JP2936180B2 - カーバメート誘導体及びそれを有効成分とする有害生物防除剤 - Google Patents

カーバメート誘導体及びそれを有効成分とする有害生物防除剤

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規なカーバメート誘導体及びそれを有効成
分として含有する除草剤および農園芸用殺菌剤に関す
る。
[従来の技術] 従来より、カーバメート誘導体の除草活性および殺菌
活性は知られており、例えばチオールカーバメートとし
ては、ベンチオカーブ、モリネート等が除草剤として知
られており、メタスルホカルブ等が殺菌剤として知られ
ている。チオノカーバメートとしては特開昭第59−5125
7号公報、特開昭第59−31704号公報等にその除草活性に
ついて記載されており、特開昭第61−207304号公報等に
その殺菌活性について記載されている。また、ベンゼ環
の3、4二置換体については、例えば特開昭第59−1613
61号公報に記載されているが、4位にトリフルオロメチ
ル基を持つ化合物については全く知られていない。
[発明が解決しようとする課題] 従来のカーバメート誘導体は除草活性および殺菌活性
が必ずしも十分ではないか、あるいは作物・雑草間の選
択性が十分でなく、従って作物に対する完全性に問題が
ある。
本発明の目的は、除草剤として用いた場合に除草活性
が高くかつ作物に対する安全性が高く、農園芸用殺菌剤
として用いた場合に殺菌活性が高くかつ作物に対する安
全性の高い新規化合物及びそれを有効成分とする新規な
農薬組成物を提供することである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、新規なカーバ
メート誘導体がきわめて優れた除草活性および殺菌活性
をもち、かつ作物に対する安全性がきわめて高いことを
見いだし本発明を完成した。
すなわち、本発明は、一般式[I] (ただし、Y1、Y2は酸素原子または硫黄原子を示し同一
でも異なっていてもよいが同時に硫黄原子ではない、
R1、R2、R3は同一または相異なって直鎖または分岐した
C1−C6アルキル基を示す。) で表わされるカーバメート誘導体(以下、本発明化合物
という)、上記一般式[I]で示される本発明化合物を
有効成分として含有する除草剤および農園芸用殺菌剤を
提供するものである。
[作用] 以下本発明を詳細に説明する。
一般式[I]で示される本発明化合物の例としては、
R1、R2、R3が同一または相異なって直鎖または分岐した
C1−C6アルキル基で示されるが、R1としてはメチル基、
エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等を、R2
してはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル
基、tert−ブチル基、アリル基等を、R3としてはメチル
基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、アリ
ル基等を挙げることができる。
表1に、本発明の好ましい具体例を示すが、本発明の
化合物はこれらに限定されるものではない。
上記本発明化合物は種々の方法で製造することができ
るが、例えば下記反応式に基づいて製造することができ
る。
一般式[II](ただし、Y1、Y2、R1、R2、R3は前記と同
じ、X1はハロゲン原子を示す。) で表わされる化合物を、N−メチル−2−ピロリドンあ
るいはジメチルホルムアミド中、トリフルオロ酢酸ナト
リウムとヨウ化銅を130〜200℃で1〜96時間反応させる
ことにより本発明化合物を製造できる。ハロゲン原子と
して好ましくは臭素原子またはヨウ素原子をあげること
ができる。反応に供される試剤の量は、通常一般式[I
I]の化合物1当量に対してトリフルオロ酢酸ナトリウ
ム1当量から10当量、ヨウ化銅1当量から10当量であ
る。
または、 一般式[III](ただし、Y2、R3は前記と同じ。)で表
わされるフェノール誘導体と一般式[IV](ただし、
Y1、R1、R2、X1は前記と同じ。)で表わされるカーバモ
イルハライドとを溶媒中あるいは無溶媒下で、塩基存在
下または塩基非存在下好ましくは−40℃から200℃、さ
らに好ましくは0℃から160℃で数分から24時間反応さ
せることにより本発明化合物を製造できる。ハロゲン原
子として好ましくは塩素原子または臭素原子をあげるこ
とができる。
または、 一般式[V](ただし、Y1、Y2、R3、X1は前記と同
じ。)で表わされる化合物と一般式[VI](ただし、
R1、R2は前記と同じ。)で表わされる化合物とを溶媒中
あるいは無溶媒下で、塩基存在下または塩基非存在下好
ましくは−40℃から200℃、さらに好ましくは0℃から1
60℃で数分から24時間反応させることにより本発明化合
物を製造できる。ハロゲン原子として好ましく塩素原子
または臭素原子をあげることができる。
反応式(2)および(3)の反応に用いられる溶媒と
して、水及びメタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン等;ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素類;エチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類;クロロベンゼン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ジクロロメタ
ン等のハロゲン化炭化水素類;トリエチルアミン、ピリ
ジン、ジメチルアニリン等の第三級アミン;及びアセト
ニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
ド、リン酸へキサメチルトリアミド等の極性溶媒等を挙
げることができる。
また、反応式(2)および(3)の反応に用いられる
塩基としてトリエチルアミン、ヒリジン、1,8−ジアザ
ビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、ジメチルアニリ
ン等の第三級アミン;水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等の水酸化アルカリ;水酸化カルシウム等の水酸化ア
ルカリ土類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸アルカリ塩及び
水素化ナトリウムのような水素化金属等を挙げることが
できる。
反応に供される試剤の量は、反応式(2)においては
通常、一般式[III]の化合物1当量に対して一般式[I
V]の化合物1当量から10当量、塩基は1当量から10当
量であり、反応式(3)においては通常、一般式[V]
の化合物1当量に対して一般式[VI]の化合物1当量か
ら10当量、塩基は1当量から10当量である。
本発明化合物の原料物質は、公知の方法で得られる。
例えば、一般式[II]で表わされる3−アルキル−4
−ハロゲン化フェニルカーバメート誘導体は、3−アル
キル−4−ハロゲン化フェニル クロロホーメート誘導
体とアミノピリジン誘導体を塩基存在下で反応させるこ
とによって得ることができる。
本発明化合物を除草剤として用いる場合は、種々の雑
草に対して除草活性を有するが、特に水田雑草に対して
優れた除草活性を有する。そのような雑草としては、例
えばタイヌビエ、アゼナ、キカシグサ、ミゾハコベ、タ
マガヤツリ、マツバイ、ホタルイ、ミズガヤツリ等の一
年生および多年生雑草を挙げることができる。また、本
発明の除草剤はイネ等の作物に対してほとんど薬害を与
えることがなく安全性の高いものである。
本発明の除草剤は、通常の除草剤と同様にして使用す
ることができ、例えば水田雑草に対しては水稲の移植活
着後に雑草の発生前または発生直後にこの発明の除草剤
を用いて土壌処理を行なうことができる。また、畑地雑
草の発芽前または発芽初期にこの発明の除草剤を用いて
土壌処理または茎葉処理を行なうことができる。
本発明の除草剤の施用量は、施用する方法、目的、施
用時期、雑草の発生状況により適宜選択することができ
るが、通常、1ヘクタール当たり有効分量で10g〜10k
g、好ましくは50g〜5kgである。
本発明化合物を農園芸用殺菌剤として用いる場合は、
植物病原菌に対して優れた殺菌力を有し、広範囲にわた
る種々の菌類による植物病害の駆除撲滅のために適用出
来る。
例えば,イネいもち病(Pyricularia oryzae)、イネ
紋枯れ病(Rhizoctonia solani)、イネごま葉枯れ病
(Cochliobolus miyabeanus)、リンゴうどんこ病(Pod
osphaera leucotricha)、リンゴ黒星病(Venturia ina
equalis)、ナシ黒星病(Venturia nashicola)、ナシ
モニリア病(Sclerosinia mali)、カキ炭そ病(Gloeos
porium kaki)、モモ灰星病(Sclerotinia cinerea)、
モモ黒星病(Cladosporium carpophilum)、ブドウ灰色
かび病(Botrytis cinerea)、ブドウ黒とう病(Elsino
e ampelina)、ブドウ晩腐病(Glomerella cingulat
a)、テンサイ渇斑病(Cercospora beticola)、ピーナ
ッツ渇斑病(Cercospora arachidicola)、ピーナッツ
黒渋病(Cercospore personata)、オオムギうどんこ病
(Erysiphe graminis f.sp.hordei)、オムギアイ・ス
ポット病(Cercosporella herpotrichoides)、オオム
ギ紅色雪腐病(Fusarium nivale)、コムギうどんこ病
(Erysiphe graminis f.sp.tritici)、コムギ赤さび病
(Puccinia recondita)、コムギ斑点病(Drechslera s
orokiniana)、キュウリべと病(Pseudoperonospora cu
bensis)、キュウリうどんこ病(Sphaerotheca fuligin
ea)、キュウリつる枯病(Mycosphaerella melonis)、
キュウリ灰色かび病(Botrytis cinerea)、キュウリ黒
星病(Cladosporium cucumerinum)、トマト疫病(Phyt
ophthora infestans)、トマト葉かび病(Cladosporium
fulvum)、トマト灰色かび病(Botrytis cinerea)、
イチゴうどんこ病(Sphaerotheca humuli)、ホップ灰
色かび病(Botrytis cinerea)、タバコうどんこ病(Er
ysiphe cichoracearum)、バラ黒星病Diplocarpon rosa
e)、ミカンそうか病(Elsinoe fawcetii)、ミカン青
かび病(Penicllium italicum)、ミカン緑かび病(Pen
icillium digitatum)等があげれる。その中で特に、コ
ムギうどんこ病、コムギ赤さび病、イネごま葉枯れ病に
対して顕著な効果を示す。
また、本発明の農園芸用殺菌剤は、イネ、コムギ等の
作物に対してほとんど薬害を与えることがなく、安全性
の高いものである。
本発明の農園芸用殺菌剤は通常の農園芸用殺菌剤と同
様にして使用することができる。施用量は、使用される
化合物の種類、対象病害、被害の程度、環境条件、使用
する剤型などによって変動するが、粉剤及び粒剤の様に
そのまま使用する場合は有効成分として10アール当り0.
1〜5kg、好ましくは0.3〜1kgの範囲がよい。また、乳剤
または水和剤のように最終的に液状で使用する場合は、
0.1〜10000ppm、好ましくは10〜3000ppmの範囲から選ぶ
のがよい。
本発明の除草剤および農園芸用殺菌剤は、他の殺菌
剤、殺虫剤、除草剤、植物成長調節等の農薬、土壌改良
剤または肥効性物質との混合使用はもちろんのこと、こ
れらとの混合製剤のすることもできる。
本発明の除草剤および農園芸用殺菌剤は、前記一般式
[I]で示される本発明化合物の一種または二種以上の
適当量を、この分野において通常用いられている農薬補
助剤を用いて、農薬製剤上一般に行なわれている方法に
より製造された、例えば乳剤、水和剤、油剤、粒剤、粉
剤等の製造形態にして使用される。これら種々製剤は実
際の使用に際しては、そのまま使用するか、または水で
所定の濃度に希釈して使用することができる。
農薬補助剤の例としては、希釈剤、界面活性剤、安定
剤、固着剤、エアゾール用噴霧剤、共力剤、増量剤、固
体担体、効力延長剤、分散安定剤等を挙げることができ
る。希釈剤の例としては水、炭化水素類、アルコール
類、エーテル類、アルコールエーテル類、ケトン類、エ
ステル類、アミド類、スルホキシド類、ケロシン、鉱油
等を挙げることができる。
また、増量剤、固定担体としては無機質粉粒体例えば
生石灰、マグネシウム石炭、石膏、炭酸カルシウム、珪
土、パーライト、軽石、珪藻土、アルミナ、ゼオライ
ト、粘土鉱物(滑石、バーミキュライト、カオリナイ
ト)、合成樹脂粉体(例えばフェノール樹脂、塩化ビニ
ール樹脂)等を挙げることができる。界面活性剤として
は、アニオン界面活性剤(例えばアルキル硫酸エステル
類、アリールスルホン酸類、コハク酸塩類、ポリエチレ
ングリコールアルキルアリールエーテル硫酸塩類)、カ
チオン界面活性剤(例えばアルキルアミン類、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン類)、非イオン界面活性剤
(例えばポリオキシエチレングリコールエーテル類、ポ
リオキシエチレングリコールエステル類、多価アルコー
ルエステル類)、両性界面活性剤等を挙げることができ
る。
[発明の効果] 本発明により、除草剤として優れた除草活性および殺
菌剤として優れた殺菌活性及び安全性を有する新規化合
物が提供された。また、本発明化合物を有効成分として
含有する本発明の除草剤および農園芸用殺菌剤は、後述
する実施例で明らかになるように、種々の雑草および菌
類を的確に駆除することができる除草活性および殺菌活
性の高いものであり、それでいて種々の作物、特にイ
ネ、コムギ、トウモロコシ、ダイズ等には、極めて安全
に使用できる安全性の高いものである。
以下、実施例によりこの発明を具体的に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例] 実施例1 3−エチル−4−トリフルオロメチルフェニル N−
(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカー
バメート(化合物番号1)の製造 3−エチル−3−トリフルオロメチルフェニルクロロ
チオホーメート0.4gをアセトン10mlに溶解させ2−メチ
ルアミノ−6−メトキシピリジン0.28gと炭酸カリウム
0.03gを加え室温で2時間反応させた。反応終了後、不
溶物を濾別し濾液の溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ベンゼン)により
精製し、目的物0.20gを得た。
融点 67〜69℃1 H−NHR(溶媒:CDCl3 単位:δppm) 1.20(t,3H,J=7Hz),2.78(q,2H,J=7Hz) 3.70(s,3H),3.87(s,3H),6.50−7.65(m,6H) 元素分析(%):C17H17N2O2SF3として 実測値:C;55.04,H;4.73,N;7.50 計算値:C;55.12,H;4.62,N;7.56 実施例2 3−イソプロピル−4−トリフルオロメチルフェニル
N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオ
カ−バメート(化合物番号2)の製造 3−イソプロピル−4−ブロモフェニル N−(6−
メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメー
ト0.40gをN−メチル−2−ピロリドン20mlに溶解さ
せ、トリフルオロ酢酸ナトリウム0.81gとヨウ化銅1.2g
とを加え160℃で24時間反応させた。放冷後不溶物を濾
別し、溶媒を減圧留去した。残渣をジエチルエーテルで
抽出し水洗した。無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後
溶媒を留去し、残填をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(展開溶媒;ベンゼン:ヘキサン=1:1)により精
製し目的物0.09gを得た。
融点 71〜72℃1 H−NMR(溶媒:CDCl3 単位:δppm) 1.23(d,6H,J=7Hz),3.10−3.50(m,1H) 3.77(s,3H),3.95(s,3H),6.55−7.80(m,6H) 元素分析(%):C18H19N2O2SF3として 実測値:C;56.13,H;4.96,N;7.28 計算値:C;56.24,H;4.97,N;7.28 実施例3 3−メチル−4−トリフルオロメチルフェニル N−
(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルカーバメ
ート(化合物番号3)の製造 3−メチル−4−ブロモフェニル N−(6−メトキ
シ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメート2.0g
をN−メチル−2−ピロリドン50mlに溶解させ、トリフ
ルオロ酢酸ナトリウム3.0gとヨウ化銅4.0gとを加え160
℃で24時間反応させた。放冷後不溶物を濾別し、溶媒を
減圧留去した。残填をジエチルエーテルで抽出し水洗し
た。無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後溶媒を留去
し、残填をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
溶媒;ベンゼン;ヘキサン=1:1)により精製し目的物
0.15gを得た。
融点 92〜93℃1 H−NMR(溶媒:CDCl3 単位:δppm) 2.43(s,3H),3.57(s,3H),3.93(s,3H) 6.75−7.75(m,6H) 元素分析(%):C16H15N2O3SF3として 実測値:C;56.53,H;4.33,N;8.09 計算値:C;56.47,H;4.44,N;8.23 実施例4 3−メチル−4−トリフルオロメチルフェニル N−
(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカー
バメート(化合物番号4)の製造 3−メチル−4−ブロモフェニル N−(6−メトキ
シ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメート2.0g
をN−メチル−2−ピロリドン50mlに溶解させ、トリフ
ルオロ酢酸ナトリウム3.0gとヨウ化銅4.0gとを加え160
℃で7時間反応させた。放冷後不溶物を濾別し、溶媒を
減圧留去した。残填をジエチルエーテルで抽出し水洗し
た。無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後溶媒を留去
し、残填をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
溶媒;ベンゼン:ヘキサン:=1:1)により精製し目的
物0.17gを得た。
融点 76〜77℃1 H−NMR(溶媒:CDCl3 単位:δppm) 1.23(s,3H),3.70(s,3H),3.90(s,3H) 6.45−7.70(m,6H) 元素分析(%):C16H15N2O2SF3として 実測値:C;53.84,H;4.31,N;8.03 計算値:C;53.92,H;4.24,N;7.86 実施例5(乳剤) 本発明化合物番号1を5重量部、キシレン75重量部及
びソルポール2806B(商品名:東邦化学工業製)20重量
部を均一に撹はん混合して乳剤を得た。
実施例6(水和剤) 本発明化合物番号1を10重量部、ジークライト(商品
名:ジークライト化学鉱業製)86.5重量部、ニューカル
ゲンNV−406(商品名:竹本油脂製)2重量部及びディ
スクゾールWA商品名:第一工業製薬製)1.5重量部を混
合粉砕して水和剤を得た。
実施例7(粒剤) 本発明化合物番号1を10重量部、ベントナイト50重量
部、クニライト(商品名:国峰工業製)35重量部および
界面活性剤としてソルポール800A(商品名:東邦化学工
業製)5重量部を混合粉砕したのち、水を加え均一に撹
はんし、直径0.7mmの篩穴から押しだし乾燥後、1〜2mm
の長さに切断して10%粒剤を得た。
実施例8(粉剤) 本発明化合物番号1を2重量部を珪藻土5重量部、お
よびクレー93重量部を均一に混合粉砕して2%粉剤を得
た。
実施例9 茎葉処理試験 20cm×20cmの樹脂性ポットに畑土壌を詰め、コムギ、
トウモロコシ、ダイズ等の作物の種子と、表2に示す雑
草の種子を播き、これらが見えなくなる程度に覆土し
た。ノビエが1.5〜2.0葉期になった時に、前記実施例6
に準じて製剤した本発明化合物の水和剤の所定薬量をポ
ットあたり20mlの水で希釈して均一に散布した、薬剤散
布後14日目に雑草及び作物の成育状態を観察し、表2に
示す結果を得た。
除草効果の評価は下記のように0〜5の数字で表わし
た。また、作物に対する薬害も除草効果と同じ基準で示
した。
0・・・抑草率 0〜9% 1・・・抑草率 10〜29% 2・・・抑草率 30〜49% 3・・・抑草率 50〜69% 4・・・抑草率 70〜89% 5・・・抑草率 90〜100% 実施例10 移植水稲における土壌処理試験 100cm2のプラスチックポットに代掻き状態の水田土壌
を詰め、表4に示す雑草の種子を播き、さらに2葉期の
水稲(品種:ヤマホウシ)を1ポット当り2本2株を移
植し、約2cmの湛水状態で管理した。表3に示す雑草の
発生初期に前記実施例6に準じて製剤した本発明化合物
の水和剤の所定薬量をポットあたり10mlの水で希釈して
水面に滴下処理した。その後温室内に静置し、適時散水
した。薬剤処理後20日目に除草効果及び薬害を調査し、
表3に示す結果を得た。
除草効果の評価及び薬害の評価は実施例9と同様にな
った。
実施例11 コムギうどんこ病予防効果試験 8cm×8cmプラスチック製ポットにコムギ種子(品種:
農林61号)を播種し温室内で育成 させた。第一葉が完全に展開したコムギ幼苗に、実施例
6に準じて調製した水和剤を所定濃度になるように水で
希釈した液を散布した。風乾後、コムギうどんこ病菌を
接種し、25℃の恒温室に入れた。接種7日後ポット全体
の病斑数を調査し、下記の式に従って防除価を算出し
た。
N :調査全葉数 n0:発病なしの葉数 n1:病斑面積率25%未満の発病葉数 n2:病斑面積率25〜50%の発病葉数 n3:病斑面積率50〜75%の発病葉数 n4:病斑面積率75%以上の発病葉数 化合物番号1、2、4は500ppmの処理濃度で90%以上
の防除価を示した。
実施例12 コムギ赤さび病予防効果試験 8cm×8cmプラスチック製ポットにコムギ種子(品種:
農林61号)を播種し温室内で育成させた。第一葉が完全
に展開したコムギ幼苗に、実施例6に準じて調製した水
和剤を所定濃度になるように水で希釈した液を散布し
た。風乾後、コムギ赤さび病菌を接種し、20℃の恒温室
に入れた。接種7日後ポット全体の病斑数を調査し、下
記の式に従って防除価を算出した。
化合物番号1は500ppmの処理濃度で90%以上の防除価
を示した。
実施例13 コムギ斑点病予防効果試験 8cm×8cmプラスチック製ポットにコムギ種子(品種:
農林61号)を播種し温室内で育成させた。第一葉が完全
に展開したコムギ幼苗に、実施例6に準じて調製した水
和剤を所定濃度になるように水で希釈した液を散布し
た。風乾後、コムギ斑点病菌を接種し、25℃の恒温室に
入れた。接種7日後ポット全体の病斑数を調査し、実施
例11と同様にして防除価を算出した。
化合物番号1、4は500ppmの処理濃度で80%以上の防
除価を示した。
実施例14 イネいもち病予防効果試験 8cm×8cmプラスチック製ポットにイネ種子(品種:ヤ
マホウシ)を播種し温室内で育成させた。2.5〜3葉期
に、実施例6に準じて調製した水和剤を所定濃度になる
ように水で希釈した液を散布した。風乾後、イネいもち
病菌を接種し、25℃の恒温室に入れた。接種7日後ポッ
ト全体の病斑数を調査し実施例12と同様にして防除価を
算出した。
化合物番号1、4は500ppmの処理濃度で80%以上の防
除価を示した。
実施例15 イネごま葉枯れ病予防効果試験 8cm×8cmプラスチック製ポットにイネ種子(品種:ヤ
マホウシ)を播種し温室内で育成させた。2.5〜3葉期
に、実施例6に準じて調製した水和剤を所定濃度になる
ように水で希釈した液を散布した。風乾後、イネごま葉
枯病菌を接種し、25℃の恒温室に入れた。接種7日後ポ
ット全体の病斑数を調査し実施例12と同様にして防除価
を算出した。
化合物番号1は500ppmの処理濃度で90%以上の防除価
を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 213/00 - 213/75 A01N 43/00 - 43/22 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I] (ただし、Y1、Y2は酸素原子または硫黄原子を示し同一
    でも異なっていてもよいが同時に硫黄原子ではない、
    R1、R2、R3は同一または相異なって直鎖または分岐した
    C1−C6アルキル基を示す。) で示されるカーバメート誘導体。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の一般式[I]で示され
    るカーバメート誘導体を有効成分として含有する除草
    剤。
  3. 【請求項3】請求項(1)記載の一般式[I]で示され
    るカーバメート誘導体を有効成分として含有する農園芸
    用殺菌剤。
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