JP2938629B2 - コンクリート離型剤 - Google Patents
コンクリート離型剤Info
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- JP2938629B2 JP2938629B2 JP23274391A JP23274391A JP2938629B2 JP 2938629 B2 JP2938629 B2 JP 2938629B2 JP 23274391 A JP23274391 A JP 23274391A JP 23274391 A JP23274391 A JP 23274391A JP 2938629 B2 JP2938629 B2 JP 2938629B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、各種コンクリート工事
並びにコンクリート成型品の製造に於て使用される型枠
に対する脱型を容易にするために、型枠に対して塗布し
て利用されるコンクリート離型剤に関する。
並びにコンクリート成型品の製造に於て使用される型枠
に対する脱型を容易にするために、型枠に対して塗布し
て利用されるコンクリート離型剤に関する。
【０００２】
【従来の技術】コンクリート離型剤の性能としては、コ
ンクリート面の型枠からの脱型の容易さが然ることなが
ら、仕上がりの表面の美観を損なわないこと及び金型枠
に発錆が見られないこと等も要求される。従来、コンク
リート離型剤は鉱物油を単独、或は鉱物油をベースに脂
肪酸や動植物油等の混合油が使用されている〔例えば潤
滑，1982，（６）17参照〕。
ンクリート面の型枠からの脱型の容易さが然ることなが
ら、仕上がりの表面の美観を損なわないこと及び金型枠
に発錆が見られないこと等も要求される。従来、コンク
リート離型剤は鉱物油を単独、或は鉱物油をベースに脂
肪酸や動植物油等の混合油が使用されている〔例えば潤
滑，1982，（６）17参照〕。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
鉱物油、或は鉱物油をベースとする離型剤は、剥離性が
充分ではなく、型枠からのコンクリートの脱型が困難で
あり、脱型後の型枠にコンクリートの付着が多く、コン
クリート表面の平滑性が劣り、表面美観の低下を招いて
いる。従って、型枠へ付着したコンクリートの清掃やコ
ンクリート表面の補修等の作業が必要となり、作業効率
の低下が問題となっている。
鉱物油、或は鉱物油をベースとする離型剤は、剥離性が
充分ではなく、型枠からのコンクリートの脱型が困難で
あり、脱型後の型枠にコンクリートの付着が多く、コン
クリート表面の平滑性が劣り、表面美観の低下を招いて
いる。従って、型枠へ付着したコンクリートの清掃やコ
ンクリート表面の補修等の作業が必要となり、作業効率
の低下が問題となっている。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記問題点を
鑑み、剥離性に優れた離型剤を得るために鋭意検討を行
い、本発明を完成するに至った。本発明者等は一般の油
性離型剤を用いた場合は型枠へのコンクリート打設やバ
イブレーターによる物理的な衝撃や振動で離型剤が型枠
から剥がれてしまい剥離剤が型枠に残らないことによ
り、剥離性の低下が生じることを見出した。そこで、本
発明者等は金属型枠に対する油成分の吸着力を高めるた
めの化学的な吸着力に着目し、本発明を完成するに至っ
たものである。即ち本発明は、リン脂質及びソルビタン
脂肪酸エステル又はそのエチレンオキサイド付加物を含
有する鉱油系溶剤からなるコンクリート離型剤に関する
ものである。
鑑み、剥離性に優れた離型剤を得るために鋭意検討を行
い、本発明を完成するに至った。本発明者等は一般の油
性離型剤を用いた場合は型枠へのコンクリート打設やバ
イブレーターによる物理的な衝撃や振動で離型剤が型枠
から剥がれてしまい剥離剤が型枠に残らないことによ
り、剥離性の低下が生じることを見出した。そこで、本
発明者等は金属型枠に対する油成分の吸着力を高めるた
めの化学的な吸着力に着目し、本発明を完成するに至っ
たものである。即ち本発明は、リン脂質及びソルビタン
脂肪酸エステル又はそのエチレンオキサイド付加物を含
有する鉱油系溶剤からなるコンクリート離型剤に関する
ものである。
【０００５】ここでいうリン脂質とはフォスファチジル
コリン、フォスファチジルエタノールアミン等をいい、
大豆或は卵黄から抽出或は精製して得られるレシチンが
代表的なものである。このリン脂質とソルビタン脂肪酸
エステルを鉱油に混合して離型剤にすると、リン脂質が
金属型枠に強固に吸着し、このリン脂質の介在により型
枠への鉱油の吸着力が高まり剥離性が著しく向上するこ
とを見出した。また、ソルビタン脂肪酸エステルは鉱油
に難溶のリン脂質の溶解性を向上させ、均一で安定な離
型剤が得られることを見出した。本発明に用いるリン脂
質は前述したようにフォスファチジルコリン、フォスフ
ァチジルエタノールアミン等をいい、代表的なものは大
豆或は卵黄から得られる天然レシチンで、抽出法や精製
法について特に限定するものではない。また、本発明に
用いるソルビタン脂肪酸エステルはアルキル基又はアル
ケニル基の炭素数が12〜18の飽和及び不飽和脂肪酸のモ
ノエステル、ジエステル、トリエステルである。エチレ
ンオキサイド付加モル数は、溶解性の点から15モル以下
が好ましい。ソルビタン脂肪酸エステル又はそのエチレ
ンオキサイド付加物の一例を挙げれば、ソルビタンモノ
ラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンジオ
レート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート
（エチレンオキサイド付加モル数１〜15モル）等で、こ
れらの一種又は二種以上の使用が可能である。
コリン、フォスファチジルエタノールアミン等をいい、
大豆或は卵黄から抽出或は精製して得られるレシチンが
代表的なものである。このリン脂質とソルビタン脂肪酸
エステルを鉱油に混合して離型剤にすると、リン脂質が
金属型枠に強固に吸着し、このリン脂質の介在により型
枠への鉱油の吸着力が高まり剥離性が著しく向上するこ
とを見出した。また、ソルビタン脂肪酸エステルは鉱油
に難溶のリン脂質の溶解性を向上させ、均一で安定な離
型剤が得られることを見出した。本発明に用いるリン脂
質は前述したようにフォスファチジルコリン、フォスフ
ァチジルエタノールアミン等をいい、代表的なものは大
豆或は卵黄から得られる天然レシチンで、抽出法や精製
法について特に限定するものではない。また、本発明に
用いるソルビタン脂肪酸エステルはアルキル基又はアル
ケニル基の炭素数が12〜18の飽和及び不飽和脂肪酸のモ
ノエステル、ジエステル、トリエステルである。エチレ
ンオキサイド付加モル数は、溶解性の点から15モル以下
が好ましい。ソルビタン脂肪酸エステル又はそのエチレ
ンオキサイド付加物の一例を挙げれば、ソルビタンモノ
ラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンジオ
レート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート
（エチレンオキサイド付加モル数１〜15モル）等で、こ
れらの一種又は二種以上の使用が可能である。
【０００６】また本発明者は、鉱油系溶剤に対する含有
量としてリン脂質２〜10重量％、ソルビタン脂肪酸エス
テル又はそのエチレンオキサイド付加物0.2〜５重量％
の範囲が極めて剥離性に優れた効果を発現することを見
出した。これらの上限を超えると経済的に不利になり、
また下限を下回ると剥離性や製品安定性に充分な効果が
得られない。本発明に用いる鉱油は、スピンドル油、マ
シン油、トランス油、シリコン油等で特に限定するもの
ではない。
量としてリン脂質２〜10重量％、ソルビタン脂肪酸エス
テル又はそのエチレンオキサイド付加物0.2〜５重量％
の範囲が極めて剥離性に優れた効果を発現することを見
出した。これらの上限を超えると経済的に不利になり、
また下限を下回ると剥離性や製品安定性に充分な効果が
得られない。本発明に用いる鉱油は、スピンドル油、マ
シン油、トランス油、シリコン油等で特に限定するもの
ではない。
【０００７】本発明の離型剤の型枠への塗布方法は、モ
ップ塗りやスプレーによる塗布方法等が適当であるが、
これらに限定するものではなく、いずれの方法でも可能
であり、金属以外の型枠に於ても使用することができ
る。本発明の剥離剤を使用するコンクリートは、土木、
建築、二次製品等に限定するものではなく、型枠を使用
する凡てのコンクリートが対象となる。コンクリートの
種類についても同様で、ゼロスランプの超硬練りコンク
リートから高流動コンクリート、例えば高流動・不分離
コンクリート等の無振動コンクリートまで、広範に使用
することができる。
ップ塗りやスプレーによる塗布方法等が適当であるが、
これらに限定するものではなく、いずれの方法でも可能
であり、金属以外の型枠に於ても使用することができ
る。本発明の剥離剤を使用するコンクリートは、土木、
建築、二次製品等に限定するものではなく、型枠を使用
する凡てのコンクリートが対象となる。コンクリートの
種類についても同様で、ゼロスランプの超硬練りコンク
リートから高流動コンクリート、例えば高流動・不分離
コンクリート等の無振動コンクリートまで、広範に使用
することができる。
【０００８】従って、コンクリートの配合条件、材料に
ついても限定するものではなく、各種の混和材（剤）、
例えばフライアッシュ、スラグ、シリカフューム、高性
能減水剤、ＡＥ（空気連行）剤、ＡＥ減水剤、気泡剤、
遅延剤、早強剤、水溶性高分子、ヒビワレ低減剤、徐放
性分散剤等を含むコンクリートが対象となる。
ついても限定するものではなく、各種の混和材（剤）、
例えばフライアッシュ、スラグ、シリカフューム、高性
能減水剤、ＡＥ（空気連行）剤、ＡＥ減水剤、気泡剤、
遅延剤、早強剤、水溶性高分子、ヒビワレ低減剤、徐放
性分散剤等を含むコンクリートが対象となる。
【０００９】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施
例に使用した本発明の離型剤と比較離型剤の内容と、溶
解状態の性状を表１に示す。
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施
例に使用した本発明の離型剤と比較離型剤の内容と、溶
解状態の性状を表１に示す。
【００１０】
【表１】
【００１１】実施例に使用したコンクリートの配合組成
を表２に示す。
を表２に示す。
【００１２】
【表２】
【００１３】* ；対セメント重量％コンクリートの配合条件 セメント（Ｃ）； 普通ポルトランドセメント 比重＝3.16 水（Ｗ） ； 水道水 砂（Ｓ） ； 紀の川産川砂 比重＝2.58 砂利（Ｇ） ； 宝塚産砕石 比重＝2.60 ｓ／ａ ； 砂／（砂＋砂利） 混和剤 ； ナフタレン系高性能減水剤 〔商品名； マイテイ150 、花王（株）製〕コンクリートの調整 100 ｌ練り強制ミキサー〔太平洋金属（株）製〕で、全
材料を投入して３分間混合した。コンクリートの流動性 JIS A 1101法に準じてスランプ（cm値）を測定した結
果、8.5cm であった。
材料を投入して３分間混合した。コンクリートの流動性 JIS A 1101法に準じてスランプ（cm値）を測定した結
果、8.5cm であった。
【００１４】コンクリートの剥離性（型枠の汚れ）と表
面状態（表面美観）の測定は、下記の方法に従った。評価試験方法 縦10cm×横10cm×高さ30cmの鉄製型枠に本発明の離型剤
又は表１に示す比較離型剤をスプレーにより２〜４ml塗
布する。次に型枠に表２に示す配合のコンクリートを打
設するが、打設時に 3000vpmのテーブルバイブレーター
にて30秒間振動を行い、充填した。打設２日後脱型し、
剥離性（型枠の汚れ）と脱型したコンクリートの表面の
状態を観察する。 ・ 脱型型枠面のコンクリートの付着の状態を肉眼で観
察し、以下の５段階の評価で判定した。 〔判定基準〕 ×× ； 型枠全面に厚く付着 × ； 部分的に厚く付着 △ ； 型枠全面に薄く付着 ○ ； 部分的に薄く付着 ◎ ； 付着殆どなし ・ コンクリートの表面状態の測定 横10cm、高さ20cmの200cm2中の表面空隙（平滑性がな
く、表面が剥離しているものも含む）２mm以上の個数を
測定した。
面状態（表面美観）の測定は、下記の方法に従った。評価試験方法 縦10cm×横10cm×高さ30cmの鉄製型枠に本発明の離型剤
又は表１に示す比較離型剤をスプレーにより２〜４ml塗
布する。次に型枠に表２に示す配合のコンクリートを打
設するが、打設時に 3000vpmのテーブルバイブレーター
にて30秒間振動を行い、充填した。打設２日後脱型し、
剥離性（型枠の汚れ）と脱型したコンクリートの表面の
状態を観察する。 ・ 脱型型枠面のコンクリートの付着の状態を肉眼で観
察し、以下の５段階の評価で判定した。 〔判定基準〕 ×× ； 型枠全面に厚く付着 × ； 部分的に厚く付着 △ ； 型枠全面に薄く付着 ○ ； 部分的に薄く付着 ◎ ； 付着殆どなし ・ コンクリートの表面状態の測定 横10cm、高さ20cmの200cm2中の表面空隙（平滑性がな
く、表面が剥離しているものも含む）２mm以上の個数を
測定した。
【００１５】剥離性（型枠の汚れ）と脱型したコンクリ
ートの表面美観の結果を表３に示す。
ートの表面美観の結果を表３に示す。
【００１６】
【表３】
【００１７】* ；混合物が二層分離していることから、
均一な離型膜ができない。表１の結果より、本発明品は
相溶性が良く、均質な離型剤であることが判り、又表３
の結果より、本発明品の離型剤は比較品に比べて、剥離
性（型枠の汚れが少ない）と、それに伴うコンクリート
表面の空隙が少なく、優れた離型剤であることが判る。
均一な離型膜ができない。表１の結果より、本発明品は
相溶性が良く、均質な離型剤であることが判り、又表３
の結果より、本発明品の離型剤は比較品に比べて、剥離
性（型枠の汚れが少ない）と、それに伴うコンクリート
表面の空隙が少なく、優れた離型剤であることが判る。
【００１８】
【発明の効果】本発明の離型剤は剥離性に優れた効果を
示し、又脱型後の型枠の汚れが少なく、しかもコンクリ
ート表面が平滑に仕上がることから、型枠清掃や製品の
補修が解消される。また、型枠への吸着力が強いことか
ら、防錆効果も期待できる。
示し、又脱型後の型枠の汚れが少なく、しかもコンクリ
ート表面が平滑に仕上がることから、型枠清掃や製品の
補修が解消される。また、型枠への吸着力が強いことか
ら、防錆効果も期待できる。
Claims (3)
- 【請求項１】 リン脂質及びソルビタン脂肪酸エステル
又はそのエチレンオキサイド付加物を含有する鉱油系溶
剤からなるコンクリート離型剤。 - 【請求項２】 鉱油系溶剤に対する含有量がリン脂質２
〜10重量％、ソルビタン脂肪酸エステル又はそのエチレ
ンオキサイド付加物 0.2〜５重量％である請求項１記載
のコンクリート離型剤。 - 【請求項３】 リン脂質がレシチンである請求項１又は
２記載のコンクリート離型剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23274391A JP2938629B2 (ja) | 1991-09-12 | 1991-09-12 | コンクリート離型剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23274391A JP2938629B2 (ja) | 1991-09-12 | 1991-09-12 | コンクリート離型剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0569428A JPH0569428A (ja) | 1993-03-23 |
| JP2938629B2 true JP2938629B2 (ja) | 1999-08-23 |
Family
ID=16944071
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23274391A Expired - Fee Related JP2938629B2 (ja) | 1991-09-12 | 1991-09-12 | コンクリート離型剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2938629B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3416580B2 (ja) | 1999-07-13 | 2003-06-16 | 松下電器産業株式会社 | 固体撮像装置、これを用いたカメラ、および固体撮像装置の製造方法 |
| KR100753585B1 (ko) * | 2003-11-03 | 2007-08-30 | 삼부토건주식회사 | 콘크리트 성형품의 제조방법 및 이에 이용되는 부가형이형용 코팅제 조성물 |
| US8709534B2 (en) * | 2008-05-30 | 2014-04-29 | Construction Research & Technology Gmbh | Formwork release composition and use thereof |
-
1991
- 1991-09-12 JP JP23274391A patent/JP2938629B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0569428A (ja) | 1993-03-23 |
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