JP2003045139A - 磁気ディスク基板保持用スペーサ - Google Patents

磁気ディスク基板保持用スペーサ

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JP2003045139A
JP2003045139A JP2001230656A JP2001230656A JP2003045139A JP 2003045139 A JP2003045139 A JP 2003045139A JP 2001230656 A JP2001230656 A JP 2001230656A JP 2001230656 A JP2001230656 A JP 2001230656A JP 2003045139 A JP2003045139 A JP 2003045139A
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Japan
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magnetic disk
disk substrate
wall surface
inclined surface
spacer
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Application number
JP2001230656A
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English (en)
Inventor
Kazunori Takenouchi
一憲 竹之内
Tetsuji Hayazaki
哲治 早崎
Shoji Hino
将司 日野
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】セラミック焼結体からなる磁気ディスク基板保
持用スペーサの外壁面から発生する2μm以上のパーテ
ィクル発生量を低減し、磁気ディスク基板と磁気ヘッド
との浮上隙間を0.2μm以下にまで極小化した高密度
記録用の磁気ディスク装置に用いることが可能な磁気デ
ィスク基板保持用スペーサを提供する。 【解決手段】セラミック焼結体からなるリング状体2の
上下面3,4を磁気ディスク基板との当接面とした磁気
ディスク基板保持用スペーサ1の少なくとも外壁面5の
表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で0.5μm以下とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク基板
を所定位置に保持するのに使用する磁気ディスク基板保
持用スペーサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュータや家電の外部記録装
置等として使用される磁気ディスク装置は、図3に示す
ように、回転軸13に固定されたハブ14に、円板状を
した複数枚の磁気ディスク基板15と、リング状体をし
た複数個の磁気ディスク基板保持用スペーサ11とを交
互に挿入し、最後にシム16及びクランプ12で押さえ
付け、ネジ18で締め付けて固定するようになってい
た。そして、ハブ14に固定した磁気ディスク基板15
を回転させ、磁気ヘッド17を磁気ディスク基板15上
に浮上させた状態で所定位置まで移動させることによ
り、磁気ヘッド17に備える電磁変換素子(不図示)に
より情報の書き込みや読み取りを行うようになってい
た。
【0003】また、近年、磁気ディスク装置20の高記
録密度化に伴い、磁気ヘッド17と磁気ディスク基板1
5の浮上隙間を小さくすることが求められており、その
ためには磁気ディスク基板15の撓みや反りを小さくす
る必要があることから、特公平5−80745号公報や
特開昭61−148667号公報では、アルミニウム製
の磁気ディスク基板15に比べて硬度やヤング率が高
く、平滑面を容易に得ることができるガラスやセラミッ
ク焼結体からなる磁気ディスク基板15を用いることが
提案されており、また、特開平7−56075や特開平
8−315533では、ガラスやセラミック焼結体から
なる複数枚の磁気ディスク基板15を所定間隔に保持す
る磁気ディスク基板保持用スペーサ11を、磁気ディス
ク基板15に近似した熱膨張係数を有するとともに、硬
度やヤング率が高く、かつ平滑面が容易に得られるガラ
スやセラミック焼結体により形成し、磁気ディスク基板
15と当接する当接面の表面粗さ(Ra)を2μm以下
とすることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気ディス
ク装置20の高記録密度化に伴って磁気ヘッド17と磁
気ディスク基板15の浮上隙間がさらに極小化し、今日
では浮上隙間が0.2μm以下となっているのである
が、この浮上隙間になるとこれまで問題となっていなか
ったレベルのパーティクルによって記録再生時にエラー
が発生したり、磁気ディスク基板15の記録層や磁気ヘ
ッド17が傷付けられ、記録再生ができなくなったり、
記録データが破壊されるといった課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本件発明者ら
は、セラミック焼結体からなる磁気ディスク基板保持用
スペーサのパーティクルの発生箇所を調べるため、種々
実験を重ねたところ、磁気ディスク基板保持用スペーサ
の外壁面から発生したものであることを知見し、この外
壁面からのパーティクルの発生を防止するため、研究を
重ねたところ外表面の表面粗さをある特定値以下とする
ことで顕著にパーティクルの発生を抑えることができる
ことを見出した、本発明に至った。
【0006】即ち、本発明は、セラミック焼結体からな
るリング状体の上下面を磁気ディスク基板との当接面と
した磁気ディスク基板保持用スペーサにおいて、上記リ
ング状体の少なくとも外壁面の表面粗さを算術平均粗さ
(Ra)で0.5μm以下としたことを特徴とする。
【0007】また、本発明は、上記リング状体の当接面
と外壁面とのエッジ部及び当接面と内壁面とのエッジ部
にそれぞれ傾斜面を形成し、該傾斜面と当接面との交差
部、上記傾斜面と外壁面との交差部、及び上記傾斜面と
内壁面との交差部をそれぞれ曲率半径が150μm〜4
00μmの曲面としたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。
【0009】図1は本発明の磁気ディスク基板保持用ス
ペーサを示す図で、(a)はその斜視図、(b)はその
断面図である。
【0010】この磁気ディスク基板保持用スペーサ1
は、セラミック焼結体からなるリング体2をしたもの
で、その上下面を磁気ディスク基板との当接面3,4と
してある。この上部当接面3及び下部当接面4は、磁気
ディスク基板を保持した際に撓ませたり、反りを発生さ
せないようにするため、その表面粗さを算術平均粗さ
(Ra)で1.6μm以下としてある。
【0011】また、リング状体2の上部当接面3と外壁
面5とのエッジ部、上部当接面3と内壁面6とのエッジ
部、下部当接面4と外壁面5とのエッジ部、及び下部当
接面4と内壁面6とのエッジ部には、それぞれ傾斜面
7,8,9,10を形成してあり、これらの傾斜面7,
8,9,10を設けることにより、磁気ディスク基板保
持用スペーサ1と磁気ディスク基板とをハブに交互に挿
通した後、ネジ止めする際に加わる押付力によって磁気
ディスク基板保持用スペーサ1を形成するリング状体2
の各エッジ部が欠けることを防止してある。
【0012】なお、リング状体2の寸法としては、外径
18〜32mm、内径15〜25mm、厚み1.5〜5
mm、磁気ディスク基板との上下当接面3,4の幅1.
5〜3.5mm程度の大きさを有するものである。
【0013】そして、本発明の磁気ディスク基板保持用
スペーサ1によれば、リング状体2の少なくとも外壁面
5の表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で0.5μm以下
としたことを特徴とする。
【0014】即ち、本件発明者らは、磁気ディスク基板
と磁気ヘッドとの浮上隙間が0.2μm以下である磁気
ディスク装置にセラミック焼結体からなる磁気ディスク
基板保持用スペーサ1を用いた場合に起こるパーティク
ルの種類と発生箇所について確認するため、鋭意実験を
重ねたところ、主にリング状体2の外壁面5からこぼれ
落ちた、研削や研磨による加工粉、塵埃、脱粒粉等であ
り、その大きさは凡そ2μm程度であった。そして、こ
のパーティクルは、磁気ディスク基板と磁気ヘッドとの
浮上隙間が0.5μmを超える磁気ディスク装置でも発
生していたが、浮上隙間が大きいことからこれまでは大
きな問題となっていなかったのであるが、磁気ディスク
基板と磁気ヘッドとの浮上隙間を0.2μm以下にまで
極小化した高密度記録用の磁気ディスク装置では、浮上
隙間に上述したパーティクルが入り込み、磁気ディスク
基板上の記録層や磁気ヘッドを傷付けることを知見し
た。
【0015】そこで、セラミック焼結体からなるリング
状体2の外壁面5より発生する、加工粉、塵埃、脱粒粉
等のパーティクルを低減するため種々研究を重ねたとこ
ろ、リング状体2の少なくとも外壁面5の表面粗さを算
術平均粗さ(Ra)で0.5μm以下とすることによ
り、予想していた以上にパーティクルの発生を大幅に低
減できることを見出し、本発明に至った。
【0016】その為、本発明の磁気ディスク基板保持用
スペーサ1を高密度記録用の磁気ディスク装置に用いれ
ば、2μmを超えるパーティクルの発生を抑えることが
できることは勿論のこと、0.5μm以上のパーティク
ルの発生も低減することができるため、磁気ディスク基
板と磁気ヘッドとの隙間が0.2μm以下である微小隙
間にパーティクルが噛み込むことを防止することができ
るため、長期間にわたり安定した記録及び再生を行うこ
とができる。
【0017】また、上部当接面3と傾斜面7との交差
部、傾斜面7と外壁面5との交差部、下部当接面4と傾
斜面8との交差部、傾斜面8と外壁面5との交差部、上
部当接面3と傾斜面9との交差部、傾斜面9と外壁面5
との交差部、下部当接面4と傾斜面10との交差部、傾
斜面10と外壁面5との交差部は、それぞれ曲率半径が
150μm〜400μmの曲面とすることが好ましい。
【0018】なぜなら、磁気ディスク装置を駆動させる
と熱が発生し、駆動と停止の繰り返しによって磁気ディ
スク基板保持用スペーサ1に熱応力が作用するのである
が、上部当接面3と傾斜面7との交差部、傾斜面7と外
壁面5との交差部、下部当接面4と傾斜面8との交差
部、傾斜面8と外壁面5との交差部、上部当接面3と傾
斜面9との交差部、傾斜面9と外壁面5との交差部、下
部当接面4と傾斜面10との交差部、傾斜面10と外壁
面5との交差部のいずれか一つでも角を有するものであ
ったり、曲率半径が150μm未満の曲面であると、こ
れらの交差部に熱応力が集中してクラックが発生し、こ
のクラックが進展すると脱粒の原因となってパーティク
ルの発生数を低減できなくなるからである。しかも、上
部当接面3と傾斜面7との交差部、下部当接面4と傾斜
面8との交差部、上部当接面3と傾斜面9との交差部、
下部当接面4と傾斜面10との交差部のいずれか一つに
クラックが発生すると、磁気ディスク基板と上下当接面
3,4との接触状態が変わり、磁気ディスク基板に反り
や撓みを発生させる恐れがあるからであり、逆にこれら
の交差部における曲面の曲率半径が400μmを超える
と、特に上下当接面3,4の磁気ディスク基板との接触
面積が少なるため、磁気ディスク基板を保持した時に、
反りや撓みを発生させ易くなるからである。
【0019】しかも、磁気ディスク基板保持用スペーサ
1を磁気ディスク装置に組み込んだ場合、磁気ディスク
基板との当接面の外周部には締め付けによる応力が集中
しているのであるが、上記各交差部が角を有するもので
あったり、曲率半径が150μm未満の曲面であると、
使用環境や駆動条件等によって大きな熱サイクルが作用
すると、磁気ディスク基板との当接面の外周部に、パー
ティクルの原因となる外側にはり出した微小突起が発生
するのであるが、上記各交差部を曲率半径が150μm
〜400μmの曲面とすることで、このような問題を解
消することができる。
【0020】なお、本発明において、曲率半径を測定す
る手段としては、リング状体2の断面を写真(倍率×1
00)等で撮影し、その交差部をテンプレ−ト等で計測
し、得られたサイズを計算すれば良い。
【0021】また、パーティクルの発生を抑える観点か
ら、リング状体2の外壁面5及び上下当接面3,4以外
の傾斜面7,8,9,10や内壁面6もその表面粗さを
できるだけ小さくする方が良く、好ましくは外壁面5と
同様に算術平均粗さ(Ra)で0.5μm以下とするこ
とが好ましい。
【0022】さらに、本発明の磁気ディスク基板保持用
スペーサ1を形成するセラミック焼結体としては、アル
ミナ、ジルコニア、ステアタイト、フォルステライト、
ムライト、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム等を
主成分とするセラミック焼結体を用いることができ、ま
た、上記主成分に対し、酸化鉄、酸化亜鉛、炭化チタ
ン、窒化チタン、酸化錫、酸化ニオブ、酸化クロム、酸
化チタン等の導電性付与材を含有させることにより、半
導電性又は導電性を持たせたセラミック焼結体を用いる
こともできる。
【0023】ところで、本発明の磁気ディスク基板保持
用スペーサ1を製造するには、各種セラミック原料に対
し、バインダーや溶媒を添加して混練乾燥した造粒粉を
型内に充填して一軸加圧成形法や等加圧成形法により、
断面形状が略八角形をしたリング状に成形した後、各種
セラミック原料を焼結させることができる温度で焼成す
ることによりセラミック焼結体からなるリング状体2を
製作する。
【0024】次に、得られたリング状体2の内壁面6及
び外壁面5に研削加工を施して所定の寸法形状とした
後、さらにバレル研磨、バフ加工等によって少なくとも
外壁面5の表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で0.5μ
m以下とする。
【0025】次いで、リング状体2をバレル研磨(メデ
ィア:リング状体=1〜7:1の割合とし、メディアに
はアルミナ、媒体には市水を使用)することにより、上
面と傾斜面7との交差部、傾斜面7と外壁面5との交差
部、下面と傾斜面8との交差部、傾斜面8と外壁面5と
の交差部、上面と傾斜面9との交差部、傾斜面9と外壁
面5との交差部、下面と傾斜面10との交差部、傾斜面
10と外壁面5との交差部をそれぞれ曲率半径で150
μm〜400μmの曲面とした後、上下面に研磨加工を
施してその表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で1.6μ
m以下に仕上げることにより磁気ディスク基板との当接
面3,4を形成し、しかる後、再度リング状体2をバレ
ル研磨(メディア:リング状体=1〜7:1の割合と
し、メディアにはアルミナ、媒体には市水を使用)する
ことにより、上部当接面3と傾斜面7との交差部、傾斜
面7と外壁面5との交差部、下部当接面4と傾斜面8と
の交差部、傾斜面8と外壁面5との交差部、上部当接面
3と傾斜面9との交差部、傾斜面9と外壁面5との交差
部、下部当接面4と傾斜面10との交差部、傾斜面10
と外壁面5との交差部をそれぞれ曲率半径で150μm
〜400μmの曲面とし、最後に洗浄処理を施してリン
グ状体2に付着する比較的大きなパーティクルを除去す
ることにより得ることができる。
【0026】このように、リング状体2の上部当接面3
と傾斜面7との交差部、傾斜面7と外壁面5との交差
部、下部当接面4と傾斜面8との交差部、傾斜面8と外
壁面5との交差部、上部当接面3と傾斜面9との交差
部、傾斜面9と外壁面5との交差部、下部当接面4と傾
斜面10との交差部、傾斜面10と外壁面5との交差部
をそれぞれ曲率半径150μm〜400μmの曲面とす
るにあたり、研削加工/研磨加工後にバレル研磨を行う
ことにより、当接面3,4を粗すことなく曲率半径15
0μm〜400μmの曲面を得ることができる。
【0027】なお、リング状体2の上部当接面3と傾斜
面7との交差部、傾斜面7と外壁面5との交差部、下部
当接面4と傾斜面8との交差部、傾斜面8と外壁面5と
の交差部、上部当接面3と傾斜面9との交差部、傾斜面
9と外壁面5との交差部、下部当接面4と傾斜面10と
の交差部、傾斜面10と外壁面5との交差部をそれぞれ
曲面に形成するにあたってはバレル研磨以外に流体研磨
やバフ研磨を用いても構わない。また、上述した製造方
法では、当接面の研磨加工前後にわたって二度バレル研
磨を施した例を示したが、少なくとも当接面の研磨加工
を施した後、最終加工としてバレル研磨を施せば良い。
【0028】
【実施例】(実施例1)ここで、磁気ディスク基板保持
用スペーサを形成するリング状体の外壁面における表面
粗さを異ならせた時のパーティクルの発生状況について
調べる実験を行った。
【0029】本実験では、磁気ディスク基板保持用スペ
ーサを形成するリング状体を、フォルステライト単体か
らなる絶縁性を持ったセラミック焼結体、フォルステラ
イトを主成分とし、導電性付与材として鉄を酸化鉄(F
23)換算で35重量%含有する半導電性を持ったセ
ラミック焼結体、アルミナを主成分とし、導電性付与材
として鉄を酸化鉄(Fe23)換算で40重量%含有す
る半導電性を持ったセラミック焼結体、及びジルコニア
を主成分とし、導電性付与材として鉄を酸化鉄(Fe2
3)換算で40重量%含有する半導電性を持ったセラ
ミック焼結体の四種類により形成したものを用い、その
寸法形状は、外径32mm、内径25mm、厚み1〜5
mm、磁気ディスク基板との当接面の幅3.5mm、傾
斜面の幅0.5mmを有するリング状体とした。
【0030】そして、各磁気ディスク基板保持用スペー
サの上下当接面における表面粗さを算術平均粗さ(R
a)で0.8μmとするとともに、内壁面における表面
粗さを算術平均粗さ(Ra)で0.8μmとし、外壁面
の表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で、1.0,0.7
7,0.50,0.35,0.15,0.01μmとな
るように異ならせたものを超音波洗浄装置(24kw)
の水槽内に投下し、40℃の湯水及び純水の槽、5槽に
て洗浄した後、純水(流量25l/分)の槽にて洗浄処
理(各5分)を施した後、温風乾燥したリング状体1個
を純水の入ったビ−カ−中に置き、超音波装置(1k
w)に1分ほど掛けビ−カ−中のパーティクルを含む水
を少量抽出し、液中パーティクルカウンターを用いて抽
出水の単位容積当たりの2μm以上のパーティクル数を
確認する実験を行った。
【0031】この結果、図2に見られるように、磁気デ
ィスク基板保持用スペーサを形成するセラミック焼結体
の材質に関係なく、外壁面の表面粗さを算術平均粗さ
(Ra)で0.5μm以下とすることにより、2μm以
上のパーティクルの発生を大幅に低減できることが分か
る。
【0032】この結果、リング状体をした磁気ディスク
基板保持用スペーサの少なくとも外壁面における表面粗
さを算術平均粗さ(Ra)で0.5μm以下とすること
により、微小なパーティクルの発生を防止することがで
きるとともに、洗浄工程や表面処理などの工程を増やす
ことなく、コストを抑えることが出来る。その為、本発
明の磁気ディスク基板保持用スペーサを用いれば、磁気
ヘッドと磁気ディスク基板との隙間が極めて狭い磁気デ
ィスク装置にも用いることができ、高記録密化度を実現
することができる。 (実施例2)次に、フォルステライトを主成分とし、導
電性付与材として鉄を酸化鉄(Fe 23)換算で35重
量%含有する半導電性を持ったセラミック焼結体により
磁気ディスク基板保持用スペーサを形成するにあたり、
所定の寸法及び表面粗さとするため、研削加工/研磨加
工のみ行ったものと、研削加工/研磨加工後にバレル研
磨を施したものをそれぞれ用意し、これらの磁気ディス
ク基板保持用スペーサと、化学強化ガラスからなる磁気
ディスク基板とを交互にハブに挿入し、最後にシム及び
クランプで押さえ付け、ネジで締め付け固定したものを
恒温恒湿槽に入れ、湿度45%、温度−40℃〜70℃
の条件と、湿度45%、温度−40℃〜100℃の条件
の2通りの熱サイクル試験をそれぞれ行った。
【0033】ただし、磁気ディスク基板保持用スペーサ
を構成するリング状体の寸法は、研削加工/研磨加工に
より、外径32mm、内径25mm、厚み1〜5mm、
磁気ディスク基板との当接面の幅3.5mm、傾斜面の
幅0.5mmとし、上下当接面の表面粗さは算術平均粗
さ(Ra)で1.6μmとするとともに、外壁面及び内
壁面の表面粗さは算術平均粗さ(Ra)で1.6μmと
した。
【0034】また、研削加工/研磨加工後にバレル研磨
を施したものにあっては、上下当接面と傾斜面との交差
部、傾斜面と外壁面との交差部、傾斜面と内壁面との交
差部をそれぞれ曲率半径が150μmの曲面となるよう
にした。
【0035】結果は表1に示す通りである。
【0036】
【表1】
【0037】この結果、湿度45%、温度−40℃〜7
0℃の条件で熱サイクル試験を行った場合には、研削加
工/研磨加工のみ行ったものと、研削加工/研磨加工後
にバレル研磨を施したものとの間には何ら違いが見られ
なかったが、湿度45%、温度−40℃〜100℃の条
件で熱サイクル試験を施すと、研削加工/研磨加工のみ
行ったものでは、磁気ディスク基板との当接面の外周部
に、パーティクルの原因となる外側にはり出した微小突
起が形成されていた。
【0038】この微小突起の発生メカニズムについては
不明であるが、ネジにて締め付けると、磁気ディスク基
板との当接面の外周部に応力が集中し易く、この状態で
熱サイクルが加わると、当接面の外周部が変形し、微小
突起が形成されるものと思われる。
【0039】これに対し、研削加工/研磨加工後にバレ
ル研磨を施したものでは、磁気ディスク基板との当接面
の外周部に微小突起の発生は見られなかった。
【0040】そして、磁気ディスク装置はさまざまな温
度環境下で使用されるため、バーティクルの原因となる
微小突起を発生させないようにするには、研削加工/研
磨加工後にバレル研磨を施し、上下当接面と傾斜面との
交差部、傾斜面と外壁面との交差部、傾斜面と内壁面と
の交差部をそれぞれ曲率半径が150〜400μmの曲
面とすることが好ましい。 (実施例3)次に、研削加工/研磨加工のみ行ったもの
と、研削加工/研磨加工後にバレル研磨を施したものを
それぞれ用意し、バレル研磨したものについては、上下
当接面と傾斜面との交差部、傾斜面と外壁面との交差
部、傾斜面と内壁面との交差部に形成される曲面の曲率
半径を異ならせ、実施例1と同様の条件にてパーティク
ルの発生状況について調べる実験を行った。
【0041】ただし、磁気ディスク基板保持用スペーサ
は、フォルステライトを主成分とし、導電性付与材とし
て鉄を酸化鉄(Fe23)換算で35重量%含有する半
導電性を持ったセラミック焼結体により形成し、その寸
法は、外径32mm、内径25mm、厚み1〜5mm、
磁気ディスク基板との当接面の幅3.5mm、傾斜面の
幅0.5mmのリング状体とし、上下当接面の表面粗さ
は算術平均粗さ(Ra)で1.6μmとするとともに、
外壁面及び内壁面の表面粗さは算術平均粗さ(Ra)で
1.6μmとしたものを用いた。
【0042】結果は表2に示す通りである。
【0043】
【表2】
【0044】表2より、まず、研削加工/研磨加工後に
バレル研磨を施せば、パーティクルの発生を低減できる
ことが判る。
【0045】そして、バレル研磨により、上下当接面と
傾斜面との交差部、傾斜面と外壁面との交差部、傾斜面
と内壁面との交差部に形成される曲面の曲率半径を大き
くすることで、パーティクルの発生を大幅に低減できる
ことが判る。ただし、上下当接面と傾斜面との交差部、
傾斜面と外壁面との交差部、傾斜面と内壁面との交差部
に形成される曲面の曲率半径が400μmを超えると、
パーティクル発生数の低下が見られず、逆に当接面の磁
気ディスク基板との接触面積が小さくなるため、磁気デ
ィスク基板を保持すると反りや撓みを発生させる恐れが
ある。
【0046】その為、上下当接面と傾斜面との交差部、
傾斜面と外壁面との交差部、傾斜面と内壁面との交差部
に形成する曲面の曲率半径は150μm〜400μmと
することが良いことが判る。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、セラミ
ック焼結体からなるリング状体の上下面を磁気ディスク
基板との当接面とした磁気ディスク基板保持用スペーサ
において、上記リング状体の少なくとも外壁面の表面粗
さを算術平均粗さ(Ra)で0.5μm以下としたことか
ら、2μm以上のパーティクルの発生を大幅に低減する
ことができる。その為、磁気ディスク基板と磁気ヘッド
との浮上隙間を0.2μm以下にまで極小化した高密度
記録用の磁気ディスク装置に用いても浮上隙間にパーテ
ィクルが入り込み、磁気ディスク基板上の記録層や磁気
ヘッドを傷付けることがなく、長期間にわたって安定し
た記録/再生することができる。
【0048】また、本発明は、上記リング状体の当接面
と外壁面とのエッジ部及び当接面と内壁面とのエッジ部
にそれぞれ傾斜面を形成し、該傾斜面と当接面との交差
部、上記傾斜面と外壁面との交差部、及び上記傾斜面と
内壁面との交差部をそれぞれ曲率半径が150μm〜4
00μmの曲面としたことから、さらにパーティクルの
発生を抑えることができ、信頼性の高いスペーサを提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ディスク基板保持用スペーサを示
す図で、(a)はその斜視図、(b)はその断面図であ
る。
【図2】磁気ディスク基板保持用スペーサの外壁面の表
面粗さとパーティクル数との関係を示すグラフである。
【図3】一般的な磁気ディスク装置を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1:磁気ディスク基板保持用スペーサ 2:リング状体 3:上部当接面 4:下部当接面 5:外壁面 6:内壁面 7,8,9,10:傾斜面 11:磁気ディスク基板保持用スペ−サ 12:クランプ 13:回転軸 14:ハブ 15:磁気ディスク基板 16:シム 17:磁気ヘッド 18:ネジ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック焼結体からなるリング状体の上
    下面を磁気ディスク基板との当接面とした磁気ディスク
    基板保持用スペーサにおいて、上記リング状体の少なく
    とも外壁面の表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で0.5μ
    m以下としたことを特徴とする磁気ディスク基板保持用
    スペーサ。
  2. 【請求項2】上記リング状体の当接面と外壁面とのエッ
    ジ部及び当接面と内壁面とのエッジ部にそれぞれ傾斜面
    を有し、該傾斜面と当接面との交差部、上記傾斜面と外
    壁面との交差部、及び上記傾斜面と内壁面との交差部を
    それぞれ曲率半径150μm〜400μmの曲面とした
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク基板保
    持用スペーサ。
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