JP2936092B2 - 紐体の接合部構造及びその接合方法 - Google Patents

紐体の接合部構造及びその接合方法

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JP2936092B2 JP13914495A JP13914495A JP2936092B2 JP 2936092 B2 JP2936092 B2 JP 2936092B2 JP 13914495 A JP13914495 A JP 13914495A JP 13914495 A JP13914495 A JP 13914495A JP 2936092 B2 JP2936092 B2 JP 2936092B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、組紐等の紐体を、その
端部を接合して連結する際に形成される接合部の構造、
及びその端部を接合する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、装飾用の組紐等の紐体は、装飾
に適した美観を得るために色柄の異なる紐部材を繋ぎ合
わせて長尺の一本の紐体にすることや、アクセサリー等
の吊り紐としてリング状の紐体を形成することが行われ
る。そしてこの種の紐体は、繋ぎ合わせたり、リング状
にする際にその端部同士を接合した接合部を備えてい
る。
【0003】従来、前記紐部材の端部同士を接合する場
合には、熱可塑性を有する材料で形成された紐部材の端
部を溶融固化させてほぐれを防止しておき、更に溶融固
化した端部同士を再度溶融し突き当てて連結する方法が
知られている。
【0004】しかし、繊維断面が露出する端部を熱溶融
した場合には、ほぐれかけた周縁側の繊維と内方側の繊
維との溶融状態にばらつきが生じるため、端面の形状が
平坦とならず、端面同士を精度良く突き当てることが困
難となる不都合がある。また、紐部材の端部は熱溶融さ
れたときに変色する場合が多く、紐部材の有する色彩が
変色した接合部によって阻害される不都合がある。ま
た、偏平な紐部材の場合には、端部同士の熱溶着による
接合が困難である不都合がある。
【0005】しかも、上記のような熱による溶融固化及
び融着は、熱可塑性を有する材料で形成された紐部材に
限られ、例えば、絹,綿,麻,蛋白等を材料とする天然
繊維、炭素繊維、パルプ糸やポリビニルアルコール系の
繊維、セルロース繊維等により形成された紐部材では熱
による溶融固化及び融着ができない不都合がある。
【0006】そこで、熱可塑性繊維はもちろん上記した
熱による溶融のできない繊維によって形成された紐部材
を接合する方法として、紐部材の端部同士を突き合わせ
て接着剤によって互いに接着する方法が挙げられる。
【0007】しかし、この種の紐部材は、その端部に繊
維断面が露出している場合が多く、それらの繊維がほぐ
れた状態にあると、端部同士を互いに接着する作業が困
難である。更に、このような端部に接着剤を塗布して互
いに接着し接合した場合には、その接合部がほぐれた繊
維の影響により盛り上がって形成され、その状態で硬化
して美観を損ねる不都合がある。
【0008】また、切断された端部に接着剤を含浸さ
せ、それを硬化させた後に、端部同士を互いに接着する
ことも行われる。これによって、硬化された端部を突き
当てて接着するのでその作業は容易とされるが、切断さ
れた端部に接着剤を含浸させても、互いに突き当てられ
る端面は繊維の凹凸が残存して平坦ではなく、この状態
で端部同士を突き当てて接着しても、一体化して目立た
ない接合部の形成が望めない不都合があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】かかる不都合を解消し
て、本発明は、紐部材の材質や形状に制限を受けること
なくその端部を接合して連結したときに接合部が目立た
ず美観に優れた仕上がりを有する紐体の接合部構造を提
供することを目的とし、また、その接合部構造を容易に
得ることができる紐体の接合方法を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、繊維断面が露出する端部同士が接合さ
れた接合部を備える紐体の接合部構造であって、その第
1の態様は、材料紐の所定位置に接着剤を含浸させて硬
化させた硬化部を形成し、該硬化部を切断することによ
り平坦な切断端面を形成して前記材料紐から切り離した
紐部材を形成し、他の材料紐の所定位置に接着剤を含浸
させて硬化させた硬化部を形成し、該硬化部を切断する
ことにより平坦な切断端面を形成して前記他の材料紐か
ら切り離した他の紐部材を形成し、前記紐部材の切断端
面と、前記他の紐部材の切断端面とを互いに突き当て接
着して前記接合部が形成されることを特徴とするもので
ある。
【0011】本発明の第2の態様の接合部構造は、材
紐の所定位置に接着剤を含浸させて硬化させた一対以上
の硬化部を形成し、該硬化部を切断することにより平坦
な切断端面を両端に形成して前記材料紐から切り離した
紐部材を形成し、該紐部材の両切断端面同士を、互いに
突き当て接着して前記接合部が形成されることを特徴と
するものである。
【0012】前記第1の態様または第2の態様において
は、前記接合部は、前記硬化部の切断端面同士を前記硬
化部の接着剤と同質の接着剤を介して接着されているこ
とが好ましい。
【0013】また、本発明は、繊維断面が露出する紐体
の端部同士を接合する接合方法であって、その第1の態
様は、長尺の材料紐の所定位置に接着剤を含浸させて硬
化させた硬化部を形成する工程と、該材料紐を前記硬化
部において切断して切断端面を有する紐部材を形成する
工程と、他の長尺の材料紐の所定位置に接着剤を含浸さ
せて硬化させた硬化部を形成する工程と、該他の材料紐
を前記硬化部において切断して両端に硬化部の切断端面
を有する他の紐部材を形成する工程と、前記紐部材の切
断端面と他の紐部材の切断端面とを前記硬化部の接着剤
と同質の接着剤を介して接着する工程とを備えることを
特徴とするものである。
【0014】本発明の第2の態様の接合方法は、長尺の
材料紐の所定位置に接着剤を含浸させて硬化させた硬化
部を形成する工程と、該材料紐を前記硬化部において切
断して両端に切断端面を有する紐部材を形成する工程
と、該部材の両端部の切断端面同士を前記硬化部の接着
剤と同質の接着剤を介して接着する工程とを備えること
を特徴とするものである。
【0015】本発明の第3の態様の接合方法は、長尺の
材料紐の所定位置に接着剤を含浸させて硬化させた硬化
部を形成する工程と、該材料紐を前記硬化部において切
断して両端に切断端面を有する紐部材を形成する工程
と、他の長尺の材料紐の所定位置に接着剤を含浸させて
硬化させた硬化部を形成する工程と、該他の材料紐を前
記硬化部において切断して両端に切断端面を有する他の
紐部材を形成する工程と、前記紐部材と他の紐部材とを
リング状に配列して互いに隣合う切断端面同士を前記硬
化部の接着剤と同質の接着剤を介して接着する工程とを
備えることを特徴とするものである。
【0016】本発明の接合方法の第1乃至第3の態様に
おいては、前記硬化部を形成する工程において、紐体に
接着剤を含浸させた後に硬化促進剤を塗布して該接着剤
を硬化させることが好ましい。
【0017】
【作用】本発明の第1の態様の接合部構造は、複数の同
形の紐部材を連結する際に形成される接合部の構造であ
り、第2の態様の接合部構造は、紐部材をリング状に形
成した際に該紐体の両端によって形成される接合部の構
造である。
【0018】第1及び第2の態様の接合部構造において
、材料紐の所定位置に接着剤を含浸させ硬化させた後
に硬化部において切断して紐部材を形成する。紐部材は
前記硬化部において切断されたことによりその切断端面
の繊維のほぐれが確実に防止されると共に平坦な切断端
面が形成される。これにより、平坦な切断端面同士を接
着して形成された接合部には盛り上がりが形成されるこ
とがなく、また、接合位置を正確に一致させることがで
きるので接着作業も容易となる。更に、接合部は接着剤
を介して形成されているので、紐体の材質や形状に影響
されることなく強固な接合状態とされる。
【0019】また、前記接合部は、硬化部の接着剤と同
質の接着剤を介して接着されていることにより、硬化部
の切断端面同士を接着する際の接着剤の親和性が高く接
合部の接合状態を強固とすることが可能となる。
【0020】本発明の第1の態様の接合方法は、複数の
同形の紐体を連結する際に隣合う紐体の端面同士を接合
する方法であり、第2の態様の接合方法は、紐体をリン
グ状に形成する際に該紐体の両端同士を接合する方法で
ある。また、第3の態様の接合方法は、紐体をリング状
に形成するときに、複数の紐部材をリング状に配列させ
て互いに隣合う端部同士を接合する方法である。
【0021】第1乃至第3の態様の接合方法において
は、先ず、長尺の材料紐の所定位置の繊維に接着剤を含
浸させて硬化させた硬化部を形成する。次いで、前記硬
化部において切断する。こうすることにより、材料紐か
ら切り離された紐部材が形成され、紐部材の端部は硬化
部によってほぐれることがない。更に、既に硬化されて
いる硬化部を切断するので、切断端面を平坦に形成する
ことができる。続いて、切断端面と切断端面とを接着剤
を介して互いに接着して接合する。切断端面は平坦に形
成されているので、互いに接着する際に正確かつ迅速に
突き合わせることが可能である。そして、切断端面は、
既に硬化されている部分が切断されてほぐれのない状態
にあるので、接着した後にもその接合部に盛り上がりが
形成されることがなく、平坦な面同士の接着により高い
接着強度が得られる。更に、切断端面を接着する際に使
用する接着剤を前記硬化部を形成する接着剤と同質とす
ることにより、強固に接着された接合部を得る。
【0022】また、前記硬化部を形成する工程におい
て、紐体の繊維に接着剤を含浸させた後に硬化促進剤を
塗布することにより、硬化部を短時間で形成する。
【0023】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0024】図1は一実施例の紐体を示す説明的斜視
図、図2は紐体の一部を拡大して示す説明図、図3は紐
体の接合方法を実現するための装置の概略構成を示す説
明図、図4(a)及び(b)は図3の装置による製造工
程を示す説明図、図5(a)乃至(c)は図4に続く工
程を示す説明図、図6及び図7は本発明の他の実施例を
示す説明図である。
【0025】本実施例の紐体1は、図1に示すように、
夫々色柄の異なる繊維を撚りあわせて編み上げた複数本
の紐部材2を互いに接合部3を介して連結して1本とし
たものである。該接合部3は、各紐部材2の両端に形成
された硬化部4の先端同士を接合したものである。な
お、紐体1の材料としては、絹,綿,麻,蛋白等を材料
とする天然繊維、炭素繊維、パルプ糸やポリビニルアル
コール系の繊維、セルロース繊維、熱可塑性繊維が挙げ
られる。
【0026】前記硬化部4は、図2に示すように、紐部
材2の両端部の繊維に接着剤7を含浸されて硬化されて
おり、その端面8は平坦に形成されている。
【0027】前記接合部3は、前記紐部材2の硬化部4
の端面8が接着剤9を介して互いに接合されている。前
記硬化部4を形成するための接着剤7と接合部3におい
て硬化部4の端面8を接合する接着剤9とは共に同質の
ものが使用されている。これにより、両接着剤7,9の
親和性が高く接合部3における硬化部4の端面8の接合
状態を強固とすることができる。
【0028】また、前記硬化部4により端面8の繊維に
ほぐれが発生することを防止でき、硬化部4の平坦な端
面8同士を接合するので接合部3の盛り上がりの形成を
防止することができる。これによって、紐体1の美観を
損ねることなく優れた外観を得ることができる。
【0029】なお、各接着剤7,9としては、シアノア
クリレート系接着剤を使用し、本実施例においては、商
品名「アロンアルファ」(東亞合成化学工業(株)製)
を使用した。なお、接着剤7,9は、前記硬化部4で充
分に硬化し前記接合部2で充分な接着力が得られるもの
であればよいことは言うまでもない。
【0030】次に、本実施例の紐体1の製造工程を説明
する。
【0031】本実施例の紐体1は図3に示す製造装置1
0を使用することができる。該製造装置10は、交換自
在のボビン11に巻回された長尺の材料紐2aを所定の
長さに切断して、複数の紐部材2を連続して形成するこ
とができるものである。従って、色柄の異なる材料紐2
aが巻回されたボビン11を交換するだけで、異なる色
柄を有する複数種類の紐部材2を簡単に製造することが
できるものである。図3において、12は該ボビン11
から長尺の材料紐2aを挟持し引き出して供給する一対
の第1供給ローラ、13は該第1供給ローラ12の下流
側で更に長尺の材料紐2aを挟持し供給する一対の第2
供給ローラ、14は材料紐2aの供給方向に延びるガイ
ドレールである。第1供給ローラ12は第1駆動モータ
15により回転駆動され、第2供給ローラ13は第2駆
動モータ16により回転駆動される。第1駆動モータ1
5は、一対の光電センサ17,18の信号に従って駆動
が制御されている。第2駆動モータ16はパルスモータ
であり、一定時間毎に間欠的に第2供給ローラ13を回
転駆動する。これにより、第2供給ローラ13は所定の
長さの材料紐2aを送り出す度に一旦停止しつつ材料紐
2aを供給する。第1供給ローラ12と第2供給ローラ
13との間の材料紐2aには弛みが形成されており、こ
の弛みが失われる前に、上方の光電センサ17の検知信
号により第1駆動モータ15は第1供給ローラ12を回
転駆動し、適度な弛みを継続させる。また、この弛みが
過剰に形成されたとき、下方の光電センサ18の検知信
号により第1駆動モータ15は第1供給ローラ12の回
転駆動を停止する。これにより、材料紐2aは、その伸
びが防止され正確な長さ毎に間欠的に供給される。
【0032】前記ガイドレール14の所定位置には材料
紐2aの外周に前記接着剤7(図1参照)を塗布する接
着剤塗布装置19が設けられている。該接着剤塗布装置
19は、ガイドレール14に沿って移動する材料紐2a
が停止したとき下降して、ガイドレール14上に紐部材
2を固定する一対の挟圧部材20と、挟圧部材20によ
って挟圧固定された材料紐2aの周囲に沿って回転して
接着剤7を均等に塗布するノズル21とを備えている。
該ノズル21は材料紐2aの外周に当接してノズル21
による接着剤7の塗布を均等に行わしめる押さえ部材2
1aを備えている。
【0033】また、ガイドレール14に沿った接着剤塗
布装置19の下流側には、ガイドレール14に沿って移
動する材料紐2aが停止したとき、材料紐2aの接着剤
7が塗布された位置に硬化剤を噴霧するノズル22が設
けられている。接着剤塗布装置19によって塗布される
接着剤7は前述したようにシアノアクリレート系接着剤
を使用した。硬化剤としてはアミン等が適しており、本
実施例においては商品名「AAセッター」(東亞合成化
学工業(株)製)を使用した。
【0034】これにより、ガイドレール14に沿って移
動する材料紐2aにはその所定間隔毎に接着剤7が硬化
して、図4(a)に示すように、所定位置に硬化部4が
形成される。該硬化部4は、材料紐2aの繊維に接着剤
7が含浸して硬化される。そして、硬化剤としてアミン
を用いることにより前記接着剤7を極めて迅速に硬化さ
せることができると共に、接着剤7を透明な状態で硬化
させることができ、接着剤7が目立たない外観に優れた
硬化部4を形成することができる。また、このとき使用
される接着剤7はその粘度によって繊維に含浸する範囲
を調整することができる。本実施例においては、接着剤
7の粘度を200cpsとし、紐部材2の長手方向に約
2mmの範囲に接着剤7を含浸させるようにし、それ以
上の広範囲に含浸するのを防止している。
【0035】また、図3に示すように、ガイドレール1
4に沿った下流位置には、ガイドレール14に沿って移
動する材料紐2aが停止したとき、材料紐2aの硬化部
4の略中央を切断するカッタ23が設けられている。
【0036】該カッタ23によって材料紐2aから切り
離された紐部材2が形成される。該紐部材2は、図4
(b)に示すようにその両端部に硬化部4を備え、該カ
ッタ23による切断によって端面8が平坦に形成され
る。前述したように切断前の硬化部4の寸法は約2mm
とされているので、切断後の硬化部4の寸法は約1mm
とされ、殆ど目立たない大きさに形成される。
【0037】このようにして図3に示した製造装置10
から排出された所定の長さの紐部材2は、図5(a)に
示すように、上述したものと同様にして形成された他の
色柄を有する紐部材2と、接合治具24によって接合さ
れる。接合治具24は上下に分割自在のフッ素樹脂製ブ
ロックであり、その分割位置に貫通する位置決め穴25
を備えている。接合工程は、先ず、図5(b)に示すよ
うに、紐部材2の硬化部4に形成された平坦な両端面8
に接着剤9を塗布し、接合治具24の位置決め穴25に
硬化部4を挿入する。これにより、図5(c)に示すよ
うに、位置決め穴25内で端面8同士が正確に一致した
状態で当接し接着される。この時使用する接着剤9は、
前記接着剤塗布装置19において使用する接着剤7と同
質のものとし両接着剤7,9の親和性を得ている。更
に、該接着剤9はその粘度を100cpsとして硬化速
度を多少遅延させ、硬化部4において既に硬化している
接着剤7の表面を接着剤9の溶剤によって溶解して一体
的な接着を実現している。そして、端面8同士が接着さ
れて接合部3が形成されたとき、図5(a)に示すよう
に、接合治具24を上下に分割して紐体1を取り外す。
これにより、図2に示すように、接合部3の接合強度が
強固とされた紐体1を形成することができる。また上記
のように製造することによって、端部の繊維にほぐれの
無い状態で接合部3を形成することができ、外観上接合
部3が判別できないような仕上がりの紐体1を得ること
ができる。
【0038】また上記の方法によれば、接合部3の形成
作業が極めて容易であるので、例えば、図6に示すよう
に、偏平に形成された紐部材26aであっても、接着剤
7を含浸させ硬化部33を形成して切断し、その切断端
面27同士を接着剤9を介して突き当てて接着すること
により、外観上接合部28が判別できない美観に優れた
紐体26を得ることができる。
【0039】また、例えば、図7に示すように、アクセ
サリー等の吊り紐等のように紐体29がリング状に形成
されたものを製造する場合にも、上記の方法によって切
断された硬化部31を備える紐部材30を形成すること
により、該紐部材30の両端に平坦な切断端面32を形
成することができ、該紐部材30の両端の切断端面32
同士を接着剤9を介して突き当てて接着するだけで強固
に接合された接合部34を形成することができる。この
ときにも、前記硬化部31によって繊維のほぐれは防止
されているので、接合部33に盛り上がり等のない美観
に優れたリング状の紐体29を容易に製造することがで
きる。そして更に、図示しないが、上記の方法によって
切断された硬化部を備える色柄の夫々異なる複数の紐部
材をリング状に配列して互いに隣合う切断端面同士を接
着剤を介して突き当てて接着しても、リング状の紐体を
容易に形成することができる。
【0040】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
によれば、紐体の接合部は、前記材料紐に接着剤を含浸
させ硬化させて切断した切断端面を有する紐部材を形成
した後に切断端面を介して互いに接着することによって
形成されているので、端部に繊維のほぐれがなく、接合
部に盛り上がりが形成されることがないので、美観に優
れた紐体の接合部構造を提供することができる。また、
端面同士を対向させて突き当てる際に平坦な切断端面に
よって接合位置を正確に一致させることができ、接着作
業を容易に行うことができる。更に、接合部は接着剤を
介して形成されているので、紐体の材質や形状に制限さ
れることなく強固な接合状態とすることができる。
【0041】また、前記接合部は、硬化部の接着剤と同
質の接着剤を介して接着されているので、硬化部の切断
端面同士を接着する際の接着剤同士に高い親和性をえる
ことができ、接合部の接合状態を強固として耐久性の高
い接合部構造を提供することができる。
【0042】また、本発明の接合方法によれば、硬化部
を形成して該硬化部を切断することにより紐体の両端に
平坦な端面を形成することが容易であり、紐体の両端の
繊維がほぐれることもない。そして、紐体の端部に形成
された平坦な切断端面を介して接合するだけで容易に紐
体を接合することができる。
【0043】また、前記硬化部を形成するときに、紐体
の繊維に接着剤を含浸させた後に硬化促進剤を塗布する
ことにより、硬化部を短時間で形成することができ製造
効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の紐体を示す説明的斜視図。
【図2】紐体の要部を拡大して示す説明図。
【図3】紐部材の製造装置の概略構成を示す説明図。
【図4】図3の装置による製造工程を示す説明図。
【図5】図4に続く工程を示す説明図。
【図6】他の実施例の紐体を示す説明的斜視図。
【図7】他の実施例の紐体を示す説明的斜視図。
【符号の説明】
1,26,29…紐体、2,26a,30…紐部材、
3,28,32…接合部、4,31,33…硬化部、
8,27,34…切断端面。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維断面が露出する端部同士が接合された
    接合部を備える紐体の接合部構造であって、材料紐の所
    定位置に接着剤を含浸させて硬化させた硬化部を形成
    し、該硬化部を切断することにより平坦な切断端面を形
    成して前記材料紐から切り離した紐部材を形成し、他
    料紐の所定位置に接着剤を含浸させて硬化させた硬化
    部を形成し、該硬化部を切断することにより平坦な切断
    端面を形成して前記他の材料紐から切り離した他の紐部
    材を形成し、前記紐部材の切断端面と、前記他の紐部材
    の切断端面とを互いに突き当て接着して前記接合部が形
    成されることを特徴とする紐体の接合部構造。
  2. 【請求項2】繊維断面が露出する端部同士が接合された
    接合部を備える紐体の接合部構造であって、材料紐の所
    定位置に接着剤を含浸させて硬化させた一対以上の硬化
    部を形成し、該硬化部を切断することにより平坦な切断
    端面を両端に形成して前記材料紐から切り離した紐部材
    を形成し、該紐部材の両切断端面同士を、互いに突き当
    て接着して前記接合部が形成されることを特徴とする紐
    体の接合部構造。
  3. 【請求項3】前記接合部は、前記硬化部の切断端面同士
    を前記硬化部の接着剤と同質の接着剤を介して接着され
    ていることを特徴とする請求項1又は2記載の紐体の接
    合部構造。
  4. 【請求項4】繊維断面が露出する紐体の端部同士を接合
    する接合方法であって、長尺の材料紐の所定位置に接着
    剤を含浸させて硬化させた硬化部を形成する工程と、該
    材料紐を前記硬化部において切断して切断端面を有する
    紐部材を形成する工程と、他の長尺の材料紐の所定位置
    に接着剤を含浸させて硬化させた硬化部を形成する工程
    と、該他の材料紐を前記硬化部において切断して切断端
    面を有する他の紐部材を形成する工程と、前記紐部材の
    切断端面と他の紐部材の切断端面とを前記硬化部の接着
    剤と同質の接着剤を介して接着する工程とを備えること
    を特徴とする紐体の接合方法。
  5. 【請求項5】繊維断面が露出する紐体の端部同士を接合
    する接合方法であって、長尺の材料紐の所定位置に接着
    剤を含浸させて硬化させた硬化部を形成する工程と、該
    材料紐を前記硬化部において切断して両端に切断端面を
    有する紐部材を形成する工程と、該部材の両端部の切断
    端面同士を前記硬化部の接着剤と同質の接着剤を介して
    接着する工程とを備えることを特徴とする紐体の接合方
    法。
  6. 【請求項6】繊維断面が露出する紐体の端部同士を接合
    する接合方法であって、長尺の材料紐の所定位置に接着
    剤を含浸させて硬化させた硬化部を形成する工程と、該
    材料紐を前記硬化部において切断して両端に切断端面を
    有する紐部材を形成する工程と、他の長尺の材料紐の所
    定位置に接着剤を含浸させて硬化させた硬化部を形成す
    る工程と、該他の材料紐を前記硬化部において切断して
    両端に切断端面を有する他の紐部材を形成する工程と、
    前記紐部材と他の紐部材とをリング状に配列して互いに
    隣合う切断端面同士を前記硬化部の接着剤と同質の接着
    剤を介して接着する工程とを備えることを特徴とする紐
    体の接合方法。
  7. 【請求項7】前記硬化部を形成する工程において、紐体
    に接着剤を含浸させた後に硬化促進剤を塗布して該接着
    剤を硬化させることを特徴とする請求項4乃至6の何れ
    かに記載の紐体の接合方法。
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