JP2937554B2 - 測定機 - Google Patents

測定機

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JP2937554B2 JP3155081A JP15508191A JP2937554B2 JP 2937554 B2 JP2937554 B2 JP 2937554B2 JP 3155081 A JP3155081 A JP 3155081A JP 15508191 A JP15508191 A JP 15508191A JP 2937554 B2 JP2937554 B2 JP 2937554B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、測定値に対する零調整
機能を有した測定機に関し、特に現在の零調整値と零調
整可能な範囲との関係を明示可能とした測定機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】物体表面の性状は、変化の小さい順に、
粗さ、うねり、輪郭(形状)等と呼ばれる。表面性状測
定機は、このような物体表面の性状を、接触型又は非接
触型の検出器を用いて高精度に検出する。接触型の検出
器(触針)を用いる表面性状測定機には、フルストロー
ク0.5mmを数1000分の1の分解能で測定できる
タイプもある。このような高分解能の測定機は、倍率の
異なる複数の測定レンジを有し、零調整もできるように
している。一般的な零調整は、検出器出力(測定値)に
直流的なオフセット値(零調整値)を加えることにより
実施し、これにより最終的な表示値(=測定値+零調整
値)の中心を表示器上で希望の位置に調整することがで
きる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
測定機では、零調整値と零調整可能な範囲が明示されな
いので、零調整と測定物のセッティングを交互に、しか
も試行錯誤的に行う必要がある。このため、本測定可能
となるまでの段取りに時間がかかるので、操作性が悪
い。また、接触型の触針を用いる測定機では、何度も測
定を繰り返すことで物体表面を傷つける心配がある。
【0004】本発明は、零調整値と零調整可能な範囲と
の関係を明示することにより、本測定までの段取り時間
を短縮し、操作性の高い測定機を実現することを目的と
している。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明では、測定物の状態を検出する手段と、この検出
手段で検出された測定値に零調整値を加えて零調整する
手段と、前記測定値に零調整値を加えた値を表示値とし
て処理する手段と、この処理手段の処理結果を画面に表
示する表示手段と、前記零調整値と零調整可能な範囲と
の関係を明示する手段とを備えてなることを特徴として
いる。
【0006】
【作用】本発明では、測定器にセットされた測定物に対
し、零調整機能で測定値の中心値等を調整しようとする
とき、現在の零調整値だけでなく零調整可能な範囲も明
示することにより、調整余裕の有無及びその方向を瞬時
に判断できるようにして、測定物又は検出器の再セッテ
ィング要否を容易に判断できるようにする。この様にす
ると、再セッティングと予備測定の回数を減少させるこ
とができるので、本測定までの段取り時間を短縮でき、
操作性が向上する。
【0007】本発明の実施には次のような方法が考えら
れる。a)現在の零調整値と、予め固定または半固定的
に設定した零調整可能範囲とをそれぞれ明示する。b)
零調整可能上限値から現在の零調整値を減算した値と、
零調整可能下限値から現在の零調整値を減算した値とを
それぞれ明示する。この場合、零調整可能上限値と零調
整可能下限値との間が零調整可能範囲になる。 c)零調整可能上限値から現在の零調整値を減算した値
に現在の測定値を加算した値と、零調整可能下限値から
現在の零調整値を減算した値に現在の測定値を加算した
値とをそれぞれ明示する。この場合も、零調整可能上限
値と零調整可能下限値との間が零調整可能範囲になる。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1および図2は、本発明の一実施例を示すCP
U内蔵型表面粗さ測定機の分割されたブロック図であ
る。図1は主としてCPUとその入出力回路を示す部分
ブロック図である。これに対し、図2は表面性状測定機
特有の構成を示す部分ブロック図である。これらの図を
結ぶ共通バス10はアドレスバス、データバス、クロッ
クライン等を含んでいる。
【0009】図1において、11は制御中枢となるCP
U(中央処理装置)である。このCPU11は定期的な
処理と非定期的な処理を行うが、リアルタイムクロック
発生器11aは出力クロックで一定時間(例えば5m
s)毎に割り込みをかけ、定期的な処理を繰り返し実行
させる。このCPU11は共通バス10を介してメモリ
12を使用する。このメモリ12にはRAM(ランダム
アクセスメモリ)とROM(リードオンリメモリ)とが
含まれる。このうち、ROMには主としてCPU11の
動作プログラムや各種処理用の定数テーブルが格納され
ている。これに対し、RAMは各種測定条件や収集デー
タ等の格納に使用され、必要に応じて電源オフ後にもデ
ータが消滅しないようにバッテリ等でバックアップされ
る。
【0010】このCPU11の周辺にはプリンタ13や
CRTディスプレイ14等の出力機器、およびキーボー
ド15、マウス16、スイッチ17等の入力機器が接続
される。プリンタ13は各種の測定条件や収集データ等
を文字やグラフ等で印字出力するためのもので、このイ
ンターフェースには例えばセントロニクスタイプの出力
回路12aが使用される。CRTディスプレイ14はビ
デオメモリ14bに格納された測定条件や測定データ等
をCRT画面に表示する。ビデオ制御回路14aはディ
スプレイ14の水平掃引および垂直掃引の同期制御、お
よびビデオメモリ14bのリード、ライト制御を行う。
ビデオメモリ14bには、例えばカラーグラフィックデ
ィスプレイの使用時には、ディスプレイ14に表示され
る各画素の色情報が格納される。図3はディスプレイ画
面の一例を示したものである。この例では1つの画面を
複数に分割し、大面積のA部には表面粗さを示す拡大記
録図形を表示している。この拡大記録図形表示部Aの縦
軸は凹凸の度合い(振幅)、横軸は距離(後述の検出器
送り位置)である。この他に触針ポジション表示部Bや
アイコン表示部C等もある。
【0011】キーボード15はアルファベットキー、数
字キー等を有し、各キーのオン情報をエンコード回路1
5bでコード化してCPU11へ入力する。15aはこ
のとき使用されるキー入力回路である。マウス16は2
軸のエンコーダとスイッチを内蔵し、エンコーダ出力は
計数器16bで計数される。この計数器16bの計数値
はマウス入力回路16aを介してCPU11へ入力され
る。このとき、マウス16のスイッチ信号もマウス入力
回路16aを介してCPU11へ入力する。スイッチ1
7は各種の押ボタンスイッチ、選択スイッチ、リミット
スイッチ等からなり、各スイッチの信号はスイッチ入力
回路17aを介してCPU11へ入力する。後述する例
で必要な信号には、検出器の上昇、下降、左行、右行等
の指示を与える手動操作信号や、測定スタート等の自動
操作信号、更には機構部分の動作ストロークオーバ信号
等がある。
【0012】一方、図2の構成には粗さ検出器21、記
録計22、検出器送り位置スケール23、検出器送りユ
ニット24、コラム25、傾斜補正用載物台26が含ま
れる。粗さ検出器21は、例えば機械的な触針を測定物
表面に接触させ、必要に応じて前記触針を移動させなが
ら測定物表面の凹凸を検出する。この検出器21の出力
はレベルが低く雑音の影響を受け易いので、これをノイ
ズ除去用のブリッジ21aに入力し、さらにその出力
(正弦波信号)を同期整流器21bに入力する。このブ
リッジ21aと同期整流器21bは共に発振器21cか
らの正弦波信号を入力されているので、この部分で同期
整流することにより触針の上下変位に応じた直流電圧だ
けが出力される。同期整流器21bの出力は測定レンジ
(倍率)決定用の増幅器21dで増幅された後、A/D
変換器21eでディジタル信号に変換され、検出器信号
入力回路21fを通してCPU11に取り込まれる。
【0013】以上の基本的な構成に対し、加算器27a
で零調整用のオフセット電圧が加算される。このオフセ
ット電圧は、触針の変位量とは独立して零点を決定でき
るようにするもので、CPU11から出力される。但
し、CPU11の出力はディジタル量であるので、これ
をオフセット出力回路27cを介してD/A変換器27
bに入力し、ここでアナログ電圧に変換してから使用す
る。一方、増幅器21dの増幅度を切換えるレンジ切替
信号はCPU11から出力され、レンジ切替出力回路2
8aを介して増幅器21dに与えられる。このレンジ切
替信号の値を変えると増幅器21dの増幅度を変化させ
ることができるので、これにより測定データに適した拡
大倍率で表示或いは印字等を行うことができる。
【0014】記録計22は主として触針変位を波形とし
て記録するものであるため、CPU11は触針変位値に
対し予め決められている定数値を乗算し、その結果を記
録計用出力回路22aを介して出力する。この出力回路
22aの出力はディジタル値であるので、これをD/A
変換器22bでアナログ値に変換して記録計22へ入力
する。
【0015】上述した粗さ検出器21と記録計22に関
係する部分は表面性状測定器の検出および記録に関する
ものであり、後述する検出器送り位置スケール23から
傾斜補正用載物台26までは測定対象とする測定物と触
針の位置関係を適正化したり、検出器を摺動させたりす
る機構部分に関する。
【0016】検出器送り位置スケール23は、粗さ検出
器21(ここでは機械式の触針を想定する)を測定物の
表面と平行な方向に送った場合の平行方向位置、即ちデ
ィスプレイ14や記録計22における拡大記録図形の横
軸方向の位置を検出するためのスケールである。このス
ケール23がインクリメンタル型である場合、所定の移
動量毎に1パルス発生するという出力形態をとるので、
後段の計数器23bでこのパルスを計数してスタート位
置からの積算移動量(これを検出器の送り位置と呼ぶ)
を求める。CPU11はこの送り位置を表示や印字制御
上必要とするので、これを送り位置入力回路23aを介
してCPU11へ転送する。
【0017】尚、計数器23bが所定の送り位置毎に距
離信号を発生する機能を有していると、この距離信号で
CPU11に割り込みをかけることができる。この割り
込みは、検出器21の実際の位置に応じたものであるた
め、リアルタイムクロックによる時間割り込みとは別
に、表示或いは記録制御上便利な使い方ができる。
【0018】検出器送りユニット24は、図4に示すよ
うに検出器21を水平方向(矢印H方向)に移動させる
機構である。上述のスケール23はこの送りユニット2
4による検出器21の移動量を計測する。送りユニット
24はコラム機構25によって上下動可能であり、これ
により測定物(ワーク)30との垂直方向(矢印V方
向)の距離を任意に調整することができる。測定物30
は傾斜補正用載物台(オートレベリングテーブル)26
上に載置され、所定の範囲内で任意に水平度(角度θ)
を調整できる。31は載物台30や送りユニット24等
を安定した位置関係に保つ定盤である。
【0019】検出器送りユニット24の駆動源には例え
ば直流電動モータを使用する。この場合、CPU11は
送り速度の指令信号を出力して送りユニット24の送り
位置を制御する。この送り速度信号(ディジタル量)は
送り速度出力回路24aで取り込まれ、D/A変換器2
4bでアナログ量に変換される。そして、このアナログ
電圧を駆動信号に変換するためパルス幅変調器24cを
使用し、その出力を直流駆動モータの駆動増幅器24d
に入力する。
【0020】検出器送りユニット24を上下動作させる
コラム機構25の駆動源に例えばパルスモータを使用し
た場合、CPU11が出力する上下移動データを上下移
動出力回路25aで取り込み、これをパルス発生器25
bでパルス列に変換する。このパルスは単位移動量当た
り1パルスとなるように発生され、パルス計数器25c
で計数される。そして、この計数値を駆動増幅器25d
に入力することでコラム機構25の上下移動量を制御で
きる。
【0021】測定物30の水平度を調整する傾斜補正用
載物台26の駆動源にパルスモータを使用した場合は、
CPU11からの補正角度データを補正角度出力回路2
6aで取り込む。あとはコラム25の場合と同様にパル
ス発生器26b、パルス計数器26c、駆動増幅器26
dを用いてパルスモータを駆動し、測定物30を載置し
た載物台26の傾きを調整する。
【0022】以上のように構成された表面性状測定器に
おいて、本発明では、現在の零調整値と零調整可能な範
囲との関係を図又は文字、音等により明示する。このた
めに必要な構成は主として図1および図2で1点鎖線で
囲まれた部分である。図5は図3の触針ポジション表示
部Bの拡大図である。この表示部Bは同じ触針の位置を
複数のレンジ1〜3で同時に表示するようにしている。
即ち、三角形状のマークM1〜M3がそれぞれ同じ触針
の上下方向の位置(凹凸の度合い)をそれぞれの倍率で
示している。レンジ1は最も低い増幅度(拡大倍率)を
適用することにより、上下方向に最も広い測定範囲を持
つ(オーバレンジし難い)。これに対し、レンジ3は最
も高い増幅度を適用することにより、上下方向に最も狭
い測定範囲しか持たない(オーバレンジし易い)。レン
ジ2はこの中間である。
【0023】一例を挙げると、レンジ2の増幅度はレン
ジ1の10倍、レンジ3の増幅度はレンジ2の10倍で
ある。このため、レンジ1のフルスケールが例えば±4
00μmのとき、レンジ2のフルスケールは±40μ
m、レンジ3のフルスケールは±4μm、という関係に
ある。このため、例えばマークM1が僅かにプラス方向
へ変位するとマーク2はその10倍だけプラス方向へ変
位し、マークM3はさらにその10倍だけプラス方向へ
変位する。マイナス方向についても同様である。図5の
例では実線でゼロ調整をした状態を示している。このと
きは全てのマークM1〜M3は同じ0位置にある。これ
に対し、触針がプラス方向に変位して例えば中間のマー
クM2が破線のように僅かに上方に移動したとすると、
右端のマークM3はその10倍上方へ移動する。このと
き左端のマークM1は殆ど動かない。この様に、3通り
のレンジ表示を同時に行うことにより、どのレンジが適
切な拡大倍率であるかを、予備的な測定を行うことなく
直ちに判別することができ、しかもその時点で得られて
いる最適レンジの測定データを、本測定を行うことなく
利用することができる。
【0024】図5に示す零調整範囲表示機能は、前述し
たc)の方法に基づく。即ち、触針位置マークM1に近
接して設けられたバー状のマークZは零調整可能な範囲
を示す表示体である。この零調整範囲マークZは、通常
モードではレンジ1の触針位置マークM1と一体的に移
動するが、零調整モードになると停止し、触針位置マー
クM1を上下に移動させて零調整できる範囲を自らの寸
法(縦方向の長さ)で示すものである。例えば、図のよ
うに触針位置マークM1が零調整範囲マークZの中央位
置にある時は、上下に均等に零調整できることを示して
いる。
【0025】図7を参照してこの方法を説明する。零調
整範囲マークZの上端は零調整上限表示座標であり、ま
たその下端は零調整下限表示座標である。この零調整範
囲マークZに近接している触針位置マークM1は右向き
の三角形の頂点がレンジ1表示座標を示している。この
レンジ1表示座標は、検出器で得られた測定値(レンジ
1変位データ)に零調整値を加えて換算した値である。
即ち、測定値だけに基づいて表示座標を算出した場合の
マークM1が破線の位置にあるとすれば、それと実線の
位置のマークM1との距離が零調整値に相当する。図7
の例では、実線のマークM1と零調整範囲マークZとを
比較すると、上側にも下側にも零調整できる余裕がある
ことが判明する。しかも、定量的には、上側よりも下側
に大きな零調整範囲が残されていることも即断できる。
零調整モードでは零調整範囲マークZが停止し、触針位
置マークM1が零調整値の大小に応じて上下する。これ
に対し、通常の測定モードになると、触針位置マークM
1は測定値の大小に応じて上下する。このとき、零調整
範囲マークZもマークM1と同じ距離だけ上下して、ど
の測定値でも零調整可能な範囲を明示している。
【0026】図6に示したフローチャートは、上述の零
調整範囲表示制御を例としたCPU11の処理概要であ
る。CPU11はステップS11により、現在表示選択
中のレンジを判別する。そして、ステップS11におい
てレンジ1が表示選択中であると判定されたときは、後
続するステップS12でレンジ1へレンジ切替出力を出
す。これは図2のレンジ切替回路28aへレンジ切替用
のデータを出すことである。続くステップS13では、
レンジ1の変位データを検出器信号入力回路21fを介
して取り込む。そして、ステップS14では上記の変位
データからレンジ1で表示すべき表示座標を算出する。
この表示座標計算ではレンジ倍率やオフセット量(零調
整値)が使用される。
【0027】本例では前述したc)の方法を実行するた
め、以下のような計算を行う。即ち、ステップS15で
は下記数1に示す計算1を行う。
【0028】
【数1】Y1=零調整上限表示座標−現在の零調整値+
レンジ1変位データ
【0029】また、次のステップS16では下記数2に
示す計算2を行う。
【0030】
【数2】Y2=零調整下限表示座標−現在の零調整値+
レンジ1変位データ
【0031】続くステップS17では計算1の結果Y1
から零調整上限表示座標を換算する。同様に、ステップ
S18では計算2の結果Y2から零調整下限表示座標を
換算する。この計算1,2の結果Y1,Y2が現在の測
定値から零調整可能な余裕範囲を示す値になる。即ち、
図7に示すように、レンジ1表示座標と零調整上限表示
座標との間がY1、レンジ1表示座標と零調整下限表示
座標との間がY2に相当する。
【0032】次にステップS19で前回のレンジ1表示
座標位置に表示されている触針位置マークM1を消去す
る。この状態で今回のレンジ1表示座標位置に触針位置
マークM1を改めて表示し(ステップS21)、更にそ
の表示座標を次回までセーブしておく(ステップS2
3)。この処理はマークM1の表示位置更新に関するも
のである。
【0033】この触針位置マークM1の表示制御と並行
して零調整範囲マークZの表示制御も行われる。即ち、
ステップS20で前回の零調整範囲マークZを消去し、
その後のステップS22で今回の零調整範囲マークZを
表示する。この場合、前回の零調整範囲マークZとは、
前回の零調整上限表示座標と前回の零調整下限表示座標
の間を図7のようなバー形状で示したものである。ま
た、今回の零調整範囲マークZとは、今回の零調整上限
表示座標と今回の零調整下限表示座標の間を同様のバー
形状で示したものである。
【0034】ステップS24,S25では、今回の零調
整上限及び下限の各表示座標を次回用にセーブしてお
く。そして、以上のステップS11からS25までの処
理は、ステップS26により一定時間(例えば100m
s)毎に繰り返される。尚、ステップS11においてレ
ンジ1が表示選択中でないと判定された時は、ステップ
S27にジャンプして前回の零調整範囲マークZを消去
し、併せてステップS28で前回のレンジ1表示座標位
置の触針位置マークM1も消去する。これは、レンジ1
が選択されていないときは、触針位置マークM1のみな
らず零調整範囲マークZも表示しないという発想に基づ
く。但し、必ずしもこれに限定されるわけではない。
【0035】以上の実施例では現在の零調整値と零調整
可能な範囲との関係を図形表示する場合を例示したが、
文字や音等を用いて常時または必要時に明示するように
しても良い。また、表示形態も絶対方式に限らず相対方
式でも良い。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、検出
器で検出した測定値に対して零調整できる機能を備えた
測定器において、現在の零調整値と零調整可能な範囲の
双方を明示するようにしたので、測定物のセッティング
時に現在の調整余裕で充分か否かを即断することがで
き、このために測定物の再セッティング回数を減少させ
ることができる。従って、本測定までの段取り時間を短
縮することができ、操作性の高い測定機を実現すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す一部ブロック図であ
る。
【図2】 本発明の実施例を示す残部ブロック図であ
る。
【図3】 CRTディスプレイの画面構成を示す説明図
である。
【図4】 表面性状測定器の機構図である。
【図5】 本発明に係るマルチレンジ表示部の説明図で
ある。
【図6】 本発明の処理を示すフローチャートである。
【図7】 本発明の零調整範囲マークの一例を示す拡大
説明図である。
【符号の説明】
A…拡大記録図形表示部、B…触針ポジション表示部、
Z…零調整範囲マーク、M1〜M3…触針位置マーク、
10…共通バス、11…CPU、12…メモリ、13…
プリンタ、14…CRTディスプレイ、15…キーボー
ド、16…マウス、17…スイッチ、21…粗さ検出
器、22…記録計、23…検出器送り位置スケール、2
4…検出器送りユニット、25…コラム機構、26…傾
斜補正用載物台、27c…オフセット出力回路、28a
…レンジ切替出力回路、30…測定物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01D 3/04 G01B 21/30 102

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定物の状態を検出する手段と、この検
    出手段で検出された測定値に零調整値を加えて零調整す
    る手段と、前記測定値に零調整値を加えた値を表示値と
    して処理する手段と、この処理手段の処理結果を画面に
    表示する表示手段と、前記零調整値と零調整可能な範囲
    との関係を明示する手段とを備えてなることを特徴とす
    る測定機。
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