JP2937647B2 - 高電圧検出回路 - Google Patents

高電圧検出回路

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高電圧検出回路に関し、
特に電源電圧以上の高電圧の入力を検出する回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図5は従来の高電圧検出回路を示す回路
図、図6は図5の回路において入力電圧が変化した時の
各接続点の動作を示す。
【0003】従来の高電圧検出回路は、図5に示すよう
に、ゲートとソースがVDDに接続されたN−chディ
プレッション(以下NMOS−Dと称す)トランジスタ
ND2と、ソースがGNDでありドレインとゲートがN
MOS−DトランジスタND2のドレインに接続された
NMOS−EトランジスタNE5と、ソースがVDDに
接続されゲートが入力(IN)端子に接続されたNMO
S−DトランジスタND1と、ソースがGNDでありゲ
ートがNMOS−EトランジスタNE5のゲートに接続
されドレインがNMOS−DトランジスタND1のドレ
インに接続されたNMOS−EトランジスタNE4から
成り、NMOS−EトランジスタNE4のドレインがイ
ンバータINV1,INV2を介して出力(OUT)端
子に接続されていて、NMOS−DトランジスタND2
のgm(以下gm2と称す)をNMOS−Dトランジス
タND1のgm(以下gm1と称す)よりも大きくする
事により、gm1とgm2との比、及びgm1とNMO
S−EトランジスタNE4とのgm(以下gm3と称
す)の比で決定される検出電圧(以下VH1と称す)が
決まる。
【0004】インバータINV1の論理しきい値をVD
D/2とすると、入力端子の電位がVH1を越えて「g
m1/(gm1+gm3)>1/2」を満足する時、図
6に示される各点の動作波形に示すように、図5に示さ
れる節点Eの電位(VDD×gm1/(gm1+gm
3))がインバータINV1の論理しきい値(VDD/
2)Sよりも高くなり、出力端子から論理的“H”が出
力される。
【0005】また、入力端子の電位がVH1の電位より
低く、「gm1/(gm1+gm3)<1/2」を満足
する時、図6に示される各点の動作波形に示すように、
図5に示される節点Eの電位(VDD×gm1/(gm
1+gm3))がインバータINV1の論理しきい値V
DD/2より低いため、出力端子から論理的“L”が出
力される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の回路で
は、トランジスタのディメンジョンの比により、gm1
とgm2との比、及びgm1とgm3との比を合わせ
て、入力端子に印加された特定の電位以上の電圧を検出
しているために、拡散時にトランジスタのディメンジョ
ンがばらついたり、トランジスタのしきい値がばらつく
ことによって、トランジスタ間のgmの比が崩れて、検
出する電圧が変化するという問題点があった。
【0007】また、NMOS−DトランジスタND1が
常時ONしているために、NMOS−EトランジスタN
E4のgmを小さくすると、節点Eの電位がインバータ
INV1の論理しきい値を越えてしまうため、NMOS
−EトランジスタNE4のgmを小さくする事が出来
ず、NMOS−DトランジスタND1とNMOS−Eト
ランジスタNE4を通して、VDD−GND間に(VD
D×gm1×gm3)/(gm1+gm3)の貫通電流
が流れて、消費電力が大きくなるという問題点もあっ
た。
【0008】本発明の目的は、前記問題点を解決し、検
出する電圧が変化することなく、また消費電力を低減し
た高電圧検出回路を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の高電圧検
出回路の構成は、第1,第2のトランジスタの第1の直
列体と、第3,第4のトランジスタの第2の直列体と、
第5,第6のトランジスタの第3の直列体とをそれぞれ
第1,第2の定電源間に接続し、前記第1のトランジス
タのゲートを入力とし、前記第2,第6のトランジスタ
のゲートを前記第1の定電源に接続し、前記第1の直列
体の共通接続点を前記第4のトランジスタのゲートに接
続し、前記第3,第5のトランジスタのゲートと前記第
5のトランジスタのドレイン又はソースとが互いに接続
され、前記第2の直列体の共通接続点から出力を取り出
すことを特徴とする。
【0010】本発明の第2の高電圧検出回路の構成は、
第1,第2のトランジスタの第1の直列体を入力端子と
第2の定電源との間に接続し、前記第1,第2,第6の
トランジスタのゲートを第1の定電源に接続し、第3,
第4のトランジスタの第2の直列体と第5,第6のトラ
ンジスタの第3の直列体とをそれぞれ前記第1,第2の
定電源間に接続し、前記第1の直列体の共通接続点を前
記第4のトランジスタのゲートに接続し、前記第2の直
列体の共通接続点から出力を取り出し、前記第3,第5
のトランジスタのゲートを互いに接続し、前記第5のト
ランジスタのゲートとドレイン又はソースとを接続した
ことを特徴とする。
【0011】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例の高電圧検出回
路を示す回路図、図2は図1の回路において入力電圧が
変化した時の各接続点の動作を示す動作波形図である。
【0012】図1において、本実施例の高電圧検出回路
は、入力(IN)端子がゲートに接続されソースがVD
Dに接続されたPMOS−DトランジスタPD1と、ゲ
ートにVDDが印加されソースがGNDに接続され、ド
レイン(節点A)がPMOS−DトランジスタPD1の
ドレインに接続されたNMOS−EトランジスタNE1
と、ソースがGNDに接続され、NMOS−Eトランジ
スタNE1のドレイン(節点A)がゲートに接続された
NMOS−EトランジスタNE2と、ソースがVDDに
接続され、NMOS−EトランジスタNE2のドレイン
(節点B)がドレインに接続されたPMOS−Eトラン
ジスタPE1と、ソースがVDDに接続されゲートとド
レインとがPMOS−EトランジスタPE1のゲートに
接続されたPMOS−EトランジスタPE2と、ソース
がGNDに接続され、ゲートにVDDが印加され、ドレ
インがPMOS−EトランジスタPE2のドレインに接
続されたNMOS−EトランジスタNE3とを備え、N
MOS−EトランジスタNE2のドレイン(節点B)が
インバータINV1,インバータINX2を介して、出
力(OUT)端子に接続されている。
【0013】PMOS−Dトランジスタのしきい値をV
tpdとし、NMOS−EトランジスタNE1のgmは
PMOS−DトランジスタPD1のgmと比べて低く、
PMOS−DトランジスタPD1,NMOS−Eトラン
ジスタNE1がONしているとき、節点AはVDDに十
分近い電位となるように設定する。
【0014】また、NMOS−EトランジスタNE2の
gmは、NMOS−EトランジスタNE3のgmよりも
大きく設定する事により、NMOS−EトランジスタN
E2のゲート電圧がVDD近傍ならば、節点Bの電位は
十分GNDに近くなるように設定する。
【0015】まず、(入力端子の電圧<VDD+Vtp
d)という条件下では、PMOS−DトランジスタPD
1のNMOS−EトランジスタNE1がONしている。
そのため、節点Aの電位は、図2の動作波形に示してい
るように、NMOS−EトランジスタNE2のしきい値
tよりも十分高くなるため、NMOS−Eトランジスタ
NE2がONし、節点Bの電位は図2の動作波形を示し
ているように、GNDに近い電位となり、出力端子は論
理的“L”が出力される。
【0016】次に、(入力端子の電圧>VDD+Vtp
d)という条件下では、PMOS−DトランジスタPD
1がOFFし、NMOS−EトランジスタNE1はON
しているため、節点Aの電位は、図2の動作波形に示し
ているように、GNDと同電位となる。そのため、NM
OS−EトランジスタNE2はOFFするため、節点B
の電位は、図2の動作波形に示しているように、VDD
と同電位となるので、出力端子は論理的“H”が出力さ
れる。この時、PMOS−DトランジスタPD1とNM
OS−EトランジスタNE2とはOFFするため、NM
OS−EトランジスタNE1,PMOS−Eトランジス
タPE1を通過する貫通電流I1,I2は流れなくな
り、低消費電力となる。
【0017】次に、本発明の第2の実施例の高電圧検出
回路を、図3,図4を参照して説明を行う。図3は本発
明の第2の実施例の高電圧検出回路を示す回路図であ
る。
【0018】即ち、本実施例の高電圧検出回路は、入力
端子がソースに接続されゲートがVDDに接続されたP
MOS−DトランジスタPD1と、ゲートにVDDが印
加されソースガGNDに接続され、ドレイン(節点C)
がPMOS−DトランジスタPD1のドレインに接続さ
れたNMOS−EトランジスタNE1と、ソースがGN
Dに接続され、NMOS−EトランジスタNE1のドレ
インがゲートに接続されたNMOS−EトランジスタN
E2と、ソースがVDDに接続され、ドレインがNMO
S−EトランジスタNE2のドレインに接続されたPM
OS−EトランジスタPE1と、ソースがVDDに接続
されゲートとドレインとがPMOS−EトランジスタP
E1のゲートに接続されたPMOS−$トランジスタP
E2と、ソースがGNDに接続されゲートにVDDが印
加され、ドレインがPMOS−EトランジスタPE2の
ドレインに接続されたNMOS−EトランジスタNE3
とを備え、NMOS−EトランジスタNE2のドレイン
がインバータINV1を介して出力端子に接続されてい
る。
【0019】PMOS−DトランジスタPD1のしきい
値をVtpdとし、NMOS−EトランジスタNE1の
gmは、PMOS−DトランジスタPD1のgmと比べ
て低く、PMOS−DトランジスタPD1,NMOS−
EトランジスタNE1がONしているとき、節点CはV
DDに十分近い電位となるように設定する。
【0020】また、NMOS−EトランジスタNE2の
gmはNMOS−EトランジスタNE3のgmよりも大
きく設定する事により、NMOS−EトランジスタNE
2のゲート電圧がVDD近傍ならば節点Dの電位は十分
GNDに近くなるように設定する。
【0021】次に、動作説明を行う。
【0022】まず、(入力端子の電圧<VDD+Vtp
d)という条件下では、PMOS−DトランジスタPD
1がOFFしNMOS−EトランジスタNE1はONし
ているため節点Cの電位は図4の動作波形に示している
ようにGNDと同電位となる。そのため、NMOS−E
トランジスタNE2はOFFするため、節点Dの電位
は、図4の動作波形に示しているように、VDDと同電
位となるので、出力端子は論理的“L”が出力される。
この時、PMOS−DトランジスタPD1とNMOS−
EトランジスタNE2とがOFFするためにNMOS−
EトランジスタNE1,PMOS−EトランジスタPE
1を通過する貫通電流I1,I2は流れなくなり、低消
費電力となる。
【0023】次に、(入力(IN)端子の電圧>VDD
+Vtpd)という条件下では、PMOS−Dトランジ
スタPD1のNMOS−EトランジスタNE1とがON
している。そのため、節点Cの電位は、図4の動作波形
に示しているように、NMOS−EトランジスタNE2
のしきい値よりも十分高くなるため、NMOS−Eトラ
ンジスタNE2がONし、節点Dの電位は、図4の動作
波形に示しているように、GNDに近い電位となり出力
(OUT)端子は論理的“H”が出力される。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、一つの
トランジスタ(例えばPMOS−DトランジスタPD
1)のしきい値をドープ量によりコントロールすること
ができるから、従来例の様に複数のトランジスタのディ
メンジョンの比によってトランジスタのgmの比をコン
トロールして高電圧を検出する回路と比較すると、特に
拡散時に各トランジスタのディメンジョンがばらついた
り、各トランジスタのしきい値がばらついたりすること
により、トランジスタ間のgmの比が変化して検出電圧
が変化するという事がなく、また、一つのトランジスタ
のしきい値のみコントロールするだけでよいため、検出
可能な電圧の精度が上がるという効果がある。
【0025】また、本発明は特に第1の実施例で高電圧
が印加されている時に、第2の実施例で高電圧が印加さ
れていない時に、PMOS−DトランジスタPD1がO
FFするため、PMOS−DトランジスタPD1とNM
OS−EトランジスタNE1とを通る貫通電流が全く流
れなくなり、しかもPMOS−DトランジスタPD1が
完全にOFFするため、NMOS−EトランジスタNE
1のgmを十分小さくすることが出来る。このため、P
MOS−DトランジスタPD1とNMOS−Eトランジ
スタNE1とを通る貫通電流は従来例の様に常時ONし
ているトランジスタを使用した回路と比較して、低消費
電力になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の高電圧検出回路を示す
回路図である。
【図2】図1において入力端子の電圧変化に対する各点
での動作を示す波形図である。
【図3】本発明の第2の実施例の高電圧検出回路を示す
回路図である。
【図4】図3において入力端子の電圧変化に対する各点
での動作を示す波形図である。
【図5】従来の高電圧検出回路を示す回路図である。
【図6】図5において入力端子の電圧変化に対する各点
での動作を示す波形図である。
【符号の説明】
NE1〜NE5 N−chエンハンスメント・トラン
ジスタ ND1,ND2 N−chディプレッション・トラン
ジスタ PE1,PE2 P−chエンハンスメント・トラン
ジスタ PD1 P−chディプレッション・トランジスタ INV1,INV2 相補正インバータ A,B,C,D,E 節点 I1,I2 電流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−149871(JP,A) 特開 昭63−261168(JP,A) 特開 平1−182757(JP,A) 特開 平3−289568(JP,A) 特開 昭61−234365(JP,A) 特開 昭60−222777(JP,A) 特開 昭58−153414(JP,A) 特開 昭62−254073(JP,A) 特開 昭56−21211(JP,A) 特開 昭57−157633(JP,A) 実開 平5−39035(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01R 19/00 - 19/32 H03K 17/22 - 17/24 G01R 31/28 - 31/3193

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1,第2のトランジスタの第1の直列
    体と、第3,第4のトランジスタの第2の直列体と、第
    5,第6のトランジスタの第3の直列体とをそれぞれ第
    1,第2の定電源間に接続し、前記第1のトランジスタ
    のゲートを入力とし、前記第2,第6のトランジスタの
    ゲートを前記第1の定電源に接続し、前記第1の直列体
    の共通接続点を前記第4のトランジスタのゲートに接続
    し、前記第3,第5のトランジスタのゲートと前記第5
    のトランジスタのドレイン又はソースとが互いに接続さ
    れ、前記第2の直列体の共通接続点から出力を取り出す
    ことを特徴とする高電圧検出回路。
  2. 【請求項2】 第1,第2のトランジスタの第1の直列
    体を入力端子と第2の定電源との間に接続し、前記第
    1,第2,第6のトランジスタのゲートを第1の定電源
    に接続し、第3,第4のトランジスタの第2の直列体と
    第5,第6のトランジスタの第3の直列体とをそれぞれ
    前記第1,第2の定電源間に接続し、前記第1の直列体
    の共通接続点を前記第4のトランジスタのゲートに接続
    し、前記第2の直列体の共通接続点から出力を取り出
    し、前記第3,第5のトランジスタのゲートを互いに接
    続し、前記第5のトランジスタのゲートとドレイン又は
    ソースとを接続したことを特徴とする高電圧検出回路。
  3. 【請求項3】 第1のトランジスタが、Pチャネル,デ
    ィプレッション型であり、第2,第4,第5のトランジ
    スタがNチャネル,エンハンスメント型であり、第3,
    第5のトランジスタがPチャネル,エンハンスメント型
    である請求項1及び2に記載の高電圧検出回路。
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