JP2947694B2 - レジストパターン形成方法 - Google Patents
レジストパターン形成方法Info
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Description
子、表面弾性波素子、量子効果素子、超電導素子、マイ
クロマシーンパーツ(マイクロギヤ等)、電子回路部
品、光電子素子等の製造におけるレジストパターン形成
方法に関し、特に微細なパターン又はアスペクト比の高
いパターン形成時に置けるパターン倒れを有効に防止す
るレジストパターン形成方法に関する。
限的な微細レジストパターン形成が求められている。現
在最小寸法0.2μm〜0.3μmのレジストパターン
形成が盛んに検討されており、先端的な研究では0.1
μmを対象にしているものもある。また、マイクロマシ
ーン作製のため、膜厚の厚いレジスト(例えば100μ
m)を用いてアスペクト比(高さ/幅)の極めて高いレ
ジストパターンを形成する技術開発も進められている。
布し、露光した後、現像を行なって形成する。露光光源
にはg線、i線等の紫外光、KrF、ArF等のエキシ
マレーザ光、Xe−Hgランプ等による遠紫外光、電子
線、荷電粒子、X線等いろいろな線源が用いられてい
る。現像には露光光源によらず主に液体の現像液を用い
たウェット現像法が用いられている。ウェット現像法は
工程が簡便であり、かつリンス液の洗浄作用による汚染
や異物の少ない処理である。
現像法を実施する従来のレジストパターン形成工程の一
例を示している。即ち同図(a)に示されるように、基
板31上にレジスト32を塗布し、次に同図(b)に示
されるように所望のパターンの形成されたマスク33を
近接させて該パターンの露光を行う。あるいはレンズ
(図示なし)を介して該パターンの露光を行う。この露
光光34としては、紫外光、遠紫外光、X線、電子線、
荷電粒子等が用いられる。更に同図(c)に示される様
に該レジスト32を現像液35に浸し、感光領域と非感
光領域におけるレジスト32の現像液35に対する溶解
速度差を利用してレジストパターン32aを形成する。
そして同図(d)に示されるようにリンス液36により
現像液及び該現像液に溶解したレジストを洗い流す。最
後に同図(e)に示されるように、リンス液を乾燥させ
てレジストパターン32aを完成する。普通この乾燥
は、基板31を高速で回転して行うスピン乾燥により行
われる。
明する。その代表的な構成を図4に示す。従来の装置
は、レジスト現像液供給・吐出機構41、リンス液供給
・吐出機構42、ウェハ吸着・回転機構43、ウェハ搬
送機構(図示せず)、排気・ドレイン部44よりなる。
現像動作は次のようになされる。まずレジストの付いた
ウェハを搬送系で搬送してきてウェハ吸着台の上に載
せ、ウェハ45を吸着・固定する。次に現像液を滴下し
てウェハ上に現像液を盛る。このときウェハを低速で回
転させレジスト全面に短時間で均一に現像液が盛られる
ようにする方法が一般的に用いられる。現像液は温調し
ておき、温度バラツキによる解像不良や寸法精度の低下
を防止する。現像液がウェハ上に十分な量盛られた後、
ウェハの回転をとめ、さらに現像液の滴下をとめて1〜
2分程度その状態で現像を行なう。その後リンス液をウ
ェハに吐出して現像液や現像液に溶出したレジストなど
を洗い流す。この工程も一般にウェハを回転させながら
行なう。また一般にリンス液はシャワー状あるいはスプ
レー状に吐出する。現像液やリンス液の廃液はドレイン
部44より排出される。リンスを10〜60秒程度行な
った後、ウェハを高速回転させてリンス液を乾燥する。
このようにして現像処理を終わったウェハを搬送系によ
り搬出して一連の処理を終了する。
ルオブバキュームサイエンステクノロジー(J. Va
c. Sci. Technol.)B6巻の2249
頁から2253頁(1988年)および超LSI製造・
試験装置ガイドブック1993年版電子材料11月号別
冊(株)工業調査会(1992年11月20日発行)の
92頁から97頁に記載されている。また従来の現像装
置については上述の超LSI製造・試験装置ガイドブッ
ク1993年版電子材料11月号別冊(株)工業調査会
(1992年11月20日発行)の92頁から97頁に
記載されている。
て形成したレジストパターンは、微細パターン(例えば
0.1μm)が倒れるという問題があった。またアスペ
クト比の高いレジストパターンが倒れるという問題もあ
った。ここで起こるパターン倒れは、近接したパターン
が密集し、もたれ掛かるような倒れである。この例を図
5の51に示す。
ジストパターンが形成できないので、作ろうとしている
製品の歩留り低下、信頼性低下を引き起こす。素子を高
密度に集積し、あるいはコンパクトな製品を作ろうとす
ると、微細なパターンが必要になるとともに微細なパタ
ーンを微細な間隔で配置する必要があるが、パターン倒
れにより目標とするような高集積あるいはコンパクトな
製品を作ることができなくなる。
問題に鑑み創案されたものであり、レジストパターン倒
れを有効に防止できるレジストパターン形成方法、特に
密集した微細なレジストパターン、あるいはアスペクト
比の高いレジストパターンをパターン倒れなしに形成す
るためのレジストパターン形成方法を提供することを目
的とするものである。
はジャパニーズジャーナルオブアプライドフィジックス
(Jpn. J. Appl.Phys.)の31巻2
954頁から2958頁(1992年)にかけて、また
パターン倒れの現象解析については第40回応用物理学
関係連合講演会予稿集509頁(1993年)発表番号
29p−L−3に記載されている。
に、本発明のレジストパターン形成方法は、レジスト膜
に所望のパターンを露光する工程と、レジスト膜を現像
処理及びリンス処理する工程と、リンス処理で付着した
リンス液を固相化する工程と、固相化したリンス液を昇
華させることによりリンス液の乾燥を行う工程とを有
し、このリンス液として第3ブチルアルコール(ter
t−ブチルアルコール)を用いるようにしたものであ
る。また、上記目的を達成するために、本発明のレジス
トパターン形成方法は、レジスト膜に所望のパターンを
露光する工程と、レジスト膜を現像処理及びリンス処理
する工程と、リンス処理で付着したリンス液をリンス液
置換液に置換する工程と、置換液を固相化する工程と、
置換液を昇華させる工程とを有し、置換液が第3ブチル
アルコールを含有するようにしたものである。なお、高
速処理を行うときは、上記固相化したリンス液又は上記
固相化した置換液を昇華させる際に減圧とするのが好ま
しい。
きに発生し、そのパターン倒れを起こす力はリンス液の
表面張力である。この力はリンス液が乾く途中、リンス
液界面がレジストパターン間に顔を出したとき発生し、
リンス液にレジストパターン全体が浸かっている間はこ
の力は作用しない。
レジスト溶解物を十分除去した後、レジストパターンが
リンス液に浸った状態でこのリンス液を固相化させる。
固相化させる方法としてはウェハを低温に置く方法と、
雰囲気を減圧あるいは真空にして気化熱により温度を下
げて固相化させる方法などがある。この状態ではリンス
液の表面がパターン間より上にあるので表面張力はパタ
ーンに働かない。リンス液によっては固相化するとき体
積変化を起こす。それによりパターン間に力が働くので
体積変化を起こしにくい材料をリンス液に選ぶか、ウェ
ハ全体で一様に凍結始める条件で凍結させる。凍結によ
る体積変化を起こしにくい材料としてはアルコール系の
材料がある。特に第3ブチルアルコール(tert−ブ
チルアルコール)は融点が25.4℃と常温付近で固相
化、かつこのときの体積変化が小さいので使いがっての
よい材料である。その後この固相化したリンス液を昇華
させる。即ち固相から液相を経ずに気体化する。固相化
したリンス液が昇華していくと途中でレジストパターン
が顔を出すが、レジストパターンと固相化したリンス液
との界面に働く力は極僅かであり、かつ固相は変形しに
くいことからレジストパターンは倒れない。なお、昇華
の速度は減圧あるいは真空雰囲気で速くなるので、この
ようにして昇華させるとスループット的に優れる。
た場合の作用を述べたが、リンスした後リンス液を置換
液に置換し、その置換液を上述同様に固相化、昇華させ
てレジストパターンを形成しても同様の理由で良い。こ
の場合注意することはリンス液置換時にレジスト表面を
液面から出さないようにすることである。液面からレジ
ストパターンが顔を出すとその時点で表面張力が働き、
パターン倒れを起こすもととなる。
が良い。この材料は水や大部分のアルコールに完全に混
じるので置換液として最適である。更に上述の様にその
融点が25.4℃であり大変扱いやすい。この材料はア
ルコールであるが比較的高級アルコールであるため、ノ
ボラック系のレジストでもその架橋率が比較的高い場合
はレジストを溶かさない。
を用いて説明する。まず図1(a)に示すように基板1
上にレジスト2を通常の方法で塗布した。この図には基
板に段差が形成されていないが、段差があっても構わな
い。塗布後には通常の熱処理を施した。ここではレジス
トとしてPMMA(ポリメチルメタアクリレート)を用
い、170℃20分の熱処理を行った。ただしこれは一
実施条件に過ぎず、これに限るものではない。次に図1
(b)に示すように通常の方法でマスク3を介して露光
光4をレジスト2に照射した。ここでは露光光としてX
線を用いた。これもX線に限るものではなく、遠紫外
光、電子線あるいは荷電粒子線でもよい。紫外光に感光
するレジストであれば紫外光でもよい。また図ではマス
クを近接させて露光した場合を示したが、レンズやミラ
ーを介して露光してもよい。次に図1(c)に示すよう
に通常の方法に従ってこのウェハ上に現像液5を盛り、
現像を行って、現像液中にレジストパターン2aを形成
した。現像液としては酢酸イソアミル1に対しイソプロ
ピルアルコール2を混ぜた混合液を用いた。この現像液
は液体である。現像時間は3分とした。この時間も一実
施条件にすぎない。ここでは現像液をウェハ上に盛るい
わゆるパドル現像を行ったがこれに限らず、現像液に浸
すいわゆるディップ現像でも構わない。その後図1
(d)に示すように液体である第三ブチルアルコール6
をウェハ上に流し、現像液及び溶解したレジストの除去
を行った。即ちリンスした。第三ブチルアルコールの融
点は25.4℃なのでこの処理はこれ以上の温度で行う
必要がある。ここでは30℃でリンスした。次に図1
(e)に示すように、リンス後この第三ブチルアルコー
ルからレジストパターン2aが顔を出さないように液盛
りをしたままこのウェハを冷却し、第三ブチルアルコー
ル7を固相化した。ここでは冷却温度を15℃とした。
ただしこれも一実施条件にすぎない。25.4℃以下で
固相化するので、これ以下の温度であればよい。ただ
し、温度が低いほど速く固相化するのでこの意味では低
いほど良い。一方、あまりに低くすると温度差による体
積変化により、レジストパターンに応力がかかり、パタ
ーン倒壊を引き起こす。また現像時の温度はパターン寸
法や形状に大きな影響を与えるのでなるべく現像処理プ
ロセスの温度を変化させないほうが好ましい。このこと
から10℃から20℃の範囲での処理が有効であった。
この温度に保って第三ブチルアルコールを液化しないよ
うにしながら、第三ブチルアルコールを昇華させて図1
(f)に示すようにレジストパターン2aを形成した。
大気中で昇華させることも可能であるが、真空あるいは
減圧にすると昇華速度を上げることができ、有効であっ
た。この処理により1μm膜厚の0.15μmライン&
スペースパターンをパターン倒壊なしに形成することが
できた。一方、通常の現像処理を行った場合にはパター
ン倒壊が生じ、0.15μmライン&スペースパターン
を形成することはできなかった。即ち現像液による現像
まで上述の実施例と同様の処理を行い、その後イソプロ
ピルアルコールあるいは水(これらは液体)によるリン
スを行って、この液体を自然乾燥、回転乾燥、真空乾燥
あるいは加熱乾燥させた場合にはパターンが倒壊した。
行なったが、そうではなく、第3ブチルアルコールを液
化する程度の温度(例えば27℃)でリンス液として用
い、その後雰囲気を真空にする、あるいは減圧にするこ
とにより気化熱で固相化させてもよい。または送風等を
行なって気化を促進し、その気化熱で固相化させてもよ
い。この時注意することは、液体状態の時には、レジス
トパターン2aが顔を出さないようにすることである。
を図2を用いて説明する。まず図2(a)に示すように
基板21上にレジスト22を通常の方法で塗布した。塗
布後には通常の熱処理を施した。ここではレジストとし
てPMMA(ポリメチルメタアクリレート)を用い、1
70℃20分の熱処理を行った。ただしこれは一実施条
件に過ぎず、これに限るものではない。次に図2(b)
に示すように通常の方法でマスク23を介して露光光2
4をレジスト22に照射した。ここでは露光光としてX
線を用いた。これもX線に限るものではなく、遠紫外
光、電子線あるいは荷電粒子線でもよい。紫外光に感光
するレジストであれば紫外光でもよい。また図ではマス
クを近接させて露光した場合を示したが、レンズやミラ
ーを介して露光してもよい。次に図2(c)に示すよう
にこのウェハ上に現像液25を盛り、現像を行って、現
像液中にレジストパターン22aを形成した。現像液と
してはOEBR1000専用現像液(東京応化社商品
名)を用いた。この現像液は液体である。現像時間は9
0秒とした。この時間も一実施条件にすぎない。ここで
は現像液をウェハ上に盛るいわゆるパドル現像を行った
がこれに限らず、現像液に浸すいわゆるディップ現像で
も構わない。その後図2(d)に示すように液体である
イソプロピルアルコール26をウェハ上に流し、現像液
及び溶解したレジストの除去を行った。即ちリンスし
た。このリンスは水で行なっても構わない。その後図2
(e)に示すようにこのウェハに液体である第三ブチル
アルコール27を滴下してリンス液から第三ブチルアル
コールに置換した。第三ブチルアルコールの融点は2
5.4℃なのでこの処理はこれ以上の温度で行う必要が
ある。ここでは30℃でリンスした。この際もレジスト
パターンがこれらの液から顔を出さないようにする。次
に図2(f)に示すように、リンス後この第三ブチルア
ルコールからレジストパターン22aが顔を出さないよ
うに液盛りをしたままこのウェハを冷却し、第三ブチル
アルコールを固相化した(28)。ここでは冷却温度を
15℃とした。ただしこれも一実施条件にすぎない。2
5.4℃以下で固相化するので、これ以下の温度であれ
ばよい。ただし、温度が低いほど速く固相化するのでこ
の意味では低いほど良い。一方、あまりに低くすると温
度差による体積変化により、レジストパターンに応力が
かかり、パターン倒壊を引き起こす。また現像時の温度
はパターン寸法や形状に大きな影響を与えるのでなるべ
く現像処理プロセスの温度を変化させないほうが好まし
い。このことから10℃から20℃の範囲での処理が有
効であった。この温度に保って第三ブチルアルコールを
液化しないようにしながら、第三ブチルアルコールを昇
華させて図2(g)に示すようにレジストパターン22
aを形成した。大気中で昇華させることも可能である
が、真空あるいは減圧にすると昇華速度を上げることが
でき、有効であった。この処理により1μm膜厚の0.
15μmライン&スペースパターンをパターン倒壊なし
に形成することができた。一方、通常の現像処理を行っ
た場合にはパターン倒壊が生じ、0.15μmライン&
スペースパターンを形成することはできなかった。即ち
上述の実施例と同様の処理をリンスまで行い、その後こ
のリンス液を自然乾燥、回転乾燥、真空乾燥あるいは加
熱乾燥させた場合にはパターンが倒壊した。本実施例に
おいても実施例1と同様、第3ブチルアルコールを積極
的に低温下において固相化するのではなく、真空あるい
は減圧下において固相化させてもよかった。
を用いたが第三ブチルアルコールに溶解しない材料であ
れば用いることができ、この材料に限るものではない。
例えばAZ−PN−100(ヘキスト社商品名)やSA
L601(シップレー社商品名)も用いることができ
た。すなわちAZ−PN−100をウェハに塗布し12
0℃2分の熱処理を行なった後露光し、再度110℃2
分の熱処理を行ない、AZ312現像液(ヘキスト社商
品名)に対し水を2加えた現像液に1分浸した後、5分
間水洗し、乾かさないようにして第3ブチルアルコール
に置換して第3ブチルアルコールを固相化後昇華するこ
とにより、レジストを溶解することなくパターン倒れを
防止することができた。またリンス液処理中に光照射を
行ったり、リンス液処理後液中でレジスト表面の改質を
行って第三ブチルアルコールに溶解しないようにすれ
ば、そのままでは第三ブチルアルコールに溶解するレジ
ストでも用いることができる。
ルを用いたが、必ずしもこれに限るものではない。例え
ばリンス液として水を用い、途中でレジストパターンが
顔を出さないようにしてこの水を低温で凍結させ、その
後真空あるいは減圧下に置いてこの氷(凍結した水)を
昇華させても効果がある。この方法で膜厚2μmの0.
25μmライン&スペースパターンを形成することがで
きた。通常の方法ではパターン倒れを生ずる。ただし水
から氷に相変化する際に大きな体積変化があるため、レ
ジストパターンの疎密が激しい場合や、基板に大きな段
差がある場合には、この氷を用いた場合には、パターン
倒れを生ずる。第三ブチルアルコールを用いた場合は、
液体から固相に相変化する際の体積変化が約0.8%と
小さいため、このような問題は生じない。パターン疎密
が激しい場合にも、基板に大きな段差がある場合にも有
効である。マイクロマシーンパーツ作製のときは往々に
して段差が極めて大きな基板上にレジストパターンを形
成する必要がある。この場合、この方法は極めて有効で
ある。液体から固相に相変化する際の許容される体積変
化量は形成しようとするパターンや基板段差に依存する
が、0.15μmレベルのパターンに対しては3%の体
積変化が許容された。大きな基板段差のある0.1μm
レベルのパターンニングや基板段差構造の大きなマイク
ロマシーンパーツを作る場合には体積変化を1%以下に
抑える必要があった。体積変化量の調整は第3ブチルア
ルコールと水を混合することによって得られるが、これ
に限るものではなく、単一の材料でも良い。
2の置換液に水と第3ブチルアルコールの混合液を用い
ることも可能である。この場合、液相から固相への変化
時の体積変化が大きくなり、その体積変化が水の場合に
近づくというデメリットがあるものの、レジストを溶解
する性質が少なくなるため、使用できるレジストの選択
範囲が拡がる。例えばポジレジストであるNPRΛ18
SH2(長瀬産業社商品名)は第3ブチルアルコール液
中で溶解するが、水と第3ブチルアルコールを1:1に
混合することによりこの混合溶液中に10分間浸しても
レジスト膜べりは生じず、有効であった。また第3ブチ
ルアルコールと水を混合することにより液体から固相化
する際の温度が下がる。混合濃度を変えることにより作
業環境であるクリンルームの標準的な温度23℃、ある
いはそれよりやや低い20℃で固相化するように調整す
ることができるので使い勝手が良い。但しこの使い勝手
については水との混合液固有のものではなく、他のアル
コールとの混合液、単一の材料、あるいは圧力等を調整
してなされても良いことはいうまでもない。
を固相化させることが特徴であるが、第3ブチルアルコ
ールの場合、その表面張力が約22dyn/cmと水の
それに比べ約1/3のため、液体状態で乾燥さてもパタ
ーン倒れを起こしにくい。エチルアルコールやイソプロ
ピルアルコールとは異なり、AZ−PN−100等のレ
ジストを溶解させないので、通常の方法のリンス液とし
て用いても有効である。
概要を示した図6を用いて説明する。本発明の装置は、
レジスト現像液供給・吐出機構61、リンス液供給・吐
出機構62、ウェハ吸着・回転機構63、ウェハ搬送機
構(図示せず)、ドレイン・排気部64、光拡散レンズ
系65、光ファイバ66、熱線遮断フィルタ67、光源
68およびシャッタ69よりなる。ここでは、光源とし
て超高圧水銀ランプを用いた。光源68はレジストの処
理を直接行なう場所、すなわち現像処理部70より離し
て配置し、また熱的な遮断を行なっておいた。
トの付いたウェハを搬送系で搬送してきてウェハ吸着台
の上に載せ、ウェハ71を吸着・固定する。ここではレ
ジストとして日立化成社のBLESTIV−7Sを用い
た。これは紫外光に感光して架橋を起こすネガ型のレジ
ストである。なお、このレジストには紫外光で所望のパ
ターンを露光しておいた。露光光は紫外光に限らず、例
えばX線でも良い。次に現像液を滴下してウェハ上に現
像液を盛る。現像液はこのレジストに対して通常用いら
れているテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド水溶
液を用いた。このとき一般的に用いられている方法と同
様に、ウェハを低速で回転させてレジスト全面に短時間
で均一に現像液を盛った。現像液は温調しておいた。こ
れも通常の方法と同様である。現像液がウェハ上に十分
な量盛られた後(約5秒)、ウェハの回転をとめ、さら
に現像液の滴下をとめて2分間その状態で現像を行なっ
た。その後ウェハを低速で回転させながらリンス液をウ
ェハに吐出して現像液や現像液に溶出したレジストなど
を洗い流した。リンス液は水である。10秒間洗い流し
た後、シャッタ69を開いて光源68の光を光ファイバ
66を通じてウェハ上のレジストパターンに照射した。
光は拡散レンズ系65により拡がり、またウェハを回転
させていることからウェハ全面に光は照射される。照射
光の指向性は特に問題にならない。この間もリンス液を
吐出し、またウェハを低速で回転させて常に新しいリン
ス液が絶え間なくウェハに注がれるようにした。ここで
は30J/cm2の光を照射したがウェハ及び現像処理
部の温度上昇は認められず、光照射機構がない通常の場
合と同じく温度を±0.5℃以内に制御することができ
た。1KJ/cm2の光を照射しても温度上昇は認めら
れなかった。現像液やリンス液の廃液はドレイン部64
より逐次排出される。このリンスを20秒間行なった
後、ウェハを高速回転させてリンス液を乾燥した。この
ようにして現像処理を終わったウェハを搬送系により搬
出して一連の処理を終了した。その結果1μm膜厚の
0.15μmライン&スペースパターンをパターン倒れ
なく、しかも寸法精度を損なうことなく、形成すること
ができた。光照射機構のない通常の現像装置を使った場
合には1μm膜厚の0.15μmライン&スペースパタ
ーンは倒壊し、形成することはできなかった。この場合
パターン倒壊なく形成できる最小のパターンは0.2μ
mライン&スペースであった。
調、光ファイバによる現像処理部と光源の引き離し、及
び熱遮断フィルタの使用により光照射に伴う温度上昇を
抑え、高い温度コントロールを行なったが、これらを全
て用いなくてもそれ相応の温度コントロールができるこ
とはいうまでもない。例えばリンス液滴下を行なわなく
ても±0.7℃で温度コントロールすることができた。
また、光源から現像処理部へ光を伝える手段として光フ
ァイバを用いたが、これに限らず、直接光を飛ばしてあ
るいはミラー等を介して伝えても良い。光ファイバはフ
レキシビリティに富むので、とりまわしが容易であり、
その意味でメリットが大きい。なお、当然のことである
が、ウェハを1枚しか処理しないときはこれらの温調は
不要であり、この場合にも所望のレジスト形状や寸法精
度を得ることができた。
紫外光がより効率的にでるXe−Hgアークランプに代
えた実施例3と同様の現像装置を組み、同様の手法によ
り現像処理を行った。但しここの実験にはノボラック系
のポジ型フォトレジストを用いた。光源はこのランプに
限らずエキシマレーザやマイクロ波励起の遠紫外ランプ
でもかまわない。遠紫外光が照射できることが重要であ
る。遠紫外光照射によりノボラック樹脂が架橋し、レジ
ストの強度が増す。この現像装置を用いることにより、
0.5μm膜厚の0.1μmライン&スペースパターン
を形成することができた。本処理装置を用いない場合は
パターン倒壊が起こり、このパターンを形成することは
できなかった。
概要を示した図7を用いて説明する。本発明の装置は、
レジスト現像液供給・吐出機構81、リンス液供給・吐
出機構82、ウェハ吸着・回転機構83、ウェハ搬送機
構(図示せず)、ドレイン・排気部84およびアレー状
光照射機構85よりなる。アレー状光照射機構はレンズ
がアレー状に並び個々のレンズに光源が付いているもの
である。この照射機構の中には温調水が循環するように
してあり、この温調水によって光照射に伴う温度の上昇
が抑えられるようになっている。なお、このレンズ群に
直接光源が付いているのではなく、光源から導かれた光
が光ファイバで個々のレンズに供給されるようになって
いても良い。
トの付いたウェハを搬送系で搬送してきてウェハ吸着台
の上に載せ、ウェハ86を吸着・固定する。ここではレ
ジストとして日立化成社のBLESTIV−7Sを用い
た。これは紫外光に感光して架橋を起こすネガ型のレジ
ストである。なお、このレジストには紫外光で所望のパ
ターンを露光しておいた。露光光は紫外光に限らず、例
えばX線でも良い。次に現像液を滴下してウェハ上に現
像液を盛る。現像液はこのレジストに対して通常用いら
れているテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド水溶
液を用いた。このとき一般的に用いられている方法と同
様に、ウェハを低速で回転させてレジスト全面に短時間
で均一に現像液を盛った。現像液は温調しておいた。こ
れも通常の方法と同様である。現像液がウェハ上に十分
な量盛られた後(約5秒)、ウェハの回転をとめ、さら
に現像液の滴下をとめて2分間その状態で現像を行なっ
た。その後ウェハを低速で回転させながらリンス液をウ
ェハに吐出して現像液や現像液に溶出したレジストなど
を洗い流した。リンス液は水である。10秒間洗い流し
た後、アレー状光照射機構により光をウェハ上のレジス
トパターンに照射した。ウェハを回転させていることか
らウェハ全面に光は照射される。照射光の指向性は特に
問題にならない。この間もリンス液を吐出し、またウェ
ハを低速で回転させて常に新しいリンス液が絶え間なく
ウェハに注がれるようにした。ここでは30J/cm2
の光を照射したがウェハ及び現像処理部の温度上昇は認
められず、光照射機構がない通常の場合と同じく温度を
±0.5℃以内に制御することができた。現像液やリン
ス液の廃液はドレイン部84より逐次排出される。この
リンスを20秒間行なった後、ウェハを高速回転させて
リンス液を乾燥した。このようにして現像処理を終わっ
たウェハを搬送系により搬出して一連の処理を終了し
た。その結果1μm膜厚の0.15μmライン&スペー
スパターンをパターン倒れなく、しかも寸法精度を損な
うことなく、形成することができた。光照射機構のない
通常の現像装置を使った場合には1μm膜厚の0.15
μmライン&スペースパターンは倒壊し、形成すること
はできなかった。この場合パターン倒壊なく形成できる
最小のパターンは0.2μmライン&スペースであっ
た。
レジストパターンやアスペクト比の高いレジストパター
ンのパターン倒れを防止でき、歩留りや信頼性が向上す
る。
面模式図。
置断面図。
…マスク、4…露光光、5…現像液、6…リンス液(液
体)、7…リンス液(固相)、21…基板、22…レジ
スト、22a…レジストパターン、23…マスク、24
…露光光、25…現像液、26…リンス液(イソプロピ
ルアルコール)、27…置換液(液体)、28…置換液
(固相)、31…基板、32…レジスト、32a…レジ
ストパターン、33…マスク、34…露光光、35…現
像液、36…リンス液(液体)、41…現像液供給・吐
出機構、42…リンス液供給・吐出機構、43…ウェハ
吸着・回転機構、44…ドレイン・排気部、45…ウェ
ハ、51…レジストパターン、61…現像液供給・吐出
機構、62…リンス液供給・吐出機構、63…ウェハ吸
着・回転機構、64…ドレイン・排気部、65…光拡散
レンズ系、66…光ファイバ、67…熱線遮断フィル
タ、68…光源、69…シャッタ、70…現像処理部、
71…ウェハ、81…現像液供給・吐出機構、82…リ
ンス液供給・吐出機構、83…ウェハ吸着・回転機構、
84…ドレイン・排気部、85…アレー状光照射機構、
86…ウェハ。
Claims (2)
- 【請求項1】レジスト膜に所望のパターンを露光する工
程と、該レジスト膜を現像処理及びリンス処理する工程
と、該リンス処理で付着したリンス液を固相化する工程
と、該固相化したリンス液を昇華させることによりリン
ス液の乾燥を行う工程とを有するレジストパターン形成
方法において、上記リンス液として第3ブチルアルコー
ルを用いることを特徴とするレジストパターン形成方
法。 - 【請求項2】レジスト膜に所望のパターンを露光する工
程と、該レジスト膜を現像処理及びリンス処理する工程
と、該リンス処理で付着したリンス液をリンス液置換液
に置換する工程と、該置換液を固相化する工程と、該置
換液を昇華させる工程とを有し、該置換液が第3ブチル
アルコールを含有することを特徴とするレジストパター
ン形成方法。
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