JP2943984B1 - 打抜きシートの押え方法とそれに用いる押圧補助具 - Google Patents

打抜きシートの押え方法とそれに用いる押圧補助具

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JP2943984B1 JP10122355A JP12235598A JP2943984B1 JP 2943984 B1 JP2943984 B1 JP 2943984B1 JP 10122355 A JP10122355 A JP 10122355A JP 12235598 A JP12235598 A JP 12235598A JP 2943984 B1 JP2943984 B1 JP 2943984B1
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Abstract

【要約】 【課題】 形打抜き工程で可撓性シート材料(ダンボー
ルシート)に対する局部押圧加工を施すにあたり、その
局部押圧部分に隣接する非処理部分でシート材料を傷め
ることのない処理が行える打抜きシートの押え方法およ
びそれに用いる押圧補助具を提供する。 【解決手段】 ダンボールシートを形打抜きする工程に
おいて、その打抜き型20における前記ダンボールシー
トに対する局部押圧個所(底フラップの貼り合わせ個所
など)に、その局部押圧部分から非押圧部分への押圧力
が次第に小さく作用する押圧力の低減部を備える押圧補
助具1、1Aを取付けて、形打抜き加工と同時に局部を
押圧して前記ダンボールシートを局部的に塑性変形させ
る。また、前記方法に用いる押圧補助具1,1Aとして
は、適宜厚みのクッション性を有する部材で、所要形状
の局部の押圧主体部片2とその押圧主体部片2から非押
圧側に沿って適宜ピッチで変形容易な脚片6を多数連設
されて押圧力の低減部を構成する補助部片3とを組み合
わせてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可撓性シート材料
(主としてダンボールシート)から紙器製品を得るため
の形打抜き工程で、切断部分および罫押し部分の近傍や
フラップ形成部分における板厚の調整などで、可撓性シ
ート材料を傷めることなく合理的に処理できる打抜きシ
ートの押え方法とそれに用いる押圧補助具に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、可撓性シート材料で紙器を製作
するにあたり、例えばボトムロック形式の函体の場合、
底部を形成するためのフラップは、サックマシンで自動
的に折り曲げられて所定の個所に糊付けされ、その後に
底部形成のためのフラップ並びに胴部繋ぎ個所を貼り合
わせて組み立てるようにするために、その折り曲げ並び
に糊付けなどの操作が容易になるように種々の工夫がな
されている。
【0003】たとえば、図6におけるボトムロック式の
函体の底面図で示されるように、函体100の底部フラ
ップ102,103のうち糊付けされる個所104およ
び105は、組立に際して嵩張らないようにするため
に、ダンボールシートの段山(中芯段山)を裏面側で押
し潰して薄くなるようにされ、その後に当該肉厚減少部
分(104,105)同士および胴部の糊代個所にそれ
ぞれ糊付けされて、重ね合わされることで収納物品を挿
入する開口上部を除いて貼り合わされる。
【0004】特に、前述のボトムロック形式の函体10
0は、加工工程で構成するブランクが形打抜きされた後
に、サックマシンに掛けて自動製函する場合、どうして
も底部フラップが逆折りされた部分を貼り合わす重なり
量に対して胴部の貼り合わせ糊代個所の重なり量が少な
く(底部フラップの貼り合わせ部での重なりが5層に対
して胴部の貼り合わせ部での重なりが3〜4層)、しか
も底部フラップの貼り合わせ重なり部は胴部の折り曲げ
部に隣接するために、その底部折り曲げ個所での弾性力
が作用して、中間位置になる胴部の貼り合わせ個所が浮
き上がり勝手になり、強く押さえないと胴部の糊代個所
における貼り合わせが確実に行えないという問題があ
る。
【0005】このようなことから、図7に示されるボト
ムロック形式の函体の展開図で例示されるように、前述
のようなボトムロック形式の製函を行うためには、底部
フラップ103および102の一部の肉厚を薄くするこ
とが要求される。そのために、それらの底部フラップ1
03,102における肉薄減少部分104,105で肉
厚を薄くするには、通常、形打抜き工程で打抜き型にお
ける肉厚薄め該当個所にパッド107,108(図8参
照)を取付けて、打抜きと同時にダンボールシートの段
山を押し潰す方法が講じられている。前記パッド10
7,108としては、たとえばコルク板を所要の外形寸
法に裁断するとともに、その一部の縁を次第に薄くなる
ように削り取って必要な部分だけに所要の押圧力が働い
て前記段山の押し潰しができるようにされている。
【0006】このようなパッドの一例が図8(a)
(b)によって示されている。この段山押し潰し用のパ
ッド107,108は、前述のように底部を形成するた
めの重ね合わせ部分に対応する形状にコルク板を切断し
て、これを折り曲げ罫線を付す位置からやや離れた(罫
押し刃に対する罫押し溝付けテープの1/2分)部分か
ら適宜区間では縁部107a,108aの肉厚tを次第
に薄くなるように削ぎ落としたものに加工され、接着剤
によって打抜き型の型板の盤面に取付けられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このようなダンボール
シートの段山を押し潰すためのパッド107,108を
準備するには、前述のようにコルク板から所要寸法に切
断したものを、通常はグラインダーなどによって所要の
範囲で縁部107a,108aを削り落とし、可能な限
り表面が丸みを帯びた斜面になるように加工されてい
る。その加工は手作業によるので、非常に多くの手数を
要し、前記図7で例示されるように、肉薄減少部分10
4,105に対応させるとして一個の函体に対して四個
のパッドが必要になり、このようなことから、それらパ
ッドをすべて手作業により行う必要上工費が嵩み高価な
ものになるという欠点がある。
【0008】さらに、このようなコルク板製のパッドを
使用しても、その加工について罫押し刃側を可能な限り
段山の押し潰し力が小さくなるように配慮した形状にし
ておかないと、ダンボールシートの段山押し潰しに際し
て無理な負荷をシート側に与える状態になれば、打抜か
れたブランクがサックマシンで折り畳まれるとき、押し
潰し個所との境界部分で変形折れ(罫線部分以外のとこ
ろで折れる)が発生するという問題が生じる。
【0009】同様に、形打抜き操作時において、函体1
00の折り曲げ部106を形成する罫押し位置の隣接
部,切断部においても、段山に平行して罫押し・切断さ
れるとき、ライナーが引かれてひび割れcや切り口のび
びりd(切断個所が細かく凹凸状になる状態になり商品
価値を低下させる)(図7参照)が発生しやすいという
問題点がある。
【0010】いずれにしても、形打抜き工程で、ダンボ
ールシートに対して局部的に集中して、あるいは過剰に
大きな負荷が加えられると、その負荷が作用する部分や
隣接する個所(境界部分)で、変形折れやライナーに過
剰な張力が作用して限界を超える場合に破断することが
避けられず、これを解消することに困難が伴うという問
題点がある。
【0011】本発明は、このような問題点を解消するた
めになされたもので、形打抜き工程で可撓性シート材料
(ダンボールシート)に対する局部押圧加工を施すにあ
たり、その局部押圧部分や隣接する非処理部分で可撓性
シート材料を傷めることのない処理が行える打抜きシー
トの押え方法およびそれに用いる押圧補助具を提供する
ことを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段および作用・効果】前述さ
れた目的を達成するために、第1発明による打抜きシー
トの押え方法は、可撓性シート材料を形打抜きする工程
において、その打ち抜き型における前記可撓性シート材
料に対する押し潰し押圧個所に、所要形状の押圧主体部
片と、この押圧主体部片とは別部片で構成されてその押
圧主体部片の非押圧側に沿う基部から非押圧部分へ向け
て前記可撓性シート材料に対する押圧力次第に低減さ
せて作用させる補助部片とよりなる押圧補助具を取付け
て、形打抜き加工と同時に前記押し潰し押圧個所を押圧
して前記可撓性シート材料を局部的に塑性変形させるこ
とを特徴とするものである。
【0013】こうすることにより、形打抜き工程で、可
撓性シート材料から所要のブランクを打抜くと同時に、
その所要個所を打抜き型に取付く押圧補助具にて強く押
圧して、例えばダンボールシートにおける段山の押し潰
しを行なう際、その押圧補助具による所要押圧部分から
隣接する非押圧部分へは次第に押圧力が低減するように
作用させることにより、押圧力が要所にのみ集中作用し
て境界部分では次第に小さく、かつ、分散される。その
結果、局部的なブランクの変形折れの発生を回避できて
所期の目的を達成できるという効果を奏するのである。
また、押圧主体部片と補助部片とは別部片で構成されて
いるので、使用される個所の形状に応じて外形を整える
ことで使用目的個所に簡単に対応することができるとい
う効果を奏する。
【0014】次に、第2発明による打抜きシートの押え
方法は、前記第1発明において、さらに、前記可撓性シ
ート材料に対する罫押し個所に隣接して、この罫押し個
所に平行な中央部分からその罫押し個所およびその反対
側へ向けて共に前記可撓性シート材料に対する押圧力を
次第に低減させて作用させる押圧補助具を取付けること
により、前記罫押し個所の両側を押さえてブランクの形
打抜き加工と同時に罫押し加工を施すようにしたもので
ある。
【0015】こうすると、可撓性シート材料からの函体
ブランク打抜き加工時に付される折り曲げ罫線形成す
る際に、ブランク形成部のシート材料表面にひび割れな
どを発生しないように押圧補助具によって前記罫押し部
に隣接するシート表面部分を押さえるのに、罫押し個所
からシート押え位置までは次第に押圧力が高められると
同時に、その反対側では押さえ位置から次第に押圧力が
小さくなるようにすることで、被加工シート材料の表面
が局部加工を施される局部を除いて無理なく押さえられ
て、隣接部で割れが発生するのを防止できる効果を奏す
るのである。
【0016】次に、第発明による押圧補助具は、前記
第1発明による打抜きシートの押え方法を実施するのに
適したものであり、適宜厚みのクッション性を有する部
よりなる押圧補助具であって、所要形状の圧主体部
片と、圧主体部片とは別部片で構成されてその押
圧主体部片と組み合わせて使用される補助部片とよりな
り、この補助部片が、前記押圧主体部片に隣接する基部
と、前記押圧主体部片の非押圧側に沿って前記基部から
適宜ピッチで多数連設される先細状の変形容易な脚片と
により構成されていることを特徴とするものである。
【0017】このような構成の第発明による押圧補助
具は、形打抜き工程で打抜き型の目的個所に、被加工シ
ートの打抜きと同時に段山の押し潰しを必要とする個所
の外形に合わせて、その押圧主体部片の外形を形成する
と同時に、非押圧部分に対応する側に沿って適宜ピッチ
先細状の変形容易な脚片を多数連設形成した補助部片
を組み合わせて用い、型板の盤面に貼着使用される。こ
うすると、前述のように、ダンボールシートの段山が形
打抜きされる際に、前記押圧補助具の圧主体部片によ
って押圧されて押し潰し加工されるとき、非押圧部分に
沿って配される補助部片の部分では、その脚片が変形容
易であるために作用する押圧力が低減されて、それらの
脚片が基部から先端に向かって次第に押圧力の付加が減
少する。その結果、打抜かれるブランクの押し潰し加工
部分と非押圧部分との境界でシート材の境界線が生じる
ことなく目的のブランクを得ることができる。
【0018】そして、この押圧補助具は、予め圧主体
部片を適宜外形寸法にして、その少なくとも一辺に基部
を隣接させて補助部片を、その多数の変形容易な脚片が
非押圧方向に配されるようにして打抜き型の型板の盤面
に貼着しておけば、使用される個所の形状に応じて外形
を整えることで使用目的個所に簡単に対応することがで
きる。また、一方の面に例えば接着剤を予め塗布して保
護紙で覆っておき、使用時にその保護紙を剥がして貼着
するようにすれば取扱が容易になり、簡単に対応できて
作業性が著しく向上するという効果を奏するものであ
る。
【0019】前記押圧補助具における変形容易な脚片と
しては、基部に向かって適宜ピッチでV字形またはU字
形に切込みが設けられるのがよい。
【0020】た、本発明において、打抜き加工される
ダンボールシートの中芯段山に平行する切断部において
は、その切断刃に隣接する部分に、前記第発明におけ
る押圧補助具の補助部片に対応する形状の独立した押圧
補助具を用い、その基部が切断刃側に位置するようにし
て打抜き型に貼着して使用するのがよい。こうすると、
ブランク打抜き加工時に、その押圧補助具の基部がダン
ボールシートの切断される近傍を押圧して、切断刃によ
る切断と同時に罫押し刃によりダンボールシートのライ
ナーが罫押し側に引き寄せられる引張り作用力を阻止し
て、切断刃による切断を確実に行わせて切断個所で発生
していた切り口のびびり現象を解消することができる効
果を奏するのである。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、発明による打抜きシート
の押え方法とそれに用いる押圧補助具の具体的な実施の
形態につき、面を参照しつつ説明する。
【0022】図1には、本発明による打抜きシートの押
え方法で局部を押し潰すのに用いられる押圧補助具の一
具体例として、押圧主部片の一辺に押圧力の低減部とな
る脚片を多数連設された補助部片を付帯させた押圧補助
具の正面図(a)が、押圧主部片の二辺に押圧力の低減
部となる脚片を多数連設された補助部片を付帯させた押
圧補助具の正面図(b)が、また、図2に図1で示され
る押圧補助具の要部拡大断面図が、それぞれ示されてい
る。
【0023】これらの図において、押圧補助具1(1
A)は、例えばスポンジラバーのようなクッション性を
備えた材料を用い、所要の厚みtで所要の外形にされた
平坦な押圧主体部片2と、その一辺または二辺に付帯さ
せて押圧力の低減部となる補助部片3とで構成されてい
る。
【0024】その補助部片3は、前記押圧主体部片2と
同じ材料で適宜幅Bの帯状にされ、その幅Bの1/3程
度の連続する幅の基部4を残して長手方向に所要ピッチ
PにてV字状の切込み5(図示省略するがU字状でもよ
い)が形成され、これら切込み5によってその基部4に
連設して多数の二等辺三角状の脚片6が形成されたもの
である。また、押圧補助具1(1A)を構成する押圧主
体部片2と補助部片3の裏面には、例えば感圧性の接着
剤層7を形成して、この接着剤層7の表面は離形紙8に
よって覆われて使用時まで取扱容易な構成とされてい
る。
【0025】このように構成される押圧補助具1(1
A)は、その製作に当たって、一般に使用される打抜き
型における切断刃の植付け高さよりもやや高くなる厚み
tのスポンジラバーのようなクッション性を備えた材料
(例えば、発泡ゴム、軟質の発泡プラスチック)のシー
トを用い、平坦な押圧主体部片2は使用する箇所の寸法
に合うようにその一辺2aに対して他方の各辺2b,2
cを切り揃えたものを用いる。また、この押圧主体部片
2に組み合わせる補助部片3は、前述のように押圧主体
部片2と同一の材質で同じ厚みの材料シートを用い、基
部4に沿って多数の脚片6を形成された帯状のものか
ら、前記押圧主体部片2の押圧力の低減部を必要とする
辺2a側に、図1(a)で示されるように、その基部4
と適宜間隙sが生じるように沿わせて所要長さに寸法形
状を整えたものを、所定の位置に貼着使用できるように
する。また、押圧主体部片2の二辺に押圧力の低減部を
必要とする箇所で用いられる押圧補助具1Aの場合は、
平坦な押圧主体部片2に対して、補助部片3としては前
述のように帯状に成形されたものを、図1(b)で示さ
れるように、その押圧主体部片2の二辺に基部4側面が
適宜間隔sをおいて沿わせるように屈曲させて所定の位
置に貼着使用できるようにする。なお、押圧主体部片2
の外形や寸法並びに補助部片3の長さなどについては、
使用される個所に応じて周囲を切断して(図1(a)に
おいてa、または図1(b)においてbで示す)形状を
整えるようにされる。また、裏面に設ける接着剤層7に
ついては、公知の両面接着テープを使用するようにして
もよい。
【0026】このような押圧補助具1(1A)を使用し
て函体のブランクを打抜くには、例えばボトムロック式
の函体を打抜く場合、図3に示されるように、打抜き型
20の型板21の盤面に、前記一辺に補助部片3(押圧
力の低減部)を配される押圧補助具1では、その補助部
片3における脚片6の先端が底フラップの逆折り曲げ罫
押し刃22に沿うようにして配し、押圧主体部片2は側
辺2b,2cを切り揃えて外形を整える(図1(a)参
照)。また、押圧補助具1Aでは、前記底フラップに対
応する被貼着底フラップの内折り曲げ罫押し刃23に補
助部片3における脚片6の先端が沿うようにして配し、
押圧主体部片2はその側辺2b,2cを切り揃えて外形
を整える(図1(b)参照)。こうして外形を整えられ
た各押圧補助具1,1Aは、離形紙8を剥がして型板2
1の盤面における所定位置に前述のように押圧主体部片
2の辺2aと補助部片3の基部4側面との間に適宜間隙
sが形成されるように接着すればよい。
【0027】こうして罫押し刃22,23に沿わせるよ
うに貼着された押圧補助具1,1Aは、ダンボールシー
トDが支持される面板30によって打抜き型20に対し
て押し付けられると、図4で示される押圧作動態様の概
要図にて表わされるように、それらの押圧主体部片2は
その押圧力で容積変化して圧縮されると同時にその反力
でダンボールシートDに接する面を強く押圧し、そのダ
ンボールシートDの段山dを押し潰す。しかしながら、
その押圧主体部片2に間隙sを介して基部4を連接され
る補助部片3では、多数の脚片6が前記押圧主体部片2
と同様の押圧力を受けると基部4は連続しているのに対
して、連設する脚片6はいずれも切込み5によって連結
部を除く周囲がフリーになっているのと先端に向かって
細幅にされているので、押圧による圧縮時、基部4にて
はその弾性による容積変化のみであるのに比べて、脚片
6の部分では周囲に膨出変形できると同時にその容積が
先端に向かい次第に少なくなっているので、その容積に
比例して変形量(圧縮反力)が小さくなる。
【0028】その結果、押圧主体部片2の部分では強い
押圧力でダンボールシートDの段山dを押し潰す押圧力
が作用しても、多数の脚片5が連設形成される補助部片
3の部分では先端部に向かって次第に押圧力が小さくな
って緩和され、シート面において押し潰し部と非押し潰
し部(通常部分)との境界における引っ張り現象が発生
しなくなる。また、前述の押圧主体部片2と補助部片3
の基部4側面との間に間隙sを設けておくことにより、
押圧主体部片2が押圧されて厚み方向に圧縮される際、
その周囲に膨出変形するのを容易にして、過度にダンボ
ールシートDの段山dを押し潰すのを防止するのに役立
てる。
【0029】このように、本実施例の打抜きシートの押
え方法によれば、被処理シートの底フラップの貼り合わ
せ部を打抜き加工と同時に押し潰して肉厚を薄くする加
工が、シートの表面、特に押し潰し部分(局部押圧部
分)と非押圧部分の境界部において強い押圧力の影響を
低減させてシート面に変形段差を起させないで処理でき
ることになった。したがって、サックマシンに掛けて自
動製函させるに際しても、接着不良や底フラップの逆折
り曲げ部や順折り曲げ部で変形折れの発生を防止するこ
とができ、加工不良の発生を削減できる効果が得られ
る。
【0030】また、打抜き型20に対する前記押圧補助
具1,1Aの取付作業も、前述のように外形寸法を必要
な形状に整えるだけで簡単に取付けられて所期の目的を
達成できるので、作業能率が格段に向上し、工費の低減
を図ることができるという経済効果も顕著である。
【0031】5に、罫押し個所に用いられる押圧補助
具の一具体例の正面図(a)、およびX−X線に沿った
断面図(b)がそれぞれ示されている。
【0032】これらの図で示される押圧補助具10は、
前記実施例におけるものと同様に、スポンジラバーのよ
うなクッション性を備える材料を用い、所要の厚みtで
適宜幅Eの帯状にされ、その幅Eの両側に所要寸法B′
で、それぞれ適宜ピッチPで長手方向にV字状(図示省
略するがU字状であってもよい)の切込み14を設け、
連続する部位を基部12として、前記切込み14によっ
てその基部12に連接して多数の二等辺三角状の脚片1
5が形成される押圧力の低減部13が設けられたもので
ある。また、基部12並びに押圧力の低減部13の裏面
には、感圧性の接着剤層16が形成され、この接着剤層
16の表面は離形紙17によって覆われている。
【0033】このように構成される押圧補助具10は、
その製作に当たって、前記実施例のものと同様に、使用
される打抜き型における切断刃・罫押し刃の植付け高さ
よりもやや高くなる厚みtのスポンジラバーのようなク
ッション性を備えた材料(例えば、発泡ゴム、軟質の発
泡プラスチック)のシートを用いて、前述のような形状
に成形される。なお、裏面の接着剤層については、公知
の両面接着テープを使用するようにして代用してもよ
い。
【0034】このような押圧補助具10を用いて函体の
ブランクを打抜く作業を行うには、例えば図3に示され
る打抜き型で説明すると、函体となる部分の胴部内折り
曲げ罫押し刃24に一方の押圧力低減部13における脚
片15の先端が沿うようにして主要長さに切断された押
圧補助具10を、その罫押し刃24の両側でそれぞれ平
行に型板21の盤面に接着剤層16を介して貼着する。
【0035】こうして罫押し刃24に沿わせるように押
圧補助具10を貼着して被処理シートのブランク打抜き
作業を行えば、罫押し刃24による折り曲げ罫線が付さ
れる際、その被処理シート表面に対して罫押し刃24が
押し付けられて局部的な押圧変形が生じるのに伴い被処
理シートの表面部が浮き上がるのを抑えることができ
る。こうすると、その罫押し位置の両側で適宜距離離れ
た部分を、クッション性を有する押圧補助具10によっ
て押えられて前記罫押し刃24による局部的な押圧変形
によって生じるシートの内部応力で、当該個所に隣接す
る部分において、前記押圧補助具10による浮き上がり
制止操作のための押圧力が、罫押し位置から離れた押圧
補助具10の基部12までの間で、その基部12におい
て作用する押圧力よりも罫押し位置までの範囲において
押圧力の低減部13により押圧力が次第に小さくなるよ
うにさせることで、シート表層に生じる張力を緩衝させ
る。また同様にして罫押し位置と反対の側でも、押圧力
の低減部13により押圧力が次第に小さくなるようにさ
せることで、シート表層に生じる内部応力を緩衝させ
る。その結果、従来罫線部並びにその近傍で発生しやす
かったひび割れの発生を解消することができるようにな
った。
【0036】このように、本実施例によれば、簡単な構
造の押圧補助具を採用することで、局部押圧加工を行わ
せるとき、あるいは切断加工・罫押し加工に付随してそ
の局部押圧に伴う被処理シートの表層で発生する引張力
などの内部応力を巧みに緩衝させて不良品の発生を防止
することが可能となる効果を奏する。
【0037】また、前述の打抜き加工工程において、ダ
ンボールシートDの中芯段山に平行する切断部(例えば
胴部の貼り合わせ露出端部)においては、図3にて示さ
れるその切断刃25に隣接する部分に、前記第3発明に
おける押圧補助具1の補助部片3に対応する形状の独立
した押圧補助具1Bを用い、その基部4が切断刃25側
に位置するようにして打抜き型に貼着して使用するのが
よい。こうすると、ブランク打抜き加工時に、その押圧
補助具1Bの基部4がダンボールシートDの切断される
近傍を押圧して、切断刃25による切断と同時に罫押し
刃24によりダンボールシートDのライナーが罫押し側
に引き寄せられる引張り作用力を阻止して、切断刃によ
る切断を確実に行わせて切断個所で発生していた切り口
のびびり現象を解消して、正常に切断することができる
効果を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、発明による打抜きシートの押え方法
で局部を押し潰すのに用いられる押圧補助具の一具体例
を示し、(a)は押圧主部片の一辺に押圧力の低減部と
なる脚片を多数連設された補助部片を付帯させた押圧補
助具の正面図、(b)は押圧主部片の二辺に押圧力の低
減部となる脚片を多数連設された補助部片を付帯させた
押圧補助具の正面図である。
【図2】図2は、図1で示される押圧補助具の要部拡大
断面図である。
【図3】図3は、本発明の打抜きシートの押え方法を実
施するのに用いられるボトムロック式函体の打ち抜き型
の一例を示す図である。
【図4】図4は、発明による打抜きシートの押え方法
での押圧作動態様の概要図である。
【図5】図5は、発明の打抜きシートの押え方法で使
用される押圧補助具の一具体例を示し、(a)はその正
面図、(b)は図(a)におけるX−X線に沿った断面
図である。
【図6】図6はボトムロック式の函体の底面図である。
【図7】図7は、ボトムロック形式の函体の展開図であ
る。
【図8】図8は、ボトムロック形式函体の底フラップを
押圧するのに用いられる従来のパッドを示し、(a)は
二辺を削いだ形状のパッド、(b)は一辺を削いだ形状
のパッドをそれぞれ示す斜視図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,10 押圧補助具 2 押圧補助具の押圧主体部片 3 押圧補助具の補助部片 4 補助部片の基部 5,14 切込み 6,15 脚片 7,16 接着剤層 12 基部 13 押圧力の低減部 20 打抜き型 21 型板 22,23,24 罫押し刃 25 切断刃

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性シート材料を形打抜きする工程に
    おいて、その打ち抜き型における前記可撓性シート材料
    に対する押し潰し押圧個所に、所要形状の押圧主体部片
    と、この押圧主体部片とは別部片で構成されてその押圧
    主体部片の非押圧側に沿う基部から非押圧部分へ向けて
    前記可撓性シート材料に対する押圧力次第に低減させ
    作用させる補助部片とよりなる押圧補助具を取付け
    て、形打抜き加工と同時に前記押し潰し押圧個所を押圧
    して前記可撓性シート材料を局部的に塑性変形させるこ
    とを特徴とする打抜きシートの押え方法。
  2. 【請求項2】 さらに、前記可撓性シート材料に対する
    罫押し所に隣接して、この罫押し個所に平行な中央部
    分からその罫押し個所およびその反対側へ向けて共に
    記可撓性シート材料に対する押圧力を次第に低減させて
    作用させる押圧補助具を取付けることにより前記罫押
    し個所の両側を押さえてブランクの形打抜き加工と同時
    に罫押しが施される請求項1に記載の打抜きシート
    の押え方法。
  3. 【請求項3】 適宜厚みのクッション性を有する部材
    りなる押圧補助具であって、所要形状の押圧主体部片
    と、の押圧主体部片とは別部片で構成されてその押圧
    主体部片と組み合わせて使用される補助部片とよりな
    り、この補助部片が、前記押圧主体部片に隣接する基部
    と、前記押圧主体部片の非押圧側に沿って前記基部から
    適宜ピッチで多数連設される先細状の変形容易な脚片と
    により構成されていることを特徴とする押圧補助具。
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