JP2947174B2 - 可変利得増幅器 - Google Patents

可変利得増幅器

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JP2947174B2
JP2947174B2 JP17331696A JP17331696A JP2947174B2 JP 2947174 B2 JP2947174 B2 JP 2947174B2 JP 17331696 A JP17331696 A JP 17331696A JP 17331696 A JP17331696 A JP 17331696A JP 2947174 B2 JP2947174 B2 JP 2947174B2
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transistors
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秀樹 木内
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可変利得増幅器に
関する。
【0002】
【従来の技術】出力信号の直流レベルを一定に保った状
態で、利得を可変できる可変利得増幅器として図4のよ
うなものが知られている。本回路では、基本的には、信
号源1と、信号源1からの信号が印加される差動増幅器
2と、差動増幅器2の各コレクタに接続される第1及び
第2差動増幅器3及び4と、第3及び第4差動増幅器5
及び6と、第1乃至第4差動増幅器3乃至6にバイアス
を与える第1及び第2バイアス源7及び8と、第1及び
第2負荷抵抗9及び10とを備えている。第1及び第2
出力端子11及び12からは、それぞれ逆相の出力信号
が得られる。
【0003】本構成において、第2のバイアス源8を可
変すると、第1及び第2差動増幅器3及び4に流れる電
流の分流比が変化する。信号源1は、トランジスタ13
及び14にそれぞれ互いに逆相となる信号を与えるた
め、第1及び第2負荷抵抗9及び10には、逆相の電流
が流れ、この電流は前記分流比によって調整される。ゆ
えに、第2バイアス源8の値に応じて、第1及び第2出
力端子11及び12から得られる出力信号の振幅は変化
する。
【0004】今、定電流源15乃至18の電流値を等し
くIo とし、第1及び第2バイアス源7及び8から発生
するバイアス電圧V1及びV2が等しい場合を考える。
この時、第1負荷抵抗9にはトランジスタ19のコレク
タ電流Io /2と、トランジスタ20のコレクタ電流I
o /2とが流れ合計Io の直流電流が流れる。
【0005】V1>>V2とすると、トランジスタ20の
コレクタ電流は零、トランジスタ19のコレクタ電流は
Io となり、第1負荷抵抗9には直流電流Io が流れ
る。またV1<<V2とすると、トランジスタ20のコレ
クタ電流はIo 、トランジスタ19のコレクタ電流は零
となり、やはり直流電流Io が流れる。これは、第2負
荷抵抗10に至っても同様である。
【0006】かくして、図4の回路は、出力直流レベル
を一定に保った状態で、利得を可変できる増幅器を実現
している。
【0007】一方、他の可変利得増幅器として、特開平
3−153113号公報に開示されたものがある。その
回路を図3に示すが、図4と同一の回路素子については
同一の符号を付けることにより、説明を省略する。
【0008】本回路においては、第1乃至第4トランジ
スタ23乃至26のエミッタを共通接続した第1差動増
幅器22、第5乃至第8トランジスタ28乃至31のエ
ミッタを共通接続した第2差動増幅器23を備えてい
る。第1、第2、第3及び第5トランジスタ23,2
4,25及び28のコレクタが、第1負荷抵抗33の一
端に接続され、前記第4、第6、第7及び第8トランジ
スタ26,29,30及び31のコレクタが、第2負荷
抵抗34の一端に接続されている。
【0009】バイアス源21から発生するバイアス電圧
は、差動増幅器2を構成するトランジスタ13及び14
のベースに印加されるため、それぞれのトランジスタの
コレクタに流れる直流電流は等しく、Io となる。ま
た、信号源1は、トランジスタ13及び14にそれぞれ
互いが逆相となる信号を与えるため、両トランジスタの
コレクタにはそれぞれ互いが逆相となる交流電流が流れ
る。この時、第1及び第2バイアス源7及び8から発生
するバイアス電圧V1及びV2を等しく設定すると、第
1乃至第8トランジスタ23乃至31のコレクタ電流は
それぞれIo /4となる。ここで、第1負荷抵抗33に
は、第1、第2、第3及び第5トランジスタ23,2
4,25及び28のコレクタ電流が流れるので、合計す
るとIo の直流電流が流れていることになる。
【0010】V1>>V2の状態を考えると、第1及び第
2トランジスタ23及び24はオンし、第3及び第5ト
ランジスタ25及び28はオフする。このため、前記第
1及び第2トランジスタ23及び24のコレクタには、
それぞれIo /2の電流が流れ、第3及び第5トランジ
スタ25及び28のコレクタ電流は、零となる。よっ
て、第1負荷抵抗33には合計Io の直流電流が流れ
る。
【0011】また、V1<<V2としたとすると、第1及
び第2トランジスタ23及び24はオフし、第3及び第
5トランジスタ25及び28はオンする。前記第3及び
第5トランジスタ25及び28のコレクタには、それぞ
れIo /2の電流が流れるため、第1負荷抵抗33には
合計Io の直流電流が流れる。
【0012】かくして、図3の回路は、直流出力レベル
を一定に保った状態で、可変利得できる増幅器を実現し
ている。
【0013】ここで、図3と図4を比較すると、前者は
定電流源15,16,17及び18にそれぞれIo の電
流を流しているため、4Io の回路電流が必要となるの
に対し、後者は、その半分の2Io で済み、消費電力が
少なくなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4の
回路においては、直流レベルの変動を補償するため、第
3及び第4差動増幅器5及び6を必要とし、そのための
定電流源17及び18を必要とする。そのため、本来、
利得制御に必要とした電流の2倍の電流が必要となり、
消費電力の増加を招くという問題があった。
【0015】これを解決したのが図3の回路であるが、
この回路においては、直流レベルの変動を補償するため
に必要な定電流源17及び18を撤去し、その役目を定
電流源15及び16で補っており、さらに差動増幅器部
分を第1及び第2差動増幅器22及び27のように構成
している。
【0016】しかしながら、図3の回路においては、利
得に関与する差動増幅器部分を、第1乃至第4及び第5
乃至第8トランジスタ23乃至26及び28乃至31と
いう8個のトランジスタで構成している。このため、各
トランジスタの寄生容量(主にC−SUB間容量)は、
図4の回路の差動増幅器部分が4個のトランジスタで構
成されているのを考慮すると、図4の回路の寄生容量の
約2倍となる。
【0017】ここで、図3及び図4の両回路の遮断周波
数FはF=1/2πCR(C:寄生容量、R:第1及び
第2負荷抵抗)で表されるため、負荷抵抗が同じである
と仮定すると、図3の回路は、図4の回路の約2倍の寄
生容量Cを所有するため、遮断周波数は、図4の回路の
約1/2となる。このため、図3の回路では、高い周波
数を有する信号の増幅は困難となり、高周波ICの増幅
器としての機能は、補償できなくなるという問題点があ
る。
【0018】したがって、本発明の目的は、改良された
可変利得増幅器を提供することにある。
【0019】本発明の他の目的は、必要とする素子数を
低減するとともに消費電力も抑え、さらには周波数特性
をも向上した可変利得増幅器を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明による可変利得増
幅器は、入力信号に対する増幅部として所謂双差動アン
プを用いており、そして、同アンプに供給すべき利得制
御電圧発生回路が、バイアス電圧源と、このバイアス電
圧源からの電圧によってバイアスされエミッタが上記双
差動アンプの一対の利得制御入力端子の一方に接続され
たエミッタフォロア型式の第1トランジスタと、可変電
流源と、前記可変電流源からの電流にもとづきバイアス
電圧を発生するPN接合素子と、このPN接合素子から
のバイアス電圧によってバイアスされエミッタが前記一
対の利得制御入力端子の他方に接続されたエミッタフォ
ロア型式の第2トランジスタと、前記可変電流源からの
電流が所定値以上に変化したことを検出し前記PN接合
素子に流れるべき電流の一部を側路する手段とを含んで
いる。
【0021】さらに詳しく言えば、本発明では、エミッ
タが共通接続された第1及び第2トランジスタを有し、
その共通エミッタに入力信号が印加される第1差動増幅
器と、同様にエミッタが共通接続された第3及び第4ト
ランジスタを有し、前記入力信号と逆相の入力信号が共
通エミッタに印加される第2差動増幅器と、前記第1及
び第3トランジスタの共通コレクタに一端を接続する第
1負荷抵抗と、前記第2及び第4トランジスタの共通コ
レクタに一端を接続する第2負荷抵抗を備える可変利得
増幅器において、第1の可変電流源をコレクタに接続す
る第5のトランジスタと、前記第5のトランジスタとカ
レントミラー回路を構成する第6のトランジスタのコレ
クタがアノードに接続する第1のダイオードと、前記第
1のダイオードのカソードがエミッタに接続する第7の
トランジスタと、前記第1のダイオードのカソードと前
記第7のトランジスタのエミッタに接続する第2の定電
流源と、前記第7のトランジスタのベースがベースに接
続する第8のトランジスタによって構成する第1のエミ
ッタフォロア回路と、前記第8のトランジスタのベース
が接続する第1の定電圧源と、前記第1のダイオードの
アノードがベースに接続する第8のトランジスタによっ
て構成する第2のエミッタ回路と、前記第1の可変電流
源を流れる電流値が、前記第2の定電流源の1/2の電
流値を越えた電流値を、前記第1のダイオードのアノー
ドより流し出す手段を有し、前記第1及び第2のエミッ
タフォロア回路の出力を、それぞれ前記可変利得増幅器
の利得制御端子に接続し、前記第1の可変電流源の電流
値により利得を可変している。
【0022】かかる構成によれば、増幅器部分におい
て、第1及び第3トランジスタのコレクタは共通接続さ
れているため、第1負荷抵抗に流れる直流電流は常に一
定となり、直流出力レベルは一定に保たれる。しかし、
交流信号は第1及び第3トランジスタのコレクタに現れ
る互いに逆相の信号が、足し合わされた形となって出力
されるため、各コレクタに現れる信号の大小により、出
力信号の位相が反転する可能性がある。これは第2及び
第4トランジスタに関しても同様である。この現象を防
ぐために、増幅器制御回路を接続し、この回路において
前記増幅器部分に電流値によってリミッタを与えること
によって出力信号の位相の反転を防止している。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の上記および他の目
的、特徴および効果をより明確にするために、本発明の
実施の形態につき図面を参照して詳述する。
【0024】図1は、本発明の一実施の形態を示す回路
図であるが、図4と同一の回路素子については同一の符
号を付し説明を省略する。
【0025】本回路において、第1及び第2トランジス
タ37及び38のエミッタを共通接続する第1差動増幅
器35と、第3及び第4トランジスタ39及び40のエ
ミッタを共通接続する第2差動増幅器36は、差動増幅
器2を構成するトランジスタ13及び14のコレクタと
それぞれ接続される。第1負荷抵抗41の一端は、トラ
ンジスタ37,39のコレクタ及び第1出力端子43と
接続され、第2負荷抵抗42の一端は、前記トランジス
タ38,40のコレクタ及び第2出力端子44と接続さ
れる。
【0026】トランジスタ45のエミッタは、前記第1
及び第4トランジスタ37及び40のベースと共通接続
し、抵抗47を介して接地する。同様に、トランジスタ
46のエミッタは、前記第2及び第3トランジスタ38
及び39のベースと共通接続し、抵抗48を介して接地
する。ここまでが増幅器を構成する回路である。なお、
この増幅器は所謂双差動増幅器として知られている。
【0027】一方、この増幅回路の利得を制御する部分
としては、トランジスタ49,50及び51による第1
カレントミラーがある。これらトランジスタのそれぞれ
のエミッタには抵抗52,53及び54が接続され、ト
ランジスタ49のコレクタには可変電流源55が接続さ
れる。
【0028】トランジスタ56のベースには、抵抗57
の一端とトランジスタ58のエミッタが接続され、その
エミッタには、トランジスタ51のコレクタ、トランジ
スタ59のコレクタ及び定電流源60の一端が接続され
る。前記トランジスタ58及び59のベースは共通接続
され、バイアス電源61の一端に接続される。前記トラ
ンジスタ58のコレクタは接地され、トランジスタ59
のコレクタは、第2カレントミラーを形成するトランジ
スタ62のコレクタとベースをショートした形で接続さ
れる。第2カレントミラーを形成するもう一方のトラン
ジスタ63のコレクタは、トランジスタ50のコレク
タ、ダイオード64のアノード、さらにトランジスタ4
6のベースに接続される。
【0029】ダイオード64のカソード及びダイオード
66のカソードは、共通接続された定電流源67の一端
と接続される。ダイオード66のアノードは、バイアス
電源68の一端と前記トランジスタ45のベースに接続
される。
【0030】トランジスタ45及び46のエミッタ電位
をそれぞれVA 及びVB とすると、VA は、前記バイア
ス源68によって決まり、一定値となる。信号源1は、
前記トランジスタ13及び14に、互いが逆相となる信
号を与えるため、両トランジスタのコレクタには、それ
ぞれ互いが逆相となる交流電流が流れる。ここで、VB
の値を変化させると、第1乃至第4トランジスタ37及
び40に流れる電流の分流比が変化する。第1負荷抵抗
41には、第1及び第3トランジスタ37及び39のコ
レクタ電流が、前記分流比に応じて互いに逆相交流電流
で流れるため、出力信号は両者が足し合わされた形とな
る。これは、第2負荷抵抗42についても同様であり、
ゆえに、第1及び第2出力端子43及び44には、振幅
を可変できる出力信号が現れる。
【0031】今、バイアス源21から発生するバイアス
電圧が、差動増幅器2を構成する第1及び第2トランジ
スタ13及び14に印加され、両トランジスタのコレク
タに等しい一定電流Io が流れるとする。この状態で、
VA =VB の場合を考えると、第1及び第3トランジス
タ37及び39のコレクタには、それぞれIo /2の直
流電流が流れるので、前記第1負荷抵抗41に流れる合
計直流電流は、Io となる。次に、VA >>VB としたと
すると、第1トランジスタ37はオンし、第3トランジ
スタ39はオフする。これにより、第1トランジスタ3
7のコレクタにはIo の電流が流れ、第3トランジスタ
39のコレクタ電流は零となり、第1負荷抵抗41に流
れる合計直流電流は、Io となる。
【0032】一方、VA <<VB の場合は、第1トランジ
スタ37はオフし、第3トランジスタ39はオンする。
これにより、第1トランジスタ37のコレクタ電流は
零、第3トランジスタ39のコレクタ電流はIo とな
り、第1負荷抵抗41に流れる合計直流電流は、Io と
なる。これは、第2負荷抵抗42の場合についても同様
である。
【0033】以上のことから、図1の回路は、常に出力
直流レベルを一定に保った状態で、利得を可変できる回
路であることが分かる。
【0034】ところが、前述したように、第1出力端子
43には、トランジスタ37及び39のコレクタにそれ
ぞれ逆相で流れる交流電流が足し合わされた形となって
現れるため、それぞれのコレクタ電流の振幅の大きさに
よって、第1出力端子43の出力信号の位相が反転して
しまう問題がある。例えば、VA >VB の場合、トラン
ジスタ37のコレクタ電流の振幅が、トランジスタ39
のコレクタ電流の振幅より大きくなるため、第1出力端
子43には、トランジスタ37のコレクタ電流と同相の
出力信号波形が現れる。次にVA <VB の場合を考える
と、トランジスタ39のコレクタ電流の振幅が、トラン
ジスタ37のコレクタ電流の振幅より大きくなるため、
第1出力端子43には、前記トランジスタ39のコレク
タ電流と同相の信号波形が現れる。これより、VA >V
B の状態からVA <VB とすると、第1出力端子43の
出力信号の位相が反転してしまうということが分かる。
これは、第2出力端子44の場合も同様である。
【0035】本回路においては、この出力信号の反転を
防ぐために、以下に示すような方法で、電流値でリミッ
タをかけ対処している。
【0036】今、定電流源60及び67には、それぞれ
一定電流IA /2及びIA が流れているとする。
【0037】ここで、可変電流源55にIB1(IB1<I
A /2)という電流が流れるとすると、第1カレントミ
ラーを構成するトランジスタ49,50及び51のエミ
ッタ及びコレクタには、IB1なる電流が流れる。トラン
ジスタ51のコレクタ電流IB1は、定電流源60の一定
電流IA /2の1部として供給されるため、トランジス
タ59のエミッタには電流は流れ込まない。従って、第
2カレントミラーを構成する前記トランジスタ62及び
63は、カットオフの状態にあり、第2カレントミラー
は電流を流さない。これより、ダイオード64には、ト
ランジスタ50のコレクタ電流IB1がそのまま流れ、そ
の結果、定電流源67の一定電流IA との差であるIA
−IB1なる電流がダイオード66に流れる。
【0038】ここで、前記条件(IB1<IA /2)よ
り、IA −IB1>IB1が成立するので、{ダイオード6
6のアノード−カソード間電圧VAK1 }>{ダイオード
64のアノード−カソード間電圧VAK2 }が成り立つ。
かかるVAK1 >VAK2 という条件より、VA >VB とい
う状態が存在し、第1出力端子43には、前記トランジ
スタ37のコレクタ電流と同相の出力信号波形が得られ
る。
【0039】次に、可変電流源55に流れる電流を、I
B2(IB2=IA /2)という電流まで大きくすると、カ
レントミラーにより、トランジスタ49,50及び51
のエミッタ及びコレクタにはIB2なる電流が流れ、トラ
ンジスタ51のコレクタ電流IBE2 と定電流源60の一
定電流IA /2とは等しくなる。したがって、この状態
でも、トランジスタ59のエミッタには電流は流れ込ま
ない。かくして、第2カレントミラーに電流は流れず、
ダイオード64にはトランジスタ50のコレクタ電流I
B2がそのまま流れ、定電流源67の一定電流IA との差
より、前記ダイオード66には、IA −IB2なる電流が
流れる。
【0040】ここで前記条件(IBE2 =IA /2)よ
り、IBE2 =IA −IBE2 が成立するため、VAK1 =V
AK2 が成り立つ。このVAK1 =VAK2 という条件より、
VA =VB という状態が存在する。この結果、トランジ
スタ37及び39のコレクタ電流の振幅の大きさは同等
となり、互いに逆相であるため相殺され、前記第1出力
端子41には、信号は出力されない。
【0041】可変電流源55に流れる電流をさらに大き
くし、IBE3 (IBE3 >IA /2)を流した場合を考え
ると、第1カレントミラーにより、トランジスタ49,
50及び51のエミッタ及びコレクタには、IBE3 なる
電流が流れる。トランジスタ51のコレクタ電流IBE3
は定電流源60の一定電流IA /2よりも大きくなるの
で、IBE3 −IA /2なる電流が、トランジスタ59の
エミッタに流れ込む。この電流が、第2カレントミラー
を構成するトランジスタ62のコレクタに流れ込み、同
一電流をトランジスタ63に流す。
【0042】従って、ダイオード64には、トランジス
タ50のコレクタ電流IBE3 から、(IBE3 −IA /
2)なる電流を差し引いた値IA /2が流れ、この結
果、電流源67の一定電流IA との差より、前記ダイオ
ード66には、IA /2なる電流が流れる。これによ
り、VAK1 =VAK2 が成立し、前記VA =VB という状
態がそのまま保持される。
【0043】従って、可変電流源55に流れる電流値を
任意に可変しても、VA ≧VB の状態が保持されるた
め、第1出力端子43には、常にトランジスタ37のコ
レクタ電流と同相の出力信号波形が出力され、出力信号
波形の位相が反転する条件は存在しない。これは、第2
出力端子についても同様であり、前記トランジスタ40
のコレクタ電流と同相の出力信号波形が出力されるの
で、前記第1出力端子43とは常に逆相の信号波形が出
力される。
【0044】このように、電流値でリミッタをかけてや
ることによって、常にVA ≧VB という状態で増幅器を
使用することが可能となり、出力信号波形の反転を防ぐ
ことができる。
【0045】図2を参照すると、本発明の第2の実施の
形態による回路では、ダイオード64のアノードに、一
定電流を流す電流源65がさらに接続されている。本回
路の動作原理は基本的には前記図1の回路と同様である
が、電流源65は、図1の回路におけるトランジスタ5
9のエミッタに流れ込む電流と、ダイオード64に流れ
る電流を常に等しくするために、トランジスタ59に流
れるベース電流分を補正するものである。
【0046】今、前記可変電流源55にIB3(IBE3 >
IA /2)なる電流を流したとすると、トランジスタ5
1のコレクタにはIBE3 の電流が流れ、この電流は前記
定電流源60の一定電流IA /2をすべて供給し、残り
の電流IBE3 −IA /2は、前記トランジスタ59のエ
ミッタに流れ込む。この時、図1の回路説明では、IBE
3 −IA /2なる電流が前記第2カレントミラーに流れ
込むとしたが、実際は、前記トランジスタ59のベース
電流が、(IBE3 −IA /2)/{前記トランジスタ5
9のHFE}分、流れてしまうので、これをITBとする
と、第2カレントミラーには、(IBE3 −IA −ITB)
の電流が流れることになる。このため、ダイオード64
には、トランジスタ50のコレクタ電流IBE3 から、
(IBE3 −IA /2−ITB)を差し引いた(IA /2+
ITB)なる電流が流れ、一方、定電流源67の一定電流
IA との差より、前記ダイオード66には、IA /2−
ITBが流れる。これより、VAK1 <VAK2 となり、VA
<VB という状態が存在する可能性がある。このため、
前記第1出力端子43の出力信号波形は、前記可変電流
源55の電流を大きくしていくと、反転してしまう可能
性が出てくる。これは、前記第2出力端子44について
も同様である。
【0047】電流源65は、この現象を防ぐために設け
られたもので、電流源65に、常にトランジスタ59の
ベース電流ITBと同等の電流を流すことによって、ダイ
オード64に流れる電流はIA /2、前記ダイオード6
6に流れる電流もIA /2と等しくなり、ITBの影響を
受けなくなるため、常にVA >VB の状態が成立する。
【0048】なお、上述の実施の形態において、出力は
所望ならば出力端子43又は44の一方から得てもよい
し、トランジスタ13,14のベースに入力信号を相補
的にあるいは一方を固定バイアスとしてもよい。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、直
流電流変動を補償するための格別な電流源を必要としな
いため、図4の回路と比較すると、増幅器を構成する回
路で消費する電流は、約1/2となり、消費電力の低減
を図ることが可能となる。さらに、図2と比較しても、
差動増幅器を構成するトランジスタの個数が8個である
のに対し、本実施の形態では4個であるので、図2の回
路と比較すると差動増幅器を構成するトランジスタの個
数は1/2になる。従って、各トランジスタに生じる寄
生容量も約1/2となるため、増幅器の周波数特性を表
す遮断周波数は約2倍となり、高周波に対しても特性が
補償される。
【0050】上述より、本発明では、低消費電力でか
つ、高周波特性に優れた、出力直流電圧一定の可変利得
増幅器の実現が可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す回路図。
【図2】本発明の他の実施の形態を示す回路図。
【図3】従来例の回路図。
【図4】別の従来例の回路図。
【符号の説明】
1 入力信号源 2 差動増幅器 35 第1差動増幅器 36 第2差動増幅器 7,8,21,61,68 バイアス源 15〜18,60,65,67 定電流源 55 可変電流源 VA ,VB バイアス電圧

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エミッタが共通接続された第1及び第2
    トランジスタを有し、その共通エミッタに入力信号が印
    加される第1差動増幅器と、同様にエミッタが共通接続
    された第3及び第4トランジスタを有し、前記入力信号
    と逆相の入力信号が共通エミッタに印加される第2差動
    増幅器と、前記第1及び第3トランジスタの共通コレク
    タに一端を接続する第1負荷抵抗と、前記第2及び第4
    トランジスタの共通コレクタに一端を接続する第2負荷
    抵抗と、前記第1及び第4トランジスタの共通ベースと
    前記第2及び第3トランジスタの共通ベースを利得制御
    端子として備える可変利得増幅回路において、第1の可
    変電流源をコレクタに接続する第5のトランジスタと、
    前記第5のトランジスタとカレントミラー回路を構成す
    る第6のトランジスタのコレクタがアノードに接続する
    第1のダイオードと、前記第1のダイオードのカソード
    がエミッタに接続する第7のトランジスタと、前記第1
    のダイオードのカソードと前記第7のトランジスタのエ
    ミッタに接続する第2の定電流源と、前記第7のトラン
    ジスタのベースがベースに接続する第8のトランジスタ
    によって構成する第1のエミッタフォロア回路と、前記
    第8のトランジスタのベースが接続する第1の定電圧源
    と、前記第1のダイオードのアノードがベースに接続す
    る第8のトランジスタによって構成する第2のエミッタ
    回路と、前記第1の可変電流源を流れる電流値が、前記
    第2の定電流源の1/2の電流値を越えた電流値を、前
    記第1のダイオードのアノードより流し出す手段を有
    し、前記第1及び第2のエミッタフォロア回路の出力
    を、それぞれ前記可変利得増幅回路の前記利得制御端子
    に接続し、前記第1の可変電流源の電流値により、利得
    を可変することを特徴とする可変利得増幅器。
  2. 【請求項2】 一対の第1入力端子間に入力信号を受け
    一対の第2入力端子間に利得制御電圧発生回路から利得
    制御電圧を受ける双差動増幅器を備えた可変利得増幅器
    において、前記利得制御電圧発生回路は、バイアス電圧
    源と、前記バイアス電圧源からの電圧によってバイアス
    されエミッタが前記一対の第2入力端子の一方に接続さ
    れたエミッタフォロア型式の第1トランジスタと、可変
    電流源と、前記可変電流源からの電流にもとづきバイア
    ス電圧を発生するPN接合素子と、前記PN接合素子か
    らのバイアス電圧によってバイアスされエミッタが前記
    一対の第2入力端子の他方に接続されたエミッタフォロ
    ア型式の第2トランジスタと、前記可変電流源からの電
    流が所定値以上に変化したことを検出し前記PN接合素
    子に流れるべき電流の一部を側路する手段とを含むこと
    を特徴とする可変利得増幅器。
  3. 【請求項3】 前記手段は、前記PN接合の入力側と電
    源ラインとの間に接続された第3のトランジスタと、前
    記可変電流源からの電流が前記所定値以上に変化したと
    きに当該変化量にみ合った電流が前記第3のトランジス
    タに流れるように前記第3のトランジスタを駆動する手
    段とを有する請求項2記載の可変利得増幅器。
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