JP2808203B2 - 感光性平版印刷版の製造方法 - Google Patents

感光性平版印刷版の製造方法

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JP2808203B2
JP2808203B2 JP4009444A JP944492A JP2808203B2 JP 2808203 B2 JP2808203 B2 JP 2808203B2 JP 4009444 A JP4009444 A JP 4009444A JP 944492 A JP944492 A JP 944492A JP 2808203 B2 JP2808203 B2 JP 2808203B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感光性平版印刷版の製造
方法に関するものである。更に詳しくは、経時に伴う地
汚れの発生を防止したネガ型感光性平版印刷版の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来技術】予め感光性を与えられた感光性平版印刷版
の感光性物質として使用されているものの大多数はジア
ゾニウム化合物であり、その中で最も常用されているも
のにp−ジアゾジフェニルアミンのホルムアルデヒド縮
合物に代表されるジアゾ樹脂がある。ジアゾ樹脂を用い
た感光性平版印刷版の感光層の組成物は、例えば、米国
特許第 2,714,066号明細書に記載されているようにジア
ゾ樹脂単独のもの、つまり結合剤を使用しないものと、
例えば特開昭50-30604号公報に記載されているように結
合剤とジアゾ樹脂が混合されているものに分類すること
ができる。特に近年ジアゾニウム化合物を用いた感光性
平版印刷版の多くのものは高耐刷性を持たせるために結
合剤とジアゾ樹脂よりなる感光層を有している。
【0003】このような感光層としては、特開昭50−30
604 号公報に記載しているように、未露光部が水性アル
カリ現像液によって除去(現像)されるいわゆるアルカ
リ現像型と、有機溶剤系現像液によって除去されるいわ
ゆる溶剤現像型が知られている。近年労働安全衛生上、
アルカリ現像型が注目されており、これは主に結合剤に
よって決まる。結合剤にアルカリ現像性を持たせる方法
としては前記特開昭50−30604 号公報に記載されている
ようにカルボン酸含有のモノマーを共重合させる方法、
米国特許第2,861,058 号明細書に記載されているように
ポリビニルアルコールのヒドロキシル基と無水フタル酸
のような環状酸無水物を反応させることにより結合剤中
にカルボン酸を導入する方法等がある。しかしこれらの
ジアゾ樹脂と結合剤を用いた感光性組成物を適当な溶剤
に溶解し親水性表面を有する支持体、とりわけ親水化処
理したアルミニウム板に塗布した感光性平版印刷版は、
経時により現像不良が発生し、印刷時に非画像部が汚れ
るという欠点を有している。経時による非画像部の汚れ
を改良するために種々の安定化剤の添加が試みられてい
る。たとえば特開昭54−151023号公報に記載された亜リ
ン酸、特開昭53−3216号公報に記載されたシュウ酸、特
開昭50−36207 号公報に記載されたハロゲン含有有機リ
ン酸エステル化合物、特開昭51−143405号公報に記載さ
れた複素環式ジアゾニウム塩やその他米国特許第3,679,
419 号明細書6欄69行目に示される様なリン酸、硫
酸、有機スルホン酸、ポリアクリル酸、ポリビニルホス
ホン酸やポリビニルスルホン酸を前記の感光層に添加す
ることによって経時性は改良されることが認められるが
未だ十分満足できるものではない。また、特開昭62−38
471 号公報には、感光性組成物の溶剤として少なくとも
10重量%の1−メトキシ−2−プロパノールを含む溶
剤を用いて支持体に塗布することにより、経時による非
画像部の汚れが改良された感光性平版印刷版が得られる
ことが記載されているが、さらに一層改善することが望
ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルカリ現
像可能でしかも、経時による非画像部の汚れを改良した
感光性平版印刷版の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するため種々研究を重ねた結果、ジアゾ樹脂と結合剤
及び塩基性染料カチオンとアニオンとの塩であって、該
アニオンが該カチオンとイオン結合するスルホン酸基を
有する炭素数9以上の有機アニオンである染料を含有す
る感光性組成物を、 (a)1−メトキシ−2−プロパノール:5〜40重量
% (b)乳酸メチル:2〜20重量% を含む塗布溶剤に溶解し、親水性表面を有する支持体に
塗布し乾燥することで、ジアゾ樹脂及び結合剤が支持体
表面へ偏在するのを防止でき、上記目的を満足する感光
性平版印刷版を製造できることを見出した。
【0006】本発明に使用されるジアゾ樹脂は、芳香族
ジアゾニウム塩と活性カルボニル基含有化合物、例えば
ホルムアルデヒドとの縮合物で代表されるジアゾ樹脂で
ある。上記ジアゾ樹脂としては、例えば、p−ジアゾジ
フェニルアミン類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ドなどのアルデヒドとの縮合物とヘキサフルオロ燐酸塩
またはテトラフルオロ硼酸塩との反応生成物である有機
溶媒可溶性ジアゾ樹脂無機塩や、特公昭47−1167号公報
に記載されているような前記縮合物とのスルホン酸塩
類、例えばp−トルエンスルホン酸またはその塩、プロ
ピルナフタレンスルホン酸またはその塩、ブチルナフタ
レンスルホン酸またはその塩、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸またはその塩、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン−5−スルホン酸またはその塩との反応生成
物である有機溶媒可溶性ジアゾ樹脂有機塩が挙げられ
る。特に、特開昭59−78340 号公報記載の6量体以上を
20モル%以上含んでいる高分子量ジアゾ化合物が好ま
しい。また特開昭58−27141 号公報に示されているよう
な3−メトキシ−4−ジアゾ−ジフェニルアミンを4,
4′−ビス−メトキシ−メチル−ジフェニルエーテルで
縮合させメシチレンスルホン酸塩としたものなども適当
である。
【0007】本発明に用いられる結合剤としては、酸含
量0.1〜3.0meq/g 、 好ましくは0.2〜2.0meq/g であ
り、実質的に水不溶性(すなわち、中性または酸性水溶
液に不溶性)で、皮膜形成性を有する有機高分子化合物
であるが、アルカリ水溶液系現像液に溶解または膨潤す
ることができかつ前記の感光性ジアゾ樹脂の共存下で光
硬化して上記現像液に不溶化または非膨潤化するものが
好ましい。尚、酸含量0.1meq/g 未満では現像が困難で
あり、3.0meq/g を越えると現像時の画像強度が著しく
弱くなる。特に好適な結合剤としてはアクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸またはマレイン酸を必須成分とし
て含む共重合体、例えば特開昭50−118802号公報に記載
されている様な2−ヒドロキシエチルアクリレートまた
は2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリロニト
リルまたはメタクリロニトリル、アクリル酸またはメタ
クリル酸および必要に応じて他の共重合可能なモノマー
との多元共重合体、特開昭53−120903号公報に記載され
ている様な末端がヒドロキシ基であり、かつジカルボン
酸エステル残基を含む基でエステル化されたアクリル酸
またはメタクリル酸、アクリル酸、またはメタクリル酸
および必要に応じて他の共重合可能なモノマーとの多元
共重合体、特開昭54−98614 号公報に記載されている様
な芳香性水酸基を末端に有する単量体(例えばN−(4
−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドなど)、アク
リル酸またはメタクリル酸および必要に応じて他の共重
合可能なモノマーとの多元共重合体、特開昭56−4144号
公報に記載されている様なアルキルアクリレート、アク
リロニトリルまたはメタクリロニトリルおよび不飽和カ
ルボン酸よりなる多元共重合体をあげることが出来る。
またこの他、酸性ポリビニルアルコール誘導体や酸性セ
ルロース誘導体も有用である。またポリビニルアセター
ルやポリウレタンをアルカリ可溶化した特公昭54−1977
3 号、特開昭57−94747 号、同60−182437号、同62−58
242 号、同62−123453号記載の結合剤も有用である。
【0008】感光性平版印刷版の感光層におけるこれら
のジアゾ樹脂と結合剤の含有量は、これら両者の総量を
基準にしてジアゾ樹脂3〜30重量%、結合剤は97〜
70重量%が適当である。ジアゾ樹脂の含有量は少ない
方が感度は高いが3重量%より低下すると結合剤を光硬
化させるために不十分となり現像時に光硬化膜が現像液
によって膨潤し膜が弱くなる。逆にジアゾ樹脂の含有量
が30重量%より多くなると感度が低くなり実用上難点
が出てくる。従って、より好ましい範囲はジアゾ樹脂5
〜25重量%で結合剤95〜75重量%である。
【0009】本発明に用いられる染料を構成する塩基性
染料カチオンとしては、トリアリールメタン系染料、キ
サンテン系染料、アクリジン系染料、アジン系染料、オ
キサジン系染料、チアジン系染料、シアニン染料カチオ
ンが適しているが、その中でもトリアリールメタン系染
料カチオンが好ましく、特に下記の一般式(1)、
(2)で示される基本骨格を有するものが好ましい。
【0010】
【化1】 (式中、R1 〜R6 は、水素原子、炭素数1〜4のアル
キル基、またはアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基な
どの置換基を有してもよいアリール基を示す。)上記塩
基性染料カチオンと塩を形成するアニオンは塩基性染料
カチオンとイオン結合するスルホン酸基、好ましくは1
個のスルホン酸アニオンを唯一のイオン結合に供される
基として有する炭素数9以上、好ましくは10〜20の
芳香族化合物および脂肪族化合物である。芳香族化合物
としては次のような化合物を挙げることができる。尚、
(1)〜(6)の化合物は、アルキル基等の置換基を有
していてもよい。
【0011】
【化2】 (7) 下記のような、アルキルアリールスルホン酸塩系の
アニオン界面活性剤から誘導されるアニオン:
【0012】
【化3】 また、脂肪族有機アニオンとしては、次のようなアニオ
ン界面活性剤から誘導されるアニオンが含まれる。 (1) 下記一般式のアルキルスルホネート陰イオン界面活
性剤 RSO3 Na (R:炭素数9〜20のアルキル基) (2) 下記一般式のジアルキルスルホコハク酸エステル陰
イオン界面活性剤
【化4】 (3) 下記一般式の脂肪族アミドスルホネート陰イオン界
面活性剤 RCON(CH3)C2 4 SO3 Na (R:炭素数5〜20のアルキル基) (4) 下記一般式の高級脂肪族エステルスルホネート陰イ
オン界面活性剤 RCOOC2 4 SO3 Na (R:炭素数6〜20のアルキル基) (5) 下記一般式の高級アルコールエーテルスルホネート
陰イオン界面活性剤 ROCH2 CH(OH)CH2 SO3 Na (R:炭素数6〜20のアルキル基)
【0013】本発明に使用される塩基性染料は、例えば
市販品として入手できる塩素イオンを対アニオンとして
含有する塩基性染料の水溶液と、前述のごとき1個のス
ルホン酸基を唯一の交換基として含む炭素数9以上の有
機アニオンのナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカ
リ金属塩又は遊離の酸の水溶液を混合して、対アニオン
の交換反応によって水不溶性の染料とし、これを濾集、
水洗することにより得ることができる。尚、炭素数8以
下の有機アニオンを用いた場合は、ジアゾ樹脂及び結合
剤が支持体表面へ偏在するのを防止する効果が不充分で
あり、経時による非画像部の汚れ(以下、経時汚れと称
する)を防止する効果が小さい。これらの染料は単独又
は混合して使用することができ、添加量は感光性組成物
の固形分の0.3〜5.0重量%が好ましい。より好ましく
は1.0〜4.0重量%である。0.3重量%以下では現像後
の画像濃度が低く検版性が悪い。5.0重量%以上では現
像時の画像強度が低下する。本発明の染料と本発明の塗
布溶剤を組み合わせることにより、経時汚れが大幅に改
良されることを見出した。
【0014】本発明における塗布溶剤中に占める成分
(a)の1−メトキシ−2−プロパノールの割合は5〜
40重量%、好ましくは10〜30重量%である。乾燥
条件及び混合した溶剤の種類により最適量は異なるが、
1−メトキシ−2−プロパノールの含有量が5重量%よ
り少ない場合および40重量%より多い場合は、経時汚
れ防止効果が小さい。
【0015】本発明の染料と1−メトキシ−2−プロパ
ノールを5〜40重量%含有する塗布溶剤を用いること
により、経時汚れが改良されるが乳酸メチルを併用する
と経時汚れが一段と改良されることを見出した。本発明
における塗布溶剤中に占める成分(b)の乳酸メチルの
割合は2〜20重量%、好ましくは5〜15重量%であ
る。乳酸メチルの含有量が2重量%より少ない場合は経
時汚れの改良効果が小さい。逆に、20重量%より多い
場合は現像性が悪化する。このような経時汚れの改良効
果は、溶剤の選択により染料が支持体表面に偏在し、か
つ染料の有機アニオン部分が大きいために、ジアゾ樹脂
及び結合剤が経時で支持体表面に偏在するのを防止した
ためである。本発明における塗布溶剤中には他に種々の
塗布溶剤を混合することができる。乳酸メチルの沸点が
144.8℃であり、乾燥負荷を小さくするためには低沸
点溶剤を混合することが好ましい。低沸点溶剤の具体例
としては、1,2−ジクロルエタン、1,1−ジクロル
エタン、1,1,1−トリクロルエタン、cis-1,2−
ジクロルエタン、1,2−ジクロルプロパン、塩化ブチ
ル、クロムブロムメタンなどのハロゲン化炭化水素、メ
タノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパ
ノール、第2ブチルアルコール、第3ブチルアルコール
などの脂肪族アルコール、テトラヒドロフラン、テトラ
ヒドロピラン、エチレングリコールジメチルエーテル、
アセトン、メチルエチルケトン等のエーテルまたはケト
ン化合物、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソブチ
ル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、プロ
ピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどのエステル化
合物があげられる。
【0016】本発明における塗布溶剤には更に少量の水
を添加することができる。水の添加量は全溶剤の10重
量%以下である。好ましくは1〜7重量%である。本発
明における塗布溶剤には更に、感光性ジアゾ樹脂の溶解
性を増大させる目的や感光性ジアゾ樹脂と結合剤の相溶
性を改善する目的で微量の高沸点溶剤を添加することが
できる。この様な高沸点溶剤の具体例はジメチルスルホ
キシド、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレ
ングリコール、エチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、炭酸エチレ
ン、トリオキサン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラ
クトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、テ
トラヒドロフルフリルアルコール、ジメチルホルムアミ
ド、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、乳酸エチ
ル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢
酸エチレングリコールモノメチルエーテル、2−メチル
−2−メトキシ−4−ペンタノンなどがある。これらの
高沸点溶剤の添加量は全溶剤の2重量%以下である。好
ましくは0.05〜1.50重量%である。
【0017】本発明における塗布溶剤にメチルセロソル
ブを混合すると本発明の染料が支持体表面に偏在せず
に、ジアゾ樹脂及び結合剤が支持体表面に偏在するため
経時汚れが悪化する。メチルセロソルブが本発明の染料
と結合剤とを良く相溶するためである。本発明に使用さ
れる感光性平版印刷版の感光層には、更に種々の添加剤
を加えることができる。例えば塗布性を改良するための
アルキルエーテル類(たとえばエチルセルロース、メチ
ルセルロース)、弗素系界面活性剤またはシリコーン系
界面活性剤(たとえば特開昭54−135004号、同57−1782
42号、同57−40248 号、同63−136039号に記載のも
の)、塗膜の柔軟性、耐摩耗性を付与するための可塑剤
(たとえばトリクレジルホスフェート、ジヘキシルフタ
レート、ジオクチルフタレート、トリオクチルホスフェ
ート、トリブチルホスフェート、クエン酸トリブチル、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル)、ジアゾ樹脂の一般的な安定化剤(りん酸、亜りん
酸、ピロりん酸、しゅう酸、酒石酸、リンゴ酸、ピリジ
ンジカルボン酸、ホウ酸、ベンゼンスルホン酸、トルエ
ンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アルキルナフタ
レンスルホン酸、ポリアクリル酸及びその共重合体、ポ
リビニルホスホン酸及びその共重合体、ポリビニルスル
ホン酸及びその共重合体、5−ニトロナフタレン−1−
ホスホン酸、4−クロロフェノキシメチルホスホン酸、
ナトリウムフェニル−メチル−ピラゾロンスルホネー
ト、2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4、
1−ホスホノエタントリカルボン酸−1,2,2、1−
ヒドロキシエタン−1,1−ジスルホン酸)を添加する
ことが出来る。これらの添加剤の添加量はその使用対象
目的によって異なるが、一般には感光性組成物の全固形
分に対して、0.5〜30重量%である。
【0018】感光性組成物は本発明の塗布溶剤に溶解
し、親水性表面を有する支持体上に乾燥塗布重量が0.3
〜5.0g/m2 となる様に、好ましくは0.5〜3.5g/
2 となる様に塗布し乾燥して、感光性平版印刷版を得
ることができる。塗布する際の感光性組成物の固形分濃
度は1.0〜50重量%が適当であり、好ましくは2.0〜
30重量%が適当である。支持体上に感光性組成物を塗
布する方法としては従来公知の方法、たとえばロールコ
ーティング、バーコーティング、スプレーコーティン
グ、カーテンコーティング、回転塗布等の方法を用いる
ことができる。塗布された感光性組成物溶液は50〜1
50℃で乾燥させるのが好ましい。乾燥方法は、始め温
度を低くして予備乾燥した後高温で乾燥させても良い
し、直接高温度で乾燥させても良い。本発明の感光性組
成物を施すのに適した支持体は、寸度的に安定な板状物
である。かかる寸度的に安定な板状物としては、従来印
刷版の支持体として使用された物が含まれる。これらの
支持体のうち、アルミニウム板は寸度的に著しく安定で
あり、しかも安価であるので特に好ましい。アルミニウ
ム板のうちでも、粗面化したアルミニウム板がより好ま
しく、これは種々の方法で製造することができる。たと
えばワイヤブラシグレイニング、研磨粒子のスラリーを
注ぎながらナイロンブラシで粗面化するブラシグレイニ
ング、ボールグレイニング、ケミカルグレイニング、電
解グレイニングやこれらの粗面化法を複合させた複合グ
レイニングによって表面を砂目立てする。次に必要に応
じて硫酸、りん酸、しゅう酸、ホウ酸、クロム酸、スル
ファミン酸、またはこれらの混酸中で直流または交流電
解にて陽極酸化を行いアルミニウム表面に強固な不動体
皮膜を設けることが好ましい。この様な不動体皮膜自体
でアルミニウム表面は親水化されるが、さらに必要に応
じて米国特許第2,714,066号や米国特許第3,181,
461号に記載されている珪酸塩処理(ケイ酸ナトリウ
ム、ケイ酸カリウム)、米国特許第2,946,638号に
記載されている弗化ジルコニウム酸カリウム処理、米国
特許第3,201,274号に記載さているホスホモリブデ
ート処理、独国特許第1,091,433号に記載されてい
るポリアクリル酸処理、独国特許第1,134,093号や
英国特許第1,230,447号に記載されているポリビニ
ルホスホン酸処理、特公昭44−6409号公報に記載
されているホスホン酸処理、米国特許第3,307,951
号に記載されているフイチン酸処理、特開昭58−16
893号や特開昭58−18291号の各公報に記載さ
れている親水性有機高分子と2価の金属イオンとの錯体
による下塗処理や特開昭59−101651号公報に記
載されているスルホン酸基を有する水溶性重合体の下塗
りによって親水化処理を行ったものが特に好ましい。そ
の他の親水化処理方法としては米国特許第3,658,66
2号に記載されているシリケート電着もあげることが出
来る。
【0019】粗面化されたアルミニウム板上に塗布され
乾燥された感光性組成物層を有する感光性平版印刷版
は、画像露光後アルカリ水溶液系現像液で現像すること
により原画に対してネガのレリーフ像が得られる。露光
に好適な光源としては、カーボンアーク灯、水銀灯、キ
セノンランプ、メタルハライドランプ、ストロボ、紫外
線レーザ光線などがあげられる。上記感光性平版印刷版
に使用されるアルカリ水溶液系現像液とは、pH=8〜
13、水が75重量%以上含まれるものをいい、必要によ
り少量の有機溶剤、界面活性剤、アルカリ剤、汚れ防止
剤、硬水軟化剤等を加えることができる。例えば、特開
昭51−77401号、同51−80228号、同53
−44202号、同55−52054号の各公報に記載
されている様な現像液であって、水に対する溶解度が常
温で10重量%以下の有機溶媒(ベンジルアルコール、
エチレングリコールモノフェニルエーテル等)、アルカ
リ剤(トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モ
ノエタノールアミン、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム等)、アニオン界面活性剤(芳香族スルホン酸塩、ジ
アルキルスルホコハク酸塩、アルキルナフタレンスルホ
ン酸塩、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩等)、ノニ
オン界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマ
ー等)、水および必要により汚れ防止剤(亜硫酸ナトリ
ウム、スルホピラゾロンのナトリウム塩等)や硬水軟化
剤(エチレンジアミンテトラ酢酸四ナトリウム塩、ニト
リロ三酢酸三ナトリウム塩等)から選ばれた化合物を混
合溶解してなる弱アルカリ水溶液である。
【0020】
【発明の効果】本発明の感光性平版印刷版は、アルカリ
現像可能で、かつ良好な経時安定性を有する。したがっ
て、経時した後に製版し印刷しても非画像部が地汚れし
ない。
【0021】
【実施例】次に実施例により本発明を説明する。 実施例1 アルミニウム板をリン酸ソーダ水溶液に浸して脱脂し、
ブラシによる研磨を行った後、電解エッチング、次いで
硫酸中で陽極酸化し、更にケイ酸ソーダ水溶液に浸して
親水化処理した。この親水化処理したアルミニウム板に
次の感光性組成物を塗布し、感光性平版印刷版を得た。
乾燥後の塗布量は1.5g/m2 であった。 感光性組成物 ジアゾ樹脂−1 0.50g 結合剤−1 5.00g 染料−1 0.15g スチライトHS−2(大同工業(株)製) 0.10g トリクレジルホスフェート 0.50g 亜リン酸 0.10g FC−430(3M社製界面活性剤) 0.05g 溶剤 1−メトキシ−2−プロパノール 25.00g 乳酸メチル 12.00g メタノール 30.00g メチルエチルケトン 30.00g 水 3.00g
【0022】ジアゾ樹脂−1は、特開昭59−7834
0号公報の合成例−1に記載のp−ジアゾジフェニルア
ミンとパラホルムアルデヒドとの縮合物のヘキサフルオ
ロリン酸塩である。結合剤−1は、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート/アクリロニトリル/メチルメタクリ
レート/メタクリル酸共重合体(重量比50/20/2
6/4、重量平均分子量75,000、酸含量0.4meq/g)の
水不溶性、アルカリ水可溶性の皮膜形成性高分子であ
る。染料−1はクリスタルバイレット(トリアリ−ルメ
タン系染料)とブチルナフタレンスルホン酸Naとを水
溶液中で反応させ、沈澱として得た染料である。この感
光性平版印刷版を45℃/80%の高温多湿条件に5日
間経時(以下、サーモ5日と称する)し画像露光し、8
00H(富士写真フィルム(株)製自動現像機)で、D
N−3C(富士写真フィルム(株)製アルカリ水溶液系
現像液)を水で1:1に希釈した液にて現像し、直ちに
FN−2(富士写真フィルム(株)製ガム液)を水で
1:1に希釈した液を塗り、乾燥した。この印刷版を翌
日、ハリスオーレリア印刷機(ハリスコーポレーション
製)により、6,000枚/時のスピードで500枚印刷
したところ、非画像部に地汚れがなく(以下、地汚れ無
と称する)良好な印刷物が得られた。
【0023】実施例2〜10 表1に実施例−1のジアゾ樹脂、結合剤及び溶剤を用い
て、染料にはビクトリアピュアブルーBOH(トリアリ
ールメタン系塩基性染料)の種々の塩を用いた場合のサ
ーモ5日の地汚れを示した。
【0024】
【表1】 実施例11〜14 表2に実施例−1の溶剤及び染料を用いて、種々のジア
ゾ樹脂、結合剤を用いた場合のサーモ5日の地汚れを示
した。
【0025】
【表2】 ─────────────────────────── 実施例 ジアゾ樹脂 結合剤 サーモ5日 の地汚れ ─────────────────────────── 11 −2 −1 無 12 −3 −1 無 13 −1 −2 無 14 −1 −3 無 ─────────────────────────── ジアゾ樹脂−2は、p−ジアゾジフェニルアミンとパラ
ホルムアルデヒドとの縮合物のn−ドデシルベンゼンス
ルホン酸塩である。ジアゾ樹脂−3は、p−ジアゾジフ
ェニルアミンとパラホルムアルデヒドとの縮合物の2−
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホ
ン酸塩である。結合剤−2は、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート/アクリロニトリル/エチルメタクリレー
ト/メタクリル酸共重合体(重量比45/15/36/
4、重量平均分子量75,000、酸含量0.4meq/g )の
水不溶性、アルカリ水可溶性の皮膜形成性高分子であ
る。結合剤−3は、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト/アクリロニトリル/ベンジルメタクリレート/メタ
クリル酸共重合体(重量比36/40/20/4、重量
平均分子量65,000、酸含量0.4meq/g )の水不溶
性、アルカリ水可溶性の皮膜形成性高分子である。
【0026】実施例15〜24 表3に実施例−1のジアゾ樹脂、結合剤及び染料を用い
て、各種溶剤を用いた場合のサーモ5日の地汚れを示し
た。
【0027】
【表3】 ──────────────────────────────────── 実施例 1-メトキシ- 乳酸メチル 極 性 溶 剤 水 その他 サーモ5日 2-フ゜ロハ゜ノール 地汚れ (g) (g) (g) (g)(g) ──────────────────────────────────── 15 10 12 メタノール 30 3 − 無 メチルエチルケトン45 16 35 12 メタノール 30 3 − 無 メチルエチルケトン20 17 25 5 メタノール 30 3 − 無 メチルエチルケトン37 18 25 18 メタノール 30 3 − 無 メチルエチルケトン24 19 25 12 メタノール 30 3 − 無 塩化エチレン30 20 10 12 メタノール 30 3 − 無 酢酸エチル 30 21 10 12 メタノール 30 3 − 無 テトロヒドロフラン30 22 25 12 メタノール 30 3 MDG 1 無 メチルエチルケトン29 23 25 12 メタノール 30 3 γ-BL 1 無 メチルエチルケトン29 24 25 12 メタノール 30 3 DMSO 1 無 メチルエチルケトン29 ──────────────────────────────────── MDG : ジエチレングリコールモノメチルエーテル γ-BL: γ−ブチロラクトン DMSO : ジメチルスルホキシド
【0028】比較例1〜11 表4に実施例−1の結合剤、ジアゾ樹脂を用い、本発明
以外の染料を用いた場合及び本発明以外の溶剤組成を用
いた場合のサーモ5日の地汚れを示した。
【表4】 ──────────────────────────────────── 比較例 染 料 溶 剤 組 成 サーモ5日の (g) 地汚れ ──────────────────────────────────── 1 ビクトリアピュア 1−メトキシ−2−プロパノール 25 有 ブルーBOH 乳酸メチル 12 (対イオンは メタノール 30 塩素アニオン) メチルエチルケトン 30 水 3 2 ビクトリアピュア 1−メトキシ−2−プロパノール 25 有 ブルー(対イオン 乳酸メチル 12 はベンゼンスルホ メタノール 30 ナート) メチルエチルケトン 30 水 3 3 ビクトリアピュア メチルセロソルブ 37 有 ブルー(対イオン メタノール 30 は1−ナフタレン メチルエチルケトン 30 スルホナート) 水 3 4 同 上 1−メトキシ−2−プロパノール 25 有 メチルセロソルブ 12 メタノール 30 メチルエチルケトン 30 水 3 5 同 上 乳酸メチル 12 有 メチルセロソルブ 25 メタノール 30 メチルエチルケトン 30 水 3 6 同 上 1−メトキシ−2−プロパノール 3 少し有 乳酸メチル 12 メタノール 40 メチルエチルケトン 42 水 3 7 同 上 1−メトキシ−2−プロパノール 45 少し有 乳酸メチル 12 メタノール 20 メチルエチルケトン 20 水 3 8 同 上 1−メトキシ−2−プロパノール 25 少し有 乳酸メチル 1 メタノール 30 メチルエチルケトン 41 水 3 9 同 上 1−メトキシ−2−プロパノール 25 有 乳酸メチル 35 (現像不良 メタノール 20 が発生) メチルエチルケトン 17 水 3 10 同 上 メチルセロソルブ 50 有 1−メトキシ−2−プロパノール 47 水 3 11 同 上 メチルセロソルブ 50 有 乳酸メチル 47 水 3 ──────────────────────────────────── 以上の実施例から明らかな様に、本発明により製造され
た感光性平版印刷版は経時による非画像部の汚れが大幅
に改良されたものであることが理解できる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジアゾ樹脂と結合剤及び塩基性染料カチ
    オンとアニオンとの塩であって、該アニオンが該カチオ
    ンとイオン結合するスルホン酸基を有する炭素数9以上
    の有機アニオンである染料を含有する感光性組成物を、 (a)1−メトキシ−2−プロパノール:5〜40重量
    % (b)乳酸メチル:2〜20重量% を含む塗布溶剤に溶解し、親水性表面を有する支持体に
    塗布し乾燥することを特徴とするネガ型感光性平版印刷
    版の製造方法。
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