JP2940396B2 - コーティングヘッド及び塗布装置 - Google Patents

コーティングヘッド及び塗布装置

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JP2940396B2 JP10764994A JP10764994A JP2940396B2 JP 2940396 B2 JP2940396 B2 JP 2940396B2 JP 10764994 A JP10764994 A JP 10764994A JP 10764994 A JP10764994 A JP 10764994A JP 2940396 B2 JP2940396 B2 JP 2940396B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、可撓性支持体の表面に
塗布膜を形成する押出し型塗布装置に関わり、特に磁気
記録媒体の製造に使用されるコーティングヘッド及び塗
布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塗布型の磁気記録媒体の塗布方法として
は、グラビアロール方式やリバースロール方式等のロー
ルコート方式が一般的であるが、近年、これらの塗布方
法よりも均一で、かつ薄膜塗布が可能なエクストルージ
ョンコート方式が実用化されている。
【0003】この種エクストルージョンコート方式は、
フロントリップ及びドクターリップからなるコーティン
グヘッドの先端のフロントリップ面及びドクターリップ
面に沿って可撓性支持体が走行(移動)し、上記両リッ
プが対向して形成するスリットから磁性塗料を押し出し
て上記ドクターリップ面で塗布膜表面を平滑にしながら
支持体上に塗布膜を形成するものである。
【0004】上記エクストルージョンコート方式は、実
用化が進むにつれて高BET値の酸化磁性粉やメタル粉
等を分散した高粘度磁性塗料の良好な塗布に対応するこ
とが望まれ、また生産効率を高めるために広幅塗布、更
に長時間連続塗布においてもスジ、ムラなどの故障のな
い良好な塗布状態を維持できることが強く望まれてい
る。
【0005】このような要望に応えるべく良好な塗布膜
を得るために、上記エクストルージョン型塗布装置にお
いては、例えば特開昭60-238179 号公報、特開平1-210
072号公報、特開平2-265672 号公報に記載されている
ように可撓性支持体と当接するダイヘッドの先端形状の
改良が進められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エクストル
ージョンコート方式における塗布故障としては、支持体
の走行方向に沿って黒く細いスジ状に見えるムラや、ド
クターエッジ部にベースクズや他の異物が滞留すること
によって発生する白く透けて見えるスジ、あるいは横段
ムラや塗布液のオーバーフロー等が知られている。特
に、高速塗布、長時間連続塗布の状況下においてはこれ
らは塗布不良の発生はより顕著となり、前述の従来技術
を用いてもこれらの塗布不良の発生を十分に防止してい
るとは言い難く、更なる改良が望まれているのが現状で
ある。
【0007】そこで、本発明の目的は、塗布厚ムラやス
ジなどの塗布故障が無く、かつ連続高速塗布の条件下に
おいても良好な塗布状態を長時間維持することが可能な
コーティングヘッド及び塗布装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、第1の発明は、可撓性支持体の
移動方向に対して上流側に位置し前記支持体と当接する
フロントリップ面を備えたフロントリップと、前記支持
体の移動方向に対して下流側に位置すると共に前記フロ
ントリップと所定隙間のスリットを介して相対向し、か
つ前記支持体と当接するドクターリップ面を備えたドク
ターリップと、前記スリットと連通してこのスリットよ
り移動する前記支持体面に塗布液を供給するポケットと
を有するコーティングヘッドにおいて、前記フロントリ
ップ面を中心点O1とする曲率半径をR1として支持体
側に突出する円弧面とし、この円弧面の上流側始点を
A、下流側終点をB、この終点Bをを通る仮想水平線を
X3とし、一方前記ドクターリップ面を中心点O2とす
る曲率半径をR2として支持体側に突出する円弧面と
し、この円弧面の上流側始点をC前記中心点O2を通る
仮想鉛直線Yとドクターリップ面との交点をD、前記始
点Cを通る仮想水平線をX1、前記交点を通る仮想水平
線をX2、前記仮想水平線X1と仮想水平線X2との間
隔をL、前記仮想水平線X3と仮想水平線X1との間隔
をHとした時、前記X2及びX3はX1より支持体側に
位置すると共に、0≦H≦L/2の範囲に前記フロント
リップ面の終点Bが位置し、かつこの終点Bにおいてフ
ロントリップ面に引いた接線S1が前記ドクターリップ
面側へは前記仮想水平線X3よりも下側に向き、前記S
1と前記X3とのなす角θ1を10°≦θ1≦25°と
したコーティングヘッドである。
【0009】また、第2の発明は、請求項1記載のコー
ティングヘッドの前記ドクターリップ面の円弧の終点を
E、この終点Eを通る前記ドクターリップ面の法線をZ
とした時、前記終点Eを含むドクターリップ背面と前記
法線Zとのなす角θ2を上流側に向って、0°≦θ2≦
10°としたコーティングヘッドである。
【0010】更に、第3の発明は、請求項2記載のコー
ティングヘッドを用いて前記ドクターリップの終点Eか
ら導き出される塗布後の前記支持体と前記背面とのなす
角θ3を80°≦θ3≦90°とした塗布装置を提供す
るものである。
【0011】
【作用】図3、図4に示すようにフロントリップ面4a
の終点Bの位置をドクターリップ面5aの始点Cからの
間隔Hが始点Cと頂点Dとの間隔Lの1/2以下となる
ように設定し、前記終点Bにおいてフロントリップ面に
引いた接線S1がドクターリップ側へは終点Bを通る仮
想水平線X3より下側に向かうように構成することによ
り、フロントリップ面がドクターリップ面より垂直方向
に突出しない高さ関係が設定される。これにより、スリ
ットから吐出された塗液はドクターリップ面との間でク
サビ状の塗料溜まりを形成し、ここで塗料液は支持体幅
全域にわたって付着し、次に滑らかな円弧面を形成して
いるドクターリップ面と走行する支持体との間で加速的
に剪断力を受けることによって塗布表面が平滑になる。
【0012】また、フロントリップ面の終点Bにおける
接線S1が終点Bを通る仮想水平線X3より下側に向か
うことにより、この終点Bには移動する支持体が接触す
ることがないため、終点Bにより支持体が削られてベー
スクズを発生することがなく、しかも白く抜けたように
見えるスジの発生を防止できる。そして、ドクターリッ
プ面の背面が終点Eを含む法線Zと同一面あるいはそれ
よりも上流側にθ2なる角度で食い込むように構成して
あるため、ドクターエッジ部が適度な鋭角となること
で、ドクターエッジEの支持体幅方向に対する直線性が
良好となり、ドクターエッジ部での塗料の離れ際の縁切
りがよくなり、黒くスジ状に見える塗布ムラの発生を防
止できる。
【0013】更に、上記構成に加えて塗布後の支持体と
法線Zとのなす角θ3を80°≦θ3≦90°なる関係
とすることにより、塗布面がドクターリップ面上の途中
で離れてしまうことが無いので、塗液に十分な剪断力が
働き塗布液表面を平滑にすることができる。またドクタ
ーエッジ部から導き出される支持体の屈折角度が適度に
設定されることにより、支持体とドクターリップ面との
間に異物を滞留させることがなく、このため白く透ける
スジの発生を防止できる。あるいは塗液を堰止めてオー
バーフローさせることや支持体のスティックリップ等の
発生も防止でき、塗布ムラを更に良好に押さえることが
できる。
【0014】
【実施例】以下に本発明に係わるコーティングヘッド及
び塗布装置の一実施例を図1乃至図4を参照して順次詳
細に説明する。図1は本発明に係わるコーティングヘッ
ド及び塗布装置を用いた塗布態様を示す斜視図、図2は
図1の主要部分を示す断面図である。
【0015】ベースブロック1には、可撓性支持体Wの
移動方向(矢印で示す)に対して上流側に位置するフロ
ントリップ4と下流側に位置するドクタータリップ5と
がスリット3を介して相対向して配置され、両者はボル
ト、ロウ付けあるいは接着剤等の固定方法によって固定
されており、両リップ間に形成されるスリット3はベー
スブロック1の塗布液ポケット2と連通して塗布液を可
撓性支持体W上に連続して吐出する。これらフロントリ
ップ4とドクターリップ5とによりコーティングヘッド
を構成するものである。なお、6はベースブロック1の
長手方向の両端部に配置されたサイドプレートであり、
一方のサイドプレートには塗布液ポケット2と連通する
塗布液供給管7が接続されている。
【0016】図3はコーティングヘッドの塗布態様を示
す要部断面図、図4は図3を更に詳細に説明した要部断
面図である。
【0017】フロントリップ4は支持体Wが接触する如
く走行するフロントリップ面4aと、前面4bおよび背
面4cとを有する一方、スリット3を介して配置される
ドクターリップ5も同様に支持体Wが接触する如く走行
するドクターリップ面5aと、前面5bおよび背面5c
とを有し、フロントリップ4の背面4cとドクターリッ
プ5の前面5bとは平行面で、両者は互いに垂直に起立
している。
【0018】そして、上記フロントリップ面4aおよび
ドクターリップ面5aは支持体W側に突出した円弧面と
され、フロントリップ面4aは中心点O1とする曲率半
径R1を有し、その上流側始点をA、下流側終点をBと
した時の中心点O1と始点Aと終点Bとを結ぶ線によっ
てなされる角α1は40°≦α1≦90°の範囲が好ま
しい。また、終点Bにおいてフロントリップ面4aに引
いた接線S1がドクターリップ5側方向へは終点Bを通
る仮想水平線X3よりも下方に向かっており、上記S1
とX3とのなす角θ1は、10°≦θ1≦25°とす
る。
【0019】一方、ドクターリップ面5aは中心点O2
とする曲率半径R2を有し、その上流側始点をC、下流
側終点(以下ドクターエッジと称することもある)をE
とし、かつその中心点O2を通る仮想垂直線Yとドクタ
ーリップ面5aとの交点(頂点)をDとした時、始点C
を通る仮想水平線をX1とし、交点Dを通る仮想水平線
をX2とし、X1とX2との間隔をLmm、上記X3とX
1との間隔Hmmとすると、X1とX3は、X1より支持
体W側に位置すると共に、0mm≦Hmm≦(L/2)mmの
範囲に上記フロントリップ面4aの終点Bは位置するこ
とが好ましい。さらに、終点Bはフロントリップ面4a
とドクターリップ面5aとの接線S4よりも支持体W側
へ突出することはない。
【0020】一方、上記ドクターリップ面5aの始点C
においてドクターリップ面5aに引いた接線S5と始点
Cを通る仮想水平線X1とのなす角α2は、35°≦α
2≦45°の角度をもってドクターリップ面5aの円弧
面が立ち上がって行くことが好ましい。また、ドクター
エッジEにおいてドクターリップ面5aに引いた法線Z
と仮想垂直線Yとのなす角α3が、0°≦α3≦30°
となる位置にドクターリップ面5aの終点Eが位置す
る。以上の構成からフロントリップ面4aとドクターリ
ップ面5aとの関係は、ドクターエッジEにおける接線
S2と上記接線S1とのなす角をβ1とし、フロントリ
ップ面4aの終点Bからドクターリップ面5aに引いた
接線S3と上記接線S1とのなす角をβ2とすると、β
2<β1<180°で表わすこともできる。
【0021】上記した様にドクターエッジEは極平滑な
表面に仕上げられたドクターリップ面5aと背面5cと
によって形成されており、背面5cはドクターエッジE
を通る法線Zと同一面かあるいはこれより上流側へ食い
込むように形成されている。この背面5cと法線Zとの
なす角θ2は、0°≦θ2≦10°なる関係とする。
【0022】ここで、塗布装置は上記ドクターエッジE
から出てくる塗布後の支持体Wの移動方向は、支持体W
と上記法線Zとのなす角θ3が、80°≦θ3≦90°
の範囲となるように設定してある。なお、本発明の実施
例におけるフロントリップ面4aの曲率半径R1は3mm
〜15mm,ドクターリップ面5aの曲率半径R2は2mm
〜10mmが好ましく、かつR1≧R2の関係にあること
が好ましい。
【0023】そして、本発明装置に使用する支持体とし
ては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート等のプラスチックフイルムおよび紙、ラミネー
トシート、金属シート等の可撓性支持体であり、特にそ
の材質を問うものではない。
【0024】[実施例]次ぎに、本発明を適用した具体
的な実施例について説明する。ダイヘッドとしては図4
に示すフロントリップ面4aの曲率半径R1およびドク
ターリップ面5aの曲率半径R2をそれぞれ3mmとし、
両リップ材料としては超合金を用い、スリット3の間隔
は0.2mmとした。また、基本的な塗布条件は以下に示
すものである。 支持体:幅307mm、厚さ15.0μmのポリエステル
テレフタレートフィルム 張力 :支持体全幅で12Kg 塗布速度:200m/min 塗布厚 :乾燥後0.5μm±0.1μm 塗布液 :<組成> コバルト被着γ−FeO3 (磁性粉) 100重量部 塩化ビニル・アクリル共重合体 15重量部 ポリウレタン樹脂 15重量部 粒状Al2 3 3重量部 カーボンブラック 5重量部 ミリスチン酸 1重量部 トルエン 100重量部 メチルエチルケトン 100重量部 メチルイソブチルケトン 100重量部 イソシアネート系硬化剤 15重量部 <粘度>1500cps(B型粘度計No.3)
【0025】<実施例1>先ず、図4におけるθ1の角
度を種々変更して塗布実験を行った結果を表1に示す。
ここで、フロントリップ面の終点Bの高さ方向の位置
は、ベースクズ等の不良が出やすいと思われる位置とし
てH=Lとなるように設定した。また、ドクターリップ
側のθ2を0°に、θ3を90°にそれぞれ設定した。
【0026】なお、評価としては、白く透けて見えるス
ジを「白スジ」、細く塗布厚が厚くなったようなスジを
「黒スジ」、剪断力不足から生じると思われる雨模様の
ように塗布膜表面に発生する微細なスジを「表面ス
ジ」、支持体の随伴空気によると考えられるウロコ模様
を「ウロコ模様」、円形状の微細な塗布抜けを「ピンホ
ール」、と区別して各項目について目視検査を行った結
果を表1に示す。
【0027】
【表1】 表1における判断記号は、×印は塗布事故多発、△印は
塗布事故ときどき発生○印は問題が無いがわずかに発
生、◎発生無し良好な状態をそれぞれ表わしている。表
1においてθ1が0°時「白スジ」が発生しやすいのは
比較的高い支持体張力で薄塗りした場合、終点Bと支持
体が接触してベースクズが発生することが原因と考えら
れる。また、θ1が0°、5°で「ウロコ模様」と「ピ
ンホール」が時々発生するのは、θ1の角度が浅いため
に図3に示す微小塗料溜まりFの量が少なすぎるために
支持体に随伴してくる空気を巻き込みやすい状態とな
り、この巻き込み空気によって塗布面が小波立って「ウ
ロコ模様」となったり、気泡の混入によって「ピンホー
ル」となったりすると思われる。更に、θ1の角度が3
0°以上で「黒スジ」が発生するのは、θ1の角度が深
くなり微小塗料溜まりFの量が多くなり過ぎ、微細な部
分で塗料の臨界面を意味するビードGがフロントリップ
側へオーバーフローぎみになったことが原因と考えられ
る。
【0028】以上より、θ1は10°≦θ1≦25°の
範囲が好ましいと言える。しかし、θ1が10°≦θ1
≦25°の範囲においても「表面スジ」が問題無い程度
ではあるが発生がみられる。これは塗布時の塗料剪断が
わずかに不足しているためと考えられ、この改善のため
にはドクターリップ面5aの円弧面長を十分に活用し、
更にスリット3から塗出された塗料がドクターリップ面
5a上を反重量方向に這い上がるように移動する必要が
あると考えられる。これにより、次にフロントリップ面
4aとドクターリップ面5aの高さ方向の位置関係につ
いて検討した。
【0029】<実施例2>前記した「表面スジ」のため
に実施例1の結果を踏まえて以下のようフロントリップ
面4aの終点Bの位置を表す間隔Hを間隔Lと関連付け
て変更した実験を行い、その結果を表2に示す。なお、
θ1=15°として他の条件は実施例1と同様とした。
また、評価は実施例1の塗布故障項目にフロントリップ
側への塗液のオーバーフローを意味する「液漏れ」を加
え判断記号は同様とした。
【0030】
【表2】 表2よりドクターリップ面の円弧面長と塗液の反重力作
用によって塗料に剪断力がかかり「表面スジ」が解消さ
れるのは間隔HがL/2以下になる位置に終点Bが設置
された時であるが、終点Bは仮想水平線X1より下に位
置すると「液漏れ」が発生する。これにより終点Bは間
隔Hが0≦H≦L/2となる範囲に位置する必要があ
り、更に好ましくはL/4≦H≦L/2の範囲が良い。
【0031】<実施例3>続いて同様に図4においてド
クターリップのθ2とθ3とについて種々の検討を行っ
た結果を以下に示す。ここで、フロントリップについて
はθ1=15°、H=(2/5)Lmmとし、他の条件は
実施例1に従った。 リップ1……θ2が法線Zの下流側(−側)に形成され
ている比較形状(図5) リップ2……本発明に基く、0°≦θ2≦10°, 80°≦θ3≦90°
【0032】
【表3】 表3において塗布故障の「塗液掻き落し」とは、ドクタ
ーエッジE部での支持体テンションが過大になり正常な
塗布膜厚よりも薄くなり余剰塗料が掻き落とされたよう
にして漏れる現象を言う。表3の比較例の結果より、ま
ず支持体WがドクターエッジEから離れた状態で走行し
た場合はθ2に無関係に塗布不良が発生しやすいと言え
る。
【0033】また、θ2が本実施例とは逆に法線Zの下
流側に位置した場合は、ドクターエッジ部が鈍角となり
ドクターエッジの支持体幅方向に対する直線性が悪くな
り、ここでの塗料の離れ際の縁切りが悪くなるため「黒
スジ」や「表面スジ」が発生しやすくなるものと考えら
れる。
【0034】
【表4】 表4より本発明の実施例の構成によるリップ形状と塗布
装置によれば良好な塗布状態が得られることが分かる。
従って、高速塗布及び長時間塗布に対しても高品質の媒
体を得ることが可能である。
【0035】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、第1の発
明は、フロントリップ面がドクターリップ面より垂直方
向に突出しない高さ関係に設定される。これにより、ス
リットから吐出された塗液はドクターリップ面との間で
クサビ状の塗料溜まりを形成し、ここで塗料液は支持体
幅全域にわたって付着し、次に滑らかな円弧面を形成し
ているドクターリップ面と走行する支持体との間で加速
的に剪断力を受けることによって塗布表面が平滑にな
る。
【0036】また、フロントリップ面の終点Bにおける
接線S1が終点Bを通る仮想水平線X3より下側に向か
うことにより、この終点Bには移動する支持体が接触す
ることがないため、終点Bより支持体が削られてベース
クズを発生することがなく、しかも白く抜けたように見
えるスジの発生を防止でき、ウロコ模様や円形状の微細
なピンホールのような塗布抜けを防止し得る。
【0037】また、第2の発明にあっては、ドクターエ
ッジ部の支持体幅方向に対する直線性が良くなり、黒く
スジ状に見える塗布ムラの発生を防止できる。
【0038】更に第3の発明にあっては、支持対との間
に異物を滞留させることがなく白く透けるスジの発生を
防止でき、あるいは塗液を堰止めてオーバーフローさせ
ることや支持対のスティックスリップ等の発生も防止で
き、塗布ムラ、塗布スジを更に良好に押さ得ることがで
きる。従って高速塗布、長時間連続塗布の状況下におい
ても、ベースクズによるスジ故障の発生、支持体表面の
随伴空気によるウロコ模様やピンホールの発生、塗液の
剪断不足に表面スジ、塗液の裏漏れ等の塗布故障を防止
できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布装置を用いた塗布態様を示す斜視
図である。
【図2】図1のコーティングヘッドの主要部分の断面図
である。
【図3】本発明によるコーティングヘッドの要部断面塗
布態様を示した図である。
【図4】図3を更に詳細に説明した要部断面図である。
【図5】本発明を説明するための比較例としたコーティ
ングヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1…ベースブロック、2…塗布液ポケット、3…スリッ
ト、4…フロントリップ4a…フロントリップ面、5…
ドクターリップ、5a…ドクターリップ面、A…フロン
トリップ面の始点、B…フロントリップ面の終点、C…
ドクターリップ面の始点、D…ドクターリップ面の頂
点、E…ドクターリップ面の終点、H…仮想水平線X3
と仮想水平線X1との間隔、L…仮想水平線X2と仮想
水平線X1との間隔、R1…フロントリップ面の曲率半
径、R2…ドクターリップ面の曲率半径、X1…始点C
を通る仮想水平線、X2…頂点Dを通る仮想水平線、X
3…終点Bを通る仮想水平線。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05C 5/00,5/02 B05D 1/26 G11B 5/842 G03F 7/16 501 G03C 1/74

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可撓性支持体の移動方向に対して上流側に
    位置し前記支持体と当接するフロントリップ面を備えた
    フロントリップと、前記支持体の移動方向に対して下流
    側に位置すると共に前記フロントリップと所定隙間のス
    リットを介して相対向し、かつ前記支持体と当接するド
    クターリップ面を備えたドクターリップと、前記スリッ
    トと連通してこのスリットより移動する前記支持体面に
    塗布液を供給するポケットとを有するコーティングヘッ
    ドにおいて、 前記フロントリップ面を中心点O1とする曲率半径をR
    1として支持体側に突出る円弧面とし、この円弧面の上
    流側始点をA、下流側終点をB、この終点Bをを通る仮
    想水平線をX3とし、 一方前記ドクターリップ面を中心点O2とする曲率半径
    をR2として支持体側に突出する円弧面とし、この円弧
    面の上流側始点をC、前記中心点O2を通る仮想鉛直線
    Yとドクターリップ面との交点をD、前記始点Cを通る
    仮想水平線をX1、前記交点を通る仮想水平線をX2、
    前記仮想水平線X1と仮想水平線X2との間隔をL、前
    記仮想水平線X3と仮想水平線X1との間隔をHとした
    時、前記X2及びX3はX1より支持体側に位置すると
    共に、 0≦H≦L/2 の範囲に前記フロントリップ面の終点Bが位置し、かつ
    前記終点Bにおいて前記フロントリップ面に引いた接線
    S1が前記ドクターリップ面側へは前記仮想水平線X3
    よりも下側に向き、前記S1と前記X3とのなす角θ1
    を 10°≦θ1≦25° としたことを特徴とするコーティングヘッド。
  2. 【請求項2】請求項1記載のコーティングヘッドの前記
    ドクターリップ面の円弧の終点をE、この終点Eを通る
    前記ドクターリップ面の法線をZとした時、前記終点E
    を含むドクターリップ背面と前記法線Zとのなす角θ2
    を上流側に向かって、 0°≦θ2≦10° としたことを特徴とするコーティングヘッド。
  3. 【請求項3】請求項2記載のコーティングヘッドを用い
    て前記ドクターリップの終点Eから導き出される塗布後
    の前記支持体と前記法線Zとのなす角θ3を 80°≦θ3≦90° としたことを特徴とする塗布装置。 【0001】
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