JP2946370B2 - パルス幅変調インバータの制御装置 - Google Patents
パルス幅変調インバータの制御装置Info
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- JP2946370B2 JP2946370B2 JP4120411A JP12041192A JP2946370B2 JP 2946370 B2 JP2946370 B2 JP 2946370B2 JP 4120411 A JP4120411 A JP 4120411A JP 12041192 A JP12041192 A JP 12041192A JP 2946370 B2 JP2946370 B2 JP 2946370B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、パルス幅変調インバ
ータの制御装置、特に交流電動機の可変速駆動に使用さ
れるパルス幅変調インバータの出力電圧歪の発生の防止
に関するものである。
ータの制御装置、特に交流電動機の可変速駆動に使用さ
れるパルス幅変調インバータの出力電圧歪の発生の防止
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パルス幅変調インバータにおいては、各
相の正側及び負側即ち、上下アームのスイッチング素子
のいずれか一方がオンとなるように動作して出力電圧を
制御している。しかしながら、スイッチング素子にはタ
ーンオフ時間の遅れがあり、実際のインバータでは上下
アームの短絡事故防止という観点からオン信号の立ち上
がり部分を一定期間(以下、短絡防止時間、Tdと称す
る)だけ遅らせる方法がとられている。この短絡防止時
間により、インバータの出力電圧に歪を生じ、交流電動
機の駆動時においては、不安定現象、トルク脈動、磁気
騒音の増加、電動機出力の減少などさまざまな問題点を
生じる。
相の正側及び負側即ち、上下アームのスイッチング素子
のいずれか一方がオンとなるように動作して出力電圧を
制御している。しかしながら、スイッチング素子にはタ
ーンオフ時間の遅れがあり、実際のインバータでは上下
アームの短絡事故防止という観点からオン信号の立ち上
がり部分を一定期間(以下、短絡防止時間、Tdと称す
る)だけ遅らせる方法がとられている。この短絡防止時
間により、インバータの出力電圧に歪を生じ、交流電動
機の駆動時においては、不安定現象、トルク脈動、磁気
騒音の増加、電動機出力の減少などさまざまな問題点を
生じる。
【0003】ここで、短絡防止時間に基づく出力電圧誤
差について説明する。図5にインバータの一相分につい
て示す。いま、三角波比較方式によるパルス幅変調制御
を行うとすると、この時の出力電圧Vuは、Td=0の
場合には図6(a)のようになる。次に、Tdを設けた
場合を考える。上アーム主スイッチング素子Tu- →下
アーム主スイッチング素子Tu+ の転流時にTu- がオ
フすると、iu<0であれば直ちに上アーム還流ダイオ
ードDu+ がオンするので、Vuの波形はTd=0の場
合と変わりない。しかし、iu>0の時はTu+ が設定
されたTdだけ遅れてオンするまで下アーム還流ダイオ
ードDu- がオンとなるため出力電圧に誤差を生じる。
差について説明する。図5にインバータの一相分につい
て示す。いま、三角波比較方式によるパルス幅変調制御
を行うとすると、この時の出力電圧Vuは、Td=0の
場合には図6(a)のようになる。次に、Tdを設けた
場合を考える。上アーム主スイッチング素子Tu- →下
アーム主スイッチング素子Tu+ の転流時にTu- がオ
フすると、iu<0であれば直ちに上アーム還流ダイオ
ードDu+ がオンするので、Vuの波形はTd=0の場
合と変わりない。しかし、iu>0の時はTu+ が設定
されたTdだけ遅れてオンするまで下アーム還流ダイオ
ードDu- がオンとなるため出力電圧に誤差を生じる。
【0004】一方、Tu+ →Tu- の転流時には、iu
<0の場合に同様の誤差を発生する。
<0の場合に同様の誤差を発生する。
【0005】このようなTdに基づく誤差電圧を図示す
ると、図6(c)のようになる。ここで、誤差電圧の振
幅は±Vdc(直流母線電圧)、幅はTdであり、三角
波キャリア1サイクル当り1回の割合で発生する。
ると、図6(c)のようになる。ここで、誤差電圧の振
幅は±Vdc(直流母線電圧)、幅はTdであり、三角
波キャリア1サイクル当り1回の割合で発生する。
【0006】したがって、交流電動機への影響を見る
と、図6(c)に破線で示すように、振幅がTd*fc
*Vdc(ここで、fcは三角波キャリアのキャリア周
波数)の方形波が誤差電圧の形で電動機に加わることに
なる。実際のインバータ出力電圧の時間平均は図6
(d)のようにTd=0の場合は元の出力電圧指令に一
致した破線となり、Tdを設定した場合には実線で示す
ような歪波形となる。
と、図6(c)に破線で示すように、振幅がTd*fc
*Vdc(ここで、fcは三角波キャリアのキャリア周
波数)の方形波が誤差電圧の形で電動機に加わることに
なる。実際のインバータ出力電圧の時間平均は図6
(d)のようにTd=0の場合は元の出力電圧指令に一
致した破線となり、Tdを設定した場合には実線で示す
ような歪波形となる。
【0007】この短絡防止時間による出力電圧歪を補償
するものとして、図4に示す如く特開昭60−1391
95号公報に示されたものがある。
するものとして、図4に示す如く特開昭60−1391
95号公報に示されたものがある。
【0008】この図4の従来のパルス幅変調インバータ
の制御装置において、1は交流電動機、2はインバータ
出力電流を検出するための電流検出器、3はトランジス
タ等のスイッチング素子あるいはダイオードなどで構成
されるパルス幅変調インバータ、4はインバータ出力電
圧の指令信号を出力するインバータ出力電圧指令回路、
5はパルス幅変調のための搬送波信号を発生する搬送波
信号発生器、6はスイッチング素子を駆動するためのス
イッチング素子駆動回路、7は加算器11からの信号と
搬送波信号発生器5からの信号とを比較し、インバータ
の各相のオン、オフ信号を作成する比較器、8は電流検
出器の出力に応じた信号を出力する電流極性検出器であ
る。
の制御装置において、1は交流電動機、2はインバータ
出力電流を検出するための電流検出器、3はトランジス
タ等のスイッチング素子あるいはダイオードなどで構成
されるパルス幅変調インバータ、4はインバータ出力電
圧の指令信号を出力するインバータ出力電圧指令回路、
5はパルス幅変調のための搬送波信号を発生する搬送波
信号発生器、6はスイッチング素子を駆動するためのス
イッチング素子駆動回路、7は加算器11からの信号と
搬送波信号発生器5からの信号とを比較し、インバータ
の各相のオン、オフ信号を作成する比較器、8は電流検
出器の出力に応じた信号を出力する電流極性検出器であ
る。
【0009】次に、図4の動作について説明する。電流
極性検出器8から、電流検出器2で検出したインバータ
出力電流の極性に応じた上下アームの短絡防止時間を有
するオン、オフ信号のパルス幅の減少分を補正する信号
が出力される。この信号は、インバータ出力電圧指令回
路4から出力された正弦波信号と加算器11によって加
算され、さらに比較器7によって搬送波信号発生器5か
ら出力された信号と比較される。ここで、電流極性検出
器8の出力はインバータ出力電流の極性と同極性とな
り、その大きさはTd*fc*Vdcとなる。つまり、
図7(b)に示すように出力電圧誤差を打ち消すような
信号となり、実際の出力電圧は元の出力電圧指令に一致
する。
極性検出器8から、電流検出器2で検出したインバータ
出力電流の極性に応じた上下アームの短絡防止時間を有
するオン、オフ信号のパルス幅の減少分を補正する信号
が出力される。この信号は、インバータ出力電圧指令回
路4から出力された正弦波信号と加算器11によって加
算され、さらに比較器7によって搬送波信号発生器5か
ら出力された信号と比較される。ここで、電流極性検出
器8の出力はインバータ出力電流の極性と同極性とな
り、その大きさはTd*fc*Vdcとなる。つまり、
図7(b)に示すように出力電圧誤差を打ち消すような
信号となり、実際の出力電圧は元の出力電圧指令に一致
する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の図4に
示す従来のパルス幅変調インバータの制御装置では電圧
飽和領域付近に対する処理が考えられておらず、電圧飽
和領域付近では短絡防止時間による出力電圧歪を補償で
きないという問題点があった。
示す従来のパルス幅変調インバータの制御装置では電圧
飽和領域付近に対する処理が考えられておらず、電圧飽
和領域付近では短絡防止時間による出力電圧歪を補償で
きないという問題点があった。
【0011】つまり、図8に示すように、出力電圧指令
の振幅が大きくなり、加算器11の出力が搬送波の振幅
を越えた場合、主スイッチング素子が搬送波1周期を越
えて導通状態となり、出力電圧指令及び電流が正の領域
では図8(b)のAで示す分だけ実際の電圧が元の指令
に対して大きく出力されてしまう。また、出力電圧指令
及び電流が負の領域では図8(b)のBで示す分だけ実
際の電圧が元の指令に対して負の方向に大きく出力され
てしまう。これにより、実際の出力電圧は図8(c)に
示すように歪んだ波形となってしまう。
の振幅が大きくなり、加算器11の出力が搬送波の振幅
を越えた場合、主スイッチング素子が搬送波1周期を越
えて導通状態となり、出力電圧指令及び電流が正の領域
では図8(b)のAで示す分だけ実際の電圧が元の指令
に対して大きく出力されてしまう。また、出力電圧指令
及び電流が負の領域では図8(b)のBで示す分だけ実
際の電圧が元の指令に対して負の方向に大きく出力され
てしまう。これにより、実際の出力電圧は図8(c)に
示すように歪んだ波形となってしまう。
【0012】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、交流電動機の可変速駆動に使用
されるパルス幅変調インバータにおいて、電圧飽和領域
付近においても短絡防止時間による出力電圧歪の発生を
防止することができるパルス幅変調インバータの制御装
置を得ることを目的とする。
ためになされたもので、交流電動機の可変速駆動に使用
されるパルス幅変調インバータにおいて、電圧飽和領域
付近においても短絡防止時間による出力電圧歪の発生を
防止することができるパルス幅変調インバータの制御装
置を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に係るパルス幅
変調インバータの制御装置はパルス幅変調インバータの
出力電流を検出する電流検出器と、電流検出器の検出し
た出力電流の極性に応じた上下アームのオン、オフ信号
の減少分を補正する信号を出力する電流極性検出器と、
搬送波発生器から出力された搬送波信号の振幅を検出す
る搬送波振幅検出器と、上記電流極性検出器の出力信号
と上記指令信号との加算値から補償信号を減算して上記
比較器に出力する出力電圧補正回路とを備え、上記補償
信号は、上記減算値と上記搬送波振幅検出器から出力さ
れた搬送波信号の振幅を比較し、上記減算値が搬送波信
号の振幅を越えた場合にその振幅と上記指令信号との差
を少なくとも搬送波周期以上の期間において蓄積し、そ
れに応じた補償信号として生成するようにしたものであ
る。
変調インバータの制御装置はパルス幅変調インバータの
出力電流を検出する電流検出器と、電流検出器の検出し
た出力電流の極性に応じた上下アームのオン、オフ信号
の減少分を補正する信号を出力する電流極性検出器と、
搬送波発生器から出力された搬送波信号の振幅を検出す
る搬送波振幅検出器と、上記電流極性検出器の出力信号
と上記指令信号との加算値から補償信号を減算して上記
比較器に出力する出力電圧補正回路とを備え、上記補償
信号は、上記減算値と上記搬送波振幅検出器から出力さ
れた搬送波信号の振幅を比較し、上記減算値が搬送波信
号の振幅を越えた場合にその振幅と上記指令信号との差
を少なくとも搬送波周期以上の期間において蓄積し、そ
れに応じた補償信号として生成するようにしたものであ
る。
【0014】
【作用】この発明においては、電流検出器の検出した出
力電流の極性に応じた上下アームのオン、オフ信号の減
少分を補正する信号を出力する電流極性検出器と、電流
極性検出器の出力信号とインバータ出力電圧指令回路か
らの指令信号との加算値から補償信号を減算して比較器
に出力する出力電圧補正回路とを設け、上記補償信号
は、上記減算値と搬送波振幅検出器から出力された搬送
波信号の振幅を比較し、その減算値が搬送波信号の振幅
を越えた場合にその振幅と上記指令信号との差を少なく
とも搬送波周期以上の期間において蓄積し、それに応じ
た補償信号として生成するようにしたから、平均的に元
のインバータ出力電圧の指令値と実際の出力電圧が一致
し、電圧飽和領域付近においても出力電圧歪が補正され
る。
力電流の極性に応じた上下アームのオン、オフ信号の減
少分を補正する信号を出力する電流極性検出器と、電流
極性検出器の出力信号とインバータ出力電圧指令回路か
らの指令信号との加算値から補償信号を減算して比較器
に出力する出力電圧補正回路とを設け、上記補償信号
は、上記減算値と搬送波振幅検出器から出力された搬送
波信号の振幅を比較し、その減算値が搬送波信号の振幅
を越えた場合にその振幅と上記指令信号との差を少なく
とも搬送波周期以上の期間において蓄積し、それに応じ
た補償信号として生成するようにしたから、平均的に元
のインバータ出力電圧の指令値と実際の出力電圧が一致
し、電圧飽和領域付近においても出力電圧歪が補正され
る。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面とともに説明
する。
する。
【0016】図1はこの発明の一実施例の全体構成を示
すブロック図である。図1において、1は交流電動機、
2はインバータ出力電流を検出するための電流検出器、
3はトランジスタ等のスイッチング素子あるいはダイオ
ードなどで構成されるパルス幅変調インバータ、4はイ
ンバータ出力電圧の指令信号を出力するインバータ出力
電圧指令回路、5はパルス幅変調のための搬送波信号を
発生する搬送波信号発生器、6はスイッチング素子を駆
動するためのスイッチング素子駆動回路、7は出力電圧
補正回路10からの信号と搬送波信号発生器5からの信
号とを比較し、インバータの各相の短絡防止時間を有す
るオン、オフ信号を作成する比較器、8は電流検出器の
出力に応じた信号を出力する電流極性検出器、9は搬送
波信号の振幅を検出する搬送波振幅検出器であり、従来
例と同一符号は同じものを示す。
すブロック図である。図1において、1は交流電動機、
2はインバータ出力電流を検出するための電流検出器、
3はトランジスタ等のスイッチング素子あるいはダイオ
ードなどで構成されるパルス幅変調インバータ、4はイ
ンバータ出力電圧の指令信号を出力するインバータ出力
電圧指令回路、5はパルス幅変調のための搬送波信号を
発生する搬送波信号発生器、6はスイッチング素子を駆
動するためのスイッチング素子駆動回路、7は出力電圧
補正回路10からの信号と搬送波信号発生器5からの信
号とを比較し、インバータの各相の短絡防止時間を有す
るオン、オフ信号を作成する比較器、8は電流検出器の
出力に応じた信号を出力する電流極性検出器、9は搬送
波信号の振幅を検出する搬送波振幅検出器であり、従来
例と同一符号は同じものを示す。
【0017】図2は、上述した出力電圧補正回路10の
詳細な構成を示すブロック図である。図2において、出
力電圧補正回路10は、インバータ出力電圧指令回路4
に接続された入力端子101と、電流極性検出器8に接
続された入力端子102と、搬送波振幅検出器9に接続
された入力端子103と、搬送波信号発生器5に接続さ
れた入力端子120と、加算器104と、減算器105
〜108と、比較器109と、入力信号切換器110
と、積分器111と、サンプルホールド回路121と、
比較器7に接続された出力端子112とから構成されて
いる。
詳細な構成を示すブロック図である。図2において、出
力電圧補正回路10は、インバータ出力電圧指令回路4
に接続された入力端子101と、電流極性検出器8に接
続された入力端子102と、搬送波振幅検出器9に接続
された入力端子103と、搬送波信号発生器5に接続さ
れた入力端子120と、加算器104と、減算器105
〜108と、比較器109と、入力信号切換器110
と、積分器111と、サンプルホールド回路121と、
比較器7に接続された出力端子112とから構成されて
いる。
【0018】ここで、実施例の動作の説明に移る前に、
この発明による電圧飽和領域付近での出力電圧歪の補正
原理について説明しておく。図3の(a)〜(e)は、
この発明の動作原理を説明するため、出力電圧補正回路
10の各部波形を示した図で、電圧飽和付近のみ拡大し
て示している。図3のイの領域では、図3の(a)に示
すように相電流が正の場合、元の出力電圧指令に対して
Td:fc*Vdcだけ補正電圧が加算されて出力され
る。しかし、短絡防止時間により実際の出力電圧はTd
*fc*Vdcだけ小さくなるため、結果としてもとの
出力電圧指令と一致する。ここのイの領域における動作
は従来例と同一である。
この発明による電圧飽和領域付近での出力電圧歪の補正
原理について説明しておく。図3の(a)〜(e)は、
この発明の動作原理を説明するため、出力電圧補正回路
10の各部波形を示した図で、電圧飽和付近のみ拡大し
て示している。図3のイの領域では、図3の(a)に示
すように相電流が正の場合、元の出力電圧指令に対して
Td:fc*Vdcだけ補正電圧が加算されて出力され
る。しかし、短絡防止時間により実際の出力電圧はTd
*fc*Vdcだけ小さくなるため、結果としてもとの
出力電圧指令と一致する。ここのイの領域における動作
は従来例と同一である。
【0019】次に、図3の領域ロにおいては、元の出力
電圧指令に対してTd*fc*Vdcだけ補正電圧を加
算すると、その結果は搬送波の振幅を越える。この場
合、主スイッチング素子が搬送波1周期を越えて導通状
態となり、短絡防止時間による出力電圧の減少がなくな
り搬送波の振幅に相当する電圧が出力されてしまう。つ
まり、搬送波の振幅からTd*fc*Vdcの範囲の電
圧は出力不可能である。そこで、この発明ではこの誤差
分を積分器で保持しておき、つぎの搬送波周期で補正を
行なう。つまり、図3の(b)に示すように、aはa′
で、bはb′で、cはc′で補正する。さらに、dは次
の搬送波周期で補正を行おうとしても、その結果として
補正された出力電圧指令が搬送波の振幅を越えてしまう
ため、積分器に蓄積されたままとなり、つぎのeと併せ
てe′で補正される。同様にして、f〜iまでの誤差電
圧がi′で補正される。また、元の出力電圧指令が負方
向に大きくなり、搬送波の振幅を越えた場合も同一原理
で補正される。なお、図3の(c)〜(e)に示す出力
電圧補正回路10の各部と波形の関係は以下の通りであ
る。図3の(c)に示した出力電圧補正回路10の出力
である減算器108の出力は、(a)、(c)に示す加
算器104の出力から、(e)に示す積分器111の出
力の保持結果であるサンプルホールド回路121の出力
が減算された値である。加算器104の出力は、
(a)、又は(c)に示すように入力端子101の出力
である元の出力電圧指令に対して、入力端子102の補
正信号の出力が加算された値である。減算器106の出
力は、(d)に示すように搬送波の振幅値である入力端
子103の出力から元の出力電圧指令である入力端子1
01の出力が減算された値である。減算器105の出力
は、(c)に示すように減算器108の出力から、入力
端子102の補正信号の出力が減算された値である。減
算器107の出力は、(d)に示すように減算器105
の出力から元の出力電圧指令である入力端子101の出
力が減算された値である。比較器109の出力は、
(e)に示すように減算器108の出力と入力端子10
3の出力である搬送波の振幅を比較し、減算器108の
出力が入力端子103の出力以上の場合には減算器10
6の出力を、減算器108の出力が入力端子103の出
力未満の場合には、減算器107の出力を入力信号切換
器110から出力するように動作する。図3の(e)で
示した入力信号切換器110の出力は積分器111の入
力となり、その結果が搬送波周期において保持されてサ
ンプルホールド回路121の出力となる。
電圧指令に対してTd*fc*Vdcだけ補正電圧を加
算すると、その結果は搬送波の振幅を越える。この場
合、主スイッチング素子が搬送波1周期を越えて導通状
態となり、短絡防止時間による出力電圧の減少がなくな
り搬送波の振幅に相当する電圧が出力されてしまう。つ
まり、搬送波の振幅からTd*fc*Vdcの範囲の電
圧は出力不可能である。そこで、この発明ではこの誤差
分を積分器で保持しておき、つぎの搬送波周期で補正を
行なう。つまり、図3の(b)に示すように、aはa′
で、bはb′で、cはc′で補正する。さらに、dは次
の搬送波周期で補正を行おうとしても、その結果として
補正された出力電圧指令が搬送波の振幅を越えてしまう
ため、積分器に蓄積されたままとなり、つぎのeと併せ
てe′で補正される。同様にして、f〜iまでの誤差電
圧がi′で補正される。また、元の出力電圧指令が負方
向に大きくなり、搬送波の振幅を越えた場合も同一原理
で補正される。なお、図3の(c)〜(e)に示す出力
電圧補正回路10の各部と波形の関係は以下の通りであ
る。図3の(c)に示した出力電圧補正回路10の出力
である減算器108の出力は、(a)、(c)に示す加
算器104の出力から、(e)に示す積分器111の出
力の保持結果であるサンプルホールド回路121の出力
が減算された値である。加算器104の出力は、
(a)、又は(c)に示すように入力端子101の出力
である元の出力電圧指令に対して、入力端子102の補
正信号の出力が加算された値である。減算器106の出
力は、(d)に示すように搬送波の振幅値である入力端
子103の出力から元の出力電圧指令である入力端子1
01の出力が減算された値である。減算器105の出力
は、(c)に示すように減算器108の出力から、入力
端子102の補正信号の出力が減算された値である。減
算器107の出力は、(d)に示すように減算器105
の出力から元の出力電圧指令である入力端子101の出
力が減算された値である。比較器109の出力は、
(e)に示すように減算器108の出力と入力端子10
3の出力である搬送波の振幅を比較し、減算器108の
出力が入力端子103の出力以上の場合には減算器10
6の出力を、減算器108の出力が入力端子103の出
力未満の場合には、減算器107の出力を入力信号切換
器110から出力するように動作する。図3の(e)で
示した入力信号切換器110の出力は積分器111の入
力となり、その結果が搬送波周期において保持されてサ
ンプルホールド回路121の出力となる。
【0020】このようにして、この発明においては、イ
ンバータ出力電流の極性に応じた信号と出力電圧指令と
の和が搬送波の振幅を越えた場合、搬送波の振幅から元
の出力電圧指令を減算してその結果を蓄積していき、蓄
積した値を出力電圧指令から減算するようにして、平均
的に元の出力電圧指令と実際の出力電圧が一致するよう
にし、電圧飽和領域付近においても出力電圧歪を補正す
ることができる。
ンバータ出力電流の極性に応じた信号と出力電圧指令と
の和が搬送波の振幅を越えた場合、搬送波の振幅から元
の出力電圧指令を減算してその結果を蓄積していき、蓄
積した値を出力電圧指令から減算するようにして、平均
的に元の出力電圧指令と実際の出力電圧が一致するよう
にし、電圧飽和領域付近においても出力電圧歪を補正す
ることができる。
【0021】次に、上述した一実施例の動作について説
明する。電流極性検出器8から、電流検出器2で検出し
たインバータ出力電流の極性に応じた上下アームの短絡
防止時間を有するオン、オフ信号のパルス幅の減少分を
補正する信号が出力され、この信号は、出力電圧補正回
路10の入力となる。ここで、電流極性検出器8の出力
はインバータ出力電流の極性と同極性となり、その大き
さはTd*fc*Vdcとなる。また、搬送波信号発生
器5から出力された信号の振幅が、搬送波振幅検出器9
により検出されて出力電圧補正回路10に入力される。
明する。電流極性検出器8から、電流検出器2で検出し
たインバータ出力電流の極性に応じた上下アームの短絡
防止時間を有するオン、オフ信号のパルス幅の減少分を
補正する信号が出力され、この信号は、出力電圧補正回
路10の入力となる。ここで、電流極性検出器8の出力
はインバータ出力電流の極性と同極性となり、その大き
さはTd*fc*Vdcとなる。また、搬送波信号発生
器5から出力された信号の振幅が、搬送波振幅検出器9
により検出されて出力電圧補正回路10に入力される。
【0022】出力電圧補正回路10では、加算器104
により、入力端子101から入力されたインバータ出力
電圧指令回路4から出力された指令信号と、入力端子1
02から入力された電流極性検出器8から出力された補
正信号とが加算される。さらに、加算器104の加算値
である出力信号は減算器108により、サンプルホール
ド回路121の出力信号を減算されて出力端子112か
ら出力される。また、減算器105により、減算器10
8の出力から入力端子102の補正信号が減算される。
比較器109では、入力端子103を経由して入力され
た搬送波振幅検出器9の出力である搬送波の振幅と、減
算器108の出力が比較される。その結果、減算器10
8の出力が搬送波の振幅以上であれば、減算器106の
出力が、そうでなければ減算器107の出力が積分器1
11の入力となるように入力信号切換器110が動作す
る。ここで、減算器106では入力端子103から入力
された信号から入力端子101から入力された信号が減
算され、減算器107では減算器105の信号から入力
端子101から入力された信号が減算される。サンプル
ホールド回路121は、入力端子120から入力された
搬送波信号発生器5からの出力信号と積分器111の出
力を入力し、搬送波周期の期間積分器111の出力を保
持するように動作する。次に、出力電圧補正回路10の
動作を図3のイの領域とロの領域に分けて図3に基づい
て具体的に説明する。ところで、積分器111の初期値
はゼロとし、そのサンプルホールド結果であるサンプル
ホールド回路121の出力もゼロとする。この状態から
制御が開始されるが、サンプルホールド回路121の出
力がゼロのため、加算器104の出力は減算器108の
出力と等しくなる。まず、(イ)の領域において、比較
器109では減算器108と入力端子103の搬送波の
出力が比較される。減算器108の出力はサンプルホー
ルド回路121の出力がゼロのため、加算器104の出
力と等しくなり、入力端子103に入力された搬送波振
幅検出器9の搬送波の振幅よりも加算器104の出力が
小さい期間を(イ)の領域の期間としているため、入力
信号切換器110は減算器107の出力を積分器111
に入力するように動作する。減算器107の出力は、減
算器105の出力から入力端子101に入力されたイン
バータ出力電圧指令回路4の指令信号を減算したもので
あり、減算器105の出力は減算器108の出力、つま
り加算器104の出力(なぜならサンプルホールド回路
121の出力はゼロであるため)から入力端子102に
入力された電流極性検出器8の補正信号を減算したもの
であり、加算器104の出力は入力端子101の指令信
号に入力端子102の補正信号を加算したものであるた
め、結局ゼロになる。従って、(イ)の領域において
は、積分器111にはゼロが入力され、元々積分器11
1の初期値はゼロであるために、積分器111の出力は
ゼロが持続することになる。このため、サンプルホール
ド回路121の出力もゼロが保持され、(イ)の領域で
は加算器104の出力と減算器108の出力が等しく、
サンプルホールド回路121の出力がゼロであるという
状態が持続する。従って、減算器108は加算器104
の出力を出し続けることとなる。次に、(ロ)の領域に
移る。まず、図3の(b)に示す領域(a)の開始時点
は領域(イ)の終わりのタイミングであり、積分器11
1の出力はゼロとなっているので、サンプルホールド回
路121の出力はゼロになる。なお、サンプルホールド
回路121の出力は領域(a)の終了時点まで保持され
る。つまり、領域(a)ではサンプルホールド回路12
1の出力はゼロのため、減算器108の出力は加算器1
04の出力と等しくなる。また、領域(a)では、加算
器104の出力が入力端子103の出力である搬送波の
振幅よりも大きいため、結果として減算器108の出力
が入力端子103の搬送波の出力よりも大きくなり、入
力信号切換器110は減算器106の出力を積分器11
1に入力するように動作することになる。減算器106
の出力は入力端子103の搬送波の出力から入力端子1
01の指令信号の出力を減算したものであり、これは出
力端子112からの出力電圧指令が搬送波の振幅を越え
ることによりスイッチングしなくなり、実際の出力電圧
指令よりも多く出過ぎた分に相当する。これにより、積
分器111は減算器106の出力が積分されていくこと
になる。但し、サンプルホールド回路121の出力はゼ
ロが保持された状態である。次に、領域(a)が終了
し、(a’)が開始される。この領域(a’)の開始タ
イミング(領域(a)の終了タイミングと等価)におい
て、サンプルホールド回路121の出力はこの時に積分
器111が保持している値に切り替わる。この保持して
いる量は、領域(a)において蓄積された斜線の部分で
あり、実際の出力電圧が入力端子101の指令信号に対
して多く出過ぎた分に相当する。これにより、減算器1
08の出力は加算器104の出力からサンプルホールド
回路121の出力が減算された値となり、この値は図3
の(c)で示すように入力端子103の搬送波の振幅よ
りも小さくなるため、入力信号切換器110は減算器1
07の出力を積分器111に出力する。ここで、減算器
107の出力はサンプルホールド回路121の出力の符
号反転値であるため、減算器107の出力が積分器11
1で積分されることにより、積分値は再びゼロになる。
また、サンプルホールド回路121の出力は、領域
(a’)の開始時点での値が(a’)の終了時点まで保
持される。これにより、領域(a)で実際の出力電圧が
入力端子101の出力である元の指令信号よりも大きい
分だけ積分器111に蓄積していき、次の領域(a’)
で少なく出力されることによって平均的に補償されると
ともに、積分器111の値も領域(a’)でゼロまで減
少する。また、領域(b)と、(b’)、(c)と、
(c’)は全く同様の動作となる。さらに、領域(d)
は領域(a)と同様の動作となり、積分器111には多
く出過ぎた分に相当する電圧が蓄積される。次に、領域
(e)においては、領域(e)の開始時点で保持された
サンプルホールド回路121の出力が、入力端子101
と入力端子102の加算された出力である加算器104
の出力から減算されて減算器108の出力となり、この
値がまだ入力端子103の搬送波の振幅以上のため、入
力信号切換器110は減算器106からの入力を積分器
111に出力するように動作する。これにより、積分器
111の値はさらに蓄積されていく。次に、領域(e)
から(e’)に変わる。ここまでの動作と同様にして、
サンプルホールド回路121は領域(e’)の開始時点
での積分器111の出力を保持する。この値は、領域
(d)と領域(e)の両方で蓄積された値となるため、
領域(e)の開始時点よりもさらに大きくなっている。
従って、今回は減算器108の出力、つまり加算器10
4の出力からサンプルホールド回路121の出力を減算
したものは入力端子103の搬送波の出力以下となり、
実際の出力電圧は入力端子101の元の出力電圧の指令
信号から(e’)だけ小さくなる。これにより、領域
(d)と領域(e)の部分で出過ぎた電圧が領域
(e’)で平均的に補償される。なお、この領域
(e’)の期間においては、減算器108の出力は入力
端子103の搬送波の出力よりも小さいため、入力信号
切換器110はサンプルホールド回路121の符号反転
値である減算器107の出力を積分器111に出力する
ように動作し、領域(e)の期間において積分器111
の出力はゼロまで減少する。領域(f)〜(i)を
(i’)で補償する動作も、領域(d)、(e)を領域
(e’)で補償する動作と同様である。
により、入力端子101から入力されたインバータ出力
電圧指令回路4から出力された指令信号と、入力端子1
02から入力された電流極性検出器8から出力された補
正信号とが加算される。さらに、加算器104の加算値
である出力信号は減算器108により、サンプルホール
ド回路121の出力信号を減算されて出力端子112か
ら出力される。また、減算器105により、減算器10
8の出力から入力端子102の補正信号が減算される。
比較器109では、入力端子103を経由して入力され
た搬送波振幅検出器9の出力である搬送波の振幅と、減
算器108の出力が比較される。その結果、減算器10
8の出力が搬送波の振幅以上であれば、減算器106の
出力が、そうでなければ減算器107の出力が積分器1
11の入力となるように入力信号切換器110が動作す
る。ここで、減算器106では入力端子103から入力
された信号から入力端子101から入力された信号が減
算され、減算器107では減算器105の信号から入力
端子101から入力された信号が減算される。サンプル
ホールド回路121は、入力端子120から入力された
搬送波信号発生器5からの出力信号と積分器111の出
力を入力し、搬送波周期の期間積分器111の出力を保
持するように動作する。次に、出力電圧補正回路10の
動作を図3のイの領域とロの領域に分けて図3に基づい
て具体的に説明する。ところで、積分器111の初期値
はゼロとし、そのサンプルホールド結果であるサンプル
ホールド回路121の出力もゼロとする。この状態から
制御が開始されるが、サンプルホールド回路121の出
力がゼロのため、加算器104の出力は減算器108の
出力と等しくなる。まず、(イ)の領域において、比較
器109では減算器108と入力端子103の搬送波の
出力が比較される。減算器108の出力はサンプルホー
ルド回路121の出力がゼロのため、加算器104の出
力と等しくなり、入力端子103に入力された搬送波振
幅検出器9の搬送波の振幅よりも加算器104の出力が
小さい期間を(イ)の領域の期間としているため、入力
信号切換器110は減算器107の出力を積分器111
に入力するように動作する。減算器107の出力は、減
算器105の出力から入力端子101に入力されたイン
バータ出力電圧指令回路4の指令信号を減算したもので
あり、減算器105の出力は減算器108の出力、つま
り加算器104の出力(なぜならサンプルホールド回路
121の出力はゼロであるため)から入力端子102に
入力された電流極性検出器8の補正信号を減算したもの
であり、加算器104の出力は入力端子101の指令信
号に入力端子102の補正信号を加算したものであるた
め、結局ゼロになる。従って、(イ)の領域において
は、積分器111にはゼロが入力され、元々積分器11
1の初期値はゼロであるために、積分器111の出力は
ゼロが持続することになる。このため、サンプルホール
ド回路121の出力もゼロが保持され、(イ)の領域で
は加算器104の出力と減算器108の出力が等しく、
サンプルホールド回路121の出力がゼロであるという
状態が持続する。従って、減算器108は加算器104
の出力を出し続けることとなる。次に、(ロ)の領域に
移る。まず、図3の(b)に示す領域(a)の開始時点
は領域(イ)の終わりのタイミングであり、積分器11
1の出力はゼロとなっているので、サンプルホールド回
路121の出力はゼロになる。なお、サンプルホールド
回路121の出力は領域(a)の終了時点まで保持され
る。つまり、領域(a)ではサンプルホールド回路12
1の出力はゼロのため、減算器108の出力は加算器1
04の出力と等しくなる。また、領域(a)では、加算
器104の出力が入力端子103の出力である搬送波の
振幅よりも大きいため、結果として減算器108の出力
が入力端子103の搬送波の出力よりも大きくなり、入
力信号切換器110は減算器106の出力を積分器11
1に入力するように動作することになる。減算器106
の出力は入力端子103の搬送波の出力から入力端子1
01の指令信号の出力を減算したものであり、これは出
力端子112からの出力電圧指令が搬送波の振幅を越え
ることによりスイッチングしなくなり、実際の出力電圧
指令よりも多く出過ぎた分に相当する。これにより、積
分器111は減算器106の出力が積分されていくこと
になる。但し、サンプルホールド回路121の出力はゼ
ロが保持された状態である。次に、領域(a)が終了
し、(a’)が開始される。この領域(a’)の開始タ
イミング(領域(a)の終了タイミングと等価)におい
て、サンプルホールド回路121の出力はこの時に積分
器111が保持している値に切り替わる。この保持して
いる量は、領域(a)において蓄積された斜線の部分で
あり、実際の出力電圧が入力端子101の指令信号に対
して多く出過ぎた分に相当する。これにより、減算器1
08の出力は加算器104の出力からサンプルホールド
回路121の出力が減算された値となり、この値は図3
の(c)で示すように入力端子103の搬送波の振幅よ
りも小さくなるため、入力信号切換器110は減算器1
07の出力を積分器111に出力する。ここで、減算器
107の出力はサンプルホールド回路121の出力の符
号反転値であるため、減算器107の出力が積分器11
1で積分されることにより、積分値は再びゼロになる。
また、サンプルホールド回路121の出力は、領域
(a’)の開始時点での値が(a’)の終了時点まで保
持される。これにより、領域(a)で実際の出力電圧が
入力端子101の出力である元の指令信号よりも大きい
分だけ積分器111に蓄積していき、次の領域(a’)
で少なく出力されることによって平均的に補償されると
ともに、積分器111の値も領域(a’)でゼロまで減
少する。また、領域(b)と、(b’)、(c)と、
(c’)は全く同様の動作となる。さらに、領域(d)
は領域(a)と同様の動作となり、積分器111には多
く出過ぎた分に相当する電圧が蓄積される。次に、領域
(e)においては、領域(e)の開始時点で保持された
サンプルホールド回路121の出力が、入力端子101
と入力端子102の加算された出力である加算器104
の出力から減算されて減算器108の出力となり、この
値がまだ入力端子103の搬送波の振幅以上のため、入
力信号切換器110は減算器106からの入力を積分器
111に出力するように動作する。これにより、積分器
111の値はさらに蓄積されていく。次に、領域(e)
から(e’)に変わる。ここまでの動作と同様にして、
サンプルホールド回路121は領域(e’)の開始時点
での積分器111の出力を保持する。この値は、領域
(d)と領域(e)の両方で蓄積された値となるため、
領域(e)の開始時点よりもさらに大きくなっている。
従って、今回は減算器108の出力、つまり加算器10
4の出力からサンプルホールド回路121の出力を減算
したものは入力端子103の搬送波の出力以下となり、
実際の出力電圧は入力端子101の元の出力電圧の指令
信号から(e’)だけ小さくなる。これにより、領域
(d)と領域(e)の部分で出過ぎた電圧が領域
(e’)で平均的に補償される。なお、この領域
(e’)の期間においては、減算器108の出力は入力
端子103の搬送波の出力よりも小さいため、入力信号
切換器110はサンプルホールド回路121の符号反転
値である減算器107の出力を積分器111に出力する
ように動作し、領域(e)の期間において積分器111
の出力はゼロまで減少する。領域(f)〜(i)を
(i’)で補償する動作も、領域(d)、(e)を領域
(e’)で補償する動作と同様である。
【0023】なお、ここではハードウェアで構成した一
実施例を示したが、その動作の一部もしくは全体をマイ
クロコンピュータ等に取り込んでソフトウェアで同じ動
作をさせた場合においても同様の効果が現れることはい
うまでもない。また、上記実施例では、サンプルホール
ド回路121は搬送波周期の期間だけ積分器111の出
力を保持するように動作させたが、搬送波の周波数が高
い場合には複数の搬送波周期にわたって積分器111の
出力を保持するように動作させてもよい。
実施例を示したが、その動作の一部もしくは全体をマイ
クロコンピュータ等に取り込んでソフトウェアで同じ動
作をさせた場合においても同様の効果が現れることはい
うまでもない。また、上記実施例では、サンプルホール
ド回路121は搬送波周期の期間だけ積分器111の出
力を保持するように動作させたが、搬送波の周波数が高
い場合には複数の搬送波周期にわたって積分器111の
出力を保持するように動作させてもよい。
【0024】
【発明の効果】以上のようにして、この発明では、電流
検出器の検出した出力電流の極性に応じた上下アームの
オン、オフ信号の減少分を補正する信号を出力する電流
極性検出器と、電流極性検出器の出力信号とインバータ
出力電圧指令回路からの指令信号との加算値から補償信
号を減算して比較器に出力する出力電圧補正回路とを設
け、上記補償信号は、上記減算値と搬送波振幅検出器か
ら出力された搬送波信号の振幅を比較し、その減算値が
搬送波信号の振幅を越えた場合にその振幅と上記指令信
号との差を少なくとも搬送波周期以上の期間において蓄
積し、それに応じた補償信号として生成するようにした
ので、平均的に元のインバータ出力電圧の指令値と実際
の出力電圧が一致し、電圧飽和領域付近においても出力
電圧歪が補正できるという効果を奏する。
検出器の検出した出力電流の極性に応じた上下アームの
オン、オフ信号の減少分を補正する信号を出力する電流
極性検出器と、電流極性検出器の出力信号とインバータ
出力電圧指令回路からの指令信号との加算値から補償信
号を減算して比較器に出力する出力電圧補正回路とを設
け、上記補償信号は、上記減算値と搬送波振幅検出器か
ら出力された搬送波信号の振幅を比較し、その減算値が
搬送波信号の振幅を越えた場合にその振幅と上記指令信
号との差を少なくとも搬送波周期以上の期間において蓄
積し、それに応じた補償信号として生成するようにした
ので、平均的に元のインバータ出力電圧の指令値と実際
の出力電圧が一致し、電圧飽和領域付近においても出力
電圧歪が補正できるという効果を奏する。
【図1】この発明の一実施例の全体構成を示すブロック
図である。
図である。
【図2】同実施例の出力電圧補正回路を示すブロック図
である。
である。
【図3】この発明の動作原理を示す波形図である。
【図4】従来のパルス幅変調インバータの制御装置の構
成を示すブロック図である。
成を示すブロック図である。
【図5】短絡防止時間を説明するための回路図である。
【図6】短絡防止時間の出力電圧に対する影響を説明す
るための波形図である。
るための波形図である。
【図7】従来のパルス幅変調インバータの制御装置の動
作を説明するための波形図である。
作を説明するための波形図である。
【図8】同パルス幅変調インバータの制御装置の問題点
を説明するための波形図である。
を説明するための波形図である。
1 交流電動機 2 電流検出器 3 パルス幅変調インバータ 4 インバータ出力電圧指令回路 5 搬送波信号発生器 6 スイッチング素子駆動回路 7 比較器 8 電流極性検出器 9 搬送波振幅検出回路 10 出力電圧補正回路
Claims (1)
- 【請求項1】 上下アームの半導体スイッチング素子を
順次交互にオン・オフ動作させることにより直流を交流
に変換するパルス幅変調インバータと、搬送波信号を発
生する搬送波発生器と、インバータ出力電圧の指令信号
を出力するインバータ出力電圧指令回路と、上記搬送波
信号と上記指令信号を比較して上記半導体スイッチング
素子をオン・オフさせ、短絡防止時間を有するオン、オ
フ信号を作成する比較器とからなるパルス幅変調インバ
ータの制御装置において、 上記パルス幅変調インバータの出力電流を検出する電流
検出器と、上記電流検出器の検出した出力電流の極性に
応じた上下アームのオン、オフ信号の減少分を補正する
信号を出力する電流極性検出器と、上記搬送波発生器か
ら出力された搬送波信号の振幅を検出する搬送波振幅検
出器と、上記電流極性検出器の出力信号と上記指令信号
との加算値から補償信号を減算して上記比較器に出力す
る出力電圧補正回路とを備え、上記補償信号は、上記減
算値と上記搬送波振幅検出器から出力された搬送波信号
の振幅を比較し、上記減算値が搬送波信号の振幅を越え
た場合にその振幅と上記指令信号との差を少なくとも搬
送波周期以上の期間において蓄積し、それに応じた補償
信号として生成するようにしたことを特徴とするパルス
幅変調インバータの制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4120411A JP2946370B2 (ja) | 1992-05-13 | 1992-05-13 | パルス幅変調インバータの制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4120411A JP2946370B2 (ja) | 1992-05-13 | 1992-05-13 | パルス幅変調インバータの制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05316739A JPH05316739A (ja) | 1993-11-26 |
JP2946370B2 true JP2946370B2 (ja) | 1999-09-06 |
Family
ID=14785560
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4120411A Expired - Lifetime JP2946370B2 (ja) | 1992-05-13 | 1992-05-13 | パルス幅変調インバータの制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2946370B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020028158A (ja) * | 2018-08-10 | 2020-02-20 | 住友重機械工業株式会社 | 電力変換装置の制御装置 |
-
1992
- 1992-05-13 JP JP4120411A patent/JP2946370B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05316739A (ja) | 1993-11-26 |
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