JP2595392B2 - 自動オフセット調整機能付き測定機 - Google Patents

自動オフセット調整機能付き測定機

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JP2595392B2
JP2595392B2 JP3216012A JP21601291A JP2595392B2 JP 2595392 B2 JP2595392 B2 JP 2595392B2 JP 3216012 A JP3216012 A JP 3216012A JP 21601291 A JP21601291 A JP 21601291A JP 2595392 B2 JP2595392 B2 JP 2595392B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、測定物の表面性状等の
状態を検出する測定機に関し、特に測定値に付加するオ
フセット値を与えられた条件に応じて自動調整する自動
オフセット調整機能付き測定機に関する。
【0002】
【従来の技術】物体表面の性状は、変化の小さい順に、
粗さ、うねり、輪郭(形状)等と呼ばれる。表面性状測
定機は、このような物体表面の性状を、接触型又は非接
触型の検出器を用いて高精度に検出する。接触型の検出
器(触針)を用いる表面性状測定機には、フルストロー
ク0.5mmを数1000分の1の分解能で測定できる
タイプもある。このような高分解能の測定機は、倍率の
異なる複数の測定レンジを有し、測定対象とする範囲が
できるだけ大振幅で表示できるように、測定レンジを選
択可能にしている。加えて、測定値に付加するオフセッ
ト値の調整も必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
測定機では、予備的な測定を繰り返しながら最適なレン
ジの選択およびオフセット値の調整をしているため、本
測定可能となるまでの段取りに時間がかかり、また、接
触型の触針を用いる測定機では、何度も測定を繰り返す
ことで測定物表面を傷つける心配がある。本発明は、測
定値に付加するオフセット値を自動調整することで、高
倍率でもオーバレンジしにくくすると共に、本測定まで
の段取り時間を短縮し、また測定対象とする物体表面を
傷つけないようにすることを目的としている。
【0004】
【0005】
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、粗さ検出器を測定物に対して相対移動させて
測定物の表面性状を測定する測定機において、前記検出
の検出出力にオフセット値を加える手段と、このオフ
セット値が加えられた検出値を順次サンプリングして処
理する手段と、この処理手段によるデータサンプリング
時毎に今回サンプリングした検出値をあらかじめ設定し
た上限値および下限値と比較し、前記検出値が前記上限
値または下限値を越えたときは次回のデータサンプリン
グ時に使用する前記オフセット値をあらかじめ設定した
値だけ増加又は減少させて測定可能領域をシフトさせ
オフセット調整手段と、サンプリングされた各検出値か
らそれぞれに加えられたオフセット値を除去して検出絶
対値を求める手段とを備えてなることを第1の特徴とし
ている。
【0007】また本発明は、粗さ検出器を測定物に対し
て相対移動させて測定物の表面性状を測定する測定機に
おいて、前記検出器の検出出力にオフセット値を加える
手段と、このオフセット値が加えられた検出値を順次サ
ンプリングして処理する手段と、この処理手段によるデ
ータサンプリング時毎に今回サンプリングした検出値
オフセット修正値とし、このオフセット修正値を前回の
オフセット値に加算または減算して測定可能領域をシフ
トさせるオフセット調整手段と、サンプリングされた各
検出値からそれぞれに加えられたオフセット値を除去し
て検出絶対値を求める手段とを備えてなることを第2の
特徴としている。
【0008】更に本発明は、上述の自動オフセット調整
機能付き測定機において、前記検出絶対値をあらかじめ
評価されている前記検出器の変位に応じた直線性誤差デ
ータにより誤差補正する手段を更に備えてなることを第
3の特徴としている。
【0009】更に本発明は、前記誤差補正手段が、前記
検出器の直線性誤差データをあらかじめ所定の変位毎に
実測して得られた実測誤差データとこれから算出された
補間誤差データとを格納した誤差テーブルを備えてなる
ことを第4の特徴としている。
【0010】
【作用】測定値に加えるオフセット値が、与えられた条
件に従い自動調整されると、オフセット調整のための操
作が不要となるので、本測定までの段取り時間は著しく
短縮され、また測定物を損傷することもない。更に高い
レンジでもオーバーレンジしにくくなる。オフセット値
を自動調整する条件は種々に定めることができるので、
本発明によれば以下のような独自の効果が生み出され
る。即ち本発明の第1及び第2の特徴によると、表面性
状測定に関して、レンジ切替えを行うことなく最高分解
能で最大範囲の測定が可能になる。 また、本発明の第3
及び第4の特徴によると、上述の利点に加え、検出器の
低レンジ直線性誤差補正等を補正することができる。ま
た直線性誤差は実測して得られたものであるため、検出
器の直線性誤差のみならず、増幅器等の他の回路の非直
線性をも補正することができる。
【0011】
【0012】
【0013】
【実施例】図1および図2は、本発明を適用するCPU
内蔵型表面性状測定機の分割されたブロック図である。
図1は主としてCPUとその入出力回路を示す部分ブロ
ック図である。これに対し、図2は表面性状測定機特有
の構成を示す部分ブロック図である。これらの図を結ぶ
共通バス10はアドレスバス、データバス、クロックラ
イン等を含んでいる。
【0014】図1において、11は制御中枢となるCP
U(中央処理装置)である。このCPU11は定期的な
処理と非定期的な処理を行うが、リアルタイムクロック
発生器11aは出力クロックで一定時間(例えば5m
s)毎に割り込みをかけ、定期的な処理を繰り返し実行
させる。このCPU11は共通バス10を介してメモリ
12を使用する。このメモリ12にはRAM(ランダム
アクセスメモリ)とROM(リードオンリメモリ)とが
含まれる。このうち、ROMには主としてCPU11の
動作プログラムや各種処理用の定数テーブルが格納され
ている。これに対し、RAMは各種測定条件や収集デー
タ等の格納に使用され、必要に応じて電源オフ後にもデ
ータが消滅しないようにバッテリ等でバックアップされ
る。
【0015】このCPU11の周辺にはプリンタ13や
CRTディスプレイ14等の出力機器、およびキーボー
ド15、マウス16、スイッチ17等の入力機器が接続
される。プリンタ13は各種の測定条件や収集データ等
を文字やグラフ等で印字出力するためのもので、このイ
ンターフェースには例えばセントロニクスタイプの出力
回路12aが使用される。CRTディスプレイ14はビ
デオメモリ14bに格納された測定条件や測定データ等
をCRT画面に表示する。CRT制御回路14aはディ
スプレイ14の水平掃引および垂直掃引の同期制御、お
よびビデオメモリ14bのリード、ライト制御を行う。
【0016】ビデオメモリ14bには、例えばカラーグ
ラフィックディスプレイの使用時には、ディスプレイ1
4に表示される各画素の色情報が格納される。図3はデ
ィスプレイ画面の一例を示したものである。この例では
1つの画面を複数に分割し、大面積のA部には表面粗さ
を示す拡大記録図形を表示している。この拡大記録図形
表示部Aの縦軸は凹凸の度合い(振幅)、横軸は距離
(後述の検出器送り位置)である。この他に触針ポジシ
ョン表示部Bやアイコン表示部C等もある。
【0017】キーボード15はアルファベットキー、数
字キー等を有し、各キーのオン情報をエンコード回路1
5bでコード化してCPU11へ入力する。15aはこ
のとき使用されるキー入力回路である。マウス16は2
軸のエンコーダとスイッチを内蔵し、エンコーダ出力は
計数器16bで計数される。この計数器16bの計数値
はマウス入力回路16aを介してCPU11へ入力され
る。このとき、マウス16のスイッチ信号もマウス入力
回路16aを介してCPU11へ入力する。
【0018】スイッチ17は各種の押ボタンスイッチ、
選択スイッチ、リミットスイッチ等からなり、各スイッ
チの信号はスイッチ入力回路17aを介してCPU11
へ入力する。後述する例で必要な信号には、検出器の上
昇、下降、左行、右行等の指示を与える手動操作信号
や、測定スタート等の自動操作信号、更には機構部分の
動作ストロークオーバ信号等がある。
【0019】一方、図2の構成には粗さ検出器21、記
録計22、検出器送り位置スケール23、検出器送りユ
ニット24、コラム25、傾斜補正用載物台26が含ま
れる。粗さ検出器21は、例えば機械的な触針を測定物
表面に接触させ、必要に応じて前記触針を移動させなが
ら測定物表面の凹凸を検出する。この検出器21の出力
はレベルが低く雑音の影響を受け易いので、これをノイ
ズ除去用のブリッジ21aに入力し、さらにその出力
(正弦波信号)を同期整流器21bに入力する。このブ
リッジ21aと同期整流器21bは共に発振器21cか
らの正弦波信号を入力されているので、この部分で同期
整流することにより触針の上下変位に応じた直流電圧だ
けが出力される。同期整流器21bの出力は測定レンジ
(倍率)決定用の増幅器21dで増幅された後、A/D
変換器21eでディジタル信号に変換され、検出器信号
入力回路21fを通してCPU11に取り込まれる。
【0020】以上の基本的な構成に対し、加算器27a
で零点調整用のオフセット電圧が加算される。このオフ
セット電圧は、触針の変位量とは独立して零点を決定で
きるようにするもので、CPU11から出力される。但
し、CPU11の出力はディジタル量であるので、これ
をオフセット出力回路27cを介してD/A変換器27
bに入力し、ここでアナログ電圧に変換してから使用す
る。一方、増幅器21dの増幅度を切換えるレンジ切替
信号はCPU11から出力され、レンジ切替出力回路2
8aを介して増幅器21dに与えられる。このレンジ切
替信号の値を変えると増幅器21dの増幅度を変化させ
ることができるので、これにより測定データに適した拡
大倍率で表示或いは印字等を行うことができる。
【0021】記録計22は主として触針変位を波形とし
て記録するものであるため、CPU11は触針変位値に
対し予め決められている定数値を乗算し、その結果を記
録計用出力回路22aを介して出力する。この出力回路
22aの出力はディジタル値であるので、これをD/A
変換器22bでアナログ値に変換して記録計22へ入力
する。
【0022】上述した粗さ検出器21と記録計22に関
係する部分は表面性状測定器の検出および記録に関する
ものであり、後述する検出器送り位置スケール23から
傾斜補正用載物台26までは測定対象とする測定物と触
針の位置関係を適正化したり、検出器を摺動させたりす
る機構部分に関する。
【0023】検出器送り位置スケール23は、粗さ検出
器21(ここでは機械式の触針を想定する)を測定物の
表面と平行な方向に送った場合の平行方向位置、即ちデ
ィスプレイ14や記録計22における拡大記録図形の横
軸方向の位置を検出するためのスケールである。このス
ケール23がインクリメンタル型である場合、所定の移
動量毎に1パルス発生するという出力形態をとるので、
後段の計数器23bでこのパルスを計数してスタート位
置からの積算移動量(これを検出器の送り位置と呼ぶ)
を求める。CPU11はこの送り位置を表示や印字制御
上必要とするので、これを送り位置入力回路23aを介
してCPU11へ転送する。
【0024】尚、計数器23bが所定の送り位置毎に距
離信号を発生する機能を有していると、この距離信号で
CPU11に割り込みをかけることができる。この割り
込みは、検出器21の実際の位置に応じたものであるた
め、リアルタイムクロックによる時間割り込みとは別
に、表示或いは記録制御上便利な使い方ができる。
【0025】検出器送りユニット24は、図4に示すよ
うに検出器21を水平方向(矢印H方向)に移動させる
機構である。上述のスケール23はこの送りユニット2
4による検出器21の移動量を計測する。送りユニット
24はコラム機構25によって上下動可能であり、これ
により測定物(ワーク)30との垂直方向(矢印V方
向)の距離を任意に調整することができる。測定物30
は傾斜補正用載物台(オートレベリングテーブル)26
上に載置され、所定の範囲内で任意に水平度(角度θ)
を調整できる。31は載物台30や送りユニット24等
を安定した位置関係に保つ定盤である。
【0026】検出器送りユニット24の駆動源には例え
ば直流電動モータを使用する。この場合、CPU11は
送り速度の指令信号を出力して送りユニット24の送り
位置を制御する。この送り速度信号(ディジタル量)は
送り速度出力回路24aで取り込まれ、D/A変換器2
4bでアナログ量に変換される。そして、このアナログ
電圧を駆動信号に変換するためパルス幅変調器24cを
使用し、その出力を直流駆動モータの駆動増幅器24d
に入力する。
【0027】検出器送りユニット24を上下動作させる
コラム機構25の駆動源に例えばパルスモータを使用し
た場合、CPU11が出力する上下移動データを上下移
動出力回路25aで取り込み、これをパルス発生器25
bでパルス列に変換する。このパルスは単位移動量当た
り1パルスとなるように発生され、パルス計数器25c
で計数される。そして、この計数値を駆動増幅器25d
に入力することでコラム機構25の上下移動量を制御で
きる。
【0028】測定物30の水平度を調整する傾斜補正用
載物台26の駆動源にパルスモータを使用した場合は、
CPU11からの補正角度データを補正角度出力回路2
6aで取り込む。あとはコラム25の場合と同様にパル
ス発生器26b、パルス計数器26c、駆動増幅器26
dを用いてパルスモータを駆動し、測定物30を載置し
た載物台26の傾きを調整する。
【0029】この様な測定器では、2種類のオフセット
調整が必要である。1つは、本発明で対象とする検出器
21のオフセット調整であり、これはオフセット出力回
路27cに対する出力値の処理により行う。他の1つ
は、本発明とは関係しない表示又は印字出力に関するオ
フセット調整である。これは、オフセット出力回路27
cの出力操作に関係なく、検出器信号入力回路21fか
ら入力した検出器信号にレンジ定数を乗算し、更に表示
又は記録計22用の倍率定数を乗算して表示又は記録出
力を求める出力オフセット調整である。
【0030】以下、本発明の各実施例を説明する。図5
は、本発明の実施例1の説明図である。同図は、検出器
信号入力回路21fから検出器信号を入力し、それにレ
ンジ番号によって決まる定数を乗算した結果、即ち検出
値をメモリ中に順次格納していく時の検出値の推移を示
したものである。本発明は収集した検出値がオーバレン
ジ(測定可能な範囲を超えること)しないようにオフセ
ット調整するものであり、この実施例1では測定開始値
を零にすることにより、測定毎の零調整やオフセット調
整を不要にする。
【0031】図6は、本発明の実施例2の説明図であ
る。この図6も図5と同様の検出値推移を示している。
この実施例2では測定データの測定開始値を、あらかじ
め定めた位置決め目標値に自動調整する。この調整は検
出器21の高さ方向位置決め完了後に行う。この場合の
オフセット値は、位置決め完了時点の測定データと位置
決め目標値との差である。この様なオフセット調整は、
位置決め誤差を自動修正する場合に有用である。
【0032】図6ではレンズのように中央部が膨出して
いる測定物の測定データを例示している。この様な測定
物を対象として図5のようなオフセット調整を行うと、
中央部がオーバレンジするため高い測定レンジを使用で
きない問題がある。これに対し、図6のようにオフセッ
ト調整すると、測定開始設定値が零点より低いため、高
いレンジを使用しても測定データの中央部分をオーバレ
ンジさせることがない。
【0033】図7は、上述した実施例1および2に共通
する自動オフセット調整機能のフローチャートであり、
この機能は図1のCPU11のソフト処理により実現さ
れる。即ち、始めのステップS1は、CPU11から共
通バス10を介してオフセット出力回路27cに零を出
力し、オフセットをキャンセルする処理である。また次
のステップS2は後述するオフセット調整変数Dofを
零にする処理である。これらのステップS1,S2は本
ルーチンの開始直後に1回だけ行う。
【0034】次のステップS3からステップS6までは
ループ処理であり、ループ最初のステップS3では現在
の検出値Zcrを求める。この現在の検出値Zcrは、
検出器信号入力回路21fからの入力値に、現在選択し
ているレンジによって決まる定数を乗算した結果であ
る。
【0035】続くステップS4では、現在の検出値Zc
rを、予め設定されている検出値の目標値Zstと比較
し、両者の差の絶対値|Zst−Zcr|が一定値β超
であればステップS5へ進んで処理を継続する。この一
定値βはオフセット不感帯であり、差の絶対値|Zst
−Zcr|が非常に小さくて(β以下)補正しきれない
場合に、ループを抜けて終了できるように考慮したもの
である。
【0036】ステップS5では今回の変数Dofに(Z
st−Zcr)の減算結果を加算して次回の変数Dof
を算出する。このステップS5を実行すると、1回目は
今回の変数Dofが0であるから、次回の変数Dofは
(Zst−Zcr)となる。この次回の変数Dofの値
をステップS6でオフセット出力回路27cへ出力する
と、次にステップS3で求める2回目の検出値Zcr
は、上記次回の変数Dof=0+(Zst−Zcr)に
対応するオフセットを含む値となるため、目標値Zst
に極めて近い値になる。
【0037】従って、回路に非直線誤差やオフセット等
が無ければ、ステップS5の処理を1回行うだけで、オ
フセットを含む次回の検出値Zcrは目標値Zstに達
するが、一般的には回路誤差が含まれるため、両者の差
がβ以下となるまでループ処理を繰り返すようにする。
【0038】図7のフローチャートにおいて、ステップ
S4で使用する目標値Zstを零に設定すると実施例1
(図5)のようになる。また、目標値Zstを高さ方向
の位置決め目標値に設定すると実施例2(図6)のよう
になる。後者に関しては、予め検出器21の高さ調整手
段によって概略の検出器高さ位置決めを行っておき、そ
の後、図7の自動オフセット調整処理を実行することに
より、精密位置決めが行われる。
【0039】図8は、上述した検出器の概略高さ位置決
め調整処理のフローチャートである。先ずステップS1
0でオフセット出力回路27cへ零を出力してオフセッ
トをキャンセルする。次にステップS11でレンジ切替
回路28aへ最も増幅度の低いレンジ番号を出力して最
低レンジを選択する。
【0040】続くステップS12からステップS16ま
ではループ処理であり、最初のステップS12では、現
在の検出値Zcrを求める。この現在の検出値Zcr
は、検出器信号入力回路21fからの入力値に、現在選
択しているレンジによって決まる定数を乗算した結果で
ある。次のステップS13では現在の検出値Zcrを位
置決め目標値Zstと比較し、両者の差の絶対値|Zs
t−Zcr|が一定値α以下であればループから抜けて
ステップS17へ分岐し、α超であればループ内の次の
ステップS14を実行する。この一定値αは位置決め不
感帯であり、微小位置決めが困難な場合を考慮して設定
されている。
【0041】ステップS14の処理では、高さ調整手段
のコラム25を下降させ、検出器21を測定物に接近さ
せる。尚、本例ではコラム25を下降させながら高さ調
整を行う場合を例示しているが、コラム25を測定物表
面から上昇させて高さ調整を行う場合もある。
【0042】次のステップS15では現在の検出値Zc
rを比較値0.8Wと比較する。この比較値のWは現在
選択しているレンジより1段高いレンジで可能な最大測
定値であり、また0.8はレンジを切換えた途端に新し
いレンジでオーバレンジしないようにするための係数で
ある。ステップS15で現在の検出値の絶対値|Zcr
|が0.8W以上と判定されたときはステップS12へ
戻るが、0.8W未満と判定されたときはステップS1
6へ進んで1段増幅度の高いレンジに切替える。この様
にすることで、自動的に分解能の高いレンジを使用する
ことができる。
【0043】一方、ステップS13で差の絶対値|Zs
t−Zcr|が一定値α以下と判定されたときは、ルー
プ外のステップS17へ進んでコラム25を停止させ
る。これは検出器21が目標高さまで充分に接近したと
判定されたためである。
【0044】この次にステップS18で測定等に必要な
設定レンジに切替える。この設定レンジは最終レンジに
なる。この段階で検出器の高さ位置決めは概略達成され
ているが、図6のようなオフセット調整を行うために、
続くステップS19で図7に示した自動オフセット調整
処理を行う。
【0045】以上説明した実施例1,2には次のような
利点がある。 a)測定毎に零調整またはオフセット調整を行う必要が
なくなり、操作性が向上する。 b)特に増幅度の高いレンジでの測定時には、念入りに
零調整またはオフセット調整を行う必要があるが、本発
明によればこの必要がなくなるため、操作性が向上す
る。 c)検出器の位置決めがラフでよいため、操作が楽にな
る。 d)繰り返し測定を行う場合でも、同一検出値で測定が
開始されるため、データ間の比較が容易になる。
【0046】図9は、本発明の実施例3の説明図であ
る。この実施例3は、レンジ切替とオフセット補正機能
を有する測定機において、毎回のデータサンプリング時
にその都度オフセット値を自動的に最適調整するように
したものである。
【0047】レンジ切替機能を有する測定機では、レン
ジ倍率を高めるにつれ測定可能な幅(振幅方向)が狭く
なるため、図9(a)のように振幅の大きな測定物は低
レンジでは全体を測定できても、高レンジでは一部しか
測定できない。ところが、測定可能な範囲が図示のよう
に測定データに追従して変化すると、振幅の大きな測定
物でも高レンジで測定することが可能になる。このよう
にするには、オフセット値を逐次修正しながら測定可能
範囲をシフトする処理と、各時点のオフセット値を測定
データに加算または減算する処理を行えば良い。
【0048】図9(a)の例では、測定範囲A 1〜An
全て同じ倍率の高レンジであり、各測定範囲内はそれぞ
れ数1000分の1に分解して測定できる。このような
複数の高レンジ測定範囲は可変オフセット値を有する。
例えば、測定範囲Ai はオフセット値Di を有するのに
対し、隣の測定範囲Ai+1 は別のオフセット値Di+1
有し、この結果、各測定範囲がそれぞれ測定データを追
従することができる。どのようにしてオフセット値を変
更するかについては、いくつかの方法が考えられる。
【0049】第1の方法は、データサンプリング時毎に
今回サンプリングした検出値をあらかじめ設定した上限
値および下限値と比較し、前記検出値が前記上限値また
は下限値を越えたときは次回のデータサンプリング時に
使用する前記オフセット値をあらかじめ設定した値だけ
増加又は減少させてオフセット調整する。
【0050】図9(b)は、第1の方法の説明図であ
る。この方法では測定範囲の例えば80%の値に相当す
る上限値と20%の値に相当する下限値を設定し、測定
データが上昇するときは、測定範囲の上限値を越えると
オフセット値を変更した隣りの測定範囲に移る。A11
13はこのように測定データが上昇する場合の測定範囲
である。これに対し、測定データが下降するときは、測
定範囲の下限値を越えるとオフセット値を変更した隣り
の測定範囲に移る。A21,A22はこのように測定データ
が下降する場合の測定範囲である。
【0051】第1の方法の具体例を説明する。先ず、図
9(a)のように最低レンジでの測定可能範囲をLma
xとし、また選択レンジでの測定範囲をRmaxとする
(但し、Lmax>Rmaxとする)。また、最も負側
で測定可能なRmaxの領域をA1 とし、そこから正側
に向かって順次A 2,A 3,…An の各領域をとるものと
する。そして、これらの領域の1つAi (但し、i=1
〜n)を選択したときに必要となるオフセットをDi
する。
【0052】第1の方法では、1つの測定範囲Rmax
内での検出値が或る上限値を上回ったときに正側の次の
領域に切替え、逆に検出値が或る下限値を下回ったとき
に負側の次の領域に切替えるものとする。この上限値や
下限値、さらには隣接する測定範囲のオフセットの差
(Di −Di+1 )、並びに最も負側の測定範囲のオフセ
ットD1 を次のように設定する。
【0053】
【数1】上限値=0.8Rmax 下限値=0.2Rmax Di −Di+1 =0.3Rmax D1 =(Lmax−Rmax)/2
【0054】図9の(b)には数1の数値例を示してあ
る。各測定範囲で使用するオフセットはその都度計算し
て求めても良いが、前もって計算した値を表1の様なオ
フセットテーブルに格納しておき、それを測定範囲番号
iで参照可能にしておくこともできる。
【0055】
【表1】
【0056】各オフセットには上述した関係があるの
で、或る領域Ai での検出値が0.8Rmaxの時、領
域をAi+1 に切替えると検出値は0.5Rmaxとな
る。この場合、0.5Rmaxは測定範囲のセンターに
相当するので、このときの検出器信号入力回路21fか
らの入力値は零になる。
【0057】上記第1の方法において必要な領域の初期
設定、検出値の処理、および領域切替の処理は、図10
および図11に分割して示すフローチャートの手順で行
うことができる。始めのステップS21では、予め設定
されている測定時のレンジ番号をレンジ切替出力回路2
8aへ出力してレンジ切替を行う。次のステップS22
では領域番号変数iを設定し、これに初期値として1を
書き込む。
【0058】次のステップS23では変数iで表1のオ
フセットテーブルを参照し、得られたオフセットDi
をオフセット出力回路27cへ出力してオフセット
更新する。続くステップ24の検出信号サンプリング
処理では、検出器信号入力回路27fから検出器信号を
入力し、これにレンジ番号によって決まる定数を乗算し
て検出値Zcrを求める。
【0059】ステップS25では検出値Zcrをチェッ
クして領域切替の要否を判断する。即ち、検出値Zcr
は測定範囲Rmaxのレンジで0.5Rmaxを中心と
して+0.5Rmax最大、−0.5Rmax最小の値
をとるので、Rmaxの80%、つまり0.8Rmax
を超えたか否かの判定は、Zcrと+0.3Rmaxの
大小比較による。同様にRmaxの20%、つまり0.
2Rmaxを下回ったか否かは、Zcrと−0.3Rm
axの大小比較によって判定する。
【0060】ステップS25の判定結果は3通りに分か
れる。即ち、Zcr>+0.3Rmaxの場合は1つ正
側の領域に移る必要があるため、ステップS26で変数
iの値をインクリメント(+1)する。これに対し、Z
cr<−0.3Rmaxの場合は1つ負側の領域に移る
必要があるため、ステップS26で変数iの値をデクリ
メント(−1)する。この他の場合は、検出値Zcrが
現在の領域の中央部分にあるため、変数iの値をそのま
まにして図11のステップS29に移る。
【0061】ステップS26又はステップS27で変数
iを変更したときは、ステップS28で変数iの値をチ
ェックし、その値が1からnの範囲内にあれば正常であ
るのでステップS23へ戻って同様の処理を繰り返す。
しかし、ここで変数iの値が1からnの範囲内に無いと
判定されたときは、測定不可能なオーバレンジ状態にあ
るため、測定動作を異常終了させる。
【0062】図11のステップS29ではスイッチ入力
回路17a等からスイッチ信号を入力し、測定開始の操
作が行われたか否かを判定する。ここでN(ノー)と判
定されたら図10のステップS24へ戻るが、Y(イエ
ス)と判定されたら次のステップS30へ進んで検出器
の送りを開始する。即ち、予め設定されている検出器送
り速度を送り速度出力回路24aへ出力する一方、送り
位置入力回路23aから検出器送り位置を入力する。
【0063】次にステップS31でスケール23の出力
から検出器21が予め設定されているサンプリング期間
だけ移動するのを待つ。この移動完了は、最初の1回目
については、ステップS30で入力した検出器送り位置
と、送り位置入力回路23aから入力した現在の検出器
位置との差の絶対値を参照して判定する。また、2回目
以降は、前回サンプリング時の検出器送り位置が後述す
るステップS32によって保存されているため、その値
と現在の検出器送り位置との差を参照して判定する。ス
テップS32では、ステップS24と同様に検出値Zc
rを求めるが、ここでは送り位置入力回路23aから検
出器送り位置も入力して保存しておく。
【0064】次のステップS33ではステップS25と
同じ条件で検出値Zcrの値を判別する。そしてZcr
>+0.3Rmaxの場合は1つ正側の領域に移る必要
があるため、ステップS37で変数iの値をインクリメ
ント(+1)する。これに対し、Zcr<−0.3Rm
axの場合は1つ負側の領域に移る必要があるため、ス
テップS38で変数iの値をデクリメント(−1)す
る。この他の場合は、検出値Zcrが現在の領域の中央
部分にあるため、変数iの値をそのままにしてステップ
S34に移る。
【0065】ステップS37又はステップS38で変数
iを変更したときは、ステップS39で変数iの値をチ
ェックし、その値が1からnの範囲内にあれば正常であ
るので、ステップS40でオフセットを更新してステッ
プS32へ戻る。この場合も、ステップS23と同様に
オフセットテーブルを使用する。しかし、ステップS3
9で変数iの値が1からnの範囲内に無いと判定された
ときは、測定不可能なオーバレンジ状態にあるため、ス
テップS41で送り速度出力回路24aへ零を出力して
検出器21の送りを停止し、測定動作を異常終了させ
る。
【0066】領域切替が必要ない場合は、ステップS3
4において測定レンジでの検出値Zcrからオフセット
i を減算して検出絶対値を求め、これを検出データと
する。次にステップS35で測定終了か否かを判定す
る。これは、予め決められているサンプリング数の検出
データの収集が全て終了したか否かで判定する。ここで
終了していないと判定されたら、ステップS31へ戻る
が、終了したと判定されたらステップS36へ進んで送
り速度出力回路24aへ零を出力して検出器送りを停止
させ、測定動作を終了させる。
【0067】第2の方法は、データサンプリング時毎に
今回サンプリングした検出値からオフセット修正値を求
め、このオフセット修正値を前回のオフセット値に加算
または減算してオフセット調整する。この第2の方法で
は、第1の方法で使用したオフセットテーブルの使用を
止め、代わりに検出値から直接オフセットを算出すると
共に、検出値のサンプリング毎にオフセット更新をす
る。図12、図13、図14は第2の方法の処理を示す
分割されたフローチャートである。
【0068】図12の始めのステップS51では、最も
増幅度の低いレンジ番号をレンジ切替回路28aへ出力
して最低レンジを選択する。次にステップS52でオフ
セット出力回路27cへ零を出力してオフセットをキャ
ンセルする。次のステップS53ではステップS24と
同様にして、検出器信号入力回路21fの出力とレンジ
番号によって決まる定数から現在の検出値Zcrを求め
る。
【0069】ステップS54ではオフセット調整変数D
ofを設定し、ここへステップS53で求めた検出値Z
crの正負反転値(−Zcr)を格納する。この変数D
ofの値をステップS55でオフセット出力回路27c
へ出力すると、オフセット調整ができる。次のステップ
S56では、ステップS29と同様に測定開始か否かを
判定し、Nであれば始めのステップS51へ戻り、Yで
あれば次のステップS57へ進む。ステップS57はス
テップS21と同じであり、ここで測定時レンジに切替
える。
【0070】ステップS57の次は図13のステップS
58へ進み、ここで検出器の送りを開始する。この処理
は前述のステップS30と同じである。続くステップS
59は検出器の移動待ちであり、ここではステップS3
1と同様に所定のサンプリング間隔だけ移動完了するの
を待機する。次のステップS60では検出器信号をサン
プリングして検出値Zcrを求めるが、ここでも前述し
たステップS53と同様に送り位置入力回路23aから
検出器送り位置を入力して保存しておく。
【0071】検出値Zcrを求めたらステップS61で
オーバレンジか否かを判定する。ここでは、検出値Zc
rの値が+0.45Rmax以上又は−0.45Rma
x以下の場合をオーバレンジと判定する(Rmaxは現
在選択している測定可能範囲である)。このステップS
61でオーバレンジと判定されたら、ステップS62へ
分岐し、またオーバレンジでないと判定されたら図14
のステップS65へ分岐する。
【0072】ステップS62では現在選択しているレン
ジが最も低いレンジか否かを判定する。ここで最低レン
ジではないと判定されたらステップS63で現在選択し
ているレンジより一段増幅度の低いレンジに下げ、且つ
そのレンジ番号をレンジ切替出力回路28aへ出力して
からステップS60へ戻る。これに対し、ステップS6
2で最低レンジと判定されたら、ステップS64で検出
器送りを停止して異常終了する。即ち、送り速度出力回
路24aへ零を出力して検出器21の送りを停止させ、
更に検出器21の測定可能範囲を超えているので、測定
動作を中断させる。
【0073】一方、オーバレンジしてないと判定されて
図14のステップS65へ分岐したときは、このステッ
プS65で検出値Zcrから変数Dofの値を減算し、
その結果(Zcr−Dof)をメモリに格納しておく。
次にステップS66で次回の変数Dofの値を更新す
る。これは今回の変数Dofの値から検出値Zcrを減
算した結果(Dof−Zcr)を次回の変数Dofとす
る論理である。ステップS67では次回の変数Dofの
値をオフセット出力回路27cへ出力してオフセット調
整をする。
【0074】ステップS68では、現在選択しているレ
ンジがステップS57で切替えた測定時レンジと同一か
否かを判定する。ここでNと判定されたらステップS6
9で測定時レンジ(ステップS57で切替えたレンジ)
に再度切替えてから図13のステップS60へ戻る。こ
れに対し、ステップS68で測定時レンジと判定された
ときはステップS70で測定終了か否かを判定する。即
ち、ステップS65で計算し、一時保管されている結果
(Zcr−Dof)を検出データとすると共に、予め決
められているサンプリング数の検出データの収集を全て
終了したか否かを判定する。
【0075】ステップS70で測定終了でないと判定さ
れたときは、図13のステップS59へ戻るが、測定終
了と判定されたときはステップS71へ進んで検出器送
りを停止し、測定動作を終了する。このステップS71
の処理内容は図11のステップS36と同じである。
【0076】第3の方法は、データサンプリング時毎に
今回サンプリングした検出値からオフセット修正値を求
め、このオフセット修正値を前回のオフセット値に加算
または減算し、更にオフセット調整を受けた検出値か
ら、あらかじめ評価されている検出手段の誤差データを
減算して検出データとする。
【0077】この第3の方法は、第2の方法に検出デー
タ補正を加えたものである。図15、図16、図17は
第3の方法の処理を示す分割されたフローチャートであ
る。この内、図15の処理と図16の処理はそれぞれ図
12の処理と図13の処理に対応している。即ち、図1
5のステップS101〜S107は図12のステップS
51〜S57にそれぞれ対応し(S101=S51,S
102=S52,…,S107=S57)、また図16
のステップS108〜S114は図13のステップS5
8〜S64にそれぞれ対応する(S108=S58,S
109=S59,…,S114=S64)。
【0078】これに対し、図17はステップS115〜
S121が図14のステップS65〜S71にそれぞれ
対応するが(S115=S65,S116=S66,
…,S121=S71)、図17のステップS118と
ステップS120の間に新たにステップS122を追加
した点が第3の方法の特徴である。
【0079】ステップS122の検出データ補正処理
は、ステップS115で計算し、一時保管している結果
(Zcr−Dof)に対して検出器21の直線性誤差補
正を行うものである。このステップS122を追加した
結果、次のステップS120では、予め決められている
サンプリング数の検出データの収集を全て終了したか否
かの判断だけを行う。
【0080】ステップS122の検出データ補正処理で
は、表2の様な検出器誤差テーブルを使用する。このテ
ーブルは、検出器変位1μm毎の検出器変位と検出器誤
差データとを組にしたもので、本例では検出器の測定範
囲が最低レンジで±250μmの場合を例としている。
【0081】
【表2】
【0082】図18はステップS122の検出データ補
正処理の具体例を示す詳細フローチャートである。始め
のステップS131は、検出データ(Zcr−Dof)
の0.1μmの桁を四捨五入してμm単位の値に丸める
処理である。次のステップS132は丸めた検出データ
によって表2の検出器誤差テーブル中の検出器変位を検
索し、同値の行から対応する検出器誤差データを取り出
す処理である。最後のステップS133は、ステップS
131の丸め処理を行う前の検出データからステップS
132で得られた検出器誤差データを減算して補正済検
出データを求める処理である。
【0083】上記の検出器誤差テーブルは次のようにし
て作成することができる。先ず、オフセット出力回路2
7cへ零を出力すると共に、レンジ切替出力回路28a
へ適当なレンジ番号を出力して増幅器21dの増幅度を
高くする。次に、6.000mm高さの基準ゲージブロ
ックを載物台26上にセットし、ここへ検出器21の触
針を接触させる。この状態で検出器信号入力回路21f
からの入力値が零となるように、上下移動出力回路25
aへ適当な値を出力して検出器高さを調整した後、その
高さを固定する。
【0084】次にオフセット出力回路27cへ−10.
00を出力してオフセットを−10.00μmとする。
更に、載物台26上のゲージブロックを6.010mm
のものに置き換え、そのときの検出値Zcrを求める。
この検出値Zcrは、前述したように、検出器信号入力
回路21fから入力した検出器信号に、レンジ番号によ
って決まる定数を乗算した値である。この場合の検出値
Zcrは、ゲージブロックの高さの差10μmに応じた
値であるため、これを検出器変位+10μmでの検出器
誤差データH+10 とする。尚、検出器変位0μmでの検
出器誤差データH0 は0とする。
【0085】次に、オフセット=−20μm、ゲージブ
ロック高さ=6.020μmとして検出値Zcrを求
め、この値を検出器変位+20μmでの検出器誤差デー
タH+20 とする。以下同様にして検出器変位10μm毎
の検出器誤差データH+30,H+40 ,…を検出器変位+
250μmまで求める。
【0086】負側の検出器変位についても同様である。
即ち、オフセット=+10μm、ゲージブロック高さ=
5.990μmとして検出値Zcrを求め、この値を検
出器変位−10μmでの検出器誤差データH-10 とす
る。以下同様にして、検出器変位10μm毎の検出器誤
差データH-20 ,H-30 ,…を検出器変位−250μm
まで求める。
【0087】以上の実測を行うことにより、500μm
の幅を有する測定範囲について10μm毎の検出器誤差
データが得られたことになるが、表2の様に1μm毎の
検出器誤差データを集めた検出器誤差テーブルを作成す
るには、その間の1μm毎の検出器誤差データを計算に
よって求める必要がある。
【0088】以下、実測した10μm毎の検出器誤差デ
ータから1μm毎の検出器誤差データを直線補間によっ
て算出する方法を説明する。この方法では、算出しよう
とする範囲の最も正側の検出器変位をLp (例えば+2
0μm)、検出器誤差データをHp とし、また同範囲の
最も負側の検出器変位をLm (例えば+10μm)、検
出器誤差データをHm とした場合、Lm から正側に1μ
mずつ変位した仮想的な検出器変位Lm+i (但しi=
1,2,…9)における検出器誤差データHm+iは以下
の数2で求められる。
【0089】
【数2】
【0090】上記の方法では6.000mm高さのゲー
ジブロックを基準にして検出器変位10μm毎に±25
0μmの測定範囲の検出器誤差を求めたが、基準ゲージ
ブロックの高さや実測検出器変位、さらには測定範囲の
数値は任意に設定できる。また、補間データの算出法も
直線補間法に限られない。例えば、検出器変位10μm
毎の検出器誤差データから近似n次曲線を求め、その曲
線から1μm毎の補間データを算出する方法、或いはス
プライン補間による方法等も適用できる。
【0091】上述した方法で検出器誤差データを求める
と、検出器21の非直線性だけでなく、増幅器21d、
A/D変換器21e、D/A変換器27b等の回路自体
の非直線性も含んだ総合誤差データを高精度に求めるこ
とができる。
【0092】上述した実施例3の測定機には次の利点が
ある。 a)常に最高分解能で最大範囲の測定が可能なため、レ
ンジ切替そのものが不要となり、操作性が改善される。 b)測定データが最高分解能でサンプリングされるた
め、1回の測定結果から全測定データ内の任意の一部を
任意の倍率に拡大して表示または印字してもデータ品質
が低下しない。このため、測定データの評価を容易に且
つ正確に行うことが可能な操作性に優れた測定機を実現
できる。 c)最大範囲の測定が可能なため、検出器のセッティン
グが容易である。 d)直線性補正を行うことによって、測定精度および分
解能が共に優れた装置を実現できる。
【0093】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、測定
物の表面性状等の状態を検出する測定機において、測定
値に付加するオフセット値を自動調整することで、高倍
率でもオーバレンジしにくくすると共に、本測定までの
段取り時間を短縮し、また測定対象とする物体表面を傷
つけないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した測定機の一部ブロック図で
ある。
【図2】 本発明を適用した測定機の残部ブロック図で
ある。
【図3】 CRTディスプレイの画面構成を示す説明図
である。
【図4】 表面性状測定器の機構図である。
【図5】 本発明の実施例1の説明図である。
【図6】 本発明の実施例2の説明図である。
【図7】 本発明の実施例1および2の自動オフセット
調整機能を示すフローチャートである。
【図8】 図7の位置決め調整機能を示す詳細フローチ
ャートである。
【図9】 本発明の実施例3の説明図である。
【図10】 本発明の実施例3の具体例を示す第1の方
法の部分フローチャートである。
【図11】 図10の続きフローチャートである。
【図12】 本発明の実施例3の具体例を示す第2の方
法の部分フローチャートである。
【図13】 図12の続きフローチャートである。
【図14】 図13の続きフローチャートである。
【図15】 本発明の実施例3の具体例を示す第3の方
法の部分フローチャートである。
【図16】 図15の続きフローチャートである。
【図17】 図16の続きフローチャートである。
【図18】 検出データ補正処理の詳細フローチャート
である。
【符号の説明】
A…拡大記録図形表示部、10…共通バス、11…CP
U、12…メモリ、13…プリンタ、14…CRTディ
スプレイ、15…キーボード、16…マウス、17…ス
イッチ、21…粗さ検出器、21f…検出器信号出力回
路、22…記録計、23…検出器送り位置スケール、2
4…検出器送りユニット、25…コラム機構、26…傾
斜補正用載物台、27a…加算器、27c…オフセット
出力回路、28a…レンジ切替出力回路、30…測定
物。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗さ検出器を測定物に対して相対移動さ
    せて測定物の表面性状を測定する測定機において、 前記検出器 の検出出力にオフセット値を加える手段と、 このオフセット値が加えられた検出値を順次サンプリン
    グして処理する手段と、 この処理手段によるデータサンプリング時毎に今回サン
    プリングした検出値をあらかじめ設定した上限値および
    下限値と比較し、前記検出値が前記上限値または下限値
    を越えたときは次回のデータサンプリング時に使用する
    前記オフセット値をあらかじめ設定した値だけ増加又は
    減少させて測定可能領域をシフトさせるオフセット調整
    手段と サンプリングされた各検出値からそれぞれに加えられた
    オフセット値を除去して検出絶対値を求める手段と を備
    えてなることを特徴とする自動オフセット調整機能付き
    測定機。
  2. 【請求項2】 粗さ検出器を測定物に対して相対移動さ
    せて測定物の表面性状を測定する測定機において、 前記検出器 の検出出力にオフセット値を加える手段と、 このオフセット値が加えられた検出値を順次サンプリン
    グして処理する手段と、 この処理手段によるデータサンプリング時毎に今回サン
    プリングした検出値をオフセット修正値とし、このオフ
    セット修正値を前回のオフセット値に加算または減算
    て測定可能領域をシフトさせるオフセット調整手段と サンプリングされた各検出値からそれぞれに加えられた
    オフセット値を除去して検出絶対値を求める手段と を備
    えてなることを特徴とする自動オフセット調整機能付き
    測定機。
  3. 【請求項3】 前記検出絶対値をあらかじめ評価されて
    いる前記検出器の変位に応じた直線性誤差データにより
    誤差補正する手段を更に備えてなることを特徴とする
    求項1または2に記載の自動オフセット調整機能付き測
    定機。
  4. 【請求項4】 前記誤差補正する手段は、前記検出器の
    直線性誤差データ をあらかじめ所定の変位毎に実測して
    得られた実測誤差データとこれから算出された補間誤差
    データとを格納した誤差テーブルを備えてなることを特
    徴とする請求項3記載の自動オフセット調整機能付き測
    定機。
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