JP2941691B2 - 磁気ディスク保持部材および磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ディスク保持部材および磁気ディスク装置

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JP2941691B2
JP2941691B2 JP19529895A JP19529895A JP2941691B2 JP 2941691 B2 JP2941691 B2 JP 2941691B2 JP 19529895 A JP19529895 A JP 19529895A JP 19529895 A JP19529895 A JP 19529895A JP 2941691 B2 JP2941691 B2 JP 2941691B2
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  • Holding Or Fastening Of Disk On Rotational Shaft (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスクを所
定位置に保持するための磁気ディスク保持部材およびこ
れを用いてハブに一枚または複数枚の磁気ディスクを保
持してなる磁気ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気ディスク装置は、図4に示す
ように、回転軸13に固定されたハブ14に、複数枚の
磁気ディスク15とスペーサ11とを交互に挿入し、最
後にシム10およびクランプ12で押さえ付け、ネジ1
6で締め付けることにより固定するようになっていた。
そして、上記回転軸13の回転により磁気ディスク15
を回転させながら、磁気ヘッド17が磁気ディスク15
の表面上を非接触状態で移動することにより、磁気ディ
スク15の所定位置で情報の書き込みや読み取りを行う
ようになっていた。
【0003】また、近年、このような磁気ディスク装置
50は情報が高密度で大容量化するに伴って、磁気ヘッ
ド17と磁気ディスク15との距離の極小化、磁気ディ
スク15のより高度な平面化と表面の平滑化等が要求さ
れており、その為、磁気ディスク15を表面強度および
平滑面化が極めて効果的に得られるセラミックスやガラ
スを用いた磁気ディスク15が提案されており、該磁気
ディスク15を固定・保持するスペーサ11、シム1
0、およびクランプ12などの保持部材は熱膨張差に伴
う磁気ディスク15の歪みを防止するために、セラミッ
クスやガラスで形成したものがあった(特公平5−80
745号公報、特開昭61−148667号公報)。
【0004】しかしながら、上記保持部材を構成するセ
ラミックスやガラスは一般的に絶縁性材料であるため、
これらの保持部材で磁気ディスク15を保持すると、磁
気ディスク15が帯電し、情報の読み込みや書き込みの
際にノイズが発生して、記録内容を破壊してしまう恐れ
があることが近年知られており、その為、磁気ディスク
15との当接面にアルミニウムや亜鉛等の金属膜を被覆
した保持部材を用いて、磁気ディスク15の帯電を防止
するようにしたものがあった(特開平2−226566
号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、当接面に金
属膜を被覆した保持部材では、基体をなすセラミックス
やガラスと金属膜との間の熱膨張差が大きいことから、
高速回転に伴う熱により当接面の平面度が損なわれると
いった課題あった。その為、この保持部材を用いて磁気
ディスク装置50を構成すると、磁気ディスク15に歪
みを生じ、また、磁気ディスク15間の平行度が損なわ
れるために、磁気ヘッド17の浮上量を小さくすること
ができず、場合によっては磁気ヘッド17が磁気ディス
ク15と接触して傷損させてしまうといった恐れがあっ
た。
【0006】その上、基体をなすセラミックスやガラス
との熱膨張差により被覆した金属膜が剥がれる恐れもあ
り、その結果、磁気ディスク15に帯電する静電気を逃
がすことができなくなるといった課題もあった。
【0007】また、上記金属膜は当接面の平面度を損な
わないようにするために薄膜状としてあるが、高速回転
に伴い磁気ディスク15と保持部材との間に引っ掻きが
生じて硬度の小さい金属膜が摩耗したり剥がれることか
ら、磁気ディスク15に帯電する静電気を逃がすことが
できないといった恐れもあった。
【0008】さらに、保持部材の内外のエッジ部がシャ
ープエッジであると、該エッジ部に被覆した金属膜の膜
厚が薄くなり、場合によっては断線を生じて静電気を逃
がすことができなくなるといった課題があった。その
上、保持部材を構成するセラミックスやガラスは脆性材
料であることから、エッジ部がシャープエッジであると
クランプ時の応力により欠けを生じる恐れがあり、この
破片が磁気ディスク15とその上を浮上する磁気ヘッド
17との間隙に入り込むと、磁気ディスク15に傷を付
けたり、磁気ヘッド17を破損させるといった課題があ
った。
【0009】その為、これらの保持部材により磁気ディ
スク15を保持した磁気ディスク装置50では、十分な
情報の高密度化、大容量化を実現することが難しく、ま
た、磁気ディスク15に静電気が帯電し、情報の読み込
みや書き込みの際にノイズを生じて、記録内容を破壊し
てしまう恐れがあった。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では上記
問題に鑑み、セラミックスまたはガラスからなるシム、
クランプ、およびスペーサなどの保持部材のうち、該保
持部材の内外のエッジ部に幅が0.04〜0.5mmの
テーパ面または曲面を設けるとともに、少なくとも磁気
ディスクとの当接面および内周面に膜厚0.1〜3μm
の導電性セラミック膜を被覆したことを特徴とするもの
である。
【0011】また、本発明は、回転軸に固定した導電性
材料からなるハブに、セラミックスまたはガラスからな
るリング体であって、内外のエッジ部に幅が0.04〜
0.5mmのテーパ面または曲面を備え、かつ少なくと
も磁気ディスクとの当接面および内周面に膜厚0.1〜
3μmの導電性セラミック膜を被覆してなるスペーサお
よび/またはシムを介して一枚または複数枚のセラミッ
クスあるいはガラスからなる磁気ディスクを保持して磁
気ディスク装置を構成したものである。
【0012】さらに、本発明は、上記導電性セラミック
膜としてTiC、TiN、ZrN、HfC、TaC、Z
rC、WC、VC、NbC、TiB2 、In2 3 のう
ち1種を被覆したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明実施例を説明する。
【0014】図1〜図3は本発明に係る保持部材を示す
図であり、図1(a)はスペーサ11の斜視図、(b)
はその断面図、図2(a)はシム10の斜視図、(b)
はその断面図、図3(a)はクランプ12’の斜視図、
(b)はその断面図である。まず、図1に示すスペーサ
11はセラミックスまたはガラスからなるリング体11
2であって、その内外のエッジ部114a,114bに
はテーパ面(C面を含む)または曲面を形成してある。
また、このスペーサ11の当接面113は、固定した磁
気ディスクが高速回転に伴って回動しないようにするた
めに中心線平均粗さ(Ra)で0.1〜2.0μmの面
粗さとするととも、固定した際に磁気ディスクに歪みを
生じさせないようにするために当接面113の平面度を
3μm以下とし、さらに、磁気ディスクを所定の位置に
保持するために上下の当接面113の平行度を5μm以
下としてある。そして、リング体112の全面には体積
固有抵抗値が1×107 Ω・cm以下で、かつ熱膨張係
数が6〜10×10-6/℃である導電性セラミック膜1
15を膜厚0.1〜3μmの範囲で被覆してある。
【0015】なお、シム10は図2に示すように、上記
スペーサ11と同じ形状で、やや薄型のものである。
【0016】また、図3に示すクランプ12’は、セラ
ミックスまたはガラスからなる円板状をした板状体12
2’であって、一方の表面中央にはハブの先端部分と係
合する凹部127’とハブに固定するためのネジ穴12
8’を設けてあり、板状体122’の内外のエッジ部1
24’a,124’bにはテーパ面(C面を含む)また
は曲面を形成してある。
【0017】また、このクランプ12’の当接面12
3’は、前記スペーサ11と同様に磁気ディスクの歪み
を防止するとともに、回動しないようにするために中心
線平均粗さ(Ra)で0.1〜2.0μmの面粗さとす
るとともに、平面度を3μm以下としてある。そして、
この板状体122’全面には体積固有抵抗値が1×10
7 Ω・cm以下で、かつ熱膨張係数が6〜10×10-6
/℃である導電性セラミック膜125’を膜厚0.1〜
3μmの範囲で被覆してある。
【0018】このように、本発明は、シム10、スペー
サ11、およびクランプ12’などの保持部材を構成す
る基体をセラミックスまたはガラスにより形成してある
ため、当接面103,113,123’を非常に滑らか
で、かつ優れた平面精度に仕上げることができる。ま
た、本発明は、少なくとも当接面103,113,12
3’および内壁面106,116,126’に高硬度の
導電性セラミック膜105、115、125’を被覆す
るとともに、その膜厚を0.1〜3μmと薄肉としてあ
るため、当接面103、113、123’の平面度や平
行度を損なうことなく耐摩耗性に優れた面とすることが
できる。しかも、上記導電性セラミック膜105、11
5、125’は体積固有抵抗値が1×107 Ω・cm以
下であることから、磁気ディスクに帯電する静電気を効
率良く逃がすことができる。
【0019】また、本発明では、熱膨張係数が6〜10
×10-6/℃である導電性セラミック膜105、11
5、125’を被覆してあるため、基体をなすセラミッ
クスやガラスの熱膨張係数と近似しているとともに、磁
気ディスクを構成するセラミックスやガラスの熱膨張係
数(8.0〜10.0×10-6/℃)とも近似している
ことから、高速回転に伴う熱による導電性セラミック膜
105、115、125の剥離や変形を防ぎ、磁気ディ
スクを非常に高い平面精度でもって保持することができ
る。
【0020】さらに、本発明は、各保持部材の内外のエ
ッジ部104,114,124’にテーパ面またはR面
を形成してあるため、クランプ時の欠けを防止できると
ともに、エッジ部104,114,124’に被覆する
導電性セラミック膜105,115,125’の膜厚を
確保し、断線を防ぐことができる。
【0021】次に、上記保持部材により磁性膜を備えた
ガラス製の磁気ディスク15を保持した磁気ディスク装
置50を図4に示す。
【0022】回転軸13にフランジ部14aを備えた金
属製の略円筒体14をしたハブ14を固定し、該ハブ1
4のフランジ部14aに、磁気ディスク15と図1に示
したスペーサ11とを交互に複数個挿入し、最後に図1
に示したシム10を挿入したあと金属またはアルミナな
どのセラミックスからなるクランプ12で押さえ付け、
ネジ16でもってクランプ12をハブ14に締め付ける
ことで磁気ディスク15を固定するようにしてある。
【0023】本発明に係る磁気ディスク装置50は、磁
気ディスク15と保持部材(スペーサ11,シム10)
の熱膨張係数が近似しているため、高速回転時に高温に
なっても熱膨張差に伴う不都合を生じることがない。従
って、磁気ヘッド17の磁気ディスク15に対する浮上
量を極めて小さくすることができ、情報記録密度を高く
することが可能となる。しかも、上記保持部材(スペー
サ11,シム10)は導電性を有しているため、磁気デ
ィスク15に帯電した静電気を金属製のハブ14および
回転軸13を介して逃がすことができ、記録内容が破壊
されることを防止することができる。
【0024】なお、上記磁気ディスク15としてはガラ
ス基板以外に、セラミック基板の表面にガラスグレーズ
層を形成し、その上に磁性膜を被覆したものであっても
構わない。
【0025】また、図4に示す磁気ディスク装置50で
は、最上部の磁気ディスク15とクランプ12との間に
シム10を介して保持してあるが、他の実施例としてク
ランプ12を最上部の磁気ディスク15と直接当接させ
て保持する構造としても良く、この場合には図3に示す
クランプ12’を用いれば、精度良く磁気ディスク15
を保持することができるとともに、最上部の磁気ディス
ク15に帯電する静電気を効果的に逃がすことができ
る。
【0026】さらに、磁気ディスク装置50の他の例と
して、ハブ14のフランジ部14aと磁気ディスク15
との間に配置するスペーサ11を取り除き直接当接させ
て保持したものでも良く、この場合、磁気ディスク15
との熱膨張差をなくすために、基体がセラミックスやガ
ラスからなり、その表面に導電性セラミック膜を被覆し
たハブ14を用いれば効果的である。
【0027】ところで、上記スペーサ11、シム10、
およびクランプ12などの保持部材をなす基体の材質と
しては、熱膨張係数が20×10-6/℃以下、好ましく
は12×10-6/℃以下のセラミックスまたはガラスを
用いることができ、例えば、セラミックスとしてはアル
ミナセラミックス、ジルコニアセラミックス、炭化珪素
質セラミックス、窒化珪素質セラミックス、Al2 3
−TiC系セラミックス、フォルステライト質セラミッ
クスなどが好適である。
【0028】特に、これらのセラミックスは熱膨張係数
が上記範囲にあるとともに、比剛性が大きいため、クラ
ンプ時に変形を生じることなく、当接面103,11
3,123’を非常に滑らかで、かつ優れた平面精度に
仕上げることができる。
【0029】そして、磁気ディスク15の材質に応じ
て、上記保持部材の材質の中から熱膨張係数の近似した
ものを用いれば良い。例えば、セラミック製の磁気ディ
スク15を用いる場合には、保持部材として熱膨張係数
が10×10-6/℃以下のセラミックスを用いれば良
く、同様にガラス(熱膨張係数8.0〜9×10-6
℃)製の磁気ディスク15を用いる場合には、保持部材
として熱膨張係数が8.0×10-6/℃以上のフォルス
テライト質セラミックスやガラスを用いれば良い。
【0030】また、上記スペーサ11、シム10、およ
びクランプ12などの保持部材の内外のエッジ部10
4,114,124’にはクランプ時の応力による欠け
を防止するためにテーパ面(C面含む)または曲面を形
成してあるが、このテーパ面または曲面が小さすぎる
と、上記エッジ部104,114,124’で断線を生
じ、導通がとれなくなる。
【0031】その為、本発明では、保持部材の内外のエ
ッジ部104,114,124’に幅が0.04mm以
上のテーパ面または曲面を形成してある。
【0032】即ち、エッジ部104,114,124’
に形成するテーパ面または曲面の幅が0.04mm未満
であると前述したように、保持部材のエッジ部104,
114,124’がシャープエッジであるため、そこに
被覆した導電性セラミック膜105、115、125’
の膜厚が薄くなり断線する恐れがあるからである。ただ
し、テーパ面または曲面の幅が0.5mmより大きくな
ると、当接面103,113,123’の磁気ディスク
15との接触面積が小さくなるために、クランプ時に磁
気ディスク15に歪みを生じることから、保持部材の内
外のエッジ部104,114,124’には0.04〜
0.5mmの範囲でテーパ面または曲面を形成すること
が望ましい。
【0033】なお、本発明で言う、テーパ面または曲面
の幅とは、スペーサ11を例にとって説明すると図5に
その主要部の拡大図を示すように当接面113側のエッ
ジ部114aの端面からの幅Lのことである。
【0034】また、これらの保持部材のうち、少なくと
も当接面103,113,123は中心線平均粗さ(R
a)で0.1〜2.0μmの面粗さとすることが必要で
ある。これは、当接面103,113,123’の中心
線平均粗さ(Ra)が0.1μm未満であると、被覆し
た導電性セラミック膜105、115、125’を十分
なアンカー効果でもって密着させることができなくなる
とともに、導電性セラミック膜105、115、12
5’の表面が滑らかになり過ぎることから、高速回転に
伴い磁気ディスク15に滑りを生じるからであり、逆
に、当接面103,113,123’の中心線平均粗さ
(Ra)が2.0μmより大きくなると、磁気ディスク
15の平面度が損なわれるとともに、磁気ディスク15
に傷を付けてしまうからである。
【0035】一方、保持部材に被覆する導電性セラミッ
ク膜105、115、125’としては、TiC、Ti
N、ZrN、HfC、TaC、ZrC、WC、VC、N
bC、TiB2 のうち1種が好適である。
【0036】これらの導電性セラミックス膜105、1
15、125’は表1に示すように、体積固有抵抗値が
1×107 Ω・cm未満であるため、磁気ディスク15
に帯電した静電気を効果的に除去することができ、しか
も、熱膨張係数が6〜10×10-6/℃程度と、保持部
材を構成するセラミックスやガラス、および磁気ディス
ク15を構成するセラミックスやガラスと熱膨張係数が
同等あるいは近似していることから、高速回転に伴う熱
により導電性セラミックス膜105、115、125’
の剥離や変形がなく、磁気ディスク15を非常に高い平
面精度でもって保持することができる。なお、上記した
導電性セラミックス膜105、115、125’以外に
も例えば、SnをドープしたIn2 3 からなるITO
(IndiumTin Oxide) 膜などを用いることもできる。
【0037】ただし、被覆する導電性セラミックス膜1
05、115、125’の膜厚は0.1〜3.0μmの
範囲で設けることが重要である。
【0038】これは、膜厚が0.1μm未満であると、
高硬度の導電性セラミックス膜105、115、12
5’と言えども摩耗する恐れがあるからであり、逆に、
膜厚が3.0μmより厚くなると、当接面103,11
3,123’の平面度を3μm以下とすることができな
いからである。
【0039】なお、上記導電性セラミック膜105、1
15、125’はPVD法やCVD法などの通常の成膜
手段により形成すれば良いが、ガラス製の保持部材に上
記導電性セラミック膜105、115、125’を被覆
する時には低温で成膜できるPVD法を用いれば、保持
部材の平面度を損なうことがなく最適である。
【0040】
【表1】
【0041】
【実施例】
(実験例1)ここで、図1に示すスペーサ11を用意
し、該スペーサ11の当接面113の面粗さを変化させ
た時の導電性セラミック膜15の密着具合および平面度
について測定した。
【0042】測定方法としては、面粗さをそれぞれ変化
させたスペーサ11の当接面113に膜厚1μmのTi
N膜を被覆し、その平面度を測定するとともに、上記T
iN膜にセロハンテープを張り付け、これを引っ張った
時に膜の剥離を生じるかどうかにより密着具合を測定し
た。
【0043】なお、本実験では膜の剥離を生じることが
なく、かつ平面度が3μm以下のものを優れたものとし
た。
【0044】当接面113の面粗さおよびその結果は表
2に示す通りである。
【0045】
【表2】
【0046】表2より判るように、試料No.1では、
被覆したTiN膜の膜厚が薄いために平面度を3μm以
下とできたものの、面粗さが中心線平均粗さ(Ra)で
0.1μm未満であるため、TiN膜が簡単に剥がれて
しまった。
【0047】また、試料No.6では、面粗さが中心線
平均粗さ(Ra)で3.0μmと大きいことからTiN
膜の剥離はなかったものの、当接面113の面粗さが粗
すぎるために、平面度を3μm以下とすることができな
かった。
【0048】これに対し、本発明に係る試料No.2〜
5は、面粗さが中心線平均粗さ(Ra)で0.1〜2.
0μmの範囲にあるため、膜剥離を生じることがなく、
また、平面度が3μm以下とすることができ、基準を満
足することができた。
【0049】(実験2)次に、導電性セラミック膜15
の膜厚を変化させた図1のスペーサ11を用意し、該ス
ペーサ11の平面度および導電性セラミック膜15の密
着具合を測定した。
【0050】なお、測定方法は実験例1と同様に導電性
セラミック膜15としてTiN膜をスペーサ11の当接
面113に被覆してその平面度を想定するとともに、上
記TiN膜にセロハンテープを張り付けて、これを引っ
張った時の膜剥離の有無を見た。ただし、当接面113
の面粗さは中心線平均粗さ(Ra)で0.2μmとし、
平面度は1μmとした。
【0051】そして、本実験では膜剥離を生じることが
なく、かつ平面度が3μm以下のものを優れたものとし
た。
【0052】導電性セラミック膜15の膜厚およびその
結果は表3に示す通りである。
【0053】
【表3】
【0054】表3より判るように、試料Aでは、膜厚が
0.05μmと薄肉であるため、スペーサ11の平面度
を3μm以下とできたものの、十分な密着強度が得られ
ず、簡単にTiN膜の剥離を生じた。
【0055】また、試料Gでは、膜厚が4.0μmと厚
くバラツキを生じたことから平面度が3.6μmと、3
μm以下にすることができなかった。
【0056】これに対し、本発明に係る試料No.B〜
Fは、膜厚が0.1〜3.0μmであるために膜の剥離
を生じることがなく、また、保持部材の平面度を3.0
μm以下に抑えることができた。
【0057】(実験3)さらに、スペーサ11のエッジ
部114に形成するC面の幅Lを変えた時の導通性につ
いて測定を行った。
【0058】なお、当接面113の面粗さは中心線平均
粗さ(Ra)で0.2μmとし、導電性セラミック膜1
5としてTiN膜をスペーサ11の全面に膜厚1.0μ
mとして被覆した。そして、当接面113から内周面1
16までの導通性を確認した。
【0059】それぞれの結果は表4に示す通りである。
【0060】
【表4】
【0061】表4より判るように、C面の幅Lが0.0
3mm以下では、エッジ部114にC面加工を施したと
してもシャープエッジと変わらないために、この箇所で
の膜厚が薄くなり導通が取れず、C面の幅Lが0.04
mmより導通が取れた。このことから保持部材の内外の
エッジ部114に形成するC面の幅Lは0.04mm以
上とすれば良いことが判る。
【0062】なお、本実験ではスペーサ11のエッジ部
114にC面を形成した例を示したが、テーパ面または
曲面であっても同様の結果が得られた。
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明は、セラミックス
またはガラスからなるシム、クランプ、およびスペーサ
などの保持部材のうち、該保持部材の内外のエッジ部に
幅が0.04〜0.5μmのテーパ面または曲面を備
え、かつ少なくとも磁気ディスクとの当接面および内周
面に膜厚0.1〜3μmの導電性セラミック膜を被覆し
たことにより、磁気ディスクに帯電した静電気を効率良
く逃がすことができるとともに、当接面を殆ど摩耗させ
ることがない。しかも、本発明では、上記導電性セラミ
ック膜としてTiC、TiN、ZrN、HfC、Ta
C、ZrC、WC、VC、NbC、TiB2 、In2
3 のうち1種を被覆してあることから、保持部材および
磁気ディスクの熱膨張係数と同じあるいは近似させるこ
とができるため、高速回転に伴う熱により膜の剥離を生
じることがなく、その結果、磁気ディスクに歪みを生じ
させることがないため、非常に高い平坦精度でもって磁
気ディスクを保持することができる。
【0064】また、本発明では、回転軸に固定した導電
性材料からなるハブに、セラミックスまたはガラスから
なるリング体であって、内外のエッジ部に幅が0.04
〜0.5μmのテーパ面または曲面を備え、かつ少なく
とも磁気ディスクとの当接面および内周面に膜厚0.1
〜3μmの導電性セラミック膜を被覆してなる保持部材
を介して一枚または複数枚のセラミックスあるいはガラ
スからなる磁気ディスクを保持して磁気ディスク装置を
構成したことにより、磁気ヘッドの磁気ディスクに対す
る浮上量を極めて小さくすることができ、高密度記録
(大容量化)を実現できるとともに、磁気ディスクに帯
電する静電気を保持部材、ハブを介して効率良く逃がす
ことができるため、記録内容の破壊を防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る保持部材の一例であるスペーサを
示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図であ
る。
【図2】本発明に係る保持部材の一例であるシムを示す
図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図3】本発明に係る保持部材の一例であるクランプを
示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図であ
る。
【図4】図1の主要部を示す拡大図である。
【図5】本発明に係る磁気ディスク装置を示す縦断面図
である。
【符号の説明】
11:スペーサ 112:リング体 113:当接面 114:エッジ部 115:導電性セラミック膜 116:内周面 10:シム 12:クランプ 13:回転軸 14:ハブ 15:磁気ディスク 17:磁気ヘッド
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 19/00 G11B 17/038 G11B 23/03

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気ディスクを所定位置に保持するための
    リング状をしたセラミックスまたはガラスからなる保持
    部材であって、該保持部材の内外のエッジ部に幅が0.
    04〜0.5mmのテーパ面または曲面を備え、かつ少
    なくとも磁気ディスクとの当接面および内周面に膜厚
    0.1〜3μmの導電性セラミック膜を被覆してなる磁
    気ディスク保持部材。
  2. 【請求項2】回転軸に固定した導電性材料からなるハブ
    に、セラミックスまたはガラスからなるリング体であっ
    て、内外のエッジ部に幅が0.04〜0.5mmのテー
    パ面または曲面を備え、かつ少なくとも磁気ディスクと
    の当接面および内周面に膜厚0.1〜3μmの導電性セ
    ラミック膜を被覆してなる保持部材を介して一枚または
    複数枚のセラミックスまたはガラスからなる磁気ディス
    クを保持してなる磁気ディスク装置。
  3. 【請求項3】上記導電性セラミック膜がTiC、Ti
    N、HfC、ZrN、TaC、ZrC、WC、VC、N
    bC、TiB2 、In2 3 のうち1種からなる請求項
    1に記載の磁気ディスク保持部材乃至請求項2に記載の
    磁気ディスク装置。
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