JP2939986B2 - 画像記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は画像記録装置に係り、特に着色粉体を熱転写
あるいは昇華させることにより支持体上に画像を形成さ
せる画像記録装置に関する。

〔従来の技術〕

従来から、所望の画像情報に基づいて、紙またはOHP
シート等の支持体上にモノクロあるいはカラーの画像を
形成するようにした画像記録装置が多く用いられてい
る。

このような画像記録装置には、種々の形式のものが存
在するが、例えば、熱転写方式や昇華型方式の画像記録
装置においては、ワックスや熱昇華性染料が均一に塗布
されたインクリボンを用い、このインクリボンを挟んで
上記支持体に対してサーマルヘッドを当接させるように
配置して構成されている。そして、上記サーマルヘッド
を所望の画像情報に基づいて選択的に加熱することによ
り、上記インクリボンの染料等を転写あるいは昇華さ
せ、上記支持体上に所望の画像を形成するようにしてい
る。

しかし、上記従来の画像記録装置においては、支持体
上に画像を形成する場合に、インクリボンを支持体に当
接させた状態で、上記サーマルヘッドを動作させること
により、上記インクリボンの染料等を転写、昇華させる
ようにしているので、モノクロの場合、上記インクリボ
ンの面積は、出力画像の面積に対してほぼ等しい面積が
必要であり、また、フルカラーの画像形成を行なう場
合、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの
基本的なカラーが必要であるため、インクリボンの面積
は、出力画像の面積に対して４倍の面積が必要となる。
このインクリボンは、何回もくり返して使用することが
できず、しかも、非常に高価であるため、画像を形成す
る場合のランニングコストが著く高くなってしまい、経
済的でないという問題を有している。

そのため、発明者らは、無端状の搬送体を循環して移
動自在に配設し、この搬送体の表面近傍に着色粉体を上
記搬送体の表面に静電的に均一に塗布する塗布装置を配
設し、上記搬送体の上記塗布装置より移動方向下流側に
上記着色粉体を加熱により上記支持体に転写させる転写
装置を配設し、上記転写装置の下流側に上記搬送体に付
着した残留着色粉体を除去するクリーニング装置を配設
してなる画像記録装置を開発した。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、上記のような画像記録装置においては、搬送
搬送体の表面に着色粉体を均一に塗布するようにしてい
るので、画像形成に必要のない部分まで、着色粉体を塗
布することになってしまうので、１回の塗布作業におけ
る着色粉体の消費量が多く、着色粉体が無駄になってし
まい、ランニングコストの増加を招いていた。

本発明は上記した点に鑑みてなされたもので、着色粉
体の消費量が少なくて済み、ランニングコストの低減を
図ることのできる画像記録装置を提供することを目的と
するものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため本発明に係る画像記録装置
は、転写装置を選択的に駆動させることにより紙または
OHPシート等の支持体上に着色粉体を転写あるいは昇華
させ、モノクロあるいはカラーの所望の画像を形成する
ようにした画像記録装置において、 無端状の搬送体を循環して移動自在に配設し、 この搬送体の表面近傍に配置され着色粉体を貯蔵した
貯蔵ケースと、搬送体の裏面近傍に配置され前記貯蔵ケ
ースの着色粉体を前記搬送体の表面に選択的に静電付着
させるための対向電極とを有し、前記所望の画像を含み
且つその印字幅よりも太い領域である概略画像を形成す
る塗布装置を配設し、 上記搬送体の上記塗布装置より移動方向下流側に、上
記概略画像の着色粉体を選択加熱して前記支持体上に前
記所望の画像のみ転写させる転写装置を配設し、 上記転写装置の下流側に上記搬送体に付着した残留着
色粉体をクリーニングするクリーニング装置を配設した
ことを特徴とする。

〔作用〕

本発明によれば、貯蔵ケース内に貯蔵されている着色
粉体を塗布装置により搬送体の表面に画像形成に必要な
部分に選択的に塗布し、この搬送体を上記転写装置部分
まで移動させた後、所定の画像信号に基づいて上記転写
装置を駆動し、搬送体に塗布された着色粉体を加熱する
ことにより支持体上に制御転写させて所望の画像を形成
し、さらに、着色粉体の転写後、搬送体はさらに移動さ
れ、この搬送体上に転写されずに残留した着色粉体をク
リーニング装置により搬送体から除去するものである。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を第１図乃至第６図を参照して
説明する。

第１図乃至第３図は本発明の一実施例を示したもの
で、無端状の搬送体１を４つのガイドローラ2,2,…２に
より逆台形状に配設し、上記搬送体１は、図示しない駆
動装置により上記ガイドローラ２を駆動することによ
り、図において時計方向に循環して移動自在とされてい
る。また、上記搬送体１の上方には、下方が開放され、
内部に着色粉体３が貯蔵された貯蔵ケース４が配設され
ており、この貯蔵ケース４の上記開放部分には、アース
されてスリーブローラ５が回転自在に配設されている。
上記着色粉体３は、従来から熱転写用材料として用いら
れている顔料とワックス等とを混合してなる固形インク
あるいは昇華型記録材料として用いられている昇華型染
料を粉体化してニグロシン等の電子供与性色素や４級ア
ンモニウム塩等の帯電制御材を添加することにより作成
されている。また、本実施例においては、上記貯蔵ケー
ス４は、第２図に示すように、上記着色粉体３のカラー
の種類、例えば、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラッ
クの各色に応じて複数並列して配設されており、これら
各貯蔵ケース４は、上記搬送体１に対応する位置に選択
的に移動自在とされている。

また、上記搬送体１の上部下面側には、塗布装置とし
ての対向電極６が上記貯蔵ケース４のスリーブローラ５
に対向するように配設されており、この対向電極６は、
第３図に示すように、平板状の支持板７の表面に、上記
搬送体１の移動方向に延びる複数の選択電極8,8…を、
それぞれ数100μｍ〜1mm程度のピッチで配列して構成さ
れている。この対向電極６の各選択電極８には、制御装
置９が接続されており、この制御装置９により、上記各
選択電極８に選択的に負電圧を印加することにより、上
記スリーブローラ５により正帯電された着色粉体３を搬
送体１の所望の位置に吸着することができるようになさ
れている。なお、着色粉体３を吸着する必要のない選択
電極８は、正電圧が印加されるか、または、接地され
る。

また、上記搬送体１の下部上面側には、上記搬送体１
の幅方向に延び上記制御装置９により駆動制御される転
写装置としてのサーマルヘッド10がその先端部が上記搬
送体１に当接するように配設されており、上記搬送体１
の下部下面側であって上記サーマルヘッド10に対応する
位置には、プラテンローラ１が回転自在に配設されてい
る。このプラテンローラ11と上記搬送体１の下面側との
間には、紙またはOHPシート等の帯状の支持体12が配置
されており、この支持体12は、上記プラテンローラ11に
より、上記搬送体１の下面に当接されながら上記搬送体
１の移動に同期して移動されるようになされている。

さらに、上記搬送体１のサーマルヘッド10より搬送方
向下流側には、上記搬送体１に残留した着色粉体３を除
去するクリーニング装置13が配設されており、このクリ
ーニング装置13の下方には、除去された着色粉体３を回
収する受け部材14が配設されている。このクリーニング
装置13には、例えば、静電ブラシや上記着色粉体３と逆
極性の電圧が印加される電極等が用いられており、搬送
体１上に残留した着色粉体３を、上記静電ブラシにより
掻き落としたり、上記電極により静電的に吸着させて除
去するようにしている。

次に、本実施例の作用について説明する。

まず、スリーブローラ５を回転駆動させることによ
り、貯蔵ケース４内に貯蔵されている着色粉体３は、ス
リーブローラ５との摩擦帯電により正帯電され、この正
帯電された着色粉体３は、スリーブローラ５に付着され
て上記貯蔵ケース４の外部に供給される。

次に、上記制御装置９により、所望のカラー画像デー
タに基づいて画像出力に必要な対向電極６の所望の選択
電極８に負電圧を印加すると、上記着色粉体３は、スリ
ーブローラ５から離れて対向電極６の選択電極８側に向
かって静電的に引込まれ、第３図に斜線で示すように、
搬送体１の上面に部分的に塗布される。このとき、上記
搬送体１を移動させながら、各選択電極８に負電圧を印
加するものであり、上記選択電極８の位置の選択により
搬送体１の幅方向の位置を、上記選択電極８の負電圧の
印加時間を制御することにより搬送体１の長さ方向の位
置をそれぞれ任意に設定することができる。そして、複
数色の画像形成を行なう場合は、上記搬送体１を移動さ
せるとともに、上記所望の色の貯蔵ケース４を上記搬送
体１の上方に移動させ、その色の画像データに基づいて
着色粉体３を選択的に上記搬送体１上に塗布する。この
動作をくり返すことにより、第４図に示すように、例え
ば、上記搬送体１にイエローおよびマゼンタの着色粉体
３、イエローおよびシアンの着色粉体３、ブラックの着
色粉体３を任意の位置に塗布することができるようにな
っている。なお、所望の最終画像において異なる色が交
差したり、接するような場合は、一且、第４図のような
色が交差しない概略画像を形成した後、サーマルヘツド
で選択加熱して最終画像の一部を形成し、残りの部分に
ついて再度概略画像を形成するとともにサーマルヘッド
で選択加熱するようにすれば、いかなる最終画像の形成
も可能となる。

その後、上記ガイドローラ２を駆動することにより、
搬送体１は、上記着色粉体３の塗布部分が上記サーマル
ヘッド10部分に位置するまで移動される。

ここで、所定の画像信号に基づいて上記サーマルヘッ
ド10を駆動し、搬送体１に静電的に塗布さた着色粉体３
を搬送体１の裏面側から加熱して、上記プラテンローラ
11に保持された支持体12上に制御転写させることによ
り、第５図に示すように、所望のカラー画像を形成する
ものである。すなわち、貯蔵ケース４及び対向電極６等
からなる塗布装置によって、搬送体１上には概略画像が
形成されるが、この概略画像は所望の最終画像を含みそ
の印字幅よりも太い領域に形成される。

さらに、着色粉体３の転写後、搬送体１はさらに移動
され、この搬送体１上に転写されずに残留した着色粉体
３は、上記クリーニング装置13により搬送体１から除去
される。この除去された着色粉体３は、上記受け部材14
に回収される。

そして、上記クリーニング装置13により着色粉体３が
除去された搬送体１は、スリーブローラ５の位置まで送
られ、上記動作をくり返すことにより、再び、画像形成
を行なうことができる。

したがって、本実施例においては、画像形成時に逐次
上記搬送体１上に所望のカラーの着色粉体３を付着さ
せ、この着色粉体３をサーマルヘッド10により支持体12
に転写させるものであり、上記着色粉体３を塗布するこ
とにより、上記搬送体１にインクリボンとしての機能を
持たせ、しかも、上記搬送体１は何回もくり返して使用
することができるので、高価なインクリボンを用いる必
要がなく、安価に画像形成を行なうことができ、経済性
の著しい向上を図ることができる。

また、上記搬送体１に着色粉体３を画像形成に必要な
部分のみに塗布するようにしたので、着色粉体３の消費
量を著しく低減させることができ、ランニングコストの
低減を図ることができる。

また、第６図は本発明の他の実施例を示したもので、
着色粉体３を選択的に塗布する手段として、上記貯蔵ケ
ースのスリーブローラ５と搬送体１との間に、開口電極
15を配設したものである。

本実施例においても、上記実施例と同様に、上記開口
電極15により上記搬送体１に着色粉体３を選択的に塗布
することができ、着色粉体３の消費量を低減させ、ラン
ニングコストを低減させることができる。

なお、本発明は上記実施例のものに限定されるもので
はなく、種々変更することが可能であり、例えば、着色
粉体３の帯電性を負極性にするようにしてもよい。

〔発明の効果〕

以上述べたように本発明に係る画像記録装置は、塗布
装置により、搬送体に着色粉体を画像形成に必要な部分
のみに塗布するようにしたので、着色粉体を均一に塗布
する場合に比べて着色粉体の消費量を著しく低減させる
ことができ、ランニングコストの低減を図ることができ
る等の効果を奏する。また、本発明においてはインクと
しては静電塗布と加熱付着という性質を持たせたものを
使用しているが、かかる２つの性質を持たせることは容
易であり、これにより確実なインク像が形成される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る画像記録装置の一実施例を示す概
略構成図、第２図は第１図の貯蔵ケース部分の平面図、
第３図は対向電極の一部を切欠いた斜視図、第４図は対
向電極により選択的に着色粉体を塗布した状態を示す説
明図、第５図は第４図の着色粉体により画像を形成した
状態を示す説明図、第６図は本発明の他の実施例を示す
一部の構成図である。 １……搬送体、２……ガイドローラ、３……着色粉体、
４……貯蔵ケース、５……スリーブローラ、６……対向
電極、８……選択電極、９……制御装置、10……サーマ
ルヘッド、11……プラテンローラ、12……支持体、13…
…クリーニング装置、15……開口電極。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B41J 29/00 B41J 27/00 B41M 5/26

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】転写装置を選択的に駆動させることにより
   紙またはOHPシート等の支持体上に着色粉体を転写ある
   いは昇華させ、モノクロあるいはカラーの所望の画像を
   形成するようにした画像記録装置において、 無端状の搬送体を循環して移動自在に配設し、 この搬送体の表面近傍に配置され着色粉体を貯蔵した貯
   蔵ケースと、搬送体の裏面近傍に配置され前記貯蔵ケー
   スの着色粉体を前記搬送体の表面に選択的に静電付着せ
   るための対向電極とを有し、前記所望の画像を含み且つ
   その印字幅よりも太い領域である概略画像を形成する塗
   布装置を配設し、 上記搬送体の上記塗布装置より移動方向下流側に、上記
   概略画像の着色粉体を選択加熱して前記支持体上に前記
   所望の画像のみ転写させる転写装置を配設し、 上記転写装置の下流側に上記搬送体に付着した残留着色
   粉体をクリーニングするクリーニング装置を配設したこ
   とを特徴とする画像記録装置。