JP2944711B2 - 発泡プラスチック絶縁電線及びその製造方法 - Google Patents
発泡プラスチック絶縁電線及びその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 <発明の対象> 本発明は、導体の囲りにプラスチック・バルーン(中
空体)からなる発泡絶縁層を形成した発泡プラスチック
絶縁電線及びその製造方法に関する。
空体)からなる発泡絶縁層を形成した発泡プラスチック
絶縁電線及びその製造方法に関する。
<従来技術とその問題点> 従来、発泡絶縁電線の絶縁体の押出被覆方法としては
化学発泡剤をプラスチック組成物に配合して導体上に押
出被覆してこれを発泡させる化学発泡か、フレオン等を
絶縁体に封入するガス発泡方式であった。
化学発泡剤をプラスチック組成物に配合して導体上に押
出被覆してこれを発泡させる化学発泡か、フレオン等を
絶縁体に封入するガス発泡方式であった。
しかしながら、化学発泡では、絶縁体中への発泡剤の
配合量を増やすと、気泡破れが生じて連続気泡になった
り発泡剤の残渣が多量に生じて電気的特性や内部導体の
変色をもたらすという問題があった。
配合量を増やすと、気泡破れが生じて連続気泡になった
り発泡剤の残渣が多量に生じて電気的特性や内部導体の
変色をもたらすという問題があった。
又、ガス発泡の場合は多大な設備費を必要とするばか
りでなく、発泡絶縁層と導体との密着が悪くなるという
問題があった。又、微小中空球体をプラスチックに混練
することによって発泡押出をする方法もある。すなわち
第4図に示すように導体2′の外周に発泡絶縁層11′を
被覆してある。
りでなく、発泡絶縁層と導体との密着が悪くなるという
問題があった。又、微小中空球体をプラスチックに混練
することによって発泡押出をする方法もある。すなわち
第4図に示すように導体2′の外周に発泡絶縁層11′を
被覆してある。
発泡絶縁層11′はプラスチック3′に練り込んだ微小
中空球体10′からなる。この様な構造の発泡絶縁体を押
出機のスクリューで混練をすると微小中空球体10′がつ
ぶれてしまうという欠点があった。
中空球体10′からなる。この様な構造の発泡絶縁体を押
出機のスクリューで混練をすると微小中空球体10′がつ
ぶれてしまうという欠点があった。
そればかりでなく、発泡絶縁電線に外力等が加わると
主に表層に近い微小中空球体10′がつぶれてしまい電気
的特性に障害が生じてしまうという問題もあった。
主に表層に近い微小中空球体10′がつぶれてしまい電気
的特性に障害が生じてしまうという問題もあった。
<発明の目的> 本発明は、それらの欠点を解決する為、プラスチック
・バルーン(中空体)からなる発泡絶縁層を形成した発
泡プラスチック絶縁電線及びその製造方法の提供を目的
としてなされたもので、その要旨とするところは、一番
目として、導体2の外周にプラスチック3と40〜80μm
の径からなる第1粗粒子径プラスチック・バルーン4か
らなる第1発泡絶縁層5を形成し、次にプラスチック6
と5〜39μmの径からなる第2微粒子径プラスチック・
バルーン7からなる第2発泡絶縁層8を形成して2層構
造とし、更にハード層を形成したことを特徴とする発泡
プラスチック絶縁電線である。
・バルーン(中空体)からなる発泡絶縁層を形成した発
泡プラスチック絶縁電線及びその製造方法の提供を目的
としてなされたもので、その要旨とするところは、一番
目として、導体2の外周にプラスチック3と40〜80μm
の径からなる第1粗粒子径プラスチック・バルーン4か
らなる第1発泡絶縁層5を形成し、次にプラスチック6
と5〜39μmの径からなる第2微粒子径プラスチック・
バルーン7からなる第2発泡絶縁層8を形成して2層構
造とし、更にハード層を形成したことを特徴とする発泡
プラスチック絶縁電線である。
2番目として、導体2の外周にプラスチック塗料3に
40〜80μmの径からなる第1粗粒子径プラスチック・バ
ルーン4を添加し、遠赤外又は紫外線硬化でコーティン
グして第1発泡絶縁層5を形成し、次にプラスチック塗
料6に5〜39μmの径からなる第2微粒子径プラスチッ
ク・バルーン7を添加し、遠赤外又は紫外線硬化でコー
ティングして第2発泡絶縁層8を形成して2層構造と
し、更にハード層を形成したことを特徴とする発泡プラ
スチック絶縁電線の製造方法である。
40〜80μmの径からなる第1粗粒子径プラスチック・バ
ルーン4を添加し、遠赤外又は紫外線硬化でコーティン
グして第1発泡絶縁層5を形成し、次にプラスチック塗
料6に5〜39μmの径からなる第2微粒子径プラスチッ
ク・バルーン7を添加し、遠赤外又は紫外線硬化でコー
ティングして第2発泡絶縁層8を形成して2層構造と
し、更にハード層を形成したことを特徴とする発泡プラ
スチック絶縁電線の製造方法である。
<実施例の構成> 以下、本発明のプラスチック絶縁電線及びその製造方
法の実施例を添付画面を参照して詳細に説明する。
法の実施例を添付画面を参照して詳細に説明する。
第1図は本発明のプラスチック絶縁電線の断面構造図
である。
である。
第2図は、本発明のプラスチック・バルーンの拡大断
面図で、外側の殻がフェノール樹脂やナイロン等の材質
からなり、内部が空洞化されている。
面図で、外側の殻がフェノール樹脂やナイロン等の材質
からなり、内部が空洞化されている。
第3図は、本発明のプラスチック絶縁電線の製造方法
の各工程における断面図を示している。
の各工程における断面図を示している。
第1図と第3図から明らかな様に、軟銅線等からなる
導体2の外周に第1の発泡絶縁層5を形成し、コーティ
ングによって得られる。
導体2の外周に第1の発泡絶縁層5を形成し、コーティ
ングによって得られる。
第1の発泡絶縁層5はプラスチック塗料3に40〜80μ
mの径からなる第1粗粒子径プラスチック・バルーンを
多量添加して分散性の良好なコンパウンドに配合し遠赤
外や紫外線硬化等のディッピング(浸漬)塗布によりコ
ーティングして形成される。
mの径からなる第1粗粒子径プラスチック・バルーンを
多量添加して分散性の良好なコンパウンドに配合し遠赤
外や紫外線硬化等のディッピング(浸漬)塗布によりコ
ーティングして形成される。
次に、第1粗粒子径プラスチック・バルーン4よりも
小さい5〜39μmの径からなる第2微粒子径プラスチッ
ク・バルーン7を同様にコーティングして第2発泡絶縁
層8を形成して2層構造とし、更にPVC樹脂等からなる
ハード層9を形成したことを特徴とする発泡プラスチッ
ク絶縁電線1である。
小さい5〜39μmの径からなる第2微粒子径プラスチッ
ク・バルーン7を同様にコーティングして第2発泡絶縁
層8を形成して2層構造とし、更にPVC樹脂等からなる
ハード層9を形成したことを特徴とする発泡プラスチッ
ク絶縁電線1である。
本発明の発泡プラスチック絶縁電線の外径は0.8mmφ
のものを使用している。
のものを使用している。
プラスチック塗料としては、難燃・架橋型・粘度及び
導体との接着強度の良好なものが良い。
導体との接着強度の良好なものが良い。
又、配合量としては、機械的強度が強くてコーティン
グが良好なものが好ましい。
グが良好なものが好ましい。
この様に内層に径の大きい第1粗粒子径プラスチック
・バルーン4を形成し、外層に径の小さい第2微粒子径
プラスチック・バルーン7を形成して2層構造としてあ
る為、万一、外力がハード層9に加わった場合、径の小
さいプラスチック・バルーン7は破れることはあっても
内層にある径の大きいプラスチック・バルーン4は殆ん
ど影響を受けない。
・バルーン4を形成し、外層に径の小さい第2微粒子径
プラスチック・バルーン7を形成して2層構造としてあ
る為、万一、外力がハード層9に加わった場合、径の小
さいプラスチック・バルーン7は破れることはあっても
内層にある径の大きいプラスチック・バルーン4は殆ん
ど影響を受けない。
<その他の変形例> 今迄、紫外線硬化(UV)や遠赤外硬化に就いて述べた
がこれに限らず電子線(EB)硬化による方法でも構わず
本発明の範囲内で各種の変形を含むものであることはい
うまでもない。
がこれに限らず電子線(EB)硬化による方法でも構わず
本発明の範囲内で各種の変形を含むものであることはい
うまでもない。
<発明の効果> 以上説明の様に、本発明のプラスチック絶縁電線によ
れば、径を変えた大小の中空のプラスチック・バルーン
を紫外線硬化等で2層にコーティングしてある為、外力
が加わっても内層のプラスチック・バルーンは保護され
るので良好な電気的特性を維持することが出来る。
れば、径を変えた大小の中空のプラスチック・バルーン
を紫外線硬化等で2層にコーティングしてある為、外力
が加わっても内層のプラスチック・バルーンは保護され
るので良好な電気的特性を維持することが出来る。
そればかりでなく、従来の化学発泡やガス気泡に比べ
て煩雑な発泡制御をする必要がなく、簡便で作業効率が
良い。
て煩雑な発泡制御をする必要がなく、簡便で作業効率が
良い。
更に、プラスチック・バルーンの大きさ・樹脂厚等を
調整することにより、発泡剤やガス等では不可能な発泡
率を得ることが可能になるという優れた効果を奉するこ
とが出来るので、その工業的価値は大なるものがある。
調整することにより、発泡剤やガス等では不可能な発泡
率を得ることが可能になるという優れた効果を奉するこ
とが出来るので、その工業的価値は大なるものがある。
第1図は本発明の発泡プラスチック絶縁電線の断面構造
図、第2図は、本発明の中空プラスチック・バルーンの
拡大断面図、第3図は本発明の発泡プラスチック絶縁電
線の製造方法の各工程における断面図、第4図は従来の
発泡プラスチック絶縁電線の断面図を示している。1 :発泡プラスチック絶縁電線、2、2′:導体、3、
3′、6:プラスチック又はプラスチック塗料、4:第1粗
粒子径プラスチック・バルーン、5:第1発泡絶縁層、
7:第23微粒子径プラスチック・バルーン、8:第2発泡
絶縁層、9:ハード層、10′:微小中空球体、11′:発泡
絶縁層。
図、第2図は、本発明の中空プラスチック・バルーンの
拡大断面図、第3図は本発明の発泡プラスチック絶縁電
線の製造方法の各工程における断面図、第4図は従来の
発泡プラスチック絶縁電線の断面図を示している。1 :発泡プラスチック絶縁電線、2、2′:導体、3、
3′、6:プラスチック又はプラスチック塗料、4:第1粗
粒子径プラスチック・バルーン、5:第1発泡絶縁層、
7:第23微粒子径プラスチック・バルーン、8:第2発泡
絶縁層、9:ハード層、10′:微小中空球体、11′:発泡
絶縁層。
Claims (2)
- 【請求項1】導体2の外周にプラスチック3と40〜80μ
mの径からなる第1粗粒子径プラスチツク・バルーン4
からなる第1発泡絶縁層5を形成し、次にプラスチック
6と5〜39μmの径からなる第2微粒子径プラスチツク
・バルーン7からなる第2発泡絶縁層8を形成して2層
構造とし、更にハード層を形成したことを特徴とする発
泡プラスチック絶縁電線。 - 【請求項2】導体2の外周にプラスチック塗料3に40〜
80μmの径からなる第1粗粒子径プラスチツク・バルー
ン4を添加し、遠赤外又は紫外線硬化でコーティングし
て第1発泡絶縁層5を形成し、次にプラスチック塗料6
に5〜39μmの径からなる第2微粒子径プラスチツク・
バルーン7を添加し、遠赤外又は紫外線硬化でコーティ
ングして第2発泡絶縁層8を形成して2層構造とし、更
にハード層を形成したことを特徴とする発泡プラスチッ
ク絶縁電線の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17657390A JP2944711B2 (ja) | 1990-07-04 | 1990-07-04 | 発泡プラスチック絶縁電線及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17657390A JP2944711B2 (ja) | 1990-07-04 | 1990-07-04 | 発泡プラスチック絶縁電線及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0465027A JPH0465027A (ja) | 1992-03-02 |
JP2944711B2 true JP2944711B2 (ja) | 1999-09-06 |
Family
ID=16015926
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17657390A Expired - Fee Related JP2944711B2 (ja) | 1990-07-04 | 1990-07-04 | 発泡プラスチック絶縁電線及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2944711B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016110847A (ja) * | 2014-12-05 | 2016-06-20 | 住友電気工業株式会社 | 絶縁電線及び絶縁電線の製造方法 |
CN110517833B (zh) * | 2019-08-20 | 2021-09-10 | 国网山东省电力公司滨州供电公司 | 一种低介电系数双层异种材质电缆及其制备方法 |
JP7211338B2 (ja) * | 2019-11-07 | 2023-01-24 | 日立金属株式会社 | 同軸ケーブルおよび同軸ケーブルの製造方法 |
-
1990
- 1990-07-04 JP JP17657390A patent/JP2944711B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0465027A (ja) | 1992-03-02 |
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