JP2941131B2 - シャドウマスク乃至アパーチャーグリル用鋼板の製造方法 - Google Patents

シャドウマスク乃至アパーチャーグリル用鋼板の製造方法

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JP2941131B2 JP4277132A JP27713292A JP2941131B2 JP 2941131 B2 JP2941131 B2 JP 2941131B2 JP 4277132 A JP4277132 A JP 4277132A JP 27713292 A JP27713292 A JP 27713292A JP 2941131 B2 JP2941131 B2 JP 2941131B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーテレビブラウン
管内に用いられるシャドウマスク乃至アパーチャーグリ
ル用鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラーテレビブラウン管内には、蛍光面
と電子銃の間に、色選別のため、フォトエッチングによ
り穿孔された多数の小孔または、スリットを有するシャ
ドウマスク乃至アパーチャーグリルが配置される。これ
らのシャドウマスク等の一般的な製造方法は以下のよう
である。
【0003】シャドウマスク乃至アパーチャーグリル用
鋼板を洗浄し、フォトレジストを塗布、乾燥後所定のガ
ラスパターンを真空密着させて露光し、塩化第二鉄でエ
ッチングすることにより多数の小孔またはスリットを形
成する。ところで、通常のブライトロールと呼ばれる平
滑な面を持つワークロールにより圧延した平滑な面を有
する鋼板にフォトレジストを塗布し、ガラスパターンを
重ねて真空引きを行うと、脱気の経路閉塞が生じて脱気
に長時間を要するという不具合が生じる。そこで通常シ
ャドウマスク用鋼板は、微細な凹凸加工を施したダルロ
ールと呼ばれるロールを用いて調質圧延し、鋼板表面に
微細な凹凸を転写させる方法を採用している。
【0004】しかしながら、ダルロールを用いた調質圧
延では、鋼板の表面近傍には圧縮、内部には引張りの残
留応力が発生し、エッチング時に残留応力のバランスが
崩れ鋼板が反るため、残留応力を除去する手法として、
特開昭61−190041号公報等に示されているように、圧延
後、連続引張りによる残留応力の軽減方法、または、圧
延後、再結晶温度以下の温度で残留応力除去焼鈍を行う
方法が採用されていた。
【0005】因みに、ブライトロールの板面粗度Raは0.
02〜 0.4μm、ダルロールの板面粗度Raは0.35〜 1.5μ
mである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述の圧延
後、連続引張りにより残留応力を軽減させる方法では、
工程増加による製造コストの上昇が問題となる上に残留
応力レベルがより低いものを必要としているアパーチャ
ーグリル用鋼板では、その残留応力除去効果が充分とは
いえない。
【0007】また、残留応力除去焼鈍を行う方法におい
ても、次のような問題がある。すなわち、残留応力除去
焼鈍を連続焼鈍炉により行う場合には、炉内に多数のロ
ールがあることから、ロールに付着した異物によって鋼
板に疵が発生するという問題がある。なお、一般材の場
合にはこのロール疵はそれほど問題にならない。
【0008】一方、バッチ焼鈍では、焼鈍そのものに長
時間を要し、かつ前処理としての脱脂工程や後工程とし
ての耳切断が必要となるなど、工程処理日数が長くなる
という問題がある。本発明は前記問題点を解決した、所
望の板面粗度を得ると同時に残留応力を十分小さいレベ
ルに容易に抑えることのできる効率的なシャドウマスク
乃至アパーチャーグリル用鋼板の製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、最終冷間圧延
工程において、圧下率5%以上で圧延するとともに圧延
油濃度を管理することによりオイルピットによる粗度付
けを行い所望の板面粗度を得ることを特徴とするシャド
ウマスク乃至アパーチャーグリル用鋼板の製造方法であ
る。前記所望の板面粗度はRa0.45〜0.65μmとすること
が好ましい。
【0010】
【作用】本発明者らは、まずダルロールを用いて調質圧
延した時の残留応力の発生機構について考察した。粗度
付を目的にダルロールを用い調質圧延を行った時、鋼板
表面は、ロールの凹凸により塑性変形し、鋼板内部では
それほど塑性変形しないため、板厚方向で塑性変形量に
差違を生じ、鋼板表面では圧縮、内部では引張りの残留
応力が発生するものと考えた。
【0011】そこで、本発明者らは、最終冷間圧延にお
いて圧下率5%以上で圧延することにより板厚方向で均
一に塑性変形を付与し、残留応力を充分低く抑える圧延
方法を採用した。因みに、図1は本発明者らの得た知見
で、最終冷間圧延の圧下率と鋼板に発する残留応力の大
きさ(片側より1/3までエッチングした後の反り)と
の関係を示すグラフである。これによると、圧下率5%
以上の範囲では鋼板に発生する残留応力の大きさが、ア
パーチャーグリル用鋼板の要求範囲を満足していること
がわかる。
【0012】次に本発明者らは、オイルピットにより所
望の鋼板表面中心線平均粗さRaを得る方法について検討
を行った。冷間圧延条件と板面粗度Raの関係を調査した
ところ、図2に示すように圧延油濃度と板面粗度Raには
密接な関係があることがわかり、圧延油濃度を管理する
ことにより板面粗度Raが制御できることを発見した。
【0013】このようにして、本発明法によれば、最終
冷間圧延において残留応力を充分に低く抑えると同時に
オイルピットにより所望の板面粗度Raを実現することが
できる。なお、圧延油は特に限定されないが、エステル
系のものが有利に使用できる。また、オイルピットによ
る粗度付けで、残留応力が小さくなる理由は、ダルロー
ルでは、塑性変形が拘束されるが、オイルピットであれ
ば油と板との界面においてスムーズに塑性流動するため
と考えられる。
【0014】次に実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明する。
【0015】
【実施例】目標板面粗度Ra0.45〜0.65μm、板厚0.10mm
のシャドウマスク用鋼板を表1に示す実施例 No.1と、
比較例 No.2、3により製造した。実施例 No.1では板
厚0.150 mmの鋼板にブライト仕上げロールで33%の圧下
率の冷間圧延を施す際に濃度20%のエステル系の圧延油
を用いた。
【0016】比較例 No.2では、板厚0.101 mmの鋼板に
粗度Raが1.2 μmのダルロールを用いて1.0 %の圧下率
の調質圧延を施した。比較例 No.3では比較例 No.2と
同じ条件で調質圧延を施した後に連続引張り法により0.
8 %の引張り伸びを与え残留応力の除去を行った。表1
から明らかのように板面粗度は実施例 No.1、比較例 N
o.2、 No.3共、目標粗度範囲内であり良好な結果であ
る。
【0017】次に表中の残留応力の評価について述べ
る。○はアパーチャーグリル用鋼板などの残留応力が極
小であることを要求されている鋼板に適用可能であるこ
とを示す。△は一般のシャドウマスク用鋼板に適用可能
な比較的小さい残留応力を有する鋼板であることを示
す。×は、シャドウマスク用鋼板としては適用できない
ことを示し、残留応力は大きい。
【0018】
【表1】
【0019】なお、実施例 No.1および比較例 No.2、
3の残留応力の板厚方向分布と用途に応じた残留応力許
容範囲を図3に示す。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば鋼板の残留応力を充分低
い値に抑え、かつ板面粗度も良好なシャドウマスク乃至
アパーチャーグリル用鋼板を能率よく製造することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】最終冷間圧延の圧下率と残留応力(片側より1
/3までエッチングした後の反り)との関係を示すグラ
フである。
【図2】圧延油濃度と板面粗度の関係を示す特性図であ
る。
【図3】本発明による実施例と比較例の板厚方向位置で
の残留応力分布を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武藤 振一郎 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 古角 文雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 平2−147105(JP,A) 特開 平2−197303(JP,A) 特開 平2−169108(JP,A) 特開 平2−284704(JP,A) 特開 平5−269503(JP,A) 特開 昭61−201733(JP,A) 特開 昭62−120432(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 45/02 310 B21B 1/22 B21B 27/10 H01J 9/14 H01J 29/07

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最終冷間圧延工程において、圧下率5%
    以上で圧延するとともに圧延油濃度を管理することによ
    りオイルピットによる粗度付けを行い所望の板面粗度を
    得ることを特徴とするシャドウマスク乃至アパーチャー
    グリル用鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記所望の板面粗度をRa0.45〜0.65μm
    とすることを特徴とする請求項1記載のシャドウマスク
    乃至アパーチャーグリル用鋼板の製造方法。
JP4277132A 1992-10-15 1992-10-15 シャドウマスク乃至アパーチャーグリル用鋼板の製造方法 Expired - Fee Related JP2941131B2 (ja)

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JP5294072B2 (ja) * 2009-03-18 2013-09-18 日立金属株式会社 エッチング加工用素材の製造方法及びエッチング加工用素材
JP5564845B2 (ja) * 2009-07-22 2014-08-06 新日鐵住金株式会社 疲労強度に優れたダル表面金属ストリップの調質圧延方法およびダル表面金属ストリップ

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