JP3532157B2 - 磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ディスク装置

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JP3532157B2
JP3532157B2 JP2001023408A JP2001023408A JP3532157B2 JP 3532157 B2 JP3532157 B2 JP 3532157B2 JP 2001023408 A JP2001023408 A JP 2001023408A JP 2001023408 A JP2001023408 A JP 2001023408A JP 3532157 B2 JP3532157 B2 JP 3532157B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク基板
を保持する、スペーサ、シム、クランプと呼ばれる磁気
ディスク基板用保持部材とこれを用いた磁気ディスク装
置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、コンピュータや家電の外部記録装
置として使用される磁気ディスク装置は、図4に示すよ
うに、回転軸4に固定されたハブ5に、磁気ディスク基
板6とスペーサ21とを交互に挿通し、最後にシム22
を載せた後、クランプ23にて押さえ付け、クランプ2
3をハブ5にネジ7で締め付けることにより磁気ディス
ク基板6を所定の一定間隔に固定、保持するようなって
いた。そして、上記回転軸4及び磁気ディスク基板6を
回転させるとともに、各磁気ディスク基板6上に磁気ヘ
ッド8を非接触状態で移動させることにより、各磁気デ
ィスク基板6の所定位置に情報を書き込んだり、所定位
置から情報を読み取るようになっていた。 【0003】ところで、近年、情報の高密度化、大容量
化が要求されており、そのためには磁気ディスク基板6
の表面を高度に平滑化、平坦化するとともに、磁気ディ
スク基板6の変形や歪みを防ぎ、磁気ヘッド8と磁気デ
ィスク基板6との距離をできるだけ小さくする必要があ
ることから、磁気ディスク基板6をアルミニウム、セラ
ミックス、ガラス等により形成するとともに、各磁気デ
ィスク基板6を保持するスペーサ21、シム22、クラ
ンプ23等の磁気ディスク基板用保持部材(以下、単に
保持部材という)を、温度変化による変形や経時劣化が
殆どなく、高精度に加工することが可能なセラミック焼
結体により形成することが提案されている。 【0004】また、磁気ディスク基板6には静電気が発
生することがあり、この静電気によって磁気ディスク基
板6に記録されている情報が破壊される恐れがあること
から、今日では上記磁気ディスク基板用保持部材を導電
性又は半導電性を持ったアルミナ、ジルコニア、フォル
ステライト、ステアタイト等を主成分とするセラミック
焼結体により形成し、磁気ディスク基板6に帯電した電
荷を逃がし、記録情報が破壊されるのを防止することが
提案されていた(特開平09−027177号公報、特
開平09−044969号公報、特開平07−0989
12号公報参照)。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、セラミック
焼結体からなる保持部材を、磁気ヘッド8と磁気ディス
ク基板6との距離が狭い磁気ディスク装置20に組み込
んで使用すると、磁気ヘッド8と磁気ディスク基板6と
の間に異物が噛み込んだり、磁気ヘッド8により異物が
磁気ディスク基板6に押し付けられ、磁気ヘッド8や磁
気ディスク基板6上の記録層を破壊し、情報の書き込み
や読み取りができなくなるといった課題があった。 【0006】即ち、保持部材を形成するセラミック焼結
体はセラミック原料を焼き固めた多結晶体であり、その
表面には多数のボイドが存在するが、保持部材の製作時
に発生した研削粉や研磨粉あるいは脱粒粉等の異物が保
持部材表面のボイド中に入り込んでおり、この異物が磁
気ディスク装置の駆動時における振動等によってボイド
からこぼれ落ち、磁気ディスク基板6上に落ちた異物が
磁気ヘッド8により押し付けられたり、磁気ヘッド8と
の間に噛み込むことにより発生していた。 【0007】そこで、研削加工や研磨加工により所定の
寸法形状となるように形成された保持部材の表面に付着
していたり、ボイド中に入り込んでいたりする研削粉、
研磨粉、脱粒粉等の異物を除去するため、紫外線やオゾ
ンによる洗浄、界面活性剤を使用した洗浄、バブル洗
浄、超音波洗浄等のさまざま洗浄処理が行われている
が、いずれの洗浄方法を用いたとしても保持部材表面の
ボイド中に入り込んでいる異物までは除去することが難
しく、前述した課題は未だ解決されていなかった。 【0008】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、磁気ディスク基板を保持するとともに外周面
の両側に面取部を有してなるリング状体の保持部材をセ
ラミック焼結体により形成するとともに、上記磁気ディ
スク基板と当接する保持部材の当接面を除き面粗さが算
術平均粗さ(Ra)で0.2μm〜2.2μmの外周面
及び面取部にフッ素系樹脂又はポリイミド樹脂からなる
樹脂膜を被着した磁気ディスク基板用保持部材と磁気デ
ィスク基板とを、回転軸に固定されたハブに交互に挿通
し固定することで上記保持部材の外周面及び面取部に被
着した樹脂膜で磁気ディスク基板に導通させたことを特
徴とする。 【0009】 【0010】 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。 【0012】図1は本発明に係る磁気ディスク基板用保
持部材の一例であるスペーサを示す図で、(a)はその
斜視図、(b)は(a)のX−X線断面図である。 【0013】このスペーサ11は、セラミック焼結体か
らなるリング状体12で、例えば、外径18mm〜32
mm、内径19mm〜25mm、高さ1.5mm〜5.
0mmの寸法を有するものであり、上記リング状体12
の内外のエッジには欠け防止のためのC面又はR面等の
面取り部12bを形成するとともに、リング状体12の
上下面を磁気ディスク基板との当接面12aとしてあ
る。 【0014】また、当接面12aは磁気ディスク基板を
歪ませることなく保持する必要があることから、平坦度
3μm以下、面粗さを算術平均粗さ(Ra)で1.0μ
m以下の平滑かつ平坦な面とするとともに、上下の当接
面12a間における平行度を5μm以下としてある。 【0015】さらに、スペーサ11を構成するリング状
体12の全ての表面には樹脂膜13を被着してある。 【0016】なお、シムについては図示していないが、
スペーサ11より厚みが薄いだけで、スペーサ11と同
様の形状をしたものである。 【0017】図2は、本発明に係る磁気ディスク用基板
保持部材の他の例であるクランプを示す図で、(a)は
その斜視図、(b)は(a)のY−Y線断面図である。 【0018】このクランプ14は、セラミック焼結体か
らなる円盤状体15で、その下面中央にはハブの頂部が
嵌合される凹部15cを備えたもので、例えば、外径1
8mm〜32mm、内径19mm〜25mm、高さ1.
5mm〜5.0mm、凹部14cの深さ0.5〜10m
m程度の寸法を有するものであり、上記円盤状体15の
内外のエッジには欠け防止のためのC面又はR面等の面
取り部15bを形成するとともに、円盤状体15の凹部
15cを除く下面を、磁気ディスク基板、シム、あるい
はスペーサ11との当接面15aとしてある。 【0019】また、当接面15aは磁気ディスク基板を
歪ませることなく保持する必要があることから、平坦度
3μm以下、面粗さを算術平均粗さ(Ra)で1.0μ
m以下の平滑かつ平坦な面とするとともに、当接面15
aと円盤状体15の上面との平行度を5μm以下として
ある。 【0020】さらに、クランプ14を構成する円盤状体
15の全ての表面には樹脂膜16を被着してある。な
お、17は円盤状体15の上面から凹部15cの底面ま
で貫通するネジ穴である。 【0021】次に、これらのスペーサ11及びクランプ
14を用いて複数枚の磁気ディスク基板を固定、保持し
た磁気ディスク装置を図3に説明する。なお、従来例と
同一部分については同一符号で示す。 【0022】この磁気ディスク装置10は、回転軸4に
結合されたハブ5のフランジ部5aに、複数枚の磁気デ
ィスク基板6と、図1に示すスペーサ11とを交互に挿
入し、最上部の磁気ディスク基板6上にスペーサ11を
載せた後、図2に示すクランプ14にて押さえ付け、ク
ランプ14をハブ5にネジ7で締め付けることにより複
数枚の磁気ディスク基板6を所定の一定間隔に固定、保
待してある。 【0023】そして、回転軸4によってハブ5及び磁気
ディスク基板6を回転させながら、磁気ディスク基板6
の表面上を微小距離隔てて磁気ヘッド8を移動させるこ
とにより、磁気ディスク基板6上の所定位置に情報を書
き込んだり、所定位置から情報を読み読み取るようにな
っている。 【0024】なお、図3の磁気ディスク装置10では、
図1に示すスペーサ11と図2に示すクランプ14のみ
を用いた例を示したが、最上部の磁気ディスク基板6と
クランプ14との間に介在するスペーサ11の代わりに
厚みが薄いだけで図1に示すスペーサ11と同様の構造
をしたシムを用いても良く、また、最上部の磁気ディス
ク基板6とクランプ14とを直接当接させるようにして
も良い。さらにハブ5のフランジ部5aと最下部の磁気
ディスク基板6との間に介在するスペーサ11を取り除
き、フランジ部5aと磁気ディスク基板6とを直接当接
させるようにしても構わない。 【0025】また、磁気ディスク基板6には一般的にア
ルミニウム基板、ガラス基板、セラミック基板の表面上
に磁性膜を備えたものが用いられるが、この他にサファ
イア基板の表面上に磁性膜を備えたものを用いても構わ
ない。 【0026】そして、本発明によれば、磁気ディスク基
板6を保持するスペーサ(シムを含む)11、クランプ
14等の磁気ディスク基板用保持部材を、温度変化によ
る変形や経時劣化が殆どなく、高精度に加工することが
可能なセラミック焼結体により形成してあることから、
歪みを生じることなく磁気ディスク基板6を保持するこ
とができ、このような状態を温度変化に関係なく維持す
ることができるため、磁気ヘッド8がバックラッシュす
ることを防止し、情報の書き込みや読み取りを安定して
行うことができるため、信頼性の高い磁気ディスク装置
を提供することができる。 【0027】また、本発明の磁気ディスク基板用保持部
材は、セラミック焼結体からなるリング状体12や円盤
状体15の表面に樹脂膜13,16を被着し、セラミッ
ク焼結体表面に存在するボイドや脱粒部等の凹部中に入
り混んでいる、研削粉や研磨粉あるいは脱粒粉等の異物
を閉じ込め、磁気ディスク装置10の駆動中における振
動等によって上記異物がセラミック焼結体表面の凹部か
らこぼれ落ちるのを防止するようにしてある。その為、
異物等のパーティクルの発生を大幅に低減することがで
きるため、異物が磁気ディスク基板6と磁気ヘッド8と
の間に噛み込んだり、磁気ヘッド8によって磁気ディス
ク基板6に押し付けられることによる磁気ヘッド8の破
壊や磁気ディスク基板6上の磁性膜の破損を大幅に低減
することができる。 【0028】特に、図1に示すスペーサ11や図2に示
すクランプ14のように、リング状体12や円盤状体1
5の全面を樹脂膜13,16で被覆すれば、セラミック
焼結体表面が露出しないため、磁気ディスク基板6上の
パーティクル数を低減するのに有効である。ただし、必
ずしも保持部材の全面を樹脂膜13,16で被覆する必
要はなく、リング状体12や円盤状体15をした保持部
材の少なくとも外周面に樹脂膜13,16を被着してあ
れば良く、さらには外周面及び外周面両側の面取り部1
2b,15bに樹脂膜13,16を被着することによ
り、磁気ディスク基板6上のパーティクル数を低減する
ことができる。 【0029】ところで、本発明によれば、セラミック焼
結体表面に存在する凹部中に入り込んでいる異物を閉じ
込めるにあたり、保持部材表面に被着する膜として金属
膜やセラミック膜を用いるのではなく、樹脂膜13,1
6を用いることを特徴とする。 【0030】なぜなら、金属膜やセラミック膜でも確か
にセラミック焼結体表面の凹部中に入り込んでいる異物
を閉じ込めるという効果を奏することができるものの、
金属膜やセラミック膜を被着するにはセラミック焼結体
からなる保持部材を高温(例えば、680℃以上)に加
熱しなければならず、この際、保持部材は膨張する。そ
して、膨張した保持部材の表面に金属膜やセラミック膜
が被着されるのであるが、金属膜やセラミック膜は硬く
変形し難いため、膜付け後の冷却時に膨張していた保持
部材が元の寸法に戻ろうとするのに対して強固に密着し
た金属膜やセラミック膜がその変形を阻害するため、保
持部材の寸法を膜付けする前の寸法精度に戻すことがで
きず、部分的な寸法バラツキが発生する恐れがあった。
そして、近年の磁気ディスク装置10は、高密度記録化
に伴って磁気ディスク基板6の回転速度が、5200r
pm、7200rpm、さらには1万rpmと高速にな
っており、このような条件下で寸法バラツキのある保持
部材を使用すると、磁気ディスク装置10の振動が大き
くなり、静音化が阻害されるとともに、酷い時には破損
する恐れがあるからである。 【0031】これに対し、本発明は、後述するように比
較的低温で被着することができる樹脂膜13,16を用
いていることから、膜付け時における保持部材の膨張が
少なく、また、膜付け後の冷却時に膨張していた保持部
材が元の寸法に戻ろうとするのに対し、樹脂膜13,1
6は強固に密着しているものの、金属膜やセラミック膜
と比較して変形し易いため、膨張していた保持部材が元
の寸法に戻ることを阻害することがなく、保持部材の寸
法を膜付けする前の寸法精度に戻すことができる。その
為、1万rpmもの高速回転する磁気ディスク装置10
に用いたとしても、滑らかに回転させることができるた
め、静音で高密度記録が可能な磁気ディスク装置10を
提供することができる。 【0032】ところで、このような保持部材を形成する
セラミック焼結体としては、磁気ディスク基板6との熱
膨張差が近似したセラミック焼結体を用いれば良く、具
体的には、アルミナ、ジルコニア、ムライト、ステアタ
イト、フォルステライト、炭化珪素、窒化珪素等を主成
分とするものを用いることができ、例えば、磁気ディス
ク基板6がガラス基板である場合、保持部材をフォルス
テライト、ステアタイト、アルミナのいずれか一種を主
成分とするセラミック焼結体により形成することが好ま
しく、望ましくはフォルステライト又はステアタイトを
主成分とするセラミック焼結体により形成することが良
い。 【0033】また、炭化珪素を除く、アルミナ、ジルコ
ニア、ムライト、ステアタイト、フォルステライト、窒
化珪素を主成分とするセラミック焼結体は一般的に絶縁
材料であるが、これらの主成分に対し、鉄、錫、銅、亜
鉛、コバルト、ニオブ、ニッケル、チタン、亜鉛等の金
属又はこれらの酸化物、窒化物、炭化物の少なくとも一
種以上、あるいはカーボンを含有させて半導電性又は導
電性をもたせても良く、このように半導電性又は導電性
を持たせることで磁気ディスク基板6に帯電した電荷
を、保持部材を介してハブ等に逃がし、磁気ディスク基
板6に記録された情報が破壊されるのを防止するととも
に、パーティクルが静電気によって磁気ディスク基板6
上に保持されるのを防ぐことができる。 【0034】ただし、保持部材を半導電性又は導電性を
有するセラミック焼結体により形成する場合、セラミッ
ク焼結体の体積固有抵抗値が107Ω・cm以下である
ものを用いることが好ましい。なぜなら、体積固有抵抗
値が107Ω・cmより高いと磁気ディスク基板6に帯
電する電荷が保持部材に流れ難く、十分な静電気除去効
果が得られないからである。 【0035】また、保持部材表面に被着する樹脂膜1
3,16としては、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTF
E)、四フッ化エチレンー六フッ化プロピレン共重合樹
脂(FEP)、四フッ化エチレンーパーフロロアルキル
ビニルエーテル共重合樹脂(PFA)、四フッ化エチレ
ンーエチレン共重合樹脂(ETFE)、ポリ三フッ化塩
化エチレン樹脂(CTFE)、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミ
ン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン
樹脂、ポリブタジエン樹脂、アイオノマー樹脂、EEA
樹脂、AAS樹脂(ASA樹脂)、AS樹脂、ACS樹
脂、エチレン酢ビコポリマー、エチレンビニルアルコー
ル共重合樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポ
リエチレン樹脂、酢酸繊維素樹脂、ポリアセタール樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレート
樹脂、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、液晶ポリマ
ー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン樹
脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリ
フェニレンサルファイド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、メチルペンテンポ
リマー等の樹脂等を用いることができるが、この中で
も、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化
エチレンー六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、
四フッ化エチレンーパーフロロアルキルビニルエーテル
共重合樹脂(PFA)、四フッ化エチレンーエチレン共
重合樹脂(ETFE)、ポリ3フッ化塩化エチレン樹脂
(CTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等か
らなるフッ素樹脂は撥水性に優れることから、後述する
保持部材の製造過程における洗浄工程にて樹脂膜13,
16の表面に付着するゴミや水垢等を除去し易く、パー
ティクルの発生をより一層低減でき好ましい。 【0036】また、フッ素系樹脂やポリイミド樹脂は半
導電性又は導電性を有することから保持部材を形成する
セラミック焼結体が絶縁性を有するものである場合、こ
れらの樹脂膜13,16を保持部材の少なくとも外周面
及び外周面両側の面取り部12b,15bに被着して上
下磁気ディス基板6と導通させることにより、磁気ディ
スク基板6に帯電した電荷を逃がすことができる。な
お、フッ素系樹脂やポリイミド樹脂はもともと半導電性
又は導電性を有するものであるが、他の絶縁性を有する
樹脂膜13,16においても、鉄、錫、銅、亜鉛、コバ
ルト、ニオブ、ニッケル、チタン、亜鉛等の金属又はこ
れらの酸化物、窒化物、炭化物の少なくとも一種以上、
あるいはカーボンを含有させて半導電性又は導電性をも
たせても良く、このように半導電性又は導電性を有する
樹脂膜13,16を保持部材の少なくとも外周面及び外
周面両側の面取り部12b,15bに被着して上下磁気
ディス基板6と導通させることにより、磁気ディスク基
板6に帯電した電荷を逃がすことができる。 【0037】また、保持部材表面に被着する樹脂膜1
3,16の厚みは、セラミック焼結体表面に存在する凹
部中に入り込んでいる異物を閉じ込めることができる程
度であれば良く、保持部材の所定の表面を完全に覆うこ
とができ、かつ厚みバラツキが少ない0.1μm〜3.
0μmの範囲で被着すれば良い。 【0038】また、樹脂膜13,16を被着させる保持
部材表面は、磁気ディスク基板6との当接面を除き、そ
の面粗さを算術平均粗さ(Ra)で0.2μm〜2.2
μmとすることが好ましい。 【0039】これは保持部材表面の面粗さが算術平均粗
さ(Ra)で0.2μm未満であると、アンカー効果が
得られないために樹脂膜13,16の剥離を生じるから
であり、逆に保持部材表面の面粗さが算術平均粗さ(R
a)で2.2μmを超えると、粗すぎるために表面上の
セラミック粒子が剥がれ易く、樹脂膜13,16ごと剥
がれてしまう恐れがあるからである。 【0040】次に、本発明に係る磁気ディスク基板用保
持部材の製造方法について説明する。 【0041】まず、出発原料としてアルミナ、ジルコニ
ア、ムライト、ステアタイト、フォルステライト、炭化
珪素、窒化珪素等のセラミック原料を用意する。なお、
必要に応じて焼結助剤や安定化剤等の助剤を添加しても
良く、また、半導電性や導電性を持たせる場合、鉄、
錫、銅、亜鉛、コバルト、ニオブ、ニッケル、チタン、
亜鉛等の金属又はこれらの酸化物、窒化物、炭化物の少
なくとも一種以上、あるいはカーボンを含有させれば良
い。 【0042】次に、このセラミック原料に所定のバイン
ダー及び溶媒を添加混合した後、プレス成形法、冷間静
水圧ブレス法、ドクターブレード法、カレンダーロール
法、圧延法の周知のセラミック成形法にて成形体を形成
する。この時、必要に応じて研削加工を施しても良く、
最終的にエッジに面取り部が形成されたリング状体や凹
部を有し、かつエッジに面取り部が形成された円盤状体
に形成する。 【0043】次いで、得られた成形体を焼成することに
よりセラミック焼結体からなるリング状体や凹部を有す
る円盤状体を製作し、リング状体12においては上下面
に研磨加工を施して磁気ディスク基板6との当接面12
aを形成するとともに、当接面12a以外の表面は0.
2〜2.2μmとし、また、円盤状体15においては凹
部15cを有する下面に研磨加工を施して磁気ディスク
基板6との当接面15aを形成するとともに、当接面1
5a以外の表面は0.2〜2.2μmとする。 【0044】しかる後、セラミック焼結体からなるリン
グ状体11や円盤状体12の表面にロールコーティング
法、スプレーコーティング法等を用いて樹脂を塗布した
後、200〜600℃の温度に加熱し樹脂を硬化させる
ことにより、樹脂膜で覆われた図1に示すスペーサ11
や図2に示すクランプのような本発明に係る磁気ディス
ク基板用保持部材を得ることができる。 【0045】この時、保持部材を形成するセラミック焼
結体は若干膨張するが、加熱温度が低いため膨張の度合
いが金属膜やセラミック膜を被着する場合と比較して小
さく、また、冷却時には保持部材を形成するセラミック
焼結体が元の寸法に戻ろうとするのであるが、樹脂膜1
3,16は金属膜やセラミック膜と比較して柔らかく変
形し易いため、膨張していたセラミック焼結体の収縮を
阻害することがなく、樹脂膜13,16の被着後におい
ても所定の寸法精度を維持しており、信頼性の高い保持
部材を製作することができる。しかも、樹脂膜13,1
6の被着は金属膜やセラミック膜のような大がかりな成
膜装置が不要であり、安価にかつ容易に製造することが
できる。 【0046】 【実施例】実施例1 ここで、本発明の磁気ディスク基板用保持部材であるス
ペーサと従来の磁気ディスク基板用保持部材であるスペ
ーサとを用意し、各スペーサのパーティクル数、CSS
(コンタクト・スタート・ストップ)試験による信頼性
試験、及び静電気除去効果について調べる実験を行っ
た。 【0047】本実験にあたり、各スペーサは、外径3
2.0mm、内径25.0mm、高さ3.0mmのリン
グ状体とし、内外のエッジには欠け防止のためにC面の
面取り部を設けるとともに、上下面をそれぞれ算術平均
粗さ(Ra)で1.0μmとするとともに、外周面を算
術平均粗さ(Ra)で0.7μmとした。 【0048】そして、各スペーサの外周面にロールコー
ティング法によって、ポリイミド樹脂、フッ素系樹脂、
ポリベンゾイミダゾール樹脂からなる3種類の樹脂膜を
被着したものを本発明のスペーサ、各スペーサの表面に
樹脂膜を被着していないものを従来のスペーサとして用
いた。 【0049】そして、各スペーサのパーティクル数、C
SS試験による信頼性試験、及び静電気除去効果を測定
した。 【0050】なお、パーティクル数の測定については、
200ccの水中にスペーサを浸漬し、超音波振動を一
定時間加えた後、発生する単位容積当たりの径2μm以
上であるパーティクルの個数を液中パーティクルカウン
ターで算出した。 【0051】信頼性試験については、回転軸に固定され
たハブ5に、2枚の磁気ディスク基板6とスペーサとを
交互に挿通して固定し、10万回のCSS試験を実施
し、このCSS試験後もデータの読み取り、書き込みが
良好に行えたものを○とし、データの読み取り、書き込
みができなくなったものを×として評価した。 【0052】静電気除去効果については、直径100m
m、厚み2mmの試験片を別に用意し、JIS K 6
911にて測定し、その後、静電気の除去具合を調べる
ため、試験片の上面に1000Vの電圧を印加し、下面
の電圧値が100Vとなるまでの降下時間を測定し、こ
の時間が2.0秒以下であるものを静電気除去効果が良
好として○とし、逆に2.0秒を超えたものを静電気除
去効果なしとして×で評価した。 【0053】結果は表1に示す通りである。 【0054】 【表1】 【0055】この結果、パーティクル数の発生について
は、試料No.1〜6の本発明のスペーサは、パーティ
クルの発生が少なく、信頼性試験の結果も良好であるこ
とがわかった。 【0056】また、本発明のスペーサに被着するポリイ
ミド樹脂やフッ素系樹脂の樹脂膜は、体積固有抵抗値が
107Ω・cm以下の導電性を有し、充分な静電気除去
効果も有しており、優れていた。 【0057】実施例2 次に、スペーサの外周面の表面粗さを異ならせた時の樹
脂膜の密着性について調べる実験を行った。 【0058】具体的には、外周面の表面粗さを表2に示
すように異ならせたフォルステライト質のセラミック焼
結体からなるスペーサを用意し、このスペーサの外周面
にフッ素系樹脂からなる樹脂膜を被着して試料を作製し
た。なお、樹脂膜の寸法は、幅10mm、長さ30mm
とした。 【0059】次に、試料を引っ張り試験機(不図示)に
セットし、速度10mm/minで試料の樹脂膜を引っ張
った後、樹脂膜が完全に剥離したときの強度をT字ピー
ル強度とした。 【0060】結果は表2に示す通りである。 【0061】 【表2】 【0062】この結果、外周面の算術平均粗さ(Ra)
が0.2μm以上の試料は、200mN/10mm以上
の高いT字ピール強度を有し、樹脂膜の密着性を高めら
れることが判る。ただし、外周面の算術平均粗さ(R
a)が2.2μmを超えると、外周面を形成するセラミ
ック焼結体表面のセラミック粒子が剥がれ易くなり、樹
脂膜を被着しても剥がれ易くなっていた。 【0063】このことから外周面の表面粗さは算術平均
粗さ(Ra)で0.2μm〜2.2μmとすれば良いこ
とが判る。 【0064】 【発明の効果】以上のように、本発明の構成によれば、
高精度に仕上げることができるとともに、温度変化によ
る変形や経時劣化が殆どなく、さらにセラミック焼結体
表面の凹部中に入り込んでいる研削粉、研磨粉、脱粒粉
等の異物がこぼれ落ちるのを防止することができるた
め、振動等が加わったとしても保持部材から異物がこぼ
れ落ちることがなく、信頼性の高い保持部材を提供する
ことができる。しかも、上記セラミック焼結体として導
電性又は半導電性を有するものを用いるか、又は樹脂膜
に半導電性又は導電性を有するものを用いることによ
り、静電気除去効果を持たせることもできる。 【0065】その為、本発明の磁気ディスク基板用保持
部材を磁気ディスク装置に用いれば、磁気ディスク基板
を歪ませたりすることなく精度良く保持することがで
き、このような状態を温度変化に関係なく維持すること
ができるため、磁気ヘッドがバックラッシュすることを
防止することができるとともに、磁気ディスク基板が帯
電したとしても保持部材を介して逃がすことができるた
め、情報の書き込みや読み取りを安定して行うことがで
きるため、信頼性の高い磁気ディスク装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る磁気ディスク基板用保持部材の一
例であるスペーサを示す図で、(a)はその斜視図、
(b)は(a)のX一X線断面図である。 【図2】本発明に係る磁気ディスク基板用保持部材の他
の例であるクランプを示す図で、(a)はその斜視図、
(b)は(a)のY−Y線断面図である。 【図3】本発明に係る磁気ディスク装置の一例を示す概
略図である。 【図4】従来の磁気ディスク装置を示す概略図である。 【符号の説明】 4:回転軸 5:ハブ 5a:ハブのフランジ部 6:磁気ディスク基板 7:ネジ 8:磁気へッド 10,20:磁気ディスク装置 11,21 :スペーサ 12:リング状体 12a:当接面 12b:面取り部 13:樹脂膜 14,23:クランブ 15:円盤状体 15a:当接面 15b:面取り部 15c:凹部 16:樹脂膜 17:ネジ穴
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 23/00 601 G11B 17/038

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】磁気ディスク基板を保持するとともに外周
    面の両側に面取部を有してなるリング状体の保持部材を
    セラミック焼結体により形成するとともに、上記磁気デ
    ィスク基板と当接する保持部材の当接面を除き面粗さが
    算術平均粗さ(Ra)で0.2μm〜2.2μmの外周
    面及び面取部にフッ素系樹脂又はポリイミド樹脂からな
    る樹脂膜を被着した磁気ディスク基板用保持部材と磁気
    ディスク基板とを、回転軸に固定されたハブに交互に挿
    通し固定することで上記保持部材の外周面及び面取部に
    被着した樹脂膜で磁気ディスク基板に導通させたことを
    特徴とする磁気ディスク装置。
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