JP2790395B2 - アパーチャーグリル用鋼板の製造方法 - Google Patents

アパーチャーグリル用鋼板の製造方法

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哲郎 金谷
久幸 谷川
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Sony Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーテレビブラウン
管に用いられるアパーチャーグリル用素材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カラーテレビブラウン管の色選別
用のアパーチャーグリルは、金属薄板にエッチング加工
によって多数のスリットを形成し、その後スリット方向
に張力を付与した状態でフレームに張り渡して溶接し、
この張力を付与した状態のまま400℃〜600℃の温
度で黒化処理を施して製造される。
【0003】従って、素材としての金属薄板の平坦度が
悪かったり、残留応力が存在した場合には、エッチング
加工によりスリットを形成する際や、黒化処理した際
に、スリットの線乱れを生じることになる。金属薄板の
平坦度については、その金属薄板の最終工程において金
属薄板を調質圧延機やテンションレベラーに通すことに
よってその平坦度を向上させることができるが、調質圧
延のように通常1〜2%の伸び率で行う軽圧延や、テン
ションレベラーのように張力がかかった状態での曲げ加
工を行うと、金属薄板の表層部には大きな圧縮の残留応
力、中心部には引張りの残留応力が発生する。このよう
な残留応力が存在する金属薄板を素材としてエッチング
加工によってスリットを形成させると、残留応力によっ
てスリットの線乱れが生じる。
【0004】従って、従来調質圧延機やテンションレベ
ラーを通すことなく、冷間圧延板(通常0.2mm以
下)をそのまま裁断してエッチング処理を行う。また
は、特開昭61−190041号公報に開示されている
ように、調質圧延またはテンションレベラーで形状矯正
を行った後、再結晶温度以下の温度で残留応力除去焼鈍
を行う方法が採用されていた。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】前述の調質圧延機やテ
ンションレベラーを通さない方法では、平坦度の制御が
困難で、適中率や歩留りが非常に悪く、経済性および納
期管理の面で問題となっていた。また調質圧延機やテン
ションレベラーで形状矯正した後、残留応力除去焼鈍を
行う方法においても、次のような問題がある。即ち、残
留応力除去焼鈍を連続焼鈍炉により行う場合には、炉内
に多数のロールがあることから、ロールに付着した異物
によって鋼板に疵が発生するという問題がある。尚、一
般材の場合にはこのロール疵はそれほど問題にはならな
い。
【0006】一方、バッチ式焼鈍炉により残留応力除去
焼鈍を行う場合では、焼鈍そのものに長時間を要し、か
つ前処理としての脱脂工程や、後処理としての耳切断が
必要となるなど、工程処理日数が長くなるという問題が
ある。本発明は前述のような問題を解決した、残留応力
が少なく平坦度の良好なアパーチャーグリル用鋼板の製
造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、5%以上の圧
下率で最終冷間圧延を行った後、連続引張矯正を行うこ
とを特徴とするアパーチャーグリル用鋼板の製造方法で
ある。
【0008】
【作用】以下に本発明をなすに至った経過および作用を
説明する。本発明者らは、まず調質圧延機やテンション
レベラーで形状矯正をおこなった後、連続引張矯正機に
よって残留応力を除去する方法を検討した。アパーチャ
ーグリル用鋼板の場合、最終冷間圧延後焼鈍を行わない
ため、鋼板の破断伸び率が2〜3%しかなく、破断せず
に連続引張矯正機で鋼板に付与できる伸び率は1%程度
であり充分な残留応力除去ができないことがわかった。
【0009】次に本発明者らは、冷間圧延条件と鋼板に
発生する残留応力を調査したところ、図1に示すよう
に、最終冷間圧延の圧下率と鋼板に発生する残留応力の
大きさには密接な関係があり、圧下率5%以上の範囲で
は鋼板に発生する残留応力の大きさが小さいことが判明
した。尚、上限は実用上70%が圧延1パスの限界であ
る。
【0010】このようにして冷間圧延で鋼板に発生する
残留応力を充分に低くおさえた後連続引張矯正機で形状
修正と同時に残留応力を更に低減させる方法を発明し
た。本発明によれば鋼板の残留応力を低い値に抑え、か
つ平坦度も良好なアパーチャーグリル用鋼板を能率よく
高歩留りで製造することが可能となる。即ち、本発明は
5%以上の圧下率で最終冷間圧延を行った後、連続引張
矯正を行うことを特徴とするアパーチャーグリル用鋼板
の製造方法である。
【0011】
【実施例】表1に実施例と比較例を示す。表1から明ら
かなように実施例No.1とNo.2共、比較例No.
3、No.4に比べて残留応力が少なく平坦度が良好で
ある。表中の残留応力に対する評価について述べる。
【0012】○はアパーチャーグリル鋼板の片側1/3
までエッチングで除去した後の反りが25mm以下のも
のであり、残留応力が小さい。×はアパーチャーグリル
鋼板の片側1/3までエッチングで除去した後の反りが
25mmを超えたものであり、残留応力が大きい。次に
表中の平坦度に対する評価について述べる。
【0013】○はアパーチャーグリル鋼板の急峻度が
0.3%以下のものである。×はアパーチャーグリル鋼
板の急峻度が0.3%を超えたものである。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】本発明によれば鋼板の残留応力を充分低
い値に抑え、かつ平坦度も良好なアパーチャーグリル用
鋼板を能率よく高歩留りで製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】最終冷間圧延の圧下率と鋼板の片側より1/3
までエッチングした後の反りとの関係を示す特性図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 1/22 - 1/28 B21D 1/05 H01J 29/07

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5%以上の圧下率で最終冷間圧延を行っ
    た後、連続引張矯正を行うことを特徴とするアパーチャ
    ーグリル用鋼板の製造方法。
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AU2015301085A1 (en) 2014-08-08 2017-03-02 Regents Of The University Of Minnesota Forming iron nitride hard magnetic materials using chemical vapor deposition or liquid phase epitaxy
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