JP2935799B2 - 半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子およびその製造方法

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JP2935799B2 JP32738293A JP32738293A JP2935799B2 JP 2935799 B2 JP2935799 B2 JP 2935799B2 JP 32738293 A JP32738293 A JP 32738293A JP 32738293 A JP32738293 A JP 32738293A JP 2935799 B2 JP2935799 B2 JP 2935799B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光応用計測機器である
光ファイバジャイロ等の光源として用いられる半導体発
光素子(スーパールミネッセントダイオード等)およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の半導体発光素子として
は、図5に示すものがある。
【0003】図5(A)に示す構造のスーパールミネッセ
ントダイオード(SLD)は、活性層51と、この活性層
51を挟むクラッド層52,53を有し、両端面に低反
射率コート50,50が形成されている。上記低反射率
コート50,50が上記両端面での光の反射率を低減し
て、ファブリペロ(FP)モード発振を抑制するようにし
ている。
【0004】上記構造のSLDでは、上記低反射率コー
ト50だけでFPモード発振を抑制しなくてはならない
から、上記低反射率コート50を、広い波長領域にわた
って十分に低い反射率にしなくてはならない。ところ
が、広い波長領域にわたって十分に低い反射率を有する
低反射率コートを作製することは困難であるという問題
がある。
【0005】また、図5(B)に示す構造のSLDは、活
性層55が構成する導波路が、光出射端面56に対する
垂直方向から傾いているものである。なお、57は低反
射率コートである。
【0006】この構造のSLDは、導波路が光出射端面
に対して斜めにすることによって、この光出射端面での
実効的な反射率を低減させて、両端面間で共振器が構成
され難くし、FPモード発振を抑制している。
【0007】しかし、この構造のSLDは、光の出射方
向が素子端面に垂直でないため、光ファイバと高い結合
効率を得るのは困難である。
【0008】また、図5(C)に示す構造のSLDは、基
板60の上にクラッド層61と活性層62とクラッド層
63とが順に形成されており、後端面58付近に埋め込
みウインド部59が形成されている。なお、65は低反
射率コートである。
【0009】この構造のSLDは、上記埋め込みウイン
ド部59で光を広がらせて、後端面58での実効的な反
射率を低減させ、反射光を抑えるようにしている。しか
し、上記埋め込みウインド部59を作製することは困難
であるという問題がある。
【0010】また、図5(D)に示す構造のSLDは、初
めに、液相成長によって、DH(ダブルヘテロダイン)構
造68を形成し、次に、メサエッチングによって曲がり
導波路67を形成する。
【0011】この構造のSLDは、上記曲がり導波路6
7によって、FPモード発振を抑制している。しかし、
上記曲がり導波路67を形成するためにメサエッチング
を行うときに、マスクの下へエッチング液が染み込むの
で、曲がり導波路67の形状をマスクに忠実な形状に形
成することが困難になる。このため、2回目の液相成長
すなわち電流挟搾および横モードを制御するための埋め
込み成長において、メサ型の上記曲がり導波路67の形
状が壊れたり、埋め込み層の層厚の調整が困難になると
いう欠点がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明の目
的は、両端面の間で光が反射することを抑制でき、か
つ、容易に製造できる半導体発光素子およびその製造方
法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明の半導体発光素子は、第1導
電型の半導体基板の上に形成された第2導電型の電流阻
止層と、上記電流阻止層に形成され、上記電流阻止層の
積層方向と垂直な方向の一端から他端に向かって所定の
長さだけ延び、かつ、上記第1導電型の半導体基板に達
する深さのストライプ状の第1貫通溝と、上記電流阻止
層に形成され、上記第1貫通溝の終端から上記電流阻止
層の他端まで延び、かつ、上記第1導電型の半導体基板
に達する深さを有し、上記第1貫通溝よりも幅広の第2
貫通溝と、上記電流阻止層と第1貫通溝の上に位置する
平坦部と、上記第2貫通溝の上に位置し、上記平坦部に
比べて第2貫通溝の深さ方向に窪んでいる窪み部とを含
む第1導電型の活性層とを備えたことを特徴としてい
る。
【0014】また、請求項2に記載の発明は、第1導電
型の半導体基板の上に形成された第2導電型の電流阻止
層と、上記電流阻止層に形成され、上記電流阻止層の積
層方向と垂直な方向の一端から他端に向かって所定の長
さだけ延び、かつ、上記第1導電型の半導体基板に達す
る深さのストライプ状の貫通溝と、上記電流阻止層に形
成され、上記貫通溝の終端から上記電流阻止層の他端ま
で延び、深さが上記第1導電型の半導体基板まで達さ
ず、上記貫通溝よりも幅広の非貫通溝と、上記電流阻止
層と貫通溝の上に位置する平坦部と、上記非貫通溝の上
に位置し、上記平坦部に比べて上記非貫通溝の深さ方向
に窪んでいる窪み部とを含む第1導電型の活性層とを備
えたことを特徴としている。
【0015】また、請求項3に記載の発明の半導体発光
素子の製造方法は、第1導電型の半導体基板の上に、第
2導電型の電流阻止層を形成し、上記電流阻止層の積層
方向と垂直な方向の一端から他端に向かって所定の長さ
だけ延び、かつ、上記第1導電型の半導体基板に達する
深さのストライプ状の第1貫通溝と、上記第1貫通溝の
終端から上記電流阻止層の他端まで延び、かつ、上記第
1導電型の半導体基板に達する深さを有し、上記第1貫
通溝よりも幅広の第2貫通溝とを形成し、上記電流阻止
層と第1貫通溝の上に位置する平坦部と、上記第2貫通
溝の上に位置し、上記平坦部に比べて第2貫通溝の深さ
方向に窪んでいる窪み部とを含む第1導電型の活性層を
形成することを特徴としている。
【0016】また、請求項4の発明の半導体発光素子の
製造方法は、第1導電型の半導体基板の上に第2導電型
の電流阻止層を形成し、上記電流阻止層の積層方向と垂
直な方向の一端から他端に向かって所定の長さだけ延
び、かつ、上記第1導電型の半導体基板に達する深さの
ストライプ状の貫通溝と、上記貫通溝の終端から上記電
流阻止層の他端まで延び、深さが上記第1導電型の半導
体基板まで達さず、上記貫通溝よりも幅広の非貫通溝を
形成し、上記電流阻止層と貫通溝の上に位置する平坦部
と、上記非貫通溝の上に位置し、上記平坦部に比べて上
記非貫通溝の深さ方向に窪んでいる窪み部とを含む第1
導電型の活性層を形成することを特徴としている。
【0017】また、請求項5の発明は、請求項3または
4に記載の半導体発光素子の製造方法において、積層方
向と垂直な方向の一端に位置する光出射面と、積層方向
と垂直な方向の他端に位置する後端面とに低反射率コー
トを形成することを特徴としている。
【0018】
【作用】請求項1の発明は、上記電流阻止層に形成され
た第2貫通溝は、上記電流阻止層に形成された第1貫通
溝に比べて幅広であるから、上記第2貫通溝の上に形成
された活性層は、上記第1貫通溝の上に形成された活性
層に比べて、容易に溝内に窪む。すなわち、上記活性層
は、上記電流阻止層と第1貫通溝の上に位置する平坦部
と、上記第2貫通溝の上に位置し、上記平坦部に比べて
第2貫通溝の深さ方向に窪んでいる窪み部とが容易に形
成される。
【0019】そして、上記活性層の平坦部から上記窪み
部に進んだ光は、平行方向から下降方向に進行方向が変
えられるときに、この活性層から放射されて減衰させら
れる。そして、上記窪み部を進んで後端面に達した光
は、この後端面で反射されて再び上記平坦部に向かう
が、この反射光は、窪み部から平坦部に向かう途中で進
行方向が変化させられて放射されるから、平坦部にはほ
とんど到達しない。
【0020】つまり、請求項1の発明によれば、上記窪
み部を含む非励起領域において実効的な反射率が低減さ
せられ、反射光を抑えられる。
【0021】したがって、請求項1の発明の半導体発光
素子は、両端面の間で光が反射することが抑制され、か
つ、容易に製造される。
【0022】また、請求項2の発明の半導体発光素子
は、電流阻止層に形成された非貫通溝は、上記電流阻止
層に形成された貫通溝に比べて幅広であるから、上記非
貫通溝の上に形成された活性層は、上記貫通溝の上に形
成された活性層に比べて、容易に溝内に窪む。すなわ
ち、上記活性層は、上記電流阻止層と上記貫通溝の上に
位置する平坦部と、上記非貫通溝の上に位置し、上記平
坦部に比べて非貫通溝の深さ方向に窪んでいる窪み部と
が容易に形成される。
【0023】そして、上記活性層の平坦部から上記窪み
部に進んだ光は、平行方向から下降方向に進行方向が変
えられるときに、この活性層から放射されて減衰させら
れる。そして、上記窪み部を進んで後端面に達した光
は、この後端面で反射されて再び上記平坦部に向かう
が、この反射光は、窪み部から平坦部に向かう途中で進
行方向が変化させられて放射されるから、平坦部にはほ
とんど到達しない。
【0024】つまり、請求項2の発明によれば、上記窪
み部を含む非励起領域において実効的な反射率が低減さ
せられ、反射光を抑えられる。
【0025】したがって、請求項2の発明の半導体発光
素子は、両端面の間で光が反射することが抑制され、か
つ、容易に製造される。
【0026】また、請求項3の発明の半導体発光素子の
製造方法によれば、上記第2貫通溝を、上記第1導電型
の半導体基板に達する深さの第1貫通溝よりも幅広に形
成するから、上記第2貫通溝の上に形成される活性層
は、上記第1貫通溝の上に形成される活性層に比べて溝
の深さ方向に窪ませられ易い。従って、請求項3の製造
方法によれば、第1貫通溝の上に位置する活性層の平坦
部と、この平坦部に比べて溝の深さ方向に窪んでいる活
性層の窪み部とを形成することが容易になる。上記活性
層の平坦部から上記窪み部に進んだ光は、平行方向から
下降方向に進行方向が変えられるときに、この活性層か
ら放射されて減衰させられる。そして、上記窪み部を進
んで後端面に達した光は、この後端面で反射されて再び
上記平坦部に向かうが、この反射光は、窪み部から平坦
部に向かう途中で進行方向が変化させられて放射される
から、平坦部にはほとんど到達しない。つまり、上記窪
み部を含む非励起領域において実効的な反射率が低減さ
せられ、反射光を抑えられる。したがって、請求項3の
発明の半導体発光素子の製造方法によれば、両端面の間
で光が反射することが抑制される半導体発光素子を容易
に製造できる。
【0027】また、請求項4の発明の半導体発光素子の
製造方法によれば、上記非貫通溝を、上記第1導電型の
半導体基板に達する貫通溝よりも幅広に形成するから、
上記非貫通溝の上に形成される活性層は、上記貫通溝の
上に形成される活性層に比べて溝の深さ方向に窪ませら
れ易い。したがって、請求項4の製造方法によれば、貫
通溝の上に位置する活性層の平坦部と、上記非貫通溝の
上に位置し上記平坦部に比べて溝の深さ方向に窪んでい
る活性層の窪み部とを容易に形成できる。
【0028】そして、上記活性層の平坦部から上記窪み
部に進んだ光は、平行方向から下降方向に進行方向が変
えられるときに、この活性層から放射されて減衰させら
れる。更に、上記窪み部を進んで後端面に達した光は、
この後端面で反射されて再び上記平坦部に向かうが、こ
の反射光は、窪み部から平坦部に向かう途中で進行方向
が変化させられて放射されるから、平坦部にはほとんど
到達しない。つまり、上記窪み部を含む非励起領域にお
いて実効的な反射率が低減させられ、反射光を抑えられ
る。したがって、請求項4の発明の半導体発光素子の製
造方法によれば、両端面の間で光が反射することが抑制
される半導体発光素子を容易に製造できる。
【0029】また、請求項5の発明の半導体発光素子の
製造方法は、積層方向と垂直な方向の一端に位置する光
出射面と、積層方向と垂直な方向の他端に位置する後端
面とに低反射率コートを形成するので、両端面間の光の
反射が特に抑制される半導体発光素子を製造できる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例により詳細に説
明する。
【0031】〔第1実施例〕図1(A)に、本発明の半導
体発光素子の第1実施例を積層方向の上方から見た上面
を示す。図1(A)において、7は光出射端面、8は後端
面、21および22は低反射率コートであり、破線は導
波路の輪郭を示している。図1(A)に示すように、利得
領域にある導波路は幅細になっており、非励起領域にあ
る導波路は幅広になっている。また、図1(B)に、図1
(A)のA−A断面を示し、図1(C)に図1(A)のB−B
断面を示す。
【0032】上記第1実施例の構造を、上記第1実施例
の製造工程を説明しながら説明する。まず、P型GaAs
基板1上に液相エピタキシャル(LPE)法にてN型Alx
Ga1-xAs(0≦x≦1)電流阻止層2を積層する。次に、
このN型AlxGa1-xAs(0≦x≦1)電流阻止層2上にレ
ジストを塗布する。次に、周知のフォトエッチング工程
を用いて、図1(A)に破線で示した導波路の形状に対応
するストライプ状の領域にあるレジストを除去し、レジ
スト除去部を形成する。たとえば、上記レジスト除去部
は、利得領域においては幅を4μmにし、非励起領域に
おいては幅を10μmにする。
【0033】その後、上記レジスト除去部を有するレジ
ストを、硫酸系エッチング液を用いて、N型AlxGa1-x
As電流阻止層2を貫通する深さまでエッチングする。
このエッチングによって、幅細であって断面が逆三角形
状である図1(B)に示す第1貫通溝M1が図1(A)の利
得領域に形成され、幅広であって断面がバスタブ形状で
ある図1(C)に示す第2貫通溝M2が図1(A)の非励起
領域に形成される。その後レジストを除去する。
【0034】次に、上記第1貫通溝M1,第2貫通溝M
2および電流阻止層2の上に、LPE(液相エピタキシ
ャル)法にて、P型AlyGa1-yAs(1≦y≦1)クラッド
層3、P型AlzGa1-zAs(0≦z≦1)活性層4、N型A
lyGa1-yAsクラッド層5、N型GaAsキャップ層6を
順次積層する。
【0035】このLPE法による積層において、クラッ
ド層3は、幅W1の幅細の第1貫通溝M1の上では、図
1(B)に示すように第1貫通溝M1を埋めて平坦な平坦
部3aになる一方、幅W2(W2>W1)の幅広の第2貫
通溝M2の上では、図1(C)に示すように第2貫通溝M
2を完全に埋めることができず溝深さ方向に窪んだ窪み
部3bになる。したがって、上記クラッド層3の上に形
成された活性層4は、平坦部3aの上では平坦に成長し
て平坦部4aになる一方、窪み部3bの上では窪んだ状
態で成長して窪み部4bになる。このように、上記第1
貫通溝M1と第2貫通溝M2を形成したから、活性層4
に平坦部4aと窪み部4bを容易に形成できる。活性層
4が平坦部4aと窪み部4bを有するから、図1(A)の
C−C断面を示す図2に示すように、利得領域の終端か
ら非励起領域に延びる段差部24が形成される。この段
差部24を含む活性層4が曲がり導波路を構成してい
る。
【0036】すなわち、電流阻止層2に対して、通常よ
く用いられているフォトリソグラフィ技術を使用して、
幅細の第1貫通溝M1と幅広の第2貫通溝M2を作製す
ることにより、液晶成長法を用いて活性層4に簡単に所
望の段差部24を作りつけることができる。したがっ
て、この実施例によれば、非常に簡単な成長およびウエ
ハプロセスで活性層4の段差部24を形成することがで
きるから、大量生産が可能である。
【0037】その後、上記P型GaAs基板1下面にP型
電極9を形成し、N型GaAsキャップ層6上面にN型電
極10を形成する。
【0038】次に、上述の様に形成したウエハを劈開し
て光出射端面7と後端面8を形成する。次に、両端面7
と8に、Al23等で構成した低反射率コート21と2
2を形成し、例えば300μm×500μmのチップサイ
ズにチップ化する。
【0039】このようにして作製された半導体発光素子
は、図1(A)のC−C断面を示す図2に示すように、活
性層4は、利得領域では平坦である一方、非励起領域で
は下方へ窪んでいる。すなわち、活性層4には、段差部
24が作りつけられている。したがって、図2に示すよ
うに、利得領域で発生して非励起領域に向かった光り
は、活性層4の段差部24で放射される。さらに、光
は、非励起領域では上記活性層4が構成する導波路で、
吸収させられて減衰させながら後端面に達する。そし
て、後端面8で反射された光は、上記段差部24がある
から、再び利得領域に入射する可能性は極めて小さい。
このように、上記第1実施例によれば、非励起領域にお
いて実効的な反射率を低減させて、反射光を抑えること
ができる。
【0040】また、上記第1実施例は、両端面7と8に
低反射率コート21と22を形成したので、光出力を増
加させることができると共にFP(ファブリペロ)モード
発振を抑制することができる。
【0041】また、上記第1実施例は、電流通路となる
第1貫通溝M1を逆三角形状にして内部電流挟搾構造に
したから、電流の閉じ込め効果が高い。したがって、低
電流で動作する半導体発光素子を実現できる。
【0042】〔第2実施例〕次に、図3に本発明の半導
体発光素子の第2実施例を示す。この第2実施例は、図
3(A)に、第2実施例を積層方向の上方から見た上面を
示す。図3(A)において37は光出射端面、38は後端
面、41および42は低反射率コートであり、破線は導
波路の輪郭を示している。図3(A)に示すように、利得
領域にある導波路は幅細になっており、非励起領域にあ
る導波路は幅広になっている。また、図3(B)に、図3
(A)のA−A断面を示し、図3(C)に図3(A)のB−B
断面を示す。
【0043】上記第2実施例の構造を、上記第2実施例
の製造工程を説明しながら説明する。まず、P型GaAs
基板31上に液相エピタキシャル(LPE)法にてN型A
lxGa1-xAs(0≦x≦1)電流阻止層32を積層する。こ
の電流阻止層32は、利得領域では図3(B)に示すよう
に薄く形成され、非励起領域では図3(C)に示すように
厚く形成されている。
【0044】次に、このN型AlxGa1-xAs(0≦x≦1)
電流阻止層32上に、レジストを塗布する。次に、周知
のフォトエッチング工程を用いて、図3(A)に破線で示
した導波路の形状に対応するストライプ状の領域にある
レジストを除去し、レジスト除去部を形成する。たとえ
ば、上記レジスト除去部は、利得領域においては幅を4
μmにし、非励起領域においては幅を10μmにする。
【0045】その後、上記レジスト除去部を有するレジ
ストを、硫酸系エッチング液を用いて、N型AlxGa1-x
As電流阻止層32を貫通する深さまでエッチングす
る。このエッチングによって、幅細であって断面が逆三
角形状である図3(B)に示す貫通溝M10が図3(A)の
利得領域に形成され、幅広であって断面がバスタブ形状
である図3(C)に示す非貫通溝M20が図3(A)の非励
起領域に形成される。その後レジストを除去する。非励
起領域の電流阻止層32は、利得領域の電流阻止層32
よりも厚いから、非励起領域では電流阻止層32を貫通
しない非貫通溝M20が形成されるのである。
【0046】次に、上記貫通溝M10,非貫通溝M20
および電流阻止層32の上に、LPE(液相エピタキシ
ャル)法にて、P型AlyGa1-yAs(1≦y≦1)クラッド
層33、P型AlzGa1-zAs(0≦z≦1)活性層34、N
型AlyGa1-yAsクラッド層35、N型GaAsキャップ
層36を順次積層する。
【0047】このLPE法による積層において、クラッ
ド層33は、幅W10の幅細の貫通溝M10の上では、
図3(B)に示すように貫通溝M10を埋めて平坦な平坦
部33aになる一方、幅W20(W20>W10)の幅広
の非貫通溝M20の上では、図3(C)に示すように非貫
通溝M20を完全に埋めることができず溝深さ方向に窪
んだ窪み部33bになる。したがって、上記クラッド層
33の上に形成された活性層34は、平坦部33aの上
では平坦に成長して平坦部34aになる一方、窪み部3
3bの上では窪んだ状態で成長して窪み部34bにな
る。このように、上記貫通溝M10と非貫通溝M20を
形成したから、活性層34に平坦部34aと窪み部34
bを容易に形成できる。活性層34が平坦部34aと窪
み部34bを有するから、図3(A)のC−C断面を示す
図4に示すように、利得領域の終端から非励起領域に延
びる段差部44が形成される。この段差部44を含む活
性層34が曲がり導波路を構成している。
【0048】このように、電流阻止層32に対して、通
常よく用いられているフォトリソグラフィ技術を使用し
て、幅細の貫通溝M10と幅広の非貫通溝M20を作製
することにより、液晶成長法を用いて活性層34に簡単
に所望の段差部44を作りつけることができる。したが
って、この実施例によれば、非常に簡単な成長およびウ
エハプロセスで活性層34の段差部44を形成すること
ができるから、大量生産が可能である。
【0049】その後、上記P型GaAs基板31下面にP
型電極39を形成し、N型GaAsキャップ層36上面に
N型電極40を形成する。
【0050】次に、上述の様に形成したウエハを劈開し
て光出射端面37と後端面38を形成する。次に、両端
面37と38に、Al23等で構成した低反射率コート
41と42を形成し、例えば300μm×500μmのチ
ップサイズにチップ化する。
【0051】このようにして作製された半導体発光素子
は、図3(A)のC−C断面を示す図4に示すように、活
性層34は、利得領域では平坦である一方、非励起領域
では下方へ窪んでいる。すなわち、活性層34には、段
差部44が作りつけられている。したがって、図4に示
すように、利得領域で発生して非励起領域に向かった光
りは、活性層34の段差部44で放射される。さらに、
光は、非励起領域では上記活性層34が構成する導波路
で、吸収させられて減衰させながら後端面に達する。そ
して、後端面38で反射された光は、上記段差部44が
あるから、再び利得領域に入射する可能性は極めて小さ
い。このように、上記第2実施例によれば、非励起領域
において実効的な反射率を低減させて、反射光を抑える
ことができる。
【0052】また、上記第2実施例は、両端面37と3
8に低反射率コート41と42を形成したので、光出力
を増加させることができると共にFP(ファブリペロ)モ
ード発振を抑制することができる。
【0053】また、上記第2実施例は、電流通路となる
貫通溝M10の断面形状を逆三角形状にして内部電流挟
搾構造にしたから、電流の閉じ込め効果が高い。従っ
て、低電流で動作する半導体発光素子を実現できる。
【0054】尚、上記第1実施例および第2実施例の半
導体発光素子は、AlGaAs系の半導体材料で作製され
たが、AlGaAs系以外の半導体材料で作製されてもよ
い。
【0055】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明の半導体発光素子は、電流阻止層に形成された第2貫
通溝は、電流阻止層に形成された第1貫通溝に比べて幅
広であるから、活性層は、電流阻止層と第1貫通溝の上
に位置する平坦部と、第2貫通溝の上に位置し、平坦部
に比べて第2貫通溝の深さ方向に窪んでいる窪み部とを
容易に形成できる。
【0056】この窪み部で光が減衰させられるから、窪
み部を含む非励起領域において実効的な反射率を低減で
き、反射光を抑えることができる。したがって、請求項
1の発明の半導体発光素子は、両端面の間で光が反射す
ることを抑制でき、かつ、容易に製造できる。
【0057】また、請求項2の発明の半導体発光素子
は、電流阻止層に形成された非貫通溝が、電流阻止層に
形成された貫通溝に比べて幅広であるから、活性層は、
電流阻止層と貫通溝の上に位置する平坦部と、非貫通溝
の上に位置し、平坦部に比べて非貫通溝の深さ方向に窪
んでいる窪み部とを容易に形成できる。
【0058】この窪み部で光が減衰させられるから、窪
み部を含む非励起領域において実効的な反射率を低減で
き、反射光を抑えることができる。したがって、請求項
2の発明の半導体発光素子は、両端面の間で光が反射す
ることを抑制でき、かつ、容易に製造できる。
【0059】また、請求項3の発明の半導体発光素子の
製造方法によれば、第2貫通溝を、第1導電型の半導体
基板に達する深さの第1貫通溝よりも幅広に形成するか
ら、第2貫通溝の上に形成される活性層は、第1貫通溝
の上に形成される活性層に比べて溝の深さ方向に窪ませ
られ易い。従って、請求項3の製造方法によれば、第1
貫通溝の上に位置する活性層の平坦部と、この平坦部に
比べて溝の深さ方向に窪んでいる活性層の窪み部とを形
成することを容易にできる。そして、上記窪み部を含む
非励起領域において実効的な反射率を低減でき、反射光
を抑えることができる。従って、請求項3の発明の半導
体発光素子の製造方法によれば、両端面の間で光が反射
することを抑制できる半導体発光素子を容易に製造でき
る。
【0060】また、請求項4の発明の半導体発光素子の
製造方法によれば、非貫通溝を、第1導電型の半導体基
板に達する貫通溝よりも幅広に形成するから、非貫通溝
の上に形成される活性層は、貫通溝の上に形成される活
性層に比べて溝の深さ方向に窪ませられ易い。したがっ
て、請求項4の製造方法によれば、貫通溝の上に位置す
る活性層の平坦部と、非貫通溝の上に位置し平坦部に比
べて溝の深さ方向に窪んでいる活性層の窪み部とを容易
に形成できる。この窪み部で光が減衰させられるから、
窪み部を含む非励起領域において実効的な反射率を低減
させることができ、反射光を抑えることができる。従っ
て、請求項4の発明の半導体発光素子の製造方法によれ
ば、両端面の間で光が反射することを抑制できる半導体
発光素子を容易に製造できる。
【0061】また、請求項5の発明の半導体発光素子の
製造方法は、積層方向と垂直な方向の一端に位置する光
出射面と、積層方向と垂直な方向の他端に位置する後端
面とに低反射率コートを形成するので、両端面間の光の
反射を特に抑制できる半導体発光素子を製造できる。
【0062】このように、本発明によれば、前述したよ
うな簡単な成長及びウェハプロセス工程によって曲がり
導波路を形成することができる。また、前述したような
簡単な成長及びウェハプロセス工程によって内部に利得
領域と非励起吸収領域を持つ半導体発光素子を作製でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)は本発明の半導体発光素子の第1
実施例の上面図であり、図1(B)は図1(A)のA−A断
面図(利得領域の断面図)であり、図1(C)は図1(A)の
B−B断面図(非励起吸収領域の断面図)である。
【図2】 図1のC−C断面図である。
【図3】 図3(A)は本発明の半導体発光素子の第2
実施例の上面図であり、図3(B)は図3(A)のD−D断
面図(利得領域の断面図)であり、図3(C)は図3(A)の
E−E断面図(非励起吸収領域の断面図)である。
【図4】 図3(A)のF−F断面図である。
【図5】 従来の半導体発光素子(スパールミネッセン
トダイオード)の概略図である。
【符号の説明】
1,31…P型GaAs基板、 2,32…N型AlxGa1-xAs(0≦x≦1)電流阻止層、 3,33…P型AlyGa1-yAs(0≦y≦1)クラッド層、 4,34…P型AlzGa1-zAs(0≦z≦1)活性層、 4a,34a…平坦部、4b,34b…窪み部、 5,35…N型AlyGa1-yAsクラッド層、 6,36…N型GaAsキャップ層、 7,37…光出射端面、8,38…後端面、9,39…
P型電極、 10,40…N型電極、21,22…低反射率コート、 M1…第1貫通溝、M2…第2貫通溝、M10…貫通
溝、M20…非貫通溝、24,44…段差部。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板の上に形成され
    た第2導電型の電流阻止層と、 上記電流阻止層に形成され、上記電流阻止層の積層方向
    と垂直な方向の一端から他端に向かって所定の長さだけ
    延び、かつ、上記第1導電型の半導体基板に達する深さ
    のストライプ状の第1貫通溝と、 上記電流阻止層に形成され、上記第1貫通溝の終端から
    上記電流阻止層の他端まで延び、かつ、上記第1導電型
    の半導体基板に達する深さを有し、上記第1貫通溝より
    も幅広の第2貫通溝と、 上記電流阻止層と第1貫通溝の上に位置する平坦部と、
    上記第2貫通溝の上に位置し、上記平坦部に比べて第2
    貫通溝の深さ方向に窪んでいる窪み部とを含む第1導電
    型の活性層とを備えたことを特徴とする半導体発光素
    子。
  2. 【請求項2】 第1導電型の半導体基板の上に形成され
    た第2導電型の電流阻止層と、 上記電流阻止層に形成され、上記電流阻止層の積層方向
    と垂直な方向の一端から他端に向かって所定の長さだけ
    延び、かつ、上記第1導電型の半導体基板に達する深さ
    のストライプ状の貫通溝と、 上記電流阻止層に形成され、上記貫通溝の終端から上記
    電流阻止層の他端まで延び、深さが上記第1導電型の半
    導体基板まで達さず、上記貫通溝よりも幅広の非貫通溝
    と、 上記電流阻止層と貫通溝の上に位置する平坦部と、上記
    非貫通溝の上に位置し、上記平坦部に比べて上記非貫通
    溝の深さ方向に窪んでいる窪み部とを含む第1導電型の
    活性層とを備えたことを特徴とする半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 第1導電型の半導体基板の上に、第2導
    電型の電流阻止層を形成し、 上記電流阻止層の積層方向と垂直な方向の一端から他端
    に向かって所定の長さだけ延び、かつ、上記第1導電型
    の半導体基板に達する深さのストライプ状の第1貫通溝
    と、上記第1貫通溝の終端から上記電流阻止層の他端ま
    で延び、かつ、上記第1導電型の半導体基板に達する深
    さを有し、上記第1貫通溝よりも幅広の第2貫通溝とを
    形成し、 上記電流阻止層と第1貫通溝の上に位置する平坦部と、
    上記第2貫通溝の上に位置し、上記平坦部に比べて第2
    貫通溝の深さ方向に窪んでいる窪み部とを含む第1導電
    型の活性層を形成することを特徴とする半導体発光素子
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 第1導電型の半導体基板の上に第2導電
    型の電流阻止層を形成し、 上記電流阻止層の積層方向と垂直な方向の一端から他端
    に向かって所定の長さだけ延び、かつ、上記第1導電型
    の半導体基板に達する深さのストライプ状の貫通溝と、
    上記貫通溝の終端から上記電流阻止層の他端まで延び、
    深さが上記第1導電型の半導体基板まで達さず、上記貫
    通溝よりも幅広の非貫通溝を形成し、 上記電流阻止層と貫通溝の上に位置する平坦部と、上記
    非貫通溝の上に位置し、上記平坦部に比べて上記非貫通
    溝の深さ方向に窪んでいる窪み部とを含む第1導電型の
    活性層を形成することを特徴とする半導体発光素子の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の半導体発光素
    子の製造方法において、 積層方向と垂直な方向の一端に位置する光出射面と、積
    層方向と垂直な方向の他端に位置する後端面とに低反射
    率コートを形成することを特徴とする半導体発光素子の
    製造方法。
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