JP2946262B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2946262B2
JP2946262B2 JP4284563A JP28456392A JP2946262B2 JP 2946262 B2 JP2946262 B2 JP 2946262B2 JP 4284563 A JP4284563 A JP 4284563A JP 28456392 A JP28456392 A JP 28456392A JP 2946262 B2 JP2946262 B2 JP 2946262B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体、特に記録
波長が1μm以下の高密度の塗布型磁気記録媒体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は録音用テープ、ビデオテ
ープ、コンピューターテープ、ディスクなどとして広く
用いられている。磁気記録媒体は年々高密度化され記録
波長が短くなっており、記録方式もアナログ方式からデ
ジタル方式まで検討されている。この高密度化の要求に
対して磁性層 に金属薄膜を用いた磁気記録媒体が提案
されているが、生産性、腐食等の実用信頼性の点で充分
ではなく、強磁性粉末を結合剤中に分散して支持体上に
塗布したいわゆる塗布型の磁気記録媒体の方が優れる。
しかしながら、金属薄膜に対して塗布型は磁性体の充填
度が低いために電磁変換特性が劣る。塗布型磁気記録媒
体としては強磁性酸化鉄、Co変性強磁性酸化鉄、Cr
2、強磁性合金粉末を結合剤中に分散した磁性層 を非
磁性支持体に塗設したものが広く用いられている。
【0003】これらの高密度塗布型磁気記録媒体の性能
向上の為に、磁性体として特に強磁性合金粉末を用いる
検討が鋭意行われてきている。磁性体の抗磁力(Hc)
は従来の8mmビデオでは1400〜1600Oeが最適
値があったが、近年、ヘッドの飽和磁束密度が1000
0ガウスを越えるようなものが見いだされてきており、
また、特開昭63−187418号公報のような手法で
磁性層を薄くすることによって約2100Oe程度までは
消去、オーバーライト適性上も問題なく、使用できるよ
うになった。このため、より高Hcの磁性体が望まれる
ようになってきている。
【0004】しかし、Hcを高くするためには形状異方
性が支配する合金針状磁性体の場合その長軸長を長くす
ることが有効であるが、長軸長を長くすると磁性体の粒
子サイズが大きくなり、ノイズが増加し短波長出力が低
下する。このため、磁性体の粒子サイズを微粒子に保ち
つつ、抗磁力を高くする必要がある。このためには、長
軸長を短く保ったまま、短軸長や結晶子サイス゛を小さくし
て、針状比をある一定の値にしなければならない。Hc
と針状比、長軸長、短軸長、結晶子サイス゛にはそれぞれに
最適な値が存在することになる。また、σsはある程度
高くなければ磁気記録媒体の磁化が不十分であり、短波
長出力を確保するためにも高ければ高いほど良いが、結
晶子サイス゛や減磁との兼ね合いで最適値がある。磁性体は
このように、単独ではHc、σsは高ければ高いほどよ
いし、長軸長、短軸長、結晶子サイス゛は短波長出力向上、
ノイズ低減のために小さければ小さいほど良いことにな
っているが、Hcと粒子サイズとは相反する関係にあ
り、N2ガスによるBET法比表面積も粒子サイズと密
接に関連するが、更にHcを高めるためには表面のポア
が少なくなければならずHcを高くするためにはむしろ
比表面積は粒子サイズに対してなるべく小さい方が良い
という、それぞれに微妙な最適点が存在する。
【0005】また、近年実用化が進んでいるデジタル記
録媒体において、連続する高密度の磁化反転においては
隣接する磁化反転の間に相互干渉が生じ、孤立反転波形
に対して出力ピーク値の低下とピーク位置のずれが生
じ、検出誤り(エラー)の原因となるため、記録密度の
向上を妨げている。これを解決して記録密度を向上させ
るためには孤立反転波形の半値幅を小さくして符合間の
干渉を小さくする必要がある。 このためには磁性層厚
みを薄くすること、Br/Hcを小さくすること、表面
粗さ低減が有効であることが分かっているが、これを具
体的にどのように達成するかについては未だ知られてい
なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は電磁変換特性
が良好な磁気記録媒体を提供することであり、特に記録
波長が1μm以下の短波長出力が高い磁気記録媒体を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】われわれは上述のような
磁性体とその磁気記録媒体を作る実験を通して、Hc、
σs、長軸長、短軸長、針状比、結晶子サイズ、比表面
積の微妙なバランスを探索した結果、非磁性可撓性支持
体上に磁性体を結合剤中に分散した磁性層を設けてなる
磁気記録媒体において、前記磁性体が紡錘型ゲータイト
から還元することにより得られるα−Feを主体とする
強磁性合金粉末であり、その粉末の抗磁力Hcが162
0Oe以上2100Oe(エルステッド)以下、飽和磁
化量σsが120〜160emu/g、N2 ガス吸着に
よる比表面積が48〜65m2 /g、長軸長0.08〜
0.21μm、短軸長10〜20mμ、針状比7〜11
で結晶子サイズが110〜170オングストロームであ
ることが、全ての磁気特性バランス上良好であることを
見いだした。
【0008】即ち本発明は上述の特定の範囲のバランス
によってきわめて優れた効果を発揮するものであり具体
的にはHcが2100Oeを越えると、磁気記録媒体の記
録特性や消去特性が劣化して満足な短波長出力が得られ
ない。Hcが1620Oe未満であると、短波長出力が低
下してしまい、十分な面積記録密度が得られない。飽和
磁化σsが120emu/g未満であると磁気記録媒体の飽和
磁化が不十分で、出力が低下し飽和磁化が150emu/g
を越えると減磁が著しく、また、短軸長、結晶子サイス゛が
大きくなりやすく、所望の微粒子化が果たせない。比表
面積が48m2/g未満であると、粒子サイズが大きくな
り、ノイズが増加し、短波長出力が低下し、比表面積が
60m2/gを越えると粒子サイズにもよるが、非常に微
粒子であるため分散が困難になり、かつ表面のポアが多
くなって所望のHcが得られない。長軸長が0.08μ
m未満であると、微粒子であるがための磁性体凝集が発
生し分散が困難になる。また、長軸長が0.08μm未
満で針状比が7未満であると形状異方性による 合金磁
性体では所望のHcを得ることが出来ない。短軸長も同
じく、10mμ未満になると超常磁性が支配的になり所
望のHcが得られないし、酸化皮膜の厚みが全体に占め
る割合が増加しσsが低下してしまう。結晶子サイス゛が1
10オンク゛ストローム未満では短軸長と同様、超常磁性が支配
する領域に近づき、所望のHcが得られない。長軸長が
0.21μmを越えると、粒子サイズが大きくなりノイ
ズ特性や短波長出力が低下する。短軸長、結晶子サイス゛が
それぞれ大きすぎると、長軸長との関係で、針状比が低
下し、所望のHcが得られない。以上のように、磁性体
特性のバランスを考えると非常に狭い範囲が好ましい範
囲であることを我々は実験的に見いだした。
【0009】本発明に使用する磁性体としては、紡錘型
ゲータイトから還元することにより得られるα−Feを
主体(Fe65重量%以上)とする強磁性合金粉末が使
用できる。前記α−Feが主成分であり、Niが10w
t%以下、Coが30wt%以下であることが好まし
い。これらの強磁性粉末には所定の原子以外にCa,A
l,Si,S,Sc,Ti,V,Cr,Cu,Y,M
o,Rh,Pd,Ag,Sn,Sb,Te,Ba,T
a,W,Re,Au,Hg,Pb,Bi,La,Ce,
Pr,Nd,P,Co,Mn,Zn,Ni,Sr,B,
Smなどの原子を含んでもかまわない。これらの強磁性
粉末にはあとで述べる分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯
電防止剤などで分散前にあらかじめ処理を行ってもかま
わない。具体的には、特公昭44−14090号公報、
特公昭45−18372号公報、特公昭47−2206
2号公報、特公昭47−22513号公報、特公昭46
−28466号公報、特公昭46−38755号公報、
特公昭47−4286号公報、特公昭47−12422
号公報、特公昭47−17284号公報、特公昭47−
18509号公報、特公昭47−18573号公報、特
公昭39−10307号公報、特公昭48−39639
号公報、米国特許3026215号明細書、同3031
341号明細書、同3100194号明細書、同324
2005号明細書、同3389014号明細書などに記
載されている。
【0010】上記磁性体の中で強磁性合金微粉末につい
ては少量の水酸化物、または酸化物を含んでもよい。強
磁性合金微粉末の公知の製造方法により得られたものを
用いることができ、下記の方法をあげることができる。
1,複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの
還元性気体で還元する方法、2,酸化鉄を水素などの還
元性気体で還元してFeあるいはFe−Co粒子などを
得る方法、3,金属カルボニル化合物を熱分解する方
法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次
亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して
還元する方法、4,金属を低圧の不活性気体中で蒸発さ
せて微粉末を得る方法などである。このようにして得ら
れた強磁性合金粉末は公知の徐酸化処理、すなわち有機
溶剤に侵漬したのち乾燥させる方法、5,特に紡錘型ゲ
ータイトを還元して得られる合金磁性粉末が好ましく、
これはpH5〜8の状態で第1鉄塩(例えばFeC
2)とNaOH、Na2CO3水溶液を反応させて、空
気を吹き込みつつ更に常温以上の温度で酸化を行う。次
いで、フィルタープレス等によりNaCl,NaOHを
除去した後、Zn,Al,Ni,Si,Co,Nd等に
よる表面処理剤、及び、公知の凝集剤、焼結防止剤(珪
酸塩、アルミニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム
塩)を加えて、アルカリ状態中で表面処理を行う。その
後オリバーフィルター等で真空濾過を行い、造粒、乾燥
して、還元を行う。還元は静置式還元炉でも流動層式還
元炉でもよい。還元温度は300〜500℃程度にコン
トロールした水素気流中で行う。その後、合金に酸化皮
膜を形成するために徐酸化を行うが、これは有機溶剤に
浸漬したのち酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜を
形成したのち乾燥させる方法、有機溶剤を用いず酸素ガ
スと不活性ガスの分圧を調整して表面に酸化皮膜を形成
する方法のいずれを施したものでも用いることができる
が、気相反応で行う方が均一な酸化皮膜が出来るので好
ましい。ここで紡錘型とは錘(つむ)に似た形、即ち円
柱形の両端の尖った形を言う。即ち円柱状の巻芯に糸を
中央に太く、両末端に細く巻いたような形を言う。この
ような紡錘型とすることにより顕著に充填度が向上し好
ましい。
【0011】本発明の磁性層の磁性体粒子をBET法に
よる比表面積で表せば48〜65m 2/gであり、好ま
しくは52〜59m2/gである。48m2/g未満ではノ
イズが高くなり、66m2/gより大では表面性が得にく
く好ましくない。本発明の磁性層の磁性体粒子の結晶子
サイス゛は100〜180オングストロ−ムであり、好まし
くは120〜170オングストロ−ムである。σsは1
20emu/g以上が好ましく、さらに好ましくは12
0emu/g〜160emu/gである。抗磁力は1600Oe以
上、2100Oe以下が好ましく、更に好ましくは170
0Oe以上2000Oe以下である。磁性体の針状比は5以
上15以下が好ましく、更に好ましくは7以上12以下
である。磁性粉末の角形比=σr/σsは0.45〜
0.55、好ましくは0.47〜0.52である。磁性
体の含水率は0.01〜2重量%とするのが好ましい。
結合剤の種類によって磁性体の含水率は最適化するのが
好ましい。嵩密度は0.2〜0.7g/mlが好ましく、
0.7g/ml以上にすると磁性体の圧密過程で酸化が進み
やすく、また、還元ガスの通過が不充分なので所望のH
c,σsを得ることが困難になる。嵩密度0.2g/ml以
下では分散が不十分になりやすい。
【0012】合金磁性体の発火点は磁性体の減磁を極力
抑える為には高い方が好ましいが、酸化皮膜の厚みによ
りσs低下の弊害を伴う。合金磁性体の発火点は概ね9
0℃以上であれば十分である。磁性体のpHは用いる結
合剤との組合せにより最適化することが好ましい。その
範囲は4〜12であるが、好ましくは6〜10である。
磁性体は必要に応じ、Al、Si、Pまたはこれらの酸
化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は磁
性体に対し0.1〜10重量%であり、特に好ましくは
アルミニウムが1〜5重量%、シリコンが3重量%以下
が好ましい。表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸
着が110mg/磁性体1g以下になり好ましい。特に
ステアリン酸の吸着量は80〜110mg/磁性体1gが好
ましい。磁性体には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、
Srなどの無機イオンを含む場合があるが200ppm
以下であれば特に特性に影響を与えない。200ppm
を越えると長期保存や高湿状態で保存したときに磁性層
表面に塩が析出してヘッド目詰まりや走行不良の原因に
なる。
【0013】また、本発明に用いられる磁性体は空孔が
少ないほうが好ましくその値は20容量%以下、さらに
好ましくは5容量%以下である。また形状については先
に示した粒子サイズについての特性を満足すれば針状、
棒状、紡錘状、米粒状、いずれでもかまわないが、特に
紡錘型が望ましい。この磁性体のSFD(Switch
ing Field Distribution)0.
6以下を達成するためには、磁性体のHcの分布、サイ
ズの分布を小さくする必要がある。
【0014】本発明に使用される結合剤としては従来公
知の熱可塑系樹脂、熱硬化系樹脂、反応型樹脂やこれら
の混合物が使用される。熱可塑系樹脂としては、ガラス
転移温度が−100〜150℃、数平均分子量が100
0〜200000、好ましくは10000〜10000
0、重合度が約50〜1000程度のものである。この
ような例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルア
ルコ−ル、マレイン酸、アクルリ酸、アクリル酸エステ
ル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル
酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エ
チレン、ビニルブチラ−ル、ビニルアセタ−ル、ビニル
エ−テル、等を構成単位として含む重合体または共重合
体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。また、
熱硬化性樹脂または反応型樹脂としてはフェノ−ル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹
脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコ−ン樹脂、エポキシ
−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネ−ト
プレポリマ−の混合物、ポリエステルポリオ−ルとポリ
イソシアネ−トの混合物、ポリウレタンとポリイソシア
ネートの混合物等があげられる。これらの樹脂について
は朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細
に記載されている。また、公知の電子線硬化型樹脂を上
層、または下層に使用することも可能である。これらの
例とその製造方法については特開昭62−256219
に詳細に記載されている。以上の樹脂は単独または組合
せて使用できるが、好ましいものとして塩化ビニル樹
脂、塩化ビニル酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル
ビニルアルコ−ル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレ
イン酸共重合体の中から選ばれる少なくとも1種とポリ
ウレタン樹脂の組合せ、またはこれらにポリイソシアネ
−トを組み合わせたものがあげられる。
【0015】ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポ
リウレタン、ポリエ−テルポリウレタン、ポリエ−テル
ポリエステルポリウレタン、ポリカ−ボネ−トポリウレ
タン、ポリエステルポリカ−ボネ−トポリウレタン、ポ
リカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用で
きる。ここに示したすべての結合剤について、より優れ
た分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、COO
M,SO3M、OSO3M、P=O(OM)2、 O−P
=O(OM)2、(以上につきMは水素原子、またはア
ルカリ金属塩基)、OH、NR2、N+3(Rは炭化水
素基)エポキシ基、SH、CN、などから選ばれる少な
くともひとつ以上の極性基を共重合または付加反応で導
入したものをを用いることが好ましい。このような極性
基の量は10 -1〜10-8モル/gであり、好ましくは10
-2〜10-6モル/gである。
【0016】本発明に用いられるこれらの結合剤の具体
的な例としてはユニオンカ−バイト社製 VAGH、V
YHH、VMCH、VAGF、VAGD,VROH,V
YES,VYNC,VMCC,XYHL,XYSG,P
KHH,PKHJ,PKHC,PKFE,日信化学工業
社製、MPR−TA、MPR−TA5,MPR−TA
L,MPR−TSN,MPR−TMF,MPR−TS、
MPR−TM、MPR−TAO、電気化学社製1000
W、DX80,DX81,DX82,DX83、100
FD、日本ゼオン社製MR−105、MR110、MR
−121,MR100、400X110A、日本ポリウ
レタン社製ニッポランN2301、N2302、N23
04、大日本インキ社製パンデックスT−5105、T
−R3080、T−5201、バ−ノックD−400、
D−210−80、クリスボン6109,7209,東
洋紡社製バイロンUR8200,UR8300、UR-860
0、UR-5500、UR-4300、RV530,RV280、大日
精化社製、ダイフェラミン4020,5020,510
0,5300,9020,9022,7020,三菱化
成社製、MX5004,三洋化成社製、サンプレンSP
−150,旭化成社製、サランF310,F210など
があげられる。
【0017】本発明の磁性層に用いられる結合剤は磁性
体に対し、5〜50wt%の範囲、好ましくは10〜3
0wt%の範囲で用いられる。塩化ビニル系樹脂を用い
る場合は5〜40wt%、ポリウレタン樹脂合を用いる
場合は2〜20wt%、ポリイソシアネ−トは2〜20
wt%の範囲でこれらを組み合わせて用いるのが好まし
い。本発明において、ポリウレタンを用いる場合はガラ
ス転移温度が−50〜100℃、破断伸びが100〜2
000%、破断応力は0.05〜10kg/cm2、降
伏点は0.05〜10kg/cm2が好ましい。本発明
の磁気記録媒体は二層以上の構成をとっても構わない。
従って、結合剤量、結合剤中に占める塩化ビニル系樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネ−ト、あるいは
それ以外の樹脂の量、磁性層を形成する各樹脂の分子
量、極性基量、あるいは先に述べた樹脂の物理特性など
を必要に応じ下層の非磁性層と上層の磁性層とで変える
ことはもちろん可能である。
【0018】本発明に用いるポリイソシアネ−トとして
は、トリレンジイソシアネ−ト、4−4’−ジフェニル
メタンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ
−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ナフチレン−1,
5−ジイソシアネ−ト、o−トルイジンジイソシアネ−
ト、イソホロンジイソシアネ−ト、トリフェニルメタン
トリイソシアネ−ト等のイソシアネ−ト類、また、これ
らのイソシアネ−ト類とポリアルコールとの生成物、ま
た、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソ
シアネ−ト等を使用することができる。これらのイソシ
アネート類の市販されている商品名としては、日本ポリ
ウレタン社製、コロネートL、コロネ−トHL,コロネ
−ト2030、コロネ−ト2031、ミリオネ−トMR
ミリオネ−トMTL、武田薬品社製、タケネ−トD−1
02,タケネ−トD−110N、タケネ−トD−20
0、タケネ−トD−202、住友バイエル社製、デスモ
ジュ−ルL,デスモジュ−ルIL、デスモジュ−ルNデ
スモジュ−ルHL,等がありこれらを単独または硬化反
応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合せで上
層、下層とも用いることができる。
【0019】本発明の磁性層に使用されるカ−ボンブラ
ックはゴム用ファ−ネス、ゴム用サ−マル、カラ−用ブ
ラック、アセチレンブラック、等を用いることができ
る。比表面積は5〜500m2/g、DBP吸油量は1
0〜400ml/100g、粒子径は5mμ〜300m
μ、pHは2〜10、含水率は0.1〜10重量%、タ
ップ密度は0.1〜1g/ml、が好ましい。本発明に
用いられるカ−ボンブラックの具体的な例としてはキャ
ボット社製、BLACKPEARLS 2000、13
00、1000、900、800,700、VULCA
N XC−72、旭カ−ボン社製、#80、#60,#
55、#50、#35、三菱化成工業社製、#2400
B、#2300、#900,#1000#30,#4
0、#10B、コンロンビアカ−ボン社製、CONDU
CTEX SC、RAVEN 150、50,40,1
5などがあげられる。カ−ボンブラックを分散剤などで
表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表
面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわ
ない。また、カ−ボンブラックを磁性塗料に添加する前
にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらの
カ−ボンブラックは単独、または組合せで使用すること
ができる。カ−ボンブラックを使用する場合は磁性体に
対する量の0.1〜30重量%で用いることが好まし
い。カ−ボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低
減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これら
は用いるカ−ボンブラックにより異なる。従って本発明
に使用されるこれらのカ−ボンブラックは上層、下層で
その種類、量、組合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電
導度、pHなどの先に示した諸特性をもとに目的に応じ
て使い分けることはもちろん可能である。例えば、下層
に導電性の高いカ−ボンブラックを用いることにより帯
電を防止し、磁性層に粒子径の大きいカ−ボンブラック
を用い摩擦係数を下げるなどがあげられる。本発明の磁
性層で使用できるカ−ボンブラックは例えば「カ−ボン
ブラック便覧」カ−ボンブラック協会編 を参考にする
ことができる。
【0020】本発明の磁性層に用いられる有機質粉末は
アクリルスチレン系樹脂粉末、ヘ゛ンソ゛ク゛アナミン樹脂粉末、メラミン系樹
脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ホ゜リオレフィン系樹
脂粉末、ホ゜リエステル系樹脂粉末、ホ゜リアミト゛系樹脂粉末、ホ゜リイ
ミト゛系樹脂粉末、ホ゜リフッ化エチレン樹脂が使用される。その製
法は特開昭62-18564号公報、特開昭60-255827号公報に
記されているようなものが使用できる。
【0021】本発明の磁性層に用いられる研磨剤として
はα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭
化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コ
ランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素チタ
ンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、
など主としてモ−ス硬度6以上の公知の材料が単独また
は組合せで使用される。また、これらの研磨剤どうしの
複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使
用してもよい。これらの研磨剤には主成分以外の化合物
または元素が含まれる場合もあるが主成分が90重量%
以上であれば効果にかわりはない。これら研磨剤の粒子
サイズは0.01〜2μmが好ましいが、必要に応じて
粒子サイズの異なる研磨剤を組み合わせたり、単独の研
磨剤でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせること
もできる。タップ密度は0.3〜2g/ml、含水率は
0.1〜5重量%、pHは2〜11、比表面積は1〜3
0m2/g、が好ましい。本発明に用いられる研磨剤の
形状は針状、球状、サイコロ状、のいずれでも良いが、
形状の一部に角を有するものが研磨性が高く好ましい。
【0022】本発明に用いられる研磨剤の具体的な例と
しては、住友化学社製、AKP−20、AKP−30、
AKP−50、HIT−50、Hit−55、Hit−
80G,HIT-100、日本化学工業社製、G5,G7,S
−1、戸田工業社製、TF−100,TF−140など
があげられる。本発明に用いられる研磨剤は上層、下層
で種類、量および組合せを変え、目的に応じて使い分け
ることはもちろん可能である。これらの研磨剤はあらか
じめ結合剤で分散処理したのち磁性塗料中に添加しても
かまわない。本発明の磁気記録媒体の磁性層表面および
磁性層端面に存在する研磨剤は5個/100μm2以上
が好ましい。
【0023】本発明に使用される、添加剤としては潤滑
効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果、などをもつ
ものが使用される。二硫化モリブデン、二硫化タングス
テングラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコ−
ンオイル、極性基をもつシリコ−ン、脂肪酸変性シリコ
−ン、フッ素含有シリコ−ン、フッ素含有アルコ−ル、
フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコ−
ル、アルキル燐酸エステルおよびそのアルカリ金属
塩、、アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属
塩、ポリフェニルエ−テル、フッ素含有アルキル硫酸エ
ステルおよびそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24の
一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐して
いてもかまわない)、および、これらの金属塩(Li、
Na、K、Cuなど)または、炭素数12〜22の一
価、二価、三価、四価、五価、六価アルコ−ル、(不飽
和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、
炭素数12〜22のアルコキシアルコ−ル、炭素数10
〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また
分岐していてもかまわない)と炭素数2〜12の一価、
二価、三価、四価、五価、六価アルコ−ルのいずれか一
つ(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわ
ない)とからなるモノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エ
ステルまたはトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド
重合物のモノアルキルエ−テルの脂肪酸エステル、炭素
数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族ア
ミン、などが使用できる。これらの具体例としてはラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノ−ル
酸、リノレン酸、エライジン酸、ステアリン酸オクチ
ル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、
ミリスチン酸オクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、
アンヒドロソルビタンモノステアレ−ト、アンヒドロソ
ルビタンジステアレ−ト 、アンヒドロソルビタントリ
ステアレ−ト、オレイルアルコ−ル、ラウリルアルコ−
ル、があげられる。また、アルキレンオキサイド系、グ
リセリン系、グリシド−ル系、アルキルフェノ−ルエチ
レンオキサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状
アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒ
ダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスル
ホニウム類、等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、
スルフォン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル
基、などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸
類、アミノスルホン酸類、アミノアルコ−ルの硫酸また
は燐酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面
活性剤等も使用できる。
【0024】これらの界面活性剤については、「界面活
性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載され
ている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも10
0%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副
反応物、分解物、酸化物 等の不純分がふくまれてもか
まわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さ
らに好ましくは10%以下である。本発明で使用される
これらの潤滑剤、界面活性剤は中間層、磁性層でその種
類、量を必要に応じ使い分けることができる。例えば、
中間層、磁性層で融点のことなる脂肪酸を用い表面への
にじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類
を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を
調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添
加量を中間層で多くして潤滑効果を向上させるなど考え
られ、無論ここに示した例のみに限られるものではな
い。
【0025】また本発明で用いられる添加剤のすべてま
たはその一部は、磁性塗料製造のどの工程で添加しても
かまわない、例えば、混練工程前に磁性体と混合する場
合、磁性体と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場
合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、
塗布直前に添加する場合などがある。本発明で使用され
るこれら潤滑剤の商品例としては、日本油脂社製、NA
A−102,NAA−415,NAA−312,NAA
−160,NAA−180,NAA−174,NAA−
175,NAA−222,NAA−34,NAA−3
5,NAA−171,NAA−122、NAA−14
2、NAA−160、NAA−173K,ヒマシ硬化脂
肪酸、NAA−42,NAA−44、カチオンSA、カ
チオンMA、カチオンAB,カチオンBB,ナイミ−ン
L−201,ナイミ−ンL−202,ナイミ−ンS−2
02,ノニオンE−208,ノニオンP−208,ノニ
オンS−207,ノニオンK−204,ノニオンNS−
202,ノニオンNS−210,ノニオンHS−20
6,ノニオンL−2,ノニオンS−2,ノニオンS−
4,ノニオンO−2、ノニオンLP−20R,ノニオン
PP−40R,ノニオンSP−60R、ノニオンOP−
80R、ノニオンOP−85R,ノニオンLT−22
1,ノニオンST−221,ノニオンOT−221,モ
ノグリMB,ノニオンDS−60,アノンBF,アノン
LG,ブチルステアレ−ト、ブチルラウレ−ト、エルカ
酸、関東化学社製、オレイン酸、竹本油脂社製、FAL
−205、FAL−123、新日本理化社製、エヌジェ
ルブLO、エヌジョルブIPM,サンソサイザ−E40
30,、信越化学社製、TA−3、KF−96、KF−
96L、KF96H、KF410,KF420、KF9
65,KF54,KF50,KF56,KF907,K
F851,X−22−819,X−22−822,KF
905,KF700,KF393,KF−857,KF
−860,KF−865,X−22−980,KF−1
01,KF−102,KF−103,X−22−371
0,X−22−3715,KF−910,KF−393
5,ライオンア−マ−社製、ア−マイドP、ア−マイド
C,ア−モスリップCP、ライオン油脂社製、デユオミ
ンTDO、日清製油社製、BA−41G、三洋化成社
製、プロファン2012E、ニュ−ポ−ルPE61、イ
オネットMS−400,イオネットMO−200 イオ
ネットDL−200,イオネットDS−300、イオネ
ットDS−1000イオネットDO−200、ICI製
ソルスパース3000,5000,9000,1334
5,22000,その他 フェニルホスホン酸、安息香
酸、などがあげられる。
【0026】本発明で用いられる有機溶媒は任意の比率
でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホ
ロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノ−
ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、イソブチ
ルアルコ−ル、イソプロピルアルコール、メチルシクロ
ヘキサノール、などのアルコ−ル類、酢酸メチル、酢酸
ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチ
ル、酢酸グリコ−ル等のエステル類、グリコ−ルジメチ
ルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサ
ン、などのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、などの芳
香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロラ
イド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒド
リン、ジクロルベンゼン、等の塩素化炭化水素類、N,
N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等のものが使用で
きる。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではな
く、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解
物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。
これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好まし
くは10%以下である。本発明で用いる有機溶媒は必要
ならば磁性層と非磁性層でその種類、量を変えてもかま
わない。中間層に揮発性の高い溶媒を用い表面性を向上
させる、磁性層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノ
ン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性をあげる、磁
性層の溶解性パラメ−タの高い溶媒を用い充填度を上げ
るなどがその例としてあげられるがこれらの例に限られ
たものではないことは無論である。
【0027】本発明の磁気記録媒体の厚み構成は非磁性
可撓性支持体が1〜100μm、好ましくは4〜15μ
m、可撓性支持体と磁性層との間に下層の非磁性層をも
うける場合は0.5μm〜10μm、好ましくは1〜5
μm、磁性層は1μm以上10μm未満、可撓性支持体
と磁性層との間に下層の非磁性層をもうける場合は0.
05μm以上0.8μm以下、好ましくは0.08μm
以上0.5μm以下、さらに好ましくは0.1μm以
上、0.3μm以下である。磁性層と中間層を合わせた
厚みは非磁性可撓性支持体の厚みの1/100〜2倍の
範囲で用いられる。また、非磁性可撓性支持体性と下層
の非磁性層、磁性層との間に密着性向上のためのの下塗
り層、を設けてもかまわない。これらの厚みは0.01
〜2μm、好ましくは0.05〜0.5μmである。ま
た、非磁性支持体性の磁性層側と反対側にバックコ−ト
層を設けてもかまわない。この厚みは0.1〜2μm、
好ましくは0.3〜1.0μmである。これらの下層の
非磁性層、バックコ−ト層は公知のものが使用できる。
【0028】本発明に用いられる非磁性可撓性支持体は
ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレー
ト、等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルロ−
ストリアセテ−ト、ポリカ−ボネ−ト、ポリアミド、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、アラミ
ド、芳香族ホ゜リアミト゛などの公知のフィルムが使用でき
る。これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プ
ラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理、などをお
こなっても良い。本発明の目的を達成するには、非磁性
可撓性支持体として中心線平均表面粗さ(カットオフ値
0.25mm)が0.03μm以下、好ましくは0.0
2μm以下、さらに好ましくは0.01μm以下のもの
を使用する必要がある。また、これらの非磁性支持体は
単に中心線平均表面粗さが小さいだけではなく、1μm
以上の粗大突起がないことが好ましい。また表面の粗さ
形状は必要に応じて支持体に添加されるフィラ−の大き
さと量により自由にコントロ−ルされるものである。こ
れらのフィラ−としては一例としてはCa,Si、Ti
などの酸化物や炭酸塩の他、アクリル系などの有機微粉
末があげられる。本発明に用いられる非磁性支持体のテ
−プ走行方向のF−5値は好ましくは5〜50kg/m
2、テ−プ幅方向のF−5値は好ましくは3〜30k
g/mm2であり、テ−プ長手方向のF−5値がテ−プ
幅方向のF−5値より高いのが一般的であるが、特に幅
方向の強度を高くする必要があるときはその限りでな
い。
【0029】また、非磁性支持体のテ−プ走行方向およ
び幅方向の100℃、30分での熱収縮率は好ましくは
3%以下、さらに好ましくは1.5%以下、80℃30
分での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましく
は0.5%以下である。破断強度は両方向とも5〜10
0kg/mm2、弾性率は100〜2000kg/m
2、が好ましい。
【0030】本発明には非磁性可撓性支持体と磁性層と
の間に下層の非磁性層を設けることができる。この下層
の非磁性層には非磁性粉末と結合剤からなることが好ま
しくその非磁性粉末として、例えば金属酸化物、金属炭
酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化
物、等の無機質化合物とカーホ゛ンブラックとを混合するこ
とで選択することができる。無機化合物としては例えば
α化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−
アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α
−酸化鉄、α−ゲータイト、β−ゲータイト、γ−ゲー
タイト、コランダム、窒化珪素、チタンカ−バイト、酸
化チタン、二酸化珪素、酸化スス゛、酸化マク゛ネシウム、酸化タン
ク゛ステン、酸化シ゛ルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カル
シウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、2硫化モリフ゛テ゛
ンなどが単独または組合せで使用される。特に、酸化チ
タン、弁柄、硫酸バリウム、酸化アルミニウムが好まし
い。これら非磁性粉末の粒子サイズは0.01〜2μm
が好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なる非磁性
粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布
を広くして同様の効果をもたせることもできる。非磁性
粉末が粒状、球状の場合は平均粒子径が0.01μm以
上、0.08μm以下、針状の場合は長軸長0.05〜
0.3μm、短軸長5mμ〜30mμであるものが好ま
しい。タップ密度は0.05〜2g/ml、好ましくは
0.2〜1.5g/mlである。含水率は0.1〜5重
量%好ましくは0.2〜3重量%で。pHは2〜11で
ある。比表面積は1〜100m2/g、好ましくは5〜
70m2/g、更に好ましくは7〜50m2/gである。結晶子
サイス゛は0.01μm〜2μmが好ましい。DBPを用いた
吸油量は5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml/
100g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。比重
は1〜12、好ましくは2〜8である。形状は針状、球
状、サイコロ状、板状のいずれでも良い。上記の非磁性
粉末は必ずしも100%純粋である必要はなく、目的に応じ
て表面を他の化合物で処理してもよい。その際、純度は
70%以上であれば効果を減ずることにはならない。例
えば、酸化チタンを用いる場合、表面をアルミナで処理
することが一般的に用いられているし、弁柄の場合は
0.1〜10wt%の範囲でシリカ、アルミナで表面を覆
って、表面の極性をコントロールすることが好ましい。
強熱減量は20重量%以下であることが好ましい。本発
明に用いられる上記無機粉体のモース硬度は4以上のもの
が好ましい。酸化チタンの製法、応用は「酸化チタン−
物性と応用技術」清野 学著,技報堂出版(株)199
1年に記載の方法を参考にすることができる。また、弁
柄の場合は磁性酸化鉄や磁性合金を生産する場合の中間
体として得られるα−ヘマタイトを表面処理したものを
使用することが望ましい。
【0031】本発明に用いられる非磁性粉末の具体的な
例としては、昭和電工製UA5600、UA5605、住友化学製AK
P−20、AKP−30,AKP−50、HIT−5
0、HiT−100、ZA-G1、日本化学工業社製、G
5,G7,S−1、戸田工業社製、TF−100,TF
−120,TF−140、DNS-230,DNS-235,DNA-24
0,DPN-245,DPN-250BX、石原産業製TTO-51B、TTO-55A,T
TO-55B、TTO-55C、TTO-55S、TTO-55D、TTO-55G,FT-1000、F
T-2000、FTL-100、FTL-200、M-1,S-1,SN-100,E-270,
E-271,E272,チタン工業製ECT-52、STT-4D、STT-30D、S
TT-30、STT-65C、三菱マテリアル製T-1、日本触媒NS-O、NS-3
Y,NS-8Y、テイカ製MT-100S、MT-100T、MT-150W、MT-500B、M
T-600B、MT-100F、堺化学製FINEX-25,BF-1,BF-10,BF-20,
BF-1L,BF-10P、同和鉱業製DEFIC-Y,DEFIC-R、チタン工
業製Y−LOPが挙げられる。
【0032】また、カ−ボンブラックを用いる場合はゴ
ム用ファ−ネス、ゴム用サ−マル、カラ−用ブラック、
アセチレンブラック、等を用いることができる。比表面
積は100〜500m2/g、好ましくは150〜40
0m2/g、DBP吸油量は20〜400ml/100
g、好ましくは30〜200ml/100gである。粒子径は
5mμm〜80mμ、好ましく10〜50mμ、さらに
好ましくは10〜40mμである。pHは2〜10、含
水率は0.1〜10重量%、タップ密度は0.1〜1g
/mlが好ましい。本発明に用いられるカ−ボンブラッ
クの具体的な例としてはキャボット社製、BLACKP
EARLS 2000、1300、1000、900、
800,880,700、VULCAN XC−72、
三菱化成工業社製、#3050B,3150B,325
0B、#3750B、#3950B、#950、#65
0B,#970B、#850B、MA−600、コンロ
ンビアカ−ボン社製、CONDUCTEX SC、RA
VEN 8800,8000,7000,5750,5250,3500,2100,2000,18
00,1500,1255,1250、アクソ゛ー社製ケッチェンフ゛ラックECなどがあげ
られる。カ−ボンブラックを分散剤などで表面処理した
り、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグ
ラファイト化したものを使用してもかまわない。また、
カ−ボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合
剤で分散してもかまわない。これらのカーホ゛ンフ゛ラックは上記
無機質粉末に対して50重量%を越えない範囲、非磁性
層総重量の40%を越えない範囲で使用できる。これら
のカ−ボンブラックは単独、または組合せで使用するこ
とができる。本発明で使用できるカ−ボンブラックは例
えば「カ−ボンブラック便覧」カ−ボンブラック協会
編」を参考にすることができる。
【0033】本発明に用いられる有機質粉末はアクリルスチレン
系樹脂粉末、ヘ゛ンソ゛ク゛アナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フ
タロシアニン系顔料が挙げられるが、ホ゜リオレフィン系樹脂粉末、ホ゜
リエステル系樹脂粉末、ホ゜リアミト゛系樹脂粉末、ホ゜リイミト゛系樹脂
粉末、ホ゜リフッ化エチレン樹脂が使用される。その製法は特開
昭62-18564号公報、特開昭60-255827号公報に記されて
いるようなものが使用できる。これらの非磁性粉末はハ゛
インタ゛ーに対して、重量比率で20〜0.1、体積比率で
10〜0.1の範囲で用いられる。なお、一般の磁気記
録媒体において下塗層を設けることが行われているが、
これは支持体と磁性層、非磁性層等の接着力を向上させ
るために設けられるものであって、厚さも0.5μm以
下で本発明の下層とは異なるものである。本発明におい
ても下層と支持体との接着性を向上させるために下塗層
を設けることが好ましい。
【0034】本発明の磁気記録媒体の磁性塗料を製造す
る工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれ
らの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からな
る。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれていても
かまわない。本発明に使用する磁性体、結合剤、カ−ボ
ンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などす
べての原料はどの工程の最初または途中で添加してもか
まわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割し
て添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練
工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で
分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するため
には、従来の公知の製造技術のを一部の工程としてを用
いることができることはもちろんであるが、混練工程で
は連続ニ−ダや加圧ニ−ダなど強い混練力をもつものを
使用することにより初めて本発明の磁気記録媒体の高い
Brを得ることができた。連続ニ−ダまたは加圧ニ−ダ
を用いる場合は磁性体と結合剤のすべてまたはその一部
(ただし全結合剤の30重量%以上が好ましい)および
磁性体100重量部に対し15〜500重量部の範囲で
混練処理される。これらの混練処理の詳細については特
開平1−106338号公報,特開平1−79274号
公報に記載されている。
【0035】本発明のような重層構成の磁気記録媒体を
塗布する装置、方法の例として以下のような構成を提案
できる。 1,磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗
布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルーシ゛ョン塗布装置等
により、まず下層を塗布し、下層がウェット状態にのう
ちに特公平1-46186号公報や特開昭60-238179号公報,特
開平2-265672号公報に開示されている支持体加圧型エクスト
ルーシ゛ョン塗布装置により上層を塗布する。 2,特開昭63-88080号公報、特開平2-17971号公報,特開
平2-265672号公報に開示されているような塗布液通液ス
リットを二つ内蔵する一つの塗布ヘッドにより上下層を
ほぼ同時に塗布する。 3,特開平2-174965号公報に開示されているハ゛ックアッフ゜ロー
ル付きエクストルーシ゛ョン塗布装置により上下層をほぼ同時に塗
布する。 なお、磁性粒子の凝集による磁気記録媒体の電磁変換特
性等の低下を防止するため、特開昭62-95174号公報や特
開平1-236968号公報に開示されているような方法により
塗布ヘッド内部の塗布液にせん断を付与することが望ま
しい。さらに、塗布液の粘度については、特開平3-8471
号公報に開示されている数値範囲を満足する必要があ
る。
【0036】本発明の磁気記録媒体を得るためには強力
な配向を行う必要がある。1000G(ガウス)以上の
ソレノイドと2000G以上のコバルト磁石を併用する
ことが好ましく、さらには乾燥後の配向性が最も高くな
るように配向前に予め適度の乾燥工程を設けることが好
ましい。また、ディスク媒体として本発明を適用する場
合はむしろ配向をランダマイズするような配向法が必要
である。また、必要に応じて垂直方向の磁界を加えるこ
とにより、面内に対して斜めの磁化成分をもたせること
も電磁変換特性向上のうえからは好ましい。
【0037】さらに、カレンダ−処理ロ−ルとしてエポ
キシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の
耐熱性のあるプラスチックロ−ルを使用する。また、金
属ロ−ル同志で処理することも出来る。処理温度は、好
ましくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上であ
る。線圧力は好ましくは200kg/cm、さらに好ま
しくは300kg/cm以上であり、その際の処理速度
は100m/分〜500m/分で5段以上11段以下の
カレンダー機が好ましい。
【0038】本発明の磁気記録媒体の磁性層面およびそ
の反対面のSUS420Jに対する摩擦係数は好ましく
は0.5以下、さらに0.3以下、表面固有抵抗は好ま
しくは10-5〜10-12オ−ム/sq、磁性層の0.5
%伸びでの弾性率は走行方向、幅方向とも好ましくは1
00〜2000kg/mm2、破断強度は好ましくは1
〜30kg/cm2、磁気記録媒体の弾性率は走行方
向、長い方向とも好ましくは100〜1500kg/m
2、残留のびは好ましくは0.5%以下、100℃以
下のあらゆる温度での熱収縮率は好ましくは1%以下、
さらに好ましくは0.5%以下、もっとも好ましくは
0.1%以下である。磁性層中に含まれる残留溶媒は好
ましくは100mg/m2以下、さらに好ましくは10
mg/m2以下であり、上層に含まれる残留溶媒が下層
に含まれる残留溶媒より少ないほうが好ましい。磁性層
が有する空隙率は下層の非磁性層、磁性層とも好ましく
は30容量%以下、さらに好ましくは20容量%以下で
ある。下層の非磁性層の空隙率が磁性層の空隙率より小
さいほうが好ましいが、目的により非磁性下層の空隙率
を高くする方が好ましいこともある。例えば、繰り返し
用途が重視されるデータ記録用磁気記録媒体では逆の方
が好ましいことが多い。
【0039】本発明の磁気記録媒体の磁気特性は磁場5
kOeで測定した場合、テ−プ走行方向の角形比は0.
70以上であり、好ましくは0.80以上さらに好まし
くは0.90以上である。テ−プ走行方向に直角な二つ
の方向の角型比は走行方向の角型比の80%以下となる
ことが好ましい。磁性層のSFD(Switching
Field Distribution)は0.6以
下であることが好ましい。磁性層の中心線表面粗さ(3
D MIRAU法)Raは1nm〜10nmが好ましい
が、その値は目的により適宜設定されるべきである。電
磁変換特性を良好にする為にはRaは小さいほど好まし
いが、走行耐久性を良好にするためには逆に大きいほど
好ましい。AFM(Atomic Force Mic
ro Scope)による評価で求めたRMS表面粗さ
RRMS(2乗平均粗さ)は3nm〜16nmの範囲にあ
ることが好ましい。
【0040】本発明の磁気記録媒体では二層以上の多層
構成とすることもできるが、目的に応じ上層と下層でこ
れらの物理特性を変えることができるのは容易に推定さ
れることである。例えば、上層の弾性率を高くし走行耐
久性を向上させると同時に下層の弾性率を上層より低く
して磁気記録媒体のヘッドへの当りを良くするなどであ
る。
【0041】
【実施例】次に本発明を実施例によって更に具体的に説
明する。なお実施例中「部」との表示は「重量部」を意
味する。
【0042】磁性体製造方法 炭酸ソーダ(Na2CO3)10kgを120kgの水に
溶解した後、気泡塔方式反応槽にN2ガスを流しながら
いれ、次に塩化第一鉄(FeCl2)8kgを30kg
の水に溶解した後、この反応槽に入れて第一鉄イオンを
沈澱させた。スラリー温度を35℃に保ったまま、コハ
ク酸2kgを加えてN2ガスを空気に変更してpHを2
〜3に保って約2時間の反応をさせた。 ついでスラリ
をフィルタープレスで濾過し、中性になるまで洗浄を行
い、長軸長0.2μm、軸比8、比表面積140m2/g
の紡錘型ゲータイトを得た。次にこのゲータイトを固形
分として2kgを取り蒸留水40リットルに珪酸ソー
ダ、アルミン酸ソーダ、硫酸コバルト、硫酸ニッケルを
加えてpH10程度で30℃に保ちつつ、十分撹拌して
表面処理を行った。その後、洗浄、濾過、造粒、乾燥を
経て表面処理されたゲータイトを得た。その後静置式還
元炉で窒素ガス置換後、50リットル/分の水素気流中
で温度を上昇し、350℃で還元した。これを更に降温
しつつ窒素で置換して、更にそこへ酸素ガスを導入して
徐酸化を行い、紡錘型金属磁性粉末を得た。得られた金
属磁性粉末のHcは1750Oe、BET法による比表面積
は55m2/g、結晶子サイズ150オングストローム、
長軸長0.15μm、針状比 8、σs:125emu/gで
あった。抗磁力を変更するためには、還元の温度、時間
と水素気流速の条件を変更することで調整した。粒子サ
イズの調整にはゲータイトのサイズを変更することでお
こなったが、ゲータイトのサイズはpHの程度とFe++
の濃度と反応時間を変更することで行った。 σsは徐
酸化の際の酸素ガスの量と徐酸化温度を変更することで
調整した。
【0043】上記のような条件で作製した磁性体の特性
評価は以下の表1の通りである。なお、磁性体Dは、長
軸長が0.21μm、針状比が11であるから、その短
軸長は0.21×10 3 mμ/11=19mμとなる。
【0044】
【表1】
【0045】 実施例1〜4、比較例1〜6(磁性層単層) 磁性層形成用塗布液は以下のように調製した。 強磁性金属微粉末 100部 (組成;表参照) 塩化ビニル系共重合体 12部 -SO3Na含有量:1×10-4eq/g 重合度300 ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI= 0.9/2.6/1 -SO3Na基 1×10-4eq/g含有 α−アルミナ(粒子サイズ0.3μm) 2部 カーボンブラック(粒子サイズ0.10μm) 0.5部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトン 200部
【0046】上記の塗料について、各成分をラボプラス
トミル(東洋精機製)で混練したのち、サンドミルを用
いて分散させた。得られた分散液にポリイソシアネート
3部を加え、さらに酢酸ブチル40部を加え、1μmの
平均孔径を有するフィルタを用いて濾過し、磁性層形成用の
塗布液を調製した。得られた磁性層の厚さが3μmの厚
みになるように、厚さ7μmで中心線表面粗さが0.0
1μmのポリエチレンテレフタレート支持体上に塗布を
おこない、層がまだ湿潤状態にあるうちに3000Gの
磁力をもつコバルト磁石と1500Gの磁力をもつソレ
ノイドにより配向させ乾燥後、バック層を設け、その後
金属ロールのみから構成される7段のカレンダで温度9
0℃にて250m/分で処理を行い、硬化させた後、8
mmの幅にスリットし、8mmビデオテープを製造し
た。
【0047】実施例5〜8、比較例7〜12 非磁性層形成用塗布液 非磁性粉末 α−Fe2 3 αヘマタイト 80部 平均長軸長0.14μm 短軸長24mμ、 BET 法による比表面積 50m2 /g pH 7 表面処理剤Al2O3,SiO2 カーボンブラック 20部 平均一次粒子径 16mμ DBP吸油量 80ml/100g pH 8.0 BET法による比表面積 250m2 /g 揮発分 1.5重量% 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 12部 -SO3Naの極性基を5×10-4eq/g含む 組成比 86:13:1 重合度300 ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI= 0.9/2.6/1 -SO3Na基 1×10-4eq/g含有 α−Al2 3 (平均粒子径0.2μm) 5部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 200部
【0048】磁性層には上記のように調製した磁性層
成用塗布液を用い、非磁性層については上記各成分をラ
ボプラストミル(東洋精機製)で混練したのち、サンド
ミルを用いて分散させた。得られた分散液にポリイソシ
アネートを1部加え、さらに酢酸ブチル40部を加え、
1μmの平均孔径を有するフィルタを用いて濾過し、下層の
非磁性層形成用塗布液を調製した。得られた下層の非磁
性層用塗布液を乾燥後の厚さが2μmになるように塗布
し、さらにその直後にその上に上層磁性層形成用塗布液
を乾燥後の厚さが0.15μmの厚みになるように、厚
さ7μmで中心線表面粗さが0.01μmのポリエチレ
ンテレフタレート支持体上に同時重層塗布をおこない、
両層がまだ湿潤状態にあるうちに3000Gの磁力をも
つコバルト磁石と1500Gの磁力をもつソレノイドに
より配向させ乾燥後、金属ロールのみから構成される7
段のカレンダで温度90℃、カレンダー速度250m/
分にて処理を行い、8mmの幅にスリットし、8mmビ
デオテープを製造した。
【0049】磁性層の厚みが3μmの単層の場合の結果
を以下の表2及び表3に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】磁性層の厚みを0.15μmにした重層の
場合の結果を以下の表4及び表5に示す。
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】評価方法 (BET法による比表面積)カンターソープ(USカン
タークロム社製)を用いた。250℃,30分間窒素雰
囲気で脱水後BET一点法(分圧0.30)で測定し
た。
【0056】(Hc,σr、角形比、σs)振動試料型
磁束計(東英工業製)を用い、粉体試料の場合はHm1
0kOe、テープ試料の場合は5kOeで測定した。
【0057】(中心線平均表面粗さ)三次元表面粗さ計
(WYKO社製TOPO3D)を用い、MIRAU法で
250nm×250nmの面積のRa,Rrms,peak to val
ley値を測定した。測定波長は約650nmで球面補
正、円筒補正を加えている。本測定法は非接触で測定す
る光干渉式の表面粗さ計である。
【0058】(AFM rms平均表面粗さ)STM
(Scanning Transparent Mic
ro Scope)の測定はDigital Instrument社のNa
noscope2を用い、トンネル電流:10nA、ハ゛イアス電圧:40
0mVの条件で、6μm×6μmの範囲をスキャンした。表
面粗さはこの範囲のRrmsを求めて比較した。
【0059】(磁性体の長軸径、短軸径)透過型電子顕
微鏡10万倍の写真により長軸、短軸の平均粒子径を求
めた。
【0060】(結晶子サイズ)X線回折により(4,
4,0)面と(2,2,0)面の回折線の半値幅のひろ
がり分から求めた。
【0061】(出力、C/N測定方法)外当て式ドラム
テスターを用いた。テープヘッド相対速度は3.8m/
sec、使用したヘッドはギャップ長0.2μm、トラ
ック幅20μmの積層センダストヘッドである。使用周
波数は7.6MHz(記録波長λ=0.5μm)の時の
最適記録電流で再生した時の出力と6.6MHzでのノ
イズからC/N比とした。なお、リファレンスは富士写
真フィルム製8mmビデオテープsuperAGであ
る。
【0062】(オーバーライトO/W適性評価方法)上
記ドラムテスターを用いて、消去後のサンプルにまず
1.9MHzの正弦波記録を行いその出力をスペクトラ
ムアナライザーを用いて測定する。その後、7.6MH
zの正弦波信号を重畳記録した後の1.9MHz出力を
再度スペクトラムアナライザーを用いて測定し、その差
を評価した。その差が大きいほどオーバーライト(O/
W)適性が良好である。記録波長が1μm以下のデジタ
ル記録システムにおいては−23.5dB以下であるこ
とが好ましい。
【0063】(d、σの測定方法) 磁気記録媒体を長手方向に渡ってダイアモンドカッター
で約0.1μmの厚みに切り出し、透過型電子顕微鏡で
倍率10000から100000倍、好ましくは200
00倍〜50,000倍で観察し、その写真撮影を行な
った。写真のプリントサイズはA4〜A5である。その
後磁性層、下層非磁性層の磁性体や非磁性粉体の形状差
に注目して界面を目視判断して黒くどり、かつ磁性層
表面も同様に黒くどった。その後、Zeiss社製画
像処理装置IBAS2にてどりしたの間隔の長さを
測定した。試料写真の長さが21cmの場合、測定を1
00〜300回行っている。その際の測定値の平均値を
dとし、その測定値の標準偏差をσとした。
【0064】
【発明の効果】非磁性可撓性支持体上に磁性体を結合剤
中に分散した磁性層を設けてなる磁気記録媒体におい
て、前記磁性体がα−Feを主体とする強磁性合金粉末
であり、その粉末抗磁力Hcが1620Oe以上2100
Oe以下、飽和磁化量σsが120〜150emu/g、N2
ス吸着による比表面積が48〜60m2/g、長軸長0.
08〜0.21μm、短軸長0.01〜0.02μm、
針状比7〜11で結晶子サイス゛が110〜170オンク゛ストロー
ムであることが、全ての媒体特性バランス上良好であ
り、具体的にはテ−プHc、テ−プBm、テ−プ角形
比、テ−プRa、出力、オ−バ−ライト(O/W)の特
性がすべて優れていることがわかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−238111(JP,A) 特開 平5−290359(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/706 G11B 5/704

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性可撓性支持体上に磁性体を結合剤
    中に分散した磁性層を設けてなる磁気記録媒体におい
    て、前記磁性体が紡錘型ゲータイトから還元することに
    より得られるα−Feを主体とする強磁性合金粉末であ
    り、その粉末の抗磁力Hcが1620Oe以上2100
    Oe以下、飽和磁化量σsが120〜160emu/
    g、N2 ガス吸着による比表面積が48〜65m2
    g、長軸長0.08〜0.21μm、短軸長10〜20
    mμ、針状比7〜11で結晶子サイズが110〜170
    オングストロームであることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 前記α−Feを主体とする強磁性合金粉
    末の抗磁力Hcが1720Oe以上2000Oe以下、
    飽和磁化量σsが122〜140emu/g、角型比が
    0.48〜0.51、N2 ガス吸着による比表面積が5
    2〜59m2 /g、長軸長0.1〜0.18μm、短軸
    長10〜18mμ、針状比7〜11で結晶サイズが12
    0〜160オングストロームであることを特徴とする請
    求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 非磁性可撓性支持体上に主として無機質
    非磁性粉末を結合剤中に分散させた下層と強磁性粉末を
    結合剤中に分散した上層を設けてなる少なくとも二層以
    上の複数の層を有する磁気記録媒体において、前記上層
    の磁性層厚みの平均値dが0.05μmより大きく0.
    8μm以下であることを特徴とする請求項1記載の磁気
    記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記下層に用いられる無機質非磁性粉末
    が酸化チタン、弁柄(α−ヘマタイト)、硫酸バリウ
    ム、酸化アルミニウムの中から選ばれる1種以上であ
    り、粒状の場合は平均粒子径が0.08μm以下、針状
    の場合は長軸長0.05〜0.3μm、短軸長5mμ〜
    30mμであることを特徴とする請求項3記載の磁気記
    録媒体。
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