JP2943520B2 - 超高真空容器 - Google Patents
超高真空容器Info
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- B64G—COSMONAUTICS; VEHICLES OR EQUIPMENT THEREFOR
- B64G7/00—Simulating cosmonautic conditions, e.g. for conditioning crews
- B64G2007/005—Space simulation vacuum chambers
Landscapes
- Pressure Vessels And Lids Thereof (AREA)
Description
系を用いて真空度が例えば10−10Torr以上ない
しは10−11Torr以上の超高真空を得るのに好適
な超高真空容器に関するものである。
めの真空容器の素材としては、例えば、特開平1−31
6439号公報,特開平3−31451号公報に開示さ
れているように鋼中の不純物を極度に低減させた超清浄
鋼が用いられたり、特開昭60−36648号公報に開
示されているようにオーステナイト系ステンレス鋼成分
に少量のN,B,Ceを含有させた合金の表面に窒化ボ
ロンを加熱析出させたステンレス鋼が用いられたり、加
藤らの報告(真空vol.34 1(1991)p.5
6)にあるようにガス放出量を抑えるために内面に特殊
な表面処理を施したステンレス鋼が用いられたりしてい
る。
場合であっても、比較的単純な真空排気系であるターボ
ポンプのみでは真空度が10−11Torr以上の超高
真空を得ることは難しく、例えば、チタンサプリメーシ
ョンポンプやクライオポンプなどの複雑な真空排気系を
用いる必要がある。さらに、超清浄鋼やステンレス鋼を
用いた真空容器は重量が大きくなる欠点を有している。
ば、特開昭59−153514号公報,特開昭59−1
83926号公報,特開昭60−128258号公報,
特開昭63−103073号公報に開示されているよう
にアルミニウム合金が用いられることもあるが、この場
合にはガス放出量が多いため真空度が10−11Tor
r以上の超高真空を得るのは極めて困難である。
テンレス鋼を超高真空容器の素材として用いた場合に
は、ステンレス鋼からガスが放出されることから、真空
度が10−11Torr以上の超高真空を得るために
は、容器内面を電解研磨したり、鋼中の不純物を極度に
低減させた超清浄鋼が必要となる。
を用いてもイオンポンプやチタンサプリメーションポン
プ、クライオポンプ等の複雑な真空排気系が必要とな
る。
行うことが考えられており、このような場合、真空容器
材料の重量が問題となるが、ステンレス鋼や超清浄鋼で
は重量が大きくなりやすい欠点がある。
て、アルミニウム合金が用いられることもあるが、この
アルミニウム合金はガス放出量が多いため真空度が10
−11Torr以上の超高真空を得ることは容易ではな
い。
たものであって、イオンポンプやチタンサプリメーショ
ンポンプ、クライオポンプなどの複雑な真空排気装置を
用いなくともターボポンプなどの比較的単純な真空排気
系で真空度が10−10Torr以上ないしは10
−11Torr以上の超高真空を得ることが可能であ
り、かつまた軽量である超高真空容器を提供することを
目的としている。
容器は、Pd,Pt,Rh,Ru,Re及びOsからな
る群から選択される少なくとも1種の白金系金属を0.
02〜1.00重量%、Co,Fe,Cr,Ni,Mn
及びCuからなる群から選択される少なくとも1種の遷
移金属を0.1〜3.0重量%、La,Ce,Pr,N
d,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Erの希土類元素
及びYからなる群から選択される少なくとも1種の希土
類系元素を0.02〜0.50重量%の範囲で含有し、
不純物元素としてのC,N及びOをそれぞれC:0.0
5重量%以下、N:0.05重量%以下、O:0.08
重量%以下に規制し、残部Ti及び不可避的不純物より
なるガス放出特性の優れた超高真空用に適する部材を用
いた容器本体にフランジ形軸継手をそなえた構成とした
ことを特徴としている。
記超高真空用に適する部材を構成する合金にさらにAl
を0.2〜9.5重量%の範囲で含有し、このうちとく
に冷間加工性が良好であることが要求される場合にはA
lを0.2〜1.5重量%の範囲で含有するガス放出特
性の優れた超高真空用に適する部材を用いた構成とした
ことを特徴としている。
は、α型ないしはニアα型,α+β型,β型等のチタン
合金をベースとし、Pd,Pt,Rh,Ru,Re及び
Osからなる群から選択される少なくとも1種の白金系
金属を0.02〜1.00重量%、Co,Fe,Cr,
Ni,Mn及びCuからなる群から選択される少なくと
も1種の遷移金属を0.1〜3.0重量%、La,C
e,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er
の希土類元素及びYからなる群から選択される少なくと
も1種の希土類系元素を0.02〜0.50重量%の範
囲で含有し、不純物元素としてのC,N及びOをそれぞ
れC:0.05重量%以下、N:0.05重量%以下、
O:0.08重量%以下に規制したガス放出特性の優れ
た超高真空用に適する部材を用いた容器本体にフランジ
形軸継手をそなえた構成としたことを特徴としている。
おいて、この超高真空容器は、フランジ形軸継手をそな
え、前記フランジ形軸継手のナイフエッジ部表面に耐酸
化用として例えばスパッタ蒸着によって厚さを0.01
〜2.00μm程度に成膜したAuの表面処理を施して
ある構成のものとすることが可能であり、また、同じく
実施態様において、この超高真空容器は、フランジ形軸
継手をそなえ、前記フランジ形軸継手のナイフエッジ部
表面に耐酸化及び耐摩耗用としてTiNの表面処理が施
してある構成のものとすることが可能であり、同じく実
施態様において、この超高真空容器は、フランジ形軸継
手をそなえ、前記軸継手部分のシール用パッキン材とし
て、O:0.08重量%以下、H:0.001重量%以
下、Fe:0.042重量%以下、C:0.006重量
%以下、N:0.005重量%以下の高純度Tiを用い
た構成のものとすることが可能であり、同じく実施態様
において、この超高真空容器は、容器外表面の少なくと
も一部に、酸化膜及び窒化膜から選択される少なくとも
1種の表面保護膜が設けてある構成のものとすることが
可能であり、同じく実施態様において、この超高真空容
器は、容器本体とフランジ形軸継手とが外表面から容器
内部へと貫通する電子ビーム溶接により一体化してなる
構成のものとすることが可能である。
比較的軽量な超高真空用に適する部材を用いることを前
提として、超高真空中で、素材内部に固溶するガス成分
が真空側に拡散して表面から放出される現象を抑えるべ
く検討を加えた結果、C,N,Oを低減させたチタン合
金において、白金系金属であるPd,Pt,Rh,R
u,Re及びOsのうちの1種以上と、遷移金属である
Co,Fe,Cr,Ni,Mn及びCuの1種以上と、
希土類系元素であるLa,Ce,Pr,Nd,Sm,G
d,Tb,Dy,Ho,Erの希土類元素及びYの1種
以上を所定量添加することによって、超高真空下でのこ
のようなガス放出を低減することができる超高真空用に
適する部材が得られることを見い出した。
とにより高加工性が付与されることも見い出した。さら
に、このような合金系にAlを1.5重量%以内で添加
することによって上記特性を損なわずに高強度化が図れ
ることも併せて見い出し、冷間加工性が良好であること
が要求されないときはAlを9.5重量%まで添加する
ことによってより一層の高強度化が図れることも見い出
した。さらにまた、α型,α+β型,β型等のチタン合
金をベースとした場合にも、このような添加物系を用い
ることにより、熱間加工性に悪影響を与えないことも見
い出し、このような超高真空用に適する部材を超高真空
容器の素材として用いることによって、比較的単純な真
空排気系を使用したときでも真空度が10−10Tor
r以上ないしは10−11Torr以上の超高真空を容
易に得ることができることを確認した。
容器は、本発明者らのこのような知見に基づいて成され
たものである。
高真空用に適する部材における添加元素の限定理由につ
いて述べる。
これら白金系金属元素は、超高真空容器の内部に残留す
る分子状の水素を材料表面でトラップして原子状の水素
に分離する触媒の働きをする極めて重要な元素である。
そして、このような機能が発揮されるためには、上記元
素のうち少なくとも1種を合計で0.02重量%以上添
加することが必要である。しかしながら、合計で1.0
0重量%を超えて添加された場合には、加工性が低下す
るため、超高真空容器ないしはその部材への冷間成形が
困難になる。また、チタン合金をベースにする場合に
は、これらの元素が1.00重量%を超えて含有すると
熱間での加工性が低下し、材料自体の加工が困難とな
る。従って、上記元素の少なくとも1種を0.02〜
1.00重量%の範囲で添加することとした。
これらの遷移金属元素は、上記白金系金属元素によって
表面に吸着した原子状の水素を固定する能力がかなり高
いTi2Co,TiFe,TiCr2,Ti2Ni,T
iMn,Ti2Cu等の金属間化合物を生成させるため
に必要である。そして、このような金属間化合物を生成
させるためには上記元素の少なくとも1種を合計で0.
1重量%以上添加することが必要である。しかしなが
ら、3.0重量%を超えて過剰に添加した場合には、生
成された金属間化合物によって材料の延性および加工性
が低下する。また、チタン合金をベースにする場合に
は、これらの元素が3.0重量%を超えて含有すると、
生成された金属間化合物によって熱間での加工性が低下
する。このため、これらの元素の少なくとも1種を0.
1〜3.0重量%の範囲で添加することとした。
b,Dy,Ho,Er及びY;これらの希土類系元素
は、材料に固溶する酸素を内部酸化により酸化物として
固定することによって固体内部から表面への固溶酸素の
拡散を抑制する働きをする。このような働きは、La,
Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,E
r及びYを単独で添加しても得られるし、あるいは、ミ
ッシュメタルのような形で複合添加した場合においても
変わらずに得られ、合計で0.02重量%以上添加した
場合に有効に発揮される。しかしながら、これらの1種
または2種以上を合計で0.50重量%を超えて添加し
た場合には、析出した酸化物によって延性および加工性
が低下する。また、チタン合金をベースにする場合に
は、これらの元素が0.50重量%を超えて含有する
と、析出した酸化物によって熱間での加工性が低下す
る。このため、これらの元素のうち少なくとも1種を
0.02〜0.50重量%の範囲で添加することとし
た。
して残留ガス中の酸素と結合してCOガスを生成するた
めできるだけ低減させる必要がある。しかしながら、
0.05重量%以下の含有量では、このような固体内部
からの拡散によるCOガス放出量は、真空度10−11
〜10−12Torrではほとんど影響しない。従っ
て、Cは0.05重量%以下に規制した。
拡散してN2ガスとなり放出される恐れがある。しかし
ながら、真空度10−11〜10−12Torrでは、
0.05重量%以下のN含有量とすれば、N2ガスによ
る著しい真空度の低下は認められない。従って、Nは
0.05重量%以下に規制した。
ため、真空中へのガス放出といった観点からは最も管理
が必要な不純物である。材料中に固溶するOは、表面か
らO2などの形で放出され、真空度の低下を招く。この
ため本発明では、上述のように、La,Ce,Pr,N
d,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er及びYの1種
又は2種以上の添加によって酸素を固定するのである
が、酸素が0.08重量%を超えて含有している場合
は、上記の希土類系元素による固定の効果が十分ではな
く、ガス放出が多くなる。さらに、固定されたOは酸化
物の形となって、冷間成形性を低下させる。また、チタ
ン合金をベースにする場合には、酸素が0.08重量%
を超えて含有すると、同様の理由で熱間加工性を低下さ
せる。従って、Oは0.08重量%以下に規制した。
特性、冷間成形性に大きな変化を生じさせずに、材料の
強度を上昇させるために有効である。特に、0.2重量
%以上添加した場合にこの効果は大きい。しかしなが
ら、1.5重量%を超えて添加すると冷間成形性が低下
し、真空容器ないしはその部材への冷間加工が難しくな
るので、冷間加工性を考慮する場合にはAlを添加する
としても0.2〜1.5重量%の範囲とするのが望まし
い。そして、この冷間成形性を考慮しないときにはAl
を1.5重量%以上添加して強度のより一層の向上をは
かることが可能であるが、9.5重量%を超えると熱間
加工性が低下するので、1.5重量%以上添加するとし
ても9.5重量%以下とする必要がある。
ると共に、比重が小さい軽量な金属であるので残部とし
た。
は、適用するチタン合金に特に制限はなく、α及びニア
α合金、α+β合金、β合金のいずれをベースにしても
よい。そして、いずれの合金をベースにした場合でも、
上記添加系を用いることにより、熱間加工性を低下させ
ずに優れたガス放出特性を有するチタン合金よりなる超
高真空用に適する部材を得ることができ、このようなベ
ースとなるチタン合金において、α及びニアα合金とし
ては、Ti−0.3Mo−0.8Ni,Ti−5Al−
2.5Sn,Ti−5Al−2.5Sn−ELI,Ti
−8Al−1Mo−1V,Ti−6Al−2Sn−4Z
r−2Mo,Ti−6Al−2Nb−1Ta−0.8M
o,Ti−2.25Al−11Sn−5Zr−1Mo,
Ti−5Al−5Sn−2Zr−2Moなどがあり、ま
た、α+β合金としては、Ti−6Al−4V,Ti−
6Al−4V−ELI,Ti−6Al−6V−2Sn,
Ti−8Mn,Ti−7Al−4Mo,Ti−6Al−
2Sn−4Zr−6Mo,Ti−5Al−2Sn−2Z
r−4Mo−4Cr,Ti−6Al−2Sn−2Zr−
2Mo−2Cr,Ti−10V−2Fe−3Al,Ti
−3Al−2.5Vなどがあり、さらにβ合金として
は、Ti−13V−11Cr−3Al,Ti−8Mo−
8V−2Fe−3Al,Ti−3Al−8V−6Cr−
4Mo−4Zr,Ti−11.5Mo−6Zr−4.5
Snや、その他Ti0.80〜0.45Nb
0.20〜0.55などがある。
高真空容器の一例を示すものであって、この超高真空容
器1は、図1および図2に示すように、円筒形状をなす
胴部1aに、大,中,小多数のフランジ形軸継手1bを
溶接結合して一体化した構造をなすものであり、例え
ば、胴部(容器本体)1aは板状素材を円筒形状にU−
O曲げ成形して軸方向に電子ビーム溶接すると共に大,
中,小多数のフランジ取付孔を形成することにより製作
され、また、フランジ形軸継手1bは塑性加工や切削加
工などによって鍔付円筒形状に製作されたのち、別体の
前記胴部(容器本体)1aとフランジ形軸継手1bとを
雰囲気真空度が1×10−3Torr以下である電子ビ
ーム溶接により外表面から胴部(容器)内部へと貫通す
ると共に全円周にわたる溶接結合により一体化してなる
構造のものとすることが可能である。
に示すように、フランジ形軸継手1bにその継手面1c
を貫通する多数のボルト孔1dを形成していると共に、
継手面1cにはリング形状をなすナイフエッジ部1eを
形成していて真空シールが良好に行えるようになってお
り、前記ナイフエッジ部1eの表面に耐酸化用として例
えばスパッタ蒸着によって厚さを0.01〜2.00μ
m程度に成膜したAuの表面処理が施してあるものとす
ることも場合によっては望ましく、また、同様に、ナイ
フエッジ部1eの表面に耐酸化及び耐摩耗用としてTi
Nの表面処理が施してあるものとすることも場合によっ
ては望ましく、さらに、前記ナイフエッジ部1eに当接
されるシール用パッキン材として、O:0.08重量%
以下、H:0.001重量%以下、Fe:0.042重
量%以下、C:0.006重量%以下、N:0.005
重量%以下の高純度Tiを用いるようになすことも場合
によっては望ましく、さらにまた、容器外表面の少なく
とも一部に、酸化膜及び窒化膜から選択される少なくと
も1種の表面保護膜が設けてあるものとすることも場合
によっては望ましい。
器の素材として用いた場合、真空容器内部に残留するガ
スは、ステンレス鋼中に固溶していた酸化ガスや、介在
物とマトリックス界面にトラップされた水素ガスや、表
面変質層に残留する酸素などと鋼中の炭素と結びついた
CO,CO2ガス等により構成されている。
に適する部材は、C,N,Oを低減したチタン合金に、
Pdなどの白金系金属、Coなどの遷移金属、Yやミッ
シュメタルなどの希土類系元素を適量添加することとし
たので、このような超高真空用に適する部材を超高真空
容器の素材として用いた場合に、以下のメカニズムによ
って構成部材からのガス放出を抑制し、残留ガスの固定
が良好に行われるものとなる。
るチタン合金中からの酸素の放出をYやミッシュメタル
などの希土類系元素により酸化物の形で材料内部に固定
し、低減させる。
占めるH2ガスをPdなどの白金系金属の触媒作用によ
り、H原子として材料表面に物理吸着させる。
oなどの遷移金属よりなる水素トラップ能力の高い金属
間化合物(Ti2Co等)により強く固定される。
部材にガス放出特性を付与する各元素の添加量の適性化
を図ることにより、冷間成形性の良好なチタン合金より
なる超高真空用に適する部材が得られる。
に、9.5重量%以下のAlを添加することにより、A
lの固溶強化によって、熱間加工性を良好なものにする
と共にガス放出特性を損なうことなく強度を上昇させる
ものとなり、1.5重量%以下のAlを添加することに
より、Alの固溶強化によって、冷間加工性を良好なも
のにすると共にガス放出特性を損なうことなく強度を上
昇させるものとなる。
合に、上記添加系を用いることにより、ガス放出特性に
優れていると共に、熱間加工性の低下をもたらさないも
のとなる。
金をアーク溶解炉によりボタンインゴットに溶製し、熱
間圧延・熱処理を施した後に各種試験に供した。なお、
表1のNo.1〜9は本発明実施例1であり、表2のN
o.10〜18は比較例1であり、表2のNo.19は
実施例1の参考例であり、表2のN0.20は従来材で
あるオーステナイト系ステンレス鋼の場合の従来例1で
ある。
び機械的性質を把握した。
置(TDS)を用い、供試材を400℃で昇温加熱して
ベーキング処理とし、その後室温におけるガス放出率を
求めた。ガス放出率は四重極質量分析装置(QMS)の
測定強度にQMSの各気体毎の感度係数、各気体毎の排
気速度を乗じることによって求め、No.20の従来材
を基準とする比の値とした。さらに一部については、V
ARインゴットより板材としてこれを供試材とし、図1
ないし図5に示した構造を有する小型の超高真空容器1
を製作して、ターボ分子ポンプ(180 l/s)によ
る到達真空度のテストを行った。
冷間塑性加工により製作する場合を考慮して、冷間成形
性の指標として供試材の限界曲げ試験を行い、ベンドフ
ァクター曲げポンチの半径/板厚で整理を行った。さら
に、各供試材の引張試験を行い、引張強さの比較もあわ
せて行った。
であるNo.1〜9の供試材は、H2,CO+N2,C
O2のいずれのガスも従来材であるNo.20のオース
テナイト系ステンレス鋼と比較して1/10以下であ
り、特に質量数28のCO+N2ガスは非常に少ない特
徴を示した。また、冷間成形性もきわめて高く、板厚と
同等程度までの曲げ半径においても割れが生じなかっ
た。さらに、Alを1.5重量%以下の範囲で添加した
N0.1,3,4,6,8,9については、引張強さが
45kgf/mm2を超える高い値を示した。
は、ガス放出特性または加工性が劣っていることが確認
された。
が本発明の範囲よりも少ない例であるが、冷間加工性に
は優れているものの、ガス放出特性が優れているとはい
い難いものとなっていた。一方、No.11は、白金系
金属を本発明の範囲よりも過剰に添加した場合である
が、優れたガス放出特性を有するものの、ベンドファク
ターが5.5と冷間加工性に乏しいことが確認された。
が本発明の範囲から外れる例であり、遷移金属が本発明
の範囲よりも過剰に添加したNo.12の場合には加工
性が低下したものとなっており、一方、本発明の範囲よ
り少ないNo.13の場合には、ガス放出量がNo.2
0のステンレス鋼と比べて著しく少ないとはいえないも
のとなっていた。
土類系元素の量が本発明の範囲から外れる例であり、希
土類系元素が本発明の範囲よりも少ないNo.14で
は、酸素を含んだガス成分が多く放出され、ステンレス
鋼とほぼ同等のガス放出特性しか得られなかった。一
方、これらが本発明の範囲よりも過剰に含まれたNo.
15では、生成された酸化物により加工性が低下してい
た。さらに、ガス放出特性も損なわれていた。
は、それぞれC,N,及びOが本発明の範囲を超えて含
有された場合であるが、いずれの場合も、ガス放出特性
が著しく低下しており、ステンレス鋼並みとなってしま
うことが確認された。
工性の確保にとって必要な範囲を超えて含有された場合
であり、ガス放出特性は優れた結果を有するものの、冷
間成形性に劣るものとなっていた。
いし図5に示した超高真空容器(φ200×300)1
を試作した結果、180 1/sのターボポンプのみで
真空度が6.8×10−11Torrの超高真空を得る
ことができた。これは、同等のステンレス製の超高真空
容器の場合に真空度が1.0×10−8Torrまでで
あったのと比べて到達真空度にかなりの差異があり、本
発明で用いた超高真空用に適する部材の優れたガス放出
特性を裏付けるものといえる。なお、この到達真空度の
実験はいずれも200℃×72時間ベーク後、室温にて
24時間冷却した後に行った。
び比較例2は、添加元素としてAl以外のものをも含む
チタン合金をベースとした場合を例にとって示すもので
ある。そして、チタン合金をベースとした表5および表
6に示す組成の合金をアーク溶解炉によりボタンインゴ
ットに溶製し、熱間圧延・熱処理を施した後に各種試験
に供した。なお、表5のNo.21〜25は本発明実施
例2であり、表6のNo.26〜34は比較例2であ
り、表6のNo.35は従来材であるオーステナイト系
ステンレス鋼の場合の従来例2である。
び機械的性質を把握した。
の値を用い、さらに一部については、VARインゴット
より板材としてこれを供試材とし、図1ないし図5に示
した構造を有する小型の超高真空容器1を製作して、タ
ーボ分子ポンプ(800 1/s)によりテストを行っ
た。
旋盤およびフライス盤を用いた切削加工により製作する
場合を考慮して、熱間加工性の指標として熱間圧延後の
供試材の割れ発生の程度を把握し、熱間加工性の評価を
行った。
であるNo.21〜25の供試材は、H2,CO+
N2,CO2のいずれのガスも従来材であるNo.35
のオーステナイト系ステンレス鋼と比較して1/10以
下であり、特に質量数28のCO+N2ガスは非常に少
ない特徴を示した。また、熱間成形性も良好であり、耳
割れが生じた場合であっても1cmを超えないものとな
っていた。
は、ガス放出特性または熱間加工性が劣っていることが
確認された。
が本発明の範囲よりも少ない例であるが、熱間加工性に
は優れているものの、ガス放出特性が優れているとはい
い難いものとなっていた。
金属,希土類系元素の量が本発明の範囲よりも少ない例
であるが、いずれも実施例2に比較してガス放出量が劣
っていた。
それぞれ白金系金属,遷移金属,及び希土類系元素が本
発明の範囲を超える場合であるが、いずれも優れたガス
放出特性を有しているものの、耳割れが大きく熱間加工
が困難であったさらにまた、No.32,33,及び3
4は、それぞれC,N,及びOが本発明の範囲を超えて
含有された場合であるが、いずれの場合も、ガス放出特
性が著しく低下しており、ステンレス鋼並みとなってし
まうことが確認された。
ンポンプやクライオポンプなどの複雑な真空排気装置を
用いることなしにターボポンプのみの比較的単純な真空
排気系で真空度が例えば10−10Torr以上ないし
は10−11Torr以上の超高真空を得ることが可能
であり、かつまたガス放出量の少ない超高真空用に適し
た部材を用いた軽量な超高真空容器を提供することがで
きるという著しく優れた効果がもたらされる。そして、
本発明の超高真空容器によって、従来のステンレス鋼製
容器と比較して、高い到達真空度を比較的容易に得るこ
とが可能であり、Al含有量を1.5重量%以下とする
ことによって冷間加工性を損うことなく塑性加工による
成形加工が容易な超高真空用に適する部材を用いて超高
真空容器を製作することが可能であり、また、Al含有
量を9.5重量%以下とすることによって熱間加工性を
損うことなく旋削ないしは切削加工による成形加工が容
易な超高真空用に適する部材を用いて超高真空容器を製
作することが可能であるという著しく優れた効果がもた
らされる。
説明図である。
説明図である。
の正面説明図である。
の断面説明図である。
の図4B部位におけるナイフエッジ部の拡大断面説明図
である。
Claims (9)
- 【請求項1】 Pd,Pt,Rh,Ru,Re及びOs
からなる群から選択される少なくとも1種の白金系金属
を0.02〜1.00重量%、 Co,Fe,Cr,Ni,Mn及びCuからなる群から
選択される少なくとも1種の遷移金属を0.1〜3.0
重量%、 La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,H
o,Erの希土類元素及びYからなる群から選択される
少なくとも1種の希土類系元素を0.02〜0.50重
量%の範囲で含有し、 不純物元素としてのC,N及びOをそれぞれC:0.0
5重量%以下、N:0.05重量%以下、O:0.08
重量%以下に規制し、 残部Ti及び不可避的不純物よりなる部材を用いた容器
本体にフランジ形軸継手をそなえたことを特徴とする超
高真空容器。 - 【請求項2】 Pd,Pt,Rh,Ru,Re及びOs
からなる群から選択される少なくとも1種の白金系金属
を0.02〜1.00重量%、 Co,Fe,Cr,Ni,Mn及びCuからなる群から
選択される少なくとも1種の遷移金属を0.1〜3.0
重量%、 La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,H
o,Erの希土類元素及びYからなる群から選択される
少なくとも1種の希土類系元素を0.02〜0.50重
量%、 Al:0.2〜9.5重量%の範囲で含有し、 不純物元素としてのC,N及びOをそれぞれC:0.0
5重量%以下、N:0.05重量%以下、O:0.08
重量%以下に規制し、 残部Ti及び不可避的不純物よりなる部材を用いた容器
本体にフランジ形軸継手をそなえたことを特徴とする超
高真空容器。 - 【請求項3】 Alを0.2〜1.5重量%の範囲で含
有する請求項2に記載の超高真空容器。 - 【請求項4】 α及びニアα合金であるTi−0.3M
o−0.8Ni,Ti−5Al−2.5Sn,Ti−5
Al−2.5Sn−ELI,Ti−8Al−1Mo−1
V,Ti−6Al−2Sn−4Zr−2Mo,Ti−6
Al−2Nb− 1Ta−0.8Mo,Ti−2.25A
l−11Sn−5Zr−1Mo,Ti−5Al−5Sn
−2Zr−2Mo、α+β合金であるTi−6Al−4
V,Ti−6Al−4V−ELI,Ti−6Al−6V
−2Sn,Ti−8Mn,Ti−7Al−4Mo,Ti
−6Al−2Sn−4Zr−6Mo,Ti−5Al−2
Sn−2Zr−4Mo−4Cr,Ti−6Al−2Sn
−2Zr−2Mo−2Cr,Ti−10V−2Fe−3
Al,Ti−3Al−2.5V、β合金であるTi−1
3V−11Cr−3Al,Ti−8Mo−8V−2Fe
−3Al,Ti−3Al−8V−6Cr−4Mo−4Z
r,Ti−11.5Mo−6Zr−4.5Sn、および
Ti 0.80 〜 0.45 Nb 0.20 〜 0.55 のうちから選ばれるチタ
ン合金をベースとし、 Pd,Pt,Rh,Ru,Re及びOsからなる群から
選択される少なくとも1種の白金系金属を0.02〜
1.00重量%、 Co,Fe,Cr,Ni,Mn及びCuからなる群から
選択される少なくとも1種の遷移金属を0.1〜3.0
重量%、 La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,H
o,Erの希土類元素及びYからなる群から選択される
少なくとも1種の希土類系元素を0.02〜0.50重
量%の範囲で含有し、 不純物元素としてのC,N及びOをそれぞれC:0.0
5重量%以下、N:0.05重量%以下、O:0.08
重量%以下に規制した部材を用いた容器本体にフランジ
形軸継手をそなえたことを特徴とする超高真空容器。 - 【請求項5】 フランジ形軸継手のナイフエッジ部表面
にAuの表面処理が施してある請求項1ないし4のいず
れかに記載の超高真空容器。 - 【請求項6】 フランジ形軸継手のナイフエッジ部表面
にTiNの表面処理が施してある請求項1ないし5のい
ずれかに記載の超高真空容器。 - 【請求項7】 フランジ形軸継手の軸継手部分のシール
用パッキン材として、O:0.08重量%以下、H:
0.001重量%以下、Fe:0.042重量%以下、
C:0.006重量%以下、N:0.005重量%以下
の高純度Tiを用いた請求項1ないし6のいずれかに記
載の超高真空容器。 - 【請求項8】 容器外表面の少なくとも一部に、酸化膜
及び窒化膜から選択される少なくとも1種の表面保護膜
が設けてある請求項1ないし7のいずれかに記載の超高
真空容器。 - 【請求項9】 容器本体とフランジ形軸継手は外表面か
ら容器内部へと貫通する電子ビーム溶接により一体化し
てなる請求項1ないし8のいずれかに記載の超高真空容
器。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014115845A1 (ja) | 2013-01-25 | 2014-07-31 | 新日鐵住金株式会社 | 臭素イオンを含む環境での耐食性に優れたチタン合金 |
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1992
- 1992-08-24 JP JP4224225A patent/JP2943520B2/ja not_active Expired - Lifetime
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