JP2000315312A - 磁気記録テープ - Google Patents

磁気記録テープ

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JP2000315312A
JP2000315312A JP12413599A JP12413599A JP2000315312A JP 2000315312 A JP2000315312 A JP 2000315312A JP 12413599 A JP12413599 A JP 12413599A JP 12413599 A JP12413599 A JP 12413599A JP 2000315312 A JP2000315312 A JP 2000315312A
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magnetic
recording
magnetic layer
layer
tape
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JP12413599A
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English (en)
Inventor
Akira Kasuga
明 春日
Minoru Sueki
実 居樹
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リニア記録方式を利用し、磁気抵抗型の再生
ヘッドを組み込んだリニアトラック磁気記録再生システ
ムに適した磁気テープを提供する。 【解決手段】 非磁性支持体の一方の面に、バインダー
と非磁性粉末とを含み、かつ厚みが0.1μm以上、3
μm以下の範囲である非磁性層と、強磁性微粉末とバイ
ンダーとを含み、かつ厚みが0.05μm以上、2μm
以下の範囲である情報記録用磁性層をこの順に有し、前
記非磁性支持体の他方の面には強磁性微粉末とバインダ
ーとを含むサーボ信号記録用磁性層を有する磁気記録記
録媒体であって、前記サーボ信号記録用磁性層のHc
は、前記情報記録用磁性層のHc以下である磁気記録テ
ープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特にコンピュータデ
ータを記録するために有利に用いられる磁気記録テープ
に関する。更に詳しくは、本発明は特に磁気抵抗型の再
生ヘッド(MRヘッド)を用い、かつテープ長手方向に
直線的に記録される所謂リニアトラック磁気記録再生シ
ステムに有利に利用される磁気記録テープに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータデータを記録再生す
るための磁気記録再生システムにおいて、薄膜磁気ヘッ
ドを組み込んだシステムが実用化されている。薄膜磁気
ヘッドは、小型化やマルチトラックヘッドに加工し易い
ために、特に磁気記録テープを記録媒体としたリニアト
ラック記録再生システムでは薄膜磁気ヘッドのマルチト
ラック固定ヘッドが多く利用されている。薄膜磁気ヘッ
ドの利用によって、小型化によるトラック密度の向上や
記録効率の向上が可能となり、高密度の記録を実現出来
ると共に、マルチトラック化によりデータの転送速度の
向上も可能になる。
【0003】薄膜磁気ヘッドは、磁束の時間変化に応答
する誘導型ヘッドと、磁束の大きさに応答する磁気抵抗
効果を利用した磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)に大別
出来る。誘導型ヘッドは平面構造のためにヘッドコイル
の巻数が少なく、起磁力を大きくすることが困難とな
り、従って再生出力が充分得られないと言う問題があ
る。このため再生用には高い再生出力が得られやすいM
Rヘッドが用いられ、一方、記録用には誘導型ヘッドが
用いられている。
【0004】これらの記録及び再生ヘッドは通常一体型
(複合型)としてシステム中に組み込まれている。そし
て上記の様な磁気記録システムではより速いデータの転
送を実現出来るリニア記録方式が採用されている。MR
ヘッドが組み込まれた磁気記録再生システムに用いられ
るコンピュータデータ記録用磁気記録テープはシステム
毎に決められており、例えば、IBMの規格による34
80型、3490型、3590型、あるいは3570型
対応の磁気記録テープが知られている。
【0005】これらの磁気記録テープは、支持体上に、
強磁性微粉末及びバインダーを含み、かつ厚みが2.0
〜3.0μm程度と比較的厚い単層構造の磁性層が設け
られた基本構成を有している。また、通常上記の様なデ
ータ記録用の磁気記録テープでは磁性層とは反対側の裏
面に巻乱れの防止や良好な走行耐久性を保つためにバッ
クコート層が設けられている。
【0006】しかしながら、上記の様な単層構造を有す
る磁気記録テープは昨今の大量のデータを保存する媒体
として、ニーズに充分対応出来ないという問題がある。
この様な問題に対応するものとして、例えば、薄膜磁気
ヘッドが組み込まれた磁気記録システムに用いられる磁
気記録テープが提案されている(特開平8−22751
7号公報)。この媒体は、非磁性支持体上に無機質非磁
性粉末をバインダーに分散してなる下層非磁性層と、該
非磁性層の上に強磁性金属粉末をバインダーに分散して
なる薄い上層磁性層を設けた磁気記録テープ(磁気記録
テープ)である。この磁気記録テープでは、上層の磁性
層を薄くすることで厚み損失による出力低下が抑制され
る。又、高い記録密度が達成出来るため、上述の単層構
造の磁性層を有する磁気記録テープに比べてより大きな
容量のデータの保存が可能となる。具体的には、実施例
として、厚さ10μmのポリエチレンテレフタレート製
支持体の一方の側に、厚さ2.7μmの非磁性層及び厚
さ0.3μmの磁性層が順に設けられたコンピュータデ
ータ記録用の磁気記録テープが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、データスト
レージ用磁気記録システムにおいて高記録密度、高容量
を実現するために狭トラック化が進んでいる。磁気記録
テープの場合、長手方向記録(リニア記録)方式では記
録・再生ヘッドが幅方向に駆動されトラックを選択しな
ければならない。即ち、記録・再生時には磁気ヘッドが
磁気記録テープの幅方向(上下方向)に移動し、いずれ
かのトラックを選択しなければならない。しかし、トラ
ック幅が狭くなるに従い、磁気記録テープとヘッドとの
相対位置の制御に高い精度が必要になる。従来の方法で
は、テープの走行位置がガイド等で固定され、ヘッドは
あらかじめ決められた位置を上下動する。しかし、トラ
ック幅が狭くなると、このシステムではテープが伸縮し
た場合、あるいはテープの走行位置が予想される位置に
比較してずれた場合、再生ヘッドが記録されたトラック
の最適な位置からずれてしまい、出力が低下する。そこ
で、サーボ信号を長手方向に記録しておき、テープに対
するヘッドの相対位置の検出を行うことが高記録密度化
には必要となる。
【0008】上記のように、情報信号を記録するための
磁性層には、高い記録密度と大きな記録容量を有するこ
とが要求され、その要求は益々厳しくなっている。しか
るに、サーボコントロール信号を記録するための磁性層
には、情報信号を記録するための磁性層と同等の性能が
要求される訳ではなく、また、場合によっては、情報信
号を記録するための磁性層と異なる性能を要求される場
合もある。
【0009】そこで、本発明の目的は、リニア記録方式
においてトラックズレを起こすことなく最適なトラック
選択を可能にし、かつ磁気抵抗型の再生ヘッドを組み込
んだ磁気記録再生システムに適した、高い記録密度と大
きな記録容量を有すること可能である磁気テープを提供
することにある。換言すると、本発明の目的は、幅の狭
いトラックにも拘わらず走行時のトラックズレ(オフト
ラック)、ヘッド目詰まりをより少なくして解像力の改
善と高い出力を得ると共に記録・再生を高い信頼性を持
って行う事が可能な磁気テープを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明者は、更なる研究に
より高い記録密度で且つ、大きな記録容量を有する磁気
テープを得るため鋭意努力した。その結果、両面磁性層
で構成した磁気テープであって、一方の磁性層は情報信
号のみを記録する情報記録用磁性層とし、他方の磁性層
はサーボコントロール信号のみを記録するためのサーボ
信号記録用磁性層とするとともに、サーボ信号記録用磁
性層のHcを情報記録用磁性層のHcと同等以下とする
ことにより、本発明の上記課題を達成することが出来る
ことを見出した。
【0011】すなわち、本発明の上記目的は、非磁性支
持体の一方の面に、バインダーと非磁性粉末とを含み、
かつ厚みが0.1μm以上、3μm以下の範囲である非磁
性層と、強磁性微粉末とバインダーとを含み、かつ厚み
が0.05μm以上、2μm以下の範囲である情報記録
用磁性層をこの順に有し、前記非磁性支持体の他方の面
には強磁性微粉末とバインダーとを含むサーボ信号記録
用磁性層を有する磁気記録記録媒体であって、前記サー
ボ信号記録用磁性層のHcは、前記情報記録用磁性層の
Hcと同等またはそれより小さいことを特徴とする磁気
記録テープによって達成される。
【0012】本発明の上記磁気記録テープは、幅が3m
m以上、20mm以下であること、及び厚さが2μm以
上、20μm以下の範囲であることが好ましい。
【0013】本発明の上記磁気記録テープは、前記サー
ボ信号記録用磁性層に、前記磁気記録テープに対する記
録及び再生ヘッドの幅方向の相対位置を制御するための
サーボコントロール信号が前記磁気記録テープの長手方
向に沿って配置されることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録テープを
さらに詳細に説明する。 〔情報記録用磁性層及びサーボ信号記録用磁性層〕情報
記録用磁性層及びサーボ信号記録用磁性層は、いずれも
強磁性微粉末とバインダーとを含むものである。情報記
録用磁性層は、情報記録専用であり、サーボ信号記録用
磁性層はサーボ信号記録専用である。さらに、情報記録
用磁性層は、そのHc(抗磁力)が、サーボ信号記録用磁
性層のHc以上となるように調整される。情報記録用磁
性層に対しては、高い記録密度と大きな記録容量を可能
にすることが要求され、そのため、Hcは大きいほど好
ましく、例えば10000e以上であることが好まし
い。より好ましくは、15000e〜30000eの範囲
である。それに対して、サーボ信号記録用磁性層には、
高い記録密度、大きな記録容量は要求されない。そのた
め、情報記録用磁性層程の高いHcを有する必要はな
く、例えば、30000e以下であることが好ましい。
より好ましくは、5000e〜25000eの範囲であ
る。また、サーボ信号記録用磁性層は、従来のバックコ
ート層が有するのと同様の機能を有することが望まれ、
例えば、強磁性微粉末、バインダー及びカーボンブラッ
クからなるものが適当であるが、さらに、研磨剤、潤滑
剤を含むものとすることが好ましい。
【0015】情報記録用磁性層及びサーボ信号記録用磁
性層に用いられる強磁性微粉末としては、γ−FeOx
(x=1.33〜1.5)、Co変性γ−FeOx(x=
1.33〜1.5)、FeまたはNiまたはCoを主成
分(75%以上)とする強磁性合金微粉末、バリウムフ
ェライト、ストロンチウムフェライトなど公知の強磁性
粉末が使用出来るが、α−Feを主成分とする強磁性合
金粉末とバリウムフェライトなどの六方晶フェライトが
好ましい。
【0016】これらの強磁性粉末には所定の原子以外に
Al、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、M
o、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、T
a、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、
Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bな
どの原子を含んでもかまわない。これらの強磁性微粉末
にはあとで述べる分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防
止剤などで分散前にあらかじめ処理を行ってもかまわな
い。
【0017】上記強磁性粉末の中で強磁性合金微粉末に
ついては少量の水酸化物、または酸化物を含んでもよ
い。強磁性合金微粉末の公知の製造方法により得られた
ものを用いることができ、下記の方法をあげることが出
来る。複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素など
の還元性気体で還元する方法、酸化鉄を水素などの還元
性気体で還元してFeあるいはFe−Co粒子などを得
る方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、強磁
性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸
塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して還元する
方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を
得る方法などである。このようにして得られた強磁性合
金粉末は公知の徐酸化処理、すなわち有機溶剤に浸漬し
たのち乾燥させる方法、有機溶剤に浸漬したのち酸素含
有ガスを送り込んで表面に酸化膜を形成したのち乾燥さ
せる方法、有機溶剤を用いず酸素ガスと不活性ガスの分
圧を調整して表面に酸化皮膜を形成する方法のいずれを
施したものでも用いることが出来る。
【0018】本発明の磁性層に用いられる強磁性粉末
は、BET法による比表面積が25〜80m2/gであ
り、好ましくは40〜70m2/gであることが適当で
ある。25m2/g以上とすることでノイズが低くな
り、80m2/g以下では表面性が良好となる。強磁性
粉末粒子の結晶子サイス゛は450〜100オングストロ−
ムであり、好ましくは350〜100オングストロ−ム
である。酸化鉄磁性粉末のσsは50emu/g以上、
好ましくは70emu/g以上であり、強磁性金属微粉
末の場合は100emu/g以上が好ましく、さらに好
ましくは110emu/g〜170emu/gである。
【0019】強磁性粉末のr3000は1.5以下であ
ることが好ましい。さらに好ましくはr3000は1.
0以下である。r3000とは磁気記録テープを飽和磁
化したのち反対の向きに3000Oeの磁場をかけたと
き反転せずに残っている磁化量の%を示すものである。
強磁性粉末の含水率は0.01〜2重量%とするのが好
ましい。バインダーの種類によって強磁性粉末の含水率
は最適化するのが好ましい。γ酸化鉄のタップ密度は
0.5g/ml以上が好ましく、0.8g/ml以上が
さらに好ましい。合金粉末の場合は0.2〜0.8g/
mlが好ましく、0.8g/ml以下では、強磁性粉末
の圧密過程でも酸化が進みにくく、充分なσSを得るこ
とが出来る。タップ密度が0.2g/ml以上では分散
不十分になりにくい。
【0020】γ酸化鉄を用いる場合、2価の鉄の3価の
鉄に対する比は好ましくは0〜20%でありさらに好ま
しくは5〜10%である。また鉄原子に対するコバルト
原子の量は0〜15%、好ましくは2〜8%である。強
磁性粉末のpHは用いるバインダーとの組合せにより最
適化することが好ましい。その範囲は4〜12である
が、好ましくは6〜10である。強磁性粉末は必要に応
じ、Al、Si、Y、Ndなどの酸化物でその表面の少な
くとも一部が被覆されていてもかまわない。その量は強
磁性粉末に対し0.1〜10%であり表面処理を施すと
脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m2以下にな
り好ましい。強磁性粉末には可溶性のNa、Ca、F
e、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合があるが5
00ppm以下であれば特に特性に影響がない。
【0021】また、本発明に用いられる強磁性粉末は空
孔が少ないほうが好ましくその値は20容量%以下、さ
らに好ましくは5容量%以下である。また形状について
は先に示した粒子サイズについての特性を満足すれば針
状、粒状、米粒状、板状いずれでもかまわない。強磁性
粉末が針状強磁性粉末の場合、針状比は18以下、更に
好ましくは12以下であることが適当である。
【0022】強磁性粉末のSFD(Swiching Field D
istribution)を0.6以下とするためには、強磁性粉
末のHcの分布を小さくする必要がある。そのために
は、ゲ−タイトの粒度分布をよくすること、γ−ヘマタ
イトの焼結を防止すること、コバルト変性の酸化鉄につ
いてはコバルトの被着速度を、従来より遅くすることな
どの方法がある。
【0023】本発明にはまた、板状六方晶フェライトと
してバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、
鉛フェライト、カルシウムフェライトの各置換体、Co
置換体等、六方晶Co粉末が使用出来る。具体的にはマ
グネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロ
ンチウムフェライト、更に一部スピネル相を含有したマ
グネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロ
ンチウムフェライト等が挙げられ、特に好ましいものと
してはバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト
の各Co置換体である。また、抗磁力を制御するため上
記六方晶フェライトにCo−Ti、Co−Ti−Zr、
Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Ir−Zn等の
元素を添加した物を使用することが出来る。六方晶フェ
ライトは、通常、六角板状の粒子であり、その粒子径は
六角板状の粒子の板の幅を意味し、電子顕微鏡を使用し
て測定する。
【0024】本発明ではこの粒子径を0.01〜0.2
μm、特に好ましくは0.03〜0.1μmの範囲に規
定するものである。また、該微粒子の平均厚さ(板厚)
は0.001〜0.2μm程度であるが、特に0.00
3〜0.05μmが好ましい。更に板状比(粒子径/板
厚)は1〜10であり、好ましくは3〜7である。ま
た、これら六方晶フェライト微粉末のBET法による比
表面積(SBET)は25〜70m2/gが好ましい。
【0025】但し、高いHcを有するという観点から、情
報記録用磁性層に用いる強磁性微粉末としては、γ−F
23、Fe34、FeOx(x=1.33〜1.5)、
CrO2、Co含有γ−Fe23、Co含有FeOx(x=
1.33〜1.5)、Fe、NiまたはCoを主成分
(75%以上)とする強磁性合金粉末(強磁性金属粉末)
等を挙げることができる。又、サーボ信号記録用磁性層
に用いる強磁性微粉末は、上記情報記録用磁性層に用い
る強磁性微粉末と同一の強磁性微粉末であってもよい。
【0026】本発明の情報記録用磁性層及びサーボ信号
記録用磁性層に使用されるバインダーとしては、従来公
知の熱可塑系樹脂、熱硬化系樹脂、反応型樹脂やこれら
の混合物を挙げることが出来る。また、これらのバイン
ダーは、非磁性層のバインダーとしても同様に使用する
ことが出来る。
【0027】上記熱可塑系樹脂としては、ガラス転移温
度が−100〜150℃、数平均分子量が1000〜2
00000、好ましくは10000〜100000、重
合度が約50〜1000程度のものである。このような
熱可塑系樹脂の例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、
ビニルアルコ−ル、マレイン酸、アクルリ酸、アクリル
酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタ
クリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエ
ン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、
ビニルエーテル、等を構成単位として含む重合体または
共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂を挙げる
ことが出来る。また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂と
してはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬
化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ア
クリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン
樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂と
イソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポ
リオ−ルとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタン
とポリイソシアネートの混合物等があげられる。
【0028】これらの樹脂については朝倉書店発行の
「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されてい
る。また、公知の電子線硬化型樹脂を非磁性層、磁性層
に使用することも可能である。これらの例とその製造方
法については特開昭62−256219号公報に詳細に
記載されている。以上の樹脂は単独または組合せて使用
出来るが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビ
ニル酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアル
コール樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共重
合体の中から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹
脂の組合せ、またはこれらにポリイソシアネ−トを組み
合わせたものがあげられる。
【0029】ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポ
リウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテル
ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレ
タン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポ
リカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用出
来る。ここに示したすべてのバインダーについて、より
優れた分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、CO
OM、SO3M、OSO3M、P=O(OM)2、O−P
=O(OM)2、(以上につきMは水素原子、またはア
ルカリ金属塩基)、OH、NR2、N+3(Rは炭化水
素基)エポキシ基、SH、CN、などから選ばれる少な
くともひとつ以上の極性基を共重合または付加反応で導
入したものを用いることが好ましい。このような極性基
の量は10-1〜10-8モル/gであり、好ましくは10-2
〜10-6モル/gである。
【0030】本発明に用いられるこれらのバインダーの
具体的な例としてはユニオンカ−バイト社製VAGH、
VYHH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、
VYES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、
PKHH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工
業社製、MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TA
L、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、
MPR−TM、MPR−TAO、電気化学社製1000
W、DX80、DX81、DX82、DX83、100
FD、日本ゼオン社製MR−105、MR110、MR
100、400X−110A、日本ポリウレタン社製ニ
ッポランN2301、N2302、N2304、大日本
インキ社製パンデックスT−5105、T−R308
0、T−5201、バ−ノックD−400、D−210
−80、クリスボン6109、7209、東洋紡社製バ
イロンUR8200、UR8300、UR−8700、
UR−4300、RV530、RV280、大日精化社
製、ダイフェラミン4020、5020、5100、5
300、9020、9022、7020、三菱化学社
製、MX5004、三洋化成社製サンプレンSP−15
0、TIM−3003、TIM−3005、旭化成社製
サランF310、F210などがあげられる。
【0031】磁性層に用いられるバインダーは強磁性粉
末に対し、5〜50重量%の範囲、好ましくは10〜3
0重量%の範囲で用いられる。塩化ビニル系樹脂を用い
る場合は5〜30重量%、ポリウレタン樹脂合を用いる
場合は2〜20重量%、ポリイソシアネ−トは2〜20
重量%の範囲でこれらを組み合わせて用いるのが好まし
い。本発明において、ポリウレタンを用いる場合はガラ
ス転移温度が−50〜100℃、破断伸びが100〜2
000%、破断応力は0.05〜10kg/cm2、降
伏点は0.05〜10kg/cm2が好ましい。
【0032】本発明の磁気記録テープは、少なくとも、
情報記録用磁性層、その下の非磁性層及び支持体の他方
の面に設けられるサーボ信号記録用磁性層からなる。従
って、各層におけるバインダー量、バインダー中に占め
る塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシア
ネート、あるいはそれ以外の樹脂の量、磁性層を形成す
る各樹脂の分子量、極性基量、あるいは先に述べた樹脂
の物理特性などは、必要に応じて、非磁性層、情報記録
用磁性層、及びサーボ信号記録用磁性層の間で適度変え
ることは可能である。例えば、磁性層表面の擦傷を減ら
すためには磁性層のバインダー量を増量することが有効
であり、ヘッドに対するヘッドタッチを良好にする為に
は、非磁性層のバインダー量を多くして柔軟性を持たせ
ることにより達成される。
【0033】本発明においてバインダーとして用いるポ
リイソシアネ−トとしては、トリレンジイソシアネ−
ト、4−4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、ヘ
キサメチレンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシア
ネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−
トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソ
シアネ−ト類、また、これらのイソシアネ−ト類とポリ
アルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合
によって生成したポリイソシアネ−ト等を使用すること
が出来る。これらのイソシアネート類の市販されている
商品名としては、日本ポリウレタン社製、コロネート
L、コロネートHL,コロネート2030、コロネート
2031、ミリオネートMR、ミリオネートMTL、武
田薬品社製、タケネートD−102,タケネートD−1
10N、タケネートD−200、タケネートD−20
2、住友バイエル社製、デスモジュールL,デスモジュ
ールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL,等
がありこれらを単独または硬化反応性の差を利用して二
つもしくはそれ以上の組合せで非磁性層、磁性層とも用
いることが出来る。
【0034】本発明の情報記録用磁性層及びサーボ信号
記録用磁性層のいずれにも、カーボンブラックを添加す
ることが出来る。また、必要により、非磁性層にもカー
ボンブラックを添加することが出来る。
【0035】カーボンブラックとしては、例えば、ゴム
用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、ア
セチレンブラック、等を用いることが出来る。カーボン
ブラックの比表面積は、5〜500m2/g、DBP吸
油量は10〜400ml/100g、粒子径は5mμ〜
300mμ、pHは2〜10、含水率は0.1〜10重
量%、タップ密度は0.1〜1g/ml、であることが
好ましい。本発明に用いられるカーボンブラックの具体
的な例としてはキャボット社製、BLACKPEARL
S 2000、1300、1000、900、800,
700、VULCAN XC−72、旭カ−ボン社製、
#80、#60,#55、#50、#35、三菱化学社
製、#2400B、#2300、#900,#1000
#30,#40、#10B、コンロンビアカーボン社
製、CONDUCTEX SC、RAVEN150、5
0,40,15などがあげられる。カーボンブラックを
分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使
用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用
してもかまわない。また、カーボンブラックを磁性塗料
に添加する前にあらかじめバインダーで分散してもかま
わない。これらのカ−ボンブラックは単独、または組合
せで使用することが出来る。
【0036】カーボンブラックを使用する場合は強磁性
粉末に対する量の0.1〜30重量%で用いることが好
ましい。
【0037】カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩
擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあ
り、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。従
って本発明に使用されるこれらのカーボンブラックは情
報記録用磁性層、サーボ信号記録用磁性層及び非磁性層
の間で、その種類、量、組合せを変え、粒子サイズ、吸
油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性をもとに目
的に応じて使い分けることが出来る。本発明で使用出来
るカーボンブラックとしては、例えば「カーボンブラッ
ク便覧」カーボンブラック協会編を参考にすることが出
来る。
【0038】本発明の情報記録用磁性層及びサーボ信号
記録用磁性層のいずれにも、研磨剤を添加することが出
来る。また、必要により、非磁性層にも研磨剤を添加す
ることが出来る。
【0039】研磨剤としては、例えば、α化率90%以
上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化ク
ロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダ
イアモンド、窒化珪素、炭化珪素、チタンカーバイト、
酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモ
ース硬度6以上の公知の材料を単独または組合せて使用
することが出来る。また、これらの研磨剤どうしの複合
体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使用し
てもよい。これらの研磨剤には主成分以外の化合物また
は元素が含まれる場合もあるが主成分が90重量%以上
であれば効果にかわりはない。これら研磨剤の粒子サイ
ズは0.01〜2μmが好ましいが、必要に応じて粒子
サイズの異なる研磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤
でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることも出
来る。タップ密度は0.3〜2g/ml、含水率は0.
1〜5重量%、pHは2〜11、比表面積は1〜30m
2/g、が好ましい。研磨剤の形状は針状、球状、サイ
コロ状、のいずれでも良いが、形状の一部に角を有する
ものが研磨性が高く好ましい。研磨剤の具体的な例とし
ては、住友化学社製、AKP−20,AKP−30,A
KP−50、HIT−55、HIT−60A、HIT−
70、HIT-100、日本化学工業社製、G5,G7,S−
1、戸田工業社製、TF−100,TF−140などが
あげられる。研磨剤は磁性層(情報記録用磁性層及びサ
ーボ信号記録用磁性層)、非磁性層で種類、量および組
合せを変え、目的に応じて使い分けることはもちろん可
能である。これらの研磨剤はあらかじめバインダーで分
散処理したのち磁性塗料中に添加してもかまわない。本
発明の磁気記録テープの磁性層表面および磁性層端面に
存在する研磨剤は5個/100μm2以上が好ましい。
【0040】本発明の情報記録用磁性層及びサーボ信号
記録用磁性層には、上記以外の添加剤として、潤滑効
果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果、などをもつも
のをさらに使用することが出来る。また、必要により、
非磁性層にもこれらの添加剤を添加することが出来る。
【0041】このような添加剤としては、例えば、二硫
化モリブデン、二硫化タングステングラファイト、窒化
ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基をもつ
シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコ
ーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポ
リオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステル
およびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステルおよ
びそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フッ素
含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、
炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含ん
でも、また分岐していてもかまわない)、および、これ
らの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)または、炭素
数12〜22の一価、二価、三価、四価、五価、六価ア
ルコール、(不飽和結合を含んでも、また分岐していて
もかまわない)、炭素数12〜22のアルコキシアルコ
ール、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合
を含んでも、また分岐していてもかまわない)と炭素数
2〜12の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコ
ールのいずれか一つ(不飽和結合を含んでも、また分岐
していてもかまわない)とからなるモノ脂肪酸エステル
またはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステル、ア
ルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪
酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数8
〜22の脂肪族アミン、などが使用出来る。
【0042】これらの具体例としてはラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ス
テアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン
酸、エライジン酸、ステアリン酸オクチル、ステアリン
酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オ
クチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソル
ビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステ
アレート、アンヒドロソルビタントリステアレート、オ
レイルアルコール、ラウリルアルコール、があげられ
る。また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グ
リシドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド
付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステ
ルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導
体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類、等
のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、
燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基、などの酸性基
を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホ
ン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル
類、アルキルベタイン型、等の両性界面活性剤等も使用
出来る。
【0043】これらの界面活性剤については、「界面活
性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載され
ている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも10
0%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副
反応物、分解物、酸化物 等の不純分がふくまれてもか
まわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さ
らに好ましくは10%以下である。
【0044】上記の潤滑剤、界面活性剤は、非磁性層
で、その種類、量を必要に応じ使い分けることが出来
る。例えば、情報記録用磁性層、サーボ信号記録用磁性
層及び非磁性層で、融点の異なる脂肪酸を用い、(1)
表面へのにじみ出しを制御する、(2)沸点や極性の異
なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、
(3)界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向
上させる、(4)潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして
潤滑効果を向上させる、などをすることが出来る。但
し、これらの例に限られるものではない。
【0045】また本発明で用いられる添加剤のすべてま
たはその一部は、磁性塗料製造のどの工程で添加しても
かまわない、例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合す
る場合、強磁性粉末とバインダーと溶剤による混練工程
で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添
加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。ま
た、目的に応じて磁性層を塗布した後、同時または逐次
塗布で、添加剤の一部または全部を塗布することにより
目的が達成される場合がある。また、目的によってはカ
レンダーした後、またはスリット終了後、磁性層表面に
潤滑剤を塗布することも出来る。
【0046】本発明で使用されるこれら潤滑剤の商品例
としては、日本油脂社製、NAA−102,NAA−4
15,NAA−312,NAA−160,NAA−18
0,NAA−174,NAA−175,NAA−22
2,NAA−34,NAA−35,NAA−171,N
AA−122、NAA−142、NAA−160、NA
A−173K,ヒマシ硬化脂肪酸、NAA−42,NA
A−44、カチオンSA、カチオンMA、カチオンA
B,カチオンBB,ナイミ−ンL−201,ナイミ−ン
L−202,ナイミ−ンS−202,ノニオンE−20
8,ノニオンP−208,ノニオンS−207,ノニオ
ンK−204,ノニオンNS−202,ノニオンNS−
210,ノニオンHS−206,ノニオンL−2,ノニ
オンS−2,ノニオンS−4,ノニオンO−2、ノニオ
ンLP−20R,ノニオンPP−40R,ノニオンSP
−60R、ノニオンOP−80R、ノニオンOP−85
R,ノニオンLT−221,ノニオンST−221,ノ
ニオンOT−221,モノグリMB,ノニオンDS−6
0,アノンBF,アノンLG,ブチルステアレ−ト、ブ
チルラウレート、エルカ酸、関東化学社製、オレイン
酸、竹本油脂社製、FAL−205、FAL−123、
新日本理化社製、エヌジェルブLO、エヌジョルブIP
M,サンソサイザーE4030、信越化学社製、TA−
3、KF−96、KF−96L、KF96H、KF41
0,KF420、KF965,KF54,KF50,K
F56,KF907,KF851,X−22−819,
X−22−822,KF905,KF700,KF39
3,KF−857,KF−860,KF−865,X−
22−980,KF−101,KF−102,KF−1
03,X−22−3710,X−22−3715,KF
−910,KF−3935,ライオンアーマー社製、ア
ーマイドP、アーマイドC,アーモスリップCP、ライ
オン油脂社製、デユオミンTDO、日清製油社製、BA
−41G、三洋化成社製、プロファン2012E、ニュ
ーポールPE61、イオネットMS−400,イオネッ
トMO−200イオネットDL−200,イオネットD
S−300、イオネットDS−1000イオネットDO
−200などがあげられる。
【0047】本発明で用いられる有機溶媒は任意の比率
でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホ
ロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロ
ヘキサノール、などのアルコ−ル類、酢酸メチル、酢酸
ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチ
ル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコ−ルジメチ
ルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサ
ン、などのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、などの芳
香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロラ
イド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒド
リン、ジクロルベンゼン、等の塩素化炭化水素類、N,
N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等のものが使用出
来る。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではな
く、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解
物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。
これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好まし
くは10%以下である。本発明で用いる有機溶媒は磁性
層と非磁性層でその種類は同じであることが好ましい。
その添加量は変えてもかまわない。非磁性層に表面張力
の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用
い塗布の安定性をあげる、具体的には上層溶剤組成の算
術平均値が下層溶剤組成の算術平均値を下回らないこと
が肝要である。分散性を向上させるためにはある程度極
性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以
上の溶剤が50%以上含まれることが好ましい。また、
溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
【0048】本発明において更に好ましいことには、磁
気テープの表面性は情報記録層ほど表面性を平滑化する
必要もなく従来のカーボン層で得られる表面性と同程度
の表面粗さ7〜12nmの粗さにする事が出来る点であ
る。
【0049】〔非磁性層〕非磁性層は、バインダーと非
磁性粉末とを含む。バインダー及びその他の添加剤等に
ついては、上述の磁性層で説明した通りである。
【0050】本発明の磁気記録テープの非磁性層に用い
られる非磁性粉末は、例えば金属酸化物、金属炭酸塩、
金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、等
の無機質化合物から選択することが出来る。無機化合物
としては例えばα化率90%以上のα−アルミナ、β−
アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸
化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタ
ンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スス゛、酸
化マク゛ネシウム、酸化タンク゛ステン、酸化シ゛ルコニウム、窒化ホウ素、
酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、2硫化モリフ゛テ゛ンなどが単独または組合せで使用さ
れる。特に好ましいのは二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化
鉄、硫酸バリウムであり、更に好ましいのは二酸化チタ
ンとα−酸化鉄である。これら非磁性粉末の粒子サイズ
は0.005〜2μmが好ましいが、必要に応じて粒子
サイズの異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非
磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせる
ことも出来る。とりわけ好ましいのは0.01μm〜
0.2μmである。形状は針状、紡錘形状、粒状、板状
を用いることができ、特に針状、紡錘形状が好ましい。
【0051】タップ密度は0.05〜2g/ml、好ま
しくは0.2〜1.5g/mlである。含水率は0.1
〜5重量%好ましくは0.2〜3重量%である。pHは
2〜11であるが、6〜9の間が特に好ましい。
【0052】比表面積は1〜100m2/g、好ましく
は5〜80m2/g、更に好ましくは7〜70m2/gである。
結晶子サイス゛は0.01μm〜2μmが好ましい。DBPを
用いた吸油量は5〜100ml/100g、好ましくは10〜
80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml/100gであ
る。比重は1〜12、好ましくは3〜6である。形状は
針状、球状、多面体状、板状のいずれでも良い。強熱減
量は20重量%以下であることが好ましい。本発明に用
いられる上記無機粉末のモース硬度は4以上のものが好ま
しい。これらの粉体表面のラフネスファクターは0.8
〜1.5が好ましく、更に好ましいのは0.9〜1.2
である。ステアリン酸(SA)吸着量は1〜20μmol
/m2、更に好ましくは2〜15μmol/m2である。下層
非磁性粉末の25℃での水への湿潤熱は200erg/cm2
〜600erg/cm2の範囲にあることが好ましい。また、
この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することが出来る。
【0053】100〜400℃での表面の水分子の量は
1〜10個/100Åが適当である。水中での等電点のpH
は3〜6の間にあることが好ましい。
【0054】これらの粉体の表面は、その少なくとも一
部がAl2O3、SiO2、TiO2、ZrO2,SnO 2,Sb2O3,ZnOから
選ばれた少なくとも一つの化合物で被覆されるべく表面
処理されていることが好ましい。特に分散性に好ましい
被覆化合物はAl2O3、SiO2、TiO2、ZrO2から選ばれた少
なくとも一つの化合物であるが、更に好ましいものはAl
2O3、SiO2、ZrO2から選ばれた少なくとも一つである。
組み合わせて使用する好ましい具体例はAl2O3とSiO2
ある。この場合、先ずアルミナで被覆処理した後にその
表層をシリカで被覆処理しても良いし、その逆の順序で
被覆処理しても良い。さらに、2種類の化合物で同時に
被覆処理しても良い。上記のような被覆化合物による表
面層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質
で密である方が一般には好ましい。
【0055】非磁性粉末の具体的な例としては、昭和電
工製UA5600、UA5605、住友化学製AKP-20,AKP-30,AKP-50,H
IT-55,HIT-100,ZA-G1、日本化学工業社製、G5,G7,S-1,
戸田工業社製、TF-100,TF-120,TF-140,R516,石原産業製
TTO-51B、TTO-55A,TTO-55B、TTO-55C、TTO-55S、TTO-55D、
FT-1000、FT-2000、FTL-100、FTL-200、M-1,S-1,SN-1
00,R-820、R-830,R-930,R-550,CR-50,CR-80,R-680,TY-5
0,チタン工業製ECT-52、STT-4D、STT-30D、STT-30、STT
-65C、三菱マテリアル製T-1、日本触媒NS-O、NS-3Y,NS-8Y、
テイカ製MT-100S、MT-100T、MT-150W、MT-500B、MT-600B、MT
-100F、堺化学製FINEX-25,BF-1,BF-10,BF-20,BF-1L,BF-
10P、同和鉱業製DEFIC-Y,DEFIC-R、チタン工業製Y-LOP
及びそれを焼成したものがあげられる。
【0056】特に好ましい非磁性粉末は二酸化チタンで
あるので、二酸化チタンを例に製法を詳しく記す。
【0057】二酸化チタンの製法は主に硫酸法と塩素法
がある。硫酸法はイルミナイトの原鉱石を硫酸で蒸解
し、Ti,Feなどを硫酸塩として抽出する。硫酸鉄を
晶析分離して除き、残りの硫酸チタニル溶液を濾過精製
後、熱加水分解を行なって、含水酸化チタンを沈澱させ
る。これを濾過洗浄後、夾雑不純物を洗浄除去し、粒径
調節剤などを添加した後、80〜1000℃で焼成すれ
ば粗酸化チタンとなる。ルチル型とアナターゼ型は加水
分解の時に添加される核剤の種類によりわけられる。こ
の粗酸化チタンを粉砕、整粒、表面処理などを施して作
製する。塩素法の原鉱石は天然ルチルや合成ルチルが用
いられる。鉱石は高温還元状態で塩素化され、TiはT
iCl4にFeはFeCl2となり、冷却により固体とな
った酸化鉄は液体のTiCl4と分離される。得られた
粗TiCl4は精留により精製した後核生成剤を添加
し、1000℃以上の温度で酸素と瞬間的に反応させ、
粗酸化チタンを得る。この酸化分解工程で生成した粗酸
化チタンに顔料的性質を与えるための仕上げ方法は硫酸
法と同じである。表面処理は上記酸化チタン素材を乾式
粉砕後、水と分散剤を加え、湿式粉砕、遠心分離により
粗粒分級が行なわれる。その後、微粒スラリーは表面処
理槽に移され、ここで金属水酸化物の表面被覆が行なわ
れる。まず、所定量のAl,Si,Ti,Zr,Sb,
Sn,Znなどの塩類水溶液を加え、これを中和する
酸、またはアルカリを加えて、生成する含水酸化物で酸
化チタン粒子表面を被覆する。副生する水溶性塩類はデ
カンテーション、濾過、洗浄により除去し、最終的にス
ラリーpHを調節して濾過し、純水により洗浄する。洗
浄済みケーキはスプレードライヤーまたはバンドドライ
ヤーで乾燥される。最後にこの乾燥物はジェットミルで
粉砕され、製品になる。また、水系ばかりでなく酸化チ
タン粉体にAlCl3,SiCl4の蒸気を通じ、その後水蒸気を
流入してAl及び/又は,Si含有化合物の表面被覆を形成
すことも可能である。
【0058】非磁性層に使用することが出来る別の好ま
しい非磁性粉末として、α−酸化鉄を挙げることが出来
る。α−酸化鉄は針状または紡錘形状であって、長軸長
の平均サイズが0.05μmから0.3μmの範囲、更
に好ましくは0.06μmから0.15μmの範囲にあ
り、針状比が2から20、好ましくは3から10の範囲
のものであって、pHが7から11のもの、より好ましく
は8から11,最も好ましくは9から10の範囲にある
ものが選ばれる。このようなpH範囲にあるα酸化鉄を得
るには、α酸化鉄の調製の過程で使用される、例えば水
酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムのようなアルカリを中
和する工程でのpHの調節、または当該アルカリを水洗等
により洗浄する工程での洗浄の程度を調整する等の公知
のプロセスにより行うことが出来る。更に、α酸化鉄の
表面の少なくとも一部がAl2O3、SiO2およびZrO2から選
ばれた少なくとも一つの化合物で被覆されているものを
使用すると、高温多湿下での保存性が一段と向上し、好
ましい。更に、フェニルホスホン酸のようなリンの酸素
酸から誘導された酸基を有する有機化合物(例えば、米
国特許5,318,838号の中に一般式(1)から(3)で示されて
いる化合物)で表面処理しておくと、高温多湿下での保
存性の向上を一段と計ることが出来る。
【0059】その他の顔料の製法については"Character
ization of Powder Surfaces”Academic Pressを参考に
することが出来る。また、非磁性層にカ−ボンブラック
を混合させて公知の効果であるRsを下げることが出来
る。このためにはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、
カラー用ブラック、アセチレンブラック、等を用いるこ
とが出来る。比表面積は100〜500m2/g、好ま
しくは150〜400m 2/g、DBP吸油量は20〜40
0ml/100g、好ましくは30〜200ml/100gで
ある。粒子径は5mμ〜80mμ、好ましく10〜50
mμ、さらに好ましくは10〜40mμである。pHは
2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.
1〜1g/ml、が好ましい。非磁性層に用いられるカ
−ボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製、
BLACKPEARLS 2000、1300、100
0、900、800,880,700、VULCAN
XC−72、三菱化成工業社製、#3050B,315
0B,3250B、#3750B、#3950B、#9
50、#650B,#970B、#850B、MA−6
00、コンロンビアカ−ボン社製、CONDUCTEX
SC、RAVEN8800,8000,7000,5750,5250,3500,21
00,2000,1800,1500,1255,1250、アクゾ社製ケッチェン
ブラックECなどがあげられる。
【0060】カーボンブラックを分散剤などで表面処理
したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部
をグラファイト化したものを使用してもかまわない。ま
た、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ
結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラ
ックは上記無機質粉末に対して50重量%を越えない範
囲、非磁性層総重量の40%を越えない範囲で使用出来
る。これらのカーボンブラックは単独、または組合せで
使用することが出来る。本発明で使用出来るカーボンブ
ラックは例えば「カーボンブラック便覧、カーボンブラ
ック協会編」を参考にすることが出来る。
【0061】本発明の磁気記録テープの非磁性層に含ま
れる非磁性粉末として有機質粉末を挙げることも出来
る。有機質粉末はアクリルスチレン系樹脂粉末、ヘ゛ンソ゛ク゛アナミン樹
脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられる
が、ホ゜リオレフィン系樹脂粉末、ホ゜リエステル系樹脂粉末、ホ゜リアミト゛
系樹脂粉末、ホ゜リイミト゛系樹脂粉末、ホ゜リフッ化エチレン樹脂が使
用される。その製法は特開昭62-18564号公報、特開昭60
-255827号公報に記されているようなものが使用出来
る。これらの非磁性粉末はバインダーに対して、重量比
率で20〜0.1、体積比率で10〜0.1の範囲で用
いられる。特に好ましくはバインダーの体積比が下層に
含まれる粉体の体積に較べて2.0倍から0.3倍の範
囲である。なお、一般の磁気記録テープにおいて下塗層
を設けることが行われているが、これは支持体と磁性層
等の接着力を向上させるために設けられるものであっ
て、厚さも0.5μm以下で本発明の非磁性層とは異な
るものである。本発明においても非磁性層と支持体との
接着性を向上させるために下塗層を設けることが好まし
い。非磁性層に含まれるバインダー、潤滑剤、分散剤、
添加剤及び溶剤、並びに分散方法その他は、上記磁性層
のそれを適用することが出来る。特に、バインダー量、
種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層
に関する公知技術が適用出来る。
【0062】〔支持体〕本発明の磁気記録テープの非磁
性支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポ
リオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリカー
ボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリスルフォン、アラミド、芳香族ホ゜リアミト゛などの
公知の可撓性フィルムを使用することが出来る。支持体
は、特に、ポリエチレンナフタレート製かポリアミド
(芳香族ポリアミド、アラミド)、ポリイミド製である
ことが好ましい。
【0063】これらの支持体にはあらかじめコロナ放電
処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理、
などをおこなっても良い。上記非磁性支持体は、テ−プ
走行方向のF−5値が、好ましくは5〜50kg/mm
2であり、テープ幅方向のF−5値が好ましくは3〜3
0kg/mm2であることが適当である。テ−プ長手方
向のF−5値がテ−プ幅方向のF−5値より高いのが一
般的である。但し、特に幅方向の強度を高くする必要が
あるときはその限りでない。
【0064】また、支持体のテ−プ走行方向および幅方
向の100℃、30分での熱収縮率は、好ましくは3%
以下、さらに好ましくは1.5%以下、80℃、30分
での熱収縮率は、好ましくは1%以下、さらに好ましく
は0.5%以下であることが適当である。破断強度は両
方向とも5〜100kg/mm2、弾性率は100〜2
000kg/mm2であることが好ましい。
【0065】本発明の磁気記録テープは、例えば、以下
の方法により製造出来る。特開昭63-88080号公報、特開
平2-17971号公報,特開平2-265672号公報に開示されて
いるような塗布液通液スリットを二つ内蔵する一つの塗
布ヘッドにより、支持体の一方の面に、非磁性層及び情
報記録用磁性層をほぼ同時に塗布し、次いで磁場配向及
び乾燥を行う。この場合、情報記録用磁性層の塗布液粘
度を非磁性層の塗布液粘度より低くすることが好まし
い。さらに、支持体の反対側の面に、磁性塗料の塗布で
一般的に用いられるグラビア塗布、ロール塗布、ブレー
ド塗布、エクストルーシ゛ョン塗布装置等により、サーボ信号記録
用磁性層を塗布し、磁場配向及び乾燥を行う。
【0066】本発明の磁気記録テープ調製用の磁性塗料
を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、お
よびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程
からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれて
いてもかまわない。本発明に使用する強磁性粉末、結合
剤、カ−ボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、
溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添
加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工
程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレ
タンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のため
に、混合工程へ分割して投入してもよい。
【0067】本発明の磁気記録テープの製造には、上述
のように、従来の公知の製造技術を用いることが出来る
ことはもちろんであるが、混練工程では連続ニーダや加
圧ニーダなど強い混練力をもつものを使用することも出
来る。連続ニーダまたは加圧ニーダを用いる場合は強磁
性粉末と結合剤のすべてまたはその一部(ただし全結合
剤の30%以上が好ましい)および強磁性粉末100重
量部に対し、例えば、15〜500重量部の範囲で混練
処理される。これらの混練処理の詳細については特開平
1−106338号公報、特開昭64−79274号公
報に記載されている。また、非磁性層液を調整する場合
には高比重の分散メディアを用いることが望ましく、ジ
ルコニアビーズが好適である。
【0068】なお、磁性粒子の凝集による磁気記録テー
プの電磁変換特性等の低下を防止するため、特開昭62-9
5174号公報や特開平1-236968号公報に開示されているよ
うな方法により塗布ヘッド内部の塗布液にせん断を付与
することが望ましい。
【0069】さらに、カレンダ処理ロールとしてエポキ
シ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐
熱性のあるプラスチックロールを使用することが出来
る。また、金属ロ−ル同志で処理することも出来る。こ
の処理温度は、好ましくは70℃以上、さらに好ましく
は80℃以上である。線圧力は好ましくは200kg/
cm、さらに好ましくは300kg/cm以上である。
本発明の磁気記録テープにおいては、情報記録用磁性層
及びサーボ信号記録用磁性層のSUS420Jに対する
摩擦係数は、例えば、は0.5以下、好ましくは0.3
以下にすることが出来る。また、情報記録用磁性層及び
サーボ信号記録用磁性層の表面固有抵抗は、例えば、1
4〜1012オ−ム/sqであることが出来る。磁性層
の0.5%伸びでの弾性率は走行方向、幅方向とも好ま
しくは100〜2000kg/mm 2、破断強度は好ま
しくは1〜30kg/cm2、磁気記録テープの弾性率
は走行方向、長い方向とも好ましくは100〜1500
kg/mm2、残留のびは好ましくは0.5%以下、1
00℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は好ましくは1
%以下、さらに好ましくは0.5%以下、もっとも好ま
しくは0.1%以下である。磁性層のガラス転移温度(1
10Hzで測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)
は、いずれの磁性層においても、50℃以上120℃以
下が好ましく、非磁性層のそれは0℃〜100℃が好ま
しい。損失弾性率は、1×108〜8×109dyne/cm2
範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下であ
ることが好ましい。損失正接が比較的小さいと粘着故障
が出にくいという利点がある。
【0070】磁性層中に含まれる残留溶媒は、いずれの
磁性層においても、好ましくは100mg/m2以下、
さらに好ましくは10mg/m2以下である。磁性層が
有する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ましくは30容
量%以下、さらに好ましくは20容量%以下である。空
隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、
目的によってはある値を確保した方が良い場合がある。
例えば、繰り返し用途が重視されるデータ記録用磁気記
録テープでは空隙率が大きい方が走行耐久性は好ましい
ことが多い。磁性層のSFD(Swiching Field Distr
ibution)は0.6以下であることが好ましい。磁性層
の中心線表面粗さ(カットオフ値0.25mm)Raは
1nm〜10nmが好ましいが、その値は目的により適
宜設定される。電磁変換特性を良好にする為にはRaは
小さいほど好ましいが、走行耐久性を良好にするために
は逆に大きいほど好ましい。AFM(Atomic Force M
icroScope)による評価で求めたRMS(2乗平均)表面
粗さRRMSは、例えば、2nm〜15nmの範囲にある
ことが出来る。
【0071】〔層構成〕本発明の磁気記録テープにおけ
る、支持体、情報記録用磁性層、非磁性層及びサーボ信
号記録用磁性層の厚みについて、以下に説明する。
【0072】情報記録用磁性層は、短波長記録のため記
録層の表面しか寄与しないため薄い方が有効である。一
般的には、厚みが0.05μm以上、2μm以下の範囲
である。好ましくは、厚みは0.1μm以上、及び1.
8μm以下である。
【0073】サーボ信号記録用磁性層は、厚みには特に
限定はないが、記録波長的には長波長記録のため深層記
録が可能であるという観点から、厚みは0.05μm以
上、2μm以下の範囲であることが好ましい。さらに好
ましくは、厚みは0.1μm以上、及び1.8μm以下であ
る。
【0074】非磁性層の厚みは、例えば、0.1μm以
上、3μm以下の範囲であり、好ましくは0.5μm以上
であり、2.5μm以下である。
【0075】非磁性支持体の厚みは、1μm以上、10
0μm以下の範囲であり、好ましくは4μm以上、80
μm以下の範囲である。
【0076】情報記録用磁性層、非磁性層及びサーボ信
号記録用磁性層を合わせた厚みは、例えば、非磁性支持
体の厚みの1/100〜2倍の範囲とすることが適当で
ある。また、非磁性支持体と非磁性層又はサーボ信号記
録用磁性層の間には、密着性向上のための下塗り層を設
けてもかまわない。この下塗層の厚みは、例えば、0.
01〜2μmであることが適当であり、好ましくは0.
02〜0.5μmである。
【0077】本発明の磁気記録テープは、全体の厚みが
2μm以上、20μm以下の範囲であることが適当であ
り、好ましくは5μm以上、13.5μm以下、より好
ましくは7.0μm以上、12.5μm以下の範囲であ
る。また、磁気記録テープの幅は、例えば、3〜20m
mの範囲であることができ、好ましくは7〜19mm、
特に好ましくは10〜13mmの範囲である。
【0078】本発明の磁気記録テープは、サーボ信号記
録用磁性層に、磁気記録テープに対する記録及び再生ヘ
ッドの幅方向の相対位置を制御するためのサーボコント
ロール信号が、磁気記録テープの長手方向に沿って記録
されているテープを包含する。本発明の磁気記録テープ
が有するサーボ信号記録用磁性層へのサーボコントロー
ル信号の記録は、例えば、以下のように行うことが出来
る。
【0079】サーボ信号記録用ヘッド及び信号制御シス
テムを用いてサーボ信号記録層に信号を記録する。この
場合、サーボ信号記録用ヘッドは生成するべきサーボト
ラックに対応するギャップを持ち、複数のサーボトラッ
クを一度に記録出来ることが望ましい。
【0080】記録及び再生ヘッドの磁気記録テープに対
する幅方向の相対位置を制御するために、磁気記録テー
プの長手方向に沿ってサーボコントロール信号が記録さ
れていることで、再生ヘッドが記録されたトラックの最
適な位置からずれるのを防止し、出力の低下を抑制する
ことが出来る。よって、サーボ信号を長手方向に記録
し、ヘッドのテープに対する相対位置の検出を行うこと
が、高記録密度化にはより必要である等の利点が有る。
【0081】本発明の磁気記録テープは、磁気抵抗型の
再生ヘッドを用いる磁気記録再生システムに好適に用る
ことが出来る。また、本発明の磁気記録テープは、コン
ピュータデータ記録用として好適である。
【0082】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明する。ここに示す成分、割合、操作、順序等は本発明
の精神から逸脱しない範囲において変更しうるものであ
ることは、本業界に携わるものにとっては容易に理解さ
れることである。従って本発明は下記の実施例に制限さ
れるものではない。尚、実施例中の部は重量部を示す。
【0083】 <磁性層形成用成分=情報記録層> 強磁性金属微粉末 組成 Fe/Co=(80/20)(原子比) 100部 Al含有量: 12原子%、Y含有量: 6.0原子% Hc 2500 Oe、BET法による比表面積 58m2/g 結晶子サイズ175Å 粒子サイズ(長軸径) 0.09μ、針状比 7 σs:130emu/g 、pH 8.6 水溶性Na 70ppm 水溶性Ca 10ppm 水溶性Fe10ppm 塩化ビニル系共重合体(日本セ゛オンMR-110) 12部 -SO3Na含有量:5×10-6eq/g 重合度350 エポキシ基(モノマー単位で3.5重量%) ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 ネオヘ゜ンチルク゛リコール/カフ゜ロラクトンホ゜リオール/MDI =0.9/2.6/1 -SO3Na基 1×10-4eq/g含有 ポリイソシアネート 3部 日本ホ゜リウレタン コロネートL α−アルミナ(粒子サイズ0.2μm) 5部 カ−ボンブラック(粒子サイズ0.2μm) 0.5部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 50部
【0084】 <非磁性層形成用成分> 非磁性粉体 TiO2 結晶系ルチル 90部 均一次粒子径0.035μ、 BET法による比表面積 40m2/g pH7 TiO2含有量90%以上、 DBP吸油量27〜38g/100g、 表面被覆化合物(Al2O3)1.5重量% モース硬度 6.0 カーボンブラック(三菱カーホ゛ン(株)製) 10部 平均一次粒子径 16mμ DBP吸油量 80ml/100g pH 8.0 BET法による比表面積 250m2/g 揮発分 1.5% 塩化ビニル樹脂(日本セ゛オン製MR-110) 12部 -SO3Na,エポキシ基含有 ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 ネオヘ゜ンチルク゛リコール/カフ゜ロラクトンホ゜リオール/MDI=0.9/2.6/1 -SO3Na基 1×10-4eq/g含有 ポリイソシアネート 3部 日本ホ゜リウレタン コロネートL ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 50部
【0085】 <磁性層形成用成分> 強磁性金属微粉末 組成 Fe/Co=90/10(原子比) 100部 Al含有量: 10原子%、Si含有量: 0.03原子% Hc 1850 Oe、BET法による比表面積 58m2/g 結晶子サイズ175Å 粒子サイズ(長軸径) 0.09μ、針状比 7 σs:130emu/g 、pH 8.6 水溶性Na 70ppm 水溶性Ca 10ppm 水溶性Fe10ppm 塩化ビニル系共重合体(日本セ゛オンMR-110) 12部 -SO3Na含有量:5×10-6eq/g 重合度350 エポキシ基(モノマー単位で3.5重量%) ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 ネオヘ゜ンチルク゛リコール/カフ゜ロラクトンホ゜リオール/MDI=0.9/2.6/1 -SO3Na基 1×10-4eq/g含有 ポリイソシアネート 3部 日本ホ゜リウレタン コロネートL α−アルミナ(粒子サイズ0.2μm) 5部 カ−ボンブラック(粒子サイズ0.10μm) 0.5部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 50部
【0086】 <バックコート層形成用成分> カーボンブラック 100部 平均1次粒子径 17mμ DPB吸油量 75ml/100g pH 8.0 BET法による比表面積 220m2/g 揮発分 1.5% 嵩密度 15lbs/ft3 ニトロセルロース樹脂 100部 ポリエステルポリウレタン樹脂 30部 (ニッポラン、日本ポリウレタン工業(株)製) 分散剤 オレイン酸銅 10部 銅フタロシアニン 10部 硫酸バリウム(沈降性) 5部 メチルエチルケトン 500部 トルエン 500部 カーボンブラック 100部 平均1次粒子径 200mμ DPB吸油量 36ml/100g pH 8.5 BET法による比表面積 200m2/g αーアルミナ 粒子サイズ 0.2μm 0.1部
【0087】<磁性層形成用成分=サーボ信号記録用磁
性層>
【0088】〔サーボ信号記録磁性層に使用する磁性
体〕本発明のサーボ信号記録用磁性層として以下の磁性
体を使用した。 実施例1 強磁性金属微粉末 Fe/Co=90/10(原子比) Al含有量: 10原子%、Si含有量: 0.03原子% Hc 1850 Oe BET法による比表面積 58m2/g 結晶子サイズ175Å δs 130 emu/g pH8.6 粒子サイズ(長軸径)0.09μm 針状比 7 水溶性Na 70ppm 水溶性Ca 10ppm 水溶性Fe 10ppm
【0089】 実施例2 強磁性金属微粉末 Fe/Co=92/8 (原子比) Hc 1400 Oe BET法による比表面積 52m2/g 結晶子サイズ173 δs 125 emu/g pH9.0 粒子サイズ(長軸径)0.148μm 針状比 6.7 水溶性Na 80ppm 水溶性Ca 15ppm 水溶性Fe 10ppm
【0090】 実施例3 Co入りγ酸化鉄 Hc 910 Oe Co量(Co/Fe) 5.9%(at%) Al含有量: 4.0原子%、Si含有量: 0.03原子% δs 78emu/g pH8.5 BET法による比表面積 50m2/g pH 8.5 水分 0.5% 水溶性Na 59ppm 水溶性Ca 18ppm
【0091】 実施例4 二酸化クロム Hc 500 Oe Co量(Co/Fe) 3.3%(at%) δs 74emu/g BET法による比表面積 30m2/g pH 粒子サイズ(長軸径) 0.300μm 水分 0.35%
【0092】〔磁気記録テープの製造方法〕上記の塗料
のそれぞれについて、各成分を連続ニ−ダで混練したの
ち、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液に
ポリイソシアネートを下層非磁性層の塗布液には1部、
上層の情報記録用磁性層、裏面のサーボ信号記録用磁性
層の塗布液には3部を加え、さらにそれぞれにメチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン混合溶媒40部を加え,
1μmの平均孔径を有するフィルタ-を用いて濾過し、非磁
性層、情報記録用磁性層形成用およびサーボ信号記録用
磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調製した。得られた非
磁性層塗布液を、乾燥後の厚さが2μmになるようにさ
らにその直後にその上に情報記録用磁性層が0.2μに
なるように、厚さ6μmで中心線表面粗さ(カットオフ
値0.25mm)が0.01μmのポリエチレンナフタ
レ−ト支持体(PEN)上に同時重層塗布をおこない、
両層がまだ湿潤状態にあるうちに3000Gの磁力をも
つコバルト磁石により配向した。また、サーボ信号記録
用磁性層形成用の塗布液を、反対側の支持体の面に乾燥
後1.5μmになるように塗布し、800Gの磁力をも
つソレノイドにより配向させた。非磁性支持体としてP
EN−6.0μmベース(中心線平均粗さ0.005μ
m)を使用した。情報記録用磁性層、非磁性層、サーボ
信号記録用磁性層を形成した磁気記録テープは、金属ロ
ールのみで構成されている7段のカレンダー処理機(温
度90℃、線圧300kg/cm,速度200m/分)に
通してカレンダー処理を行った。
【0093】カレンダー処理された磁気テープのロール
を1/2インチ幅にスリットする。その後1/2インチ
幅にスリットされた磁気テープを3480型カートリッ
ジに580m巻き込みを行った。巻き込み条件の速度は
7m/secで実施した。サーボ信号記録は、サーボ信
号記録用ヘッドを用いて、4m/sで行った。
【0094】〔実施例の磁気テープの磁気特性〕実施例
1〜4における磁気テープは、情報記録層には全て同一
磁性層を用い、支持体裏面のサーボ信号記録用磁性層を
構成する磁性体の種類及びHcを変え他、他は同様にし
て磁気テープを作製した。各磁性層のHcは、以下の通
りである。 サーボ信号記録用磁性層Hc 情報記録層Hc 実施例1 合金粉末 1850 Oe 2500 Oe 実施例2 合金粉末 1400 Oe 2500 Oe 実施例3 Co-γFe2O3 910 Oe 2500 Oe 実施例4 二酸化クロム500 Oe 2500 Oe
【0095】(比較例)また、支持体裏面を通常の磁気
テープと同様のカーボンブラック層よりなるバックコー
ト層とし、サーボ信号記録磁性層は情報記録層と同一面
上に位置信号を記録して位置を検出し制御する構成の磁
気記録テープを作成し、これを比較例とした。
【0096】比較例の磁気テープの製造に際しては、実
施例と同様に情報記録層、非磁性層、サーボ信号記録用
磁性層と同一の製造法を用いた。磁気テープロールを得
た後も実施例と同様に1/2インチ幅にスリットを行
い、スリット後3480型カートリッジに巻き込み速度
7m/secの条件で580m巻き込みを行った。
【0097】以下に、磁気テープとしての評価方法を詳
細に示す。 〔磁気テープとしての評価〕得られた磁気テープを用い
て以下の様な性能評価を行った。 1.磁気記録再生システムの組立 (1)薄膜磁気ヘッド 記録ヘッド 構造:2ターン薄膜コイルをCo系アモルファス磁性薄
膜ヨークで狭持したインダ クティブヘッドで
ある。 トラック幅:66μm、ギャップ長:1.4μm 再生ヘッド 構造:両シールド型シャントバイアスMR(磁気抵抗
型)ヘッドである。MR素子はFe/Ni(パーマロ
イ)合金薄膜である。 トラック幅:22μm、シールド間隔:0.45μm (2)磁気記録再生システムの組立 記録再生ヘッドを富士通(株)製F613Aト゛ライフ゛(3
480型1/2インチカートリッジ磁気テープ記録再生
装置)に装着し、テープスピード40インチ/秒の磁気
記録再生システムを作製した。 2.再生出力の測定評価 上記の磁気記録再生システムに実施例及び比較例の磁気
テープを装着して、下記の条件で再生出力を測定した。 A.サーボ制御がない場合 トラック幅80μm、トラック数128データを0.8
μmの記録波長で記録し50μmの幅を持つ再生ヘッド
で再生し出力を測定評価する。 B.サーボ制御がある場合 トラック幅80μm、トラック数128データで0.5
μmの記録波長で記録し、サーボによるトラック制御を
しつつ50μmの幅を持つ再生ヘッドで再生出力を測定
評価する。 3.耐久性テスト 上記の磁気記録再生システムに実施例及び比較例の磁気
テープ(サーボ信号によるトラック制御なし)を装着し
てテープ全長50000ハ゜スの繰り返し走行を行い評価
した。その際出力低下については磁気テープの全長にわ
たって再生出力を測定し、初期の再生出力に対する低下
分を出力低下として評価した。 4.サーボコントロール処理工程得率 サーボコントロール信号を記録する工程は情報記録の位
置決めに極めて重要な工程であり、得率上においても製
造実施の上で適性の有無等重要である。 5.サーボエラー発生頻度 サーボ信号を制御しながら5000passの繰り返し耐久
テストを行い、サーボエラーの発生頻度を測定した。特
に走行中書き込めない部分が起きた場合においてリトラ
イの状況を観察評価した。
【0098】
【表1】
【0099】〔評価結果〕以下に、本発明の実施例1〜
4について得られた結果と比較例の結果を示す。実施例
1〜4及び比較例について評価結果を表1に示す。表1
に示されるように、実施例に示した通り専用化された両
面磁性層の得率はヘッドの目つまり、走行トラフ゛ルもなく
90%以上の得率を得ているが比較例はそれ以下となっ
ていることが分かる。特に比較例は、平滑性のよい情報
記録層と同一面のため磁性粉落ち等によるヘッド目詰ま
り等書き込み不良等のためエラーが発生するチャンスが
極めて多い。そのため工程得率が著しく劣っている。ま
た、サーボエラーについても、表1に示されるようにサ
ーボエラーは、実用上特に問題ないレベルであった。
【0100】
【発明の作用及び効果】本発明の磁気テープによれば、
リニアー記録方式を利用し磁気抵抗型の再生ヘッドを組
み込んだ磁気記録再生システムに適した磁気テープを提
供することが可能となる。即ち、より高い記録密度で且
つ、大きな記録容量を図るために支持体を挟む両面磁性
層で構成した磁気テープで磁性層側には情報信号だけを
記録し、支持体裏面にはHcは情報記録用磁性層と以下
のHcを有するサーボコントロール信号のみを記録、制
御するサーボ信号用磁性層を設けることで、実用上特に
問題ない結果が得られた。この効果は、情報記録用磁性
層とサーボ信号用磁性層とを分離して、各々専用化する
ことにより達成された。
【0101】上記の様に本発明からなる磁気記録媒体は
今後特に高密度化による幅の狭いトラックにも拘わらず
走行時のトラックズレ(オフトラック)、ヘッド目詰ま
りをより少なくしてサーボエラーの発生がない記録再生
を行い、高い信頼性を持って行う事が出来る高密度化に
最適な磁気テープを提供するものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の一方の面に、バインダー
    と非磁性粉末とを含み、かつ厚みが0.1μm以上、3
    μm以下の範囲である非磁性層と、強磁性微粉末とバイ
    ンダーとを含み、かつ厚みが0.05μm以上、2μm
    以下の範囲である情報記録用磁性層をこの順に有し、前
    記非磁性支持体の他方の面には強磁性微粉末とバインダ
    ーとを含むサーボ信号記録用磁性層を有する磁気記録記
    録媒体であって、前記サーボ信号記録用磁性層のHc
    は、前記情報記録用磁性層のHc以下であることを特徴
    とする磁気記録テープ。
  2. 【請求項2】 前記サーボ信号記録用磁性層に、前記磁
    気記録テープに対する記録及び再生ヘッドの幅方向の相
    対位置を制御するためのサーボコントロール信号が前記
    磁気記録テープの長手方向に沿って配置されることを特
    徴とする請求項1に記載の磁気記録テープ。
  3. 【請求項3】 前記情報記録用磁性層のHcは、100
    0 Oe以上であり、前記サーボ信号記録用磁性層のH
    cは3000 Oe以下である請求項1又は2に記載の
    磁気テープ。
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