JP2952183B2 - 高摩擦駆動ローラの製造方法 - Google Patents

高摩擦駆動ローラの製造方法

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JP2952183B2
JP2952183B2 JP14254795A JP14254795A JP2952183B2 JP 2952183 B2 JP2952183 B2 JP 2952183B2 JP 14254795 A JP14254795 A JP 14254795A JP 14254795 A JP14254795 A JP 14254795A JP 2952183 B2 JP2952183 B2 JP 2952183B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、搬送用、ベルト駆動用
プーリや撚糸用のフリクションディスクに使用される高
摩擦駆動ローラの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術の高摩擦駆動ローラの製造方法
としては、ローラ本体を金型で射出成形等して製作した
後、駆動や搬送面となるローラ本体の外周面に、別途、
ゴム等の弾性体で製作したリング状高摩擦材を組み込ん
で接着剤で接着することにより製造したり、又は、射出
成形されたローラ本体を金型内にセットした状態で、そ
の外周面や外周に一体的に成形された環状溝内に、熱硬
化性で半固形の高摩擦材を流し込んで、熱して硬化・成
形させて製造する。このように、高摩擦駆動ローラは、
ローラ本体と高摩擦材とを、別々に用意した後、ローラ
本体にリング状高摩擦材を取り付け、又は半固形の高摩
擦材を成形することで製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術の高摩擦駆動ローラの製造方法では、ローラ本体を成
形した後、リング状高摩擦材をローラ本体の外周に取り
付ける場合には、高摩擦材はゴム等の弾性体であるので
ローラ本体に接着材で接着することが難しく、また、接
着材が硬化するとリング状高摩擦材の弾性機能を劣化さ
せる。更に、弾性体は通常、寸法変化や緩和特性が悪い
ことから、弾性体のリング状高摩擦材をローラ本体に取
り付ける際に、リング状高摩擦材を引張るようにして拡
大変形させて取り付けると、そのローラ本体への取り付
け後にリング状高摩擦材の変形が解放されない場合が発
生し、精度を高めることが困難で、且つ弾性体のリング
状高摩擦材を拡大変形させてローラ本体に取り付けるの
では、組付け機械等の自動化によるローラ本体へのリン
グ状高摩擦材の取り付けができないという問題があっ
た。
【0004】また、ローラ本体を成形した後、半固形の
高摩擦材をローラ本体の外周に流し込んで成形する場合
には、その高摩擦材を熱硬化させる時間が必要となり、
高摩擦駆動ローラの製造時間が長く、大量に製作するも
は金型を多数用意する必要があり、製造コストが高くな
る。更に、半固形である高摩擦材は、流れにくいことか
ら、金型内にセットされているローラ本体の外周に流し
込むことが困難であると共に、ローラ本体の外周に均一
に流し込むことも容易でなく、高摩擦材の成形後にパー
ティングラインが発生することがある。このように、成
形後の高摩擦材にパーティングラインで段差やバソが発
生すると、駆動や搬送面となる高摩擦材の外周精度が低
下するため、この段差やバソを除去するため、別途、高
摩擦材の外周面を研磨する等の加工を必要するという問
題があった。
【0005】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、短時間で、高精度、低コストで、且
つローラ本体の成形形状の自由度を向上することのでき
る高摩擦駆動ローラの製造方法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明の高摩擦駆動ローラの製造方法では、請求項
1においては、ローラ本体と、当該ローラ本体の外周か
ら所定量だけ突出するリング状高摩擦材とからなる高摩
擦駆動ローラを製造する方法において、(1)前記ロー
ラ本体の外周から所定量だけ突出する前記リング状高摩
擦材の外面形状とされたリング形状部位と、当該リング
形状部位に連続して前記ローラ本体の外周形状とされた
ローラ形状部位とからなる環状型凹部が形成された2つ
の型を有し、各型を重ね合わせることで前記高摩擦駆動
ローラの外周形状となる型空間が形成される分割型を備
え、(2)前記分割型の一方の型のリング形状部位に前
記リング状高摩擦材の外周側部分を係合させてセット
し、(3)前記分割型の他方の型を前記一方の型に重ね
て前記型空間を形成しつつ、各型のリング形状部位で前
記リング状高摩擦材の外周側部分を弾性変形させるよう
に挟持して、前記型空間内に前記リング状高摩擦材を固
定すると共に、(4)前記分割型の内部空間に、前記リ
ング状高摩擦材と相溶性が高く、且つ当該リング状高摩
擦材より融点の高い性質を有する樹脂を溶融して射出す
ることで、前記リング状高摩擦材が各型のリング形状部
材で挟持された他部分の表面を、前記溶融された樹脂の
接触による当該樹脂との融点差で溶融して当該樹脂に溶
着させた後、(5)前記分割型を冷却して前記樹脂を固
化した後、当該分割型から取り出すことで前記リング状
高摩擦材が一体化された前記ローラ本体を成形する
である。
【0007】請求項2においては、請求項1のものに、
前記リング状高摩擦材の前記分割型への固定が、前記分
割型の各型のリング形状部位で前記リング状高摩擦材の
外周側部分を弾性変形させて挟持すると共に、前記リン
グ状高摩擦材の他部分をその周方向から押え付け可能に
前記分割型の型空間に突出する複数のピン部材で挟持す
ることにより行われるものである。
【0008】請求項3においては、請求項1又は請求項
2のものに、前記リング状高摩擦材の他部分には、その
表面に凹凸形状を連続形成すると共に、前記分割型の型
空間内に射出される溶融された樹脂が前記凹凸形状内に
流れ込むことで、前記凹凸形状を前記溶融された樹脂の
接触による当該樹脂との融点差で溶融して当該樹脂に溶
着した後、前記溶融された樹脂を固化することで、当該
樹脂と前記リング状高摩擦材の他部分との凹凸係合によ
り前記リング状高摩擦材が一体化された前記ローラ本体
を成形するものである。
【0009】請求項4においては、請求項1乃至請求項
3のものに、前記リング状高摩擦材がウレタン、ゴム、
ポリエステルエラストマー、塩化ビニールのいずれかを
用いて、前記樹脂がポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ポリアセ
タート、リアミド、ポリフェニレンサルファイドのいず
れかを用いて前記リング状摩擦材が一体化された
ローラ本体の成形を行うものである。
【0010】
【作用】このように本発明の高摩擦駆動ローラの製造方
法によれば、分割型の各型のリング形状部位でリング状
高摩擦材の外側部分を弾性変形させるように挟持して、
型空間内にリング状高摩擦材を固定すると共に、分割型
の内部空間に、リング状高摩擦材と相溶性が高く、且つ
当該リング状高摩擦材より融点の高い性質を有する樹脂
を溶融して射出することで、リング状高摩擦材が挟持さ
れた他部分の表面を樹脂の接触による当該樹脂との融点
差で溶融して当該樹脂に溶着させた後、分割金型を冷却
して、当該分割型から取り出すことでリング状高摩擦材
が一体化されたローラ本体を成形するようにしたので、 別途、ローラ本体の外周面にリング状高摩擦材を取り
付け、又は高摩擦材を成形するという工程が必要なくな
り、リング状高摩擦材の表面を溶融された樹脂で溶融し
てこの樹脂と溶着することで、リング状高摩擦材はその
弾性を損なうことなくローラ本体に一体化される。 また、成形時において、リング状高摩擦材は、その外
周側部分が各型の各リング形状部位で弾性的に挟持する
ことで分割型の型空間内に固定されるので、射出による
溶融された樹脂が各型のリング形状部位と外側部分の間
に入れ込むことが防止できるシール効果が発揮でき、ロ
ーラ本体からのリング状高摩擦材の所定突出量Hを精度
よく確保できると共に、リング状高摩擦材を用いること
によりこの表面を研磨する等の加工も必要なくなる。 更に、分割金型の各型の環状型凹部の形状を変更する
だけで、種々の形状にローラ本体を形成することができ
ると同時に、その外周面にリング状高摩擦材を一体化し
て固定できる。 また、分割型のリング形状部位にリング状高摩擦材を
セットして、分割型の型空間に溶解された樹脂を射出し
て形成する工程だけにすることができるので、自動化製
作が可能となる。 この結果、成形時間の短縮化を図り、その成形コスト
も低減することができると共に、分割型の変更による成
形形状の自由度が高くなり、種々の形状を有するローラ
本体にリング状高摩擦材を一体化することが可能とな
る。
【0011】また、リング状高摩擦材の分割型への固定
が、分割型の各型のリング形状部位でリング状高摩擦材
の外側部分を挟持すると共に、リング状高摩擦材の他部
分をその周方向から押え付け可能に分割型の型空間に突
出する複数のピン部材で挟持することにより行われの
で、より確実にリング状高摩擦材を分割型の型空間内に
セット、固定することができる。
【0012】更に、リング状高摩擦材の他部分には、リ
ング状高摩擦材の他部分には、その表面に凹凸形状を連
続形成すると共に、分割型の型空間内に射出される溶融
された樹脂が凹凸形状内に流れ込むことで、凹凸形状を
前記溶融された樹脂の接触による当該樹脂との融点差で
溶融して当該樹脂に溶着した後、溶融された樹脂を固化
することで、当該樹脂とリング状高摩擦材の他部分との
凹凸係合によりリング状高摩擦材が一体化されたローラ
本体を成形するようにしているので、この凹凸係合でリ
ング状高摩擦材がローラ本体に対して移動することを、
確実に規制することが可能となる。
【0013】また、リング状高摩擦材がウレタン、ゴ
ム、ポリエステルエラストマー、塩化ビニールのいずれ
かを用いて、樹脂がポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ポリアセ
タート、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイドのい
ずれかを用いるという、既成の材料を用いているので、
成形コストが低減することが可能となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例である高摩擦駆動ロ
ーラの製造方法について、図面を参照して説明する。
【0015】まず、本実施例のローラ製造方法において
製造された高摩擦駆動ローラの構造を図1(a)及び図
1(b)に基づいて説明すると、1は高摩擦駆動ローラ
であって、ローラ本体2とリング状高摩擦材3とで構成
されている。ローラ本体2は、外周リング4からこの周
方向に所定間隔を隔てて径内方向に延びる3本のウェッ
プ部5、5、5を有し、この各ウェップ部5、5、5の
先端には外周リング4と同心にして図示しない回転軸が
嵌合される内周リング6が一体形成されている。外周リ
ング4は、その軸方向の両端側の内周面4aから外周面
4bに向かって縮径する断面台形形状に形成されてお
り、外周面4bにはその周方向に亘って環状溝7が設け
られている。この環状溝7は、ウェップ部5、5、5以
外を除いて外周リング4の内周面4aに開口している
(ウェップ部5、5、5間の空間内に開口している)。
また、内周リング6の軸方向の両端部には、その径外方
向に突出する突起部8、8が2つづつ一体形成されてお
り、この各突起部8、8には内周リング6の内周面6a
に開口して径外方向に延びる止め溝9がそれぞれ設けら
れている。そして、リング状高摩擦材3は、ローラ本体
2の環状溝7内に隙間なく嵌まり込んで、後述する製造
方法でローラ本体2に溶着して一体化されていると共
に、ローラ本体2の外周リング4から径外方向に所定量
Hだけ突出している。
【0016】尚、リング状高摩擦材3としては、例え
ば、ウレタン、ゴム、ポリエステルエラストマー、塩化
ビニール等のいずれかの材料が用いられ、また、ローラ
本体2を構成する外周リング4、ウェップ部5、5、5
及び内周リング6はリング状高摩擦材3と相溶性が高
く、且つリング状高摩擦材3よりも融点の高い樹脂、例
えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリカーボネイト、ポリアセタート、ポリ
アミド、ポリフェニレンサルファイド等のいずれかの材
料を用いて成形、製造されている。
【0017】次に、上記に示した高摩擦駆動ローラ1の
製造方法について、図2乃至図4を参照して説明する。
【0018】(1)まず、高摩擦駆動ローラ1を製造す
る前提条件として、図2に示すような、分割金型15を
用意する。以下、この分割金型15の構成を図2で説明
すると、分割金型15は、分割可能とされた上型16と
下型17とから構成され、各型16、17には環状型凹
部16A、17Aが形成されている。各型16、17の
環状型凹部16A、17Aは、各型16、17が合わさ
った時に高摩擦駆動ローラ1の外周形状に一致する型空
間A(キャビティ)を構成する。すなわち、各型16、
17の環状型凹部16A、17Aは、リング状高摩擦材
3がローラ本体2から径外方向に所定量Hだけ突出する
外面形状に相当するリング形状部位Bとローラ本体2の
外周形状に一致するローラ形状部位Cとが連続する形状
に形成されている。また、上型16(下型17であって
もよい。)には、環状型凹部16A(17A)に開口す
る射出口18が設けられている。
【0019】(2)そして、分割金型15を用意した
後、この分割金型15を分割して、図3(a)に示すよ
うに、下型17のリング形状部位Bにリング状高摩擦材
3の外周側部分3Aを隙間なく嵌め込んで係合すると共
に、リング状高摩擦材3の下型17開口側の側面3aを
所定量だけ下型15の外部に突出し、且つその外周側部
分3A以外の他部分3Bをローラ形状部位Cに突出する
状態にしてセットする。尚、このリング状高摩擦材3
は、図3(b)に示すように、例えば、ウレタン、ゴ
ム、ポリエステルエラストマー、塩化ビニール等のいず
れかの材料を用いて、所定の内外径にされた円筒体20
を成形し、その後、所定厚さ毎に切断して製作されたも
の等が用いられる。
【0020】(3)分割金型15の下型17のリング形
状部位Bにリング状高摩擦材3をセットした後に、図3
(c)に示すように、この下型17に上型16を重ね合
わせてリング状高摩擦材3を覆うようにして型空間A
(キャビティ)を形成する。このとき、上型16の重
量、又は所定押圧力を加えることにより、上下型16、
17のリング形状部位B、Bでリング状高摩擦材3の外
周側部分3Aを弾性変形させつつ、挟持することでリン
グ状高摩擦材3を分割金型15に固定する。これによ
り、上下型16、17のリング形状部位B、B間に挟持
されたリング状高摩擦材3は、その外周側部分3Aが各
リング形状部位B、Bに対して気密に係合され、後述説
明する溶融された樹脂30が各リング形状部位B、Bと
リング状高摩擦材3の外周側部分3Aとの間に入り込む
ことなのないシール効果が発揮され、完成品である高摩
擦駆動ローラ1におけるリング状高摩擦材3の所定突出
量Hを確保できる。
【0021】(4)この後、図4(a)に示すように、
上型16の射出口18内に射出成形機25のノズル26
を係合して、この射出成形機25内で溶融されたローラ
本体2を成形するための樹脂30を、スクリュー27で
押し出し、ノズル26から射出口18を通して分割金型
15の型空間A内に射出する。ここで、ローラ本体2を
形成する樹脂30は、リング状高摩擦材3と相溶性が高
く、リング状高摩擦材3よりも融点の高い樹脂、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリカーボネイト、ポリアセタート、ポリア
ミド、ポリフェニレンサルファイド等のいずれかの材料
が用いられている。そして、ノズル26から分割金型1
5の型空間A内に射出された樹脂30は、この型空間A
に隙間なく充填されていくが、このとき、図4(b)に
示すように、上下型16、17のリング形状部位B、B
で弾性的に挟持されたリング状高摩擦材3の外周側部分
3Aには樹脂が入り込むことがなく、リング状高摩擦材
3のローラ形状部位Cに突出する他部分3Bが溶解され
た樹脂30と接触して、この樹脂30が有する融点温度
(樹脂30との融点差)によりリング状高摩擦材3の他
部分3Bの表面が、すなわち、リング状高摩擦材3の両
側面3a、3bと内周面3cとの表面が溶かされる溶融
部35が形成され、この溶融部35が溶融状態の樹脂3
0と相混り合うようにしてリング状高摩擦材3を樹脂3
0に溶着する。
【0022】(5)分割金型15の型空間A内に隙間な
く溶融された樹脂30が充填されると、射出成形機25
からの樹脂30の射出を止めて分割金型15を冷却し
て、溶融状態の樹脂30と、リング状高摩擦材3の溶融
部35とを固化することで、ローラ本体2を形成すると
共に、リング状高摩擦材3はローラ本体2に形成される
環状溝7に一体化された状態で固定される。そして、分
割金型15の上下型16、17を分割することで、図1
(a)及び(b)に示す、高摩擦駆動ローラ1を成形す
る。
【0023】尚、本実施例において、分割金型15にリ
ング状高摩擦材3をセット、固定する方法として、上下
型16、17の各リング形状部位B、Bでリング状高摩
擦材3の外周側部分3Aを弾性変形させて挟持して行う
場合について説明〔上記(2)及び(3)に記載〕した
が、これに限定されるものでなく、各型16、17のリ
ング形状部位B、Bでリング状高摩擦材3の外周側部分
3Aを弾性変形させて挟持すると共に、図5(a)に示
すように、リング状高摩擦材3の周方向に所定間隔を隔
てて各型16、17のローラ形状部位C、C内に突出す
る複数のピン部材40、40、40、・・・・で、リン
グ状高摩擦材3の他部分3Bをその周方向から挟持して
分割金型15の型空間A内にセット、固定するようにし
たものであってもよい。そして、上記(4)及び(5)
と同様にして、溶融された樹脂30を分割金型15の型
空間A内に射出することで、リング状高摩擦材3が一体
的に固定されたローラ本体2を形成する。また、このよ
うに、リング状高摩擦材3を複数のピン部材40、4
0、40、・・・で分割金型15にセット、固定されて
樹脂30を射出して成形すると、図5(b)に示すよう
な高摩擦駆動ローラ100が成形製造される。即ち、図
5(b)において、原則として上記実施例で示した高摩
擦駆動ローラ1と同一構成を有するが、ローラ本体2の
外周リング4の側面には、その周方向に所定間隔Tを隔
てて複数の連通孔45、45、45、・・・が形成され
る。尚、リング状高摩擦材3の他部分3Bを挟持するも
のは、複数のピン部材40、40、40、・・・に限定
されない。
【0024】また、本実施例において、リング状高摩擦
材3の他部分3Bには、図6に示すように、この他部分
3Bの両側面3a、3b及び内周面3cに凹部50Aと
凸部50Bとが連続する凹凸形状50を形成したもので
あってもよい。具体的には、リング状高摩擦材3の両側
面3a、3bには、この円周に亘って延びその外周から
内周に向かって凹部50Aと凸部50Bとを連続に形成
し、また、内周面3cには、その軸方向に延びる凹部5
0Aと凸部50Bとをその円周に亘って形成したもので
ある。この場合には、溶融された樹脂30を分割金型1
5の型空間A内に射出すると、この樹脂30がリング状
高摩擦材3の凹凸形状50に流れ込み、この凹凸形状5
0が溶融された樹脂30の接触によるこの樹脂30の融
点差で溶かさせる溶解部分52が形成され、この溶融部
分52が樹脂30に溶着する。そして、分割金型15を
冷却して樹脂30を固化すると、リング状高摩擦材3の
凹凸形状50に流れ込んだ樹脂30がこの凹凸形状50
に倣う凹凸形状55に固化して、樹脂30で成形された
ローラ本体2にリング状高摩擦材3が凹凸係合してい一
体化される。これにより、ローラ本体2とリング状高摩
擦材3とが凹凸係合するので、リング状高摩擦材3は上
記実施例よりも強固にローラ本体2にその弾性を損なう
ことなく、一体化させることができ、この凹凸係合でリ
ング状高摩擦材3の移動を確実に規制することができる
ので、性能の良い高摩擦駆動ローラ1、100を成形す
ることが可能である。
【0025】また、本実施例における高摩擦駆動ローラ
1、100におけて用いた分割金型15の各型16、1
7の環状型凹部16A、17Aの形状は、これに限定さ
れるものでなく、種々の環状型凹部に変更することで、
種々の形状を有するローラ本体2を成形できると共に、
種々の形状のローラ本体2の成形と同時に、この外周面
にリング状高摩擦材3を一体化して固定させることがで
きる。例えば、各型16、17の環状型凹部16A、1
7Aを変更することで、図7(a)及び図7(b)に示
しような構造を有する、リング状高摩擦材3が一体化さ
れたローラ本体2からなる高摩擦駆動ローラ150を成
形することができる。図7(a)及び図7(b)におけ
る高摩擦駆動ローラ150は、原則として上記実施例で
示した高摩擦駆動ローラ1と同一構成を有するが、ロー
ラ本体2の外周リング4と内周リング6とを連結するウ
ェッブ部5、5、5の相互空間Dであって、外周リング
4にバネ機構60を一体形成したものである。このバネ
機構60は、内周リング6側に突出して、外周リング4
の軸方向にリング状高摩擦材3を下方から保持するよう
に(リング状高摩擦材3を横切って)延びており、この
軸方向の一端側のみが外周リング4に一体的に連結され
ている。これにより、高摩擦駆動リング150は、その
外周に押圧力が作用すると、このリング状高摩擦材3が
弾性変形するがリング状高摩擦材3を下方から保持する
バネ機構60が外周リング4に連結された部分を支点に
して内周リング6側に扇状に開くように弾性変形して、
リング状高摩擦材3にローラ本体2の外側に押し出す力
を与えて、高摩擦駆動ローラ150に作用した押圧力を
吸収する。
【0026】更に、本実施例における高摩擦駆動ローラ
1、100の製造方法においては、リング状の高摩擦材
3を分割金型15のリング形状部位Bにセットするだけ
なので、このリング状高摩擦材3の分割金型15へのセ
ットを組み立機械等により容易に行うことができ、高摩
擦駆動ローラ1、100の成形製造を自動化することが
可能となる。
【0027】
【発明の効果】このように本発明の高摩擦駆動ローラの
製造方法によれば、分割型の各型のリング形状部位でリ
ング状高摩擦材の外側部分を弾性変形させるように挟持
して、型空間内にリング状高摩擦材を固定すると共に、
分割型の内部空間に、リング状高摩擦材と相溶性が高
く、且つ当該リング状高摩擦材より融点の高い性質を有
する樹脂を溶融して射出することで、リング状高摩擦材
が挟持された他部分の表面を樹脂の接触による当該樹脂
との融点差で溶融して当該樹脂に溶着させた後、分割金
型を冷却して、当該分割型から取り出すことでリング状
高摩擦材が一体化されたローラ本体を成形するようにし
たので、別途、ローラ本体の外周面にリング状高摩擦
材を取り付け、又は高摩擦材を成形するという工程が必
要なくなり、リング状高摩擦材の表面を溶融された樹脂
で溶融してこの樹脂と溶着することで、リング状高摩擦
材はその弾性を損なうことなくローラ本体に一体化され
る。また、成形時において、リング状高摩擦材は、そ
の外周側部分が各型の各リング形状部位で弾性的に挟持
することで分割型の型空間内に固定されるので、射出に
よる溶融された樹脂が各型のリング形状部位と外側部分
の間に入れ込むことが防止できるシール効果が発揮で
き、ローラ本体からのリング状高摩擦材の所定突出量H
を精度よく確保できると共に、リング状高摩擦材を用い
ることによりこの表面を研磨する等の加工も必要なくな
る。更に、分割金型の各型の環状型凹部の形状を変更
するだけで、種々の形状にローラ本体を形成することが
できると同時に、その外周面にリング状高摩擦材を一体
化して固定できる。また、分割型のリング形状部位に
リング状高摩擦材をセットして、分割型の型空間に溶解
された樹脂を射出して形成する工程だけにすることがで
きるので、自動化製作が可能となる。この結果、成形
時間の短縮化を図り、その成形コストも低減することが
できると共に、分割型の変更による成形形状の自由度が
高くなり、種々の形状を有するローラ本体にリング状高
摩擦材を一体化することが可能となる。
【0028】また、リング状高摩擦材の分割型への固定
が、分割型の各型のリング形状部位でリング状高摩擦材
の外側部分を挟持すると共に、リング状高摩擦材の他部
分をその周方向から押え付け可能に分割型の型空間に突
出する複数のピン部材で挟持することにより行われの
で、より確実にリング状高摩擦材を分割型の型空間内に
セット、固定することができるので、より精度のよいリ
ング状高摩擦材が一体化されたローラ本体を成形するこ
とができる。
【0029】更に、リング状高摩擦材の他部分には、そ
の表面に凹凸形状を連続形成すると共に、分割型の型空
間内に射出される溶融された樹脂が凹凸形状内に流れ込
むことで、凹凸形状を前記溶融された樹脂の接触による
当該樹脂との融点差で溶融して当該樹脂に溶着した後、
溶融された樹脂を固化することで、当該樹脂とリング状
高摩擦材の他部分との凹凸係合によりリング状高摩擦材
が一体化されたローラ本体を成形するようにしているの
で、この凹凸係合でリング状高摩擦材がローラ本体に対
して移動することを、確実に規制することができ、性能
の良いリング状高摩擦材が一体化されたローラ本体を成
形することが可能となる。
【0030】また、リング状高摩擦材がウレタン、ゴ
ム、ポリエステルエラストマー、塩化ビニールのいずれ
かを用いて、樹脂がポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ポリアセ
タート、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイドのい
ずれかを用いて前記リング状摩擦材が一体化されたロー
ラ本体の成形を行うので、既成の材料を用いているの
で、成形コストが低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における製造方法で製造され
た高摩擦駆動ローラの構成を示す図であって、(a)は
高摩擦駆動ローラの平面図、(b)は高摩擦駆動ローラ
の縦断面図である。
【図2】本発明の一実施例における高摩擦駆動ローラの
製造方法に用いられる分割金型の構成を示す断面図であ
る。
【図3】本発明の一実施例における高摩擦駆動ローラの
製造方法を示す図であって、(a)は分割金型の下型に
リング状高摩擦材をセットした状態を示す断面図、
(b)はリング状高摩擦材を製作するための円筒体の構
成を示す側面図、(c)はリング状高摩擦材がセットさ
れた下型に上型を重ね合わせた状態を示す断面図であ
る。
【図4】本発明の一実施例における高摩擦駆動ローラの
製造方法を示す図であって、(a)は下型に上型を重ね
合わせた分割金型の型空間内に溶融した樹脂を射出する
状態を示した断面図、(b)は射出された樹脂とリング
状高摩擦材との溶融関係を示す要部拡大図である。
【図5】本発明の一実施例における高摩擦駆動ローラの
製造方法の変形例を示す図であって、(a)は分割金型
のリング形状部位で挟持されたリング状高摩擦材を、更
に複数のピン部材で挟持して固定する状態を示す断面
図、(b)は(a)の状態で固定されたリング状高摩擦
材が一体化されたローラ本体の構成を示す平面図であ
る。
【図6】本発明の一実施例における高摩擦駆動ローラの
製造方法の変形例として、リング状高摩擦材の他部分に
凹凸形状を形成して射出成形するものを示した要部拡大
図である。
【図7】本発明の一実施例における高摩擦駆動ローラの
製造方法の変形例を示した図であって、(a)はリング
状高摩擦材が一体化されたローラ本体の構成を示す平面
図、(b)はリング状高摩擦材が一体化されたローラ本
体の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1、100 高摩擦駆動ローラ 2 ローラ本体 3 リング状高摩擦材 3A 外周側部分 3B 他部分 15 分割金型 16 上型 17 下型 30 樹脂 A 型空間 B リング形状部位 C ローラ形状部位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 67:00 69:00 75:00 77:00 81:00 B29L 31:16 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/00 - 45/84 B29C 33/00 - 33/76

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローラ本体と、当該ローラ本体の外周か
    ら所定量だけ突出するリング状高摩擦材とからなる高摩
    擦駆動ローラを製造する方法において、 (1)前記ローラ本体の外周から所定量だけ突出する前
    リング状高摩擦材の外面形状とされたリング形状部位
    と、当該リング形状部位に連続して前記ローラ本体の外
    周形状とされたローラ形状部位とからなる環状型凹部が
    形成された2つの型を有し、各型を重ね合わせることで
    前記高摩擦駆動ローラの外周形状となる型空間が形成さ
    れる分割型を備え、 (2)前記分割型の一方の型のリング形状部位に前記リ
    ング状高摩擦材の外周側部分を係合させてセットし、 (3)前記分割型の他方の型を前記一方の型に重ねて前
    記型空間を形成しつつ、各型のリング形状部位で前記リ
    ング状高摩擦材の外周側部分を弾性変形させるように挟
    持して、前記型空間内に前記リング状高摩擦材を固定す
    ると共に、 (4)前記分割型の内部空間に、前記リング状高摩擦材
    と相溶性が高く、且つ当該リング状高摩擦材より融点の
    高い性質を有する樹脂を溶融して射出することで、前記
    リング状高摩擦材が各型のリング形状部材で挟持された
    他部分の表面を、前記溶融された樹脂の接触による当該
    樹脂との融点差で溶融して当該樹脂に溶着させた後、 (5)前記分割型を冷却して前記樹脂を固化した後、当
    該分割型から取り出すことで前記リング状高摩擦材が一
    体化された前記ローラ本体を成形することを特徴とする
    高摩擦駆動ローラの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記リング状高摩擦材の前記分割型への
    固定が、前記分割型の各型のリング形状部位で前記リン
    グ状高摩擦材の外周側部分を弾性変形させて挟持すると
    共に、 前記リング状高摩擦材の他部分をその周方向から押え付
    け可能に前記分割型の型空間に突出する複数のピン部材
    で挟持することにより行われることを特徴とする請求項
    1記載の高摩擦駆動ローラの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記リング状高摩擦材の他部分には、そ
    の表面に凹凸形状を連続形成すると共に、 前記分割型の型空間内に射出される溶融された樹脂が前
    記凹凸形状内に流れ込むことで、前記凹凸形状を前記溶
    融された樹脂の接触による当該樹脂との融点差で溶融し
    て当該樹脂に溶着した後、 前記溶融された樹脂を固化することで、当該樹脂と前記
    リング状高摩擦材の他部分との凹凸係合により前記リン
    グ状高摩擦材が一体化された前記ローラ本体を成形する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2それぞれに記載
    の高摩擦駆動ローラの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記リング状高摩擦材がウレタン、ゴ
    ム、ポリエステルエラストマー、塩化ビニールのいずれ
    かを用いて、前記樹脂がポリエチレンテレフタレート、
    ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ポリ
    アセタート、リアミド、ポリフェニレンサルファイドの
    いずれかを用いて前記リング状摩擦材が一体化され
    前記ローラ本体の成形を行うことを特徴とする請求項
    1乃至請求項3それぞれに記載の高摩擦駆動ローラの製
    造方法。
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