収納箱を（解錠キーを挿入してい
ない状態で）持ち出そうとした場合に、これを周囲の人
々に報知することができる。しかも、装填検出手段、キ
ー挿入検出手段および警報手段が現金収納箱自体に設け
られているので、盗難にあっても、持ち去られる現金収
納箱自体がブザーなどの警報を発することになるため、
その追跡および発見がしやすくなるとともに、より多く
の人々に盗難事件が起こったことを知らせることができ
る。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の一の実施の形態を図１〜
図３を参照して説明する。まず、図１において符号１で
示すものは、店舗外ＣＤ(現金取扱機)であり、符号２で
示すものは店舗外ＣＤ１の収納箱装填位置１Ａに着脱さ
れる現金収納箱である。この現金収納箱２は、図３に示
す現金輸送車３に搭載されて現金管理センターから輸送
されるものであって、該現金輸送車３での輸送、及び該
現金輸送車３から店舗外ＣＤ１への運搬・装填作業は現
金管理係員によりなされるようになっている。なお、前
記現金輸送車３には収納箱装填棚３Ａが設けられてお
り、この収納箱装填棚３Ａの各装填位置（収納箱装填位
置）に現金収納箱２が装填されることで、該現金収納箱
２の輸送がなされるようになっている。また、前記現金
収納箱２には、該現金収納箱２を、店舗外ＣＤ１の収納
箱装填位置１Ａ、もしくは現金輸送車３の収納箱装填棚
３Ａの装填位置に装填した状態でロックさせる施錠装置
(図示略)が設けられており、この施錠装置の解錠は、現
金管理係員のベルト(図示略)にチェーン(図示略)を介し
て連結された解錠キー４の操作により行われる。

【０００６】次に、前記現金収納箱２に設けられた盗難
警報装置１０の構成について説明する。この盗難警報装
置１０は、装填検出手段１１、キー挿入検出手段１２、
警報手段１３により構成されるものである。具体的に
は、前記装填検出手段１１は、現金収納箱２が、店舗外
ＣＤ１、現金輸送車３に装填されている場合に図２に示
すスイッチ１１ＡがＯＦＦ状態に設定され、また、これ
ら店舗外ＣＤ１、現金輸送車３から取り外されている場
合に図２に示すスイッチ１１ＡがＯＮ状態に設定される
ようになっている。

【０００７】ここで、図１および図３から明らかなよう
に、店舗外ＣＤ１の収納箱装填位置１Ａおよび現金輸送
車３の収納箱装填棚３Ａの各装填位置には作動部材１１
Ｂがそれぞれ設けられている。そして、前記装填検出手
段１１に設けられたスイッチ１１Ａは、前記現金収納箱
２が、店舗外ＣＤ１の収納箱装填位置１Ａに装填された
場合、および現金輸送車３の収納箱装填棚３Ａの装填位
置に装填された場合に、それぞれに設けられた作動部材
１１ＢによりＯＮ／ＯＦＦ動作させられる（作動部材１
１Ｂにより現金収納箱２の装填時にＯＦＦとさせられ、
また、現金収納箱２の取り外し時にＯＮとさせられ
る）。 以上により、装填検出手段１１は、現金収納箱
２が、店舗外ＣＤ１の収納箱装填位置１Ａに装填されて
いるか否かを検出するとともに、現金輸送車３の収納箱
装填棚３Ａの装填位置に装填されているか否かを検出す
る。

【０００８】前記キー挿入検出手段１２は、前記現金収
納箱２を、店舗外ＣＤ１の収納箱装填位置１Ａから取り
外す際に解錠操作されるとともに、現金輸送車３の収納
箱装填棚３Ａの装填位置から取り外す際にも解錠操作さ
れる、解錠キー４の施錠装置への挿入を検出するもので
あって、この解錠キー４が施錠装置に挿入されている場
合に図２に示すスイッチ１２ＡがＯＦＦ状態に設定さ
れ、この解錠キー４が施錠装置に挿入されていない場合
に図２に示すスイッチ１２ＡがＯＮ状態に設定されるよ
うになっている。前記警報手段１３は、図２の回路図に
示すように、前記装填検出手段１１により現金収納箱２
の装填が検出されず、かつ前記キー挿入検出手段１２に
より施錠装置への解錠キー４の挿入が検出されないとき
にブザーなどの警報を発する。この結果、現金収納箱２
が店舗外ＣＤ１および現金輸送車３のいずれからも取り
外されて、店舗外ＣＤ１の作動部材１１Ｂおよび現金輸
送車３の作動部材１１Ｂのいずれからも離間してスイッ
チ１１ＡがＯＮに設定されている状態であり、かつ、解
錠キー４が施錠装置に挿入されずにスイッチ１２ＡがＯ
Ｎに設定されている状態において、閉回路が形成され
て、電源１４から電流が供給されてブザーなどの警報を
発するものである。

【０００９】また、警報手段１３は、図２の回路図から
明らかなように、上記とは逆に、前記装填検出手段１１
により現金収納箱２の装填が検出され、または、前記キ
ー挿入検出手段１２により施錠装置への解錠キー４の挿
入が検出されたときに、ブザーなどの警報の発生を停止
させる。つまり、現金収納箱２が店舗外ＣＤ１および現
金輸送車３のいずれかに装填されて、店舗外ＣＤ１の作
動部材１１Ｂおよび現金輸送車３の作動部材１１Ｂのい
ずれかによりスイッチ１１ＡがＯＦＦされている状態、
または、解錠キー４が施錠装置に挿入されスイッチ１２
ＡがＯＦＦされている状態においては、閉回路は形成さ
れず、電源１４から電源は供給されずにブザーなどの警
報の発生を停止させる。なお、図２に示す回路におい
て、符号１５で示すものは、前記警報手段１３のブザー
が正常に作動するか否かを検出するテストスイッチであ
る。

【００１０】以上説明したように、この実施の形態に示
す現金輸送システムによれば、装填検出手段１１によ
り、現金収納箱２が店舗外ＣＤ１および現金輸送車３の
いずれにも装填されていることが検出されず、かつキー
挿入検出手段１２により、現金収納箱２に解錠キー４が
挿入されていることが検出されないときに、現金収納箱
２自体に設けられたブザーなどの警報手段１３により警
報を発するようにした。つまり、現金収納箱２が、店舗
外ＣＤ１および現金輸送車３のいずれからも取り外され
た状態にあり、かつこの状態で、該現金収納箱２に解錠
キー４が挿入されていないときに、ブザーなどの警報を
発するようにしたので、解錠キー４を持たない現金管理
係員以外の人間が現金収納箱２を（解錠キー４を挿入し
ていない状態で）店舗外ＣＤ１から持ち出そうとした場
合および現金輸送車３から持ち出そうとした場合のいず
れの場合においても、これを周囲の人々に報知すること
ができる。したがって、公共的な場所であるスーパーや
デパートなどで現金収納箱２を交換する作業の際に、店
舗外ＣＤ１から取り出された現金収納箱２を現金輸送車
３に搬送するまでの間、および現金輸送車３で輸送され
てきた現金収納箱２を店舗外ＣＤ１に搬送するまでの間
のいずれにおいても、全般において確実に盗難を防止す
ることができる。しかも、装填検出手段１１、キー挿入
検出手段１２および警報手段１３が現金収納箱２自体に
設けられているので、盗難にあっても、持ち去られる現
金収納箱２自体がブザーなどの警報を発することになる
ため、その追跡および発見がしやすくなるとともに、よ
り多くの人々に盗難事件が起こったことを知らせること
ができる。加えて、装填検出手段１１、キー挿入検出手
段１２および警報手段１３が現金収納箱２自体に設けら
れているので、店舗外ＣＤ１および現金輸送車３に対し
てこれらを共用化することができ、コストを低減するこ
とができる。

【００１１】

【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、現金取扱機と現金管理センターとの間で、現金
を現金収納箱に収納させた状態で、この現金収納箱を現
金輸送車を用いてやり取りするための現金輸送システム
において、解錠キーを持たない現金管理係員以外の人間
が現金収納箱を(解錠キーを挿入していない状態で)持ち
出そうとした場合に、警報が発せられることになって、
周囲の人々に盗難事件が起こったことを知らせることが
できるという効果が得られる。 したがって、公共的な場所であるスーパーやデパートな
どで現金収納箱を交換する作業の際に、現金取扱機から
取り出された現金収納箱を現金輸送車に搬送するまでの
間、および現金輸送車で輸送されてきた現金収納箱を現
金取扱機に搬送するまでの間のいずれにおいても、全般
において確実に盗難を防止することができる。しかも、
装填検出手段、キー挿入検出手段および警報手段が現金
収納箱自体に設けられているので、盗難にあっても、持
ち去られる現金収納箱自体がブザーなどの警報を発する
ことになるため、その追跡および発見がしやすくなると
ともに、より多くの人々に盗難事件が起こったことを知
らせることができる。加えて、装填検出手段、キー挿入
検出手段および警報手段が現金収納箱自体に設けられて
いるので、現金取扱機および現金輸送車に対してこれら
を共用化することができ、コストを低減することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一の実施の形態を示すものであっ
て、店舗外ＣＤの概略構成図である。

【図２】 本発明の一の実施の形態を示すものであっ
て、警報手段を含む盗難警報装置の回路図である。

【図３】 本発明の一の実施の形態を示すものであっ
て、現金輸送車の概略構成図である。

【符号の説明】

１ 店舗外ＣＤ １Ａ 収納箱装填位置 ２ 現金収納箱 ３ 現金輸送車 ３Ａ 収納箱装填棚 ４ 解錠キー １０ 盗難警報装置 １１ 装填検出手段 １２ キー挿入検出手段 １３ 警報手段

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 現金収納箱に対する現金の補給及びまた
   は現金収納箱からの現金の回収を行う現金管理センター
   とこの現金管理センター外に設置された現金取扱機との
   間で、現金輸送車を用いて現金収納箱を輸送することに
   より、現金取扱機への現金の補給及びまたは現金取扱機
   からの現金の回収を行う現金輸送システムにおいて、 現金輸送車には、現金収納箱がロック可能に装填される
   収納箱装填棚を有し、 現金取扱機には、現金収納箱がロック可能に装填される
   収納箱装填位置を有し、 現金収納箱には、現金収納箱が現金輸送車の収納箱装填
   棚もしくは現金取扱機の収納箱装填位置に装填されたと
   き、これらにロック状態に装填されるとともに、解錠キ
   ーが挿入されることによりこれらとのロック状態が解除
   される施錠装置と、現金収納箱が現金輸送車の収納箱装
   填棚もしくは現金取扱機の収納箱装填位置に装填された
   か否かを検出する装填検出手段と、前記解錠キーが現金
   収納箱に挿入されたか否かを検出するキー挿入検出手段
   と、前記装填検出手段により装填が検出されず、且つ前
   記キー挿入検出手段により解錠キーの挿入が検出されな
   いときにブザーなどの警報を発する警報手段を有するこ
   とを特徴とする現金輸送システム。