JPH04306275A - ジルコン系コ−ティング組成物及びジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体の製造方法 - Google Patents

ジルコン系コ−ティング組成物及びジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体の製造方法

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JPH04306275A
JPH04306275A JP7107691A JP7107691A JPH04306275A JP H04306275 A JPH04306275 A JP H04306275A JP 7107691 A JP7107691 A JP 7107691A JP 7107691 A JP7107691 A JP 7107691A JP H04306275 A JPH04306275 A JP H04306275A
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JP
Japan
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zircon
coating composition
based coating
molded body
graphite molded
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Application number
JP7107691A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Nakatani
康弘 中谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長期間保存でき、容易
にコ−ティングでき、安定性に優れた塗膜が得られるジ
ルコン系コ−ティング組成物に関する。本発明は、さら
に、安定性に優れた塗膜を有するジルコン系酸化物被覆
黒鉛成形体を容易に製造しうる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属、プラスチック、木材、紙、
セメント、黒鉛等の素材上に、その耐食性、耐熱性、耐
磨耗性、絶縁性等を向上させるために、コ−ティングに
より塗膜を形成することが行われており、なかでもジル
コン系組成物が、耐食性、耐熱性、耐磨耗性、絶縁性等
に優れる上に、熱膨張率が低いことから、上記素材のた
めのコ−ティング組成物として有用である。
【0003】ジルコン系組成物は、例えば、特開昭61
−250063号公報には、ジルコン化合物、エチルシ
リケ−トおよびイソプロピルアルコ−ルを混合してなる
組成物が記載され、特開昭63−190175号公報に
は、ジルコニウムオキシ酸塩、シリコンアルコキシドま
たはその誘導体、水および有機溶媒からなる組成物が記
載されている。しかしながら、上記組成物は長期保存安
定性が悪く、しかも基材上に塗布して得られた塗膜は、
クラックや剥離を生じ易いという欠点を有していた。
【0004】一方、前記素材のうち、とりわけ黒鉛は、
熱膨張率が低く耐熱衝撃性に優れた材料として知られ、
高温下で使用するための治具の材料として用いられてい
る。しかし、黒鉛は、高温での耐酸化性に劣るという欠
点を有している。また、粉末冶金用として黒鉛の治具を
用いる場合には、黒鉛表面にアルミナ粉を散布したり、
アルミナ系、シリカ系等の粘結剤を塗布して、溶融金属
の黒鉛に対する濡れや反応を防止する必要があるが、前
者の方法は、工程が煩雑であるうえに、アルミナ微粉末
によって作業環境を悪化させるという欠点を有しており
、後者の方法は、粘結剤と黒鉛との熱膨張率の差により
粘結剤が黒鉛表面から剥離し易いうえに、水素雰囲気下
では、高温において粘結剤中のシリカと水素が反応して
水蒸気が発生し、金属の焼結を妨げるという欠点を有し
ていた。
【0005】上記欠点を解決するために、黒鉛成形体の
表面にジルコン系組成物の被覆を形成することが提案さ
れている。この被覆形成方法としては、蒸着法、スパッ
タ法、CVD法、溶射法、ペ−スト焼結法、塗膜熱分解
法等が知られているが、これらの方法では、0.1μm
以上の厚膜を形成することが困難であり、黒鉛の酸化劣
化等を防止するには不充分であった。
【0006】また、特開平1−122982号公報には
、テトラアルコキシシラン、その加水分解物および/ま
たは部分縮合物ならびにジルコニウムテトラアルコキシ
ド、その加水分解物および/または部分縮合物等の溶液
を、黒鉛成形体に塗布または含浸し、乾燥して被覆する
方法が記載されており、上記方法で得られる塗膜は黒鉛
とほぼ同程度の熱膨張率を有しており、この塗膜に対し
ては、溶融金属は濡れ性や反応性を示さず、塗膜が水素
と反応することもない。しかしながら、上記方法には、
塗布液が加水分解し易いため長時間保存できないという
欠点があった。しかも、得られる塗膜の安定性が悪く、
クラックや剥離が生じ易いという欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点に
鑑みてなされたものであり、その目的は、容易にコ−テ
ィングができ、安定性に優れた塗膜が得られる長期保存
可能なZrO2−CaO系コ−ティング組成物を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明で使用されるジル
コニウムテトラアルコキシド(a) は、一般式Zr(
 OR1)4 で表される化合物であり、式中、R1 
はアルキルを示すが、炭素数が多くなるとジルコン系コ
−ティング組成物の安定性が低下して長期保存性が悪く
なるので、炭素数は1〜5に限定される。
【0009】上記ジルコニウムテトラアルコキシド(a
) としては、例えば、ジルコニウムテトラメトキシド
、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラ
−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−iso−プ
ロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジ
ルコニウムテトラ−sec−ブトキシド、ジルコニウム
テトラ−tert−ブトキシド等があげられ、特にジル
コニウムテトラ−n−ブトキシドおよびジルコニウムテ
トラ−iso−プロポキシドが好ましい。これらは、単
独で使用されてもよいし二種以上併用されてもよい。
【0010】本発明で使用されるオルガノアルコキシシ
ラン(b) は、下記の一般式  I 、 II また
は  III で表される化合物である。
【0011】
【化2】
【0012】式中、R2 はアルキルを示すが、炭素数
が多くなるとジルコン系コ−ティング組成物の安定性が
低下して長期保存性が悪くなるので、炭素数は1〜5に
限定される。R3 、R4 、R5 は有機基を示し、
例えば、飽和炭化水素基(アルキル基、置換アルキル基
等)、不飽和炭化水素基(アリル基、ビニル基等)、芳
香族炭化水素基(フェニル基、ナフチル基等)、エポキ
シ基、アミノ基などがあげられる。
【0013】一般式  I で表される化合物としては
、例えば、モノメチルトリメトキシシラン、モノメチル
トリエトキシシラン、モノメチルトリ−n−プロポキシ
シラン、モノメチルトリ−iso−プロポキシシラン、
モノメチルトリ−n−ブトキシシラン、モノメチルトリ
−sec−ブトキシシラン、モノメチルトリ−tert
−ブトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、エ
ポキシトリエトキシシラン等があげられ、一般式 II
 で表される化合物としては、例えば、ジメチルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−
n−プロポキシシラン、ジメチルジ−iso−プロポキ
シシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチル
ジ−sec−ブトキシシラン、ジメチルジ−tert−
ブトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、エチルビ
ニルジエトキシシラン、エチルフェニルジエトキシシラ
ン、メチルエポキシジエトキシシラン等があげられ、一
般式  III で表される化合物としては、例えば、
トリメチルモノメトキシシラン、トリメチルモノエトキ
シシラン、トリメチルモノ−n−プロポキシシラン、ト
リメチルモノ−iso−プロポキシシラン、トリメチル
モノ−n−ブトキシシラン、トリメチルモノ−sec−
ブトキシシラン、トリメチルモノ−tert−ブトキシ
シラン、トリエチルエトキシシラン、ジエチルビニルエ
トキシシラン、ジエチルフェニルエトキシシラン、ジエ
チルフェニルエトキシシラン、メチルエチルエポキシエ
トキシシラン等があげられ、特にモノメチルトリエトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジメチルジエト
キシシランおよびジエチルフェニルエトキシシランが好
ましい。
【0014】上記オルガノアルコキシシラン(b) は
、単独で使用されてもよいし二種以上併用されてもよい
。上記オルガノアルコキシシラン(b) のジルコニウ
ムテトラアルコキシド(a) に対する添加量は、少な
くなるとジルコン系コ−ティング組成物の安定性が低下
して長期保存性が悪くなり、多くなると得られる塗膜に
クラックが生じやすくなるので、オルガノアルコキシシ
ラン(b) /ジルコニウムテトラアルコキシド(a)
 (モル比)は0.25〜2.5に限定される。
【0015】本発明で使用されるジケトン化合物(c)
 は、β−ジケトンおよびβ−ケトエステルからなる群
より選ばれる少なくとも一種以上の化合物であり、β−
ジケトンとしては、例えば、アセチルアセトン、ベンゾ
イルアセトン、ジベンゾイルメタン、3−メチルペンタ
ン−2,4−ジオン、ジアセトンアルコ−ル等があげら
れ、β−ケトエステルとしては、例えば、アセト酢酸メ
チル、アセト酢酸エチル、ベンゾイル酢酸メチル、ベン
ゾイル酢酸エチル等があげられ、特にアセチルアセトン
、ベンゾイルアセトン、アセト酢酸エチルおよびベンゾ
イル酢酸エチルが好ましい。
【0016】上記ジケトン化合物(c) のジルコニウ
ムテトラアルコキシド(a) に対する添加量は、少な
くなるとジルコン系コ−ティング組成物の安定性が低下
して長期保存性が悪くなり、多くなると得られる塗膜に
クラックが生じやすくなるので、ジケトン化合物(c)
 /ジルコニウムテトラアルコキシド(a) (モル比
)は0.5〜6に限定される。
【0017】本発明に使用される有機溶媒(d) は、
前記ジルコニウムテトラアルコキシド(a) およびオ
ルガノアルコキシシラン(b) (以下、全アルコキシ
ドという)と相溶性のあるものであれば特に限定される
ものではなく、例えば、メチルアルコ−ル、エチルアル
コ−ル、イソプロピルアルコ−ル、ブチルアルコ−ル等
のアルコ−ル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン類、ベンゼン、トルエンなどがあげられ、特にエチ
ルアルコ−ルおよびイソプロピルアルコ−ルが好ましい
。これらは単独で使用されてもよいし二種以上併用され
てもよい。
【0018】上記有機溶媒(d) の全アルコキシドに
対する添加量は、少なくなるとジルコン系コ−ティング
組成物の安定性が低下して長期保存性が悪くなり、多く
なると得られる塗膜にピンホ−ルが生じやすくなるので
、有機溶媒(d) /全アルコキシド(モル比)は0.
05〜500に限定され、好ましくは0.2〜300で
ある。
【0019】本発明で使用される水(e) の全アルコ
キシドに対する添加量は、少なくなると得られる塗膜に
クラックが生じやすくなり、多くなるとジルコン系コ−
ティング組成物の安定性が低下して長期保存性が悪くな
るので、水(e) /全アルコキシド(モル比)は0.
02〜4に限定され、好ましくは0.1〜2である。
【0020】上記水(e) には全アルコキシドの加水
分解を促進するための触媒として、酸または塩基が添加
されるのが好ましい。上記酸としては、例えば、塩酸、
フッ酸、硝酸等の無機酸、酢酸、ギ酸等の有機酸があげ
られ、塩基としては、例えば、アンモニア、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等があげられ、特に塩酸が好ま
しい。
【0021】上記酸または塩基の添加量は、少なくなる
と加水分解の促進効果がなく、多くなるとジルコン系コ
−ティング組成物の安定性が低下して長期保存性が悪く
なるので、水1lに対して0.01〜15モルが好まし
い。
【0022】本発明のジルコン系コ−ティング組成物は
、上述した各構成材料を混合して得られ、その混合方法
は特に限定されるものではないが、前記ジルコニウムテ
トラアルコキシド(a) 、ジケトン化合物(c) お
よび有機溶媒(d) を混合した後、前記オルガノアル
コキシシラン(b) および水(e) を添加するのが
好ましい。次に、本発明2のジルコン系コ−ティング組
成物を説明する。
【0023】本発明2の組成物においては、前記ジケト
ン化合物(c) に代えて、アルコ−ル化合物(c) 
が使用される。上記アルコ−ル化合物(c) は、2−
オキシアルコ−ル、2−オキソアルコ−ル、3−オキシ
アルコ−ル、3−オキソアルコ−ル、α−ジオ−ルおよ
びβ−ジオ−ルからなる群より選ばれる少なくとも一種
以上の化合物である。
【0024】上記2−オキシアルコ−ルとしては、例え
ば、2−メトキシエタノ−ル、2−エトキシエタノ−ル
、2−(1−メチルエトキシ)エタノ−ル、1−メトキ
シ−2−プロパノ−ル、ジエチレングリコ−ル、テトラ
ヒドロフルフリルアルコ−ル等があげられ、2−オキソ
アルコ−ルとしては、例えば、2−オキソ−1−プロパ
ノ−ル、フルフラ−ル、乳酸エチル等があげられ、3−
オキシアルコ−ルとしては、例えば、3−メトキシプロ
パノ−ル、3−エトキシエタノ−ル、2−(2−ヒドロ
キシエチル)フラン等があげられ、3−オキソアルコ−
ルとしては、例えば、2−オキソ−1−ブタノ−ル、3
−ヒドロキシ酪酸エチル等があげられ、α−ジオ−ルと
しては、例えば、エチレングリコ−ル、プロピレングリ
コ−ル等があげられ、β−ジオ−ルとしては、例えば、
プロパンジオ−ル、ブタンジオ−ル、2,4−ペンタン
ジオ−ル等があげられ、特に2−エトキシエタノ−ル、
2−オキソ−1−プロパノ−ル、3−エトキシエタノ−
ルおよび2,4−ペンタンジオ−ルが好ましい。
【0025】上記アルコ−ル化合物(c) のジルコニ
ウムテトラアルコキシド(a) に対する添加量は、少
なくなるとジルコン系コ−ティング組成物の安定性が低
下して長期保存性が悪くなり、多くなると得られる塗膜
にクラックが生じやすくなるので、アルコ−ル化合物(
c) /ジルコニウムテトラアルコキシド(a) (モ
ル比)は0. 5〜6に限定される。
【0026】本発明および本発明2のジルコン系コ−テ
ィング組成物の構成は上述した通りであるが、得られる
塗膜の安定性(耐クラック性、耐剥離性等)をさらに向
上させるためにジルコン粉末が添加されてもよい。
【0027】上記ジルコン粉末の平均粒径は、小さくな
るとジルコン系コ−ティング組成物中への分散が困難に
なり、大きくなると得られる塗膜にクラックが発生しや
すくなるので、0.01〜100μmが好ましく、0.
02〜10μmが特に好ましい。
【0028】上記ジルコン粉末のジルコン系コ−ティン
グ組成物中への添加量は、少なくなると得られる塗膜の
安定性の向上の度合いが低くなり、多くなるとジルコン
系コ−ティング組成物の安定性が低下して長期保存性が
悪くなるので、全ジルコン系酸化物(ジルコニウムテト
ラアルコキシド(a) とオルガノアルコキシシラン(
b)から形成される酸化物、およびジルコン粉末の合計
量)中1〜60重量%が好ましい。なお、ジルコン粉末
の添加は、前記ジルコン系コ−ティング組成物の各構成
材料を混合攪拌した後になされるのが好ましい。
【0029】本発明3のジルコン系酸化物被覆黒鉛成形
体の製造方法では、上述したジルコン系コ−ティング組
成物が、黒鉛成形体に塗布または含浸され、乾燥されて
ジルコン系酸化物が被覆される。
【0030】上記黒鉛成形体の製造方法は任意の方法が
採用されてよく、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等を出発
原料として押出成形、注型成形等によって成形した後、
焼成する方法、無煙炭、石炭コ−クス、石油コ−クス、
ピッチコ−クス、カ−ボンブラック等の無定形炭素質の
ものを出発原料として押出成形、注型成形等によって成
形した後、焼成し、さらに黒鉛化する方法などがあげら
れる。なお、上記黒鉛成形体中には、粘土、金属等の他
種材料が含有されてもよい。
【0031】上記黒鉛成形体の形状としては特に限定さ
れるものではなく、例えば、棒状、板状、ブロック状、
ロ−ル状、ルツボ状等があげられる。上記塗布方法とし
ては特に限定されるものではなく、例えば、刷毛、スプ
レ−コ−ト、ディップコ−ト、スピンコ−ト、ロ−ルコ
−ト等による塗布方法があげられる。
【0032】上記含浸方法としては特に限定されるもの
ではなく、例えば、常圧下で浸漬含浸する方法、減圧下
で浸漬含浸する方法等があげられ、減圧下で浸漬含浸す
るのが好ましく、その減圧度は、低くなると黒鉛成形体
の細孔内部にジルコン系コ−ティング組成物が含浸され
にくくなり、高くなるとジルコン系コ−ティング組成物
の揮発が激しくなって溶液粘度が上昇し、黒鉛成形体の
細孔内部にジルコン系コ−ティング組成物が含浸されに
くくなるので、1×10−3〜100Torrが好まし
い。
【0033】上記乾燥方法としては特に限定されるもの
ではなく、例えば、室温にて自然乾燥する方法、室温に
て自然乾燥した後、加熱乾燥する方法、室温にて自然乾
燥した後、高温加熱処理する方法、室温にて自然乾燥し
、加熱乾燥した後、さらに高温加熱処理する方法等があ
げられる。
【0034】上記乾燥方法における各段階での条件は、
ジルコン系コ−ティング組成物および黒鉛成形体の種類
に応じて適宜決定されるが、室温での自然乾燥は2〜4
8時間行うのが好ましく、加熱乾燥は60〜300℃で
30分〜48時間行うのが好ましく、高温加熱処理は非
酸化性雰囲気下、450〜1700℃で30分〜10時
間行うのが好ましい。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。なお、結
果に示したジルコン系コ−ティング組成物ならびにジル
コン系酸化物被覆黒鉛成形体に関する各物性の評価方法
は次の通りである。
【0036】1.ジルコン系コ−ティング組成物に関す
る物性 (1)初期密着性 得られたジルコン系コ−ティング組成物中に、アセトン
で超音波洗浄したスライドガラス(マツナミ社製)を浸
漬し、300mm/分の速度で  引上げた後、下記条
件下で乾燥してジルコン系酸化物被覆層を形成して評価
試料を作製し、JISD 0202に準じてクロスカッ
トテ−プ剥離試験を行い、100個のジルコン系酸化物
被覆層の枡目に対する残存したジルコン系酸化物層の枡
目の比率(密着率)を測定して評価した。 (乾燥条件)  初期乾燥:25℃、24時間最終乾燥
:500℃(25℃から50℃/hrで昇温)、2時間
【0037】(2)鉛筆硬度 得られたジルコン系コ−ティング組成物を用いて、上記
初期密着性を評価したのと同様にして作製した評価試料
を用い、その表面の硬度をJIS K 5400に準じ
て測定して評価した。
【0038】(3)耐沸騰水性(耐クラック性および密
着耐久性) 得られたジルコン系コ−ティング組成物を用いて、上記
初期密着性を評価したのと同様にして作製した評価試料
を沸騰水中に8時間浸漬した後、その表面の状態を官能
検査して下記判定基準により耐クラック性を評価した。 (判定基準)  ○:表面にクラックなし×:表面にク
ラックあり 上記官能検査を行った後、上記初期密着性を評価したの
と同様にしてクロスカットテ−プ剥離試験を行い、密着
率により密着耐久性を評価した。
【0039】(4)耐酸性(耐クラック性および密着耐
久性) 得られたジルコン系コ−ティング組成物を用いて、上記
初期密着性を評価したのと同様にして作製した評価試料
を20wt%の塩酸中に75時間浸漬した後、その表面
の状態を官能検査して下記判定基準により耐クラック性
を評価した。 (判定基準)  ○:表面にクラックなし×:表面にク
ラックあり 上記官能検査を行った後、上記初期密着性を評価したの
と同様にしてクロスカットテ−プ剥離試験を行い、密着
率により密着耐久性を評価した。
【0040】(5)長期保存性 得られたジルコン系コ−ティング組成物が封入された密
封容器を50℃、65%RHの雰囲気下に6ヶ月放置し
た後、上記初期密着性を評価したのと同様にしてクロス
カットテ−プ剥離試験を行い、下記判定基準により長期
保存性を評価した。 (判定基準)  ○:密着率が80%を超えるもの×:
密着率が80%以下のもの
【0041】2.ジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体に関
する物性 〔耐熱性〕得られたジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体を
大気雰囲気下、600℃で10時間放置した後、ジルコ
ン系酸化物被覆黒鉛成形体の初期重量に対する重量減少
率を測定して耐熱性を評価した。
【0042】(実施例1〜14)表1に示した所定量の
ジルコニウムテトラアルコキシド、ジケトン化合物およ
びイソプロピルアルコ−ル(以下、IPAという)をセ
パラブルフラスコに供給し、室温で15時間、攪拌速度
800rpm で攪拌して安定化されたジルコニウムテ
トラアルコキシドのアルコ−ル溶液を得た。
【0043】得られたアルコ−ル溶液に第1表に示した
所定量のオルガノアルコキシシランを添加し、室温で1
時間、攪拌速度800rpm で攪拌した後、表1に示
した所定量の塩酸水溶液(塩酸濃度:0.003モル/
l)を添加し、室温で1時間、攪拌速度800rpm 
で攪拌してジルコン系コ−ティング組成物を得た。得ら
れたジルコン系コ−ティング組成物を用いて、前記測定
法に基づき、各物性を測定し、結果を表1に示した。
【0044】次いで、減圧容器中に得られたジルコン系
コ−ティング組成物を供給し、アセトンで超音波洗浄し
た円筒状黒鉛成形体(直径:20mm、高さ:20mm
)を上記ジルコン系コ−ティング組成物中に浸漬した後
、減圧容器内を5Torrに減圧して上記黒鉛成形体中
にジルコン系コ−ティング組成物を含浸した。次に、減
圧容器内を常圧に戻し、黒鉛成形体を取り出してジルコ
ン系コ−ティング組成物含浸黒鉛成形体を得た。
【0045】得られたジルコン系コ−ティング組成物含
浸黒鉛成形体を室温にて24時間自然乾燥した後、加熱
容器内にて100℃、24時間乾燥し、さらに窒素雰囲
気下で1500℃、1時間処理してジルコン系酸化物被
覆黒鉛成形体を得た。
【0046】得られたジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体
を用いて、前記測定法に基づき、重量減少率を測定し、
結果を表1に示した。
【0047】(実施例15)表1に示した通り、IPA
の添加量を変えた以外は実施例1と同様にしてジルコン
系コ−ティング組成物を得た。
【0048】得られたジルコン系コ−ティング組成物に
、全ジルコン系酸化物(ジルコニウムテトラアルコキシ
ドとオルガノアルコキシシランから形成される酸化物、
およびジルコン粉末の合計量)中40重量%に相当する
量のジルコン粉末(平均粒径1μm)を添加し、室温で
1時間、攪拌速度1000rpm で攪拌してジルコン
粉末含有ジルコン系コ−ティング組成物を得た。得られ
たジルコン粉末含有ジルコン系コ−ティング組成物を用
いて、前記測定法に基づき、各物性を測定し、結果を表
1に示した。
【0049】上記ジルコン粉末含有ジルコン系コ−ティ
ング組成物を用い、実施例1と同様にしてジルコン系酸
化物被覆黒鉛成形体を得た。得られたジルコン系酸化物
被覆黒鉛成形体を用いて、前記測定法に基づき、重量減
少率を測定し、結果を表1に示した。
【0050】
【表1】
【0051】(比較例1〜9)表2に示した所定量のジ
ルコニウムテトラアルコキシド、ジケトン化合物、IP
Aおよびオルガノアルコキシシランを用い、実施例1と
同様にしてジルコン系コ−ティング組成物を得た。得ら
れたジルコン系コ−ティング組成物を用いて、前記測定
法に基づき、各物性を測定し、結果を表2に示した。
【0052】上記ジルコン系コ−ティング組成物を用い
、実施例1と同様にしてジルコン系酸化物被覆黒鉛成形
体を得た。得られたジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体を
用いて、前記測定法に基づき、重量減少率を測定し、結
果を表2に示した。 (比較例10)実施例15において、ジルコン粉末の添
加量を70重量%とした以外は実施例15と同様にして
ジルコン粉末含有ジルコン系コ−ティング組成物を得た
。得られたジルコン粉末含有ジルコン系コ−ティング組
成物を用いて、前記測定法に基づき、各物性を測定し、
結果を表2に示した。
【0053】上記ジルコン粉末含有ジルコン系コ−ティ
ング組成物を用い、実施例1と同様にしてジルコン系酸
化物被覆黒鉛成形体を得た。得られたジルコン系酸化物
被覆黒鉛成形体を用いて、前記測定法に基づき、重量減
少率を測定し、結果を表2に示した。
【0054】
【表2】
【0055】(実施例16〜26、比較例11〜16)
表3に示した所定量のジルコニウムテトラアルコキシド
、アルコ−ル化合物およびIPAをセパラブルフラスコ
に供給し、室温で15時間、攪拌速度800rpm で
攪拌して安定化されたジルコニウムテトラアルコキシド
のアルコ−ル溶液を得た。
【0056】得られたアルコ−ル溶液に第3表に示した
所定量のオルガノアルコキシシランを添加し、室温で1
時間、攪拌速度800rpm で攪拌した後、表3に示
した所定量の塩酸水溶液(塩酸濃度:0.003モル/
l)を添加し、室温で1時間、攪拌速度800rpm 
で攪拌してジルコン系コ−ティング組成物を得た。得ら
れたジルコン系コ−ティング組成物を用いて、前記測定
法に基づき、各物性を測定し、結果を表3に示した。
【0057】上記ジルコン系コ−ティング組成物を用い
、実施例1と同様にしてジルコン系酸化物被覆黒鉛成形
体を得た。得られたジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体を
用いて、前記測定法に基づき、重量減少率を測定し、結
果を表3に示した。
【0058】
【表3】
【0059】
【発明の効果】本発明および本発明2のジルコン系コ−
ティング組成物の構成は前記した通りであり、特定のジ
ケトン化合物またはアルコ−ル化合物で安定化されたジ
ルコニウムテトラアルコキシド、オルガノアルコキシシ
ラン、有機溶媒ならびに水が、特定量配合されているか
ら、容易にコ−ティングができ、長期間保存可能であり
、かつ上記ジルコン系コ−ティング組成物から得られる
塗膜は、初期密着性、硬度、耐沸騰水性および耐酸性が
優れる。
【0060】上記ジルコン系コ−ティング組成物は、金
属、プラスチック、木材、紙、セメント、黒鉛等の被覆
に好適に使用される。本発明3のジルコン系酸化物被覆
黒鉛成形体の製造方法においては、上記ジルコン系コ−
ティング組成物を用いているから、ジルコン系酸化物が
被覆された黒鉛成形体が容易に得られ、得られたジルコ
ン系酸化物被覆黒鉛成形体は耐熱性が優れる。
【0061】上記ジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体は、
金属溶解用ルツボ、焼成用治具等に好適に使用される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 一般式Zr( OR1)4 (式
    中、R1 は炭素数1〜5のアルキル基)で表されるジ
    ルコニウムテトラアルコキシド、 (b) 下記の一般式  I 、 II または  I
    II で表されるオルガノアルコキシシラン、 【化1】 (式中、R2 は炭素数1〜5のアルキル基、R3 、
    R4 、R5 は有機基) (c) β−ジケトンおよびβ−ケトエステルからなる
    群より選ばれるジケトン化合物、 (d) 有機溶媒、ならびに (e) 水 よりなり、上記各成分のモル比が、(b) /(a) 
    =0. 01〜2. 5、(c) /(a)=0. 5
    〜6、((d) /(a) +(b) )=0. 05
    〜500および((e) /(a) +(b) )=0
    . 02〜4であることを特徴とするジルコン系コ−テ
    ィング組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のジルコン系コ−ティング組
    成物において、ジケトン化合物(c) に代えて、2−
    オキシアルコ−ル、2−オキソアルコ−ル、3−オキシ
    アルコ−ル、3−オキソアルコ−ル、α−ジオ−ルおよ
    びβ−ジオ−ルからなる群より選ばれるアルコ−ル化合
    物(c) を用いることを特徴とするジルコン系コ−テ
    ィング組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のジルコン系コ−テ
    ィング組成物を、黒鉛成形体に塗布または含浸し、乾燥
    することを特徴とするジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7939221B2 (en) * 2007-02-09 2011-05-10 Tdk Corporation Hologram recording material, process for producing the same and hologram recording medium

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