JP2950598B2 - ジルコン系コーティング組成物及びジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体の製造方法 - Google Patents

ジルコン系コーティング組成物及びジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、長期間保存でき、容易にコーティングで
き、安定性に優れた塗膜が得られるジルコン系コーティ
ング組成物に関する。本発明は、さらに、安定性に優れ
た塗膜を有するジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体を容易
に製造しうる方法に関する。
(従来の技術) 従来、金属、プラスチック、木材、紙、セメント、黒
鉛等の素材上に、その耐食性、耐熱性、耐磨耗性、絶縁
性等を向上させるために、コーティングにより塗膜を形
成することが行われており、なかでもジルコン系組成物
が、耐食性、耐熱性、耐磨耗性、絶縁性等に優れる上
に、熱膨張率が低いことから、上記素材のためのコーテ
ィング組成物として有用である。
ジルコン系組成物は、例えば、特開昭61−250063号公
報には、式Zr(OC5H11で表されるジルコニウム化合
物、エチルシリケートおよびイソプロピルアルコールを
混合してなる組成物が記載され、特開昭63−190175号公
報には、ジルコニウムオキシ酸塩、シリコンアルコキシ
ドまたはその誘導体、水および有機溶媒からなる組成物
が記載されている。しかしながら、上記組成物は長期保
存安定性が悪く、しかも基材上に塗布して得られた塗膜
は、クラックや剥離を生じ易いという欠点を有してい
た。
一方、上記素材のうち、とりわけ黒鉛は、熱膨張率が
低く耐熱衝撃性に優れた材料として知られ、高温下で使
用するための治具の材料として用いられている。しか
し、黒鉛は、高温での耐酸化性に劣るという欠点を有し
ている。また、粉末冶金用として黒鉛の治具を用いる場
合には、黒鉛表面にアルミナ粉を散布したり、アルミナ
系、シリカ系等の粘結剤を塗布して、溶融金属の黒鉛に
対する濡れや反応を防止する必要があるが、前者の方法
は、工程が煩雑であるうえに、アルミナ微粉末によって
作業環境を悪化させるという欠点を有しており、後者の
方法は、粘結剤と黒鉛との熱膨張率の差により粘結剤が
黒鉛表面から剥離し易いうえに、水素雰囲気下では、高
温において粘結剤中のシリカと水素が反応して水蒸気が
発生し、金属の焼結を妨げるという欠点を有していた。
上記欠点を解決するために、黒鉛成形体の表面にジル
コン系組成物の被覆を形成することが提案されている。
この被覆形成方法としては、蒸着法、スパッタ法、CVD
法、溶射法、ペースト焼結法、塗膜熱分解法等が知られ
ているが、これらの方法では、0.1μm以上の厚膜を形
成することが困難であり、黒鉛の酸化劣化等を防止する
には不充分であった。
また、特開平1−122982号公報には、テトラアルコキ
シシラン、その加水分解物および/または部分縮合物な
らびにジルコニウムテトラアルコキシド、その加水分解
物および/または部分縮合物等の溶液を、黒鉛成形体に
塗布または含浸し、乾燥して被覆する方法が記載されて
おり、上記方法で得られる塗膜は黒鉛とほぼ同程度の熱
膨張率を有しており、この塗膜に対しては、溶融金属は
濡れ性や反応性を示さず、塗膜が水素と反応することも
ない。しかしながら、上記方法には、塗布液が加水分解
し易いため長時間保存できないという欠点があった。し
かも、得られる塗膜の安定性が悪く、クラックや剥離が
生じ易いという欠点があった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記欠点に鑑みてなされたものであり、そ
の目的は、容易にコーティングができ、安定性に優れた
塗膜が得られる長期保存可能なジルコン系コーティング
組成物を提供するとともに、該コーティング組成物を用
いたジルコン系酸化物被覆黒鉛の製造方法を提供するこ
とにある。
(課題を解決するための手段) 本発明で使用されるジルコニウムテトラアルコキシド
(a)は、一般式Zr(OR1で表される化合物であ
り、式中、R1は脂肪族炭化水素基を示すが、炭素数が多
くなるとジルコン系コーティング組成物の安定性が低下
して長期保存性が悪くなるので、炭素数は1〜5であ
る。
上記ジルコニウムテトラアルコキシド(a)として
は、例えば、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニ
ウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラ−iso−プ
ロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジ
ルコニウムテトラ−sec−ブトキシド、ジルコニウムテ
トラ−tert−ブトキシド等があげられ、特にジルコニウ
ムテトラ−n−ブトキシドおよびジルコニウムテトラ−
iso−プロポキシドが好ましい。これらは、単独で使用
されてもよいし二種以上併用されてもよい。
本発明で使用されるオルガノアルコキシシラン(b)
は、一般式R2Si(OR3で表される化合物であり、式
中、R2有機基を示すが、炭素数が多くなるとジルコン系
コーティング組成物の安定性が低下して長期保存性が悪
くなるので、炭素数は1〜8であり、R3は脂肪族炭化水
素基を示すが、炭素数が多くなるとジルコン系コーティ
ング組成物の安定性が低下して長期保存性が悪くなるの
で、炭素数は1〜5である。
上記オルガノアルコキシシラン(b)としては、例え
ば、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−iso−プ
ロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラ
ン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルト
リ−n−ブトキシシラン、iso−プロピルトリエトキシ
シラン、iso−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、γ
−クロロピルトリ−tert−ブトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリn−プロポキシシラン、3,
3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリ
ルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキ
シシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、is
o−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキ
シシラン、エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメト
キシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン等があげられ、特にメチルトリエトキシ
シランおよびエチルトリメトキシシランが好ましい。こ
れらは、単独で使用されてもよいし二種以上併用されて
もよい。
上記オルガノアルコキシシラン(b)のジルコニウム
テトラアルコキシド(a)に対する添加量は、少なくな
るとジルコン系コーティング組成物の安定性が低下して
長期保存性が悪くなり、多くなると得られる塗膜にクラ
ックが生じ易くなるので、オルガノアルコキシシラン
(b)/ジルコニウムテトラアルコキシド(a)(モル
比)は0.25〜2.5である。
本発明に使用されるアミン化合物(c)は、下記一般
式(I)、(II)または(III)で表される化合物であ
る。
HO−R4−NH2…(I) (HO−R4 2NH…(II) (HO−R4 3N…(III) 式中、R4は脂肪族炭化水素基を示すが、炭素数が少な
くなっても、多くなってもジルコン系コーティング組成
物の安定性が低下して長期保存性が悪くなるので、炭素
数は2〜5である。
上記(I)式で表される化合物としては、例えば、エ
タノールアミン、プロパノールアミン、イソプロパノー
ルアミン等があげられ、(II)式で表される化合物とし
ては、例えば、ジエタノールアミン、ジイソプロパノー
ルアミン等あげられ、(III)式で表される化合物とし
ては、例えば、トリエタノールアミン、トリイソプロパ
ノールアミン等あげられ、特にジエタノールアミンおよ
びトリエタノールアミンが好ましい。これらは、単独で
使用されてもよいし二種以上併用されてもよい。
上記アミン化合物(c)のジルコニウムテトラアルコ
キシド(a)に対する添加量は、少なくなるとジルコン
系コーティング組成物の安定性が低下して長期保存性が
悪くなり、多くなると得られる塗膜にクラックが生じ易
くなるので、アミン化合物(c)/ジルコニウムテトラ
アルコキシド(a)(モル比)は0.5〜6である。
本発明に使用される有機溶媒(d)は、前記ジルコニ
ウムテトラアルコキシド(a)およびオルガノアルコキ
シシラン(b)(以下、全アルコキシドという)と相溶
性のあるものであれば特に限定されるものではなく、例
えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類、
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ベンゼ
ン、トルエンなどがあげられ、特にイソプロピルアルコ
ールが好ましい。これらは単独で使用されてもよいし二
種以上併用されてもよい。
上記有機溶媒(d)の全アルコキシドに対する添加量
は、少なくなるとジルコン系コーティング組成物の安定
性が低下して長期保存性が悪くなり、多くなると得られ
る塗膜にピンホールが生じ易くなるので、有機溶媒
(d)/全アルコキシド(モル比)は0.05〜500であ
り、好ましくは0.2〜300である。
本発明で使用される水(e)の全アルコキシドに対す
る添加量は、少なくなると得られる塗膜にクラックが生
じ易くなり、多くなるとジルコン系コーティング組成物
の安定性が低下して長期保存性が悪くなるので、水
(e)/全アルコキシド(モル比)は0.02〜2である。
上記水(e)には全アルコキシドの加水分解を促進す
るための触媒として、酸または塩基が添加されるのが好
ましい。
上記酸としては、例えば、塩酸、フッ酸、硝酸等の無
機酸、酢酸、ギ酸等の有機酸があげられ、塩基として
は、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等があげられ、特に塩酸が好ましい。
上記酸または塩基の添加量は、少なくなると加水分解
の促進効果がなく、多くなるとジルコン系コーティング
組成物の安定性が低下して長期保存性が悪くなるので、
水1に対して0.01〜15モルが好ましい。
本発明のジルコン系コーティング組成物は、上述した
各構成材料を混合攪拌して得られ、その混合攪拌方法は
特に限定されるものではないが、前記ジルコニウムテト
ラアルコキシド(a)、アミン化合物(c)および有機
溶媒(d)を混合攪拌した後、前記テトラアルコキシシ
ラン(b)および水(e)を添加して混合攪拌するのが
好ましい。
本発明のジルコン系コーティング組成物には、得られ
る塗膜の安定性(耐クラック性、耐剥離性等)をさらに
向上させるためにジルコン粉末が添加されてもよい。
上記ジルコン粉末の平均粒径は、小さくなるとジルコ
ン系コーティング組成物中への分散が困難になり、大き
くなると得られる塗膜にクラックが発生し易くなるの
で、0.01〜100μmが好ましく、0.02〜2μmが特に好
ましい。
上記ジルコン粉末のジルコン系コーティング組成物中
への添加量は、少なくなると得られる塗膜の安定性の向
上の度合いが低くなり、多くなるとジルコン系コーティ
ング組成物の安定性が低下して長期保存性が悪くなるの
で、全ジルコン系酸化物(ジルコニウムテトラアルコキ
シド(a)とオルガノアルコキシシラン(b)から形成
される酸化物、およびジルコン粉末の合計量)中1〜60
重量%が好ましい。なお、ジルコン粉末の添加は、前記
ジルコン系コーティング組成物の各構成材料を混合攪拌
した後になされるのが好ましい。
本発明2のジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体の製造方
法では、上述のジルコン系コーティング組成物が、黒鉛
成形体に塗布または含浸され、乾燥されてジルコン系酸
化物が被覆される。
上記黒鉛成形体の製造方法は任意の方法が採用されて
よく、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等を出発原料として
押出成形、注型成形等によって成形した後、焼成する方
法、無煙炭、石炭コークス、石油コークス、ピッチコー
クス、カーボンブラック等の無定形炭素質のものを出発
原料として押出成形、注型成形等によって成形した後、
焼成し、さらに黒鉛化する方法などがあげられる。な
お、上記黒鉛成形体中には、粘土、金属等の他種材料が
含有されてもよい。
上記黒鉛成形体の形状としては特に限定されるもので
はなく、例えば、棒状、板状、ブロック状、ロール状、
ルツボ状等があげられる。
上記塗布方法としては特に限定されるものではなく、
例えば、刷毛、スプレーコート、ディップコート、スピ
ンコート、ロールコート等による塗布方法があげられ
る。
上記含浸方法としては特に限定されるものではなく、
例えば、常圧下で浸漬含浸する方法、減圧下で浸漬含浸
する方法等があげられ、減圧下で浸漬含浸するのが好ま
しく、その減圧度は、低くなると黒鉛成形体の細孔内部
にジルコン系コーティング組成物が含浸されにくくな
り、高くなるとジルコン系コーティング組成物の揮発が
激しくなって溶液粘度が上昇し、黒鉛成形体の細孔内部
にジルコン系コーティング組成物が含浸されにくくなる
ので、1×10-3〜100Torrが好ましい。
上記乾燥方法としては特に限定されるものではなく、
例えば、室温にて自然乾燥する方法、室温にて自然乾燥
した後、加熱乾燥する方法、室温にて自然乾燥した後、
高温加熱処理する方法、室温にて自然乾燥し、加熱乾燥
した後、さらに高温加熱処理する方法等があげられる。
上記乾燥方法における各段階での条件は、ジルコン系
コーティング組成物および黒鉛成形体の種類に応じて適
宜決定されるが、室温での自然乾燥は2〜48時間行うの
が好ましく、加熱乾燥は60〜300℃で30分〜48時間行う
のが好ましく、高温加熱処理は非酸化性雰囲気下、450
〜1700℃で30分〜10時間行うのが好ましい。
(実施例) 以下、本発明の実施例を説明する。
なお、結果に示したジルコン系コーティング組成物な
らびにジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体に関する各物性
の評価方法は次の通りである。
1.ジルコン系コーティング組成物に関する物性 (1)初期密着性 得られたジルコン系コーティング組成物中に、アセト
ンで超音波洗浄したスライドガラス(マツナミ社製)を
浸漬し、300mm/分の速度で引上げた後、下記条件下で乾
燥してジルコン系酸化物被覆層を形成して評価試料を作
製し、JIS D0202に準じてクロスカットテープ剥離試験
を行い、100個のジルコン系酸化物被覆層の枡目に対す
る剥離したジルコン系酸化物層の枡目の比率(剥離率)
を測定して評価した。
(乾燥条件) 初期乾燥:25℃、24時間 最終乾燥:500℃(25℃から50℃/hrで昇温)、2時間 (2)耐沸騰水性(耐クラック性および密着耐久性) 得られたジルコン系コーティング組成物を用いて、上
記初期密着性を評価したのと同様にして作製した評価試
料を沸騰水中に8時間浸漬した後、その表面の状態を官
能検査して下記判定基準により耐クラック性を評価し
た。
(判定基準) ○:表面にクラックなし ×:表面にクラックあり 上記官能検査を行った後、上記初期密着性を評価した
のと同様にしてクロスカットテープ剥離試験を行い、剥
離率により密着耐久性を評価した。
(3)耐酸性(耐クラック性および密着耐久性) 得られたジルコン系コーティング組成物を用いて、上
記初期密着性を評価したのと同様にして作製した評価試
料を20wt%の塩酸中に75時間浸漬した後、その表面の状
態を官能検査して下記判定基準により耐クラック性を評
価した。
(判定基準) ○:表面にクラックなし ×:表面にクラックあり 上記官能検査を行った後、上記初期密着性を評価した
のと同様にしてクロスカットテープ剥離試験を行い、剥
離率により密着耐久性を評価した。
(4)長期保存性 得られたジルコン系コーティング組成物が封入された
密封容器を50℃、65%RHの雰囲気下に6ヶ月放置した
後、上記初期密着性を評価したのと同様にしてクロスカ
ットテープ剥離試験を行い、下記判定基準により長期保
存性を評価した。
(判定基準) ○:剥離率が20%以下 △:剥離率が21〜50% ×:剥離率が50%を超えるもの 2.ジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体に関する物性 〔耐熱性〕 得られたジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体を大気雰囲
気下、600℃で10時間放置した後、ジルコン系酸化物被
覆黒鉛成形体の初期重量に対する重量減少率を測定して
耐熱性を評価した。
実施例1〜14 第1表に示した所定量のジルコニウムテトラアルコキ
シド、アミン化合物およびイソプロピルアルコールをセ
パラブルフラスコに供給し、室温で15時間、攪拌速度80
0rpmで攪拌して安定化されたジルコニウムテトラアルコ
キシドのアルコール溶液を得た。
得られたアルコール溶液に第1表に示した所定量のオ
ルガノアルコキシシラン添加し、室温で1時間、攪拌速
度800rpmで攪拌した後、第1表に示した所定量の水と塩
酸からなる塩酸水溶液を添加し、室温で1時間、攪拌速
度800rpmで攪拌してジルコン系コーティング組成物を得
た。
得られたジルコン系コーティング組成物を用いて、前
記測定法に基づき、各物性を測定し、結果を第1表に示
した。
次いで、減圧容器中に得られたジルコン系コーティン
グ組成物を供給し、アセトンで超音波洗浄した円筒状黒
鉛成形体(直径:20mm、高さ:20mm)を上記ジルコン系コ
ーティング組成物中に浸漬した後、減圧容器内を5Torr
に減圧して上記黒鉛成形体中にジルコン系コーティング
組成物を含浸した。次に、減圧容器内を常圧に戻し、黒
鉛成形体を取り出してジルコン系コーティング組成物含
浸黒鉛成形体を得た。
得られたジルコン系コーティング組成物含浸黒鉛成形
体を室温にて24時間自然乾燥した後、加熱容器内にて10
0℃、24時間乾燥し、さらに窒素雰囲気下で1500℃、1
時間処理してジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体を得た。
得られたジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体を用いて、
前記測定法に基づき、重量減少率を測定し、結果を第1
表に示した。
実施例15、16 第1表に示した通り、イソプロピルアルコールの添加
量を変えた他は実施例1と同様にしてジルコン系コーテ
ィング組成物を得た。
得られたジルコン系コーティング組成物に第1表に示
した所定量のジルコン粉末(平均粒径1μm)を添加
し、室温で1時間、攪拌速度1000rpmで攪拌してジルコ
ン粉末含有ジルコン系コーティング組成物を得た。
得られたジルコン粉末含有ジルコン系コーティング組
成物を用いて、前記測定法に基づき、各物性を測定し、
結果を第1表に示した。
上記ジルコン粉末含有ジルコン系コーティング組成物
を用い、実施例1と同様にしてジルコン系酸化物被覆黒
鉛成形体を得た。
得られたジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体を用いて、
前記測定法に基づき、重量減少率を測定し、結果を第1
表に示した。
比較例1〜8 第2表に示した通り、組成物中の構成材料の添加量を
変えた他は実施例1と同様にしてジルコン系コーティン
グ組成物を得た。
得られたジルコン系コーティング組成物を用いて、前
記測定法に基づき、各物性を測定し、結果を第2表に示
した。
上記ジルコン系コーティング組成物を用い、実施例1
と同様にしてジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体を得た。
得られたジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体を用いて、
前記測定法に基づき、重量減少率を測定し、結果を第2
表に示した。
比較例9 第2表に示した通り、ジルコン粉末の添加量を変えた
他は実施例15と同様にしてジルコン粉末含有ジルコン系
コーティング組成物を得た。
得られたジルコン粉末含有ジルコン系コーティング組
成物を用いて、前記測定法に基づき、各物性を測定し、
結果を第2表に示した。
上記ジルコン粉末含有ジルコン系コーティング組成物
を用い、実施例1と同様にしてジルコン系酸化物被覆黒
鉛成形体を得た。
得られたジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体を用いて、
前記測定法に基づき、重量減少率を測定し、結果を第2
表に示した。
比較例10 実施例1で用いたのと同様の黒鉛成形体を使用して、
前記測定法に基づき、重量減少率を測定したところ、3.
5wt%であった。
比較例11 ジルコン系コーティング組成物をアルミナ濃度7重量
%のアルミナコロイドの水分散液(触媒化成社製、商品
名;カタロイドAS−3)に変えた他は実施例1と同様に
してアルミナコロイド含浸黒鉛成形体を得た。
得られたアルミナコロイド含浸黒鉛成形体を室温にて
24時間自然乾燥した後、加熱容器内にて150℃、1時間
乾燥してアルミナ被覆黒鉛成形体を得た。
得られたアルミナ被覆黒鉛成形体を用いて、前記測定
法に基づき、重量減少率を測定したところ、3.1wt%で
あった。
比較例12 ジルコン系コーティング組成物をシリカ濃度30重量%
のシリカコロイドのアルコール分散液(触媒化成社製、
商品名;OSCAL)に変えた他は実施例1と同様にしてシリ
カコロイド含浸黒鉛成形体を得た。
得られたシリカコロイド含浸黒鉛成形体を室温にて24
時間自然乾燥した後、加熱容器内にて150℃、1時間乾
燥してシリカ被覆黒鉛成形体を得た。
得られたシリカ被覆黒鉛成形体を用いて、前記測定法
に基づき、重量減少率を測定したところ、2.9wt%であ
った。
(発明の効果) 本発明のジルコン系コーティング組成物の構成は前記
した通りであり、特定量の、ジルコニウムテトラアルコ
キシド、テトラアルコキシシラン、前記一般式(I)、
(II)および(III)で表されるアミン化合物、有機溶
媒ならびに水よりなるため、容易にコーティングがで
き、長期間保存可能であり、かつ上記ジルコン系コーテ
ィング組成物から得られる塗膜は、初期密着性、耐沸騰
水性および耐酸性が優れる。
上記ジルコン系コーティング組成物は、金属、プラス
チック、木材、紙、セメント、黒鉛等の被覆に好適に使
用される。
本発明2のジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体の製造方
法においては、上記ジルコン系コーティング組成物を用
いているので、ジルコン系酸化物が被覆された黒鉛成形
体が容易に得られ、得られたジルコン系酸化物被覆黒鉛
成形体は耐熱性が優れる。
上記ジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体は、金属溶解用
ルツボ、焼成用治具等に好適に使用される。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)一般式Zr(OR1(式中、R1は炭
    素数1〜5の脂肪族炭化水素基を示す)で表されるジル
    コニウムテトラアルコキシド、 (b)一般式R2Si(OR3(式中、R2は炭素数1〜8
    の有機基、R3は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を示
    す)で表されるオルガノアルコキシシラン、 (c)下記一般式(I)、(II)または(III)で表さ
    れるアミン化合物、 HO−R4−NH2…(I) (HO−R4 2NH…(II) (HO−R4 3N…(III) (式中、R4は炭素数2〜5の脂肪族炭化水素基を示す) (d)有機溶媒および (e)水 を含有するジルコン系コーティング組成物であり、上記
    組成物中の各成分のモル比が、(b)/(a)=0.25〜
    2.5、(c)/(a)=0.5〜6、(d)/((a)+
    (b))=0.05〜500および(e)/((a)+
    (b))=0.02〜2であるジルコン系コーティング組成
    物。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載のジルコン系コ
    ーティング組成物を、黒鉛成形体に塗布または含浸し、
    乾燥することをを特徴とするジルコン系酸化物被覆黒鉛
    成形体の製造方法。
JP2278294A 1989-10-17 1990-10-16 ジルコン系コーティング組成物及びジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体の製造方法 Expired - Fee Related JP2950598B2 (ja)

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