JP4446081B2 - 樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法 - Google Patents
樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4446081B2 JP4446081B2 JP2003430764A JP2003430764A JP4446081B2 JP 4446081 B2 JP4446081 B2 JP 4446081B2 JP 2003430764 A JP2003430764 A JP 2003430764A JP 2003430764 A JP2003430764 A JP 2003430764A JP 4446081 B2 JP4446081 B2 JP 4446081B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- boot
- side annular
- end side
- annular fastening
- molding space
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D3/00—Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive
- F16D3/84—Shrouds, e.g. casings, covers; Sealing means specially adapted therefor
- F16D3/843—Shrouds, e.g. casings, covers; Sealing means specially adapted therefor enclosed covers
- F16D3/845—Shrouds, e.g. casings, covers; Sealing means specially adapted therefor enclosed covers allowing relative movement of joint parts due to the flexing of the cover
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D2250/00—Manufacturing; Assembly
- F16D2250/0007—Casting
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D3/00—Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive
- F16D3/16—Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts
- F16D3/20—Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members
- F16D3/202—Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members one coupling part having radially projecting pins, e.g. tripod joints
- F16D3/205—Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members one coupling part having radially projecting pins, e.g. tripod joints the pins extending radially outwardly from the coupling part
- F16D3/2055—Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members one coupling part having radially projecting pins, e.g. tripod joints the pins extending radially outwardly from the coupling part having three pins, i.e. true tripod joints
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Diaphragms And Bellows (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
例えば図7(a),(b)に示すように、等速ジョイント用ブーツには、その一端側に等速ジョイント2の軸部2aに締結させることが可能な一端側環状締結部P1が設けられていると共に、その他端側には、等速ジョイント2のギヤハウジング(アウタースリーブ)2bに締結させることが可能な他端側環状締結部P3が設けられており、一端側環状締結部P1と他端側環状締結部P3との間には、等速ジョイント2の軸部2aとギヤハウジング2bとの相対的な角度変化に追従して弾性変形することが可能な環状蛇腹部P2が設けられている。
また、一端側環状締結部P1及び他端側環状締結部P3には、それぞれ、一端側締結用バンド4a及び他端側締結用バンド4bを装着させるためのバンド装着部6a,6b(図7(c),(d)参照)が設けられており、これらバンド装着部6a,6bに一端側締結用バンド4a及び他端側締結用バンド4bをそれぞれ装着して締め付けることにより、一端側環状締結部P1を等速ジョイント2の軸部2aに締結させることができると共に、他端側環状締結部P3を等速ジョイント2のギヤハウジング2bに締結させることができる。
トリポッドジョイント用ブーツを製造する方法としては、例えば特許文献1に示された製造方法を適用することができる。この製造方法によれば、まず一次成形工程において、一端側環状締結部P1と環状蛇腹部P2と他端側環状締結部P3とから成るブーツ本体Pm(図7(c))を溶融樹脂材料(熱可塑性樹脂)で一体成形する。次に二次成形工程において、樹脂製ブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周をコア(例えば、図3(a)に示すようなコア18)に嵌めると共に、他端側環状締結部P3の外周を射出成形金型12(例えば、図3(a)及び図8に示すような割型14a,14b)で保持した状態でランナ機構により熱可塑性樹脂を射出(注入)し、他端側環状締結部P3の内周(図7(d))に厚肉部T1とそれ以外の薄肉部T2とを一体成形する。このような成形工程により、二次成形品であるトリポッドジョイント用ブーツが完成する。
この場合、ブーツ本体Pmを金型(割型14a,14b)で保持する際、バンド位置決め用鍔部46と鍔部用凹所48とが互いに正確に対向して位置付けられるように、金型(割型14a,14b)に対してブーツ本体Pmを位置合わせ(位相合わせ)しなければならない。なお、図8では、コア18(図3(a)参照)を省略している。
いずれの場合でも、バンド位置決め用鍔部46と鍔部用凹所48とが互いに対向して位置付けられないまま二次成形処理が行われると、バンド位置決め用鍔部46の一部が金型(割型14a,14b)との間に噛み込むことにより、例えばバンド位置決め用鍔部46が部分的に変形或いは破損してしまう場合がある。
そして、変形や破損したバンド位置決め用鍔部46をそのまま用いた場合、トリポッドジョイント2のギヤハウジング2bにトリポッドジョイント用ブーツの他端側環状締結部P3を装着して締め付ける際に、他端側締結用バンド4bを確実に位置決めできなくなる場合もある。
第1の製造方法としては、ブーツ本体をコアで内側から保持する工程と、一次成形されたブーツ本体を割型で外側から保持する工程と、他端側環状締結部とコアとの間に形成された厚肉部成形空間及び薄肉部成形空間から成る二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する工程と、二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する際の当該溶融樹脂材料の熱作用及び圧力作用を他端側環状締結部に加えて、当該他端側環状締結部の外周を割型内周の凹所内又は鍔部用凹所内に膨らませて入り込ませることにより、当該他端側環状締結部の外周に凸部又は周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部を一体成形する工程とを有している。
第2の製造方法としては、ブーツ本体をコアで内側から保持する工程と、一次成形されたブーツ本体を割型で外側から保持する工程と、他端側環状締結部と割型との間に形成された厚肉部成形空間及び薄肉部成形空間から成る二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する工程と、二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する際に、当該溶融樹脂材料を割型内周の凹所内に充填することにより、他端側環状締結部の外周に凸部又は周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部を一体成形する工程とを有している。
いずれの製造方法においても、予め割型内周の所定位置に凹所を形成したり又は周方向に沿って鍔部用凹所を断続的に形成しておけば、ブーツ本体の他端側環状締結部の外周に凸部を一体成形したり又は周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部を断続的に一体成形することができる。また、予め割型内周の所定位置に凹所を形成したり又は周方向に沿って鍔部用凹所を連続的に形成しておけば、ブーツ本体の他端側環状締結部の外周に凸部を一体成形したり又は周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部を連続的に一体成形することができる。
また、本発明の製造方法によれば、他端側環状締結部とギヤハウジングとの間のシール性を向上させるべく厚肉部と薄肉部との境界(境目)を強く圧迫するために外周のそれに対応する位置に凸部を一体成形したり、或いは、厚肉部頂点を圧迫するために外周のそれに対応する位置に凸部を一体成形したり、更に、外周の任意の位置に任意の目的のために任意の形状の凸部を一体成形することができる。
本実施の形態は、トリポッドブーツの製造方法において、射出成形金型12(割型14a,14b)に対して一次成形品であるブーツ本体Pmを位置合わせ(位相合わせ)すること無く、ブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3をコア18に嵌め、その外周を割型14a,14bで保持するだけで二次成形処理を開始して、他端側環状締結部P3の外周に周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部46を一体成形することができるようになっている。
なお、熱可塑性樹脂としては、例えばポリエステル系の熱可塑性エラストマ等の溶融樹脂材料を用いることができるが、トリポッドブーツの使用目的や使用環境などに応じて、これ以外の樹脂材料を用いても良い。
なお、ブーツ本体Pm(一端側環状締結部P1、環状蛇腹部P2、他端側環状締結部P3)の肉厚は、トリポッドブーツの使用目的や使用環境などに応じて最適な厚さ寸法に設定されるため、ここでは、その数値限定はしない。
ここで、厚肉部T1と薄肉部T2の径方向の厚みに着目すると、例えば図4(c)において、実線部分は厚肉部T1、点線部分は薄肉部T2を示しており、図中Rで示す範囲が厚肉部T1と薄肉部T2の径方向の厚み共通部分であって周方向に同一である。そして、図中W1で示す位置が厚肉部T1と薄肉部T2の径方向の厚みの境界を示している。
一方、薄肉部T2の内径は、トリポッドジョイント2の凹球状部Qを除いた外周(ギヤハウジング2bの外周)に密着するような曲率に設定されており、薄肉部T2の境界W1も上記境界領域Lに重ならないように設定されている。
なお、厚肉部T1と薄肉部T2の形状や数量、厚さ・幅・奥行き等の諸条件は、トリポッドジョイント2の外周形状に応じて適宜設計変更できるため、ここでは、その数値限定はしない。
また、図面上において、筒状凹部10は、厚肉部T1に2個ずつ設けられているが、これに限定されることは無く、例えば1個だけ或いは3個以上設けても良い。また、筒状凹部10の内部形状は、図示したような円筒形状に限定されることは無く、例えば円すい台形状、三角柱形状、四角柱形状、及び矩形状など任意の形状を選択することができる。
なお、その他の構成は、既に説明した図7及び図8のトリポッドブーツと同一であるため、同一箇所に同一符号を付すことにより、その説明を省略する。
図1(c)には、本実施の形態の製造装置の一例が示されており、かかる製造装置は、一次成形された樹脂製ブーツ本体Pmを射出成形金型12内に保持した状態において、この金型12内に形成された二次成形空間(S1,S2)に溶融樹脂材料を射出充填し、ブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周に肉厚の異なる部分を二次成形する際に、他端側環状締結部P3(バンド装着部6b)の下端外周にバンド位置決め用鍔部46を一体成形してトリポッドブーツを成形した後、このトリポッドブーツを金型12から脱型(離型)するように構成されている。
具体的に説明すると、本実施の形態の製造装置は、一次成形された樹脂製ブーツ本体Pmを外側から保持する割型14a,14bと、ブーツ本体Pmを内側から保持するコア18と、コア18と他端側環状締結部P3との間に形成される二次成形空間(S1,S2)に溶融樹脂材料(例えば、ポリエステル系の熱可塑性エラストマ等の熱可塑性樹脂)を射出充填するランナ機構と、二次成形空間に溶融樹脂材料が充填されることにより、他端側環状締結部に、二次成形空間内の溶融樹脂材料の肉厚とブーツ本体の肉厚とが合わさって構成された肉厚の異なる部分が一体的に二次成形されたトリポッドブーツをコア18から脱型する突き出し機構とを備えている。
また、本実施の形態の製造装置に用いた金型12において、割型14a,14bは、固定型16上を矢印H方向に摺動可能に構成されており、固定型16には、コア18が固定されている。そして、割型14a,14bの内周(ブーツ本体設置空間20a,20b)には、二次成形時にバンド位置決め用鍔部46を成形するための鍔部用凹所(凸部成形空間、鍔部成形空間とも言う)48が予め形成されている(図1(c)及び図3(a)並びに図5参照)。
更に、割型14a,14bの内周には、一次成形品である樹脂製ブーツ本体Pmの外形に合致したブーツ本体設置空間20a,20b(図3(a)参照)が形成されており、例えば割型14a,14bを図3(a)のように開いた状態でブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3をコア18に嵌め込んだ後、図1(c)の状態に閉じることにより、ブーツ本体Pmを金型12内に保持して型締めすることができる。この場合、特にブーツ本体Pmの境界領域L(他端側環状締結部P3と環状蛇腹部P2の境界領域)は、割型14a,14bとコア18との間に挟持された状態で安定して保持されるため、成形ズレの無い高精度な二次成形処理を行うことができる。
また、ブーツ本体設置空間20a,20bの内部形状は、少なくともブーツ本体Pmの境界領域L(他端側環状締結部P3と環状蛇腹部P2の境界領域)が安定して保持できれば、その他の空間は、ブーツ本体Pmの外形に合致した形状にする必要は無く、多少の隙間があっても良い。
この構成において、例えば図3(a)に示すように割型14a,14bを開いた状態で、一次成形品であるブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3をコア18に嵌め込み、その他端側環状締結部P3の下端面Eを固定型16に当て付けると、コア18の環状嵌合部18aがブーツ本体Pmの境界領域Lの環状内壁に嵌合することにより、ブーツ本体Pmをコア18に対して安定して位置決めセットすることができる。そして、この状態において、二次成形規定部18bと他端側環状締結部P3の内周との間には、肉厚の異なる部分(厚肉部T1、薄肉部T2)を二次成形するための二次成形空間(厚肉部成形空間S1及び薄肉部成形空間S2)が形成される(図1(c)参照)。
また、二次成形空間の形成領域は、図4(c)で設定したような諸条件に基づいて、厚肉部T1の奥行きW2と薄肉部T2の境界W1が他端側環状締結部P3と環状蛇腹部P2の境界領域Lに掛からないように設定されている。
なお、ゲート30を厚肉部成形空間S1に対向して位置決めし、厚肉部成形空間S1のみから或いは厚肉部成形空間S1を含む複数箇所から熱可塑性樹脂を射出するように構成しても良いが、エアー不良やウェルド不良などの発生防止を図るためには、ゲート30を薄肉部成形空間S2に対向して配置することが好ましい。
ゲート30から溶融樹脂材料を射出充填する際に、他端側環状締結部P3に加わる溶融樹脂材料の熱作用及び圧力作用は、ゲート30から射出する溶融樹脂材料の例えば温度や圧力、射出速度や射出量に応じて任意に変化させることができるため、ここでは、溶融樹脂材料の温度や圧力、出射速度や出射量についての数値限定はしない。
この状態において、コア18は剛体であり変形しないため、コア18方向への圧力は、コア18からの反力となってブーツ本体Pm方向に向かうことになり、結果として、ゲート30から薄肉部成形空間S2に射出された溶融樹脂材料の圧力は全てブーツ本体Pmに伝わることになる。その間、溶融樹脂材料の熱よりブーツ本体Pmが加熱されることになり、その加熱された部分のブーツ本体Pm(他端側環状締結部P3)が軟質状態になる。
このとき、軟質状態となったブーツ本体Pm(他端側環状締結部P3)に溶融樹脂材料の圧力が作用することにより、当該他端側環状締結部P3の外周が割型14a,14b内周の鍔部用凹所48内に膨んで入り込み、その結果、他端側環状締結部P3の外周に周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部46(図6(a)参照)が一体成形される。
更に、バンド位置決め用鍔部46の位置決め面46aの平面形状(他端側締結用バンド4b(図7(a)参照)を位置決めする側の面形状)も、例えば矩形状の位置決め面46a(図6(c)参照)や円弧状の位置決め面46a(図6(d)参照)とすることができる。なお、位置決め面46aの形状は、これに限定されることは無く、他の形状にすることもできることは言うまでも無い。
即ち、ブーツ本体Pmの一次成形時に予めトリポッドに対応する内面形状(厚肉部T1と薄肉部T2とから成る肉厚の異なる部分の輪郭に一致した内面形状)に他端側環状締結部P3を成形し、この一次成形されたブーツ本体Pmを金型内に設置する。そして、他端側環状締結部P3内面形状に合致する外面形状のコア18を他端側環状締結部P3に嵌め込み、他端側環状締結部P3の外周と割型14a,14b内面との間に二次成形空間を形成し型締めする。その後、かかる二次成形空間内に溶融樹脂材料を射出することにより、外周面が真円状で且つ内周面が肉厚の異なる他端側環状締結部P3が一体成形される。
このとき、溶融樹脂材料が割型14a,14b内周の鍔部用凹所48内に充填されることにより、他端側環状締結部の外周に周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部46が一体成形される。なお、ゲート30による射出条件や、その他の条件などは上述した実施形態と同様に設定可能である。この製造方法によれば、二次成形される溶着部分がブーツ本体Pmの外側であるため、万が一溶着不良が発生したとしてもトリポッドブーツ内のグリース漏れの心配はない。
かかる事態を回避するために、本実施の形態では、例えば図4(a)に示すように、ブーツ本体Pmの境界領域Lの環状内壁に、周方向に連続した円弧状凸部32aを一次成形時に一体成形すると共に、コア18の環状嵌合部18aに、円弧状凸部32aが嵌合可能な円弧状凹部32bを周方向に連続形成し、互いに嵌合させることにより、ブーツ本体Pmの環状内壁とコア18の環状嵌合部18aとの間の密着性を高めている。
なお、これとは逆に、例えばブーツ本体Pmの境界領域Lの環状内壁に、周方向に連続した円弧状凹部を一次成形時に一体成形すると共に、コア18の環状嵌合部18aに、円弧状凹部が嵌合可能な円弧状凸部を周方向に連続形成し、互いに嵌合させても良い。
本実施の形態では、周方向に連続する凸部8aと凹部8bが、一次成形品であるブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周の高さ方向に交互に複数個設けられているため、ブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周と肉厚の異なる部分(厚肉部T1、薄肉部T2)との溶着面積が広くなり強固に溶着される。なお、本実施の形態では、複数個の凸部8aと凹部8bを設ける構成としているが、上述の通り溶着が強固となり得る構成であればこれに限定して解釈されるものではなく、例えば単独の突起や窪みなどを一個乃至複数個設けることも考えられ、この場合の突起の長さなども任意に設定できる。
なお、この凸部8aは、少なくとも薄肉部成形空間S2に対応するブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周に形成されていれば良い。また、凸部8aは、トリポッドブーツの使用目的や使用環境に応じて任意に設けられるものであり、その本数も適宜設計変更可能である。
例えば図4(a)に示すように、ブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周に対し、ゲート30の向きθ[度]を、0≦θ≦90の範囲に設定すると共に、ブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周とゲート30の距離をt、薄肉部成形空間S2の射出側端部の径方向距離をaとしたときに、そのゲート30の位置条件を0≦t≦2a/3とする。
これにより、ブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周に高温の熱可塑性樹脂が高速で摺接するように射出され、熱可塑性樹脂が薄肉部成形空間S2に充填される。
そして、このとき射出された高温の熱可塑性樹脂が、他端側環状締結部P3の内周を高速で摺接して流れ込むため、他端側環状締結部P3の内周表面に付着した一次成形用材料の不純物が押し流され、かつ該内周表面に高温・高速で流れた熱可塑性樹脂の熱を伝達して該表面を溶融させる。従って、射出された熱可塑性樹脂が、該熱可塑性樹脂の熱により溶融した他端側環状締結部P3の表面と強固に溶着し、他端側環状締結部P3の内周に肉厚の異なる部分が一体的に二次成形される。
例えば図1〜図3に示すように、突き出し機構には、上述したランナ機構のゲート30を回避した位置に複数のエジェクタ36が設けられており、これら複数のエジェクタ36からトリポッドブーツの他端側環状締結部P3の下端面Eに所定の突き出し力を作用させることにより、トリポッドブーツをコア18から安定してスムーズに脱型させることができるようになっている。なお、固定型16には、ゲート30を含めて他のランナ機構の構成(ノズル24、スプルー26、ランナ28)が配設されているため、エジェクタ36の配置では、これら各構成の配設状態を考慮する必要がある。
そこで、本実施の形態において、各エジェクタ36は、トリポッドブーツの他端側環状締結部P3の下端面Eに均一な突き出し力を作用させるように、コア18に接触しない位置であって且つ下端面Eに沿って所定間隔に設けられている。これは、例えばエジェクタ36がコア18に接触すると、その分だけ突き出し力が変化(減少)したり、接触によりエジェクタ36の向きが変わって、他端側環状締結部P3の下端面Eに不均一な突き出し力が作用してしまうといった事態を避けるためである。また、所定間隔にエジェクタ36を配置することにより、下端面E全体に亘って均一な突き出し力を作用させることができるからである。
ここで、トリポッドブーツの他端側環状締結部P3の下端面Eとは、一次成形されたブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の肉厚と二次成形空間(厚肉部成形空間S1及び薄肉部成形空間S2)に充填された熱可塑性樹脂の肉厚とを合わせた範囲の面である。具体的に説明すると、例えば厚肉部T1が二次成形された箇所では、他端側環状締結部P3における厚肉部T1の下端面T1eとブーツ本体Pmの下端面Pmeを合わせた範囲が下端面Eとなり、例えば薄肉部T2が二次成形された箇所では、他端側環状締結部P3における薄肉部T2の下端面T2eとブーツ本体Pmの下端面Pmeを合わせた範囲が下端面Eとなる(図1(b)参照)。
当接面36aの下端面Eに対する接触面積が小さいと、突き出し力の作用する箇所が集中することにより、一次成形されたブーツ本体Pmの他端側環状締結部P3の内周面と、この内周面に熱可塑性樹脂で二次成形された厚肉部T1及び薄肉部T2とが互いに剥離する場合がある。このような剥離が発生すると、他端側環状締結部P3の内周面と厚肉部T1及び薄肉部T2との間の密着力が低下し、グリース漏れを生じる畏れがある。また、突き出し力の作用する箇所が集中すると、その集中した部分に突き出し跡が形成される場合があり、かかる突き出し跡は、目につき易く、突き出し跡にバリが発生し易い。そして、このような突き出し跡は、製品の価値を下げるだけで無く、成形品であるトリポッドブーツの機能を損なう場合もある。
しかしながら、当接面36aの下端面Eに対する接触面積を大きくすれば、突き出し力の作用する箇所が分散して下端面Eに広く作用するため、上記のような剥離が発生することは無いと共に、突き出し跡が残り難くなり、上述したような各種の問題を解消させることができる。
なお、図2に示す当接位置は一例であり、トリポッドブーツの形状や大きさ、或いは材質などを考慮して、当接面36aの数を増やしたり、当接位置を変化させることができることは言うまでもない。
二次成形終了後(直後)のトリポッドブーツの他端側環状締結部P3は、その冷え状態が完全では無い(完全に固化(硬化)していない軟質状態にある)ため、エジェクタ36でトリポッドブーツの他端側環状締結部P3をコア18から押し出す際に、エジェクタ36の突き出し力が作用した部分が縦方向(エジェクタの押出方向)に圧縮され横方向に膨張することにより、その部分がコア18に圧接し、二次成形品であるトリポッドブーツがコア18から脱型(離型)し難くなってしまう場合がある。
この場合、トリポッドブーツ(特に、他端側環状締結部P3)を変形させること無く、コア18からトリポッドブーツをスムーズに脱型させるためには、例えばエジェクタ36の当接面36aを厚肉部T1全体をカバーするような大きさに設定するか、或いは例えば図3(d)に示すように、厚肉部T1に筒状凹部10を成形するための筒状凹部成形用ロッド22(図1(c)参照)をエジェクタとして併用し、この筒状凹部成形用ロッド22の一部に作用板44を配設しておけば良い。こうすると、筒状凹部成形用ロッド22を突き出す際に作用板44から突き出し力が厚肉部T1全体に均一に作用するため、厚肉部T1の変形を防止することができる。
例えば、鍔部用凹所48をバンド位置決め用鍔部46の成形以外に適用し、トリポッドブーツの使用目的や使用環境に応じた位置に設けることにより、以下のような凸部を他端側環状締結部P3の外周に一体成形することができる。
即ち、他端側環状締結部P3とギヤハウジング2(図7(a)参照)との間のシール性を向上させるべく厚肉部T1と薄肉部T2との境界(境目)を強く圧迫するために他端側環状締結部P3の外周のそれに対応する位置に凸部(図示しない)を一体成形したり、厚肉部T1頂点を圧迫するために外周のそれに対応する位置に凸部を一体成形したり、外周の任意の位置に任意の目的のために任意の形状の凸部を一体成形することができる。
特に、凸部の形状(寸法や個数などを含める)は、トリポッドブーツの使用目的や使用環境に応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。
18 コア
30 ゲート
36 エジェクタ
46 バンド位置決め用鍔部
48 鍔部用凹所
P3 他端側環状締結部
Pm 一次成形品であるブーツ本体
S1 厚肉部成形空間
S2 薄肉部成形空間
Claims (5)
- 一次成形された樹脂製ブーツ本体を射出成形金型内に保持した状態において、この射出成形金型内に形成された二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填し、ブーツ本体の他端側環状締結部に肉厚の異なる部分を二次成形して樹脂製等速ジョイント用ブーツを製造する製造方法であって、
ブーツ本体をコアで内側から保持する工程と、
一次成形されたブーツ本体を割型で外側から保持する工程と、
他端側環状締結部とコアとの間に形成された厚肉部成形空間及び薄肉部成形空間から成る二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する工程と、
二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する際の当該溶融樹脂材料の熱作用及び圧力作用を他端側環状締結部に加えて、当該他端側環状締結部の外周を割型内周の凹所内に膨らませて入り込ませることにより、当該他端側環状締結部の外周に凸部を一体成形する工程とを有していることを特徴とする樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法。 - 一次成形された樹脂製ブーツ本体を射出成形金型内に保持した状態において、この射出成形金型内に形成された二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填し、ブーツ本体の他端側環状締結部の内周に肉厚の異なる部分を二次成形して樹脂製等速ジョイント用ブーツを製造する製造方法であって、
ブーツ本体の他端側環状締結部をコアで内側から保持する工程と、
一次成形されたブーツ本体を割型で外側から保持する工程と、
他端側環状締結部とコアとの間に形成された厚肉部成形空間及び薄肉部成形空間から成る二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する工程と、
二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する際の当該溶融樹脂材料の熱作用及び圧力作用を他端側環状締結部に加えて、当該他端側環状締結部の外周を割型内周の鍔部用凹所内に膨らませて入り込ませることにより、当該他端側環状締結部の外周に周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部を一体成形する工程とを有していることを特徴とする樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法。 - 一次成形された樹脂製ブーツ本体を射出成形金型内に保持した状態において、この射出成形金型内に形成された二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填し、ブーツ本体の他端側環状締結部に肉厚の異なる部分を二次成形して樹脂製等速ジョイント用ブーツを製造する製造方法であって、
ブーツ本体の他端側環状締結部をコアで内側から保持する工程と、
一次成形されたブーツ本体を割型で外側から保持する工程と、
他端側環状締結部と割型との間に形成された厚肉部成形空間及び薄肉部成形空間から成る二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する工程と、
二次成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する際に、当該溶融樹脂材料を割型内周の鍔部用凹所内に充填することにより、他端側環状締結部の外周に周方向に沿ってバンド位置決め用鍔部を一体成形する工程とを有していることを特徴とする樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法。 - 前記鍔部用凹所は、予め、割型内周の所定位置に周方向に沿って断続的に形成されており、これにより、前記バンド位置決め用鍔部は、ブーツ本体の他端側環状締結部の外周に沿って周方向に断続的に成形されることを特徴とする請求項2又は3に記載の樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法。
- 前記鍔部用凹所は、予め、割型内周の所定位置に周方向に沿って連続的に形成されており、これにより、前記バンド位置決め用鍔部は、ブーツ本体の他端側環状締結部の外周に沿って周方向に連続的に成形されることを特徴とする請求項2又は3に記載の樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003430764A JP4446081B2 (ja) | 2003-12-25 | 2003-12-25 | 樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003430764A JP4446081B2 (ja) | 2003-12-25 | 2003-12-25 | 樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005186446A JP2005186446A (ja) | 2005-07-14 |
JP4446081B2 true JP4446081B2 (ja) | 2010-04-07 |
Family
ID=34789042
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003430764A Expired - Fee Related JP4446081B2 (ja) | 2003-12-25 | 2003-12-25 | 樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4446081B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014144589A (ja) * | 2013-01-29 | 2014-08-14 | Jtekt Corp | 等速ジョイント用ブーツの製造装置及びその製造方法 |
JP7152867B2 (ja) * | 2018-03-14 | 2022-10-13 | 株式会社フコク | 等速ジョイント用ブーツ |
-
2003
- 2003-12-25 JP JP2003430764A patent/JP4446081B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005186446A (ja) | 2005-07-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100994200B1 (ko) | 등속 조인트용 수지제 부트의 제조방법 및 제조장치 | |
JP2004249545A5 (ja) | ||
JP4359532B2 (ja) | 等速ジョイント用ブーツの製造方法並びにその方法に用いられる製造装置等速ジョイント用ブーツ | |
JP4420279B2 (ja) | 樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造装置樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法樹脂製等速ジョイント用ブーツ | |
JP4317784B2 (ja) | 等速ジョイント用ブーツの製造方法並びにその方法に用いられる製造装置 | |
JP4446081B2 (ja) | 樹脂製等速ジョイント用ブーツの製造方法 | |
JPH1190961A (ja) | カット部を有するシールリングの成形金型及び成形方法 | |
JP2000334818A (ja) | 成形品及び成形品のブロー成形機並びにその成形方法 | |
JP4441864B2 (ja) | 複合製品の製造方法及び製造装置 | |
JP2005315303A (ja) | 樹脂製等速ジョイント用ブーツ | |
JPH10315266A (ja) | 樹脂成形中空体 | |
JP4353133B2 (ja) | シリンダブロックの製造方法 | |
JP2004353872A5 (ja) | ||
JP2004353872A (ja) | 樹脂製等速ジョイント用ブーツ | |
US7191749B2 (en) | Laser welded intake manifold | |
WO2006054338A1 (ja) | 樹脂製ジョイントブーツの製造方法 | |
JP7240933B2 (ja) | ジョイントブーツの製造方法 | |
JP7488693B2 (ja) | 配管接続用樹脂管及びその製造方法 | |
US20230258256A1 (en) | Pulley with two flanges, and method of producing pulley with two flanges | |
JP4914837B2 (ja) | 等速ジョイント用ブーツ、等速ジョイント用ブーツの製造方法、等速ジョイント用ブーツの製造装置 | |
JPH08150656A (ja) | ブーツのブロー成形装置及びその製造方法 | |
JP6583051B2 (ja) | 樹脂燃料タンクの製造方法 | |
JP2952183B2 (ja) | 高摩擦駆動ローラの製造方法 | |
JP2011051283A (ja) | Dsi成形で中空体を成形する製造方法 | |
JP2004001553A (ja) | 樹脂成形品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060818 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081003 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090113 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090316 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20091215 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091222 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130129 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4446081 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160129 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |