JP2002227127A - 橋梁、及び橋脚の耐震強度補強方法 - Google Patents

橋梁、及び橋脚の耐震強度補強方法

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JP2002227127A JP2001024851A JP2001024851A JP2002227127A JP 2002227127 A JP2002227127 A JP 2002227127A JP 2001024851 A JP2001024851 A JP 2001024851A JP 2001024851 A JP2001024851 A JP 2001024851A JP 2002227127 A JP2002227127 A JP 2002227127A
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俊蔵 岡
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幸一 井上
Hisaya Myojin
久也 明神
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 橋脚の基礎を大幅に補強することなく高い耐
震強度を確保した橋脚を有する橋梁の提供と、橋脚の耐
震強度補強方法の提供とを課題とする。 【解決手段】 橋脚2の基礎構造3とは別に設けたベー
ス5,5と、これらベース5,5より橋脚2を支持する
履歴型ブレース6a,6cにより、橋脚2を補強支持す
る構成及び方法を採用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐震強度が補強さ
れた橋梁と、橋脚の耐震強度補強方法とに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、橋梁分野においてその耐震性向上
に対する要求が強くなっている。橋梁における従来の耐
震対策としては、橋脚などの構造強度を上げることによ
り、作用する地震力を支持する方法がとられている。す
なわち、例えばRC橋脚においては、鋼板巻き立てによ
る補強がなされ、鋼製橋脚においては、その内部にコン
クリートを充填したり、あるいは、リブを追加すること
による補強が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の従来の補強方法では、橋脚そのものの構造強度を上げ
ることができるものの、基礎構造(杭やケーソンなど)
や地盤の補強はできないため、補強効果は限定的なもの
であり、更なる高い耐震性を確保するための新たな解決
手段が求められている。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、橋脚の基礎を大幅に補強することなく高い耐震
強度を確保した橋脚を有する橋梁の提供と、橋脚の耐震
強度補強方法の提供とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために以下の手段を採用した。すなわち、本発明
の請求項1記載の橋梁は、基礎上に設けられた橋脚を有
する橋梁であって、前記橋脚の周囲には、前記基礎とは
別に設けられたベースと、該ベースより前記橋脚を支持
するダンパ部材とが備えられていることを特徴とする。
上記請求項1記載の橋梁によれば、橋梁に対して地震力
が作用してその橋脚が水平方向に振動しようとした場
合、この振動は、橋脚を周囲より支持するダンパ部材に
より吸収されるので、その結果、地震エネルギが吸収さ
れて橋脚の揺れを減衰させることができる。
【0006】請求項2記載の橋梁は、請求項1記載の橋
梁において、前記ダンパ部材が、前記ベースから斜め上
方に向けて前記橋脚を支持する履歴型ブレースであるこ
とを特徴とする。上記請求項2記載の橋梁によれば、橋
梁に地震力が作用して橋脚が水平方向に振動した場合、
この橋脚をその周囲より支持する履歴型ブレースに対し
て引っ張りと圧縮の交番軸力が発生するが、この交番軸
力に呼応して履歴型ブレースが作動するため、地震エネ
ルギが吸収されて橋脚の揺れが減衰する。
【0007】請求項3記載の橋梁は、請求項1記載の橋
梁において、前記ダンパ部材が、前記ベース上に立設さ
れた曲げ降伏型ダンパであり、連結部材を介して前記橋
梁を支持していることを特徴とする。上記請求項3記載
の橋梁によれば、橋梁に地震力が作用して橋脚が水平方
向に振動した場合、この橋脚をその周囲より支持する曲
げ降伏型ダンパに対して、連結部材を介して曲げモーメ
ントが加わるが、この曲げモーメントに呼応して曲げ降
伏型ダンパが作動するため、地震エネルギが吸収されて
橋脚の揺れが減衰する。
【0008】請求項4記載の橋梁は、請求項1記載の橋
梁において、前記ダンパ部材が、前記橋脚と、前記ベー
ス上に立設された支持柱との間に設けられた履歴型ブレ
ースであることを特徴とする。上記請求項4記載の橋梁
によれば、橋梁に地震力が作用して橋脚が水平方向に振
動した場合、この橋脚をその周囲より支持する履歴型ブ
レースに対して引っ張りと圧縮の交番軸力が発生する
が、この交番軸力に呼応して履歴型ブレースが作動する
ため、地震エネルギが吸収されて橋脚の揺れが減衰す
る。
【0009】請求項5記載の橋梁は、請求項1記載の橋
梁において、前記ダンパ部材が、前記ベース上に設けら
れた剪断降伏型ダンパであり、連結部材を介して前記橋
梁を支持していることを特徴とする。上記請求項5記載
の橋梁によれば、橋梁に地震力が作用して橋脚が水平方
向に振動した場合、この橋脚をその周囲より支持する剪
断降伏型ダンパに対して剪断力が発生するが、この剪断
力に応じて剪断降伏型ダンパが剪断降伏するため、地震
エネルギが吸収されて橋脚の揺れが減衰する。
【0010】請求項6記載の橋梁は、請求項1〜5の何
れかに記載の橋梁において、前記ベースが、平面視した
場合に、橋桁の位置から外れて配置されていることを特
徴とする。上記請求項6記載の橋梁によれば、橋桁の高
さに影響を受けることなく、ベースを設置することがで
きるようになる。すなわち、既設橋梁の補強すべく、そ
の橋脚を周囲からダンパ部材で支持することを考えた場
合、ある程度の鉛直方向長さを有するベースを新たな基
礎として橋脚の周囲に埋設する必要があるが、橋脚の上
方には既に橋桁が存在するため、このような長いベース
を橋桁の下に埋設することが困難となる場合がある。し
かしながら、本発明では、ベースを、平面視して橋桁の
位置から外れた位置に配置させるものとしているので、
橋桁の高さに関係なく容易にベースを設置することがで
きるようになる。
【0011】請求項7記載の橋脚の耐震強度補強方法
は、基礎上に設けられた橋脚の耐震強度を補強する方法
であって、前記橋脚を、その前記基礎の周囲に設けられ
たベースより、ダンパ部材を介して支持することを特徴
とする。上記請求項7記載の橋脚の耐震強度補強方法に
よれば、このように補強された橋脚に対して地震力が作
用し、この橋脚が水平方向に振動しようとした場合、こ
の振動は、橋脚を周囲より支持するダンパ部材により吸
収されるので、その結果、地震エネルギが吸収されて橋
脚の揺れを減衰させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の橋梁、及び橋脚の耐震強
度補強方法の各実施の形態について、図面を参照しなが
ら以下にその説明を行うが、本発明がこれらのみに限定
解釈されるものでないことは勿論である。まず、図1〜
図3を参照しながら、本発明の第1の実施の形態につい
ての説明を行う。なお、図1は、本実施の形態の橋梁の
橋脚部分の側面図である。また、図2は、同橋脚部分を
示す平面図であって、図1のA−A矢視図である。ま
た、図3は、同橋脚部分に用いられる履歴型ブレースの
復元力特性を示すグラフであり、横軸が履歴型ブレース
の軸方向変形量δ、縦軸が履歴型ブレースに加わる繰返
し軸力Nを示している。
【0013】本実施の形態の橋梁は、橋桁1と、該橋桁
1の延在方向(橋軸方向)の複数箇所で橋桁1を支持す
る複数の橋脚2とを備えて構成されている。橋脚2は、
地中に埋設された基礎構造3(基礎)上より地上に向か
って立設しており、その上端において橋桁1の重量を支
持している。橋脚2は、図2に示すように橋桁1の幅方
向(橋軸に垂直をなす水平方向)に向かって幅広な板状
をなしている。そして、その上端各角部の4箇所には、
固定部材4,・・・がそれぞれ固定されている。
【0014】そして、本実施の形態では、橋脚2の周囲
に、該橋脚2の基礎構造3とは別に設けられた一対のベ
ース5,5と、これらベース5,5より橋脚2を支持す
る複数本のダンパ部材6a,6b,6c,6dとを備え
ている。各ベース5,5は、図2に示す平面視した場
合、橋脚2の幅方向に垂直かつ中央位置を通る中心線C
L上の、橋脚2を間に挟む両側の均等位置にそれぞれ埋
設されている。そして、各ベース5,5とその対向する
各固定部材4,・・・との間の間隔寸法、すなわち各ダン
パ部材6a〜6dの長さ寸法は、互いに等しいものとな
っている。
【0015】各ダンパ部材6a〜6dは、図1に示す側
面視した場合には、ベース5,5から斜め上方に向けて
橋脚2を紙面左右より均等支持する履歴型ブレースであ
り(以下、ダンパ部材6a〜6dを履歴型ブレース6a
〜6dと称する)、図2に示す平面視した場合には、橋
脚2の各側面を、各ベース5,5を始点としてV字状に
広がるように設けられており、橋梁2をその幅方向にお
いて均等に支持できるようになっている。
【0016】したがって、橋脚2は、一対のベース5,
5により、各履歴型ブレース6a〜6dを介して、橋軸
方向と橋軸に垂直な水平方向との両方向の揺れに対して
橋脚2を支持することが可能となっている。なお、各履
歴型ブレース6a〜6dの一方の端部は、各ベース5,
5上の各固定部5a,5aに対してピン結合されてお
り、他方の端部は前記各固定部材4,・・・に対してピン
結合されている。これにより、橋脚2が揺れることによ
り各履歴型ブレース6a〜6dの前記他方側が上下動し
た際にも、各履歴型ブレース6a〜6dに対して曲げモ
ーメントが加わることがないようにされているので、各
履歴型ブレース6a〜6dは、純粋にその軸線方向の圧
縮力又は引っ張り力を受けられるようになっている。
【0017】これら履歴型ブレース6a〜6dとして
は、例えば特開2000−81085に開示されている
履歴型ダンパー(引っ張りと圧縮の交番軸力を受ける長
尺部材であり、その中間部に中間材を配し、該中間材の
両端にそれぞれ他端が他部材に連結される構成を有して
いる)を好適に用いることができる。図3に、この種の
履歴型ブレースが有する復元力特性を示す。同図に示す
ように、繰返し軸力±N(Ny;降伏軸力)に対する軸
変形δの描く曲線は、原点0より始まって図形Na−>
Nb−>Nc−>Ndのような履歴曲線になり、この図
形面積が塑性エネルギ吸収容量を示し、地震が作用した
際に履歴型ダンパーとしての機能を発揮できるようにな
っている。
【0018】以上説明の構成を有する橋梁に対して地震
が作用した場合について説明する。橋梁に対して地震力
が作用して橋脚2が水平方向に振動しようとした場合、
この橋脚2をその周囲より支持する各履歴型ブレース6
a〜6dに対して引っ張りと圧縮の交番軸力が発生する
が、この交番軸力に呼応して履歴型ブレース6a〜6d
が作動するため、地震エネルギが吸収されて橋脚2の揺
れを減衰させることができる。
【0019】すなわち、例えば図2の視線において、橋
軸方向の紙面左側に向かう力が橋脚2に加わった場合、
橋脚2は紙面左側に向かって揺れようとするが、この揺
れが、履歴型ブレース6a,6bに圧縮を加えると同時
に履歴型ブレース6c,6dに引っ張りを加えることに
なる。逆に、橋軸方向の紙面右側に向かう力が橋脚2に
加わった場合には、履歴型ブレース6a,6bに引っ張
りを加えると同時に履歴型ブレース6c,6dに圧縮を
加えることになる。また、同図の視線において、橋軸に
垂直な水平方向の紙面上側に向かう力が橋脚2に加わっ
た場合、橋脚2は紙面上側に向かって揺れようとする
が、この揺れが、履歴型ブレース6b,6dに圧縮を加
えると同時に履歴型ブレース6a,6cに引っ張りを加
えることになる。逆に、紙面下側に向かう力が橋脚2に
加わった場合には、履歴型ブレース6b,6dに引っ張
りを加えると同時に履歴型ブレース6a,6cに圧縮を
加えることになる。このようにして、橋脚2の揺れ方向
に応じて、各履歴型ブレース6a〜6dに対する引っ張
りと圧縮の交番軸力が発生するが、この交番軸力を履歴
型ブレース6a〜6dが吸収して減衰させるものとなっ
ている。したがって、橋梁全体としての揺れを減衰させ
ることが可能となる。
【0020】しかも、その地震エネルギを受けるベース
5,5は、橋脚2の基礎構造3とは別に設けられている
ので、橋脚2の基礎構造3に対する負荷を増大させるこ
とがない。すなわち、基礎構造3は従来通り橋脚2の重
量のみを支えれば良いものとなっている。したがって、
橋脚2の基礎構造3を大幅に補強することなく高い耐震
強度を確保することが可能となる。
【0021】次に図4,図5を参照しながら本発明の第
2の実施の形態について以下に説明を行う。なお、図4
は、本実施の形態の橋梁の、橋脚部分の側面図である。
また、図5は、同橋脚部分を示す平面図であって、図4
のB−B矢視図である。本実施の形態においては、上記
第1の実施の形態と同一構成要素には同一符号を付し、
その説明を省略する。
【0022】本実施の形態では、橋脚2の周囲に、該橋
脚2の基礎構造3とは別に設けられた一対のベース1
0,10と、これらベース10,10より連結部材1
1,・・・を介して橋脚2を支持する一対のダンパ部材1
2a,12bとを備えている。各ベース10,10は、
図5に示す平面視した場合、橋脚2の幅方向に垂直かつ
中央位置を通る中心線CL上の、橋脚2を間に挟む両側
の均等位置にそれぞれ埋設されている。そして、各ベー
ス10,10とその対向する各固定部材4,・・・との間
の間隔寸法、すなわち各連結部材11,・・・の長さ寸法
は、互いに等しいものとなっている。各連結部材11,
・・・は、加わる地震力を各ダンパ部材12a,12bに
伝達するのに十分な強度の剛性を有する円柱形状の部材
である。
【0023】各ダンパ部材12a,12bは、各ベース
10,10上にそれぞれ鉛直方向に向かって立設された
曲げ降伏型ダンパであり(以下、ダンパ部材12a,1
2bを曲げ降伏型ダンパ12a,12bと称する)、水
平方向の所定の外力(地震力)が加わった場合に曲げ降
伏することで地震エネルギを吸収することができるよう
になっている。これら曲げ降伏型ダンパ12a,12b
は、その軸線に垂直をなす断面形状が円形をなしてお
り、水平面上の任意方向の外力に対しても同様に曲げ降
伏して地震エネルギを吸収できるようになっている。
【0024】そして、各曲げ降伏型ダンパ12a,12
bの各上端には、対向する固定部材4,・・・に向かって
一対の固定部材13,・・・が固定されている。そして、
これら固定部材13,・・・に各連結部材11,・・・の一端
がピン結合され、他端は各固定部材4,・・・にピン結合
されている。したがって、各曲げ降伏型ダンパ12a,
12bは、連結部材11,・・・を介して橋梁2をその幅
方向において均等に支持できるようになっている。
【0025】したがって、橋脚2は、一対の曲げ降伏型
ダンパ12a,12bにより、各連結部材11,・・・を
介して、橋軸方向と橋軸に垂直な水平方向との両方向の
揺れに対して橋脚2を支持することが可能となってい
る。また、各連結部材11,・・・の両端はそれぞれピン
結合で固定部材4,・・・及び固定部材13,・・・に連結し
ているので、橋脚2が揺れた際にも、各連結部材11,
・・・に対して曲げモーメントが加わることがないように
されているので、これら連結部材11,・・・及び固定部
材4,・・・及び固定部材13,・・・の破損が生じにくい構
成となっている。
【0026】以上説明の構成を有する橋梁に対して地震
が作用した場合について説明する。橋梁に対して地震力
が作用して橋脚2が水平方向に振動しようとした場合、
この橋脚2を両側より支持する各曲げ降伏型ダンパ12
a,12bに対して所定の水平力が加わると、この水平
力に呼応して各曲げ降伏型ダンパ12a,12bが曲げ
降伏して地震エネルギを吸収するので、橋脚2の揺れを
減衰させることができる。
【0027】すなわち、例えば図5の視線において、橋
軸方向の紙面左側に向かう力が橋脚2に加わった場合、
橋脚2は紙面左側に向かって揺れようとするが、この揺
れが、曲げ降伏型ダンパ12a,12bを紙面左側に曲
げ降伏させることになる。逆に、橋軸方向の紙面右側に
向かう力が橋脚2に加わった場合には、曲げ降伏型ダン
パ12a,12bを紙面右側に曲げ降伏させることにな
る。また、同図の視線において、橋軸に垂直な水平方向
の紙面上側に向かう力が橋脚2に加わった場合、橋脚2
は紙面上側に向かって揺れようとするが、この揺れが、
曲げ降伏型ダンパ12a,12bを紙面上側に曲げ降伏
させることになる。逆に、紙面下側に向かう力が橋脚2
に加わった場合には、曲げ降伏型ダンパ12a,12b
を紙面下側に曲げ降伏させることになる。このようにし
て、橋脚2の揺れ方向に応じて、各曲げ降伏ダンパ12
a,12bが曲げ降伏することによって地震エネルギを
吸収するので、橋脚2の揺れを減衰させるものとなって
いる。したがって、橋梁全体としての揺れを減衰させる
ことが可能となる。
【0028】しかも、その地震エネルギを受けるベース
10,10は、橋脚2の基礎構造3とは別に設けられて
いるので、橋脚2の基礎構造3に対する負荷を増大させ
ることがない。すなわち、基礎構造3は従来通り橋脚2
の重量のみを支えれば良いものとなっている。したがっ
て、橋脚2の基礎構造3を大幅に補強することなく高い
耐震強度を確保することが可能となる。
【0029】次に図6,図7を参照しながら本発明の第
3の実施の形態について以下に説明を行う。なお、図6
は、本実施の形態の橋梁の、橋脚部分の側面図である。
また、図7は、同橋脚部分を示す平面図であって、図6
のC−C矢視図である。本実施の形態においては、上記
第1の実施の形態と同一構成要素には同一符号を付し、
その説明を省略する。
【0030】本実施の形態では、橋脚2の周囲に、該橋
脚2の基礎構造3とは別に設けられた一対のベース2
0,20と、これらベース20,20上にそれぞれ立設
された一対の支持柱21a,21bと、これら支持柱2
1a,21bと橋脚2との間を接続するダンパ部材22
a,22b,22c,22dとを備えている。各ベース
20,20は、図7に示す平面視した場合、橋脚2の幅
方向に垂直かつ中央位置を通る中心線CL上の、橋脚2
を間に挟む両側の均等位置にそれぞれ埋設されている。
そして、各ベース20,20とその対向する各固定部材
4,・・・との間の間隔寸法、すなわち各ダンパ部材22
a〜22dの長さ寸法は、互いに等しいものとなってい
る。各支持柱21a,21bは、ベース20,20上に
垂直固設された円柱であり、水平方向の外力が加えられ
たとしても、曲げ降伏することのない十分な強度の剛性
を有している。
【0031】各ダンパ部材22a〜22dは、各支持柱
21a,21bの上端と橋脚2の上端との間を接続する
履歴型ブレースであり(以下、ダンパ部材22a〜22
dを履歴型ブレース22a〜22dと称する)、図7に
示す平面視した場合には、橋脚2の各側面を、各ベース
20,20を始点としてV字状に広がるように設けら
れ、橋梁2をその幅方向において均等に支持できるよう
になっている。これら履歴型ブレース22a〜22dに
ついては、上記第1の実施の形態で説明した履歴型ブレ
ース6a〜6dと同様のものであるので、説明を省略す
る。
【0032】したがって、橋脚2は、一対のベース2
0,20により、各履歴型ブレース22a〜22d及び
支持柱21a,21bを介して、橋軸方向と橋軸に垂直
な水平方向との両方向の揺れに対して橋脚2を支持する
ことが可能となっている。なお、各履歴型ブレース22
a〜22dの一方の端部は、各支持柱21a,21b上
の各固定部23,・・・に対してピン結合されており、他
方の端部は前記各固定部材4,・・・に対してピン結合さ
れている。これにより、橋脚2が揺れることにより各履
歴型ブレース22a〜22dの前記他方側が上下動した
際にも、各履歴型ブレース22a〜22dに対して曲げ
モーメントが加わることがないようにされているので、
各履歴型ブレース22a〜22dは、純粋にその軸線方
向の圧縮力又は引っ張り力を受けられるようになってい
る。
【0033】以上説明の構成を有する橋梁に対して地震
が作用した場合について説明する。橋梁に対して地震力
が作用して橋脚2が水平方向に振動しようとした場合、
この橋脚2をその周囲より支持する各履歴型ブレース2
2a〜22dに対して引っ張りと圧縮の交番軸力が発生
するが、この交番軸力に呼応して履歴型ブレース22a
〜22dが作動するため、地震エネルギが吸収されて橋
脚2の揺れを減衰させることができる。
【0034】すなわち、例えば図7の視線において、橋
軸方向の紙面左側に向かう力が橋脚2に加わった場合、
橋脚2は紙面左側に向かって揺れようとするが、この揺
れが、履歴型ブレース22a,22bに圧縮を加えると
同時に履歴型ブレース22c,22dに引っ張りを加え
ることになる。逆に、橋軸方向の紙面右側に向かう力が
橋脚2に加わった場合には、履歴型ブレース22a,2
2bに引っ張りを加えると同時に履歴型ブレース22
c,22dに圧縮を加えることになる。また、同図の視
線において、橋軸に垂直な水平方向の紙面上側に向かう
力が橋脚2に加わった場合、橋脚2は紙面上側に向かっ
て揺れようとするが、この揺れが、履歴型ブレース22
b,22dに圧縮を加えると同時に履歴型ブレース22
a,22cに引っ張りを加えることになる。逆に、紙面
下側に向かう力が橋脚2に加わった場合には、履歴型ブ
レース22b,22dに引っ張りを加えると同時に履歴
型ブレース22a,22cに圧縮を加えることになる。
このようにして、橋脚2の揺れ方向に応じて、各履歴型
ブレース22a〜22dに対する引っ張りと圧縮の交番
軸力が発生するが、この交番軸力を履歴型ブレース22
a〜22dが吸収して減衰させるものとなっている。し
たがって、橋梁全体としての揺れを減衰させることが可
能となる。
【0035】しかも、その地震エネルギを受けるベース
20,20は、橋脚2の基礎構造3とは別に設けられて
いるので、橋脚2の基礎構造3に対する負荷を増大させ
ることがない。すなわち、基礎構造3は従来通り橋脚2
の重量のみを支えれば良いものとなっている。したがっ
て、橋脚2の基礎構造3を大幅に補強することなく高い
耐震強度を確保することが可能となる。
【0036】次に図8,図9を参照しながら本発明の第
4の実施の形態について以下に説明を行う。なお、図8
は、本実施の形態の橋梁の、橋脚部分の側面図である。
また、図9は、同橋脚部分を示す平面図であって、図8
のD−D矢視図である。本実施の形態は、上記第1の実
施の形態の変形例に相当するので、上記第1の実施の形
態との相違点のみを説明し、その他は同様であるとして
説明を省略する。
【0037】本実施の形態は、橋桁1の真下に位置する
前記一対のベース5,5の代わりに、図9に示す平面視
した場合に橋桁1の真下位置より外れた4箇所にベース
30,・・・を配置し、これらベース30と橋脚2との間
を前記各履歴型ブレース6a〜6dで接続する構成とな
っている。各ベース30,・・・は、図9に示す平面視し
た場合、橋脚2の幅方向に垂直かつ中央位置を通る中心
線CLより等距離でかつ対向する各固定部材4,・・・か
らの距離寸法が互いに等しい4箇所にそれぞれ埋設され
ている。
【0038】したがって、橋脚2は、各ベース30,・・
・により、各履歴型ブレース6a〜6dを介して、橋軸
方向と橋軸に垂直な水平方向との両方向の揺れに対して
橋脚2を支持することが可能となっている。なお、各履
歴型ブレース6a〜6dの一方の端部は、各ベース3
0,・・・上の各固定部30a,・・・に対してピン結合され
ており、他方の端部は前記各固定部材4,・・・に対して
ピン結合されている。これにより、各履歴型ブレース6
a〜6dに対して曲げモーメントが加わることがないの
で、各履歴型ブレース6a〜6dが、純粋にその軸線方
向の圧縮力又は引っ張り力を受けられるようになってい
る。
【0039】以上説明の構成を有する橋梁に対して地震
が作用した場合も、上記第1の実施の形態と同様に、橋
脚2をその周囲より支持する各履歴型ブレース6a〜6
dに対して引っ張りと圧縮の交番軸力が発生するが、こ
の交番軸力に呼応して履歴型ブレース6a〜6dが作動
するため、地震エネルギが吸収されて橋脚2の揺れを減
衰させることができる。したがって、橋梁全体としての
揺れを減衰させることが可能となる。しかも、その地震
エネルギを受けるベース30,・・・は、橋脚2の基礎構
造3とは別に設けられているので、橋脚2の基礎構造3
に対する負荷を増大させることがなく、橋脚2の基礎構
造3を大幅に補強することなく高い耐震強度を確保する
ことが可能である点も、上記第1の実施の形態と同様で
ある。
【0040】さらに、本実施の形態によれば、ベース3
0,・・・を、平面視して橋桁1の真下位置から外れた位
置に配置させる構成を採用したことにより、例えば図8
に示すように比較的背丈の低い既設橋梁の橋脚2を補強
する場合に、橋桁1の高さに関係なくベース30,・・・
を埋設できるため、容易に耐震強度を補強することが可
能となる。すなわち、既設橋梁の補強すべく、その橋脚
2を周囲から履歴型ブレース6a〜6dで支持すること
を考えた場合、ある程度の鉛直方向長さを有するベース
30,・・・を新たな基礎として橋脚2の周囲に埋設する
必要があるが、橋脚2の上方には既に橋桁1が存在する
ため、このような長いベース30,・・・を橋桁1の真下
に埋設することが困難となる場合がある。しかしなが
ら、本実施の形態では、ベース30,・・・を、平面視し
て橋桁1の真下位置から外れた位置に配置するものとし
ているので、橋桁1の高さに関係なく容易にベース3
0,・・・を設置することが可能となっている。
【0041】次に図10,図11を参照しながら本発明
の第5の実施の形態について以下に説明を行う。なお、
図10は、本実施の形態の橋梁の、橋脚部分の側面図で
ある。また、図11は、同橋脚部分を示す平面図であっ
て、図10のE−E矢視図である。本実施の形態は、上
記第2の実施の形態の変形例に相当するので、上記第2
の実施の形態との相違点のみを説明し、その他は同様で
あるとして説明を省略する。
【0042】本実施の形態は、橋桁1の真下に位置する
前記一対のベース10,10の代わりに、図11に示す
平面視した場合に橋桁1の真下位置より外れた4箇所に
ベース40,・・・を配置し、これらベース40上に、前
記曲げ降伏型ダンパ12a,12bと同等の曲げ降伏型
ダンパ41a〜41dを立設し、さらにこれら曲げ降伏
型ダンパ41a〜41dの上端と橋脚2との間を前記各
連結部材11,・・・で接続した構成となっている。各ベ
ース40,・・・は、図11に示す平面視した場合、橋脚
2の幅方向に垂直かつ中央位置を通る中心線CLより等
距離でかつ対向する各固定部材4,・・・からの距離寸法
が互いに等しい4箇所にそれぞれ埋設されている。
【0043】したがって、橋脚2は、4本の曲げ降伏型
ダンパ41a〜41dにより、各連結部材11,・・・を
介して、橋軸方向と橋軸に垂直な水平方向との両方向の
揺れに対して橋脚2を支持することが可能となってい
る。また、各連結部材11,・・・の両端はそれぞれピン
結合で固定部材4,・・・及び固定部材13,・・・に連結し
ているので、橋脚2が揺れた際にも、各連結部材11,
・・・に対して曲げモーメントが加わることがないように
されており、これら連結部材11,・・・及び固定部材
4,・・・及び固定部材13,・・・の破損が生じにくい構成
となっている。
【0044】以上説明の構成を有する橋梁に対して地震
が作用した場合も、上記第2の実施の形態と同様に、橋
脚2を4点支持する各曲げ降伏型ダンパ41a〜41d
に対して所定の水平力が加わると、この水平力に呼応し
て各曲げ降伏型ダンパ41a〜41dが曲げ降伏するこ
とで地震エネルギを吸収するので、橋脚2の揺れを減衰
させることができる。しかも、その地震エネルギを受け
るベース40,・・・は、橋脚2の基礎構造3とは別に設
けられているので、橋脚2の基礎構造3に対する負荷を
増大させることがなく、橋脚2の基礎構造3を大幅に補
強することなく高い耐震強度を確保することが可能であ
る点も、上記第2の実施の形態と同様である。さらに、
本実施の形態によれば、ベース40,・・・を、平面視し
て橋桁1の真下位置から外れた位置に配置させる構成を
採用したことにより、例えば図10に示すように比較的
背丈の低い既設橋梁の橋脚2を補強する場合に、橋桁1
の高さに関係なくベース40,・・・を埋設できるため、
容易に耐震強度を補強することが可能となる。
【0045】次に図12,図13を参照しながら本発明
の第6の実施の形態について以下に説明を行う。なお、
図12は、本実施の形態の橋梁の、橋脚部分の側面図で
ある。また、図13は、同橋脚部分を示す平面図であっ
て、図12のF−F矢視図である。本実施の形態は、上
記第3の実施の形態の変形例に相当するので、上記第3
の実施の形態との相違点のみを説明し、その他は同様で
あるとして説明を省略する。
【0046】本実施の形態は、橋桁1の真下に位置する
前記一対のベース20,20の代わりに、図13に示す
平面視した場合に橋桁1の真下位置より外れた4箇所に
ベース50,・・・を配置し、これらベース50,・・・上
に、前記各支持柱21a,21bと同等の支持柱51,
・・・を立設し、さらにこれら支持柱51,・・・の上端と橋
脚2との間を前記各履歴型ブレース22a〜22dで接
続した構成となっている。各ベース50,・・・は、図1
3に示す平面視した場合、橋脚2の幅方向に垂直かつ中
央位置を通る中心線CLより等距離でかつ対向する各固
定部材4,・・・からの距離寸法が互いに等しい4箇所に
それぞれ埋設されている。
【0047】したがって、橋脚2は、4箇所のベース5
0,・・・により、各履歴型ブレース22a〜22d及び
支持柱51,・・・を介して、橋軸方向と橋軸に垂直な水
平方向との両方向の揺れに対して橋脚2を支持すること
が可能となっている。また、各履歴型ブレース22a〜
22dの両端は、それぞれピン結合で固定部材23,・・
・及び固定部材4,・・・に連結しているので、橋脚2が揺
れた際にも、各履歴型ブレース22a〜22dに対して
曲げモーメントが加わることがなく、各履歴型ブレース
22a〜22dが、純粋にその軸線方向の圧縮力又は引
っ張り力を受けられるようになっている。
【0048】以上説明の構成を有する橋梁に対して地震
が作用した場合も、上記第3の実施の形態と同様に、橋
脚2をその周囲より4点支持する各履歴型ブレース22
a〜22dに対して引っ張りと圧縮の交番軸力が発生す
るが、この交番軸力に呼応して履歴型ブレース22a〜
22dが作動するため、地震エネルギが吸収されて橋脚
2の揺れを減衰させることができる。しかも、その地震
エネルギを受けるベース50,・・・は、橋脚2の基礎構
造3とは別に設けられているので、橋脚2の基礎構造3
に対する負荷を増大させることがなく、橋脚2の基礎構
造3を大幅に補強することなく高い耐震強度を確保する
ことが可能である点も、上記第3の実施の形態と同様で
ある。さらに、本実施の形態によれば、ベース50,・・
・を、平面視して橋桁1の真下位置から外れた位置に配
置させる構成を採用したことにより、例えば図12に示
すように比較的背丈の低い既設橋梁の橋脚2を補強する
場合に、橋桁1の高さに関係なくベース50,・・・を埋
設できるため、容易に耐震強度を補強することが可能と
なる。
【0049】次に図14,図15を参照しながら本発明
の第7の実施の形態について以下に説明を行う。なお、
図14は、本実施の形態の橋梁の、橋脚部分の側面図で
ある。また、図15は、同橋脚部分を示す平面図であっ
て、図14のG−G矢視図である。本実施の形態におい
ては、上記第1の実施の形態と同一構成要素には同一符
号を付し、その説明を省略する。
【0050】本実施の形態では、橋脚2の周囲に、該橋
脚2の基礎構造3とは別に設けられた一対のベース6
0,60と、これらベース60,60上に一部が露出し
た状態に固設されたダンパ部材61a,61bと、これ
らダンパ部材61a,61bと橋脚2との間を連結する
連結部材62,・・・とを備えている。各ベース60,6
0は、図15に示す平面視した場合、橋脚2の幅方向に
垂直かつ中央位置を通る中心線CL上の、橋脚2を間に
挟む両側の均等位置にそれぞれ埋設されている。そし
て、各ベース60,60とその対向する各固定部材4,
・・・との間の間隔寸法、すなわち各連結部材62,・・・の
長さ寸法は、互いに等しいものとなっている。各連結部
材62,・・・は、加わる地震力を各ダンパ部材61a,
61bに伝達するのに十分な強度の剛性を有する円柱形
状の部材である。
【0051】各ダンパ部材61a,61bは、各ベース
60,60上にそれぞれ設けられた剪断降伏型ダンパで
あり(以下、ダンパ部材61a,61bを曲げ降伏型ダ
ンパ61a,61bと称する)、各連結部材62,・・・
を介して橋梁2を周囲より支持する構成となっている。
すなわち、これら剪断降伏型ダンパ61a,61bは、
水平方向の所定の外力(地震力)が加わった場合に剪断
降伏することで地震エネルギを吸収することができるよ
うになっている。これら剪断降伏型ダンパ61a,61
bは、その軸線に垂直をなす断面形状が円形をなしてお
り、水平面上の任意方向の外力に対しても同様に剪断降
伏して地震エネルギを吸収できるようになっている。し
たがって、橋脚2は、一対の剪断降伏型ダンパ61a,
61bにより、各連結部材62,・・・を介して、橋軸方
向と橋軸に垂直な水平方向との両方向の揺れに対して橋
脚2を支持することが可能となっている。
【0052】以上説明の構成を有する橋梁に対して地震
が作用した場合について説明する。橋梁に対して地震力
が作用して橋脚2が水平方向に振動しようとした場合、
この橋脚2を両側より支持する各剪断降伏型ダンパ61
a,61bに対して所定の水平力が加わると、この水平
力に呼応して各剪断降伏型ダンパ61a,61bが剪断
降伏して地震エネルギを吸収するので、橋脚2の揺れを
減衰させることができる。しかも、その地震エネルギを
受けるベース60,60は、橋脚2の基礎構造3とは別
に設けられているので、橋脚2の基礎構造3に対する負
荷を増大させることがない。すなわち、基礎構造3は従
来通り橋脚2の重量のみを支えれば良いものとなってい
る。したがって、橋脚2の基礎構造3を大幅に補強する
ことなく高い耐震強度を確保することが可能となる。な
お、本実施の形態では、各ベース60,60が橋桁1の
真下に位置する構成としたが、これに限らず、橋梁を平
面視した場合に、橋桁1の真下位置から外れた位置に各
ベースを配置する構成も、勿論採用可能である。
【0053】本発明は、新設の橋梁への適用に加えて、
各種既設の橋梁を改修してその耐震強度を補強する改修
方法としても採用することが可能である。すなわち、基
礎上に設けられた橋脚の耐震強度を補強する方法におい
て、前記橋脚を、その前記基礎の周囲に設けられたベー
スより、ダンパ部材を介して補強支持する方法である
(以上、図示略)。この補強方法(改修方法)によれ
ば、補強後の橋脚に対して地震力が作用し、この橋脚が
水平方向に振動しようとした場合、この振動が、橋脚を
周囲より支持するダンパ部材により吸収されるので、そ
の結果、地震エネルギが吸収されて橋脚の揺れを減衰さ
せることができる。したがって、橋脚の基礎を大幅に補
強することなく高い耐震強度を確保することが可能とな
る。
【0054】
【発明の効果】本発明の請求項1〜5の何れかに記載の
橋梁によれば、橋梁に対して地震力が作用してその橋脚
が水平方向に振動しようとした場合、この振動は、橋脚
を周囲より支持するダンパ部材により吸収されるので、
その結果、地震エネルギが吸収されて橋脚の揺れを減衰
させることができる。しかも、その地震エネルギを受け
るベースは、橋脚の基礎とは別に設けられているので、
橋脚の基礎地盤に対する負荷を増大させることがない。
したがって、橋脚の基礎を大幅に補強することなく高い
耐震強度を確保することが可能となる。
【0055】また、請求項6記載の橋梁によれば、前記
ベースを、平面視して橋桁の位置から外れた位置に配置
させる構成を採用したことにより、例えば既設橋梁の橋
脚を補強する場合に、橋桁の高さに関係なくベースを埋
設できるため、容易に耐震強度を補強することが可能と
なる。
【0056】本発明の請求項7記載の橋脚の耐震強度補
強方法によれば、このように補強された橋脚に対して地
震力が作用し、この橋脚が水平方向に振動しようとした
場合、この振動は、橋脚を周囲より支持するダンパ部材
により吸収されるので、その結果、地震エネルギが吸収
されて橋脚の揺れを減衰させることができる。しかも、
その地震エネルギを受けるベースは、橋脚の基礎とは別
に設けているので、橋脚の基礎地盤に対する負荷を増大
させることがない。したがって、橋脚の基礎を大幅に補
強することなく高い耐震強度を確保することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の橋梁の第1の実施の形態を示す図で
あって、その橋脚部分の側面図である。
【図2】 同橋脚部分を示す平面図であって、図1のA
−A矢視図である。
【図3】 同橋脚部分に用いられる履歴型ブレースの復
元力特性を示すグラフであり、横軸は履歴型ブレースの
軸方向変形量δ、縦軸は履歴型ブレースに加わる繰返し
軸力Nを示している。
【図4】 本発明の橋梁の第2の実施の形態を示す図で
あって、その橋脚部分の側面図である。
【図5】 同橋脚部分を示す平面図であって、図4のB
−B矢視図である。
【図6】 本発明の橋梁の第3の実施の形態を示す図で
あって、その橋脚部分の側面図である。
【図7】 同橋脚部分を示す平面図であって、図6のC
−C矢視図である。
【図8】 本発明の橋梁の第4の実施の形態を示す図で
あって、その橋脚部分の側面図である。
【図9】 同橋脚部分を示す平面図であって、図8のD
−D矢視図である。
【図10】 本発明の橋梁の第5の実施の形態を示す図
であって、その橋脚部分の側面図である。
【図11】 同橋脚部分を示す平面図であって、図10
のE−E矢視図である。
【図12】 本発明の橋梁の第6の実施の形態を示す図
であって、その橋脚部分の側面図である。
【図13】 同橋脚部分を示す平面図であって、図12
のF−F矢視図である。
【図14】 本発明の橋梁の第7の実施の形態を示す図
であって、その橋脚部分の側面図である。
【図15】 同橋脚部分を示す平面図であって、図14
のG−G矢視図である。
【符号の説明】
1・・・橋桁 2・・・橋脚 3・・・基礎構造(基礎) 5,10,20,30,40,50,60・・・ベース 6a〜6d・・・ダンパ部材,斜め上方に向けて橋脚を支
持する履歴型ブレース 11,62・・・連結部材 12a,12b,41a,41c・・・ダンパ部材,曲げ
降伏型ダンパ 21a,21b,51・・・支持柱 22a〜22d・・・ダンパ部材,橋脚とベース上に立設
された支持柱との間に設けられた履歴型ブレース 61a,61b・・・ダンパ部材,剪断降伏型ダンパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 明神 久也 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 中出 収 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 Fターム(参考) 2D059 AA03 GG05 GG13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎上に設けられた橋脚を有する橋梁
    であって、 前記橋脚の周囲には、前記基礎とは別に設けられたベー
    スと、該ベースより前記橋脚を支持するダンパ部材とが
    備えられていることを特徴とする橋梁。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の橋梁において、 前記ダンパ部材は、前記ベースから斜め上方に向けて前
    記橋脚を支持する履歴型ブレースであることを特徴とす
    る橋梁。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の橋梁において、 前記ダンパ部材は、前記ベース上に立設された曲げ降伏
    型ダンパであり、連結部材を介して前記橋梁を支持して
    いることを特徴とする橋梁。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の橋梁において、 前記ダンパ部材は、前記橋脚と、前記ベース上に立設さ
    れた支持柱との間に設けられた履歴型ブレースであるこ
    とを特徴とする橋梁。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の橋梁において、 前記ダンパ部材は、前記ベース上に設けられた剪断降伏
    型ダンパであり、連結部材を介して前記橋梁を支持して
    いることを特徴とする橋梁。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかに記載の橋梁に
    おいて、 前記ベースは、平面視した場合に、橋桁の位置から外れ
    て配置されていることを特徴とする橋梁。
  7. 【請求項7】 基礎上に設けられた橋脚の耐震強度を
    補強する方法であって、 前記橋脚を、その前記基礎の周囲に設けられたベースよ
    り、ダンパ部材を介して支持することを特徴とする橋脚
    の耐震強度補強方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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