JP2941933B2 - ウレタンプレポリマー、ウレタンエラストマー、ならびに成形体 - Google Patents

ウレタンプレポリマー、ウレタンエラストマー、ならびに成形体

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、耐摩耗性、機械的強度等を必要とする工
業用ロール、ベルト等として用いられるウレタンエラス
トマー、およびそのプレポリマーに関する。
〔従来の技術〕
従来、ウレタンエラストマーとしては、たとえば、熱
可塑性タイプ、注型タイプ、ミラブルタイプの3つのタ
イプがある。これらのうちでは、注型タイプのウレタン
エラストマーが、耐摩耗性、機械的強度等の性質が最も
優れている。そのため、注型タイプのウレタンエラスト
マーは、耐摩耗性、機械的強度等を必要とする工業用ロ
ール、ベルト等の各種成形体等に広く利用されている。
このような注型タイプのウレタンエラストマーとして
は、たとえば、エステル系、エーテル系等がある。エス
テル系のウレタンエラストマーは、機械的強度に優れ、
引き裂けにくい性質を有するが、耐水性に劣る。エーテ
ル系のウレタンエラストマーは、機械的強度は並である
が、耐水性の面では優れている。そのため、上記2つの
系のウレタンエラストマーのうち、エーテル系のウレタ
ンエラストマーが多く用いられている。
このようなエーテル系のウレタンエラストマーとして
は、たとえば、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコール等のポリオールを単独で、あるい
は、2種以上混合したものをポリイソシアネートと反応
させてウレタンプレポリマーを得た後、同プレポリマー
に硬化剤を添加し反応させることによって得られたウレ
タンエラストマーがある。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、上述した従来のエーテル系のウレタンエラ
ストマーには、下記のような問題があった。すなわち、
原料ポリオールとしてはポリプロピレングリコールを用
いて得られたポリプロピレングリコール系のウレタンエ
ラストマーは、安価であるため、汎用性が広いが、原料
ポリオールとしてポリテトラメチレングリコールを用い
て得られたポリテトラメチレングリコール系のウレタン
エラストマーに比べて機械的強度が低い。しかも、耐熱
老化性の点においても劣る。一方、ポリテトラメチレン
グリコール系のウレタンエラストマーは、各種物性に優
れているが、原料のポリテトラメチレングリコールは高
価である。また、原料ポリオールとしてポリプロピレン
グリコールとポリテトラメチレングリコールとの混合物
を用いて得られた混合系のウレタンエラストマーは、ポ
リテトラメチレングリコールが混合されていないポリプ
ロピレングリコール系のウレタンエラストマーに比べ
て、機械的強度等の物性は向上しているが、ポリテトラ
メチレングリコールが高価であるため、製造コストが高
くつくという問題があった。
このような事情に鑑み、この発明は、機械的強度等が
高く、耐熱老化性に優れ、しかも安価に製造することが
できるウレタンエラストマーを得るためのウレタンプレ
ポリマーを提供することを第1の課題とし、上記ウレタ
ンエラストマーを提供することを第2の課題とし、上記
ウレタンエラストマーの成形体を提供することを第3の
課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するため、発明者らは、種々検討を重
ねた。その結果、以下のようなことを意図し実験により
確認して、この発明を完成した。すなわち、原料ポリオ
ールとして、ポリプロピレングリコールに、芳香族ポリ
エステルポリオールを併用することでポリプロピレング
リコール単独使用の場合の問題点を解消することとし
た。しかし、これらのポリオールは、相溶性が悪く、そ
の改善が必要である。そこで、この相溶性の問題を、反
応系へのポリカプロラクトンポリオールの添加で解消す
ることとし、これによって、上述した従来のポリプロピ
レングリコール系のウレタンエラストマーに比べて、機
械的強度、耐熱老化性等が改善されたウレタンエラスト
マーが得られ、しかも、前記芳香族ポリエステルポリオ
ールは、ポリプロピレングリコールとほぼ同程度に安価
であるとともに、前記ポリカプロラクトンポリオール
は、前記ポリテトラメチレングリコールより安価である
ため、前述した従来のポリテトラメチレングリコール系
のウレタンエラストマーに比べて、製造コストが抑えら
れるということである。
したがって、前記第1の課題を解決するため、請求項
1記載の発明にかかるウレタンプレポリマーは、末端に
水酸基を持つポリプロピレングリコール、末端に水酸基
を持つとともに分子内に芳香環を持つ芳香族ポリエステ
ルポリオール、および、末端に水酸基を持つポリカプロ
ラクトンポリオールとポリイソシアネートとの反応物か
らなるものである。
前記第2の課題を解決するため、請求項2記載の発明
にかかるウレタンエラストマーは、上記請求項1にかか
るウレタンプレポリマーと硬化剤とを反応硬化させてな
るものである。
前記第3の課題を解決するため、請求項3記載の発明
にかかる成形体は、上記請求項1にかかるウレタンプレ
ポリマーと硬化剤とを反応硬化させてなるものである。
この発明で用いられるポリプロピレングリコールとし
ては、末端に水酸基を有するものであれば、特に限定さ
れず、たとえば、プロピレンオキサイドのホモポリマー
や、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとのコ
ポリマー等が挙げられる。これは、単独で用いてもよい
し、あるいは、複数種を併用してもよい。ポリプロピレ
ングリコールの平均分子量については、特に限定される
わけではないが、600ないし3500程度が好ましい。平均
分子量が600未満であると、ウレタンエラストマーの硬
度が高くなりすぎるからである。また、平均分子量が35
00を超えると、ウレタンエラストマーの硬度が低くなり
すぎ、その結果、機械的強度が低下するからである。ポ
リプロピレングリコールの有する平均官能基数について
は、特に限定されるわけではないが、1.7ないし3.0程度
が好ましい。
この発明で用いられる芳香族ポリエステルポリオール
としては、末端に水酸基を有し、かつ、分子内に芳香環
を有するものであれば、特に限定されず、たとえば、無
水フタル酸と、エチレングリコールおよび/またはプロ
ピレングリコールとを反応させて得られた下記式(1)
で表される芳香族ポリエステルポリオール等が挙げられ
る。
〔式中、RはCH2CH2O基および/または を表す。〕 芳香族ポリエステルポリオールは、1種のみを用いて
もよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。芳香族
ポリエステルポリオールの平均分子量および平均官能基
数については、特に限定されるわけではないが、たとえ
ば、上記式(1)で表される芳香族ポリエステルポリオ
ールについていえば、平均分子量が500ないし3000程度
で好ましい。平均分子量が500未満であると、反応性が
高くなりすぎ、プレポリマー合成時にゲル化するからで
ある。また、平均分子量が3000を超えると、得られるプ
レポリマーの粘度が高くなり、作業性が悪くなるからで
ある。芳香族ポリエステルポリオールの有する平均官能
基数については、特に限定されるわけではないが、1.7
ないし3.0程度が好ましい。
この発明で用いられるポリカプロラクトンポリオール
としては、末端に水酸基を有するものであれば、特に限
定されず、たとえば、アルコールとε−カプロラクトン
との開環反応により得られたものなどが挙げられる。ポ
リカプロラクトンポリオールは、1種のみを用いてもよ
いし、あるいは、複数種を併用してもよい。ポリカプロ
ラクトンポリオールの平均分子量については、特に限定
されるわけではないが、600ないし4000程度が好まし
い。平均分子量が600未満であると、ポリイソシアネー
トとの反応速度が速くなりすぎるからである。また、平
均分子量が4000を超えると、得られるウレタンプレポリ
マーの粘度が高くなりすぎ、その結果、作業性が悪くな
るからである。ポリカプロラクトンポリオールの有する
平均官能基数については、特に限定されるわけではない
が、1.7ないし3.0程度が好ましい。
上述したポリプロピレングリコール、芳香族ポリエス
テルポリオールおよびポリカプロラクトンポリオールの
3者を混合する際の各ポリオールの配合割合としては、
特に限定されないが、以下に説明するような配合割合が
好ましい。
所望のウレタンエラストマーを得るためには、上記3
者のポリオールが相溶系を形成することが必要である。
このことと、得られるウレタンエラストマーの物性とを
考慮して、ポリプロピレングリコールを10ないし60重量
%、芳香族ポリエステルポリオールを10ないし60重量
%、ポリカプロラクトンポリオールを20ないし80重量%
の割合で配合することが好ましい(ただし、上記ポリオ
ール3者の合計を100重量%とする)。ポリカプロラク
トンポリオールの配合割合が20重量%未満の場合は、ポ
リプロピレングリコールと芳香族ポリエステルポリオー
ルとの相溶性が悪くなる傾向があるからである。また、
ポリカプロラクトンポリオールの配合割合が80重量%を
超える場合は、得られるウレタンエラストマーの耐水性
が低下する傾向があり、好ましくないからである。
この発明のウレタンプレポリマーを得るために、上記
プレポリマー3者の混合物に添加して、上記混合物と反
応させるポリイソシアネートとしては、分子内に2個以
上のイソシアネート基を有するものであれば、特に限定
はされないが、たとえば、トリメチレンジイソシアネー
ト、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
ドデカメチレンジイソシアネート、1,3−シクロペンタ
ンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシア
ネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4′
−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1
−メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1
−メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3
−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4
−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、m−
フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシ
アネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリメチレ
ンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、4,4′−トルイジンジイソシアネート、ジアニジン
ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソ
シアネート、1,3−キシレンジイソシアネート、ω,
ω′−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、ポ
リメチレンポリフェニルポリイソシアネート、およびこ
れらのポリイソシアネート類のイソシアヌレート化変性
品、カルボジイミド化変性品、ビュレット化変性品等が
挙げられる。これらは、1種のみを用いてもよいし、あ
るいは、2種以上を併用してもよい。
ポリプロピレングリコールと芳香族ポリエステルポリ
オールとポリカプロラクトンポリオールとの混合物に対
するポリイソシアネートの添加割合については、ポリイ
ソシアネート中のイソシアネート基のモル数が、上記ポ
リオール3者中の水酸基の合計モル数に対して過剰にな
るような添加割合であることが必要である。具体的に
は、ポリイソシアネート中のイソシアネート基のモル数
と、上記ポリオール3者中の水酸基の合計モル数との比
(NCO/OH)が1.4ないし3.0程度が好ましい。しかし、こ
れに限定されるわけではない。
なお、上記ポリオール3者の混合物にポリイソシアネ
ートを添加する前に、上記ポリオールの混合物を減圧下
で加熱する等して脱水処理しておくことが推奨される。
ポリオールは吸水性を有するため、ポリオールの混合物
には水が混入しやすい。ポリオールの混合物に水が混入
していると、その水がポリイソシアネートと反応し、そ
の結果、ウレタンプレポリマーの生成を妨げるからであ
る。
また、必要に応じては、上記ポリイソシアネートに加
えて、以下に列記するような各種添加剤を添加してもよ
い。たとえば、マイカ、グラファイト、ヒル石、炭酸カ
ルシウム、スレート粉末等の充填材、ジオクチルフタレ
ート等の可塑剤(粘度調製剤)、ジブチルスズジラウレ
ート、第1スズオクトエート、ポリエチレンジアミン等
の硬化促進剤、酸化防止剤、耐候性向上のための老化防
止剤、シリコン化合物等の消泡剤等である。
前記ポリオール3者の混合物をポリイソシアネートと
反応させて、ウレタンプレポリマーを製造するための方
法としては、特に限定されず、たとえば、反応温度、反
応時間、溶媒の有無等を含めて公知の方法で行うことも
できる。
この発明のウレタンエラストマーを得るためには、上
述のようにして得られたウレタンプレポリマーと、硬化
剤とを混合して、ウレタンレポリマーを硬化させればよ
い。
使用できる硬化剤としては、特に限定はされず、従
来、ウレタンプレポリマーを硬化してウレタンエラスト
マーを生成させる際に一般的に用いられているもので構
わない。たとえば、ポリオール化合物、ポリアミン化合
物等が挙げられる。ポリオール化合物としては、特に限
定されず、1級ポリオール、2級ポリオール、3級ポリ
オールのいずれを用いてもよい。具体的には、エチレン
リコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタン
ジオール、1,2−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオ
ール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘキサンジオー
ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキ
サンジオール等が例示される。ポリアミン化合物として
は、ジアミン、トリアミン、テトラアミン等、特に限定
はされず、1級アミン、2級アミン、3級アミンのいず
れも用いることができる。具体的には、ヘキサメチレン
ジアミン等の脂環族アミン、3,3′−ジメチル−4,4′−
ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂肪族アミン、4,
4′−メチレンビス−2−クロロアニリン、2,2′,3,3′
−テトラクロロ−4,4′−ジアミノフェニルメタン、4,
4′−ジアミノジフェニル等の芳香族アミン、2,4,6−ト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が例示され
る。これらの硬化剤は、1種のみを用いてもよいし、あ
るいは、複数種を併用してもよい。
上記の硬化剤と、前述のようにして得られたウレタン
プレポリマーとを混合して、同ウレタンプレポリマーを
硬化させるための方法としては、特に限定されず、たと
えば、ウレタンプレポリマーに対する硬化剤の混合割
合、硬化温度、硬化時間等を含めて、通常の方法で行う
こともできる。
この発明の成形体は、前述のようにして得られたウレ
タンプレポリマーと、硬化剤とを混合し成形硬化させて
なるものである。この成形体の具体例としては、たとえ
ば、工業用ロール、ベルト等が挙げられる。しかし、こ
れらに限定されるわけではない。上記成形体は、必要に
応じては、抗張力を高めるために、スチールコード、ガ
ラス繊維コード、合成繊維コード、合成繊維織布等の抗
張体を内部に含むもの、あるいは、それらの抗張体を表
面に貼りつけたものであってもよい。
上記成形低の作製方法としては、特に限定されない
が、たとえば、ロール、ベルト等の成形体を型どった金
型にウレタンプレポリマーと硬化剤との混合物を注ぎ込
み、成形硬化させる方法等が挙げられる。硬化剤の種
類、混合割合、硬化温度、硬化時間等は、前述したウレ
タンエラストマーを合成する場合と同様である。
具体的には、たとえば、成形体がベルトの場合につい
て例を挙げれば、以下のようにして作製される。
外筒と内筒を備え、これら外筒と内筒間に形成された
空間部に抗張体を内臓した円筒状金型に、ウレタンプレ
ポリマーと硬化剤との混合物を注入し、所定の温度、所
定の圧力下で所定時間成形硬化させる。硬化終了後、円
筒状成形物を取り出し、この成形物を周方向に適当な幅
に輪切りにして、ベルトを得る。
なお、金型の空間部の形状を適当に変えることによ
り、Vベルト、歯付ベルトを製造することができる。
〔作用〕
原料ポリオールとして、ポリプロピレングリコールと
芳香族ポリエステルポリオールとポリカプロラクトンポ
リオールとの混合物を用いるようにすると、機械的強度
等が高く、耐熱老化性に優れたウレタンエラストマーを
得ることが可能となる。また、上記原料ポリオールは、
安価であるため、上記特性を有するウレタンエラストマ
ーの製造コストが抑えられる。
〔実 施 例〕
以下に、この発明の具体的な実施例を比較例と併せて
説明するが、この発明は、下記実施例に限定されない。
−実施例1− ステンレス製反応容器に、プロピレンオキサイドのホ
モポリマー(三洋化成工業製、サンニックスPP2000、平
均分子量1972)60重量部と、下記構造を有する芳香族ポ
リエステルポリオール(東邦理化工業製、ファントール
PL−321、平均分子量350) 10重量部と、ポリカプロラクトンポリオール(ダイセル
化学工業製、プラクセル220N、平均分子量1996)30重量
部とを仕込み、反応容器を三つ口セパラブルヘッド(各
口に、撹拌棒とそのシール部品、温度計、真空ポンプと
の連結管をとりつけたもの)で密封した。真空ポンプで
反応容器内を2mmHgに減圧し、マントルヒーターで100℃
に加熱して、3時間の脱水処理を行った。その後、窒素
ガスでパージを行いつつ常圧にもどし、70℃まで冷却し
た。
次に、反応容器内の混合ポリオールに、同混合ポリオ
ール100重量部に対して37.0重量部の割合で、ポリイソ
シアネートとして4,4′−ジフェニルメタンジイソシア
ネート(日本ポリウレタン工業製、ミリオネートMT)を
添加し(NCO/OHモル比=2.0)、撹拌しながら85℃で2.5
時間のプレポリマー化反応を行って、ウレタンプレポリ
マーを得た。
得られたウレタンプレポリマー中に含まれるイソシア
ネート基の、ウレタンプレポリマー全体に対する重量%
(NCO%)は、理論NCO%=4.54重量%に対し、4.45重量
%であった。この実測値は、末端イソシアネート基の逆
滴定により求めた。
このウレタンプレポリマー100重量部を80℃に保温
し、これに、硬化剤として、あらかじめ120℃に加熱し
て溶融させておいた4,4′−メチレンビス−2−クロロ
アニリン(イハラケミカル工業製、イハラキュアミンM
T)12.7重量部を添加混合した。この混合物を、あらか
じめ100℃に保温しておいた厚み2mmの金型に注ぎ込んだ
後、これを100℃のオーブン中に16時間放置し硬化反応
を完結させて、シート状のウレタンエラストマーを得
た。
−実施例2〜4および比較例1〜2− 実施例1において、原料ポリオールの種類と使用量、
ポリイソシアネートの使用量、プレポリマー化反応時
間、硬化剤の種類および使用量を第1表の記載にみるよ
うに変更した以外は実施例1と同様にして、シート状の
ウレタンエラストマーを得た。ただし、実施例4では、
プロピレンオキサイドのホモポリマーの代わりにプロピ
レンオキサイドとエチレンオキサイドとの55:45モル比
コポリマー(旭硝子製、エクセノール540、平均分子量2
004)を用いた。また、実施例2および3で硬化剤とし
て用いた1,4−ブタンジオールとしては、関東化学
(株)製の試薬1級を使用した。
なお、得られたウレタンエラストマーのプレポリマー
段階でのイソシアネート基含有量(重量%)の理論値と
実測値を第1表に示した。
以上の実施例1〜4および比較例1〜2で得られたシ
ール状のウレタンエラストマーをJIS3号ダンベルで打ち
抜きサンプルとし、それらのサンプルについて、熱老化
促進試験を行った。熱老化促進試験は、各サンプルを10
0℃のギヤーオーブン中に14日間放置することにより行
い、試験の前と後の各サンプルの硬度、100%モジュラ
ス、200%モジュラス、300%モジュラス、引張強度、伸
び等の物性を、JIS−K−6301に従って測定した。その
結果を第2表に示した。
第2表にみるように、実施例1〜4で得られたウレタ
ンエラストマーは、比較例1〜2で得られたウレタンエ
ラストマーに比べて、引張強度が、初期および老化後の
いずれにおいても強く、耐熱老化性に優れていることが
確認された。
−実施例5− 実施例1で得られたウレタンプレポリマーと、以下に
説明するような円筒状金型とを用い、以下のようにして
歯付ベルトを作製した。
第1図および第2図は、ベルトの製造に用いた円筒状
金型を表す。第1図にみるように、この円筒状金型は、
内筒1と外筒2とを備え、内筒1および外筒2間に形成
された空間部3に連通する反応器4が連結されている。
筒状空間部3の上端部には、脱気口5が設けられ、この
脱気口5には、着脱自在の脱気弁6が装着されている。
また、第2図にみるように、内筒1の外周面には、型軸
方向に平行な複数の突条7が設けられている。この突条
7の外周には、アラミッド繊維からなる太さ0.4mmのロ
ープ状の抗張体8が、周方向にスパイラル状に巻かれて
いる。
このような円筒状金型を用い、以下のようにして、歯
付ベルトを作製した。
実施例1で得られたウレタンプレポリマーに、実施例
1と同様の種類および量の硬化剤を添加し混合して得ら
れた混合物を、円筒状金型の反応器4から注入口9を経
て空間部3内へ注入した。この際、上記混合物が脱気口
5から少量漏れ出した時に脱気弁6を閉じ、反応器4の
蓋体10を押さえることにより注入口9に注入時より高い
圧力を加えた。その状態で、温度100℃、圧力15kgf/cm2
下で16時間、成形硬化させた。その後、溝歯付円筒状硬
化物を取り出し、これを幅6.4mmに輪切りにし、第3図
および第4図にみるような歯付ベルトA(歯数50)を得
た。この歯付ベルトAの寸法は、第4図において、a=
2.30mm、b=1.27mm、c=0.25mm、d=2.57mm、θ=50
゜であった。
次に、このようにして得られた歯付ベルトの過負荷耐
久性試験を行った。回転数6500rpm.、負荷0.368kWの条
件で、歯付ベルトの走行試験を行ったところ、500時間
走行後も異常は認められなかった。したがって、得られ
た歯付ベルトには、充分実用性があることが確認され
た。
〔発明の効果〕
この発明のウレタンプレポリマーを硬化させて得られ
た、この発明のウレタンエラストマーは、機械的強度等
が高く、耐熱老化性に優れたものであり、しかも安価に
製造することができる。また、この発明のウレタンプレ
ポリマーを成形硬化させて得られた、この発明の成形体
は、耐摩耗性、機械的強度等を必要とする工業用ロー
ル、ベルト等として広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例5の歯付ベルトを作製する際に用いた円
筒状金型を表す側断面図、第2図は同金型の一部平面断
面図、第3図は実施例5の歯付ベルトを表す一部切り欠
き外観図、第4図は実施例5の歯付ベルトの寸法を表す
拡大図である。 A……歯付ベルト
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−77919(JP,A) 特開 昭61−181815(JP,A) 特開 昭61−78816(JP,A) 特開 昭59−210927(JP,A) 特開 昭59−159815(JP,A) 特公 昭49−11476(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 18/00 - 18/87 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】末端に水酸基を持つポリプロピレングリコ
    ール、末端に水酸基を持つとともに分子内に芳香環を持
    つ芳香族ポリエステルポリオール、および、末端に水酸
    基を持つポリカプロラクトンポリオールとポリイソシア
    ネートとの反応物からなるウレタンプレポリマー。
  2. 【請求項2】請求項1記載のウレタンプレポリマーと硬
    化剤とを反応硬化させてなるウレタンエラストマー。
  3. 【請求項3】請求項1記載のウレタンプレポリマーと硬
    化剤とを反応硬化させてなる成形体。
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