JP2938209B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents
難燃性樹脂組成物Info
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- JP2938209B2 JP2938209B2 JP8090891A JP8090891A JP2938209B2 JP 2938209 B2 JP2938209 B2 JP 2938209B2 JP 8090891 A JP8090891 A JP 8090891A JP 8090891 A JP8090891 A JP 8090891A JP 2938209 B2 JP2938209 B2 JP 2938209B2
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- Japan
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- weight
- parts
- polyethylene
- resin
- flame retardant
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シート成形可能で耐衝
撃性、耐振動疲労特性に優れたポリエチレン・ポリプロ
ピレン複合難燃性樹脂組成物に関する。
撃性、耐振動疲労特性に優れたポリエチレン・ポリプロ
ピレン複合難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンやポリプロピレンの難燃化
方法は、数々提案されている。例えば燃焼時のドリップ
性が要求される場合には、塩素系の難燃剤が用いられた
り、ポリエチレン単体には、相容性が良いので塩素化ポ
リエチレンで高い難燃性を与える事が可能である。ポリ
プロピレン単体の難燃化も臭素系難燃剤と三酸化アンチ
モンの併用が有効な手段として取られている。またポリ
エチレンやポリプロピレンの難燃化剤としてトリス
(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートを添加
する方法も知られている。
方法は、数々提案されている。例えば燃焼時のドリップ
性が要求される場合には、塩素系の難燃剤が用いられた
り、ポリエチレン単体には、相容性が良いので塩素化ポ
リエチレンで高い難燃性を与える事が可能である。ポリ
プロピレン単体の難燃化も臭素系難燃剤と三酸化アンチ
モンの併用が有効な手段として取られている。またポリ
エチレンやポリプロピレンの難燃化剤としてトリス
(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートを添加
する方法も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリエチレンとポリプ
ロピレンの複合樹脂の難燃化の場合は上記の単一な難燃
剤で有効なものが少なく、あっても配合量が多くなるた
め組成物の機械的特性を損なう場合が多い。更にメルト
フローレートの低いポリエチレン・ポリプロピレン複合
樹脂の場合は燃焼時の火垂れ現象が少ないし、火垂れし
ても残試験片に着火状態が続き難燃化が難しい。本発明
は、UL94V−2で規定する難燃性を与え、機械特性
を低下させず、耐衝撃性、特に耐寒衝撃性、耐振動疲労
特性に優れたメルトフローレートの低いポリエチレン・
ポリプロピレン複合・難燃性樹脂組成物を提供すること
を目的とする。
ロピレンの複合樹脂の難燃化の場合は上記の単一な難燃
剤で有効なものが少なく、あっても配合量が多くなるた
め組成物の機械的特性を損なう場合が多い。更にメルト
フローレートの低いポリエチレン・ポリプロピレン複合
樹脂の場合は燃焼時の火垂れ現象が少ないし、火垂れし
ても残試験片に着火状態が続き難燃化が難しい。本発明
は、UL94V−2で規定する難燃性を与え、機械特性
を低下させず、耐衝撃性、特に耐寒衝撃性、耐振動疲労
特性に優れたメルトフローレートの低いポリエチレン・
ポリプロピレン複合・難燃性樹脂組成物を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はポリエチレン・
ポリプロン複合樹脂、特にそのメルトフローレートの低
い複合樹脂の難燃化について研究した結果各種の添加剤
を特定量組合せることが有効であることの発見にもとず
くものである。即ち、本発明はポリエチレン系樹脂とポ
リプロピレン系樹脂との重量比が10/90〜60/4
0でメルトフローレートが0.2〜3.0g/10分
(230℃)の複合樹脂100重量部、トリス(2,3
−ジブロモプロピル)イソシアヌレート20〜40重量
部、塩素化ポリエチレン5〜25重量部、三酸化アンチ
モン10〜35重量部、及び望ましくはこれらとさらに
安定剤0.5〜5重量部からなる難燃性ポリエチレン・
ポリプロピレン複合樹脂組成物である。
ポリプロン複合樹脂、特にそのメルトフローレートの低
い複合樹脂の難燃化について研究した結果各種の添加剤
を特定量組合せることが有効であることの発見にもとず
くものである。即ち、本発明はポリエチレン系樹脂とポ
リプロピレン系樹脂との重量比が10/90〜60/4
0でメルトフローレートが0.2〜3.0g/10分
(230℃)の複合樹脂100重量部、トリス(2,3
−ジブロモプロピル)イソシアヌレート20〜40重量
部、塩素化ポリエチレン5〜25重量部、三酸化アンチ
モン10〜35重量部、及び望ましくはこれらとさらに
安定剤0.5〜5重量部からなる難燃性ポリエチレン・
ポリプロピレン複合樹脂組成物である。
【0005】本発明においてポリエチレン系樹脂とはポ
リエチレン樹脂又はエチレンと他のα−オレフィンとの
共重合体である。ポリエチレン樹脂は密度が0.930
g/cm2 以上の中密度、及び高密度ポリエチレンが好ま
しい。共重合体の場合、他のα−オレフィンとしてはプ
ロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1などであり、これ
らの共重合割合は10モル%以下が好ましい。プロピレ
ン系樹脂はホモ重合ポリプレン樹脂、又はプロピレンと
エチレンとの共重合体であり、その共重合割合は20モ
ル%以下が好ましい。
リエチレン樹脂又はエチレンと他のα−オレフィンとの
共重合体である。ポリエチレン樹脂は密度が0.930
g/cm2 以上の中密度、及び高密度ポリエチレンが好ま
しい。共重合体の場合、他のα−オレフィンとしてはプ
ロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1などであり、これ
らの共重合割合は10モル%以下が好ましい。プロピレ
ン系樹脂はホモ重合ポリプレン樹脂、又はプロピレンと
エチレンとの共重合体であり、その共重合割合は20モ
ル%以下が好ましい。
【0006】ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹
脂の組成割合は重量比で10/90〜60/40(ポリ
エチレン系樹脂が10〜60重量%、ポリプロピレン系
樹脂90〜40重量%)である。ポリエチレン系樹脂が
10重量%未満では本発明の組成物を用いた成形品の耐
衝撃値が悪くなる。一方60重量%を超えると成形品の
耐振動疲労特性の低下を来たす。この両者の組成物はメ
ルトフローレート(MFRと略記)が0.2〜3.0g
/10分である。MFRが0.2未満では成形性が悪
く、成形の吐出量が下がるばかりでなく成形品の外観も
悪くなる。また3.0を超えるとシート成形の場合安定
した肉厚のシートが成形しにくい。
脂の組成割合は重量比で10/90〜60/40(ポリ
エチレン系樹脂が10〜60重量%、ポリプロピレン系
樹脂90〜40重量%)である。ポリエチレン系樹脂が
10重量%未満では本発明の組成物を用いた成形品の耐
衝撃値が悪くなる。一方60重量%を超えると成形品の
耐振動疲労特性の低下を来たす。この両者の組成物はメ
ルトフローレート(MFRと略記)が0.2〜3.0g
/10分である。MFRが0.2未満では成形性が悪
く、成形の吐出量が下がるばかりでなく成形品の外観も
悪くなる。また3.0を超えるとシート成形の場合安定
した肉厚のシートが成形しにくい。
【0007】本発明は上記組成物100重量部にトリス
(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート20〜
40重量部、好適には25〜35重量部、塩素化ポリエ
チレン5〜25重量部、三酸化アンチモン10〜35重
量部を混合使用する。トリス(2,3−ジブロモプロピ
ル)イソシアヌレートが5重量部未満の場合は、難燃性
を与える効果が少なく40重量部を超えると衝撃強度の
低下が大きくなるので好ましくない。
(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート20〜
40重量部、好適には25〜35重量部、塩素化ポリエ
チレン5〜25重量部、三酸化アンチモン10〜35重
量部を混合使用する。トリス(2,3−ジブロモプロピ
ル)イソシアヌレートが5重量部未満の場合は、難燃性
を与える効果が少なく40重量部を超えると衝撃強度の
低下が大きくなるので好ましくない。
【0008】塩素化ポリエチレンを入れることで本発明
に供するメルトフローレートの低いポリエチレン・ポリ
プロピレン複合樹脂には、燃焼時溶融滴下をして自己消
火させる効果が出現する。塩素化ポリエチレンの配合量
は5〜25重量部であり好適には10〜20重量部であ
る。5重量部未満では、難燃性を付与する効果が少なく
25重量部を超える場合には、押出成形加工性が悪くな
ると共に剛性の低下も大きくなる。
に供するメルトフローレートの低いポリエチレン・ポリ
プロピレン複合樹脂には、燃焼時溶融滴下をして自己消
火させる効果が出現する。塩素化ポリエチレンの配合量
は5〜25重量部であり好適には10〜20重量部であ
る。5重量部未満では、難燃性を付与する効果が少なく
25重量部を超える場合には、押出成形加工性が悪くな
ると共に剛性の低下も大きくなる。
【0009】三酸化アンチモンは少ないと難燃効果が不
十分であり、多過ぎると組成物の成形品の耐衝撃性が低
下することから10〜35重量部を配合するが、トリス
(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートと塩素
化ポリエチレンの合計配合量の1/3〜1/2の量が好
ましい。樹脂加工時の熱安定性及び成形加工品の機械特
性低下防止のため安定剤を0.5〜5重量部配合するこ
とが好ましい。安定剤としては、有機錫系化合物、鉛系
安定剤、無機塩類金属石ケン類等を使用できる。本発明
の組成物には必要に応じて酸化防止剤、滑剤、顔料等を
適当量添加することができる。
十分であり、多過ぎると組成物の成形品の耐衝撃性が低
下することから10〜35重量部を配合するが、トリス
(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートと塩素
化ポリエチレンの合計配合量の1/3〜1/2の量が好
ましい。樹脂加工時の熱安定性及び成形加工品の機械特
性低下防止のため安定剤を0.5〜5重量部配合するこ
とが好ましい。安定剤としては、有機錫系化合物、鉛系
安定剤、無機塩類金属石ケン類等を使用できる。本発明
の組成物には必要に応じて酸化防止剤、滑剤、顔料等を
適当量添加することができる。
【0010】以下に本発明の実施例と比較例を示す。実
施例と比較例にある測定項目に供した試料は各配合量を
ドライブレンドした後、50mm径の単軸押出機で押出し
造粒したものである。UL94V−2試験は該造粒物を
230℃で熱プレスした1.6mm厚シート品から試験片
を得た。アイゾット衝撃試験は上記と同じ方法で3.0
mm厚シート品から試験片を得た。
施例と比較例にある測定項目に供した試料は各配合量を
ドライブレンドした後、50mm径の単軸押出機で押出し
造粒したものである。UL94V−2試験は該造粒物を
230℃で熱プレスした1.6mm厚シート品から試験片
を得た。アイゾット衝撃試験は上記と同じ方法で3.0
mm厚シート品から試験片を得た。
【0011】尚、表1中に示した各成分は下記に示すと
うりである。 ポリエチレン樹脂 (商品名 ショウレックス S60
02,昭和電工(株)製) ポリプロピレン樹脂(商品名 ショウアロマー SK7
11,昭和電工(株)製) トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート
(商品名 AFR1002,旭ガラス(株)製) 塩素化ポリエチレン(商品記号 404B,昭和電工
(株)製) 三酸化アンチモン (三国精練(株)製) 安定剤(商品名 Stann BM,三協有機合成
(株)製) カーボンブラック (三菱化成(株)製)
うりである。 ポリエチレン樹脂 (商品名 ショウレックス S60
02,昭和電工(株)製) ポリプロピレン樹脂(商品名 ショウアロマー SK7
11,昭和電工(株)製) トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート
(商品名 AFR1002,旭ガラス(株)製) 塩素化ポリエチレン(商品記号 404B,昭和電工
(株)製) 三酸化アンチモン (三国精練(株)製) 安定剤(商品名 Stann BM,三協有機合成
(株)製) カーボンブラック (三菱化成(株)製)
【0012】
【表1】
【0013】
【発明の効果】本組成物は、トリス(2,3−ジブロモ
プロピル)イソシアヌレートと塩素化ポリエチレンと三
酸化アンチモンを特定量併用することにより、ポリエチ
レンとポリプロピレン複合樹脂でメルトフローレートの
低いものについて成形性と成形加工品の耐衝撃値及び振
動疲労特性を損なうことなく、UL94V−2の難燃性
を達成できる。
プロピル)イソシアヌレートと塩素化ポリエチレンと三
酸化アンチモンを特定量併用することにより、ポリエチ
レンとポリプロピレン複合樹脂でメルトフローレートの
低いものについて成形性と成形加工品の耐衝撃値及び振
動疲労特性を損なうことなく、UL94V−2の難燃性
を達成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5:3477) (C08L 23/10 23:04 23:28) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/04 - 23/14
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系
樹脂との重量比が10/90〜60/40でメルトフロ
ーレートが0.2〜3.0g/10分である複合樹脂1
00重量部、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソ
シアヌレート20〜40重量部、塩素化ポリエチレン5
〜25重量部、三酸化アンチモン10〜35重量部から
なる難燃性樹脂組成物。 - 【請求項2】 安定剤を0.5〜5重量部含む請求項1
記載の難燃性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8090891A JP2938209B2 (ja) | 1991-03-19 | 1991-03-19 | 難燃性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8090891A JP2938209B2 (ja) | 1991-03-19 | 1991-03-19 | 難燃性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04292645A JPH04292645A (ja) | 1992-10-16 |
JP2938209B2 true JP2938209B2 (ja) | 1999-08-23 |
Family
ID=13731482
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8090891A Expired - Lifetime JP2938209B2 (ja) | 1991-03-19 | 1991-03-19 | 難燃性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2938209B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20110160363A1 (en) * | 2008-08-29 | 2011-06-30 | Akzo Nobel N.V. | Flame retardant polyolefin composition |
-
1991
- 1991-03-19 JP JP8090891A patent/JP2938209B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04292645A (ja) | 1992-10-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19990511 |