JP2951114B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、機械室内に前後方向摺
動自在に設けた基台に冷却装置の圧縮機及び凝縮器を取
り付けると共に、前記凝縮器として水冷式のものを用い
た冷却貯蔵庫に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種冷却貯蔵庫は、例えば実公昭
６０−４０５１号公報（Ｆ２５Ｄ１１／００）にアンダ
ーカウンター式冷蔵庫として示されるように、断熱箱体
内に構成した貯蔵室の側方に冷却室を構成し、この冷却
室内に冷凍装置の冷却器を設置して貯蔵室内を冷却して
いる。また、この冷却室の下方には前面に開口した機械
室を構成し、そこに冷却装置を構成する圧縮機及び凝縮
器を設置している。

【０００３】ところで係る機械室は極めて狭いため、圧
縮機等の保守点検が困難となる。そこで、従来より機械
室内に基台を前後方向摺動自在に配置し、この基台上に
前記圧縮機や凝縮器を設置してこれらを機械室より前方
に引き出せるように構成することにより、これらの点検
作業を機械室外にて容易に行えるように構成している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで近年では、冷
蔵庫が据え付けられる厨房室等の作業環境を改善するた
めに、空冷式の凝縮器を水冷式とし、従来凝縮器から厨
房室内に放出されていた熱量を冷却水にて外部に廃棄す
るようになって来ている。しかしながら、凝縮器を水冷
式とすると、外部の水道管と凝縮器とが結合されてこの
凝縮器が移動不可能となってしまうため、従来の如く機
械室から圧縮機及び凝縮器を引き出すことが不可能とな
る。

【０００５】また、凝縮器の水冷経路と水道管との配管
接続は、冷蔵庫を厨房室に据え付けてから行われるが、
従来では冷蔵庫を据え付けた後に、狭い機械室内にて接
続配管を凝縮器の水冷経路に接続し、この接続配管を機
械室外に引き出して外部の水道管に接続する方法が採ら
れていたため、凝縮器の水冷経路と水道管との間の配管
接続作業が極めて困難なものとなっていた。

【０００６】本発明は係る従来の技術的課題を解決する
ために成されたものであり、水冷式凝縮器の水冷経路と
水道管との接続作業を容易に行うことができる冷却貯蔵
庫を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の冷却貯蔵庫（冷
蔵庫）１は、断熱箱体３内に貯蔵室４を構成すると共
に、この貯蔵室４外に前面に開放した機械室２を構成
し、この機械室２内に冷却装置の圧縮機１４及び水冷式
の凝縮器１６とを設けたものであって、機械室２の前面
開口を開閉自在に閉塞する機械室扉１８と、機械室２に
前後方向摺動自在に設けられ、圧縮機１４及び凝縮器１
６が取り付けられた基台１３と、この基台１３の前部に
構成された挿通部３１と、凝縮器１６の水冷経路に接続
され、機械室扉１８の後側において挿通部３１より基台
１３下方に引き出された変形自在の配管２８、２９とを
具備しているものである。

【０００８】

【作用】本発明の冷却貯蔵庫（冷蔵庫）１によれば、凝
縮器１６からの排熱は冷却水に廃棄されるため、厨房室
等の作業環境を改善することができる。また、水冷経路
に接続された配管２８、２９が機械室扉１８の後側にお
いて基台１３下方に引き出されているので、凝縮器１６
の水冷経路と水道管との接続は、冷却貯蔵庫（冷蔵庫）
１の設置後、機械室扉１８を開放することなく、機械室
２外にて行うことができる。また、配管２８、２９は変
形自在であるため、基台１３を移動させる場合にも配管
２８、２９が変形してその移動量を吸収するので、圧縮
機１４の保守点検時等に基台１３を引き出す場合にも、
配管２８、２９と水道管とを一々外す必要がない。

【０００９】

【実施例】次に、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図１は本発明の冷却貯蔵庫の実施例としてのアン
ダーカウンター式冷蔵庫１の機械室２部分の縦断側面
図、図２は冷蔵庫１の正面図、図３は冷蔵庫１の平断面
図をそれぞれ示している。冷蔵庫１は例えばレストラン
の厨房室等に据え付けられる業務用の所謂アンダーカウ
ンター式冷蔵庫であり、前面が開口した断熱箱体３内に
冷凍或いは冷蔵食品を収納する貯蔵室４が構成されてい
る。貯蔵室４の前面開口は仕切部材８にて左右に仕切ら
れており、この仕切られた左右開口を観音開き式の扉
６、６によって開閉自在に閉塞されると共に、断熱箱体
３の上端には作業台となるカウンター７が取り付けられ
ている。

【００１０】断熱箱体３の向かって左側面には枠状のフ
レーム１０が取り付けられ、その内部に前面に開口した
機械室２が構成されている。この機械室２内上部には冷
却ユニット９が取り付けられる。この冷却ユニット９内
は前記貯蔵室４と連通しており、更に、冷却ユニット９
の内部には冷却装置に含まれる図示しない冷却器が収納
されている。この冷却器により冷却された冷気は前記貯
蔵室４内に循環され、それによって貯蔵室４内は所定の
温度に冷却される。また、冷蔵庫１の下面四隅部には脚
１１が取り付けられており、それによって断熱箱体３の
下面と床面間には所定の間隔が構成される。

【００１１】機械室２底部の前後端部には、断熱箱体３
の下面と略同じ高さに位置して、図４に示すようなアン
グル部材１２、１２がフレーム１０に左右に渡って取り
付けられている。このアングル部材１２、１２上には、
図５に示すような基台１３が前後に渡って載置され、前
後方向に摺動自在とされる。この基台１３上には前記冷
却装置に含まれる圧縮機１４、凝縮器１６、及びその他
の冷媒回路部品が設置される。圧縮機１４は基台１３の
後部に配置され、凝縮器１６は基台１３の前部に配設さ
れると共に、圧縮機１４と凝縮器１６間の基台１３上に
は送風機１７が取り付けられている。また、機械室２の
前面開口は前記フレーム１０の向かって左前端に取り付
けられたヒンジ２０に回動自在に枢支された機械室扉１
８によって開閉自在に閉塞される。

【００１２】ここで、前記凝縮器１６は螺旋状に巻回さ
れた二重配管によって構成された水冷式の凝縮器であ
り、図示しない二重配管の中心部を冷媒が流れ、その外
側を冷却水が流れる水冷経路とされている。２１は前記
水冷経路を流れる冷却水の流量を調整する節水弁、２２
は水冷経路の垢詰まりや冷却水の供給停止等によって凝
縮器１６内の冷媒圧力が上昇した場合に圧縮機１４を停
止させる高圧スイッチ、２３は係る冷却水の異常を警報
するランプである。また、２４は冷却ユニット９と機械
室扉１８との間に設けられ、制御回路等を収納する電装
箱である。

【００１３】凝縮器１６の向かって右上部には前記水冷
経路に連通した給水ソケット２６及び排水ソケット２７
が配設されており、両ソケット２６、２７にはそれぞれ
給水配管２８及び排水配管２９の一端が接続される。両
配管２８、２９は変形自在の例えばステンレス製フレキ
シブルホースにて構成されており、ソケット２６、２７
部分から凝縮器１６上部を屈曲されて凝縮器１６の向か
って左下部に引き回されている。

【００１４】一方、前側のアングル部材１２の向かって
左前端の隅部には切欠１２Ａが形成され、更に、基台１
３の向かって左前端の隅部にも切欠１３Ａが形成されて
いる。機械室２内の所定位置に基台１３が格納された状
態では、基台１３の前端は機械室扉１８の後側に位置す
るが、その状態で前記両切欠１２Ａ、１３Ａは上下に重
複し、それによって基台１３の向かって左前端隅部に
は、機械室扉１８の後側に位置して基台１３の上下を連
通する挿通部３１が構成される。前記両配管２８、２９
の他端部には継ぎ手から成る接続部２８Ａ、２９Ａが形
成されており、両接続部２８Ａ、２９Ａは、この挿通部
３１から基台１３の下方に所定寸法で引き出されてい
る。この接続部２８Ａ、２９Ａを含む配管２８、２９及
び基台１３の向かって左端は前記ヒンジ２０より内側に
位置しており、それによって前記圧縮機１４、凝縮器１
６及び送風機１７等は基台１３と共に機械室２から引き
出し自在とされている。

【００１５】以上の構成で、次に冷蔵庫１の据え付け作
業について説明する。前記給水配管２８及び排水配管２
９は、冷蔵庫１をレストランの厨房室等に搬入した後、
図示しない水道管及び排水管に接続部２８Ａ、２９Ａに
てそれぞれ接続する。この場合、接続部２８Ａ、２９Ａ
は図１及び図２の如く機械室２の前端部から基台１３の
下方に引き出されているので、機械室扉１８を開放する
こと無く、機械室２の下方の床面との間にて給水配管２
８を水道管に、排水配管２９を排水管にそれぞれ容易に
接続することができる。また、接続部２８Ａ、２９Ａは
冷蔵庫１の前部に位置しているので、冷蔵庫１の側方に
他の機器が設置されても、冷蔵庫１の前方から配管接続
作業を行うことができる。

【００１６】このように据え付けた後、圧縮機１４及び
送風機１７が運転されると、図３中白矢印の如く機械室
扉１８の通風口１８Ａから外気が吸い込まれる。この外
気は凝縮器１６を通過してそれを冷却した後、圧縮機１
４に吹き付けられ、圧縮機１４を冷却した後、図中縞矢
印の如く機械室２の側方及び後方に排気される。係る運
転によって圧縮機１４或いは送風機１７等に故障が発生
した場合は、図２及び図３の如く機械室扉１８を開放
し、図６の如く基台１３を機械室２前方に引き出す。こ
れによって同時に圧縮機１４、凝縮器１６及び送風機１
７も機械室２外に引き出されるので、圧縮機１４や送風
機１７の保守点検作業を機械室２外にて容易に行うこと
ができる。

【００１７】ここで、基台１３が引き出されると図６の
如く給水配管２８及び排水配管２９も凝縮器１６と共に
前方に移動する。従って、両配管２８、２９は水道管及
び排水管から離間することになるが、両配管２８、２９
は変形自在のフレキシブルホースにて構成されているの
で、配管２８、２９の接続部２８Ａ、２９Ａ上方の部分
が屈曲してこの位置関係のずれを吸収する。従って、基
台１３を引き出す際に一々配管２８、２９と水道管等と
の接続を外す必要はない。

【００１８】尚、実施例では所謂アンダーカウンター式
の冷蔵庫に本発明を適用したが、それに限らず、一般の
家庭用・業務用冷凍冷蔵庫等にも本発明は有効である。
また、給水配管２８及び排水配管２９をステンレス製の
フレキシブルホースにて構成したが、それに限らず、変
形自在の配管であればゴムホース等であっても差し支え
ない。但し、実施例の如くフレキシブルホースにて両配
管２８、２９を構成するれば、腐食や変形応力等に対す
る耐久性が向上する。

【００１９】

【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、水冷
式の凝縮器の採用によって厨房室等の作業環境を改善す
ることができると共に、凝縮器の水冷経路に接続された
配管が機械室扉の後側において基台下方に引き出されて
いるので、冷却貯蔵庫を据え付けた後、機械室扉を開放
することなく機械室外にて前記水冷経路と水道管との接
続を行うことができるようになり、水冷式凝縮器の配管
接続作業性を著しく改善することができる。また、この
配管は変形自在であるため、基台を移動させた場合にも
変形してその移動量を吸収するので、基台を引き出す場
合に配管と水道管とを一々取り外す必要がなくなり、従
って、水冷式の凝縮器を採用しているにも係わらず、圧
縮機の保守点検作業を機械室外において極めて容易に行
うことができるようになるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】冷却貯蔵庫の実施例としてのアンダーカウンタ
ー式冷蔵庫の機械室部分の縦断側面図である。

【図２】冷蔵庫の正面図である。

【図３】冷蔵庫の平断面図である。

【図４】アングル部材の斜視図である。

【図５】基台の斜視図である。

【図６】基台を引き出した状態の冷蔵庫の機械室部分の
縦断側面図である。

【符号の説明】

１ 冷蔵庫 ２ 機械室 ３ 断熱箱体 ４ 貯蔵室 １３ 基台 １４ 圧縮機 １６ 凝縮器 １８ 機械室扉 ２８ 給水配管 ２９ 排水配管 ３１ 挿通部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 断熱箱体内に貯蔵室を構成すると共に、
   該貯蔵室外に前面に開放した機械室を構成し、該機械室
   内に冷却装置の圧縮機及び水冷式の凝縮器とを設けた冷
   却貯蔵庫において、前記機械室の前面開口を開閉自在に
   閉塞する機械室扉と、前記機械室に前後方向摺動自在に
   設けられ、前記圧縮機及び凝縮器が取り付けられた基台
   と、該基台の前部に構成された挿通部と、前記凝縮器の
   水冷経路に接続され、前記機械室扉の後側において前記
   挿通部を通過し、前記基台下方に引き出された変形自在
   の配管とを具備して成る冷却貯蔵庫。