JP2951899B2 - 壁面が緑化される土留コンクリート擁壁の施工方法 - Google Patents

壁面が緑化される土留コンクリート擁壁の施工方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁面が緑化される
土留コンクリート擁壁の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】山等の切り開かれたのり面であって、崩
壊しやすい部分に、土留コンクリート擁壁が構築され
る。土留コンクリート擁壁は、のり面が崩れるのを有効
に防止できるが、表面状態が自然環境にマッチしない欠
点がある。さらに、壁面が平滑面で明るい色をしている
ために、光をよく反射し、道路を走行するドライバー等
にまぶしくて安全運転を阻害する弊害を与え、さらに、
海岸に構築される土留コンクリート擁壁は、光を反射さ
せて魚群の遊泳を阻害し、漁場に悪い影響を与えること
もある。
【0003】この弊害は、土留コンクリート擁壁の壁面
に草木を植生し、自然に近い状態に緑化させることで有
効に解消できる。ただ、コンクリートは、壁面が平滑面
となってつるつるしているので、ここに草木を植生させ
るのが極めて難しい。このようなコンクリートの壁面を
緑化するために工夫された工法が、下記の公報に記載さ
れる。
【0004】 特公平7−103574号公報 特開平7−216912号公報
【0005】の公報に記載される工法は、図1の断面
図に示すように、のり面17に構築されるコンクリート
14内に、植物性長繊維15と、ナイロン繊維等の人造
繊維15とを埋設する。コンクリート14に埋設する繊
維15で透水性を改善して緑化させる。この工法は、コ
ンクリート14の透水性を改善できるが、草木を植生す
るために最も大切な土を多量に壁面に保有できない。土
の保有量が少ないと、晴天が続いたときに、草木に充分
に水分が補給できずに枯渇する欠点がある。
【0006】さらに、この工法で構築される土留コンク
リート擁壁は、透水性を良くするために、多量の繊維を
埋設すると、強度が低下する弊害も発生する。土留コン
クリート擁壁は、強靱な構造として、のり面の崩壊を確
実に阻止することも極めて大切である。
【0007】また、この工法で土留コンクリート擁壁を
構築すると、壁面にコンクリートが表出するので、施工
された状態では、自然の環境にマッチする構造にはでき
ない。
【0008】の公報に記載される工法は、のり面に固
定されるコンクリートブロックの表面に凹部を設けると
共に、凹部に連結して透水孔を設けている。さらに、凹
部には、不織布等を敷設している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この公報に記載される
コンクリートブロックは、凹部に入れた不織布で、表面
を被覆できる。このため、施工した直後から、コンクリ
ート表面の一部を不織布で被覆して、自然環境に近い状
態にできる特長がある。ただ、この構造のコンクリート
ブロックは、不織布を確実に固定するのが難しい欠点が
ある。とくに、風雨に直接に晒される不織布を、極めて
長い年月にわたって、確実に固定しておくのは、極めて
難しい。不織布が風雨等で除去されてしまうと、平滑な
コンクリートが表出して、草木が植生できなくなる。ま
た、不織布に草木が植生した状態で、不織布がコンクリ
ートブロックから剥がれる欠点もある。この状態になっ
てしまうと、その後にコンクリートブロックの表面に草
木を植生できなくなる欠点もある。
【0010】本発明は、さらにこのような欠点を解決す
ることを目的に開発されたものである。本発明の重要な
目的は、接着剤を用いずに不織布を簡単かつ容易に、し
かも確実に壁面に固定できる壁面が緑化される土留コン
クリート擁壁の施工方法を提供することにある。また、
本発明の他の大切な目的は、コンクリートの侵入しない
不織布表面に多量の土を能率よく保有して、能率よく草
木を植生できる壁面が緑化される土留コンクリート擁壁
の施工方法を提供するにある。さらにまた、本発明の他
の大切な目的は、施工直後からコンクリート壁面を自然
環境にマッチした外観に仕上げることができ、また、土
留コンクリート擁壁を強靱な構造にでき、しかも、不織
布が腐食すると不織布繊維によって植物の植生に快適な
無数の凹凸ができる壁面が緑化される土留コンクリート
擁壁の施工方法を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の壁面が緑化され
る土留コンクリート擁壁の施工方法は、前述の目的を達
成するために下記のようにして施工する。本発明の施工
方法は、土留コンクリート擁壁1を構築する型枠18の
内面に、天然繊維を立体的に方向性なく所定の厚さに集
合してなる天然繊維の不織布6を仮止めする工程と、型
枠18の内部に、土留コンクリート擁壁1の表裏に貫通
する給水孔7を設ける筒体13を、後端をのり面17
に、先端を不織布6あるいは型枠18に押し付けて、注
入される生 コンクリートが侵入しないように固定する工
程と、この型枠18に生コンクリート19を打設して、
不織布6の表面を残して内部に生コンクリート19を侵
入させる工程と、生コンクリート19が硬化した後、型
枠18を外して土留コンクリート擁壁1の壁面に不織布
6を表出させる工程とからなる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための施工方法を例示するもの
であって、本発明は壁面が緑化される土留コンクリート
擁壁の施工方法を下記の方法に特定しない。
【0013】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0014】本発明の実施例の工法で構築される土留コ
ンクリート擁壁を図2と図3に示す。これ等の図に示す
土留コンクリート擁壁1は、土留コンクリート擁壁1の
背面に、給水孔から不織布に水を補給する貯水槽2を埋
設している。貯水槽2は、たとえば、プラスチックやコ
ンクリートで成形された耐圧パイプで、通水性を有する
上面と、非通水性の下面からなる円筒状に成形されてい
る。円筒状の貯水槽2は、土留コンクリート擁壁1の背
面に接近して水平に埋設される。円筒状の貯水槽2は、
たとえば直径を約500mmとする。貯水槽は太いと多
量の水を蓄えることができる。ただ、貯水槽が大きくな
ると、吸水材が毛細管現象で水を高く吸い上げる必要が
ある。
【0015】貯水槽2には、通水部2Aを透過して、土
留コンクリート擁壁1の背面を流下する浸透水が流入す
る。図4の貯水槽2は、流入する浸透水と一緒に土砂が
流れ込むのを阻止するために、土砂の侵入を阻止するフ
ィルター3を上面に配設している。フィルター3には、
たとば合成繊維の不織布が使用される。
【0016】さらに、図2と図3に示す土留コンクリー
ト擁壁1は、上端をのり面17からさらに上方に突出さ
せて水溜溝4を設けている。この水溜溝4は、ドレンパ
イプ5で貯水槽2に連結している。ドレンパイプ5は、
たとえば、数メートルの間隔で水溜溝4を貯水槽2に連
結する。水溜溝4の底には、砂利10等を充填してい
る。水溜溝4に溜る水は、ドレンパイプ5を流れて貯水
槽2に流入される。これらの図に示すように、水溜溝4
の水をドレンパイプ5で貯水槽2に供給する構造は、土
留コンクリート擁壁1の背面の浸透水と、水溜溝4に溜
る水の両方を貯水槽2に蓄えることができる。ただ、か
ならずしも水溜溝を設ける必要はなく、土留コンクリー
ト擁壁背面の浸透水を貯水槽に蓄えることもできる。
【0017】土留コンクリート擁壁1は、図に示すよう
に傾斜するのり面17に構築され、あるいは、図示しな
いが、垂直ののり面に構築される。土留コンクリート擁
壁1は、壁面に不織布6を張設している。不織布6は、
ヤシ殻繊維等の天然繊維を、立体的に方向性なく所定の
厚さに集合して、交点を接着し、あるいは接着しないで
所定の厚さにしたものである。不織布6には、ヤシ殻繊
維以外の天然繊維、たとえば、麻繊維等の植物繊維や、
羊毛等の動物繊維を立体的に集合したものも使用でき
る。不織布6は、好ましくは、壁面を緑色に着色して自
然色とする。不織布6の最適な厚さは、約2cmであ
る。ただ、不織布には、たとえば1〜5cmの厚さのも
のも使用できる。不織布6は、土留コンクリート擁壁1
を構築する際、型枠の内面に仮り止してコンクリート打
設を行い、簡単に土留コンクリート擁壁1の壁面に固定
される。
【0018】不織布6は、繊維の間にできる全ての空隙
にコンクリートを充填する状態で、土留コンクリート擁
壁に固定しない。不織布6は、たとえば、表面の半分を
残して内部に生コンクリートを侵入させる状態で、土留
コンクリート擁壁1に固定する。言いかえると、コンク
リートが、不織布6の厚さの約半分まで侵入して、不織
布6を土留コンクリート擁壁1に固定する。土留コンク
リート擁壁1に固定された不織布6は、約半分の厚さ
で、繊維の間に空隙があり、半分の厚さは土留コンクリ
ート擁壁1に埋設される。
【0019】さらに、図2と図3に示す土留コンクリー
ト擁壁1は、その背面であって貯水槽2の上方に通水土
砂9を充填している。通水土砂9は、土留コンクリート
擁壁1の背面の浸透水を貯水槽2に透過させる、言いか
えると、水はけのよい土砂である。通水土砂9には、好
ましくは、元肥となる固形肥料を埋設することができ
る。通水土砂9は土留コンクリート擁壁1を構築する前
に貯水槽2の上方ののり面17に充填される。
【0020】土留コンクリート擁壁1は、図3の断面図
に示すように、給水孔7を設けている。給水孔7は、土
留コンクリート擁壁1を貫通して設けられる。図3に示
す給水孔7は、土留コンクリート擁壁1の壁面から背面
に向かって下り勾配に傾斜している。この給水孔は、こ
こに植物を植生させることができる。そして、この姿勢
に傾斜する給水孔7は、ここに充填した植栽土11が漏
れない特長がある。ただ、給水孔は、土留コンクリート
擁壁を水平方向に貫通して設けることもできる。また、
土留コンクリート擁壁の背面から表面に向かって、下り
勾配に設けることもできる。給水孔7は、図2に示すよ
うに、土留コンクリート擁壁1に所定の間隔で設けられ
る。給水孔7は、吸水材12を介して貯水槽2から水が
供給される。したがって、給水孔7は水平に並べて配設
される。
【0021】給水孔7は、土留コンクリート擁壁1を構
築する型枠に筒体13を固定して設けられる。筒体13
を、土留コンクリート擁壁1に埋設させて、給水孔7を
設ける。筒体13は、その先端を、土留コンクリート擁
壁1の壁面と同一平面とし、後端を土留コンクリート擁
壁1の背面から突出させている。給水孔7は、たとえ
ば、内径を20〜300mm、好ましくは、約200m
mとし、1〜3m間隔で土留コンクリート擁壁1に設け
られる。
【0022】給水孔7には植栽土11を充填している。
植栽土11は、植物8の栽培に適した土で、保水性に優
れた土が使用される。給水孔7の底部は、毛細管現象で
貯水槽2の水を吸い上げる吸水材12の上部を連結して
いる。吸水材12の下部は貯水槽2に連結され、毛細管
現象で貯水槽2から吸い上げる水を給水孔7の植栽土1
1に補給する。吸水材12には、微細な繊維を集合した
不織布、布、複数本のロープ等を束ねたもの、紙、木片
等が使用できる。吸水材12には、合成樹脂繊維のもの
が最適である。それは、優れた耐久性によって、長期間
にわたって貯水槽2の水を植栽土11に供給するからで
ある。
【0023】給水孔7の植栽土11には、ナツヅタ、オ
オイタビ等のツタ類の植物8が植え付けられる。ツタ類
の植物8は、長く成長して土留コンクリート擁壁1の壁
面を覆うので、土留コンクリート擁壁1の壁面全体を、
自然の緑色にできる特長がある。ただ、給水孔には、ツ
タ類以外の植物を植え付けすることもできる。
【0024】以上の実施例は、土留コンクリート擁壁1
に1段の給水孔7を設けているが、本発明の土留コンク
リート擁壁の構築構造は、図5に示すように、複数段に
給水孔7と貯水槽2とを設けることもできる。土留コン
クリート擁壁1に複数段の給水孔7を設けると、土留コ
ンクリート擁壁1の全面に、より多くの植物を植生でき
る特長がある。
【0025】さらに、本発明の方法で施工される土留コ
ンクリート擁壁は、図6に示すように、貯水槽を埋設し
ない構造とすることもできる。図に示す土留コンクリー
ト擁壁1は、土留コンクリート擁壁1を貫通して、複数
段に給水孔7を設けている。給水孔7は、土留コンクリ
ート擁壁1の背面から表面に向かって下り勾配に傾斜し
ており、給水孔7には、土留コンクリート擁壁1の背面
を透過する水が供給される。この姿勢に傾斜する給水孔
7は、土留コンクリート擁壁1の背面を透過した水をス
ムーズに案内することができる。ただ、給水孔は、土留
コンクリート擁壁を水平に貫通して設けることもでき
る。給水孔7に供給される透過水は、ここに植え付けら
れる植物8に供給されて、植物8を植生させることがで
きる。とくに、植物8の根が、土留コンクリート擁壁1
の背面まで生育すると、のり面17の内部に根を伸ば
し、直接、透過水を吸収し、植物8は、長期間にわたっ
て繁殖することができる。
【0026】土留コンクリート擁壁は、表面に不織布を
付着した後、さらに、この不織布の表面に、人工的に厚
層基材を吹き付けて、緑化しやすい環境とすることもで
きる。
【0027】以上の構造の土留コンクリート擁壁は、図
7に示すように、下記の工程で施工される。 土留コ
ンクリート擁壁を構築するために、山16等を切り開い
て傾斜面であるのり面17を設ける。 形成されたの
り面17に、土留コンクリート擁壁を構築する型枠18
を固定する。型枠18は、下から順番に固定する。固定
した型枠18の内面に、不織布6を仮り止めする。不織
布6は、たとえば、ホッチキスを使用して型枠18の内
面に仮り止めする。 図は、3段に型枠18を固定し
て、その内面に不織布6を仮り止めしている。不織布6
は、型枠18の内面に隙間なく固定される。ただ、不織
布6は、のり面に固定する前に、型枠の内面に不織布を
固定することもできる。 型枠18の内部に、土留コ
ンクリート擁壁の表裏に貫通する給水孔を設ける筒体1
3を固定する。筒体13は後端をのり面17に、先端を
不織布6あるいは型枠18に押し付けて、注入される生
コンクリートが侵入しないように固定する。 のり面
17と型枠18の間に、生コンクリート19を打設す
る。生コンクリート19は、不織布6の表面を残して、
その一部に侵入されるスランプ値に調整されている。
生コンクリート19が硬化した後、型枠18を外し、
土留コンクリート擁壁1の壁面に不織布6が表出して固
定される。また、土留コンクリート擁壁1を貫通して給
水孔7が筒体13で設けられる。 その後、必要なら
ば、土留コンクリート擁壁の壁面に固定される不織布の
表面に、人工的に厚層基材を吹き付けて、緑化しやすい
環境とすることもできる。
【0028】
【発明の効果】本発明の壁面が緑化される土留コンクリ
ート擁壁の施工方法は、不織布を簡単かつ容易に、しか
も、確実に土留コンクリート擁壁に固定できる特長があ
る。また、必要ならば接着材を使用しないで、不織布を
土留コンクリート擁壁に固定することも可能である。そ
れは、本発明の施工方法が、土留コンクリート擁壁を構
築する型枠の内面に、天然繊維を立体的に方向性なく所
定の厚さに集合してなる天然繊維の不織布を仮止めする
と共に、この型枠に生コンクリートを打設して、不織布
の表面を残して内部に生コンクリートを侵入させている
からである。このようにして施工される土留コンクリー
ト擁壁は、コンクリートが硬化すると、不織布がコンク
リートに埋設される状態で固定される。したがって、本
発明の施工方法は、土留コンクリート擁壁に不織布を固
定するために、たとえば、構築された土留コンクリート
擁壁に接着材で、不織布を固定する等の特別な工程を必
要とせず、簡単かつ容易に土留コンクリート擁壁の壁面
に不織布を固定できる特長がある。しかも、この方法
は、土留コンクリート擁壁に不織布を埋設しているの
で、不織布を確実かつ強固に固定することができ、不織
布が風雨で除去されたり剥がれるのを確実に防止できる
特長がある。
【0029】さらに、本発明の施工方法は、土留コンク
リート擁壁の壁面の不織布に多量の土を能率よく保有し
て、能率よく草木を植生できる特長がある。それは、土
留コンクリート擁壁の壁面に、立体的に方向性なく集合
された天然繊維の不織布を表出させているからである。
土留コンクリート擁壁に固定される不織布は、表面を残
して内部に打設した生コンクリートを侵入させている。
このため、コンクリートが硬化した後、型枠を外すと、
土留コンクリート擁壁の壁面に不織布が表出する。土留
コンクリート擁壁の壁面に表出する不織布は、立体的に
方向性なく集合された天然繊維の隙間に、多量の土を能
率よく保有できると共に、不織布によってコンクリート
表面の保水力を高め、草木の生育に必要な水分を蓄える
ことができる。したがって、コンクリートの侵入しない
不織布の表面に、理想の状態で草木を植生することがで
きる。しかも、土留コンクリート擁壁の壁面に不織布を
表出させる本発明の施工方法は、施工直後からコンクリ
ート壁面を自然環境にマッチする外観に仕上げることが
できると共に、不織布で断熱特性が改善されて、夏場に
コンクリート壁面の温度が上昇するのを緩和できる特長
もある。
【0030】さらにまた、本発明の施工方法は、不織布
繊維によって、コンクリートの壁面に、植物の植生に快
適な無数の凹凸ができる特長がある。複雑に絡みあった
不織布の内部に侵入するコンクリートは、壁面が平滑面
とならずに、無数の凹凸となるからである。この凹凸の
部分には、植物が絡み付きやすく、植物の育成環境を向
上できる。しかも、不織布が腐食した場合においても、
コンクリートの壁面には無数の凹凸があるので、植物の
生育に快適な環境を継続できる特長がある。
【0031】さらにまた、本発明の施工方法は、土留コ
ンクリート擁壁の壁面に不織布を表出させると共に、土
留コンクリート擁壁を貫通して給水孔を設けている。こ
のため、定期的に散水する等の手間をかけることなく、
この給水孔から植物に水分を供給して、土留コンクリー
ト擁壁の壁面に植物を植生できる特長がある。本発明の
方法は、この給水孔から補給される水分で、植物を理想
の状態で、長期間にわたって育成でき、しかも、自然の
水を利用して植物の枯渇を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の土留コンクリート擁壁の断面図
【図2】本発明の実施例の施工方法で構築される土留コ
ンクリート擁壁の斜視図
【図3】図2に示す土留コンクリート擁壁の断面図
【図4】図3に示す貯水槽の拡大断面図
【図5】本発明の実施例の施工方法で構築される土留コ
ンクリート擁壁の他の一例を示す断面図
【図6】本発明の実施例の施工方法で構築される土留コ
ンクリート擁壁の他の一例を示す断面図
【図7】本発明の実施例の方法で土留コンクリート擁壁
を構築する工程を示す概略断面図
【符号の説明】
1…土留コンクリート擁壁 2…貯水槽 2A…通水部 3…フィルター 4…水溜槽 5…ドレインパイプ 6…不織布 7…給水孔 8…植物 9…通水土砂 10…砂利 11…植栽土 12…吸水材 13…筒体 14…コンクリート 15…繊維 16…山 17…のり面 18…型枠 19…生コンクリート

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土留コンクリート擁壁(1)を構築する型
    枠(18)の内面に、天然繊維を立体的に方向性なく所定の
    厚さに集合してなる天然繊維の不織布(6)を仮止めする
    工程と、型枠(18)の内部に、土留コンクリート擁壁(1)
    の表裏に貫通する給水孔(7)を設ける筒体(13)を、後端
    をのり面(17)に、先端を不織布(6)あるいは型枠(18)に
    押し付けて、注入される生コンクリートが侵入しないよ
    うに固定する工程と、この型枠(18)に生コンクリート(1
    9)を打設して、不織布(6)の表面を残して内部に生コン
    クリート(19)を侵入させる工程と、生コンクリート(19)
    が硬化した後、型枠(18)を外して土留コンクリート擁壁
    (1)の壁面に不織布(6)を表出させる工程とからなる壁面
    が緑化される土留コンクリート擁壁の施工方法。
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