JP2946627B2 - 積層物 - Google Patents
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Description
優れた積層物に関し、さらに詳細には水添ジエン系重合
体をゴム成分とするゴム強化樹脂と他の熱可塑性樹脂と
の積層物に関する。
性から、広い分野に使用されている。
合、紫外線による物性および外観の劣化が大きな問題と
なる。
に紫外線吸収剤を添加したり、熱可塑性樹脂成形品の表
面にアクリル樹脂を積層したり、塗装を施す方法が行わ
れているが、性能の維持が不充分であったり、経済性に
劣るという欠点もある。
で、耐候性、耐衝撃性、外観性に優れ、かつ着色性、塗
装性に優れた積層物を提供することを目的とする。
エン100〜40重量%とからなるジエン系重合体を水素添
加した水添ジエン系重合体(I)(以下「水添ジエン系
重合体(I)」という)5〜70重量%の共存下に、ラジ
カル重合可能な単量体成分(II)(以下「単量体成分
(II)」という)95〜39重量%〔ただし、(I)+(I
I)=100重量%〕をグラフト共重合させた、グラフト率
20〜90%、メチルエチルケトン可溶分の固有粘度〔η〕
(30℃測定)0.22〜1.5dl/gのゴム強化樹脂(A)(以
下「ゴム強化樹脂(A)」あるいは「(A)成分」とい
う)と、他の熱可塑性樹脂(B)とを、積層してなる積
層物を提供するものである。
性樹脂(B)とを積層してなるものである。
重合体(I)とは、芳香族ビニル化合物0〜60重量%と
共役ジエン100〜40重量%とからなるジエン系重合体を
水素添加したものである。
族ビニル化合物としては、スチレン、t−ブチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニル
キシレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モ
ノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレ
ン、p−t−ブチルスチレン、エチルスチレン、ヒニル
ナフタレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチ
レン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビ
ニルピリジンなどが上げられ、特にスチレン、α−メチ
ルスチレンが好ましい。
プレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペン
タジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキ
サジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブ
チル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなどが上げら
れるが、工業的に利用でき、また物性の優れた水添ジエ
ン系重合体(I)を得るには、1,3−ブタジエン、イソ
プレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、より好ましく
は1,3−ブタジエンである。
は少なくとも1個の下記ブロックAまたは下記ブロック
Cと、少なくとも1個の下記ブロックBまたはブロック
A/Bとを含んでなる共重合体、あるいはブロックBもし
くはA/Bからなるジエン系重合体である。その具体的構
成は、 A;ビニル芳香族化合物重合体ブロック、 B;共役ジエン重合体ブロック、 A/B;ビニル芳香族化合物/共役ジエンのランダム共重
合体ブロック、 C;共役ジエンとビニル芳香族化合物の共重合体からな
り、かつビニル芳香族化合物が漸増するテーパーブロッ
ク、 とそれぞれ定義すると、次のような構造のものが挙げら
れる。
くは20%以上、B2のビニル結合含量は20%未満) A/B A−A/B A−A/B−C A−A/B−A C−B C−B−C C−A/B−C C−A−B B2−B1−B2 B また、これらの基本骨格を繰り返し有する重合体を挙
げることができ、さらにそれらをカップリングして得ら
れるジエン系重合体であってもよい。
−133406号公報、のA/BおよびのBの構造のものに
ついては特開平1−297413号公報に示されている。
造のものについては特開平2−305814号公報、特願平1
−124430号明細書(対応の国内優先権主張出願特開平3
−72512号公報)に示されている。
化合物の含量が、60重量%以下、好ましくは50重量%以
下、さらにビニル芳香族化合物を必須とする場合には、
好ましくはビニル芳香族化合物/共役ジエンの割合が重
量比で5〜40/95〜60である。ここで、ビニル芳香族化
合物の含有量が60重量%を超えると樹脂状となり、得ら
れる積層物の耐衝撃性が低下する。
ニル結合含量は、好ましくは10重量%以上、さらに好ま
しくは20〜80重量%、特に好ましくは30〜60重量%であ
り、10重量%未満では水添後の構造がポリエチレンに近
くなり、得られる積層物の衝撃強度が低下することにな
り、一方80重量%を超えると水添後はゴム的性質を失う
ためやはり衝撃強度が低下して好ましくない。
いると、一段と優れた本発明の目的とするものが得ら
れ、さらに着色性などの成形外観、低温耐衝撃性に優れ
た本発明の積層物が得られるので好ましい。特に、その
効果の点から、(イ)が好ましい。
香族化合物と共役ジエンとのランダム共重合体ブロック
A/BとからなるA−A/Bブロック共重合体、またはビニル
芳香族化合物を主体とする重合体ブロックCが前記A−
A/Bブロック共重合体に結合したA−A/B−Cブロック共
重合体であって、 (i)ビニル芳香族化合物/共役ジエンの割合が重量
比で5〜50/95〜50、 (ii)ブロックAとブロックCのビニル芳香族化合物
の合計量が、全共重合体中の3〜40重量%、 (iii)ブロックA/Bの共役ジエン部分のビニル結合含
量が15〜80%、 であるブロック共重合体であり、該ブロック共重合体の
具体例としては、先に示したA−A/B、A−A/B−C
が挙げられる。
し、Aはビニル芳香族化合物が90重量%以上のビニル芳
香族化合物を主体とする重合体ブロック、B1は1,2−ビ
ニル結合含量が20〜70%のポリブタジエン重合体ブロッ
ク、B2は1,2−ビニル結合含量が20%未満のポリブタジ
エン重合体ブロックである)をそれぞれ1個以上有する
ブロック共重合体であって、該ブロック共重合体中の重
合体ブロックAの含量が10〜50重量%、重合体ブロック
B1の含量が30〜80重量%、重合体ブロックB2の含量が5
〜30重量%であるブロック共重合体、または該ブロック
共重合体単位がカップリング剤残基を介して前記重合体
ブロックA、B1およびB2のうち少なくとも1つの重合体
ブロックと結合したブロック共重合体であり、該ブロッ
ク共重合体の具体例としては、先に示したA−B1−B2
が挙げられる。
は、共役ジエン部分の二重結合の少なくとも70%、好ま
しくは90%以上が水添されて飽和されていることが必要
であり、70%未満では耐熱性、耐候性、耐オゾン性に劣
るものとなる。
分子量が好ましくは10,000〜1,000,000、好ましくは50,
000〜300,000であり、10,000未満では水添ジエン系重合
体(I)がゴム状にならずに液状となり、得られる積層
物の耐衝撃性が低下し、一方1,000,000を超えると流動
性、加工性が低下し表面外観の低下などを招来すること
になる。
平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)〕は、好ま
しくは10以下であり、10を超えると得られる積層物の成
形外観が悪くなる場合がある。
水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸などの
α,β−不飽和カルボン酸の酸無水物などで酸変性する
か、あるいはグリシジル(メタ)アクリレート、アリル
グリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテルなどの
エポキシ基を有する不飽和化合物で変性してもよい。こ
の場合、水添ジエン系重合体(I)と他の熱可塑性樹脂
との接着性を改良することができ、性能向上が可能であ
る。
ロックA、ブロックB、ブロックA/B、またはテーパー
ブロックCを、有機溶媒中で有機アルカリ金属化合物を
開始剤としてリビングアニオン重合し、ブロック共重合
体またはランダム共重合体を得たのち、さらにこのブロ
ック共重合体および/またはランダム共重合体に水素添
加を行って得られる。
ン、オクタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、キシレンなどの炭化水素溶媒が用いられ
る。
有機リチウム化合物が好ましい。
化合物、有機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合
物が用いられる。これらの具体例としては、エチルリチ
ウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、
n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチ
ルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニル
リチウム、イソプレニルジリチウムなどが挙げられ、単
量体100重量部当たり0.02〜0.2重量部の量で用いられ
る。
のビニル結合含量の調節剤としてルイス塩基、例えばエ
ーテル、アミンなど、具体的にはジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、プロピルエーテル、ブチルエーテ
ル、高級エーテル、またエチレングリコールジブチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリ
コールメチルエーテルなどのポリエチレングリコールの
エーテル誘導体、アミンとしてはテトラメチルエチレン
ジアミン、ピリジン、トリブチルアミンなどの第3級ア
ミンなどが挙げられる。前記有機溶媒とともに用いられ
る。
れる。
も、また熱除去をしないで上昇温度下にて実施してもよ
い。
いが、例えば一般に前記有機溶媒中で、前記アルカリ金
属化合物などの重合開始剤を用いて、まずブロックAま
たはブロックBを重合し、続いてブロックBまたはブロ
ックAを重合する。
るかは限定されない。また、ブロックAとブロックBと
の境界は、必ずしも明瞭に区別される必要はない。さら
に、A−B−Cブロック共重合体、あるいはA−B−A
ブロック共重合体を得るには、有機溶媒中で有機リチウ
ム開始剤を用いて芳香族ビニル化合物を添加してブロッ
クAを重合し、次に共役ジエンもしくは共役ジエンと芳
香族ビニル化合物とを添加してブロックBを作り、さら
に共役ジエンと芳香族ビニル化合物あるいは芳香族ビニ
ル化合物を添加することによりテーパーブロックCまた
はブロックAを重合すればよい。
クAを最初に重合し、次いでブロックB、さらにブロッ
クAを重合する方法でもよい。
機リチウム開始剤を用いて、芳香族ビニル化合物および
共役ジエン化合物を同時に重合すればよい。
ンダム共重合体は、カップリング剤を添加することによ
り、重合体分子鎖が延長または分岐された共重合体であ
ってもよい。
ジエチル、ジビニルベンゼン、テトラクロケイ素、ブチ
ルトリクロロケイ素、テトラクロロスズ、ブチルトリク
ロロスズ、ジメチルクロロケイ素、テトラクロロゲルマ
ニウム、1,2−ジブロムエタン、1,4−クロルメチルベン
ゼン、ビス(トリクロルシリル)エタン、エポキシ化ア
マニ油、トリレンジイソシアネート、1,2,4−ベンゼン
トリイソシアネートなどが挙げられる。
体中のビニル芳香族化合物の結合含量は、各段階におけ
る重合時のモノマーの供給量で調節され、共役ジエンの
ビニル結合含量は、前記ミクロ調整剤の成分を変量する
ことにより調節される。
始剤、例えばn−ブチルリチウムの添加量で調節され
る。
のようにして得られるブロック共重合体あるいはランダ
ム共重合体を、不活性溶媒中に溶解し、20〜150℃、1
〜100kg/cm2Gの加圧水素下で水素化触媒の存在下で行わ
れる。
ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチ
ルベンゼンなどの炭化水素溶媒、またはメチルエチルケ
トン、酢酸エチル、エチルエーテル、テトラヒドロフラ
ンなどの極性溶媒が挙げられる。
チタンハライド、有機カルボン酸ニッケル、有機カルボ
ン酸ニッケルと周期律表第I〜III族の有機金属化合物
からなる水素化触媒、カーボン、シリカ、ケイソウ土な
どで担持されたニッケル、白金、パラジウム、ルテニウ
ム、レニウム、ロジウム金属触媒やコバルト、ニッケ
ル、ロジウム、ルテニウム錯体、あるいはリチウムアル
ミニウムハイドライド、p−トルエンスルホニルヒドラ
ジド、さらにはZr−Ti−Fe−V−Cr合金、Zr−Ti−Nb−
Fe−V−Cr合金、LaNi5合金などの水素貯蔵合金などが
挙げられる。
ジエン部分の二重結合の水添率は、水素化触媒、水素化
化合物の添加量、または水素添加反応時における水素圧
力、反応時間を変えることにより調節される。
し、フェノール系またはアミン系の老化防止剤を添加
し、重合体溶液からは水添ジエン系重合体(I)を容易
に単離することができる。水添ジエン系重合体(I)の
単離は、例えば重合体溶液に、アセトンまたはアルコー
ルなどを加えて沈澱させる方法、重合体溶液を熱湯中に
撹拌下、投入し溶媒を蒸留除去する方法などで行うこと
ができる。
る単量体成分(II)としては、芳香族ビニル化合物
(a)、シアン化ビニル化合物(b)、(メタ)アクリ
ル酸エステル(c)、およびその他の共重合可能な単量
体化合物(d)の群から選ばれた少なくとも1種の単量
体である。
(a)としては、前記水添ジエン系重合体(I)の製造
に用いられる芳香族ビニル化合物と同様のものが挙げら
れる。
(b)としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ルなどが挙げられ、これらは1種または2種以上で使用
される。このシアン化ビニル化合物(b)としては、特
にアクリロニトリルが好ましい。
ステル化合物(c)としては、メチルアクリレート、エ
チルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアク
リレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレー
ト、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリ
レート、オクタデシルアクリレート、フェニルアクリレ
ート、ベンジルアクリレートなどのアクリル酸エステ
ル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プ
ロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミル
メタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレー
ト、オクタデシルメタクリレート、フェニルメタクリレ
ート、ベンジルメタクリレートなどのメタクリル酸エス
テルが挙げられ、特にメチルメタクリレートが好まし
い。
単量体(d)としては、マレイミド、N−メチルマレイ
ミド、N−ブチルマレイミド、N−(p−メチルフェニ
ル)マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロ
ヘキシルマレイミドなどのα,β−不飽和ジカルボン酸
のイミド化合物のほかに、例えばエポキシ基含有単量
体、カルボキシル基含有単量体、アミノ基含有単量体、
ヒドロキシル基含有単量体、ジカルボン酸無水物基含有
単量体などが挙げられる。
レフィンおよびエチレン系不飽和化合物と共重合可能な
不飽和基とエポキシ基をそれぞれ有する化合物である。
このエポキシ基含有不飽和化合物としては、グリシジル
アクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸
グリシジルエステル類、ブテンカルボン酸エステル類、
アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジ
ルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、3,4
−エポキシブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−
ブテン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、3,4−エポキシ
−3−メチルペンテン、5,6−エポキシ−1−ヘキセ
ン、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、p−グリシジ
ルスチレンなどが挙げられる。
酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン
酸、マレイン酸などが挙げられ、好ましくはアクリル
酸、メタクリル酸である。
水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12の
アルカノイル基、炭素数6〜12のフェニル基、炭素数6
〜12のシクロアルキル基、またはそれらの誘導体を示
す) で表されるアミノ基または置換アミノ基の少なくとも1
種を有するビニル系単量体が挙げられる。
リルアミン、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸
アミノプロピルおよびアミノスチレンなどが、工業的規
模で経済的に入手できることから、特に好ましく用いら
れる。
とも1個の不飽和結合(二重結合、三重結合)を有し、
かつヒドロキシル基を含有する化合物である。この代表
的なものとしては、二重結合を有するアルコール、三重
結合を有するアルコール、一価または二価の不飽和カル
ボン酸と非置換二価アルコールとのエステル、該不飽和
カルボン酸の非置換三価アルコールとのエステル、非置
換四価アルコールとのエステル、および非置換五価以上
のアルコールとのエステルが挙げられる。
は、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを用いること
が好ましい。
無水マレイン酸、無水イタコン酸、クロロ無水マレイン
酸、無水シトラコン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸などが挙げられ、好ましくは無水マ
レイン酸である。
は、以下のものを挙げることができる。
/1〜85重量%、 芳香族ビニル化合物/(メタ)アクリル酸エステル化
合物=1〜99/1〜99重量%、 (メタ)アクリル酸エステル化合物/シアン化ビニル
化合物=15〜99/1〜85重量%、 芳香族ビニル化合物/(メタ)アクリル酸エステル化
合物/シアン化ビニル化合物=1〜98/1〜98/1〜85重量
%、 芳香族ビニル化合物=100重量%、 (メタ)アクリル酸アルキルエステル=100重量%。
に応じて前記の共重合可能な単量体(d)を併用するこ
とができ、その好ましい使用量は〜の単量体成分
(a)〜(c)が40重量%以上、その他の共重合可能な
単量体(d)が60重量%以下である。
合物(a)の一部または全部をα−メチルスチレンに置
き換えることで耐熱性を付与することができる。
をハロゲン化スチレンで置き換えることにより、得られ
る積層物に難燃性を付与することができる。
合物(b)を使用すると、耐衝撃性、塗装性が一段と優
れた積層物が得られ、また(メタ)アクリル酸エステル
化合物(c)を使用すると耐候性が一段と優れたものが
得られる。
物(a)0〜100重量%、好ましくは10〜100重量%、シ
アン化ビニル化合物(b)0〜60重量%、好ましくは0
〜40重量%、(メタ)アクリル酸エステル化合物0〜10
0重量%、好ましくは0〜90重量%、これらと共重合可
能な他の単量体(d)0〜70重量%、好ましくは0〜60
重量%(ただし、(a)+(b)+(c)+(d)=10
0重量%)である。
際の水添ジエン系重合体(I)と単量体成分(II)の組
成割合は、(I)/(II)=5〜70/95〜30重量%であ
る。水添ジエン系重合体(I)が5重量%未満では得ら
れる積層物の耐衝撃性、塗装性が劣り、一方80重量%を
超えると成形加工性が劣る。
%、好ましくは25〜85%、さらに好ましくは30〜80%の
ものである。ここで、グラフト率とは、グラフト重合体
のゴム量に対し、ゴムに直接グラフト結合している共重
合体成分の割合をいう。このグラフト率は、重合開始剤
量、重合温度などによって制御することができる。前記
(A)成分のグラフト率が20%未満では、例えば特開昭
51−9183号公報に例示されているように、実質的にグラ
フトしていなくとも衝撃強度は充分であるが、耐薬品性
が著しく低下し、また塗装性、着色性、光沢などの成形
外観も悪くなる。
チルエチルケトン可溶分の固有粘度〔η〕(30℃で測
定)は、0.22〜1.5dl/g、好ましくは0.24〜1.2dl/gであ
る。
ン系重合体(I)の存在下に単量体成分(II)を重合し
たもの、あるいは水添ジエン系重合体(I)の存在下に
単量体成分(II)の一部〔好ましくは単量体成分(II)
の5〜95重量%〕を重合させたものと残りの単量体成分
(II)〔好ましくは単量体成分(II)の5〜95重量%〕
を別途重合した重合体との混合物であってもよい。
(A)は、乳化重合、溶液重合、懸濁重合などによって
製造される。
調節剤、乳化剤、分散剤、溶媒などとしては、通常、こ
れらの重合法で用いられるものをそのまま用いることが
可能である。
は、水添ジエン系重合体(I)の存在下に、単量体成分
(II)、乳化剤、重合開始剤を用い、一般に重合温度30
〜150℃、重合時間1〜15時間、重合圧力−1.0〜5.0kg/
cm2の条件下でグラフト共重合してグラフト共重合体
(ただし、未グラフトの重合体を含む)を得るか、ある
いは水添ジエン系重合体(I)と、乳化重合もしく溶液
重合より得られる単量体成分(II)の(共)重合体とを
混合することによって製造する。
は特に制限されるものではないが、例えばスチレン樹
脂、ABS樹脂、AES樹脂、α−メチルスチレン−アクリロ
ニトリル共重合体、メタクリル酸エステル重合体、スチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタク
リル酸メチル−アクリロニトリル共重合体、ポリプロピ
レン、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂、塩化ビニ
ル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エチレン−プロピ
レンブロック共重合体、N−フェニルマレイミド−芳香
族ビニル系共重合体樹脂、芳香族ポリエステル、PPE系
樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂などが挙げら
れ、これらの樹脂の1種または2種以上を含有する組成
物も含まれる。
ーとの共重合あるいはポリマーを処理することにより、
カルボキシル基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、エ
ステル基などを含有する熱可塑性樹脂を用いることもで
きる。
脂(B)とを割合は、好ましくは(A)成分1〜100重
量%、(B)成分99〜0重量%、さらに好ましくは
(A)成分2〜98重量%、(B)成分98〜2重量%〔た
だし、(A)+(B)=100重量%〕であり、(A)成
分が1重量%未満では耐衝撃性および塗装性が悪い。
熱可塑性樹脂(B)には、ガラス繊維、金属繊維、カー
ボン繊維、有機充填剤、炭酸カルシウムなどの無機充填
剤などで強化されたものであってもよい。
熱可塑性樹脂(B)中には、ヒンダートフェノール系、
リン系および硫黄系などの酸化防止剤や、光安定剤、紫
外線吸収剤、滑剤、着色剤、難燃剤、補強剤などの通常
用いられる配合剤を添加することができる。
ル−4−メチルフェノール、2−(1−メチルシクロヘ
キシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,2−メチレン−
ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,
4′−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノ
ール)、ジラウリルチオジプロピオネート、トリス(ジ
−ノニルフェニル)ホスファイト、ワックスなどの酸化
防止剤;p−t−ブチルフェニルサリシレート、2,2′−
ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−
(2′−ヒドロキシ−4′−n−オクトキシフェニル)
ベンゾトリアゾールなどの紫外線吸収剤;パラフィンワ
ックス、ステアリン酸、硬化油、ステアロアミド、メチ
レンビスステアロアミド、n−ブチルステアレート、ケ
トンワックス、オクチルアルコール、ラウリルアルコー
ル、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリドなどの滑
剤;酸化アンチモン、水酸化アンモニウム、ホウ酸亜
鉛、トリクレジルホスフェート、トリス(ジクロロプロ
ル)ホスフェート、塩素化パラフィン、テトラブロモブ
タン、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロモビスフェノ
ールAなどの難燃剤;ステアロアミドロプロピルジメチ
ル−β−ヒドロキシエチルアンモニウムニトレートなど
の帯電防止剤;酸化チタン、カーボンブラックなどの着
色剤;炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ガラス球など
の充填剤;顔料などを挙げることができる。
(B)との積層に際しては、積層間の接着力を高める方
法として、以下の〜の方法が挙げられる。
層物において、(A)層に(B)成分を配合する方法、
あるいは(B)層に(A)成分を配合する方法。この場
合、(A)層あるいは(B)層に配合する(B)成分あ
るいは(A)成分の配合割合は、好ましくは1〜70重量
%である。
能基含有重合体などの相溶化剤を配合する方法。
させる方法。
(B)とを積層する方法としては特に制限はないが、そ
の積層方法の具体例としては、以下の〜の方法が挙
げられる。
を、押し出し機または熱ロールなどの成形加工機から成
形物(シート、フィルムを含む)を引出し、完全に固化
しない状態で(A)と(B)の成形物を重ねて圧着させ
て積層物を作る方法。
(A)と熱可塑性樹脂(B)の各成形物を成形し、
(A)、(B)の各シートまたはフィルムを重ね、加熱
圧着させる方法。
強化樹脂(A)および熱可塑性樹脂(B)を射出成形
し、積層物を作る方法。
ペレットまたはパウダー、あるいは該(B)のシートと
(A)のペレットまたはパウダーを重ね、圧縮成形する
方法。
チルケトン)に溶解し、この溶液をゴム強化樹脂(A)
の成形物に塗布し、溶剤を蒸発除去し、積層物を得る方
法、あるいはゴム強化樹脂(A)を適当な溶剤に溶解
し、この溶液を熱可塑性樹脂(B)の成形物に塗布し、
溶剤を蒸発除去し、積層物を得る方法。
らなる積層物、(A)層−(B)層−(A)層からなる
積層物、(B)層−(A)層−(B)層からなる積層物
などが挙げられる。
耐衝撃性、外観性、塗装性などの優れた性質を有してい
ることから、これらの性質が要求される分野に広く利用
し得るものである。例えば、車両の内装、外装部品とし
て二輪車のハンドルカバー、フロントフェンダー、ボデ
ィーカバー、ファアリング、サイドカバー、リヤーカウ
ルなどがあり、四輪車ではボディー外板、ラジエーター
グリル、エンブレム、ホイルキャップ、ルーバー、イン
ストルメントパネル、コンソールボックスなどの内装
品、バンパー、ドアミラー、フェンダーミラー、サイド
モールなどの外装品などにも使用できる。また、OA機
器、家電機器などのハウジング、さらに洗面化粧台、浴
室などのサニタリー部品、家具建材などの装飾部品、壁
材、屋根材、さらには衛星放送や各種の放送もしくは通
信用のアンテナ部品〔棒状、平面状、曲面状(パラボ
ラ)アンテナ〕などにも使用できる。
る。
量基準である。
ル結合含量、分子量、水添率)の測定は、以下のとおり
である。
量線から求めた。
ら求めた。
た100MHzの1H−NMRスペクトルの不飽和結合のスペクト
ル減少から算出した。
とおりである。
後の次の物性を求めた。
層に行った。
クトを測定した。
を○、深みのない着色品を△と判定した。
にてカッティングを行い、セロハンテープにより剥離試
験を行った。
厚=30μmとし、剥離なしを○、50%異常剥離するもの
を×として判定した。
ロヘキサン2,500g、スチレン25gを仕込んだのち、テト
ラヒドロフラン9.8gおよびn−ブチルリチウム0.2gを加
えて、重合温度が50℃で等温重合を行った(第1段目重
合)。
タジエン300gとスチレン75gの混合物を10分間あたり75g
の速度で連続的に添加しながら70℃の温度で重合を行っ
た(第2段目重合)。
ン50gとスチレン50gの混合物を一気に添加し、断熱重合
を行った(第3段目重合)。重合途中で5分毎にサンプ
リングを行い、逐次生成した重合体中のスチレン含量と
1,3−ブタジエンのミクロ構造を測定した。
に冷却し、n−ブチルリチウム0.6g、2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール0.6g、ビス(シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロライド0,28gおよびジエチルアル
ミニウムクロライド1.1gを加え、水素ガスで10kg/cm2G
の圧力に保ちながら、1時間反応させた。反応液を室温
まで冷却し、スチームストリッピングにより脱溶媒した
のち、120℃熱ロールで乾燥し、水添ジエン系重合体a
を得た。
示す。
ー組成、重合助剤、重合条件を適宜変更することによ
り、第1表の水添ジエン系重合体bを得た。
ロヘキサン2,500g、1,3−ブタジエン350gを仕込んだの
ち、n−ブチルリチウム0.5gを加えて、重合温度が50℃
の等温重合を行った。重合転化率が31%になったのち、
テトラヒドロフラン12.5gを添加し、50℃から80℃の昇
温重合を行った。重合転化率がほぼ100%となったの
ち、スチレン150gを加え、15分間重合を行い、ジエン系
重合体を得た。
で、水素添加を行い、水添ジエン系重合体cを得た。分
子特性を第1表に示す。
ートクレーブに、あらかじめ均一溶液にしたベースゴム
として第1表に示す水添ジエン系重合体aを30部、スチ
レン52部、トルエン120部およびt−ドデシルメルカプ
タン0.1部の混合液を仕込み、撹拌しながら昇温し、50
℃にてアクリロニトリル18部、ベンゾイルパーオキサイ
ド0.5部、ジクミルパーオキサイド0.1部を添加し、さら
に昇温し80℃に達したのちは、80℃一定に制御しながら
撹拌回転数100rpmにて重合反応を行った。
温し、さらに2時間反応を行って重合を終了した。重合
転化率は、97%であった。
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)0.2部を添
加したのち、反応混合物をオートクレーブより抜き出
し、水蒸気蒸留により未反応単量体と溶媒を留去し、細
かく粉砕したのち、40mmφベント付き押し出し機(220
℃、700mgHg真空)にて実質的に揮発分を留去するとと
もに、重合体をペレット化し、ゴム強化樹脂A−1を得
た。
1の製造と同様の方法でゴム強化樹脂A−2〜4を得
た。
と、下層が厚み1.9mmの第3表に示す熱可塑性樹脂
(B)からなる、全シート厚み2.0mmの積層シートを、
下記押し出し条件で作製した。
ー径30mmタテ型押し出し機を用い、Tダイ、ポリシング
ロールおよび引き取り装置を使用し、シート押し出しを
行った。
樹脂(A)を、またスクリュー径50mmφ押し出し機には
熱可塑性樹脂(B)を供給した。
(B)に適した条件を選んで実施した。
樹脂(A)に対して2%配合した着色ペレットを用い
た。
脂(B)の積層物を、第3表に示す。
(B)に着色剤として群青を2%配合したペレットを用
い、スクリュー径50mmφ押し出し機でシート厚み2.0mm
の単層シートを得た例である。
に示した本発明の積層物(積層シート)は、ゴム強化樹
脂を用いることにより、耐候性、耐衝撃性、着色性およ
び塗装性に優れたシートが得られていることが分かる。
状重合体を使用していることにより耐候性が著しく劣っ
ていることが分かる。
っている。
とが分かる。
体を用いたゴム強化樹脂を用いることにより、耐候性、
耐衝撃性、着色性および塗装性に極めて優れている。
品、建築資材あるいは各種工業部品用として有用であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】芳香族ビニル化合物0〜60重量%と共役ジ
エン100〜40重量%とからなるジエン系重合体を水素添
加した水添ジエン系重合体(I)5〜70重量%の存在下
に、ラジカル重合可能な単量体成分(II)95〜39重量%
〔ただし、(I)+(II)=100重量%〕をグラフト共
重合させた、グラフト率20〜90%、メチルエチルケトン
可溶分の固有粘度〔η〕(30℃測定)0.22〜1.5dl/gの
ゴム強化樹脂(A)と、他の熱可塑性樹脂(B)とを、
積層してなる積層物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9639990A JP2946627B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 積層物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9639990A JP2946627B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 積層物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03295643A JPH03295643A (ja) | 1991-12-26 |
JP2946627B2 true JP2946627B2 (ja) | 1999-09-06 |
Family
ID=14163888
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9639990A Expired - Lifetime JP2946627B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 積層物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2946627B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19681342C2 (de) * | 1995-04-14 | 2002-08-01 | Asahi Chemical Ind | Schlagzähes Methacrylharz |
-
1990
- 1990-04-13 JP JP9639990A patent/JP2946627B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03295643A (ja) | 1991-12-26 |
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