JP2936747B2 - 車両用交流発電機 - Google Patents

車両用交流発電機

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JP2936747B2
JP2936747B2 JP3238791A JP3238791A JP2936747B2 JP 2936747 B2 JP2936747 B2 JP 2936747B2 JP 3238791 A JP3238791 A JP 3238791A JP 3238791 A JP3238791 A JP 3238791A JP 2936747 B2 JP2936747 B2 JP 2936747B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用発電機に関し、特
に整流装置の冷却性を向上させたものである。
【0002】
【従来の技術】車両用交流発電機に設けた整流装置の冷
却は、図2に示すように(+)側及び(−)側冷却フィン
a,bの周囲に冷却風を通す空冷のみによって行うか、
或いは(+)側冷却フィンaは空冷により、(−)側冷却フ
ィンbは空冷とリヤエンドc又は該リヤエンドcからリ
ヤエンドフレームd等への伝熱冷却とを併用して行って
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近の
車両用交流発電機の小型化、高性能化に伴い冷却フィン
周囲の冷却通風路が十分確保できない。また、温度上昇
が大きくなり上記のように一方の冷却フィンを通風によ
り、他方の冷却フィンを通風冷却と伝熱冷却とにより冷
却するだけでは、整流装置全体に対する十分な冷却効果
を期待できない等という問題点がある。さらに、このよ
うな車両用交流発電機が、設置される車両の内部環境も
各種部品の密集度が高まり益々高温化する傾向にあり、
冷却性の高い車両用交流発電機の開発の要請がある。本
発明は上記に鑑みてためになされたもので、整流装置に
対する冷却性の高い車両用交流発電機を提供することを
目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の具体的手段として、請求項1に記載の発明では、一対
の冷却フィンのそれぞれに複数個の異極性の整流素子を
設けてなる整流装置を、リヤエンド側フレームと該リヤ
エンド側フレームを覆うリヤエンドカバーとの間に装着
して、前記各冷却フィンを熱伝導性の良い部材へ直接接
触させ若しくは熱伝導性の良い部材又は熱伝導性の良い
電気絶縁部材を狭持させて接触させ、前記整流装置を伝
熱冷却するようにした車両用交流発電機において、前記
一対の冷却フィンのうち、一方の冷却フィンをリヤエン
ドフレームに当接させ、他方の冷却フィンをリヤエンド
カバーに当接させて前記一対の冷却フィン間に間隔を設
け、該間隔に前記リヤエンドカバーの通風口から強制的
に取入られる冷却風を通過させるようにしたことを特徴
とする車両用交流発電機が提供される。請求項2に記載
の発明では、請求項1記載の発明において、リヤエンド
カバーが良熱伝導材で形成されていることを特徴とする
車両用交流発電機が提供される。請求項3の発明では、
請求項1記載の発明において、リヤエンドカバーが金属
製であることを特徴とする車両用交流発電機が提供され
る。
【0005】
【作用】上記請求項1から請求項3に記載の車両用交流
発電機によれば、一対の冷却フィンの一方をリヤエンド
フレームに接触させ、他方をリヤエンドカバーに接触さ
せて冷却フィン間に間隔を設け、それぞれ伝熱冷却を行
うとともに、前記リヤエンドカバーの通風口から強制的
に取入られる冷却風を前記一対の冷却フィン間に設けた
間隔に通して、空冷と熱伝導を併用して整流装置の冷却
を行う。
【0006】
【実施例】本発明の車両用交流発電機の全体構造を、図
1により説明する。車両用交流発電機(以下単に発電機
という)の外殻をなすフレーム1は概略椀状で、リヤエ
ンド側の開口部を冷却風の通風口2としたアルミダイキ
ャスト製のリヤエンドフレーム3が、エンドフレーム結
合ボルト4等の締結手段によって結合されている。上記
フレーム1の内側にはステータ5が圧入等の方法で固定
され、該ステータ5は周知の如くステータコア5aおよ
びこのステータコア5aに巻かれたステータコイル5b
から構成されている。また、フレーム1のドライブエン
ド側の側面中央部には、円筒状の軸受部1aが形成され
軸受6が取付けられている。
【0007】前記リヤエンドフレーム3も中央部に円筒
状の軸受3aが形成され、軸受7が取付けられており、
これらの軸受6,7によりシャフト8は回転自在に支持
されている。シャフト8には、前記ステータ5の内側に
位置する様に一対の爪付ポールコア9a,9bが機械的
に固定されており、該ポールコア9a,9bの内壁には
周知のロータコイル10がボビン11に巻線されて挟持
されている。また、ポールコア9a,9bのフレーム1
とリヤエンドフレーム3の側面に隣接した位置には冷却
ファン12a,12bが取り付けられている。
【0008】前記フレーム1のドライブエンド側には、
複数の空気導入口13aと空気排出口13bが形成さ
れ、リヤエンド側には複数の空気排出口13cが形成さ
れている。また、シャフト8のドライブエンド側の端部
にはプーリ21がナット22により結合され、このプー
リ21は図示しないエンジンの回転をシャフト8に伝え
る。シャフト8の他端側のリヤエンド側には、リヤエン
ドフレーム3の外側にスリップリング23が嵌合されて
いる。そして、そのスリップリング23に摺動し、ロー
タコイル10に励磁電流を供給するブラシ24を内部に
保持するブラシホルダ25が配設されている。
【0009】また、リヤエンドフレーム3と該リヤエン
ドフレーム3を覆うリヤエンドカバー26との間に整流
装置27が装着される。該整流装置27は端子大28を
挟んで一対の冷却フィン29,30をパイプリベット等
により結合して、シャフト8の軸方向で冷却フィン2
9,30間に間隔Lを設ける。フロント側の冷却フィン
29には(+)側の整流素子であるダイオード31を、
リヤ側の冷却フィン30には(−)側の整流素子である
ダイオード32をそれぞれ固着するとともに、前記端子
台28に埋め込んで固定したターミナル33に電気的か
つ機械的に接続する。前記整流装置27のフロンと側の
冷却フィン29は、熱伝導性の良い電気絶縁シート34
を介してアルミ製のリヤエンドフレーム3に当接して固
定する。また、リヤ側の冷却フィン30は熱伝導性の良
いグリース等を塗布して、熱伝導性の良いアルミ等の金
属からダイキャスト成形またはプレス成形などにより形
成されたリヤエンドカバー26に当接して固定する。
のように冷却フィン29,30はそれぞれ、良熱伝導材
のリヤエンドフレーム3及びリヤエンドカバー26に当
接して固定される。この整流装置27の固定は、結合ボ
ルト35により行われる。前記リヤエンドカバー26に
は、発電機を冷却する空気を取入れるための複数の空気
導入口36及び前記一対の冷却フィン29,30に当て
る冷却風を通す通風口37とが形成されている。
【0010】次に上記実施例についてその作動を説明す
る。ブラシ24,スリップリング23を介しロータコイ
ル10に電流が供給され、かつエンジンによりプーリ2
1を介してシャフト8が回転されると、ステータコイル
5bに交流電流が誘起される。誘起された交流電流は整
流装置27の冷却フィン29.30に固着したダイオー
ド31,32により整流されて負荷に出力されると発電
機は熱を発生し高温化する。同時にシャフト8の回転に
より冷却ファン12a,12bも回転し、フレーム1の
ドライブエンド側では、冷却ファン12aにより空気導
入口13aから空気排出口13bに流れる冷却風が生じ
て、ステータ5及びロータコイル10等を冷却する。
【0011】また、冷却ファン12bにより冷却風をリ
ヤエンドカバー26に形成した空気導入口36及び通風
口37から強制的に取入れる。空気導入口36から取り
入れられた空気は、リヤエンドフレーム3の通風口2を
通り空気排出口13cから排出される冷却風を生じる。
また、通風口37からの冷却風は図1の矢印のように分
流して冷却フィン29,30の間に設けた間隔Lを通過
して、該冷却フィン29,30から熱を十分に奪いダイ
オード31,32を冷却する。そして、この冷却風は上
記のように冷却フィン29,30を冷却した後に、リヤ
エンドフレーム3の通風口2を通り空気排出口13cか
ら排出される。同時にフロント側の冷却フィン29はリ
ヤエンドフレーム3に当接され、リヤ側の冷却フィン3
0はリヤエンドカバー26に当接されているので、それ
ぞれ発生した熱を熱伝導により放出する。上記のよう
に、冷却フィン29,30間の間隔Lに冷却風を通すた
め冷却フィン29,30の放熱面積が拡大するととも
に、それぞれリヤエンドフレーム3及びリヤエンドカバ
ー26への熱伝導により、整流装置27全体の冷却性が
高まる。
【0012】尚、本発明は上記の実施例の細部にまで限
定されるものでなく、(+)側冷却フィンと(−)側冷却フ
ィンを入れ変える構成にしてもよく、また発電機の形式
も本実施例の形式に限定されることはない。
【0013】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明の車両用交流
発電機は一対の冷却フィンの一方をリヤエンドフレーム
に接触させ、他方をリヤエンドカバーに接触させて冷却
フィン間に間隔を設け該間隔に冷却風を通す空冷と、熱
的に十分離間されたリヤエンドフレームとリヤエンドカ
バーへの熱伝導による伝熱冷却とを併用するもので、間
隔を設けることにより放熱面積が拡大し、冷却フィンが
当接するリヤエンドフレームとリヤエンドカバー離間し
ていることにより熱集中が生じないので、整流装置全体
に対する冷却性を向上することができるとともに、整流
素子の熱疲労寿命の長期化を図ることができるという優
れた効果がある。また、リヤエンドカバーを良熱伝導材
(例えばアルミ等の金属)で形成しても高い冷却効果を
あげることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】上半分とリヤ側の一部を断面で示した車両用交
流発電機の正面図である。
【図2】従来例の整流装置の冷却フィンの部分を示した
断面図である。
【符号の説明】
3...リヤエンドフレーム、 26...リヤエンドカバ
ー、 27...整流装置、 29,30...冷却フィン、
31,32...ダイオード、 37...通風口、
L...間隔。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の冷却フィンのそれぞれに複数個の
    異極性の整流素子を設けてなる整流装置を、リヤエンド
    側フレームと該リヤエンド側フレームを覆うリヤエンド
    カバーとの間に装着して、前記各冷却フィンを熱伝導性
    の良い部材へ直接接触させ若しくは熱伝導性の良い部材
    又は熱伝導性の良い電気絶縁部材を狭持させて接触さ
    せ、前記整流装置を伝熱冷却するようにした車両用交流
    発電機において、前記一対の冷却フィンのうち、一方の
    冷却フィンをリヤエンドフレームに当接させ、他方の冷
    却フィンをリヤエンドカバーに当接させて前記一対の冷
    却フィン間に間隔を設け、該間隔に前記リヤエンドカバ
    の通風口から強制的に取入られる冷却風を通過させる
    ようにしたことを特徴とする車両用交流発電機。
  2. 【請求項2】 前記リヤエンドカバーは良熱伝導材で形
    成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用
    交流発電機。
  3. 【請求項3】 前記リヤエンドカバーは金属製であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の車両用交流発電機。
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