JP2936134B2 - 炭素繊維シートおよびその製造方法 - Google Patents

炭素繊維シートおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭素繊維シートおよびそ
の製造方法に関し、さらに詳しくは、電気部材や化学部
材等用として有用な複合繊維シートおよびその工業的な
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする技術的課
題】気相成長炭素繊維は、炭化水素ガスの熱分解によっ
て得られるという、これまでの炭素繊維とは全く異なっ
た製法で作られること、その結晶構造が理想的な黒鉛に
近い上に年輪状の構造を有するので、他の炭素繊維より
もはるかに優れた機械的、電気的性質および触媒担持能
力を備えていること、などの特徴があるので、近年、業
界で脚光を浴びている。
【0003】そして、最近ではこの気相成長炭素繊維の
量産方法が、たとえば特開昭60−54998号公報な
どで流動気相法として提案され、一部では工業的規模で
生産が行なわれている。しかしながら、この気相成長炭
素繊維は、一般に直径が0.05〜2μm、アスペクト
比が2〜30,000であるように非常に微細であり、
取り扱い難いという問題がある。
【0004】そこで、このように微細な気相成長炭素繊
維を取り扱いの容易な状態にする方法として、気相成長
炭素繊維をシート状(紙様、フィルム状も含めた意味)
に加工する方法が提案されている。たとえば、特開昭6
1−225360号公報には、捲縮を有する気相成長炭
素繊維をバインダーや他の繊維の自己融着により結着し
てシートを得る方法が開示されている。また、特開昭6
1−231251号公報には、気相成長炭素繊維を抄紙
した後に、バインダーで固定し、さらに樹脂を含浸する
等の工程を経て、シートを製造する方法が開示されてい
る。
【0005】そして、これらの公報に記載の方法ではバ
インダーとして、通常、スターチ、フェノール系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、およびゴムな
どが用いられる。しかし、これらのシートは柔軟性に欠
け、曲げ加工や折り加工すると、破損することがある。
【0006】また、前記バインダーは、前記シートを電
気部材等に後加工する際、他の化学薬品や溶剤や樹脂等
と反応したり、それらを汚染したりするので、好ましく
ない。ところが、気相成長炭素繊維を主体とするシート
では、この繊維が剛直であるので、繊維同士の融着やバ
インダーによる繊維の固定をしないと、たとえ通常の補
強繊維を使用したとしても、こわれ易くて加工をするこ
とができない。
【0007】本発明は上記事情を改善するためになされ
たものである。すなわち、本発明の目的は、気相成長炭
素繊維の機械的、電気的特性を生かしながら優れた柔軟
性を有し、曲げ加工や折り加工をしても破損することが
なく、またバインダーの使用を省くことにより後加工の
際汚染等の問題も生じない、電気や化学分野等で有用な
炭素繊維シートおよびその工業的な製造方法を提供する
ことにある。
【0008】
【前記課題を解決するための手段】前記目的を達成する
ための請求項1に記載の発明は、直径が0.01〜5μ
mで有り、平均アスペクト比が2〜3,000である気
相成長炭素繊維80〜99重量%と、直径が0.01〜
8μmであり、平均アスペクト比が30〜10,000
である有機繊維20〜1重量%とから実質的になること
を特徴とする炭素繊維シートであり、請求項2に記載の
発明は、直径が0.01〜5μmで有り、平均アスペク
ト比が2〜3,000である気相成長炭素繊維80〜9
9重量%と、直径が0.01〜8μmであり、平均アス
ペクト比が30〜10,000である有機繊維20〜1
重量%と、これらに対して50〜2,000倍の水とか
ら実質的になる混合物をメッシュ上で濾過することを特
徴とする炭素繊維シートの製造方法である。
【0009】以下、この発明を更に詳しく説明する。 (1)炭素繊維シート この発明の炭素繊維シートは、特定の直径および平均ア
スペクト比を有する気相成長炭素繊維と特定の直径およ
び平均アスペクト比を有する有機繊維とから実質的にな
り、これらの繊維が特定の割合で配合されてなるシート
状物である。
【0010】本発明にかかる炭素繊維シートは、前記特
定の気相成長炭素繊維と前記特定の有機繊維とから実質
的になるものであり、気相成長炭素繊維と有機繊維とが
複雑に絡み合った形態を有する。顕微鏡を用いると、本
発明の炭素繊維シートは、有機繊維同士が融着している
こともなく、また、バインダーで繊維同士が結合されて
いることもなく、気相成長炭素繊維と有機繊維とが絡み
合った状態を容易に観察することができる。
【0011】上記のように本発明の炭素繊維シートは、
本質的には気相成長炭素繊維と有機繊維とから形成され
ており、第三成分を含有していないし、また、繊維同士
の絡み合いでシートの形状が維持されている。したがっ
て、本発明の炭素繊維シートは、バインダー等の第三成
分を含有していないので、熱硬化性樹脂を炭素繊維シー
トに含浸させてプリプレグとする場合に、熱硬化性樹脂
に対する不純物としてのバインダー等の成分が存在しな
いので、気相成長繊維の機械的特性や電気的特性を生か
しながら、優れた柔軟性を有し、曲げ加工や折り加工し
ても破損することがない。しかも、バインダーを用いな
いので、従来見られた後加工の際の汚染等の問題も生じ
ない。
【0012】−気相成長炭素繊維− この発明に用いる気相成長炭素繊維は、直径が0.01
〜5μmであり、好ましくは0.05〜3μmであり、
平均アスペクト比が2〜3,000、好ましくは5〜5
00である。気相成長炭素繊維の直径および平均アスペ
クト比が前記範囲にあると、得られる炭素繊維シート
は、その厚みが均一になり引き裂きにくくなり、しかも
炭素繊維シート製造時の歩留まりが良い。なお、気相成
長炭素繊維の直径は細い程よいが、その直径が0.01
μm未満である気相成長炭素繊維は実質的に製造が困難
である。また気相成長炭素繊維の直径が5μmを超える
と、薄い炭素繊維シートを均一な厚みで製造するのが困
難になる。また、気相成長炭素繊維の平均アスペクト比
が2未満であると、炭素繊維シートの強度が低くなり、
また製造時の歩留まりが悪くなる。また平均アスペクト
比が3,000を超えると、炭素繊維シートに、厚みに
よる斑が生じる。
【0013】さらに、気相成長炭素繊維としては、縮合
環状の黒鉛網面の発達度合いの点から、黒鉛網面間距離
(doo2 )が通常3.45〜3.55Åであり、また縮
合環状の黒鉛網面が重なった厚さすなわち黒鉛結晶子の
厚さ(Lc )が通常10〜100Åである黒鉛化処理前
の気相成長炭素繊維や、この気相成長炭素繊維を黒鉛化
処理したところの、黒鉛網面間距離(doo2 )が3.3
5〜3.45Åであり、黒鉛結晶子の厚さ(Lc )が1
00以上である黒鉛繊維を好適例として挙げることがで
きる。
【0014】この発明に用いる気相成長炭素繊維は、気
相成長法により製造することができる。この気相成長法
には、いわゆる基板法と流動気相法とがある。基板法
は、基板に触媒金属例えば遷移金属もしくは遷移金属化
合物を担持させ、高温度に加熱しながら、その基板上に
炭素源ガスである炭化水素ガスを流通させることによ
り、基板表面に炭素繊維を生成させる方法であり、流動
気相法は、基板を使用せず、触媒金属になり得る金属化
合物と炭素源である炭素化合物とを気化して高温の反応
管中に流通させることにより、空間中に炭素繊維を生成
させる方法である。具体的な製造方法としては、たとえ
ば特開昭60−54998号公報、特開昭60−215
816号公報、特開昭60−224815号公報、特開
昭61−70014号公報および特開昭63−4292
0号公報などに開示されている方法を挙げることができ
る。なお、本発明においては、これら気相成長炭素繊維
をさらに黒鉛化処理してなる黒鉛繊維をも気相成長炭素
繊維として挙げることができる(この明細書において
は、特に断らない限り、黒鉛繊維を含めて気相成長炭素
繊維と称する。)。黒鉛化処理前の気相成長炭素繊維と
黒鉛繊維とは混合して用いることもできるし、黒鉛化処
理前の気相成長炭素繊維のみを使用することも、また黒
鉛繊維のみを使用することもできる。いずれにしても、
この気相成長炭素繊維は、縮合環状の黒鉛網面が繊維軸
を中心にして年輪状に高度に発達した構造を有する。
【0015】−有機繊維− この発明に用いる有機繊維としては、合成繊維、人造繊
維、天然繊維などがあるが、合成繊維が好ましく、さら
にその中でもポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン系、ポリテトラフルオロエチレン等のテフフロ
ン系、ポリエステル系、ポリアミド系などの繊維が好ま
しい。なお、有機繊維以外に、例えばスチール繊維等の
金属繊維やガラス繊維等のセラミック繊維を使用するこ
とも考えられるが、これらの繊維は、通常、繊維径が大
き過ぎたり、また繊維径が小さくても、剛直で良好なシ
ートを形成することができない。
【0016】いずれの有機繊維を使用するにしても、上
記有機繊維の直径は通常、0.01〜8μm、好ましく
は0.1〜5μm、特に好ましくは0.3〜3μmであ
る。有機繊維の直径は細い程好ましいが、0.01μm
未満の有機繊維を製造するのは困難であり、直径が8μ
mを超えると、有機繊維が炭素繊維シート中に均一に分
散されず、シートとして抄紙機から取り出すことが困難
な程強度の低いものになり、バインダーなしでシートに
形成することができなくなる。
【0017】また、本発明で使用される有機繊維の平均
アスペクト比は、30〜10,000であり、好ましく
は100〜5,000であり、特に好ましくは300〜
3,000である。この平均アスペクト比が上記範囲内
にあるときには、有機繊維が、気相成長炭素繊維中に均
一に分散し、シート強度が高くなる。平均アスペクト比
が30未満であるときは、繊維同士の絡み合いが不足し
て炭素繊維シートの強度が十分でなく、平均アスペクト
比が10,000を超えるときは、有機繊維同士が絡み
合い過ぎてシート状に形成されない。なお、本発明に用
いる有機繊維には、繊維同士の絡み合いを強めるための
捲縮加工処理が施されていても良い。
【0018】−気相成長炭素繊維と有機繊維との配合割
合− 本発明においては、炭素繊維シートは、前記特定の気相
成長炭素繊維と前記特定の有機繊維とを特定の割合で含
有する。すなわち、本願発明の炭素繊維シートは、特定
の気相成長炭素繊維を80〜99重量%、好ましくは8
5〜98重量%、さらに好ましくは90〜97重量%、
および特定の有機繊維を20〜1重量%、好ましくは1
5〜2重量%、さらに好ましくは10〜3重量%の割合
でそれぞれを含有する。
【0019】気相成長炭素繊維と有機繊維とを前記割合
で含有すると、炭素繊維シートとして機械的強度に優
れ、熱硬化性樹脂を用いてプリプレグとした場合にあっ
ては、屈曲性に富んだプリプレグに形成することがで
き、曲率の大きな曲面形状にも破損することなく成形す
ることのできるプリプレグになる。なお、炭素繊維シー
トにおいて、有機繊維の含有量の多い方がシートとして
の強度が大きくなるが、熱硬化性樹脂と炭素繊維シート
との複合材料とするときには、有機繊維の含有量が多い
とその分炭素繊維の含有量が少なくなって、複合材料の
特性例えば、機械的性質、導電性、摩擦摩耗特性、熱伝
導性などが悪化する。
【0020】−添加剤− 本発明においては、本発明の目的および効果を阻害しな
い限りにおいて、炭素繊維シート中にバインダーや界面
活性剤その他の添加剤が含有されていても良い。
【0021】(2)炭素繊維シートの製造方法 前記炭素繊維シートは、以下に説明する本発明の製造方
法により製造することができる。すなわち、直径が0.
01〜5μmで有り、平均アスペクト比が2〜3,00
0である気相成長炭素繊維80〜99重量%と、直径が
0.01〜8μmであり、平均アスペクト比が30〜1
0,000である有機繊維20〜1重量%と、これらに
対して50〜2,000倍の水とから実質的になる混合
物をメッシュ上で濾過し、シート状物を得てから、これ
を加圧・乾燥する。
【0022】前記水の配合量が50〜2000倍である
と、水中に炭素繊維および有機繊維が良く分散している
ので取り扱い易くなる。もっとも工業的製造における取
り扱い易さを目指すのであれば水量の少ない程良いとい
うことになるが、水量が50倍未満であると、薄くて厚
みの均一な炭素繊維シートを製造するのが困難になる。
水量が2000倍を越えると、多量に水を使用すること
による利点がなく濾過に長時間を要するなど、不利な点
が生じて来る。
【0023】炭素繊維シートの製造に当たり、水に界面
活性剤やバインダー等の添加剤を含ませたり、あるいは
水の代わりにアセトン、エタノール、トルエンその他の
極性溶媒または非極性溶媒を使用することもできるが、
そのような溶媒や添加剤を含んだ水溶液の比重を有機繊
維の比重以下に調節しないと、均一な厚みの炭素繊維シ
ートを製造することができない。
【0024】メッシュ上での濾過操作は、通常の抄紙機
を使用して行うことができる。濾過操作中に、抄紙され
た堆積物を乱さない程度に前記混合液(抄紙原液)の撹
拌を実施することは、均一に分散した炭素繊維シートを
得る上で好ましいことである。また、混合液が粘稠であ
るときには、繊維の沈降速度の相違により有機繊維が後
から沈積することがあるので、濾過速度は50cm/分
以上、好ましくは1m/分以上に調節するのが良い。
【0025】前記シート状物の加圧は、水を絞り出し、
シートの形状を固定するのが目的であるので、わずかな
圧力で良く、通常10Kg/cm2 以下で行われる。シ
ートの嵩密度を上げる場合は、10〜1000Kg/c
2 で加圧する。圧力を大きくし過ぎると、炭素繊維の
折れを起こして好ましくない。このように、本発明によ
れば通常の抄紙機を用いて炭素繊維シートを工業的に製
造することができる。なお、この製造方法では、炭素繊
維シートの厚みを約50μm〜5mmの範囲内における
任意の厚みに設定することができる。特に100〜50
0μmの炭素繊維シートは薄くてしなやかで、取り扱い
易いシートになる。炭素繊維シートの厚みが余りにも大
きいと取り扱いの際に、シートを曲げると折り線部に裂
け目を生じることがある。
【0026】
【実施例】次に、実施例に基いてこの発明をさらに具体
的に説明する。 (実施例1)有機繊維としてポリエステル繊維(平均直
径:0.8μm、平均アスペクト比:1250)0.1
5gを300ccの水とともに高速回転ミキサーにかけ
て10分間撹拌したのち、気相成長炭素繊維としてグラ
スカーGWV−OA[日機装(株)製、d002 :3.5
2Å、Lc :35Å、平均直径:1.0μm、平均アス
ペクト比:160、「グラスカー」は登録商標]2.8
5gを添加し、さらに10分間撹拌した。
【0027】この水濁液状の混合物を角型シートマシー
ン[(株)東洋精機製作所製、250mm×200m
m、150メッシュ]に5,000ccの水とともに供
給し、よく撹拌したのち水抜きし、250mm×200
mmのシート状物に抄紙した。このシート状物を濾紙に
挟んで加圧し、水を除いてから80℃で30分間かけて
乾燥した。
【0028】得られた炭素繊維シートは坪量が60g/
2 で、マイクロメーターによる測定では厚みが3μm
であった。この炭素繊維シートは柔軟性に富み、通常の
取扱では破れることがなく、折り畳むことができるばか
りか、さらに丸棒に巻き付けることさえ可能であった。
この炭素繊維シートから下記のようにしてFRPパイプ
を成形した。
【0029】前述のようにして得られた炭素繊維シート
を、ビスフェノールAタイプエポキシ樹脂およびフェノ
ールノボタックタイプエポキシ樹脂とジシアンジアミド
で形成される2枚のエポキシ樹脂シート(100g/m
2 、片面に離型紙付き)で、挟み、80℃の加熱ニップ
ロール間に通して、プリプレグを得た。
【0030】このプリプレグを、外径10mm、肉厚2
mm、および長さ300mmの寸法を有するステンレス
パイプに巻き付けて、幅200mm、厚さ2.5mmの
ロール積層物を得、このロール積層物をオートクレーブ
中に装填して、125℃、4Kg/cm2 で2時間かけ
て加熱・加圧し、しかるのちステンレスパイプを抜き取
って、複合パイプを得た。この複合パイプは複合繊維/
エポキシ樹脂からなるもので、軽量にして高強度であっ
た。また、炭素繊維シートはプリプレグ作成中におい
て、あるいは積層作業中において、破損することがなか
った。
【0031】(比較例1)前記実施例1において、ポリ
エステル繊維を使用しない外は、前記実施例1と同様に
して炭素繊維シートを製造した。この炭素繊維シート
は、両端を引っ張ると簡単に裂け、直径10mmの丸棒
に巻きつけても裂けてしまった。
【0032】この炭素繊維シートを用いて前記実施例1
におけるのと同様の方法で、プリプレグを製造しようと
試みたが、加熱ニップロール間を通す際に、部分的に避
けたものとなり、良好な状態のプリプレグを作成するこ
とができなかった。
【0033】(比較例2)前記実施例1において、ポリ
エステル繊維に代えて、直径16μm、平均アスペクト
比400のポリプロピレン繊維を前記実施例1における
のと同量加えた外は、前記実施例1と同様に実施した。
得られた炭素繊維シートは粗悪で、斑が多く、前記比較
例1よりも更に破れ易いものであった。
【0034】(実施例2〜6、比較例3〜5)表1に示
す直径およびアスペクト比を有する炭素繊維と表1に示
す種類の、表1に示す直径およびアスペクト比を有する
有機繊維とを表1に示す含有量で含有するシートを、前
記実施例1と同様にして製造した。各シートの性状を表
1に示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】この発明の炭素繊維シートは、特定の気
相成長繊維と特定の有機繊維とから実質的になると共
に、前記気相成長炭素繊維と前記有機繊維とを特定の含
有量で含有するので、気相成長繊維類の機械的特性や電
気的特性を生かしながら、優れた柔軟性を有し、曲げ加
工や折り加工をしても破損することがない。しかも、バ
インダーを用いないので、従来見られた後加工の際の汚
染等の問題も生じない。
【0037】この発明の炭素繊維シートは、その特性か
ら電気部材用や化学部材等用として重要な用途がある。
すなわち、適宜、切断工程を経たのち、そのまま触媒担
持用部材に用いたり、電池やコンデンサー等の電極とし
て用いることができる。また、この炭素繊維シートをさ
らに後加工することにより、用途の広い複合材料を製造
することも可能である。
【0038】たとえば、この炭素繊維シートを成形金型
内に収納し、該シートに熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を
含浸もしくは付着せしめることにより、電気分野等に有
用な複合部材を得ることができるし、また成形金型を用
いなくとも、ホットメルト法や浸漬法を適用して熱硬化
性樹脂や熱可塑性樹脂とのプリプレグを製造することも
できる。
【0039】また、この発明の炭素繊維シートの製造方
法は、前記気相成長炭素繊維と有機繊維とから、通常の
抄紙機を用いて前記特長を備えた炭素繊維シートを工業
的に製造することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直径が0.01〜5μmで有り、平均ア
    スペクト比が2〜3,000である気相成長炭素繊維8
    0〜99重量%と、直径が0.01〜8μmであり、平
    均アスペクト比が30〜10,000である有機繊維2
    0〜1重量%とから実質的になることを特徴とする炭素
    繊維シート。
  2. 【請求項2】 直径が0.01〜5μmで有り、平均ア
    スペクト比が2〜3,000である気相成長炭素繊維8
    0〜99重量%と、直径が0.01〜8μmであり、平
    均アスペクト比が30〜10,000である有機繊維2
    0〜1重量%と、これらに対して50〜2,000倍の
    水とから実質的になる混合物をメッシュ上で濾過するこ
    とを特徴とする炭素繊維シートの製造方法。
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