JP4446081B2 - 樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法 - Google Patents

樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば自動車の駆動軸(ドライブシャフト)や推進軸(プロペラシャフト)に用いられる等速ジョイント(Constant Velocity Universal Joint)を保護するための樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法に関する
従来、例えば自動車の駆動軸(ドライブシャフト)や推進軸(プロペラシャフト)に用いられる等速ジョイントには、潤滑剤としてのグリースを密封すると共に、外部からの塵や水などの浸入を防ぐために、各種の等速ジョイント用ブーツ(例えば、インボード側(エンジン側)等速ジョイント用ブーツ、アウトボード側(タイヤ側)等速ジョイント用ブーツ)が装着されている。
例えば図7(a),(b)に示すように、等速ジョイント用ブーツには、その一端側に等速ジョイント2の軸部2aに締結させることが可能な一端側環状締結部P1が設けられていると共に、その他端側には、等速ジョイント2のギヤハウジング(アウタースリーブ)2bに締結させることが可能な他端側環状締結部P3が設けられており、一端側環状締結部P1と他端側環状締結部P3との間には、等速ジョイント2の軸部2aとギヤハウジング2bとの相対的な角度変化に追従して弾性変形することが可能な環状蛇腹部P2が設けられている。
環状蛇腹部P2は、一端側環状締結部P1に連続した環状の肩部Kから他端側環状締結部P3に向って、複数の環状山部Mと環状谷部Vとが交互に組み合わされた中空円錐状に成形されている。このような構成により、環状蛇腹部P2は、弾性的に伸縮変形可能な状態に維持される。
また、一端側環状締結部P1及び他端側環状締結部P3には、それぞれ、一端側締結用バンド4a及び他端側締結用バンド4bを装着させるためのバンド装着部6a,6b(図7(c),(d)参照)が設けられており、これらバンド装着部6a,6bに一端側締結用バンド4a及び他端側締結用バンド4bをそれぞれ装着して締め付けることにより、一端側環状締結部P1を等速ジョイント2の軸部2aに締結させることができると共に、他端側環状締結部P3を等速ジョイント2のギヤハウジング2bに締結させることができる。
このような等速ジョイント2としては、ギヤハウジング2bの薄肉化や軽量化などを目的として、そのギヤハウジング2bの外周の複数箇所(例えば等間隔で3箇所)に凹球状部Qが設けられたトリポッドジョイント(Tripod Joint)が知られている。この場合、等速ジョイント用ブーツの他端側環状締結部P3の内周は、トリポッドジョイント2のギヤハウジング2bの外周形状(3箇所の凹球状部Q)と整合するように、肉厚の異なる部分を有した形状(各々の凹球状部Qに対向する厚肉部T1と、それ以外の薄肉部T2とを有した形状)にする必要がある。
トリポッドジョイント用ブーツを製造する方法としては、例えば特許文献1に示された製造方法を適用することができる。この製造方法によれば、まず一次成形工程において、一端側環状締結部P1と環状蛇腹部P2と他端側環状締結部P3とから成るブーツ本体Pm(図7(c))を溶融樹脂材料(熱可塑性樹脂)で一体成形する。次に二次成形工程において、樹脂製ブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周をコア(例えば、図3(a)に示すようなコア18)に嵌めると共に、他端側環状締結部P3の外周を射出成形金型12(例えば、図3(a)及び図8に示すような割型14a,14b)で保持した状態でランナ機構により熱可塑性樹脂を射出(注入)し、他端側環状締結部P3の内周(図7(d))に厚肉部T1とそれ以外の薄肉部T2とを一体成形する。このような成形工程により、二次成形品であるトリポッドジョイント用ブーツが完成する。
このような製造方法においては、図8に示すように、一次成形品であるブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3には、そのバンド装着部6bの下端にバンド位置決め用鍔部46が予め一体成形されており、一方、金型(割型14a,14b)の内周(ブーツ本体設置空間20a,20b)には、二次成形時にバンド位置決め用鍔部46を収容保持することが可能な鍔部用凹所48が予め形成されている。なお、鍔部用凹所(凸部成形空間、鍔部成形空間とも言う)48は、二次成形時にバンド位置決め用鍔部46をブレ無く安定して且つ確実に収容保持できるような大きさに設定されている。
この場合、ブーツ本体Pmを金型(割型14a,14b)で保持する際、バンド位置決め用鍔部46と鍔部用凹所48とが互いに正確に対向して位置付けられるように、金型(割型14a,14b)に対してブーツ本体Pmを位置合わせ(位相合わせ)しなければならない。なお、図8では、コア18(図3(a)参照)を省略している。
金型(割型14a,14b)とブーツ本体Pmとの位置合わせ(位相合わせ)は、例えば人手により行う場合には手間と時間がかかり面倒であると共に、例えば自動的に行う場合には機械的な位置決め精度が求められ、そのための装置の制御回路や装置構成が別途必要となり、装置の製造コストが上昇してしまう。
いずれの場合でも、バンド位置決め用鍔部46と鍔部用凹所48とが互いに対向して位置付けられないまま二次成形処理が行われると、バンド位置決め用鍔部46の一部が金型(割型14a,14b)との間に噛み込むことにより、例えばバンド位置決め用鍔部46が部分的に変形或いは破損してしまう場合がある。
そして、変形や破損したバンド位置決め用鍔部46をそのまま用いた場合、トリポッドジョイント2のギヤハウジング2bにトリポッドジョイント用ブーツの他端側環状締結部P3を装着して締め付ける際に、他端側締結用バンド4bを確実に位置決めできなくなる場合もある。
このような問題を解消する方法としては、例えば二次成形処理の終了後、二次成形品であるトリポッドジョイント用ブーツの他端側環状締結部P3(バンド装着部6b)に、バンド位置決め用鍔部46を例えば接着や溶着により後付けする方法も考えられるが、かかる方法では、バンド位置決め用鍔部46の後付け工程が別途新たに必要となり、製造工程の増加に伴って製造コストが上昇してしまう。
特願2003−041317号
本発明は、上述したような課題を解決するために成されており、その目的は、金型(割型)に対して一次成形品であるブーツ本体を位置合わせ(位相合わせ)すること無く、ブーツ本体の他端側環状締結部をコアに嵌め、その外周を割型で保持するだけで二次成形処理を開始して、他端側環状締結部の外周に凸部を一体成形したり又は周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部を一体成形することが可能な樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、一次成形された樹脂製ブーツ本体を射出成形金型内に保持した状態において、この射出成形金型内に形成された二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填し、ブーツ本体の他端側環状締結部に肉厚の異なる部分を二次成形して樹脂製等速ジョイント用ブーツを製造する製造方法であって、下記の2通りの製造方法を適用することができる。
第1の製造方法としては、ブーツ本体をコアで内側から保持する工程と、一次成形されたブーツ本体を割型で外側から保持する工程と、他端側環状締結部とコアとの間に形成された厚肉部成形空間及び薄肉部成形空間から成る二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する工程と、二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する際の当該溶融樹脂材料の熱作用及び圧力作用を他端側環状締結部に加えて、当該他端側環状締結部の外周を割型内周の凹所内又は鍔部用凹所内に膨らませて入り込ませることにより、当該他端側環状締結部の外周に凸部又は周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部を一体成形する工程とを有している。
第2の製造方法としては、ブーツ本体をコアで内側から保持する工程と、一次成形されたブーツ本体を割型で外側から保持する工程と、他端側環状締結部と割型との間に形成された厚肉部成形空間及び薄肉部成形空間から成る二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する工程と、二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する際に、当該溶融樹脂材料を割型内周の凹所内に充填することにより、他端側環状締結部の外周に凸部又は周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部を一体成形する工程とを有している。
いずれの製造方法においても、予め割型内周の所定位置に凹所を形成したり又は周方向に沿って鍔部用凹所を断続的に形成しておけば、ブーツ本体の他端側環状締結部の外周に凸部を一体成形したり又は周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部を断続的に一体成形することができる。また、予め割型内周の所定位置に凹所を形成したり又は周方向に沿って鍔部用凹所を連続的に形成しておけば、ブーツ本体の他端側環状締結部の外周に凸部を一体成形したり又は周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部を連続的に一体成形することができる。
本発明の製造方法によれば、バンド位置決め用鍔部と鍔部用凹所とが互いに正確に対向して位置付けられるように、割型に対して一次成形品であるブーツ本体を位置合わせ(位相合わせ)するといった手間が不要になる。つまり、一次成形品であるブーツ本体の他端側環状締結部には、バンド位置決め用鍔部が成形されていないため、割型に対するブーツ本体の向きを考慮すること無く他端側環状締結部をコアに嵌め、その外周を割型で保持するだけで、従来のようなバンド位置決め用鍔部の噛み込みによる変形や破損といった問題を生じさせずに二次成形処理を開始することができる。この場合、二次成形工程を開始するまでの手間や時間を無くすることができると共に、従来のように位置あわせ(位相合わせ)のための制御回路や装置構成が不要になるため、樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造効率や歩留まりを高めることができると共に、製造コストを低減することができる。
また、本発明の製造方法によれば、他端側環状締結部とギヤハウジングとの間のシール性を向上させるべく厚肉部と薄肉部との境界(境目)を強く圧迫するために外周のそれに対応する位置に凸部を一体成形したり、或いは、厚肉部頂点を圧迫するために外周のそれに対応する位置に凸部を一体成形したり、更に、外周の任意の位置に任意の目的のために任意の形状の凸部を一体成形することができる。
以下、本発明の樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法について、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、樹脂製等速ジョイント用ブーツの一実施の形態として、図7及び図8を参照して既に説明したトリポッドジョイント用ブーツ(以下、トリポッドブーツと称する)を例示して説明する。
本実施の形態は、トリポッドブーツの製造方法において、射出成形金型12(割型14a,14b)に対して一次成形品であるブーツ本体Pmを位置合わせ(位相合わせ)すること無く、ブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3をコア18に嵌め、その外周を割型14a,14bで保持するだけで二次成形処理を開始して、他端側環状締結部P3の外周に周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部46を一体成形することができるようになっている。
図1(a),(b)に示すように、本実施の形態のトリポッドブーツは、既存の一次成形工程において溶融樹脂材料(熱可塑性樹脂)でブーツ本体Pm(図7(c)参照)を一体成形した後、二次成形工程においてブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周に、トリポッドジョイント2(図7(a)参照)の外周形状(3箇所の凹球状部Q)と整合した肉厚の異なる部分(各々の凹球状部Qに対向する厚肉部T1と、それ以外の薄肉部T2とを有した部分)を熱可塑性樹脂で一体成形して構成されている。
なお、熱可塑性樹脂としては、例えばポリエステル系の熱可塑性エラストマ等の溶融樹脂材料を用いることができるが、トリポッドブーツの使用目的や使用環境などに応じて、これ以外の樹脂材料を用いても良い。
一次成形品であるブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周には、その周方向に沿って高さの異なる凸部8a及び凹部8bが縦方向に交互に形成されており、これにより、二次成形で一体化されたトリポッドブーツの肉厚の異なる部分(ブーツ本体Pmの肉厚と厚肉部T1及び薄肉部T2の肉厚とが合わさって構成された部分)に対する密着性を高めることができる。即ち、ブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周とトリポッドブーツの肉厚の異なる部分(厚肉部T1、薄肉部T2)とを互いに堅牢に密着させて一体化させることができる。
なお、ブーツ本体Pm(一端側環状締結部P1、環状蛇腹部P2、他端側環状締結部P3)の肉厚は、トリポッドブーツの使用目的や使用環境などに応じて最適な厚さ寸法に設定されるため、ここでは、その数値限定はしない。
また、トリポッドブーツの他端側環状締結部P3の内周に二次成形される肉厚の異なる部分(厚肉部T1、薄肉部T2)は、トリポッドジョイント2のギヤハウジング2b(図7(a)参照)の外周形状に応じて、任意の位置に且つ任意の組合せにより構成し、本実施の形態において、厚肉部T1と薄肉部T2は、周方向に沿って等間隔で交互に連続して成形されている(図1(b)参照)。
ここで、厚肉部T1と薄肉部T2の径方向の厚みに着目すると、例えば図4(c)において、実線部分は厚肉部T1、点線部分は薄肉部T2を示しており、図中Rで示す範囲が厚肉部T1と薄肉部T2の径方向の厚み共通部分であって周方向に同一である。そして、図中W1で示す位置が厚肉部T1と薄肉部T2の径方向の厚みの境界を示している。
厚肉部T1は、トリポッドジョイント2の凹球状部Q(図7(a),(b)参照)に密着して嵌り合うように、薄肉部T2から内径方向に凸球状に膨出成形されている。この場合、厚肉部T1の奥行き(厚肉部T1の環状蛇腹部P2寄りの端縁)は、トリポッドブーツの他端側環状締結部P3と環状蛇腹部P2の境界領域Lに重ならないように設定されている。具体的には、厚肉部T1の奥行きは、境界領域Lの内壁よりも他端側環状締結部P3寄りの位置W2までに規定されている。
一方、薄肉部T2の内径は、トリポッドジョイント2の凹球状部Qを除いた外周(ギヤハウジング2bの外周)に密着するような曲率に設定されており、薄肉部T2の境界W1も上記境界領域Lに重ならないように設定されている。
このように、厚肉部T1の奥行きW2と薄肉部T2の境界W1を、他端側環状締結部P3と環状蛇腹部P2の境界領域Lに掛からないように設定することにより、境界領域Lの内面周辺に生じる応力によるクラックの発生を抑えることができる。
なお、厚肉部T1と薄肉部T2の形状や数量、厚さ・幅・奥行き等の諸条件は、トリポッドジョイント2の外周形状に応じて適宜設計変更できるため、ここでは、その数値限定はしない。
図1(b)及び図2並びに図4(c)に示すように、各々の厚肉部T1には、トリポッドブーツの軸方向に沿って互いに並列した2つの筒状凹部10が成形されており、これら筒状凹部10により、二次成形時の厚肉部成形空間S1(図1(c)参照)を溶融樹脂材料(熱可塑性樹脂)が流れるときの乱流発生が極めて少なくなり、融合不良やエアー巻き込み発生の防止が図られている。
また、図面上において、筒状凹部10は、厚肉部T1に2個ずつ設けられているが、これに限定されることは無く、例えば1個だけ或いは3個以上設けても良い。また、筒状凹部10の内部形状は、図示したような円筒形状に限定されることは無く、例えば円すい台形状、三角柱形状、四角柱形状、及び矩形状など任意の形状を選択することができる。
なお、その他の構成は、既に説明した図7及び図8のトリポッドブーツと同一であるため、同一箇所に同一符号を付すことにより、その説明を省略する。
次に、上述したトリポッドブーツの製造装置及び製造方法について説明する。
図1(c)には、本実施の形態の製造装置の一例が示されており、かかる製造装置は、一次成形された樹脂製ブーツ本体Pmを射出成形金型12内に保持した状態において、この金型12内に形成された二次成形空間(S1,S2)に溶融樹脂材料を射出充填し、ブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周に肉厚の異なる部分を二次成形する際に、他端側環状締結部P3(バンド装着部6b)の下端外周にバンド位置決め用鍔部46を一体成形してトリポッドブーツを成形した後、このトリポッドブーツを金型12から脱型(離型)するように構成されている。
具体的に説明すると、本実施の形態の製造装置は、一次成形された樹脂製ブーツ本体Pmを外側から保持する割型14a,14bと、ブーツ本体Pmを内側から保持するコア18と、コア18と他端側環状締結部P3との間に形成される二次成形空間(S1,S2)に溶融樹脂材料(例えば、ポリエステル系の熱可塑性エラストマ等の熱可塑性樹脂)を射出充填するランナ機構と、二次成形空間に溶融樹脂材料が充填されることにより、他端側環状締結部に、二次成形空間内の溶融樹脂材料の肉厚とブーツ本体の肉厚とが合わさって構成された肉厚の異なる部分が一体的に二次成形されたトリポッドブーツをコア18から脱型する突き出し機構とを備えている。
本実施の形態において、一次成形品であるブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3(バンド装着部6b)の下端には、バンド位置決め用鍔部46が予め一体成形されておらず、かかるバンド位置決め用鍔部46は、二次成形工程で一体成形される(図3(a)及び図5参照)。なお、図3(a)には、二次成形終了後の状態(バンド位置決め用鍔部46が他端側環状締結部P3(バンド装着部6b)の下端に一体成形された状態)が示されており、図5には、二次成形処理に際し、ランナ機構により射出された溶融樹脂材料(熱可塑性樹脂)の熱作用及び圧力作用が他端側環状締結部に加えられている状態が示されている。
また、本実施の形態の製造装置に用いた金型12において、割型14a,14bは、固定型16上を矢印H方向に摺動可能に構成されており、固定型16には、コア18が固定されている。そして、割型14a,14bの内周(ブーツ本体設置空間20a,20b)には、二次成形時にバンド位置決め用鍔部46を成形するための鍔部用凹所(凸部成形空間、鍔部成形空間とも言う)48が予め形成されている(図1(c)及び図3(a)並びに図5参照)。
更に、割型14a,14bの内周には、一次成形品である樹脂製ブーツ本体Pmの外形に合致したブーツ本体設置空間20a,20b(図3(a)参照)が形成されており、例えば割型14a,14bを図3(a)のように開いた状態でブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3をコア18に嵌め込んだ後、図1(c)の状態に閉じることにより、ブーツ本体Pmを金型12内に保持して型締めすることができる。この場合、特にブーツ本体Pmの境界領域L(他端側環状締結部P3と環状蛇腹部P2の境界領域)は、割型14a,14bとコア18との間に挟持された状態で安定して保持されるため、成形ズレの無い高精度な二次成形処理を行うことができる。
なお、一次成形品である樹脂製ブーツ本体Pmを割型14a,14bのブーツ本体設置空間20a,20bに予めインサート保持し、その後、コア18を他端側環状締結部P3に嵌め込んで型締めしても上記同様の効果を得ることができる。
また、ブーツ本体設置空間20a,20bの内部形状は、少なくともブーツ本体Pmの境界領域L(他端側環状締結部P3と環状蛇腹部P2の境界領域)が安定して保持できれば、その他の空間は、ブーツ本体Pmの外形に合致した形状にする必要は無く、多少の隙間があっても良い。
コア18の外周には、ブーツ本体Pmの境界領域L(他端側環状締結部P3と環状蛇腹部P2の境界領域)の環状内壁に嵌合する環状嵌合部18aと、他端側環状締結部P3の内周に二次成形される肉厚の異なる部分(厚肉部T1、薄肉部T2)の範囲を規定する二次成形規定部18bとが設けられている。
この構成において、例えば図3(a)に示すように割型14a,14bを開いた状態で、一次成形品であるブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3をコア18に嵌め込み、その他端側環状締結部P3の下端面Eを固定型16に当て付けると、コア18の環状嵌合部18aがブーツ本体Pmの境界領域Lの環状内壁に嵌合することにより、ブーツ本体Pmをコア18に対して安定して位置決めセットすることができる。そして、この状態において、二次成形規定部18bと他端側環状締結部P3の内周との間には、肉厚の異なる部分(厚肉部T1、薄肉部T2)を二次成形するための二次成形空間(厚肉部成形空間S1及び薄肉部成形空間S2)が形成される(図1(c)参照)。
この場合、厚肉部成形空間S1及び薄肉部成形空間S2から成る二次成形空間は、トリポッドブーツを装着するトリポッドジョイント2の外形に応じて任意に設定することが可能であり、本実施の形態では、その一例として図7(a),(b)に示すように、ギヤハウジング2bの外周に等間隔で3箇所に凹球状部Qが設けられたトリポッドジョイント2を想定しているため、これに対応するように厚肉部成形空間S1を等間隔で3箇所形成すると共に、その間に薄肉部成形空間S2を介在させた二次成形空間を形成している。
また、二次成形空間の形成領域は、図4(c)で設定したような諸条件に基づいて、厚肉部T1の奥行きW2と薄肉部T2の境界W1が他端側環状締結部P3と環状蛇腹部P2の境界領域Lに掛からないように設定されている。
また、厚肉部T1に1つ又は2つの筒状凹部10を成形する場合には、予め、筒状凹部成形用ロッド22(図1(c)参照)を固定型16から厚肉部成形空間S1に向けて配設すれば良い。この場合、熱可塑性樹脂が充填された厚肉部成形空間S1から筒状凹部成形用ロッド22を二次成形終了後に引き抜くことにより、筒状凹部10を有する厚肉部T1を一体成形することができる。
また、固定型16には、上述した二次成形空間に熱可塑性樹脂を射出充填するためのランナ機構が設けられており(図1(c)参照)、このランナ機構は、図示しない射出成形機のノズル24に接合されたスプルー26からランナ28を経て射出充填ゲート(以下、ゲートと称する)30に連通している。そして、ゲート30は、コア18と他端側環状締結部P3との間に形成される二次成形空間(薄肉部成形空間S2)に対向して位置決めされている。例えば図2に示すように、3箇所に等間隔で配置された厚肉部成形空間S1の間に設けられた薄肉部成形空間S2の略中央にゲート30が各1つずつ位置決めされている。なお、図2では、等間隔に3箇所にゲート30を配置しているが、必要に応じて、ゲート30の位置をずらしたり、或いはゲート30の配置個数を増加しても良い。また、それぞれの厚肉部成形空間S1にゲート30を配置しても良い。
このようなランナ機構によれば、図5(a),(b)に示すように、射出成形機で可塑化された溶融樹脂材料は、例えば260℃以上の高温を維持した状態でゲート30から薄肉部成形空間S2内に向けて高速で射出される。このとき、ゲート30から厚肉部成形空間S1までの薄肉部成形空間S2が狭いランナとしての機能を発揮するため、ゲート30から射出された溶融樹脂材料(熱可塑性樹脂)は、高温状態を維持しつつ厚肉部成形空間S1まで高速で一瞬にして送り込まれる。この結果、エアー不良やウェルド不良などの発生を無くすることができる。
なお、ゲート30を厚肉部成形空間S1に対向して位置決めし、厚肉部成形空間S1のみから或いは厚肉部成形空間S1を含む複数箇所から熱可塑性樹脂を射出するように構成しても良いが、エアー不良やウェルド不良などの発生防止を図るためには、ゲート30を薄肉部成形空間S2に対向して配置することが好ましい。
本実施の形態の製造方法では、他端側環状締結部P3とコア18との間に形成された厚肉部成形空間S1及び薄肉部成形空間S2から成る二次成形空間に、ゲート30から溶融樹脂材料(熱可塑性樹脂)を射出充填する際の当該溶融樹脂材料の熱作用及び圧力作用を他端側環状締結部P3に加えて、当該他端側環状締結部P3の外周を割型14a,14b内周の鍔部用凹所48内に膨らませて入り込ませることにより、当該他端側環状締結部P3の外周に周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部46(図6(a)参照)を一体成形する。
ゲート30から溶融樹脂材料を射出充填する際に、他端側環状締結部P3に加わる溶融樹脂材料の熱作用及び圧力作用は、ゲート30から射出する溶融樹脂材料の例えば温度や圧力、射出速度や射出量に応じて任意に変化させることができるため、ここでは、溶融樹脂材料の温度や圧力、出射速度や出射量についての数値限定はしない。
また、図5(c),(d)に示すように、ゲート30から二次成形空間(薄肉部成形空間S2)に溶融樹脂材料を射出すると、そのときの溶融樹脂材料の熱作用及び圧力作用が矢印方向に伝わる。具体的に説明すると、ゲート30から薄肉部成形空間S2に溶融樹脂材料が射出されたとき、当該溶融樹脂材料により肉薄部成形空間S2を広げようとする圧力がコア18とブーツ本体Pmに伝わる。同時に、当該溶融樹脂材料の熱もコア18とブーツ本体Pmに伝わる。
この状態において、コア18は剛体であり変形しないため、コア18方向への圧力は、コア18からの反力となってブーツ本体Pm方向に向かうことになり、結果として、ゲート30から薄肉部成形空間S2に射出された溶融樹脂材料の圧力は全てブーツ本体Pmに伝わることになる。その間、溶融樹脂材料の熱よりブーツ本体Pmが加熱されることになり、その加熱された部分のブーツ本体Pm(他端側環状締結部P3)が軟質状態になる。
このとき、軟質状態となったブーツ本体Pm(他端側環状締結部P3)に溶融樹脂材料の圧力が作用することにより、当該他端側環状締結部P3の外周が割型14a,14b内周の鍔部用凹所48内に膨んで入り込み、その結果、他端側環状締結部P3の外周に周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部46(図6(a)参照)が一体成形される。
このような製造方法によれば、従来行われていたようなバンド位置決め用鍔部46と鍔部用凹所48とが互いに正確に対向して位置付けられるように、割型14a,14bに対して一次成形品であるブーツ本体Pmを位置合わせ(位相合わせ)するといった手間(図8参照)が不要になる。つまり、一次成形品であるブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3には、バンド位置決め用鍔部46が成形されていないため、割型14a,14bに対するブーツ本体Pmの向きを考慮すること無く他端側環状締結部P3をコア18に嵌め、その外周を割型14a,14bで保持するだけで、従来のようなバンド位置決め用鍔部46の噛み込みによる変形や破損といった問題を生じさせずに二次成形処理を開始することができる。この場合、二次成形工程を開始するまでの手間や時間を無くすることができると共に、従来のように位置あわせ(位相合わせ)のための制御回路や装置構成が不要になるため、樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造効率や歩留まりを高めることができると共に、製造コストを低減することができる。
また、上述の製造方法によれば、割型14a,14b内周の鍔部用凹所48の形状に応じて任意の形状のバンド位置決め用鍔部46を成形することができる。例えば割型14a,14b内周の所定位置に周方向に沿って断続的に鍔部用凹所48形成しておけば(図5参照)、バンド位置決め用鍔部46をブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の外周に沿って周方向に断続的に成形することができる(図6(a)参照)。また、例えば割型14a,14b内周の所定位置に周方向に沿って連続的に鍔部用凹所48形成しておけば(図5参照)、バンド位置決め用鍔部46をブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の外周に沿って周方向に連続的に成形することができる(図6(b)参照)。
更に、バンド位置決め用鍔部46の位置決め面46aの平面形状(他端側締結用バンド4b(図7(a)参照)を位置決めする側の面形状)も、例えば矩形状の位置決め面46a(図6(c)参照)や円弧状の位置決め面46a(図6(d)参照)とすることができる。なお、位置決め面46aの形状は、これに限定されることは無く、他の形状にすることもできることは言うまでも無い。
また、上述した製造方法では、ブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周(コア18と他端側環状締結部P3との間の二次成形空間)に二次成形するものとしたが、他端側環状締結部P3の外周(割型14a,14bと他端側環状締結部P3との間に形成された二次成形空間)に二次成形しても同一の効果を実現することができる。
即ち、ブーツ本体Pmの一次成形時に予めトリポッドに対応する内面形状(厚肉部T1と薄肉部T2とから成る肉厚の異なる部分の輪郭に一致した内面形状)に他端側環状締結部P3を成形し、この一次成形されたブーツ本体Pmを金型内に設置する。そして、他端側環状締結部P3内面形状に合致する外面形状のコア18を他端側環状締結部P3に嵌め込み、他端側環状締結部P3の外周と割型14a,14b内面との間に二次成形空間を形成し型締めする。その後、かかる二次成形空間内に溶融樹脂材料を射出することにより、外周面が真円状で且つ内周面が肉厚の異なる他端側環状締結部P3が一体成形される。
このとき、溶融樹脂材料が割型14a,14b内周の鍔部用凹所48内に充填されることにより、他端側環状締結部の外周に周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部46が一体成形される。なお、ゲート30による射出条件や、その他の条件などは上述した実施形態と同様に設定可能である。この製造方法によれば、二次成形される溶着部分がブーツ本体Pmの外側であるため、万が一溶着不良が発生したとしてもトリポッドブーツ内のグリース漏れの心配はない。
このように高温の熱可塑性樹脂が高速でゲート30から薄肉部成形空間S2に射出される状態おいて、特に、ブーツ本体Pmの境界領域Lの環状内壁とコア18の環状嵌合部18aとの間の密着性が充分でない場合、その間から熱可塑性樹脂が漏れ出す虞がある。
かかる事態を回避するために、本実施の形態では、例えば図4(a)に示すように、ブーツ本体Pmの境界領域Lの環状内壁に、周方向に連続した円弧状凸部32aを一次成形時に一体成形すると共に、コア18の環状嵌合部18aに、円弧状凸部32aが嵌合可能な円弧状凹部32bを周方向に連続形成し、互いに嵌合させることにより、ブーツ本体Pmの環状内壁とコア18の環状嵌合部18aとの間の密着性を高めている。
なお、これとは逆に、例えばブーツ本体Pmの境界領域Lの環状内壁に、周方向に連続した円弧状凹部を一次成形時に一体成形すると共に、コア18の環状嵌合部18aに、円弧状凹部が嵌合可能な円弧状凸部を周方向に連続形成し、互いに嵌合させても良い。
また、トリポッドブーツの他端側環状締結部P3の内周とトリポッドジョイント2のギヤハウジング2b(図5(a)参照)との密着性を向上させるために、肉厚の異なる部分(厚肉部T1、薄肉部T2)の内周に周方向に連続した1つ又はそれ以上のシール片34を二次成形時に一体成形することが好ましい。このようなシール片34を二次成形する場合、コア18の二次成形規定部18bに、シール片34の形状に合致したシール片成形凹部34a(図4(a)参照)を予め設けておけば良い。かかるシール片34によれば、トリポッドブーツの他端側環状締結部P3の内周とトリポッドジョイント2のギヤハウジング2bとの密着性が向上することにより、ギヤハウジング2bから外部へのグリースの漏洩や、外部からギヤハウジング2bへのごみ等の侵入を防止することができる。
また、ブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周に、少なくとも凸部8aと凹部8bのいずれか一つ以上を上述した一次成形時において同時に形成しておくと、二次成形時において肉厚の異なる部分(厚肉部T1、薄肉部T2)との溶着が強固となる。
本実施の形態では、周方向に連続する凸部8aと凹部8bが、一次成形品であるブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周の高さ方向に交互に複数個設けられているため、ブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周と肉厚の異なる部分(厚肉部T1、薄肉部T2)との溶着面積が広くなり強固に溶着される。なお、本実施の形態では、複数個の凸部8aと凹部8bを設ける構成としているが、上述の通り溶着が強固となり得る構成であればこれに限定して解釈されるものではなく、例えば単独の突起や窪みなどを一個乃至複数個設けることも考えられ、この場合の突起の長さなども任意に設定できる。
特に、ブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周に凸部8aを形成した場合、この凸部8aが堰の役目を兼ね、ランナ機構のゲート30から薄肉部成形空間S2に射出された熱可塑性樹脂を厚肉部成形空間S1へと均等に流動させる作用を講じる。すなわち、この堰としての凸部8aを形成することにより、薄肉部成形空間S2に射出された高速・高温の熱可塑性樹脂は、まず、ゲート30と凸部8aとの間の流動空間(凸部8a上方の流動空間)に沿って厚肉部成形空間S1方向へと流動するが、続いて凸部8a下方の流動空間に流れ込み、該流動空間に沿って追っかけるように流動する。そして、夫々の流動空間に沿って流動した熱可塑性樹脂は、厚肉部成形空間S1に同時に到達する。この場合、複数個の流動空間に流れた熱可塑性樹脂が同時に厚肉部成形空間S1に到達し得るように凸部8aの高さ・長さを調整するのが好ましい。
なお、この凸部8aは、少なくとも薄肉部成形空間S2に対応するブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周に形成されていれば良い。また、凸部8aは、トリポッドブーツの使用目的や使用環境に応じて任意に設けられるものであり、その本数も適宜設計変更可能である。
また、二次成形空間(薄肉部成形空間S2)への熱可塑性樹脂の射出条件を、次の通りに設定することにより、一次成形品であるブーツ本体Pmと二次成形品であるトリポッドブーツの肉厚の異なる部分との溶着がさらに強固となる。
例えば図4(a)に示すように、ブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周に対し、ゲート30の向きθ[度]を、0≦θ≦90の範囲に設定すると共に、ブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周とゲート30の距離をt、薄肉部成形空間S2の射出側端部の径方向距離をaとしたときに、そのゲート30の位置条件を0≦t≦2a/3とする。
これにより、ブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周に高温の熱可塑性樹脂が高速で摺接するように射出され、熱可塑性樹脂が薄肉部成形空間S2に充填される。
そして、このとき射出された高温の熱可塑性樹脂が、他端側環状締結部P3の内周を高速で摺接して流れ込むため、他端側環状締結部P3の内周表面に付着した一次成形用材料の不純物が押し流され、かつ該内周表面に高温・高速で流れた熱可塑性樹脂の熱を伝達して該表面を溶融させる。従って、射出された熱可塑性樹脂が、該熱可塑性樹脂の熱により溶融した他端側環状締結部P3の表面と強固に溶着し、他端側環状締結部P3の内周に肉厚の異なる部分が一体的に二次成形される。
また、二次成形時におけるブーツ本体Pmの境界領域Lの環状内壁とコア18の環状嵌合部18aとの間の密着性を向上させる方法としては、図4(a)に示すような構成に限定されることは無い。例えば図4(b)に示すように、一次成形時にブーツ本体Pmの境界領域Lを薄肉部成形空間S2を越えて内側に迫り出し成形し、その部分を割型14a,14bとコア18との間に挟持する。この状態で薄肉部成形空間S2に熱可塑性樹脂を高温・高速で射出すると、その射出力σ1が作用した部分(ブーツ本体Pmの迫出部近傍部)Pkは、矢印方向Adに拡張しようとする。しかしながら、かかる方向Adには、それぞれコア18及び割型14a,14bが存在し、いわゆるデッドエンドとなっている。このとき、ブーツ本体Pmの迫出部近傍部Pkは、コア18と割型14a,14bとの間で突っ張った状態(これらを押圧した状態)に維持される。この結果、二次成形時におけるブーツ本体Pmの境界領域Lの環状内壁とコア18の環状嵌合部18aとの間の密着性が向上し、いわゆるセルフシール効果を奏することになる。
以上、各成形工程(一次成形工程及び二次成形工程)を経て完成したトリポッドブーツを変形させること無くスムーズに脱型(離型)するために、本実施の形態の製造装置には、突き出し機構が設けられている。
例えば図1〜図3に示すように、突き出し機構には、上述したランナ機構のゲート30を回避した位置に複数のエジェクタ36が設けられており、これら複数のエジェクタ36からトリポッドブーツの他端側環状締結部P3の下端面Eに所定の突き出し力を作用させることにより、トリポッドブーツをコア18から安定してスムーズに脱型させることができるようになっている。なお、固定型16には、ゲート30を含めて他のランナ機構の構成(ノズル24、スプルー26、ランナ28)が配設されているため、エジェクタ36の配置では、これら各構成の配設状態を考慮する必要がある。
エジェクタ36は、それぞれ、固定型16に形成された挿通穴38を介して固定型16上に突没自在に構成されており、かかる構成を実現するために、エジェクタ36の基端は、ピストンロッド40を介してアクチュエータ42に接続されている。なお、アクチュエータ42としては、例えば既存の油圧シリンダ等を利用することが可能であり、アクチュエータ42を作動してピストンロッド40を往復運動させることにより、エジェクタ36を固定型16上から突出させたり没入させたりすることができる。
トリポッドブーツをコア18から脱型させる場合には、例えば図3(a)に示すように、割型14a,14bを開いた状態で、エジェクタ36を矢印方向に突き出し、その突き出し力をトリポッドブーツの他端側環状締結部P3の下端面Eに作用させる。この場合、二次成形終了後のトリポッドブーツは、コア18により拘束された状態に維持されているため、それぞれのエジェクタ36の配置にバランスを欠き、不均一な突き出し力を作用すると、トリポッドブーツに変形やクラック等が起きる場合がある。
そこで、本実施の形態において、各エジェクタ36は、トリポッドブーツの他端側環状締結部P3の下端面Eに均一な突き出し力を作用させるように、コア18に接触しない位置であって且つ下端面Eに沿って所定間隔に設けられている。これは、例えばエジェクタ36がコア18に接触すると、その分だけ突き出し力が変化(減少)したり、接触によりエジェクタ36の向きが変わって、他端側環状締結部P3の下端面Eに不均一な突き出し力が作用してしまうといった事態を避けるためである。また、所定間隔にエジェクタ36を配置することにより、下端面E全体に亘って均一な突き出し力を作用させることができるからである。
ここで、トリポッドブーツの他端側環状締結部P3の下端面Eとは、一次成形されたブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の肉厚と二次成形空間(厚肉部成形空間S1及び薄肉部成形空間S2)に充填された熱可塑性樹脂の肉厚とを合わせた範囲の面である。具体的に説明すると、例えば厚肉部T1が二次成形された箇所では、他端側環状締結部P3における厚肉部T1の下端面T1eとブーツ本体Pmの下端面Pmeを合わせた範囲が下端面Eとなり、例えば薄肉部T2が二次成形された箇所では、他端側環状締結部P3における薄肉部T2の下端面T2eとブーツ本体Pmの下端面Pmeを合わせた範囲が下端面Eとなる(図1(b)参照)。
これらエジェクタ36は、その基端(ピストンロッド40に接続された端部)から先端に亘って同一形状(断面が同一形状)を成している。各エジェクタ36の先端には、それぞれ、他端側環状締結部P3の下端面Eに当接して突き出し力を作用させる当接面36aが設けられており、少なくとも各当接面36aは、下端面Eに対する接触面積が大きくなるような形状を有している。
当接面36aの下端面Eに対する接触面積が小さいと、突き出し力の作用する箇所が集中することにより、一次成形されたブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周面と、この内周面に熱可塑性樹脂で二次成形された厚肉部T1及び薄肉部T2とが互いに剥離する場合がある。このような剥離が発生すると、他端側環状締結部P3の内周面と厚肉部T1及び薄肉部T2との間の密着力が低下し、グリース漏れを生じる畏れがある。また、突き出し力の作用する箇所が集中すると、その集中した部分に突き出し跡が形成される場合があり、かかる突き出し跡は、目につき易く、突き出し跡にバリが発生し易い。そして、このような突き出し跡は、製品の価値を下げるだけで無く、成形品であるトリポッドブーツの機能を損なう場合もある。
しかしながら、当接面36aの下端面Eに対する接触面積を大きくすれば、突き出し力の作用する箇所が分散して下端面Eに広く作用するため、上記のような剥離が発生することは無いと共に、突き出し跡が残り難くなり、上述したような各種の問題を解消させることができる。
このような効果を奏する当接面36aの形状としては、例えば円、半円、弓形などの円弧形状(図2(a),(c)参照)、或いは、他端側環状締結部P3の下端面Eに当接する際にコア18に接触しないような形状であって且つ他端側環状締結部P3の薄肉部T2の下端面Eに沿って延出した幅広形状(図2(b),(d)参照)を適用することができる。なお、円弧形状の当接面36aでは、各エジェクタ36の突き出し時にコア18に接触しないような当接位置になるように留意する必要がある。この場合、例えば図2(a),(c)に示すように、各当接面36aの最内周が薄肉部T2の内周に一致するか或いはそれ以前の位置となるように各エジェクタ36の配置や向きを調整すれば良い。なお、当接面36a(エジェクタ36)の形状を上記のように変化させた場合には、挿通穴38は、当接面36a(エジェクタ36)の外形よりも広めで且つ略合致した形状に設計される。
以上の各種条件を考慮すると、各エジェクタ36は、他端側環状締結部P3の内周に二次成形された肉厚の異なる部分のうち、薄肉部T2の下端面E、厚肉部T1の下端面E、厚肉部T1と薄肉部T2の双方に跨った部分の下端面Eに対してそれぞれ個別に突き出し力が作用するように、或いは、これらの中から2つ以上を任意に選択して組み合わされた複数の下端面Eに対して同時に突き出し力が作用するように、該当する下端面Eに沿って所定間隔で設けることが好ましい。
図2には、下端面Eに対するエジェクタ36の当接位置の具体例が示されている。図2(a)では、例えば円、半円、弓形などの円弧形状の当接面36aが、厚肉部T1と薄肉部T2の双方に跨った部分(厚肉部T1の両側であって薄肉部T2寄り)の下端面Eに突き出し力を作用するように構成している。また、図2(b)では、他端側環状締結部P3の下端面Eに当接する際にコア18に接触しないような形状であって且つ他端側環状締結部P3の薄肉部T2の下端面Eに沿って延出した幅広形状の当接面36aが、厚肉部T1と薄肉部T2の双方に跨った部分(厚肉部T1の両側であって薄肉部T2寄り)の下端面Eに突き出し力を作用するように構成している。更に、図2(c),(d)に示すように、薄肉部T2にそれぞれ1箇所ずつ当接面36aが位置付けられるように構成しても良い。
なお、図2に示す当接位置は一例であり、トリポッドブーツの形状や大きさ、或いは材質などを考慮して、当接面36aの数を増やしたり、当接位置を変化させることができることは言うまでもない。
なお、当接位置の問題として、例えば図3(b)に示すように、厚肉部T1のみに当接面36aが位置付けられる場合、以下の点を考慮する必要がある。
二次成形終了後(直後)のトリポッドブーツの他端側環状締結部P3は、その冷え状態が完全では無い(完全に固化(硬化)していない軟質状態にある)ため、エジェクタ36でトリポッドブーツの他端側環状締結部P3をコア18から押し出す際に、エジェクタ36の突き出し力が作用した部分が縦方向(エジェクタの押出方向)に圧縮され横方向に膨張することにより、その部分がコア18に圧接し、二次成形品であるトリポッドブーツがコア18から脱型(離型)し難くなってしまう場合がある。
このような状態で無理にトリポッドブーツをコア18から脱型すると、コア18に圧接した部分(例えば、シール片34)が変形してしまう場合がある(図3(c)参照)。同図(c)には、脱型方向とは逆方向に変形したシール片34が例示されているが、このようにシール片34が変形すると、グリースが外部に漏れ出しやすい状態となる。
この場合、トリポッドブーツ(特に、他端側環状締結部P3)を変形させること無く、コア18からトリポッドブーツをスムーズに脱型させるためには、例えばエジェクタ36の当接面36aを厚肉部T1全体をカバーするような大きさに設定するか、或いは例えば図3(d)に示すように、厚肉部T1に筒状凹部10を成形するための筒状凹部成形用ロッド22(図1(c)参照)をエジェクタとして併用し、この筒状凹部成形用ロッド22の一部に作用板44を配設しておけば良い。こうすると、筒状凹部成形用ロッド22を突き出す際に作用板44から突き出し力が厚肉部T1全体に均一に作用するため、厚肉部T1の変形を防止することができる。
なお、上述した実施の形態では、他端側環状締結部P3の外周に周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部46を一体成形するための製造方法について例示して説明したが、これに限定されることは無く、本発明の製造方法は、以下のような場合にも応用することが可能である。
例えば、鍔部用凹所48をバンド位置決め用鍔部46の成形以外に適用し、トリポッドブーツの使用目的や使用環境に応じた位置に設けることにより、以下のような凸部を他端側環状締結部P3の外周に一体成形することができる。
即ち、他端側環状締結部P3とギヤハウジング2(図7(a)参照)との間のシール性を向上させるべく厚肉部T1と薄肉部T2との境界(境目)を強く圧迫するために他端側環状締結部P3の外周のそれに対応する位置に凸部(図示しない)を一体成形したり、厚肉部T1頂点を圧迫するために外周のそれに対応する位置に凸部を一体成形したり、外周の任意の位置に任意の目的のために任意の形状の凸部を一体成形することができる。
特に、凸部の形状(寸法や個数などを含める)は、トリポッドブーツの使用目的や使用環境に応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。
(a)は、本発明の一実施の形態に係る樹脂製等速ジョイント用ブーツの構成を示す断面図、(b)は、同図(a)のb−b線に沿う断面図、(c)は、一次成形された樹脂製ブーツ本体を射出成形金型内に保持した状態で二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する直前の状態を示す断面図。 樹脂製等速ジョイント用ブーツ(他端側環状締結部)の下端面に対するエジェクタの当接位置を示す図であって、(a)は、円弧形状の当接面のエジェクタが厚肉部と薄肉部の双方に跨って当接した状態を示す図、(b)は、幅広形状の当接面のエジェクタが厚肉部と薄肉部の双方に跨って当接した状態を示す図、(c)は、円弧形状の当接面のエジェクタが薄肉部に当接した状態を示す図、(d)は、幅広形状の当接面のエジェクタが薄肉部に当接した状態を示す図。 (a)は、二次成形終了後に射出成形金型から樹脂製等速ジョイント用ブーツを脱型する様子を示す断面図、(b)は、エジェクタで厚肉部に突き出し力を作用させた際に、厚肉部内に生じる内力の状態を示す図、(c)は、同図(b)の状態で無理に脱型させた際に、厚肉部のシール片が変形した状態を示す図、(d)は、筒状凹部成形用ロッドをエジェクタとして併用した例を示す図。 (a)は、射出成形金型内の二次成形空間の部分的な構成を示す断面図、(b)は、二次成形空間の他の構成を示す断面図、(c)は、二次成形された厚肉部と薄肉部との成形位置関係を規定するための断面図。 二次成形工程において一次成形品であるブーツ本体の他端側環状締結部の外周にバンド位置決め用鍔部を一体成形する様子を示す図であって、(a)は、ブーツ本体が割型に保持された状態を部分的に断面して示す分解斜視図、(b)は、溶融樹脂材料がゲートから薄肉部成形空間に射出されている様子を示す部分断面図、(c)は、溶融樹脂材料の熱作用及び圧力作用の伝わる様子を示す部分的に断面して示す平面図、(d)は、同図(c)の側面図。 (a)は、他端側環状締結部の外周に周方向に沿って断続的にバンド位置決め用鍔部が一体成形されたブーツ本体の一部を拡大して示す斜視図、(b)は、他端側環状締結部の外周に周方向に沿って連続的にバンド位置決め用鍔部が一体成形されたブーツ本体の一部を拡大して示す斜視図、(c)は、矩形状の位置決め面を有するバンド位置決め用鍔部の部分を拡大して示す部分断面図、(d)は、円弧状の位置決め面を有するバンド位置決め用鍔部の部分を拡大して示す部分断面図。 (a)は、トリポッドジョイントに装着された樹脂製等速ジョイント用ブーツの断面図、(b)は、同図(a)のb−b線に沿う断面図、(c)は、一次成形品であるブーツ本体の断面図、(d)は、二次成形で一体化された樹脂製等速ジョイント用ブーツ(トリポッドブーツ)の断面図。 ブーツ本体が割型に保持された状態を部分的に断面して示す分解斜視図。
符号の説明
14a,14b 割型
18 コア
30 ゲート
36 エジェクタ
46 バンド位置決め用鍔部
48 鍔部用凹所
P3 他端側環状締結部
Pm 一次成形品であるブーツ本体
S1 厚肉部成形空間
S2 薄肉部成形空間

Claims (5)

  1. 一次成形された樹脂製ブーツ本体を射出成形金型内に保持した状態において、この射出成形金型内に形成された二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填し、ブーツ本体の他端側環状締結部に肉厚の異なる部分を二次成形して樹脂製等速ジョイント用ブーツを製造する製造方法であって、
    ブーツ本体をコアで内側から保持する工程と、
    一次成形されたブーツ本体を割型で外側から保持する工程と、
    他端側環状締結部とコアとの間に形成された厚肉部成形空間及び薄肉部成形空間から成る二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する工程と、
    二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する際の当該溶融樹脂材料の熱作用及び圧力作用を他端側環状締結部に加えて、当該他端側環状締結部の外周を割型内周の凹所内に膨らませて入り込ませることにより、当該他端側環状締結部の外周に凸部を一体成形する工程とを有していることを特徴とする樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法。
  2. 一次成形された樹脂製ブーツ本体を射出成形金型内に保持した状態において、この射出成形金型内に形成された二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填し、ブーツ本体の他端側環状締結部の内周に肉厚の異なる部分を二次成形して樹脂製等速ジョイント用ブーツを製造する製造方法であって、
    ブーツ本体の他端側環状締結部をコアで内側から保持する工程と、
    一次成形されたブーツ本体を割型で外側から保持する工程と、
    他端側環状締結部とコアとの間に形成された厚肉部成形空間及び薄肉部成形空間から成る二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する工程と、
    二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する際の当該溶融樹脂材料の熱作用及び圧力作用を他端側環状締結部に加えて、当該他端側環状締結部の外周を割型内周の鍔部用凹所内に膨らませて入り込ませることにより、当該他端側環状締結部の外周に周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部を一体成形する工程とを有していることを特徴とする樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法。
  3. 一次成形された樹脂製ブーツ本体を射出成形金型内に保持した状態において、この射出成形金型内に形成された二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填し、ブーツ本体の他端側環状締結部に肉厚の異なる部分を二次成形して樹脂製等速ジョイント用ブーツを製造する製造方法であって、
    ブーツ本体の他端側環状締結部をコアで内側から保持する工程と、
    一次成形されたブーツ本体を割型で外側から保持する工程と、
    他端側環状締結部と割型との間に形成された厚肉部成形空間及び薄肉部成形空間から成る二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する工程と、
    二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する際に、当該溶融樹脂材料を割型内周の鍔部用凹所内に充填することにより、他端側環状締結部の外周に周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部を一体成形する工程とを有していることを特徴とする樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法。
  4. 前記鍔部用凹所は、予め、割型内周の所定位置に周方向に沿って断続的に形成されており、これにより、前記バンド位置決め用鍔部は、ブーツ本体の他端側環状締結部の外周に沿って周方向に断続的に成形されることを特徴とする請求項2又は3に記載の樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法。
  5. 前記鍔部用凹所は、予め、割型内周の所定位置に周方向に沿って連続的に形成されており、これにより、前記バンド位置決め用鍔部は、ブーツ本体の他端側環状締結部の外周に沿って周方向に連続的に成形されることを特徴とする請求項2又は3に記載の樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法。
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