JP2939829B2 - 艶消しアルミニウム箔の製造方法 - Google Patents
艶消しアルミニウム箔の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は艶消しアルミニウム箔の製造方法に関す
る。
る。
この明細書において、「アルミニウム」という語に
は、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むもの
とする。
は、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むもの
とする。
従来の技術 従来、２枚以上のアルミニウム箔間にマット油を供給
し、上下１対の圧延ロールにより２枚以上のアルミニウ
ム箔を重ね合わせ状態で圧延することによって、これら
のアルミニウム箔の互いに接触する面をそれぞれ艶消し
面とする艶消しアルミニウム箔の製造方法において、マ
ット油として、圧延ロールを冷却するために使用されて
いる40℃程度の鉱油からなる圧延油と同じものを用いて
行なっていた。
し、上下１対の圧延ロールにより２枚以上のアルミニウ
ム箔を重ね合わせ状態で圧延することによって、これら
のアルミニウム箔の互いに接触する面をそれぞれ艶消し
面とする艶消しアルミニウム箔の製造方法において、マ
ット油として、圧延ロールを冷却するために使用されて
いる40℃程度の鉱油からなる圧延油と同じものを用いて
行なっていた。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、従来の方法では、マット油の粘度が大
きいので、形成された艶消し面に、スクラッチ状の金属
光沢を有する多数の欠陥が存在するという問題があっ
た。また、この問題を解決するためには、圧延ロールの
表面粗さを小さくする必要があり、噛み込みが悪くなっ
て生産性が低下するという問題がある。また、上記欠陥
数を減少させるためには、圧延ロール表面の回転速度を
遅くする必要があり、やはり生産性が低下するという問
題がある。
きいので、形成された艶消し面に、スクラッチ状の金属
光沢を有する多数の欠陥が存在するという問題があっ
た。また、この問題を解決するためには、圧延ロールの
表面粗さを小さくする必要があり、噛み込みが悪くなっ
て生産性が低下するという問題がある。また、上記欠陥
数を減少させるためには、圧延ロール表面の回転速度を
遅くする必要があり、やはり生産性が低下するという問
題がある。
この発明の目的は、上記問題を解決した艶消しアルミ
ニウム箔の製造方法を提供することにある。
ニウム箔の製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段 この発明による艶消しアルミニウム箔の製造方法は、
２枚以上のアルミニウム箔間にマット油を供給し、上下
１対の圧延ロールにより２枚以上のアルミニウム箔を重
ね合わせ状態で圧延することによって、これらのアルミ
ニウム箔の互いに接触する面をそれぞれ艶消し面とする
艶消しアルミニウム箔の製造方法であって、マット油の
粘度を1.4〜0.9cstとし、さらに圧延ロールの表面粗さ
を中心線平均粗さ（Ra）で0.045〜0.055μｍとするとと
もに、圧延ロール表面の回転速度を500〜600m/minする
ことを特徴とするものである。
２枚以上のアルミニウム箔間にマット油を供給し、上下
１対の圧延ロールにより２枚以上のアルミニウム箔を重
ね合わせ状態で圧延することによって、これらのアルミ
ニウム箔の互いに接触する面をそれぞれ艶消し面とする
艶消しアルミニウム箔の製造方法であって、マット油の
粘度を1.4〜0.9cstとし、さらに圧延ロールの表面粗さ
を中心線平均粗さ（Ra）で0.045〜0.055μｍとするとと
もに、圧延ロール表面の回転速度を500〜600m/minする
ことを特徴とするものである。
上記において、マット油としては、たとえば鉱油に添
加剤が添加されたものが用いられるが、これに限られる
ものではない。マット油の粘度を1.40〜0.9cstに限定し
た理由は、1.40cstを越えると製造されたアルミニウム
箔の艶消し面に存在する欠陥の数が多くなり、0.9cst未
満の油は簡単に入手できず、実用的ではないからであ
る。また、マット油として鉱油に添加剤が添加されたも
のを用いる場合には、その温度は、60〜90℃の範囲内に
あることが好ましい。
加剤が添加されたものが用いられるが、これに限られる
ものではない。マット油の粘度を1.40〜0.9cstに限定し
た理由は、1.40cstを越えると製造されたアルミニウム
箔の艶消し面に存在する欠陥の数が多くなり、0.9cst未
満の油は簡単に入手できず、実用的ではないからであ
る。また、マット油として鉱油に添加剤が添加されたも
のを用いる場合には、その温度は、60〜90℃の範囲内に
あることが好ましい。
圧延ロールの表面粗さを中心線平均粗さ（Ra）で0.04
5〜0.055μｍに限定した理由は、0.045μｍ未満である
と噛み込みが悪くなって生産性が低下し、0.055μｍを
越えると製造されたアルミニウム箔の艶消し面に存在す
る欠陥の数が多くなるからである。
5〜0.055μｍに限定した理由は、0.045μｍ未満である
と噛み込みが悪くなって生産性が低下し、0.055μｍを
越えると製造されたアルミニウム箔の艶消し面に存在す
る欠陥の数が多くなるからである。
圧延ロールのロール表面の回転速度を500〜600m/min
に限定した理由は、500m/min未満であると生産性が低下
し、600m/minを越えると製造されたアルミニウム箔の艶
消し面に存在する欠陥の数が多くなるからである。
に限定した理由は、500m/min未満であると生産性が低下
し、600m/minを越えると製造されたアルミニウム箔の艶
消し面に存在する欠陥の数が多くなるからである。
作用 マット油の粘度を1.4〜0.9cstとすると、製造された
アルミニウム箔の艶消し面に存在する欠陥の数を少なく
することができる。しかも、圧延ロールの表面粗さを小
さくしたり、圧延ロールのロール表面の回転速度を小さ
くしたりする必要がない。
アルミニウム箔の艶消し面に存在する欠陥の数を少なく
することができる。しかも、圧延ロールの表面粗さを小
さくしたり、圧延ロールのロール表面の回転速度を小さ
くしたりする必要がない。
圧延ロールの表面粗さを中心線平均粗さ（Ra）で0.04
5〜0.055μｍとし、圧延ロール表面の回転速度を500〜6
00m/minとすると生産性を低下させることなく、上記欠
陥数を減少できる。
5〜0.055μｍとし、圧延ロール表面の回転速度を500〜6
00m/minとすると生産性を低下させることなく、上記欠
陥数を減少できる。
実施例 以下、この発明の実施例について、図面を参照して説
明する。この実施例は、この発明の方法を、片面艶消し
アルミニウム箔の製造に適用したものである。以下の説
明において、図面に矢印Ａで示す方向を前といい、これ
と反対側を後というものとする。
明する。この実施例は、この発明の方法を、片面艶消し
アルミニウム箔の製造に適用したものである。以下の説
明において、図面に矢印Ａで示す方向を前といい、これ
と反対側を後というものとする。
図面において、後方から、それぞれ巻取られたアルミ
ニウム箔（１）（２）を巻戻す第１および第２の２つの
巻戻しロール（３）（４）、上下１対の圧延ロール
（５）（６）およびバックアップロール（７）（８）よ
りなりかつ重ね合された２枚のアルミニウム箔（１）
（２）を圧延する圧延機（９）、ならびに圧延された２
枚のアルミニウム箔（１）（２）を重ね合わせ状態で巻
取る巻取ロール（10）が配置されている。前方に配置さ
れた第２巻戻しロール（４）の下方には、巻取られてい
るアルミニウム箔（２）に、粘度1.4〜0.9cstのマット
油（０）を噴射するマット油噴射機（11）が配置されて
いる。両圧延ロール（５）（６）の表面粗さは、それぞ
れ中心線平均粗さ（Ra）で0.045〜0.055μｍとされてい
る。
ニウム箔（１）（２）を巻戻す第１および第２の２つの
巻戻しロール（３）（４）、上下１対の圧延ロール
（５）（６）およびバックアップロール（７）（８）よ
りなりかつ重ね合された２枚のアルミニウム箔（１）
（２）を圧延する圧延機（９）、ならびに圧延された２
枚のアルミニウム箔（１）（２）を重ね合わせ状態で巻
取る巻取ロール（10）が配置されている。前方に配置さ
れた第２巻戻しロール（４）の下方には、巻取られてい
るアルミニウム箔（２）に、粘度1.4〜0.9cstのマット
油（０）を噴射するマット油噴射機（11）が配置されて
いる。両圧延ロール（５）（６）の表面粗さは、それぞ
れ中心線平均粗さ（Ra）で0.045〜0.055μｍとされてい
る。
このような構成において、２つの巻戻しロール（３）
（４）からアルミニウム箔（１）（２）を巻戻し、第２
巻戻しロール（４）から巻戻されるアルミニウム箔
（２）における他のアルミニウム箔（１）が重ね合され
る面に、マット油噴射機（11）によりマット油（０）を
吹付けながら、圧延ロール（５）（６）表面の回転速度
を500〜600m/minとして圧延を行なう。重ね合わせ状態
で圧延された２枚のアルミニウム箔（１）（２）は巻取
ロール（10）に巻取られる。こうして、片面艶消しアル
ミニウム箔が製造される。
（４）からアルミニウム箔（１）（２）を巻戻し、第２
巻戻しロール（４）から巻戻されるアルミニウム箔
（２）における他のアルミニウム箔（１）が重ね合され
る面に、マット油噴射機（11）によりマット油（０）を
吹付けながら、圧延ロール（５）（６）表面の回転速度
を500〜600m/minとして圧延を行なう。重ね合わせ状態
で圧延された２枚のアルミニウム箔（１）（２）は巻取
ロール（10）に巻取られる。こうして、片面艶消しアル
ミニウム箔が製造される。
次に、この発明のさらに具体的な実施例について、比
較例とともに説明する。
較例とともに説明する。
実施例１〜５および比較例１〜５ マット油の種類、粘度および温度、圧延ロールの表面
粗さ、ならびに圧延ロール表面の回転速度を、下表に示
すように設定し、図面に示すようにして片面艶消しアル
ミニウム箔を製造した。そして、製造された片面艶消し
アルミニウム箔の艶消し面の欠陥数を測定した。その結
果も下表に示す。
粗さ、ならびに圧延ロール表面の回転速度を、下表に示
すように設定し、図面に示すようにして片面艶消しアル
ミニウム箔を製造した。そして、製造された片面艶消し
アルミニウム箔の艶消し面の欠陥数を測定した。その結
果も下表に示す。
上表から、実施例で製造された片面艶消しアルミニウ
ム箔は、比較例で製造されたものに比べて、艶消し面に
存在する欠陥数が減少していることがわかる。また、両
者の欠陥数を同程度とする場合、実施例では、圧延ロー
ルの表面粗さ、および圧延ロール表面の回転速度が大き
いことがわかる。
ム箔は、比較例で製造されたものに比べて、艶消し面に
存在する欠陥数が減少していることがわかる。また、両
者の欠陥数を同程度とする場合、実施例では、圧延ロー
ルの表面粗さ、および圧延ロール表面の回転速度が大き
いことがわかる。
上記実施例は、この発明の方法を片面艶消しアルミニ
ウム箔の製造に適用しているが、これに限るものではな
く、この発明の方法は、３枚以上のアルミニウム箔間に
マット油を供給し、上下１対の圧延ロールにより３枚以
上のアルミニウム箔を重ね合わせ状態で圧延することに
よって、これらのアルミニウム箔の互いに接触する面を
それぞれ艶消し面とする艶消しアルミニウム箔の製造に
も適用可能である。
ウム箔の製造に適用しているが、これに限るものではな
く、この発明の方法は、３枚以上のアルミニウム箔間に
マット油を供給し、上下１対の圧延ロールにより３枚以
上のアルミニウム箔を重ね合わせ状態で圧延することに
よって、これらのアルミニウム箔の互いに接触する面を
それぞれ艶消し面とする艶消しアルミニウム箔の製造に
も適用可能である。
発明の効果 この発明の艶消しアルミニウム箔の製造方法によれ
ば、上述のように、製造された箔の艶消し面に存在する
欠陥の数が激減する。しかも、生産性が低下するのを防
止できる。
ば、上述のように、製造された箔の艶消し面に存在する
欠陥の数が激減する。しかも、生産性が低下するのを防
止できる。
図面はこの発明の方法を説明する斜視図である。 （１）（２）…アルミニウム箔、（５）（６）…圧延ロ
ール、（０）…マット油。
ール、（０）…マット油。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 武司 大阪府堺市海山町６丁224番地 昭和ア ルミニウム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−197202（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−134105（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−17106（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B21B 1/00
Claims (1)
- 【請求項１】２枚以上のアルミニウム箔間にマット油を
供給し、上下１対の圧延ロールにより２枚以上のアルミ
ニウム箔を重ね合わせ状態で圧延することによって、こ
れらのアルミニウム箔の互いに接触する面をそれぞれ艶
消し面とする艶消しアルミニウム箔の製造方法であっ
て、マット油の粘度を1.4〜0.9cstとし、さらに圧延ロ
ールの表面粗さを中心線平均粗さ（Ra）で0.045〜0.055
μｍとするとともに、圧延ロール表面の回転速度を500
〜600m/minとすることを特徴とするアルミニウム箔の製
造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2340634A JP2939829B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 艶消しアルミニウム箔の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2340634A JP2939829B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 艶消しアルミニウム箔の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04210803A JPH04210803A (ja) | 1992-07-31 |
| JP2939829B2 true JP2939829B2 (ja) | 1999-08-25 |
Family
ID=18338853
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2340634A Expired - Lifetime JP2939829B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 艶消しアルミニウム箔の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2939829B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| ATE280001T1 (de) * | 2001-02-22 | 2004-11-15 | Alcan Int Ltd | Verfahren zum walzen von aluminiumfolie |
| CN102989766A (zh) * | 2012-12-25 | 2013-03-27 | 东北大学 | 一种金属极薄带的轧制方法 |
| ES2640368T3 (es) | 2013-03-15 | 2017-11-02 | Novelis, Inc. | Superficies laminadas que tienen un acabado de brillo mate |
| CN105880286A (zh) * | 2014-12-31 | 2016-08-24 | 杨长国 | 一种同轴电缆箔的制造方法 |
| CN111360073B (zh) * | 2020-02-13 | 2021-08-03 | 中南大学 | 一种提高压延铜箔表面粗糙度的方法 |
| CN111957744A (zh) * | 2020-07-27 | 2020-11-20 | 上海神火铝箔有限公司 | 一种超宽超薄铝箔的轧制方法 |
| CN113369305A (zh) * | 2021-05-28 | 2021-09-10 | 内蒙古联晟新能源材料有限公司 | 一种防止空调箔成品表面出现震痕缺陷的方法 |
-
1990
- 1990-11-30 JP JP2340634A patent/JP2939829B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04210803A (ja) | 1992-07-31 |
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