JP2939397B2 - 感光性平版印刷版の製造方法 - Google Patents

感光性平版印刷版の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感光性平版印刷版の製造
方法に関する。更に詳しく述べれば、特定の塗布溶剤を
用いて塗布した感光性平版印刷版の感光層表面上に、特
定のマット層を形成することにより、室温以上の温度で
合紙をはさまずに版を積み重ね、圧力のかかった状態で
長時間経過した後でも、版と版とが張り付くことのない
感光性平版印刷版の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】予め感光性を与えられた感光性平版印刷版
の感光性物質として使用されているものの大多数はジア
ゾニウム化合物であり、その中でも最も常用されている
ものにp−ジアゾジフェニルアミンのホルムアルデヒド
縮合物に代表されるジアゾ樹脂がある。ジアゾ樹脂を用
いた感光性平版印刷版の感光層の組成物は、例えば米国
特許第2,714,066号明細書に記載されているように
ジアゾ樹脂単独のもの、つまり結合剤を使用しないもの
と、例えば特開昭50−30604号公報に記載されて
いるように結合剤とジアゾ樹脂とが混合されているもの
に分類することができる。特に近年ジアゾニウム化合物
を用いた感光性平版印刷版の多くのものは高耐刷性を持
たせるために結合剤とジアゾ樹脂とよりなる感光層を有
している。
【0003】このような感光層としては特開昭50−3
0604号公報に記載しているように、未露光部が水性
アルカリ現像液によって除去(現像)されるいわゆるア
ルカリ現像型と、有機溶剤系現像液によって除去される
いわゆる溶剤現像型とが知られている。近年労働安全衛
生上、アルカリ現像型が注目されており、これは主に結
合剤の性質によって決まる。結合剤にアルカリ現像性を
持たせる方法としては前記特開昭50−30604号公
報に記載されているようにカルボン酸含有のモノマーを
共重合させる方法、米国特許第2,861,058号明細書
に記載されているようにポリビニルアルコールのヒドロ
キシル基と無水フタル酸のような環状酸無水物を反応さ
せることにより結合剤中にカルボン酸を導入する方法等
がある。
【0004】これらのジアゾ樹脂と結合剤とを含有する
感光性組成物を塗布用の有機溶剤に溶解し、親水性表面
を有する支持体に塗布し、乾燥して、感光性平版印刷版
が作成される。上記有機溶媒としては、従来エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、及びそのアセテートなどのエチレン系
グリコールエーテル類が用いられてきた。これはエチレ
ン系グリコールエーテル類が溶剤として優れているため
であるが、更に有機溶媒が単なる溶剤または分散剤とし
てだけではなく、感度、現像性といった感光層自身の印
刷性能に好ましい影響を与える点でもこれらエチレン系
グリコールエーテル類が優れているためである。また適
度な乾燥性をもつこれらエチレン系グリコールエーテル
類は工業的生産において乾燥設備の経済性の点でも優れ
ていた。
【0005】しかし、最近これらエチレン系グリコール
エーテル類の人体に対する毒性の問題が懸念され、取扱
い及び作業を慎重に行う必要があり、作業性及び安全衛
生上の観点から改善が望まれている。一方、近年フィル
ム原版を通して露光する際に、フィルム原版と感光性平
版印刷版間の空隙によるボケを生じないように感光層表
面にマット層が設けられている。マット層を設ける方法
として、水溶性樹脂のマット剤をエアースプレー法等に
より塗布し、乾燥する方法、固体粉末を付着させる方法
などがある。水溶性樹脂として特開昭57−34558
号公報記載のカルボキシル基含有の水溶性樹脂、特開昭
57−58152号公報記載のアンモニウム塩となって
いるアクリル酸などの水溶性樹脂があるが、このような
樹脂を用いると感光層中のジアゾニウム塩が経時的に分
解し、感光層が現像されにくくなる。また、特開昭58
−182636号公報記載のスルホン酸基含有の水溶性
樹脂を用いると印刷性能は問題ないが、エチレン系グリ
コールエーテル類を用いて塗布した感光層上に、ホモポ
リマーのガラス転移点温度が60℃以上のモノマーから
なる共重合成分が60モル%以下の共重合体のマット層
を設けると、室温以上の温度で合紙をはさまずに版を積
み重ね、圧力のかかった状態で長時間置かれると、感光
層と、これに接しているその上に積み重ねられたプレー
トの裏面とが張り付いてしまい、自動製版機による搬送
ができなくなり、作業性を著しくそこなうなど問題とな
っていた。
【0006】一方、固体粉末を固着させる方法として、
特開昭55−12974号公報等があるが、この方法に
おいても上述の版と版との張り付きの問題を起こすなど
問題となっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、労働安全衛
生上好ましくないエチレン系グリコールエーテル類を用
いることなく、感光性平版印刷版を製造でき、かつ室温
以上の温度で合紙をはさまずに版を積み重ね、圧力のか
かった状態で長時間経過した後でも、版と版とが張り付
くことのない感光性平版印刷版を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するため種々研究を重ねた結果、ジアゾ樹脂と結合剤
とを含有する感光性組成物を1−メトキシ−2−プロパ
ノールを含有する塗布溶剤に溶解し、親水性表面を有す
る支持体に塗布し、乾燥して感光層を設けた後、その表
面上に(a)スルホン酸基を有するモノマーの少なくと
も1種と、(b)アルキル残基の炭素原子数が1〜10
のアルキルアクリレート類及びアルキル残基の炭素原子
数が4〜10のアルキルメタクリレート類からなる群よ
り選ばれた少なくとも1つのモノマーと、(c)モノマ
ー(a)及びモノマー(b)と共重合可能でかつそのホ
モポリマーのガラス転移温度が60℃以上である少なく
とも1つのモノマーとからなる共重合体であって、共重
合比がモノマー(a)5〜25モル%、モノマー(b)
5〜25モル%及びモノマー(c)65〜90モル%で
ある共重合体よりなる、相互に独立した突起物を固着さ
せることにより、上記目的を達成する感光性平版印刷版
が製造できることを見い出した。
【0009】以下、本発明について詳述する。本発明に
使用されるジアゾ樹脂は、芳香族ジアゾニウム塩と活性
カルボニル基含有化合物、例えばホルムアルデヒドとの
縮合物で代表されるジアゾ樹脂である。上記ジアゾ樹脂
としては、例えば、p−ジアゾジフェニルアミン類とホ
ルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類
との縮合物と、ヘキサフルオロリン酸塩又はテトラフル
オロ硼酸塩との反応生成物である、有機溶媒可溶性ジア
ゾ樹脂無機塩や、特公昭47−1167号公報に記載さ
れているような前記縮合物とのスルホン酸塩類、例えば
p−トルエンスルホン酸又はその塩、プロピルナフタレ
ンスルホン酸又はその塩、ブチルナフタレンスルホン酸
又はその塩、ドデシルベンゼンスルホン酸又はその塩、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−ス
ルホン酸又はその塩との反応生成物である有機溶媒可溶
性ジアゾ樹脂有機塩が挙げられる。
【0010】特に、特開昭59−78340号公報記載
の6量体以上を20モル%以上含んでいる高分子量ジア
ゾ化合物が好ましい。また、特開昭58−27141号
公報に示されているような3−メトキシ−4−ジアゾ−
ジフェニルアミンを4,4′−ビス−メトキシ−メチル−
ジフェニルエーテルで縮合させメシチレンスルホン酸塩
としたものなども適当である。さらに、カルボキシル
基、スルホン酸基、スルフィン酸基、リンの酸素酸基及
びヒドロキシル基のうち少なくとも一つの有機基を有す
る芳香族化合物と、ジアゾニウム化合物、好ましくは芳
香族ジアゾニウム化合物とを構造単位として含む共縮合
体も好ましい。
【0011】本発明に用いられる結合剤としては、酸含
量が0.1〜3.0meq/g (結合剤1g当りの酸成分のミリ
当量)、好ましくは0.2〜2.0meq/g であり、実質的に
水不溶性(すなわち、中性または酸性水溶液に不溶性)
で、皮膜形成性を有する有機高分子化合物が好ましい
が、アルカリ水溶液系現像液に溶解又は膨潤することが
できかつ前記の感光性ジアゾ樹脂の共存下で光硬化して
上記現像液に不溶化又は非膨潤化するものが特に好まし
い。尚、酸含量が0.1meq/g 未満では現像が困難であ
り、3.0meq/g を越えると現像時の画像強度が著しく弱
くなる。
【0012】特に好適な結合剤としてはアクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸又はマレイン酸を必須成分とし
て含む共重合体、例えば特開昭50−118802号公
報に記載されているような2−ヒドロキシエチルアクリ
レート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アク
リロニトリル又はメタクリロニトリル、アクリル酸又は
メタクリル酸、及び必要に応じて他の共重合可能なモノ
マーとの多元共重合体、特開昭53−120903号公
報に記載されている様な末端がヒドロキシ基であり、か
つジカルボン酸エステル残基を含む基でエステル化され
たアクリル酸又はメタクリル酸、アクリル酸、又はメタ
クリル酸、及び必要に応じて他の共重合可能なモノマー
との多元共重合体、特開昭54−98614号公報に記
載されているような芳香族性水酸基を末端に有する単量
体(例えば、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリ
ルアミドなど)、
【0013】アクリル酸又はメタクリル酸、及び必要に
応じて他の共重合可能なモノマーとの多元共重合体、特
開昭56−4144号公報に記載されているようなアル
キルアクリレート、アクリロニトリル又はメタクリロニ
トリル、及び不飽和カルボン酸よりなる多元共重合体を
挙げることが出来る。また、この他、酸性ポリビニルア
ルコール誘導体や酸性セルロース誘導体も有用である。
また、ポリビニルアセタールやポリウレタンをアルカリ
可溶化した特公昭54−19773号、特開昭57−9
4747号、同60−182437号、同62−582
42号、同62−123453号記載の結合剤も有用で
ある。
【0014】感光性平版印刷版の感光層におけるこれら
のジアゾ樹脂と結合剤の含有量は、これら両者の総量を
基準にしてジアゾ樹脂3〜30重量%、結合剤は97−
70重量%が適当である。ジアゾ樹脂の含有量は少ない
方が感度は高いが、3重量%より低下すると、結合剤を
光硬化させるためには不十分となり、現像時に光硬化膜
が現像液によって膨潤し、膜が弱くなる。逆にジアゾ樹
脂の含有量が30重量%より多くなると、感度が低くな
り、実用上難点が出てくる。従って、好ましい範囲はジ
アゾ樹脂5〜25重量%で、結合剤95〜75重量%で
ある。
【0015】本発明の感光性組成物を溶解する塗布溶剤
には、1−メトキシ−2−プロパノールが含まれる。こ
の1−メトキシ−2−プロパノールを用いることによ
り、エチレン系グリコールエーテル類を用いた場合と同
様の感光性組成物の溶解性が得られ、かつ、同様の印刷
性能が得られる。1−メトキシ−2−プロパノールの量
は、乾燥条件及び結合剤の種類、さらに他の溶剤の種類
及び量により異なるが、好ましくは10〜100重量
%、より好ましくは15〜80重量%、特に好ましくは
20〜60重量%の範囲である。1−メトキシ−2−プ
ロパノールの含有量が10重量%より少ない場合は、充
分な溶解性、適度の乾燥性が得られない。
【0016】本発明における塗布溶剤は他の種々の溶剤
を含むことができる。具体例としては、1−メトキシ−
2−プロパノールよりも低沸点の溶剤である、1,2−
ジクロルエタン、1,1−ジクロルエタン、1,1,1
−トリクロルエタン、cis −1,2−ジクロルエタン、
1,2−ジクロルプロパン、塩化ブチル、クロルブロム
メタンなどのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、イソプロパノール、第2ブチ
ルアルコール、第3ブチルアルコールなどの脂肪族アル
コール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エ
チレングリコールジメチルエーテル、アセトン、メチル
エチルケトン等のエーテル又はケトン化合物、ギ酸エチ
ル、ギ酸プロピル、ギ酸イソブチル、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、プロ
ピオン酸エチルなどのエステル化合物が挙げられる。低
沸点溶剤の含有量は40〜80重量%が好ましい。
【0017】本発明における塗布溶剤は更に少量の水を
含むことができる。水の添加量は全溶剤の10重量%以
下である。好ましくは1〜7重量%である。
【0018】本発明における塗布溶剤には更に、感光性
ジアゾ樹脂の溶解性を増大させる目的や感光性ジアゾ樹
脂と結合剤との相溶性を改善する目的で、微量の高沸点
溶剤を添加することが好ましく、この場合には本発明に
よる版と版との張り付きを防止する効果がより顕著に現
れる。このような高沸点溶剤の具体例としては、ジメチ
ルスルホキシド、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ト
リエチレングリコール、エチレングリコールモノフェニ
ルエーテル、
【0019】リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、炭
酸エチレン、トリオキサン、γ−ブチロラクトン、γ−
バレロラクトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メ
チル、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジメチルホ
ルムアミド、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、乳
酸メチル、乳酸エチル、酢酸ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、2−メチル−2−メトキシ−4−ペンタノンな
とがある。これらの高沸点溶剤の添加量は全溶剤の20
重量%以下である。好ましくは15.0〜0.5重量%であ
る。
【0020】本発明に使用される感光性組成物又はその
溶液には、種々の添加剤を加えることができる。例え
ば、結合剤よりも感脂性の高分子化合物(例えば、特開
昭55−527号公報、同63−262642号に記載
のもの)、塗布性を改良するためのアルキルエーテル類
(例えば、エチルセルロース、メチルセルロース)、弗
素系界面活性剤又はシリコーン系界面活性剤(例え
ば、、特開昭54−135004号、同57−1782
42号、同57−40248号、同63−136039
号に記載のもの)、塗膜の柔軟性、耐摩耗性を付与する
ための可塑剤(例えば、トリクレジルホスフェート、ジ
ヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、トリオク
チルホスフェート、トリブチルホスフェート、クエン酸
トリブチル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール)、さらに現像後の画像部を可視画化するた
めの着色物質として、アクリジン染料、シアニン染料、
スチリル染料、
【0021】トリアリールメタン染料やフタロシアニン
などの顔料(例えば、特公昭56−30859号、特開
昭63−127235号記載のもの)、ジアゾ樹脂の一
般的な安定化剤(例えば、リン酸、亜リン酸、ピロリン
酸、シュウ酸、酒石酸、リンゴ酸、ピリジンジカルボン
酸、ホウ酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン
酸、3−スルホフタル酸、4−スルホフタル酸、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン
酸、5−スルホサリチル酸、トリカルバリル酸、ナフタ
レンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、ポリ
アクリル酸及びその共重合体、ポリビニルホスホン酸及
びその共重合体、ポリビニルスルホン酸及びその共重合
体、5−ニトロナフタレン−1−ホスホン酸、4−クロ
ロフェノキシメチルホスホン酸、ナトリウムフェニル−
メチル−ピラゾロンスルホネート、2−ホスホノブタン
トリカルボン酸−1,2,4、1−ホスホノエタントリカル
ボン酸−1,2,2、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジスル
ホン酸)を添加することが出来る。これらの添加剤の添
加量はその使用対象目的によって異なるが、一般には感
光性組成物の全固形分に対して、0.5〜30重量%であ
る。
【0022】感光性組成物は塗布溶剤に溶解し、親水性
表面を有する支持体上に乾燥塗布重量が0.3〜5.0g/m2
となるように、好ましくは0.5〜3.5g/m2となるように
塗布し、乾燥して、感光性平版印刷版を得ることができ
る。塗布する際の感光性組成物の固形分濃度は1.0〜5
0重量%が適当であり、好ましくは2.0〜30重量%が
適当である。支持体上に感光性組成物の溶液を塗布する
方法としては従来公知の方法、例えばロールコーティン
グ、バーコーティング、スプレーコーティング、カーテ
ンコーティング、回転塗布等の方法を用いることができ
る。塗布された感光性組成物溶液は50〜150℃で乾
燥させるのが好ましい。乾燥方法は、始め温度を低くし
て予備乾燥した後、高温で乾燥させても良いし、直接高
温度で乾燥させても良い。
【0023】本発明の感光性組成物溶液を施すのに適し
た支持体は、寸度的に安定な板状物である。かかる寸度
的な安定な板状物としては、従来印刷版の支持体として
使用するものが含まれる。特に、アルミニウム板は寸度
的に著しく安定であり、しかも安価であるので特に好ま
しい。アルミニウム板のうちでも、粗面化したアルミニ
ウム板が好ましく、これは種々の方法で製造することが
できる。例えばワイヤブラシグレイニング、研磨粒子の
スラリーを注ぎながらナイロンブラシで粗面化するブラ
シグレイニング、ボールグレイニング、ケミカルグレイ
ニング、電解グレイニングやこれらの粗面化法を複合さ
せた複合グレイニングによって表面を砂目立てする。
【0024】次に必要に応じて硫酸、リン酸、シュウ
酸、ホウ酸、クロム酸、スルファミン酸、又はこれらの
混酸中で直流又は交流電解にて陽極酸化を行いアルミニ
ウム表面に強固な不動体皮膜を設けることが好ましい。
このような不動体皮膜自体でアルミニウム表面は親水性
化されるが、さらに必要に応じて米国特許第2,714,0
66号や米国特許第3,181,461号明細書に記載され
ている珪酸塩処理(ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウ
ム)、米国特許第2,946,638号明細書に記載されて
いる弗化ジルコニウム酸カリウム処理、米国特許第3,2
01,274号明細書に記載されているホスホモリブデー
ト処理、独国特許第1,091,433号明細書に記載され
ているポリアクリル酸処理、
【0025】独国特許第1,134,093号や英国特許第
1,230,447号明細書に記載されているポリビニルホ
スホン酸処理、特公昭44−6409号公報に記載され
ているホスホン酸処理、米国特許第3,307,951号明
細書に記載されているフィチン酸処理、特開昭58−1
6893号や特開昭58−18291号の各公報に記載
されている親水性有機高分子と2価の金属イオンとの錯
体による下塗処理や特開昭59−101651号公報に
記載されているスルホン酸基を有する水溶性重合体の下
塗りによって親水化処理を行ったものが特に好ましい。
その他の親水化処理方法としては米国特許第3,658,6
62号明細書に記載されているシリケート電着も挙げる
ことが出来る。
【0026】感光性平版印刷版上に形成した感光層の表
面上には、(a) スルホン酸基を有するモノマーの少なく
とも1種と、(b) アルキル残基の炭素原子類が1〜10
のアルキルアクリレート類及びアルキル残基の炭素原子
類が4〜10のアルキルメタクリレート類からなる群よ
り選ばれた少なくとも1つのモノマーと、(c) モノマー
(a) 及びモノマー(b) と共重合可能で、そのホモポリマ
ーのガラス転移温度が60℃以上である少なくとも1つ
のモノマーとからなる共重合体であって、共重合比がモ
ノマー(a) 5〜25モル%、モノマー(b) 5〜25モル
%及びモノマー(c) 65〜90モル%である共重合体を
被覆する。
【0027】本発明において、上記モノマー(a) の「ス
ルホン酸基」とはスルホン酸基(-SO3H)そのものだけで
なく、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び水溶
性アミン塩をも意味し、包含するものである。モノマー
(a) としては、p−スチレンスルホン酸、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸、エチレンスル
ホン酸、2−クロロエチレンスルホン酸、エチレンジス
ルホン酸、1−プロペン−1−スルホン酸、1−プロペ
ン−2−スルホン酸、2−メチル−1,3−プロペンジス
ルホン酸、1−ブテン−1−スルホン酸、1−ペンテン
−1−スルホン酸、1−ヘキセン−1−スルホン酸、2
−フエニルエチレンスルホン酸、1−メチル−2−フエ
ニルエチレンスルホン酸、3−クロロアリルスルホン
酸、アリルスルホン酸
【0028】3−クロロ−2−ブテンスルホン酸、3−
クロロメタクリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、
3−メチル−2−ブテン−2−スルホン酸、3−フエニ
ルアリルスルホン酸、3−フエニルメタアリルスルホン
酸、2−ベンジルアリルスルホン酸、2−クロロ−4−
スチレンスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、α−
メチルスチレンスルホン酸、並びにこれらのアルカリ金
属塩、アンモニウム塩、水溶性アミン塩などがあり、こ
れらは適宜1つ又は2つ以上が選択され、他のモノマー
の少なくとも1つと共重合体される。本発明にとって特
に好ましいモノマー(a) はp−スチレンスルホン酸,2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、エ
チレンスルホン酸、及びそのナトリウム塩、カリウム塩
である。
【0029】モノマー(b) としては、アルキル残基の炭
素原子数が1〜10であるアルキルアクリレート類及び
アルキル残基の炭素原子数が4〜10であるアルキルメ
タクリレート類があり、これらの具体例としては、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルア
クリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルア
クリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアク
リレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オク
チルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−ブチ
ルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−ア
ミルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、n−オクチルメタクリレート、n−デシルメタクリ
レートなどがあり、これらのモノマー(b) は1種又は2
種以上を組み合わせて使用することができる。
【0030】モノマー(c) としては、そのホモポリマー
のガラス転移温度(Tg)が60℃以上のモノマーである。
なお、このTgの定義については、例えば、"Polymer Han
dbook"(J. Brandrup, E.H.Immergut共編,Interscience
Publishers 社1966年刊行)第III −61頁の記載
を参照されたい。
【0031】モノマー(c) としては、スチレン、o−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレ
ン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレ
ン、2,4,5−トリメチルスチレン、2,4,6−トリメチル
スチレン、o−エチルスチレン、o−sec −ブチルスチ
レン、o−tert−ブチルスチレン、p−フルオロスチレ
ン、2,5−ジフルオロスチレン、o−クロロスチレン、
m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、2,4−ジク
ロロスチレン、2,5−ジクロロスチレン
【0032】2,6−ジクロロスチレン、3,4−ジクロロ
スチレン、p−ブロモスチレン、p−シアノスチレン、
アクリロニトリル、メタクリロニトル、メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、アクリルアミド、N−
sec −ブチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリ
ルアミド、N,N −ジブチルアクリルアミド、N−tert−
ブチルメタクリルアミドなどが含まれ、これらは1種又
は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0033】このような共重合体において、モノマー
(a) 、同(b) 及び同(c) の量はそれぞれ5〜25モル
%、5〜25モル%、65〜90モル%の範囲である。
モノマー(a) の量が5モル%よりも少なくなると、共重
合体の現像液に対する溶解性が悪くなり、一方25モル
%よりも多くなると共重合体が湿気の影響を受けやすく
なり、版と版とが張りつきやすくなる。
【0034】また、モノマー(b) の量が5モル%よりも
少なくなると、共重合体の感光層への付着力が低下して
いき、25モル%よりも多くなると、共重合体が柔らか
くなり、版と版とが張りつきやすくなる。さらに、モノ
マー(c) の量が65モル%よりも少なくなると、共重合
体の硬さが低下し版と版とが張りつきやすくなる。一方
90モル%よりも多くなると、共重合体の感光層への付
着力が低下する。特に好ましいモノマー(a) 、同(b) 及
び同(c) の量は、それぞれ10〜20モル%、10〜2
0モル%及び65〜80モル%である。
【0035】本発明における共重合体は、従来公知の方
法により合成することができ、例えば溶液重合法により
共重合させ、所望により生成した共重合物の酸残基を中
和して採取することができる。この溶液重合法において
は、通常原料のモノマーを溶解しうる、例えばi−プロ
ピルアルコールのごとき溶剤中で窒素雰囲気中で重合開
始剤の存在下に共重合させる。また、通常のラテックス
の合成と同様にして原料のモノマーを界面活性剤で水中
に乳化させておき、過硫酸カリウムなどの重合開始剤を
用いて乳化重合させた水性分散物として得てもよく、も
ちろん、固形物として採取してもよい。
【0036】上述したごとき共重合体は、一般に水性液
として塗布される。つまり、水溶液、水性分散液、水性
懸濁液、水性乳化液などあらゆる形態の水性液でありう
る。この塗布液中には、前記の共重合体のほかに、特公
昭55−30619号公報に記載されているような感光
性印刷版の感光層の活性光線領域に光学的吸収をもつ光
吸収剤、染料、顔料、紫外線吸収剤、あるいはジアゾ化
合物、エチレン系不飽和化合物;
【0037】さらに二酸化珪素、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、酸化ジルコニウム、ガラス、アルミナ、合成樹脂な
どの各種の微粉末;例えばリン酸、亜リン酸、ショウ酸
などのごときpH調節剤;例えば硫酸ナトリウム、硫酸カ
ルシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カ
ルシウムなどのごとき塗布後の共重合物の析出を促進す
るための中性塩、など種々の目的のための添加剤を適
宜、又適量を加えることができる。塗布液中における共
重合物の濃度は5〜10重量の範囲内にあることが好ま
しい。その他、塗布液の調製方法については、従来技術
を応用すればよく、その点についての詳細な説明は不要
と思われる。
【0038】この水性液を塗布液として感光性印刷版の
感光層表面へ塗布し、相互に独立した突起物を固着、形
成させるには、エアスプレー法、エアレススプレー法、
静電エアスプレー法、静電霧化静電塗装法、グラビア印
刷法等により塗布し、乾燥させる。また、上述の突起物
を形成させるためには、特開昭55−12974号公報
に記載されているように、前記共重合体又は、前記共重
合体を含み、上述の他の添加剤を加えた組成物の固形分
による微粉末を調製し、この微粉末を感光性印刷版の表
面上に均一に撤布するなどして付着させる。このように
して相互に独立した突起物を形成させることもできる。
【0039】この固形分による微粉末を調製するには、
前述のごとく調製した共重合体を含む水性液を固化した
固形物を利用してもよい。印刷版上に撤布して付着させ
た微粉末は、直ちに加熱して熔融せしめ、それと共に印
刷版上に固着させるのである。また、この加熱に代えて
溶剤を適用して突起物を構成する微粉末を溶解して印刷
上に固着させてもよい。
【0040】このようにして形成せしめた突起物の塗布
部分は、感光性印刷版表面上1〜1000個/mm2 、好
ましくは5〜500個/mm2 程度であり、塗布部分の高
さは0.5〜20μ、大きさ(径)は1〜200μ程度の
形態を呈する。
【0041】感光層上に上記のマット層を有する感光性
平版印刷版は、画像露光後アルカリ水溶液系現像液で現
像することにより原画に対してネガのレリーフ像が得ら
れる。露光に好適な光源としては、カーボンアーク灯、
水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、スト
ロボ、紫外線、レーザ光線などが挙げられる。上記感光
性平版印刷版に使用されるアルカリ水溶液系現像液と
は、特開昭51−77401号、同51−80228
号、同53−44202号や同55−52054号の各
公報に記載されているような現像液であって、pH=8〜
13、水が75重量%以上含まれるものをいう。
【0042】必要により水に対する溶解度が常温で10
重量%以下の有機溶媒(ベンジルアルコール、エチレン
グリコールモノフェニルエーテル等)、アルカリ剤(ト
リエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノ
ールアミン、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等)、
アニオン界面活性剤(芳香族スルホン酸塩、ジアルキル
スルホコハク酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、
脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩等)、ノニオン界面
活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等)、汚
れ防止剤(亜硫酸ナトリウム、スルホピラゾロンのナト
リウム塩等)や硬水軟化剤(エチレンジアミンテトラ酢
酸四ナトリウム塩、ニトリロ三ナトリウム塩等)を加え
ることができる。
【0043】また、感光層に含まれるジアゾ樹脂が、ア
ルカリ可溶性のジアゾ樹脂(例えば、カルボキシル基を
有する芳香族化合物と芳香族ジアゾニウム塩とをホルム
アルデヒドで縮合させた共縮合ジアゾ樹脂などの場合に
は、特開平2−189544号公報に記載されているよ
うな、実質的に有機溶剤を含有しないアルカリ水溶液
(例えば、珪酸カリウムの水溶液)で現像することがで
きる。
【0044】本発明の感光性平版印刷版は、特開昭54
−8002号、同55−115045号、特開昭59−
58431号の各公報に記載されている方法で製版処理
してもよいことは言うまでもない。即ち、現像処理後、
水洗してから不感脂化処理、又はそのまま不感脂化処
理、又は酸を含む水溶液での処理、又は酸を含む水溶液
で処理後不感脂化処理を施してもよい。さらに、この種
の感光性平版印刷版の現像工程では、処理量に応じてア
ルカリ水溶液が消費され、アルカリ濃度が減少したり、
あるいは、自動現像液の長時間運転により空気によって
アルカリ濃度が減少するため処理能力が低下するが、そ
の際、新鮮な未使用の現像液(補充液)を添加するか、
又は特開昭54−62004号に記載のようにアルカリ
度の高い補充液を用いて処理能力を回復させてもよい。
この場合、処理されるPS版の一片の長さに比例する量
の補充液を添加する方法や米国特許第4,882,246 号に記
載されている方法で補充することが好ましい。また、上
記のような製版処理は、特開平2−7054号、同2−
32357号公報に記載されているような自動現像機で
行なうことが好ましい。なお、製版工程の最終工程で所
望により塗布される不感脂化ガムとしては、特公昭62
−16834号、同62−25118号、同63−52
600号、特開昭62−7595号、同62−1169
3号、同62−83194号の各公報に記載されている
ものが好ましい。
【0045】
【発明の効果】本発明の感光性平版印刷版は労働安全衛
生上好ましくないエチレン系グリコールエーテル類を用
いることなく製造でき、かつ室温以上の温度で合紙をは
さまずに積み重ね、加圧状態で長時間保存しても、版と
版とが張り付くことがなく、従って自動製版が可能で、
作業性及び取扱性にすぐれている。
【0046】以下、本発明について実施例によりさらに
詳細に説明する。
【実施例】
実施例1 0.30mmの厚みのアルミニウム板をリン酸ソーダ水溶液
に浸して脱脂し、ブラシによる研磨を行った後、電解エ
ッチング、次いで硫酸中で陽極酸化し、更にケイ酸ソー
ダ水溶液に浸して親水化処理した。この親水化処理した
アルミニウム板に、下記の感光性組成物−1を下記の溶
剤に溶解し、ホイラー塗布機で塗布した後、100℃の
オープンで80秒間乾燥して感光性平版印刷版-Aを得
た。乾燥後の塗布量は1.5g/m2であった。
【0047】 感光性組成物−1 結合剤−1 5.00g ジアゾ樹脂−1 0.50g ビクトリアピュアブルーBOH 0.15g トリクレジルホスフェート 0.50g リンゴ酸 0.10g 亜リン酸 0.10g フルオラッドFC−430(3M社製界面活性剤) 0.05g 塗布溶剤 1−メトキシ−2−プロパノール 25.00g 乳酸メチル 12.00g メタノール 30.00g メチルエチルケトン 30.00g 水 3.00g
【0048】結合剤−1は、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート/アクリロニトリル/メチルメタクリレート
/メタクリル酸共重合体(重量比50/20/26/
4、重量平均分子量75,000、酸含量0.4meq/g)の水
不溶性、アルカリ水可溶性の皮膜形成性高分子である。
ジアゾ樹脂−1は、特開昭59−78340号公報の合
成例−1に記載のp−ジアゾジフェニルアミンとパラホ
ルムアルデヒドとの縮合物のヘキサフルオロリン酸塩で
ある。
【0049】この感光性平版印刷版−Aの1片に下記の
マット剤組成物−イの共重合体の20重量%水溶液を静
電スプレーで塗布し、温度60℃の雰囲気中に5秒間露
して乾燥させて感光性印刷版表面をマット化した。これ
を試料(b) とする。一方、マット化していない感光性平
版印刷版を試料(a) とした。
【0050】 マット剤組成物−イの共重合体組成 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム 15モル% エチルアクリレート 15モル% メチルメタクリレート 70モル%
【0051】共重合体の塗布量は0.1g/m2、50〜10
0個/mm2 の液滴の数があり、乾燥後の樹脂層の高さは
2〜6μ、巾は20μ〜150μであった。
【0052】得られた試料(a) 、(b) を合紙をはさまず
にそれぞれ1000枚積み重ねクラフト紙とビニールシ
ートで密閉した状態で45℃、75%RHの場所に2ヵ月
間放置した後、富士写真フィルム(株)製PS版高速製版
装置FNR401型にて製版した。自動製版機に100
0枚通したときの版と版との張りつき故障の評価結果を
以下の表1のようにランク付けした。Aランク、Bラン
クは自動製版が可能であるが、Cランク、Dランクは自
動製版不可である。 表 1 ───────────────────────────────── 評価結果のランク 版と版との張りつき故障枚数 ───────────────────────────────── A 0 枚 B 1〜2枚 C 3〜9枚 D 10枚以上 ──────────────────────────────── 試料(b) の版と版との張りつき故障の評価結果はAラン
クであった。一方、試料(a) はCランクであった。
【0053】また、これらの試料(a) 、(b) を、以下に
示す組成の現像液で現像して得られた平版印刷版の印刷
性能は問題なかった。現像液組成 ベンジルアルコール 30g トリエタノールアミン 10g tert−ブチルナフタレンスルホン酸 ナトリウム 10g 亜硫酸ナトリウム 2g 水 1000g
【0054】
【比較例】前記の感光性平版印刷版に用いた感光性組成
物−1を下記の溶剤に溶解し、実施例1と同様の方法で
塗布し乾燥した。乾燥塗布量は1.5g/m2であった。得ら
れた感光性平版印刷版をBとした。塗布溶剤 エチレングリコールモノメチルエーテル 60.00g メタノール 37.00g 水 3.00g この感光性平版印刷版−Bの1片に実施例−1と同様の
マット化を行った。これを試料(d) とした。マット化し
ていない感光性平版印刷版を試料(c) とした。さらに、
感光性平版印刷版−Bに従来より公知のマット剤組成物
−ロの共重合体を実施例−1と同様の方法でマット層と
して被覆した。これを試料(e) とした。
【0055】 マット剤組成物−ロの共重合体組成 2−アクリルアミド−2−メチル 20モル% プロパンスルホン酸ナトリウム エチルアクリレート 30モル% メチルメタクリレート 50モル% 試料(c) 及び(d) の版と版との張りつき故障の評価結果
はCランクであった。また、試料(e) はDランクであっ
た。
【0056】実施例2 実施例1の感光性平版印刷版−Aに下記のマット剤組成
物(ハ)〜(ヌ)の共重合体を実施例1と同様の方法で
マット化を行った。
【0057】 表 2 ─────────────────────────────────── 成 分 (ハ) (ニ) (ホ) (ヘ) (ト) (チ) (リ) (ヌ) ─────────────────────────────────── 2-アクリルアミド-2- メチルプ 15 15 10 5 5 15 15 − ロパンスルホン酸ナトリウム ─────────────────────────────────── p-スチレンスルホン酸ナトリウム - - - - - - - 15 ─────────────────────────────────── エチルアクリレート 25 20 10 5 - - 15 15 ─────────────────────────────────── メチルアクリレート - - - - - 15 - - ─────────────────────────────────── メチルメタクリレート 60 65 80 90 95 70 - 70 ─────────────────────────────────── N-t-ブチルアクリルアミド - - - - - - 70 - ───────────────────────────────────
【0058】試料(ヘ) の場合、版と版との張りつき故障
の評価結果はBランクであった。また、試料(ニ) 、(ホ)
、(チ) 、(リ) 及び(ヌ) の場合には、Aランクであっ
た。試料(ハ) 及び(ト) の場合はCランクであった。
【0059】実施例3〜12 以下の表3におけるように、実施例1で使用した結合
剤、ジアゾ樹脂及び溶剤を変え、実施例1と同様にマッ
ト化を行った。
【0060】 表 3 ──────────────────────────────────── 実施 結合 ジアゾ 塗 布 溶 剤 例 剤 樹脂 1-メトキシ-2- 乳 酸 メタ メチルエチ 水 その他 プロパノール メチル ノール ルケトン (g) (g) (g) (g) (g)(g) ──────────────────────────────────── 3 1 2 25 12 30 30 3 − 4 2 1 25 12 30 30 3 − 5 2 2 25 12 30 30 3 − 6 3 2 25 12 30 30 3 − 7 4 2 25 12 30 30 3 − 8 1 1 50 − 20 27 3 − 9 1 1 75 − 10 12 3 − 10 1 1 25 12 30 − 3 塩化エチ レン 30 11 1 1 25 − 30 40 3 シ゛エチレン ク゛リコール モノメチル エーテル 2 12 3 3 25 12 30 30 3 ────────────────────────────────────
【0061】結合剤−1及びジアゾ樹脂−1は、前記の
通りである。結合剤−2は、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート/アクリロニトリル/エチルメタクリレート
/メタクリル酸共重合体(重量比45/15/36/
4、重量平均分子量120000、酸含量0.4meq/g)で
ある。結合剤−3は、N−(4−ヒドロキシフェニル)
メタクリルアミド/アクリロニトリル/メタクリル酸メ
チル/エチルアクリレート/メタクリル酸共重合体(重
量比50/14/27/7/2、重量平均分子量290
00、酸含量0.2meq/g)である。結合剤4は、酸性水素
原子を持つ置換基を有するポリウレタンであって、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート/ヘキサメチレンジイソ
シアネート/ジメチロールプロピオン酸/トリエチレン
グリコール(モル比60/40/60/40、重量平均
分子量100,000、酸含量1.86meq/g)である。
【0062】ジアゾ樹脂−2は、p−ジアゾジフェニル
アミンとホルムアルデヒドとの縮合物のn−ドデシルベ
ンゼンスルホン酸塩である。ジアゾ樹脂−3は、フェノ
キシ酢酸/p−ジアゾジフェニルアミン(共縮合比50
/50)とホルムアルデヒドとの共縮合物のドデシルベ
ンゼンスルホン酸塩(重量平均分子量2800、酸含量
1.65meq/g)である。なお、実施例3〜11は、実施例
1で使用した現像液と同一の組成の現像液を使用して、
現像し、印刷性能を評価した。また、実施例12は、以
下の現像液で現像し、印刷性能を評価した。現像液組成物 SiO2/K2Oモル比約1.1の珪酸カリウム 20g 水 1000g これらの試料の版と版との張りつき故障の評価結果はA
ランクであった。また、これらの試料の平版印刷版とし
ての印刷性能は問題なかった。以上の実施例及び比較例
から明らかな様に、本発明により製造された感光性平版
印刷版は、室温以上の温度で合紙をはさまずに積み重
ね、加圧状態で長時間保存しても、版と版とが張りつく
ことがなく、従って自動製版が可能であり、作業性、取
扱い性にすぐれていることが分る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−38471(JP,A) 特開 昭62−275243(JP,A) 特開 昭63−259558(JP,A) 特開 昭58−182636(JP,A) 特開 昭63−75753(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/11 501 G03F 7/004 501 G03F 7/021

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジアゾ樹脂と結合剤とを含有する感光性
    組成物を1−メトキシ−2−プロパノールを含有する塗
    布用溶剤に溶解し、親水性表面を有する支持体に塗布
    し、乾燥して感光層を設けた後、その感光層表面上に、
    (a)スルホン酸基を有するモノマーの少なくとも1種
    と、(b)アルキル残基の炭素原子数が1〜10のアル
    キルアクリレート類及びアルキル残基の炭素原子数が4
    〜10のアルキルメタクリレート類からなる群より選ば
    れた少なくとも1つのモノマーと、(c)モノマー
    (a)及びモノマー(b)と共重合可能で、そのホモポ
    リマーのガラス転移温度が60℃以上である少なくとも
    1つのモノマーとからなる共重合体であって、共重合比
    がモノマー(a)5〜25モル%、モノマー(b)5〜
    25モル%、及びモノマー(c)65〜90モル%であ
    る共重合体よりなる、相互に独立した突起物を固着させ
    ることを特徴とする感光性平版印刷版の製造方法。
  2. 【請求項2】 該塗布用溶剤が更に、1−メトキシ−2
    −プロパノールよりも高沸点の溶剤を含有することを特
    徴とする請求項1に記載の感光性平版印刷版の製造方
    法。
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