JP2940890B2 - 弾塑性ダンパの取付構造 - Google Patents

弾塑性ダンパの取付構造

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JP2940890B2
JP2940890B2 JP3316221A JP31622191A JP2940890B2 JP 2940890 B2 JP2940890 B2 JP 2940890B2 JP 3316221 A JP3316221 A JP 3316221A JP 31622191 A JP31622191 A JP 31622191A JP 2940890 B2 JP2940890 B2 JP 2940890B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は回転体形状の弾塑性ダ
ンパを、これに軸力を負担させることなく、距離を隔て
て対向する構造物等の構造部材間の水平面内の任意の方
向の相対変形に対して機能させる状態に設置し、構造物
間のねじれ変形の差を、その弾塑性ダンパにねじれ変形
を与えないで特定の2方向の変形に置換しうるようにし
た、弾塑性ダンパの取付構造に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】構造的に絶縁され、水
平面内で相対変位を生ずる構造物間を始めとする構造部
材間に跨って設置され、地震時等に構造物に入力する振
動エネルギを吸収する回転体形状の弾塑性ダンパと、そ
れに特有な設置方法を出願人はこれまで数多く提案して
いる。
【0003】この回転体形のダンパは両端間に作用す
る、軸に垂直な面内のせん断力によって弾塑性変形して
エネルギの吸収を行い、一端が自由で、他端が固定され
る場合は釣り鐘形の形状をし、両端共固定される場合は
鼓形の形状をし、いずれも外力による曲げモーメント分
布に近似した立面形状をすることによって小型でありな
がらエネルギ吸収効率が高く、また回転体形であること
によって軸に垂直な面の任意の方向に機能する等の利点
を持っている。
【0004】この弾塑性ダンパの特性は剛性,変形性能
及び耐力で示され、これらの特性を最適に発揮させるこ
とが設置上の課題であるが、剛性と変形性能は基本的に
は相反する特性であるため全特性の最適値を選択するこ
とは難しく、また剛性と耐力を高めれば規模が大きくな
るため製作性が低下し、構造物への据え付けも困難とな
る。
【0005】また弾塑性ダンパを隣接する構造物間に設
置する場合、構造物間には水平面内の相対変形に伴って
鉛直方向の相対変形が生ずるため、弾塑性ダンパの上下
端ではこれに軸力を加えないディテールを検討しなけれ
ばならず、設計が複雑化し、コストの上昇を招く傾向が
ある。
【0006】この発明は軸力の負担を予定しない、回転
体形状の弾塑性ダンパの実情を踏まえてなされたもの
で、簡素な構造でありながら、上記特性を生かした取付
構造を提案しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】弾塑性ダンパは図1,図
2に示すように構造物等の構造部材間の対向する方向
(直列方向)にN列直列に配列され、互いに連結されれ
ば、全体では1個のN倍の量の変形が可能であり、また
図3,図4に示すように直列方向に直交する方向(並列
方向)にN個並列に配置されれば、直列方向の全体の剛
性と耐力は単体のN倍になる。
【0008】この事実に着目し、本発明では弾塑性ダン
パを対向する構造部材間に2列以上直列に配置すると共
に、各構造部材毎に並列方向に2個以上並列させ、直列
方向に2列以上で、並列方向に2個以上の合計4個以上
の全弾塑性ダンパを同時に連結することにより、弾塑性
ダンパの全体で、構造部材が対向する方向の変形性能と
剛性及び耐力の各特性を有効に発揮させる。
【0009】弾塑性ダンパは距離を隔てて切り離された
各構造部材から構造部材が対向する側へ張り出す各張出
部材毎に、張出部材が対向する方向(直列方向)に1列
以上、それに直交する方向(並列方向)に2個以上並列
させ、合わせて2個以上接続され、構造部材間の全体で
は直列方向に2列以上で、並列方向に2個以上の合計4
個以上の弾塑性ダンパが配置される。
【0010】弾塑性ダンパは軸に垂直な面内のせん断力
を受けて弾塑性変形する回転体形状をし、その一端が、
軸を鉛直に向けて張出部材に接続される。直列方向に弾
塑性ダンパの配列数を増す場合は、請求項2に記載の通
り、両張出部材の中間に、これらと同一の高さに両張出
部材から切り離されて架設部材が配置される。
【0011】各張出部材に付き、直列方向に1列以上
で、並列方向に2個以上接続された2個以上の弾塑性ダ
ンパは空間を挟んで対向する張出部材の2個以上の弾塑
性ダンパと架設部材によって同時に連結される。
【0012】架設部材は直列方向、すなわち張出部材が
対向する方向には2列以上の弾塑性ダンパ間に跨る長さ
を持ち、並列方向、すなわち張出部材が対向する方向に
直交する方向にはその方向に配置される全弾塑性ダンパ
に跨る幅を持ち、直列方向に空間を挟んで隣接する弾塑
性ダンパ間に架設され、直列方向に隣接する2列以上の
全弾塑性ダンパと並列方向の弾塑性ダンパを同時に連結
する。構造部材間の全体で直列方向にn列で、並列方向
にm個の弾塑性ダンパがあればn×m個の弾塑性ダンパ
を同時に連結する。
【0013】架設部材によって直列方向に連結された合
計2列以上の全弾塑性ダンパは張出部材単位で分割さ
れ、張出部材毎に、直列方向に1列以上、並列方向に2
個以上の合計2個以上の弾塑性ダンパが一単位となって
接続されることにより、構造部材間の相対水平変位に伴
う鉛直変位時には、直列方向の弾塑性ダンパが張出部材
間の相対変位に従って互いに鉛直方向に相対移動するた
め、弾塑性ダンパに軸力が作用することは回避される。
【0014】請求項2に記載のように張出部材の中間
に、これと同一の高さに架設部材が配置される場合、こ
の架設部材には直列方向に2列以上で、並列方向に2個
以上並列し、合わせて4個以上の弾塑性ダンパが接続さ
れる。この架設部材に接続された、張出部材と対向する
側で並列する弾塑性ダンパと、これに対向する張出部材
に接続された並列する弾塑性ダンパ間に請求項1で使用
される架設部材が架設され、空間を挟んで隣接する全弾
塑性ダンパが連結される。
【0015】架設部材によって同時に連結された全弾塑
性ダンパは平面上、2方向に並列することによって上記
の通り、構造部材の対向する方向へは各単体の弾塑性ダ
ンパの変形性能と剛性及び耐力が有効に発揮される。同
時に、構造部材間に生ずる対向する方向と、それに直交
する方向の相対変形に対して機能する他、直列方向の弾
塑性ダンパが張出部材毎に独立して相対移動可能である
ことによって構造部材(構造物)間の捩れ変形に対して
も機能する。
【0016】
【実施例】請求項1記載の発明は図5,図6に示すよう
に回転体形状の弾塑性ダンパ(以下ダンパ)1を、距離
を隔てて切り離された各構造部材S,Sから対向する側
へ張り出す張出部材2毎に、張出部材2,2がその対向
する方向(以下直列方向)に1列以上、それに直交する
方向(以下並列方向)に2個以上並列させ、合わせて2
個以上接続(図5,図6では各張出部材2に付き、並列
方向に2個×直列方向に1列=2個のダンパ1が接続)
し、この両張出部材2,2に接続された、空間を挟んで
隣接する、並列方向に2個以上で、直列方向に2列(各
張出部材2に付き、直列方向に1列で、直列方向に張出
部材2が2個あるから合計2列)の合計4個(並列方向
に2個×直列方向に2列=4個)以上の全ダンパ1を架
設部材3で連結し、単体のダンパ1の変形性能と剛性及
び耐力を有効に引き出したものである。構造部材Sは構
造物を含む。
【0017】ダンパ1は軸を鉛直に向けて一端が張出部
材2に、他端が架設部材3に接続される。一端が固定さ
れ、他端が回転自由に接続される場合は図6に示すよう
な釣り鐘形の形状をし、両端共固定される場合は図15に
示すような鼓形の立面形状をし、いずれの形状の場合も
両端間に作用する、軸に垂直な面内のせん断力を受けて
弾塑性変形し、エネルギを吸収する。
【0018】釣り鐘形のダンパ1は一端に取付端11を、
他端に球状の頭部12を持ち、取付端11で図6等に示すよ
うに張出部材2,または図14に示すように架設部材3に
固定され、頭部12で架設部材3,または張出部材2に接
続され、その間の中間部13が変形を生ずる。
【0019】鼓形のダンパ1は両端に取付端11,11を持
ち、一方が張出部材2に、他方が架設部材3にいずれも
固定され、中間部13が変形する。
【0020】いずれの形状も、中間部13は軸に垂直な面
内の任意の方向の、取付端11と頭部12間,もしくは両取
付端11,11間のせん断力によって軸方向に生ずる曲げモ
ーメント分布に対応した形状をすることにより曲げモー
メントによって全高が均等に曲げ降伏する。
【0021】張出部材2は図5,図6に示すように対向
する構造部材S,Sからその対向する側へ、互いに距離
を隔てて張り出し、各張出部材2にはそれぞれ直列方向
に1列以上、並列方向に2個以上の合わせて2個以上の
ダンパ1が接続される。図17までは直列方向に1 列配置
した場合、図18,図19は2列配置した場合を示す。
【0022】ダンパ1は張出部材2や架設部材3に取付
端11で接続される場合は図6に示すようにボルト等によ
り固定され、図14に示すように頭部12で接続される場合
は回転を拘束されない状態に連結される。後者の場合、
頭部12と張出部材2との接続は図7に示す架設部材3と
の接続の場合と同様の納まりとなる。
【0023】架設部材3は張出部材2,2間に、もしく
はその中間に後述の架設部材3’が配置される場合はこ
の架設部材3’と張出部材2間に架設され、空間を隔て
て直列方向に対向し、並列方向に並列するダンパ1,1
を連結する。張出部材2,2の中間に架設部材3’が配
置される場合は請求項2記載の発明である。
【0024】ダンパ1が図1に示すように直列方向に2
列配列される場合はその方向の隣接するダンパ1,1間
に跨って架設部材3が架設される。図2に示すように直
列方向に3列以上配列され、張出部材2,2の中間にこ
れと同一の高さに架設部材3’が配置される場合は、こ
の架設部材3’に接続されるダンパ1と張出部材2に接
続されたダンパ1間に跨って架設部材3が架設される。
【0025】図2に示す、張出部材2,2間に架設部材
3’が配置される場合、この架設部材3’には図20に示
すように直列方向に2列以上で、並列方向に2個以上の
合わせて4個以上のダンパ1が接続される。張出部材2
に接続されている1列以上、2個以上のダンパ1と、架
設部材3’に接続され、張出部材2に対向する側に位置
する1列以上、2個以上のダンパ1が架設部材3に接続
される。
【0026】架設部材3は図5に示すように並列方向の
全ダンパ1(図5では2個のダンパ1)に跨る幅と、直
列方向に空間を挟んで隣接するダンパ1,1(図5では
2列のダンパ1)間に跨る長さを持ち、並列方向の2個
以上の全ダンパ1と、直列方向の隣接する2列以上のダ
ンパ1,1に跨って架設され、これらの全ダンパ1(2
個×2列=4個のダンパ1)を同時に連結する。架設部
材3はこれが取り囲む複数個のダンパ1を1単位として
機能させる。
【0027】並列方向に配置されるm個の全ダンパ1が
直列方向のn列に跨って架設部材3で互いに連結された
場合には、架設部材3に連結された1単位のダンパ群の
直列方向の変形性能は単体のダンパ1のn倍に、剛性及
び耐力は並列方向の個数倍(m倍)になる。図5では変
形性能が2倍、剛性及び耐力も2倍になる。
【0028】図5〜図8は釣り鐘形のダンパ1の、本発
明の基本的な設置例を示すが、このダンパ1の頭部12
図6の一部拡大図である図7に示すように架設部材3や
張出部材2に回転を拘束されない状態に接続される。図
8は図5に示すダンパ1と架設部材3の位置関係を示
す。
【0029】図9は図5に示す設置例において、構造部
材S,S間に直列方向の相対変形を生じた場合の様子
を、図10は並列方向の相対変形を生じた場合の様子をそ
れぞれ示すが、ダンパ1は任意の水平面内のせん断力に
対して機能することから、いずれの変形時にも全ダンパ
1はそれぞれが曲げ変形することにより有効に機能す
る。また直列方向の各ダンパ1,1の取付端11,11間距
離は可変であることから、両ダンパ1,1は張出部材
2,2毎に独立して相対移動するため構造部材S,S間
の捩れ変形時にも全ダンパ1は均等に機能する。
【0030】加えてダンパ1は構造部材S,S間の相対
水平変位に伴う鉛直変位時には、直列方向のダンパ1,
1が張出部材2,2間の相対変位に従って互いに上下方
向の相対移動を生ずるため軸力は負担しない。
【0031】図9,図10に示す相対変形時は前記した通
り、直列方向に2列配列されていることにより全ダンパ
1の変形量は単一のダンパ1の2倍であり、並列方向に
2個並列していることにより全ダンパ1の剛性と耐力は
2倍となっている。
【0032】図11, 図12はダンパ1を張出部材2の下面
に固定した場合の実施例を示す。前者は架設部材3を張
出部材2,2から吊り材4,またはバネ材で懸垂させ、
ダンパ1,1の頭部12,12間に架設した場合、後者は下
端に支持材5が接続した吊り材4をダンパ1,1の頭部
12,12に接続し、この支持材5,5に架設部材3を支持
させた場合である。
【0033】図13はダンパ1を張出部材2の上下面に固
定し、その上下のダンパ1,1の頭部12,12間に架設部
材3,3を架設した場合の実施例を、図14はダンパ1,
1を架設部材3の上下面に固定し、その頭部12,12の位
置に張出部材2,2を張り出した場合の実施例を示す。
前者は図6と図11に示す設置状態を組み合わせた形であ
り、後者は前者の張出部材2と架設部材3を入れ替えた
形である。後者の場合は、架設部材3の上下面にダンパ
1,1の取付端11,11が固定され、各構造部材S,Sか
ら上下ダンパ1,1の頭部12,12の高さの2箇所に張出
部材2,2が張り出され、この張出部材2に頭部12が回
転自由に接続される。これらの設置例では変形量が単一
のダンパ1の2倍、剛性と耐力が4倍となる。
【0034】図15〜図17は鼓形のダンパ1を使用した実
施例を示す。図15に示す実施例は図6に示す設置例と同
じく、両構造部材S,Sから張り出す張出部材2,2上
にダンパ1,1の一方の取付端11,11を固定し、他方の
取付端11,11間に架設部材3を架設し、これに取付端
11,11を固定した場合である。
【0035】図16, 図17はダンパ1の成を大きくし、両
取付端11,11の他に、中間部13の中央部にもせん断力を
加える場合の設置例であり、それぞれ図13, 図14に示す
形に対応させた設置例である。鼓形のダンパ1は釣り鐘
形のダンパ1が2個頭部12で連結されて一体化した形状
をすることから、図16に示す設置例の場合は張出部材2
がダンパ1の中間部13の中央部に、図17に示す設置例の
場合は架設部材3がダンパ1の中間部13の中央部に接続
され、いずれの場合もダンパ1の相対的な回転変形を拘
束せず、中間部13にせん断力のみを負担させる状態に接
続される。
【0036】図18, 図19は各張出部材2にダンパ1を直
列方向に2列配列させ、両張出部材2,2に跨る直列方
向4列で、並列方向2個の合計8個のダンパ1を架設部
材3によって同時に連結した場合の実施例を示す。
【0037】図20は図2に示す配置例の平面を示し、対
向する張出部材2,2の中間に架設部材3’を架設した
場合であるが、前記の通り、浮いた架設部材3’に直列
方向に2列、並列方向に各2個の合計4個のダンパ1を
接続し、各張出部材2の1列のダンパ1と、架設部材
3’の、張出部材2に対向する側の1列のダンパ1間に
架設部材3を架設した場合である。
【0038】この図20に示す実施例のように直列方向に
ダンパ1が3列以上配列される場合、架設部材3’は前
記した通り、張出部材2,2と同一の高さに配置され、
この架設部材3’とそれに対向する張出部材2間に架設
部材3が架設される。
【0039】この場合、架設部材3’には張出部材2と
対向する側毎に、直列方向に1列以上、その列毎に2個
以上のダンパ1が接続される。
【0040】図21は張出部材2の幅を大きくし、並列方
向のダンパ1,1間距離Lを拡大させた場合であるが、
架設部材3で連結される1単位のダンパ1の全体の剛性
と耐力は直列方向のダンパ1,1間の距離Bと、この並
列方向のダンパ1,1間距離Lを変化させることによっ
ても調整される。
【0041】
【発明の効果】対向する各構造部材から張り出す張出部
材に弾塑性ダンパを直列方向に1列以上、それに直交す
る方向に2個以上並列させ、合わせて2個以上接続し、
この空間を挟んで隣接する、直列方向に2列以上、並列
方向に各2個以上の合計4個以上の弾塑性ダンパに跨っ
て架設部材を架設し、この全弾塑性ダンパを同時に連結
したものであるため、架設部材で取り囲まれた弾塑性ダ
ンパ全体の変形性能と剛性及び耐力を有効に発揮させる
ことができる。
【0042】また直列方向に連結された弾塑性ダンパが
構造部材毎に切り離されていることにより構造部材間の
相対水平変位に伴う鉛直変位時には、直列方向の弾塑性
ダンパが張出部材間の相対変位に従って互いに上下方向
の相対移動を生ずるため弾塑性ダンパへの軸力の作用を
回避することができる。
【0043】更に弾塑性ダンパは全体では平面上、直列
方向と並列方向にそれぞれ複数個配列されているため構
造部材間に生ずる対向する方向と、それに直交する方向
の相対変形に対して機能することに加え、直列方向の弾
塑性ダンパが張出部材毎に独立して相対移動可能である
ため構造部材間の捩れ変形に対しても弾塑性ダンパをね
じれ変形を与えないで、特定の2方向の変形に置換させ
るように機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】弾塑性ダンパを構造部材間に直列に配置したモ
デルを示した立面図である。
【図2】弾塑性ダンパを直列に配置する場合の他のモデ
ルを示した立面図である。
【図3】弾塑性ダンパを並列に配置したモデルを示した
立面図である。
【図4】弾塑性ダンパを並列に配置する場合の他のモデ
ルを示した立面図である。
【図5】釣り鐘形の弾塑性ダンパを使用した、本発明の
基本的な設置例を示した平面図である。
【図6】図5の立面図である。
【図7】図6に示す弾塑性ダンパの頭部と架設部材との
接続部分を示した拡大図である。
【図8】図5の斜視図である。
【図9】構造部材間に対向する方向の相対変形が生じた
場合の様子を示した平面図である。
【図10】構造部材間に対向する方向に直交する方向の
相対変形が生じた場合の様子を示した平面図である。
【図11】釣り鐘形の弾塑性ダンパを張出部材の下面に
固定した場合の設置例を示した立面図である。
【図12】図11の他の設置例を示した立面図である。
【図13】釣り鐘形の弾塑性ダンパを張出部材の両面に
固定した場合の設置例を示した立面図である。
【図14】釣り鐘形の弾塑性ダンパを架設部材の両面に
固定し、頭部に張出部材を接続した場合の設置例を示し
た立面図である。
【図15】鼓形の弾塑性ダンパを張出部材の上面に固定
した場合の設置例を示した立面図である。
【図16】鼓形の弾塑性ダンパの中間部に張出部材を接
続し、両取付端に架設部材を固定した場合の設置例を示
した立面図である。
【図17】鼓形の弾塑性ダンパの両取付端を張出部材に
固定し、中間部に架設部材を接続した場合の設置例を示
した立面図である。
【図18】各張出部材に直列方向に2列、並列方向に2
個の弾塑性ダンパを配置した場合の設置例を示した平面
図である。
【図19】図18の立面図である。
【図20】対向する張出部材の中間に架設部材を配置し
た場合の設置例を示した、図2に示すモデルの平面図で
ある。
【図21】並列方向の弾塑性ダンパ間の距離を大きくし
た場合の設置例を示した平面図である。
【符号の説明】
S……構造部材、1……弾塑性ダンパ、11……取付端、
12……頭部、13……中間部、2……張出部材、3……架
設部材、4……吊り材、5……支持材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有田 友彦 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 福元 敏之 東京都調布市飛田給2丁目19番1号 鹿 島建設株式会社技術研究所内 (72)発明者 田中 直樹 東京都調布市飛田給2丁目19番1号 鹿 島建設株式会社技術研究所内 (56)参考文献 特開 平3−66936(JP,A) 特開 平1−203543(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 距離を隔てて切り離された各構造部材か
    ら構造部材が対向する側へ張り出す各張出部材毎に、軸
    に垂直な面内のせん断力を受けて弾塑性変形する回転体
    形状の弾塑性ダンパの一端を、軸を鉛直に向けて張出部
    材が対向する方向に1列以上、それに直交する方向に2
    個以上並列させ、合わせて2個以上接続し、両張出部材
    間に、張出部材が対向する方向の、両張出部材に接続さ
    れている合計2列以上の全弾塑性ダンパに跨る長さと、
    各張出部材の並列する方向の全弾塑性ダンパに跨る幅を
    持つ架設部材を架設し、両張出部材に接続された、空間
    を挟んで隣接する2列以上で、2個以上の合計4個以上
    の全弾塑性ダンパを同時に架設部材で連結し、構造物間
    のねじれ変形の差を、その弾塑性ダンパにねじれ変形を
    与えないで特定の2方向の変形に置換しうるようにして
    あることを特徴とする弾塑性ダンパの取付構造。
  2. 【請求項2】 対向する張出部材の中間にはこれと同一
    の高さに、両張出部材から切り離されて架設部材が配置
    され、この架設部材には張出部材が対向する方向に2列
    以上、それに直交する方向に2個以上並列し、合わせて
    4個以上の弾塑性ダンパが接続されており、この架設部
    材に接続された、張出部材と対向する側で並列する弾塑
    性ダンパと、これに対向する張出部材に接続された並列
    する弾塑性ダンパ間に架設部材を架設し、空間を挟んで
    隣接する2列以上で、2個以上の合計4個以上の全弾塑
    性ダンパを架設部材で連結し、構造物間のねじれ変形の
    差を、その弾塑性ダンパにねじれ変形を与えないで特定
    の2方向の変形に置換しうるようにしてあることを特徴
    とする請求項1記載の弾塑性ダンパの取付構造。
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