JP2946627B2 - 積層物 - Google Patents

積層物

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JP2946627B2 JP9639990A JP9639990A JP2946627B2 JP 2946627 B2 JP2946627 B2 JP 2946627B2 JP 9639990 A JP9639990 A JP 9639990A JP 9639990 A JP9639990 A JP 9639990A JP 2946627 B2 JP2946627 B2 JP 2946627B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐候性、耐衝撃性、外観性および塗装性に
優れた積層物に関し、さらに詳細には水添ジエン系重合
体をゴム成分とするゴム強化樹脂と他の熱可塑性樹脂と
の積層物に関する。
〔従来の技術〕
近年、熱可塑性樹脂は、物性および成形加工性の多様
性から、広い分野に使用されている。
しかしながら、熱可塑性樹脂は、屋外で使用される場
合、紫外線による物性および外観の劣化が大きな問題と
なる。
このため、耐候性を付与するためには、熱可塑性樹脂
に紫外線吸収剤を添加したり、熱可塑性樹脂成形品の表
面にアクリル樹脂を積層したり、塗装を施す方法が行わ
れているが、性能の維持が不充分であったり、経済性に
劣るという欠点もある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、前記従来技術の課題を背景になされたもの
で、耐候性、耐衝撃性、外観性に優れ、かつ着色性、塗
装性に優れた積層物を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、芳香族ビニル化合物0〜60重量%と共役ジ
エン100〜40重量%とからなるジエン系重合体を水素添
加した水添ジエン系重合体(I)(以下「水添ジエン系
重合体(I)」という)5〜70重量%の共存下に、ラジ
カル重合可能な単量体成分(II)(以下「単量体成分
(II)」という)95〜39重量%〔ただし、(I)+(I
I)=100重量%〕をグラフト共重合させた、グラフト率
20〜90%、メチルエチルケトン可溶分の固有粘度〔η〕
(30℃測定)0.22〜1.5dl/gのゴム強化樹脂(A)(以
下「ゴム強化樹脂(A)」あるいは「(A)成分」とい
う)と、他の熱可塑性樹脂(B)とを、積層してなる積
層物を提供するものである。
本発明の積層物は、ゴム強化樹脂(A)と他の熱可塑
性樹脂(B)とを積層してなるものである。
ここで、ゴム強化樹脂(A)を構成する水添ジエン系
重合体(I)とは、芳香族ビニル化合物0〜60重量%と
共役ジエン100〜40重量%とからなるジエン系重合体を
水素添加したものである。
ここで、水添ジエン系重合体(I)に用いられる芳香
族ビニル化合物としては、スチレン、t−ブチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニル
キシレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モ
ノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレ
ン、p−t−ブチルスチレン、エチルスチレン、ヒニル
ナフタレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチ
レン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビ
ニルピリジンなどが上げられ、特にスチレン、α−メチ
ルスチレンが好ましい。
また、共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソ
プレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペン
タジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキ
サジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブ
チル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなどが上げら
れるが、工業的に利用でき、また物性の優れた水添ジエ
ン系重合体(I)を得るには、1,3−ブタジエン、イソ
プレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、より好ましく
は1,3−ブタジエンである。
本発明に使用される前記ジエン系重合体は、具体的に
は少なくとも1個の下記ブロックAまたは下記ブロック
Cと、少なくとも1個の下記ブロックBまたはブロック
A/Bとを含んでなる共重合体、あるいはブロックBもし
くはA/Bからなるジエン系重合体である。その具体的構
成は、 A;ビニル芳香族化合物重合体ブロック、 B;共役ジエン重合体ブロック、 A/B;ビニル芳香族化合物/共役ジエンのランダム共重
合体ブロック、 C;共役ジエンとビニル芳香族化合物の共重合体からな
り、かつビニル芳香族化合物が漸増するテーパーブロッ
ク、 とそれぞれ定義すると、次のような構造のものが挙げら
れる。
A−B A−B−A A−B−C A−B1−B2(ここで、B1のビニル結合含量は好まし
くは20%以上、B2のビニル結合含量は20%未満) A/B A−A/B A−A/B−C A−A/B−A C−B C−B−C C−A/B−C C−A−B B2−B1−B2 B また、これらの基本骨格を繰り返し有する重合体を挙
げることができ、さらにそれらをカップリングして得ら
れるジエン系重合体であってもよい。
前記のA−B1−B2の構造のものについては特開平2
−133406号公報、のA/BおよびのBの構造のものに
ついては特開平1−297413号公報に示されている。
さらに、前記のA−A/BおよびのA−A/B−Cの構
造のものについては特開平2−305814号公報、特願平1
−124430号明細書(対応の国内優先権主張出願特開平3
−72512号公報)に示されている。
前記ジエン系重合体は、全モノマー中のビニル芳香族
化合物の含量が、60重量%以下、好ましくは50重量%以
下、さらにビニル芳香族化合物を必須とする場合には、
好ましくはビニル芳香族化合物/共役ジエンの割合が重
量比で5〜40/95〜60である。ここで、ビニル芳香族化
合物の含有量が60重量%を超えると樹脂状となり、得ら
れる積層物の耐衝撃性が低下する。
さらに、前記ジエン系重合体中の共役ジエン部分のビ
ニル結合含量は、好ましくは10重量%以上、さらに好ま
しくは20〜80重量%、特に好ましくは30〜60重量%であ
り、10重量%未満では水添後の構造がポリエチレンに近
くなり、得られる積層物の衝撃強度が低下することにな
り、一方80重量%を超えると水添後はゴム的性質を失う
ためやはり衝撃強度が低下して好ましくない。
前記ジエン系重合体として、下記(イ)〜(ロ)を用
いると、一段と優れた本発明の目的とするものが得ら
れ、さらに着色性などの成形外観、低温耐衝撃性に優れ
た本発明の積層物が得られるので好ましい。特に、その
効果の点から、(イ)が好ましい。
(イ)ビニル芳香族化合物重合体ブロックA、ビニル芳
香族化合物と共役ジエンとのランダム共重合体ブロック
A/BとからなるA−A/Bブロック共重合体、またはビニル
芳香族化合物を主体とする重合体ブロックCが前記A−
A/Bブロック共重合体に結合したA−A/B−Cブロック共
重合体であって、 (i)ビニル芳香族化合物/共役ジエンの割合が重量
比で5〜50/95〜50、 (ii)ブロックAとブロックCのビニル芳香族化合物
の合計量が、全共重合体中の3〜40重量%、 (iii)ブロックA/Bの共役ジエン部分のビニル結合含
量が15〜80%、 であるブロック共重合体であり、該ブロック共重合体の
具体例としては、先に示したA−A/B、A−A/B−C
が挙げられる。
(ロ)分子中に重合体ブロックA、B1およびB2(ただ
し、Aはビニル芳香族化合物が90重量%以上のビニル芳
香族化合物を主体とする重合体ブロック、B1は1,2−ビ
ニル結合含量が20〜70%のポリブタジエン重合体ブロッ
ク、B2は1,2−ビニル結合含量が20%未満のポリブタジ
エン重合体ブロックである)をそれぞれ1個以上有する
ブロック共重合体であって、該ブロック共重合体中の重
合体ブロックAの含量が10〜50重量%、重合体ブロック
B1の含量が30〜80重量%、重合体ブロックB2の含量が5
〜30重量%であるブロック共重合体、または該ブロック
共重合体単位がカップリング剤残基を介して前記重合体
ブロックA、B1およびB2のうち少なくとも1つの重合体
ブロックと結合したブロック共重合体であり、該ブロッ
ク共重合体の具体例としては、先に示したA−B1−B2
が挙げられる。
また、本発明で使用される水添ジエン系重合体(I)
は、共役ジエン部分の二重結合の少なくとも70%、好ま
しくは90%以上が水添されて飽和されていることが必要
であり、70%未満では耐熱性、耐候性、耐オゾン性に劣
るものとなる。
なお、本発明の水添ジエン系重合体(I)は、数平均
分子量が好ましくは10,000〜1,000,000、好ましくは50,
000〜300,000であり、10,000未満では水添ジエン系重合
体(I)がゴム状にならずに液状となり、得られる積層
物の耐衝撃性が低下し、一方1,000,000を超えると流動
性、加工性が低下し表面外観の低下などを招来すること
になる。
また、水添ジエン系重合体(I)の分子量分布〔重量
平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)〕は、好ま
しくは10以下であり、10を超えると得られる積層物の成
形外観が悪くなる場合がある。
さらに、本発明の水添ジエン系重合体(I)には、無
水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸などの
α,β−不飽和カルボン酸の酸無水物などで酸変性する
か、あるいはグリシジル(メタ)アクリレート、アリル
グリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテルなどの
エポキシ基を有する不飽和化合物で変性してもよい。こ
の場合、水添ジエン系重合体(I)と他の熱可塑性樹脂
との接着性を改良することができ、性能向上が可能であ
る。
本発明で使用される水添ジエン系重合体(I)は、ブ
ロックA、ブロックB、ブロックA/B、またはテーパー
ブロックCを、有機溶媒中で有機アルカリ金属化合物を
開始剤としてリビングアニオン重合し、ブロック共重合
体またはランダム共重合体を得たのち、さらにこのブロ
ック共重合体および/またはランダム共重合体に水素添
加を行って得られる。
前記有機溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、キシレンなどの炭化水素溶媒が用いられ
る。
重合開始剤である有機アルカリ金属化合物としては、
有機リチウム化合物が好ましい。
この有機リチウム化合物としては、有機モノリチウム
化合物、有機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合
物が用いられる。これらの具体例としては、エチルリチ
ウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、
n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチ
ルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニル
リチウム、イソプレニルジリチウムなどが挙げられ、単
量体100重量部当たり0.02〜0.2重量部の量で用いられ
る。
また、この際、ミクロ構造、すなわち共役ジエン部分
のビニル結合含量の調節剤としてルイス塩基、例えばエ
ーテル、アミンなど、具体的にはジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、プロピルエーテル、ブチルエーテ
ル、高級エーテル、またエチレングリコールジブチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリ
コールメチルエーテルなどのポリエチレングリコールの
エーテル誘導体、アミンとしてはテトラメチルエチレン
ジアミン、ピリジン、トリブチルアミンなどの第3級ア
ミンなどが挙げられる。前記有機溶媒とともに用いられ
る。
さらに、重合反応は、通常、−30℃〜150℃で実施さ
れる。
また、重合は、一定温度にコントロールして実施して
も、また熱除去をしないで上昇温度下にて実施してもよ
い。
ブロック共重合体にする方法は、いかなる方法でもよ
いが、例えば一般に前記有機溶媒中で、前記アルカリ金
属化合物などの重合開始剤を用いて、まずブロックAま
たはブロックBを重合し、続いてブロックBまたはブロ
ックAを重合する。
ブロックAあるいはブロックBのどちらを先に重合す
るかは限定されない。また、ブロックAとブロックBと
の境界は、必ずしも明瞭に区別される必要はない。さら
に、A−B−Cブロック共重合体、あるいはA−B−A
ブロック共重合体を得るには、有機溶媒中で有機リチウ
ム開始剤を用いて芳香族ビニル化合物を添加してブロッ
クAを重合し、次に共役ジエンもしくは共役ジエンと芳
香族ビニル化合物とを添加してブロックBを作り、さら
に共役ジエンと芳香族ビニル化合物あるいは芳香族ビニ
ル化合物を添加することによりテーパーブロックCまた
はブロックAを重合すればよい。
この場合、まずテーパーブロックC、あるいはブロッ
クAを最初に重合し、次いでブロックB、さらにブロッ
クAを重合する方法でもよい。
また、ランダム共重合体を得るには、有機溶媒中で有
機リチウム開始剤を用いて、芳香族ビニル化合物および
共役ジエン化合物を同時に重合すればよい。
このようにして得られるブロック共重合体あるいはラ
ンダム共重合体は、カップリング剤を添加することによ
り、重合体分子鎖が延長または分岐された共重合体であ
ってもよい。
この際のカップリング剤としては、例えばアジピン酸
ジエチル、ジビニルベンゼン、テトラクロケイ素、ブチ
ルトリクロロケイ素、テトラクロロスズ、ブチルトリク
ロロスズ、ジメチルクロロケイ素、テトラクロロゲルマ
ニウム、1,2−ジブロムエタン、1,4−クロルメチルベン
ゼン、ビス(トリクロルシリル)エタン、エポキシ化ア
マニ油、トリレンジイソシアネート、1,2,4−ベンゼン
トリイソシアネートなどが挙げられる。
なお、前記ブロック共重合体あるいはランダム共重合
体中のビニル芳香族化合物の結合含量は、各段階におけ
る重合時のモノマーの供給量で調節され、共役ジエンの
ビニル結合含量は、前記ミクロ調整剤の成分を変量する
ことにより調節される。
また、数平均分子量、メルトフローレートは、重合開
始剤、例えばn−ブチルリチウムの添加量で調節され
る。
本発明に使用される水添ジエン系重合体(I)は、こ
のようにして得られるブロック共重合体あるいはランダ
ム共重合体を、不活性溶媒中に溶解し、20〜150℃、1
〜100kg/cm2Gの加圧水素下で水素化触媒の存在下で行わ
れる。
水素化に使用される不活性溶媒としては、ヘキサン、
ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチ
ルベンゼンなどの炭化水素溶媒、またはメチルエチルケ
トン、酢酸エチル、エチルエーテル、テトラヒドロフラ
ンなどの極性溶媒が挙げられる。
また、水素化触媒としては、ジシクロペンタジエニル
チタンハライド、有機カルボン酸ニッケル、有機カルボ
ン酸ニッケルと周期律表第I〜III族の有機金属化合物
からなる水素化触媒、カーボン、シリカ、ケイソウ土な
どで担持されたニッケル、白金、パラジウム、ルテニウ
ム、レニウム、ロジウム金属触媒やコバルト、ニッケ
ル、ロジウム、ルテニウム錯体、あるいはリチウムアル
ミニウムハイドライド、p−トルエンスルホニルヒドラ
ジド、さらにはZr−Ti−Fe−V−Cr合金、Zr−Ti−Nb−
Fe−V−Cr合金、LaNi5合金などの水素貯蔵合金などが
挙げられる。
本発明に使用される水添ジエン系重合体(I)の共役
ジエン部分の二重結合の水添率は、水素化触媒、水素化
化合物の添加量、または水素添加反応時における水素圧
力、反応時間を変えることにより調節される。
水素化された重合体溶液からは、触媒の残渣を除去
し、フェノール系またはアミン系の老化防止剤を添加
し、重合体溶液からは水添ジエン系重合体(I)を容易
に単離することができる。水添ジエン系重合体(I)の
単離は、例えば重合体溶液に、アセトンまたはアルコー
ルなどを加えて沈澱させる方法、重合体溶液を熱湯中に
撹拌下、投入し溶媒を蒸留除去する方法などで行うこと
ができる。
この水添ジエン系重合体(I)にグラフト共重合させ
る単量体成分(II)としては、芳香族ビニル化合物
(a)、シアン化ビニル化合物(b)、(メタ)アクリ
ル酸エステル(c)、およびその他の共重合可能な単量
体化合物(d)の群から選ばれた少なくとも1種の単量
体である。
ここで、単量体成分(II)中の芳香族ビニル化合物
(a)としては、前記水添ジエン系重合体(I)の製造
に用いられる芳香族ビニル化合物と同様のものが挙げら
れる。
また、単量体成分(II)中のシアン化ビニル化合物
(b)としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ルなどが挙げられ、これらは1種または2種以上で使用
される。このシアン化ビニル化合物(b)としては、特
にアクリロニトリルが好ましい。
さらに、単量体成分(II)中の(メタ)アクリル酸エ
ステル化合物(c)としては、メチルアクリレート、エ
チルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアク
リレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレー
ト、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリ
レート、オクタデシルアクリレート、フェニルアクリレ
ート、ベンジルアクリレートなどのアクリル酸エステ
ル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プ
ロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミル
メタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレー
ト、オクタデシルメタクリレート、フェニルメタクリレ
ート、ベンジルメタクリレートなどのメタクリル酸エス
テルが挙げられ、特にメチルメタクリレートが好まし
い。
さらに、単量体成分(II)中のその他の共重合可能な
単量体(d)としては、マレイミド、N−メチルマレイ
ミド、N−ブチルマレイミド、N−(p−メチルフェニ
ル)マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロ
ヘキシルマレイミドなどのα,β−不飽和ジカルボン酸
のイミド化合物のほかに、例えばエポキシ基含有単量
体、カルボキシル基含有単量体、アミノ基含有単量体、
ヒドロキシル基含有単量体、ジカルボン酸無水物基含有
単量体などが挙げられる。
ここで、エポキシ基含有単量体としては、分子中にオ
レフィンおよびエチレン系不飽和化合物と共重合可能な
不飽和基とエポキシ基をそれぞれ有する化合物である。
このエポキシ基含有不飽和化合物としては、グリシジル
アクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸
グリシジルエステル類、ブテンカルボン酸エステル類、
アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジ
ルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、3,4
−エポキシブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−
ブテン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、3,4−エポキシ
−3−メチルペンテン、5,6−エポキシ−1−ヘキセ
ン、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、p−グリシジ
ルスチレンなどが挙げられる。
また、カルボキシル基含有単量体としては、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン
酸、マレイン酸などが挙げられ、好ましくはアクリル
酸、メタクリル酸である。
さらに、アミノ基含有単量体としては、下記一般式 (式中、R1は水素原子、メチル基またはエチル基、R2
水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12の
アルカノイル基、炭素数6〜12のフェニル基、炭素数6
〜12のシクロアルキル基、またはそれらの誘導体を示
す) で表されるアミノ基または置換アミノ基の少なくとも1
種を有するビニル系単量体が挙げられる。
このアミノ基含有不飽和化合物の具体例としては、ア
リルアミン、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸
アミノプロピルおよびアミノスチレンなどが、工業的規
模で経済的に入手できることから、特に好ましく用いら
れる。
さらに、ヒドロキシル基含有単量体としては、少なく
とも1個の不飽和結合(二重結合、三重結合)を有し、
かつヒドロキシル基を含有する化合物である。この代表
的なものとしては、二重結合を有するアルコール、三重
結合を有するアルコール、一価または二価の不飽和カル
ボン酸と非置換二価アルコールとのエステル、該不飽和
カルボン酸の非置換三価アルコールとのエステル、非置
換四価アルコールとのエステル、および非置換五価以上
のアルコールとのエステルが挙げられる。
これらのヒドロキシル基含有単量体の具体例として
は、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを用いること
が好ましい。
さらに、ジカルボン酸無水物基含有単量体としては、
無水マレイン酸、無水イタコン酸、クロロ無水マレイン
酸、無水シトラコン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸などが挙げられ、好ましくは無水マ
レイン酸である。
単量体成分(II)の組合せの好ましい組合せとして
は、以下のものを挙げることができる。
芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化合物=15〜99
/1〜85重量%、 芳香族ビニル化合物/(メタ)アクリル酸エステル化
合物=1〜99/1〜99重量%、 (メタ)アクリル酸エステル化合物/シアン化ビニル
化合物=15〜99/1〜85重量%、 芳香族ビニル化合物/(メタ)アクリル酸エステル化
合物/シアン化ビニル化合物=1〜98/1〜98/1〜85重量
%、 芳香族ビニル化合物=100重量%、 (メタ)アクリル酸アルキルエステル=100重量%。
なお、上記〜の単量体成分(II)に対して、必要
に応じて前記の共重合可能な単量体(d)を併用するこ
とができ、その好ましい使用量は〜の単量体成分
(a)〜(c)が40重量%以上、その他の共重合可能な
単量体(d)が60重量%以下である。
また、前記単量体成分(II)のうち、芳香族ビニル化
合物(a)の一部または全部をα−メチルスチレンに置
き換えることで耐熱性を付与することができる。
さらに、芳香族ビニル化合物(a)の一部または全部
をハロゲン化スチレンで置き換えることにより、得られ
る積層物に難燃性を付与することができる。
さらに、単量体成分(II)のうち、シアン化ビニル化
合物(b)を使用すると、耐衝撃性、塗装性が一段と優
れた積層物が得られ、また(メタ)アクリル酸エステル
化合物(c)を使用すると耐候性が一段と優れたものが
得られる。
以上の単量体成分(II)の割合は、芳香族ビニル化合
物(a)0〜100重量%、好ましくは10〜100重量%、シ
アン化ビニル化合物(b)0〜60重量%、好ましくは0
〜40重量%、(メタ)アクリル酸エステル化合物0〜10
0重量%、好ましくは0〜90重量%、これらと共重合可
能な他の単量体(d)0〜70重量%、好ましくは0〜60
重量%(ただし、(a)+(b)+(c)+(d)=10
0重量%)である。
なお、本発明におけるゴム強化樹脂(A)を製造する
際の水添ジエン系重合体(I)と単量体成分(II)の組
成割合は、(I)/(II)=5〜70/95〜30重量%であ
る。水添ジエン系重合体(I)が5重量%未満では得ら
れる積層物の耐衝撃性、塗装性が劣り、一方80重量%を
超えると成形加工性が劣る。
また、ゴム強化樹脂(A)のグラフト率は、20〜90
%、好ましくは25〜85%、さらに好ましくは30〜80%の
ものである。ここで、グラフト率とは、グラフト重合体
のゴム量に対し、ゴムに直接グラフト結合している共重
合体成分の割合をいう。このグラフト率は、重合開始剤
量、重合温度などによって制御することができる。前記
(A)成分のグラフト率が20%未満では、例えば特開昭
51−9183号公報に例示されているように、実質的にグラ
フトしていなくとも衝撃強度は充分であるが、耐薬品性
が著しく低下し、また塗装性、着色性、光沢などの成形
外観も悪くなる。
さらに、本発明のゴム強化樹脂(A)の樹脂部分のメ
チルエチルケトン可溶分の固有粘度〔η〕(30℃で測
定)は、0.22〜1.5dl/g、好ましくは0.24〜1.2dl/gであ
る。
本発明に使用されるゴム強化樹脂(A)は、水添ジエ
ン系重合体(I)の存在下に単量体成分(II)を重合し
たもの、あるいは水添ジエン系重合体(I)の存在下に
単量体成分(II)の一部〔好ましくは単量体成分(II)
の5〜95重量%〕を重合させたものと残りの単量体成分
(II)〔好ましくは単量体成分(II)の5〜95重量%〕
を別途重合した重合体との混合物であってもよい。
すなわち、この本発明に使用されるゴム強化樹脂
(A)は、乳化重合、溶液重合、懸濁重合などによって
製造される。
また、この際、重合に用いられる重合開始剤、分子量
調節剤、乳化剤、分散剤、溶媒などとしては、通常、こ
れらの重合法で用いられるものをそのまま用いることが
可能である。
ゴム強化樹脂(A)の製造方法の好ましい方法として
は、水添ジエン系重合体(I)の存在下に、単量体成分
(II)、乳化剤、重合開始剤を用い、一般に重合温度30
〜150℃、重合時間1〜15時間、重合圧力−1.0〜5.0kg/
cm2の条件下でグラフト共重合してグラフト共重合体
(ただし、未グラフトの重合体を含む)を得るか、ある
いは水添ジエン系重合体(I)と、乳化重合もしく溶液
重合より得られる単量体成分(II)の(共)重合体とを
混合することによって製造する。
一方、本発明で使用される熱可塑性樹脂(B)として
は特に制限されるものではないが、例えばスチレン樹
脂、ABS樹脂、AES樹脂、α−メチルスチレン−アクリロ
ニトリル共重合体、メタクリル酸エステル重合体、スチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタク
リル酸メチル−アクリロニトリル共重合体、ポリプロピ
レン、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂、塩化ビニ
ル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エチレン−プロピ
レンブロック共重合体、N−フェニルマレイミド−芳香
族ビニル系共重合体樹脂、芳香族ポリエステル、PPE系
樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂などが挙げら
れ、これらの樹脂の1種または2種以上を含有する組成
物も含まれる。
なお、熱可塑性樹脂(B)として、官能基含有モノマ
ーとの共重合あるいはポリマーを処理することにより、
カルボキシル基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、エ
ステル基などを含有する熱可塑性樹脂を用いることもで
きる。
本発明の積層物中のゴム強化樹脂(A)と熱可塑性樹
脂(B)とを割合は、好ましくは(A)成分1〜100重
量%、(B)成分99〜0重量%、さらに好ましくは
(A)成分2〜98重量%、(B)成分98〜2重量%〔た
だし、(A)+(B)=100重量%〕であり、(A)成
分が1重量%未満では耐衝撃性および塗装性が悪い。
なお、本発明に使用されるゴム強化樹脂(A)および
熱可塑性樹脂(B)には、ガラス繊維、金属繊維、カー
ボン繊維、有機充填剤、炭酸カルシウムなどの無機充填
剤などで強化されたものであってもよい。
また、本発明に使用されるゴム強化樹脂(A)および
熱可塑性樹脂(B)中には、ヒンダートフェノール系、
リン系および硫黄系などの酸化防止剤や、光安定剤、紫
外線吸収剤、滑剤、着色剤、難燃剤、補強剤などの通常
用いられる配合剤を添加することができる。
これらの配合剤としては、例えば2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−メチルフェノール、2−(1−メチルシクロヘ
キシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,2−メチレン−
ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,
4′−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノ
ール)、ジラウリルチオジプロピオネート、トリス(ジ
−ノニルフェニル)ホスファイト、ワックスなどの酸化
防止剤;p−t−ブチルフェニルサリシレート、2,2′−
ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−
(2′−ヒドロキシ−4′−n−オクトキシフェニル)
ベンゾトリアゾールなどの紫外線吸収剤;パラフィンワ
ックス、ステアリン酸、硬化油、ステアロアミド、メチ
レンビスステアロアミド、n−ブチルステアレート、ケ
トンワックス、オクチルアルコール、ラウリルアルコー
ル、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリドなどの滑
剤;酸化アンチモン、水酸化アンモニウム、ホウ酸亜
鉛、トリクレジルホスフェート、トリス(ジクロロプロ
ル)ホスフェート、塩素化パラフィン、テトラブロモブ
タン、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロモビスフェノ
ールAなどの難燃剤;ステアロアミドロプロピルジメチ
ル−β−ヒドロキシエチルアンモニウムニトレートなど
の帯電防止剤;酸化チタン、カーボンブラックなどの着
色剤;炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ガラス球など
の充填剤;顔料などを挙げることができる。
本発明において、ゴム強化樹脂(A)と熱可塑性樹脂
(B)との積層に際しては、積層間の接着力を高める方
法として、以下の〜の方法が挙げられる。
ゴム強化樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)からなる積
層物において、(A)層に(B)成分を配合する方法、
あるいは(B)層に(A)成分を配合する方法。この場
合、(A)層あるいは(B)層に配合する(B)成分あ
るいは(A)成分の配合割合は、好ましくは1〜70重量
%である。
(A)層、(B)層のいずれか一方、または両方に官
能基含有重合体などの相溶化剤を配合する方法。
(A)層〜(B)層の間に、樹脂、接着剤などを介在
させる方法。
また、本発明のゴム強化樹脂(A)と熱可塑性樹脂
(B)とを積層する方法としては特に制限はないが、そ
の積層方法の具体例としては、以下の〜の方法が挙
げられる。
ゴム強化樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)のそれぞれ
を、押し出し機または熱ロールなどの成形加工機から成
形物(シート、フィルムを含む)を引出し、完全に固化
しない状態で(A)と(B)の成形物を重ねて圧着させ
て積層物を作る方法。
押し出し機または熱ロールにより、ゴム強化樹脂
(A)と熱可塑性樹脂(B)の各成形物を成形し、
(A)、(B)の各シートまたはフィルムを重ね、加熱
圧着させる方法。
二色射出成形機あるいは二色成形金型を用いて、ゴム
強化樹脂(A)および熱可塑性樹脂(B)を射出成形
し、積層物を作る方法。
ゴム強化樹脂(A)のシートと熱可塑性樹脂(B)の
ペレットまたはパウダー、あるいは該(B)のシートと
(A)のペレットまたはパウダーを重ね、圧縮成形する
方法。
熱可塑性樹脂(B)を適当な溶剤(例えば、メチルエ
チルケトン)に溶解し、この溶液をゴム強化樹脂(A)
の成形物に塗布し、溶剤を蒸発除去し、積層物を得る方
法、あるいはゴム強化樹脂(A)を適当な溶剤に溶解
し、この溶液を熱可塑性樹脂(B)の成形物に塗布し、
溶剤を蒸発除去し、積層物を得る方法。
本発明の積層物の積層形態は、(A)層−(B)層か
らなる積層物、(A)層−(B)層−(A)層からなる
積層物、(B)層−(A)層−(B)層からなる積層物
などが挙げられる。
このようにして得られる本発明の積層物は、耐候性、
耐衝撃性、外観性、塗装性などの優れた性質を有してい
ることから、これらの性質が要求される分野に広く利用
し得るものである。例えば、車両の内装、外装部品とし
て二輪車のハンドルカバー、フロントフェンダー、ボデ
ィーカバー、ファアリング、サイドカバー、リヤーカウ
ルなどがあり、四輪車ではボディー外板、ラジエーター
グリル、エンブレム、ホイルキャップ、ルーバー、イン
ストルメントパネル、コンソールボックスなどの内装
品、バンパー、ドアミラー、フェンダーミラー、サイド
モールなどの外装品などにも使用できる。また、OA機
器、家電機器などのハウジング、さらに洗面化粧台、浴
室などのサニタリー部品、家具建材などの装飾部品、壁
材、屋根材、さらには衛星放送や各種の放送もしくは通
信用のアンテナ部品〔棒状、平面状、曲面状(パラボ
ラ)アンテナ〕などにも使用できる。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明す
る。
なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り重
量基準である。
また、実施例中、分子特性(結合スチレン含量、ビニ
ル結合含量、分子量、水添率)の測定は、以下のとおり
である。
結合スチレン含量 699cm-1のフェニル基の吸収の基づく赤外法による検
量線から求めた。
ビニル結合含量 赤外法(モレロ法)によって求めた。
分子量 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)か
ら求めた。
水添率 四塩化エチレンを溶媒として用い、15%濃度で測定し
た100MHzの1H−NMRスペクトルの不飽和結合のスペクト
ル減少から算出した。
また、実施例中、得られた積層物の評価方法は、次の
とおりである。
耐候性 サンシャインウエザーメーターによる2,000時間照射
後の次の物性を求めた。
ここで、積層シートの照射面は、ゴム強化樹脂(A)
層に行った。
(イ)耐衝撃性 ウエザーメーター照射面より、ダインスタットインパ
クトを測定した。
(ロ)褪色性 ハンター色差計を用い、色差(ΔE)を求めた。
着色性 シートの外観を目視観察し、深みのある鮮明色のもの
を○、深みのない着色品を△と判定した。
塗装性 下記塗装を用い、塗装を行ったのち、クロスカッター
にてカッティングを行い、セロハンテープにより剥離試
験を行った。
塗装;関西ペイント(株)製、ソフレックス600、膜
厚=30μmとし、剥離なしを○、50%異常剥離するもの
を×として判定した。
実施例1〜5、比較例1〜5 水添ジエン系重合体(I)の製造 〔水添ジエン系重合体a〕 内容積5のオートクレーブに、脱気・脱水したシク
ロヘキサン2,500g、スチレン25gを仕込んだのち、テト
ラヒドロフラン9.8gおよびn−ブチルリチウム0.2gを加
えて、重合温度が50℃で等温重合を行った(第1段目重
合)。
重合転化率がほぼ100%となったのち、引続き1,3−ブ
タジエン300gとスチレン75gの混合物を10分間あたり75g
の速度で連続的に添加しながら70℃の温度で重合を行っ
た(第2段目重合)。
重合転化率がほぼ100%に達したのい、1,3−ブタジエ
ン50gとスチレン50gの混合物を一気に添加し、断熱重合
を行った(第3段目重合)。重合途中で5分毎にサンプ
リングを行い、逐次生成した重合体中のスチレン含量と
1,3−ブタジエンのミクロ構造を測定した。
重合転化率がほぼ100%に達したのち、反応液を70℃
に冷却し、n−ブチルリチウム0.6g、2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール0.6g、ビス(シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロライド0,28gおよびジエチルアル
ミニウムクロライド1.1gを加え、水素ガスで10kg/cm2G
の圧力に保ちながら、1時間反応させた。反応液を室温
まで冷却し、スチームストリッピングにより脱溶媒した
のち、120℃熱ロールで乾燥し、水添ジエン系重合体a
を得た。
得られた水添ジエン系重合体aの分子特性を第1表に
示す。
〔水添ジエン系重合体b〕
第1表に示すポリマー構造特性になるように、モノマ
ー組成、重合助剤、重合条件を適宜変更することによ
り、第1表の水添ジエン系重合体bを得た。
〔水添ジエン系重合体c〕
内容積5のオートクレーブに、脱気・脱水したシク
ロヘキサン2,500g、1,3−ブタジエン350gを仕込んだの
ち、n−ブチルリチウム0.5gを加えて、重合温度が50℃
の等温重合を行った。重合転化率が31%になったのち、
テトラヒドロフラン12.5gを添加し、50℃から80℃の昇
温重合を行った。重合転化率がほぼ100%となったの
ち、スチレン150gを加え、15分間重合を行い、ジエン系
重合体を得た。
次いで、前記の水添ジエン系重合体aと同様の方法
で、水素添加を行い、水添ジエン系重合体cを得た。分
子特性を第1表に示す。
ゴム強化樹脂の製造 〔ゴム強化樹脂A−1〕 リボン型撹拌翼を備えた内容積10のステンレス製オ
ートクレーブに、あらかじめ均一溶液にしたベースゴム
として第1表に示す水添ジエン系重合体aを30部、スチ
レン52部、トルエン120部およびt−ドデシルメルカプ
タン0.1部の混合液を仕込み、撹拌しながら昇温し、50
℃にてアクリロニトリル18部、ベンゾイルパーオキサイ
ド0.5部、ジクミルパーオキサイド0.1部を添加し、さら
に昇温し80℃に達したのちは、80℃一定に制御しながら
撹拌回転数100rpmにて重合反応を行った。
反応開始後、6時間目から1時間要して120℃まで昇
温し、さらに2時間反応を行って重合を終了した。重合
転化率は、97%であった。
これを100℃まで冷却したのち、2,2′−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)0.2部を添
加したのち、反応混合物をオートクレーブより抜き出
し、水蒸気蒸留により未反応単量体と溶媒を留去し、細
かく粉砕したのち、40mmφベント付き押し出し機(220
℃、700mgHg真空)にて実質的に揮発分を留去するとと
もに、重合体をペレット化し、ゴム強化樹脂A−1を得
た。
〔ゴム強化樹脂A−2〜4〕 第2表に示す成分を用いる以外は、ゴム強化樹脂A−
1の製造と同様の方法でゴム強化樹脂A−2〜4を得
た。
積層物の成形方法 表層が厚み0.1mmの第2表に示すゴム強化樹脂(A)
と、下層が厚み1.9mmの第3表に示す熱可塑性樹脂
(B)からなる、全シート厚み2.0mmの積層シートを、
下記押し出し条件で作製した。
すなわち、スクリュー径50mmの押し出し機とスクリュ
ー径30mmタテ型押し出し機を用い、Tダイ、ポリシング
ロールおよび引き取り装置を使用し、シート押し出しを
行った。
ここで、スクリュー径30mmφ押し出し機にはゴム強化
樹脂(A)を、またスクリュー径50mmφ押し出し機には
熱可塑性樹脂(B)を供給した。
押し出し条件は、ゴム強化樹脂(A)と熱可塑性樹脂
(B)に適した条件を選んで実施した。
なお、ゴム強化樹脂(A)は、着色剤として群青を該
樹脂(A)に対して2%配合した着色ペレットを用い
た。
第2表で得られたゴム強化樹脂(A)と、熱可塑性樹
脂(B)の積層物を、第3表に示す。
なお、比較例1〜5は、実施例に用いた熱可塑性樹脂
(B)に着色剤として群青を2%配合したペレットを用
い、スクリュー径50mmφ押し出し機でシート厚み2.0mm
の単層シートを得た例である。
第3表の評価結果から明らかなように、実施例1〜5
に示した本発明の積層物(積層シート)は、ゴム強化樹
脂を用いることにより、耐候性、耐衝撃性、着色性およ
び塗装性に優れたシートが得られていることが分かる。
これに対し、比較例1では、分子主鎖が不飽和なゴム
状重合体を使用していることにより耐候性が著しく劣っ
ていることが分かる。
比較例2では、耐候性が劣り、深みのない着色性にな
っている。
比較例3は、耐候性が劣り、塗装性がほとんどないこ
とが分かる。
比較例4〜5は、耐候性に劣っていることが分かる。
〔発明の効果〕 本発明の積層物は、ゴム成分として水添ジエン系重合
体を用いたゴム強化樹脂を用いることにより、耐候性、
耐衝撃性、着色性および塗装性に極めて優れている。
このため、本発明の積層物は、自動車部品、家電製
品、建築資材あるいは各種工業部品用として有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−87551(JP,A) 特開 昭63−249648(JP,A) 特開 昭63−183844(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ビニル化合物0〜60重量%と共役ジ
    エン100〜40重量%とからなるジエン系重合体を水素添
    加した水添ジエン系重合体(I)5〜70重量%の存在下
    に、ラジカル重合可能な単量体成分(II)95〜39重量%
    〔ただし、(I)+(II)=100重量%〕をグラフト共
    重合させた、グラフト率20〜90%、メチルエチルケトン
    可溶分の固有粘度〔η〕(30℃測定)0.22〜1.5dl/gの
    ゴム強化樹脂(A)と、他の熱可塑性樹脂(B)とを、
    積層してなる積層物。
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