JP2935590B2 - きのこ培養容器内の二酸化炭素の除去方法 - Google Patents

きのこ培養容器内の二酸化炭素の除去方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は工業的にきのこを量産
しうるきのこ培養に際しての排出二酸化炭素の効率的な
除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、きのこ類の人工栽培は榾木を用
い農家において零細的に行われているが、現在、工業的
生産工程において量産することが考えられている。例え
ば、エノキ茸やヒラ茸等では、瓶にきのこ培地を詰め、
これに種菌を接種し培養して工業的に栽培することが行
われている。しかしながら、このような瓶栽培は、エノ
キ茸やヒラ茸のようなきのこには適用できるものの、ナ
メコやマイタケ等では瓶の口が狭く、ここからきのこを
採取することができないために適用できない。そのた
め、このようなナメコやマイタケ等の人工栽培では、培
養袋を用い、その袋内に培地を詰めきのこ種菌を接種し
て袋を密封し、これを培養したのち袋の肩口を破って培
地を取り出しきのこを発生させることが行われている。
【0003】しかしながら、このようなきのこ培養袋を
用いての人工栽培においては、菌糸の成長のため培養袋
内の空気と外気との流通性を保った状態で培養袋を密封
する必要があるため、密封工程に問題がある。すなわ
ち、この種の人工栽培で、例えば図6に示すようなポリ
プロピレンフィルム製の透明な培養袋(1)を用い、そ
の上部開口をリング状の肩口キャップ(2)内に通して
外側に折り返し、その状態で、内部にフィルター(3)
を有するキャップ(4)を、肩口キャップ(2)に嵌着
して密封し、培養袋(1)内部に雑菌を侵入させないよ
うにして培養することが行われている。
【0004】この場合、外気は、上記キャップ(4)に
設けられているフィルター(3)を通り雑菌を除かれて
培養袋(1)内に入るようになっている。しかしなが
ら、このように培養袋(1)の上部を肩口キャップ
(2)内に入れたのち外側に折り返し、そこにフィルタ
ー(3)内蔵のキャップ(4)を嵌着するということは
操作が極めて繁雑であるとともにコストアップとなる。
【0005】また、上記の培養袋(1)に代えて図7に
示すような、袋(1)の側面にフィルター(3)を装着
し、その袋(1)内にきのこ培地(5)を充填したの
ち、上部をシールして密封するという培養袋(6)も提
案されているが、使い捨てとなる培養袋(6)にこのよ
うに高価なフィルター(3)を装着することは培養袋
(6)のコストが高くなり、ひいてはそれが製造される
きのこのコストを上昇させることとなるためやはり好ま
しくない。
【0006】そこで、本発明者らは、この発明に先立
ち、袋の密封を安価になしうる培養法として、ポリプロ
ピレン透明袋等からなる培養袋の上端開口部を一文字状
に閉じて折り返し、その折り返し部をミシンで縫合し開
口をミシン糸で密封する方法(特開昭62−28573
1号公報)及び、培養袋の内外部を連通する空気流路を
形成する様にヒートシールし、開口を通気性を保持しつ
つ密封する方法(特開昭61−135517号公報)を
提案した。
【0007】これらの方法は、ミシン或いはヒートシー
ルによる密封を行うことによって、雑菌の侵入防止と、
通気性の確保の双方を同時に達成できるため、安価であ
り、密封作業の短縮も実現できる。又、きのこ菌糸が培
地に蔓延する期間は、従来用いられている市販肩口キャ
ップを使用したものと比べ同等以上の結果が得られ、き
のこの培養期間が短縮できる。
【0008】しかしながら、これらの方法に於いてはき
のこの培養期間にバラツキが見られ、培養に際し一部の
培養遅延培地を取り除き、再培養するという工程が加わ
ることにより、工程の複雑化が予想される。又、きのこ
の培養期間にバラツキが生じるということは、培養期間
の中心値をとった場合、同時点において適切な培養状態
にある培地と、過な状態,未熟な状態の培地が混在す
ることを示しており、均一・良好なきのこをより多く採
取するためには、全ての培地を適切な培養状態にもって
行くことが必要である。従って、工業量産化を考える場
合、上記バラツキをいかに少なくするかが商業的意味に
おいても重要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、この様な
事情に鑑みなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、安価で、且つきのこの培養期間のバラツキを抑
え、均一なきのこ培地を生産できるきのこの培養法を提
供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、種菌の植
菌された培地が充填されている培養袋を準備する工程
と、上記培養袋の開口を通気性を保持しつつ密封して培
養雰囲気中で培養する工程によってきのこを培養するに
際し、上記培養袋の開口の密封後、その開口部分を培地
上面に対して並行或いは培地に沿って折り曲げることを
特徴とするきのこ培養容器内の二酸化炭素の除去方法に
よって達成される
【0011】次に、本発明を詳しく説明する。まず、ポ
リプロピレンフィルム(以下「PPフィルム」と略す)
等からなるきのこ培養袋を準備する。次に、この培養袋
に鋸屑,米糠等を混合して加水調整されたきのこ培地を
充填する。そして、全体の形を整えた後、袋の上部を
放したまま過熱滅菌器に入れて滅菌する。ついで、滅菌
の終了後、無菌室に入れる。この無菌室内で培地を冷却
(30℃以下)した後、シイタケ,ナメコ,マイタケ等
所望のきのこ種菌を接種する。
【0012】この様にして、きのこ種菌の接種を終えた
ものに対して、袋の上部開口を密封する。この密封は、
例えばPPフィルム自体の帯電静電気により、袋の口を
一文字状に閉じ、開口先端部分をミシン糸縫合する方法
や、図8に示す様に、培養袋の内外部を連通する空気流
路(7)を残し、ヒートシール(8)をする方法,又、
図7に示す様にフィルターを装着し上部をシールする方
法などがある。
【0013】そして本発明の実施態様の一例を図面に基
づいて説明すると、図1は、本発明に係る培養袋開口部
密封操作の模式説明図である。図面に示す様に培養袋
(1)の開口先端部(9)を重ね合わせ(A)、ヘッド
スペース(10)が出来るだけ小さくなるように開口先
端部に重ね合わせ(B)、重ね合わせた部分を培地
(5)の上面に略並行(C)或いは培地(5)の上面及
び側面に沿って折り曲げる(C′)。
【0014】その際、培地(5)上面と培養袋(1)に
よって形成されるヘッドスペース(10)を最小容量に
なる様に折り曲げ、少なくとも培地(5)上面と培養袋
(1)との間隙を20mm以下に、更に好ましくは2〜
10mmになる様に押さえ込む。又、開口先端部(9)
の折り曲げ方法は、(C′)に示す様に培地(5)に沿
って折り曲げても良い。更に、培養袋の開口部分の密封
は、培養袋を折り曲げた後実施しても良く、図1
(A),(B),(C),(C′)の任意の段階で行う
ことが可能である。
【0015】以上の様にして得られた、培養袋の開口先
端部を折り曲げた培地を、培養雰囲気に入れて培養す
る。ところで、きのこ種菌を接種した培地を培養雰囲気
中で培養するためには、きのこ菌糸が適当に生長できる
通気量の確保が必要である。図2は、きのこ種菌の接種
を終えた培地の培養袋の開口先端部(9)を重ね合わせ
て、培地の上面に対して並行に折り曲げ、培養雰囲気中
で培養したときの培養基の培養袋開口先端部における雑
菌及び空気の状態を示す拡大説明図である。
【0016】同図において、きのこ菌糸の生長に必要な
空気(11)は、培養袋(1)の開口先端部(9)の密
封部分(13)を介して図中白ぬき矢印に示す空気(1
1)の流路を流通し培地(5)に到達する。培養袋の開
口先端部(9)の折り曲げ部分(14)は、培養袋
(1)の開口先端部(9)を重ねて、折り曲げた構造で
あるが、培養袋(1)の皺,袋素材表面の凹凸等に起因
する空隙が存在し、かかる空隙が培養袋(1)の内部と
外部とを連通する空気の流路を形成しており、きのこ菌
糸の生長に必要な空気は、充分に流通することができ
る。一方、上記流路は狭隘微細で且つ直線的でない
め、空気の濾過作用を有し、雑菌の侵入を阻止できる。
【0017】すなわち、図2において、空気(11)は
培養袋(1)の開口先端部(9)の密封部分(13)か
ら流入するが、密封部分(13)を高度に密着し雑菌を
遮断すると空気も遮断されてしまい、きのこ菌糸の生長
も損なわれることになる。そこで、袋密封部分(13)
の空気の流通性を高め、大部分の雑菌を密封部分(1
3)で除去し、残りの雑菌は、袋折り曲げ部分(14)
を通過する過程で、図中点線矢印に示す様に雑菌(1
2)を培養袋内面に付着させることにより、完全な除菌
を達成し、無菌清浄空気を培地に供給するものである。
【0018】この袋折り曲げ部分の長さは、30mm以
上が望ましいが培養雰囲気の微生物環境に合わせて袋折
り曲げ部分(14)の長さを調整することが可能であ
り、又袋密封部分(13)の仕様により、折り曲げ部分
(14)の長さを変えることも可能である。更に、袋密
封に際して、必要な設備を簡略化し、例えば、粘着テー
プ,ホッチス,クリップ等で袋密封を行なう場合は、
袋折り曲げ部分(14)を適当に長くすることできのこ
の培養が可能となる。
【0019】又、袋折り曲げ部分(14)は、培養中に
立ち上がる恐れがあり、培養袋の材質によっても立ち上
がりが起こり易い場合が考えられる。しかし、テープな
どを用いて場合袋を固定すると、前述の通り培養袋折り
曲げ部分(14)の内面の空隙を密着することに繋が
り、通気性が著しく損なわれることになる。図3は、袋
折り曲げ部分(14)の折り返しの一部(15)を、粘
着シール,糊料等で接着固定し、袋内面の通気部を密着
させることなく、折り曲げ部分(14)の立ち上がりを
防止した本発明実施態様の一例を示す説明図である。こ
の場合、接着する部分(15)は、図中×××印の折り
返し内面の一部とするのが好適である。又、接着方法と
しては、シール,糊料の他、熱結着、マジックテープ等
種々の方法が考えられる。さらに、培養袋開口先端部と
培地充填部に嵌合部,引っ掛け手段を設け、嵌着,係着
等により折り曲げ部分(14)の立ち上がりを防止する
ことも可能である。
【0020】図4は培養袋内外の空気の流通性について
の説明図である。 図4(D)は、培養袋(1)を密封
後開口先端部(9)を培地(5)上面に対して垂直に立
てヘッドスペースを残した場合,同図右の(E)は袋開
口先端部(9)を重ね合わせて付着させた後、培地
(5)上面に対して並行に折り曲げた場合の空気及び二
酸化炭素のれを示す説明図である。(D),(E)共
培地,培養袋,袋密封方法など他の全ての条件は同じで
ある。
【0021】図(D)において、空気の流入は袋密封部
分(13)を通して行われるが、培地(5)上面と培養
袋(1)とによって形成されるヘッドスペース(10)
が大きいため空気の滞留スペースが生じ、内外気の流出
入が効率的に行われ難い。更に、きのこ菌糸の生理面か
ら説明すると、きのこ菌糸は空気中の酸素を吸収し、二
酸化炭素を排出するという呼吸作用を行って生長してい
るが、空気と二酸化炭素の比重を比較すると、二酸化炭
素の方が重く、培養袋中では空気より下層に滞留する。
【0022】従って、培地上に大きなヘッドスペースが
ある場合、矢印に示す二酸化炭素(16)が下層に滞
留し、きのこ菌糸の呼吸作用が著しく抑制されるため、
培養袋密封部(13)を通して流動する空気(11)及
び二酸化炭素(16)の総容量は共に小さくなる。一
方、本発明のように培養袋(1)の開口先端部(9)を
培養袋(1)の上面に対して略並行に折り曲げた(E)
の場合は、ヘッドスペース(10)が小さくなり、きの
こ菌糸の呼吸によって排出された二酸化炭素(15)は
培養袋内に滞留することなく、すみやかに袋外に排気さ
れ、入れ替わりに新鮮な空気(11)が流入される。従
って、袋密封(13)を介して流動する空気(11)及
び二酸化炭素(16)の総容量は大きくなり、培養袋内
外の空気の流通性は著しく促進される。
【0023】又、図5は培地上に大きくヘッドスペース
がある場合の培養袋内外の空気の流通性についての説明
図である。同図においてヘッドスペース(10)内は、
培地(5)上面より蒸散する水蒸気(点線矢印)(1
8)により過飽和状態となっており、培養袋(1)内面
に結露し、水滴(←)(17)となって、培地上面に落
下する。
【0024】通常きのこ培地(5)は水分を50〜70
%含んでおり、又、きのこの培養期間は種類によって十
数日から数ケ月に及ぶため、培地上面の水滴量はかなり
のものとなり、きのこ子実体の形成に重要な菌糸膜の生
長を阻害するだけでなく、余分な水は、細菌など雑菌の
繁殖を助長する結果となる。従って、ヘッドスペースは
小さい程良い。
【0025】更に図6に示される様な、現在市販されて
いる肩口キャップの場合、培養袋開口先端部をリング状
の肩口キャップ内に通して外側に折り返し、キャップを
嵌着して密封するため、培地上面を強く押さえることと
なり、培養袋を除去する場合上記菌糸膜が袋に付着して
剥離し、損傷が生じることがある。しかし、培養袋開口
先端部を重ね合わせて折り曲げる本発明では、培地上面
を圧着することなく、従って培養袋を除去する場合、菌
糸膜の損傷を防ぐことができる。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明は、きのこ種菌の
接種された培地を培養袋に収納し、袋内面が付着する様
に袋開口先端部を重ね合わせ、培地(5)上面に形成さ
れるヘッドスペースを密着せず、しかも最小容量になる
様に培地上面に対して並行或いは培地に沿って折り曲
げ、培地上面と培養袋との間隙を好ましくは20mm以
下押さえ込む様固定することにより、きのこ菌糸の呼吸
に伴って排出される二酸化炭素の滞留を防止し、培養袋
内外の空気の流通性を促進させる。
【0027】更に培養袋折り曲げ部分の空隙が空気流路
となるため、該流路で袋内面に雑菌が付着除去され、清
浄な空気のみが培養器内に流通する。即ち、雑菌除去に
対して、袋密封部分と相乗的に作用し、一層空気の流通
性を促進する。
【0028】従って、工業量産化を行った場合に於いて
も、きのこ培養期間のバラツキが著しく改善され、短期
間に集中して良好なきのこ培地を生産することが可能と
なり、この様にして適切な期間で培養された培地は、そ
の後の発茸操作により、シイタケ,ナメコ,マイタケ等
を高率に発生させることができる。
【0029】次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。
【0030】〔実施例1〕円筒状に押し出し形成された
直径12cm,厚み50μの透明プラスチックフィルム
を長さ35cmに切断した。そして、この円筒フィルム
の一端側を、その折り部分が中央で接触するようにガゼ
ット折り込みをし、底部をヒートシールして密封するこ
とにより、透明ポリプロピレン製のきのこ培養袋をつく
った。つぎに、このきのこ培養袋に、鋸屑4重量部(以
下「部」と略す),米糠1部に加水し含水率を70%に
調整して培地を1kg充填した。そして、これを加熱滅
菌釜内に、袋の上部開口を開放したまま入れ、120℃
において90分間保持して滅菌した。
【0031】ついで、これをクリーンルーム内に取り出
し、同ルーム内において、培地温度が25℃になるまで
冷却したのち、シイタケ種菌を5g接種(植菌)し、図
1(A)→(B)の順で培養袋開口先端部を一文字状に
閉じ、重ね合わせた後、袋開口先端部下側30mmの位
置を中心に図8に示すような空気流路を残してヒートシ
ールし、密封した。
【0032】次に、図1(C)の様に、培地上面に対し
て並行になる様に培養袋開口先端部を折り曲げ固定し、
培養室に移した。この時培地上面と培養袋との間隙は7
mmであった。又、培養室は20〜25℃,90%湿度
に管理されていて、床面は清潔に保たれていた。
【0033】〔実施例2〕培養袋の先端開口の密封を、
袋上端開口部下側20mmの位置で、20番綿糸を用
い、縫い目ピッチ5mmのミシン縫いを横方向に行っ
た。培養袋の折り曲げは、図1(C′)に示す様に培地
に沿って折り込んだ。この時、培地上面と培養袋との間
隙は7mmであった。それ以外は実施例1と同様にして
培養を行った。
【0034】〔実施例3〕透明プラスチックフィルムの
長さを40cmとした。培養袋の上部開口の密封を、袋
上端開口部下側20mmの位置で、30mm間隔でホッ
チギス留めを横方向に行った。この時、培地上面と培養
袋との間隙は15mmであった。それ以外は実施例1と
同様にして培養を行った。
【0035】〔比較例1〕実施例1と同じ手段で培養袋
上部開口を密封し、予め袋先端開口部を重ね合わせず、
図5に示す様に、培地上面と培養袋とによって形成され
るヘッドスペースを残す様にして、密封を行い、このま
まの状態で培養室へ移動した。この時、培地上面と培養
袋と間隙は30mm,ヘッドスペースの容量は290ml
であった。それ以外は実施例1と同様にして培養を行っ
た。
【0036】〔比較例2〕実施例2と同じ手段で培養袋
上部開口を密封し図5に示す様に、ヘッドスペースを残
す様にして密封を行い培養した。この時、培地上面と培
養袋の間隙は70mm,ヘッドスペースの容量は700
mlであった。それ以外は実施例2と同様にして培養を行
った。
【0037】
【0038】〔比較例〕 実施例2と同じ手段で培養袋上部開口の密封し図1
(B)に示す様に、袋の口を一文字状に閉じ、袋開口先
端部を重ね合わせてヘッドスペースを除いた後、密封
し、培地上面に対して垂直に立てたままの状態で培養し
た。この時、培地上面と培養袋との間隙は7mmであっ
た。それ以外は実施例2と同様にして培養を行った。
【0039】〔比較例〕 市販肩口キャップを使用するとともに、スポンジフィル
ター付きキャップを用い、図6に示すようにして培養を
行った。
【0040】以上の実施例及び比較例における落下菌に
よるコンタミ数と菌糸生長の状態を検査し、その結果を
次表1に示す。尚、それぞれの実験は100個の検体を
用いて行った。
【0041】
【表1】
【0042】上記の表から明らかなように、実施例のも
のは、いずれも落下菌によるコンタミ数が少なく、菌糸
蔓延日数が短縮され、バラツキの指標となる標準偏差も
小さくバラツキ範囲は著しく縮小された。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る培養袋開口部密封操作の模式説明
図。
【図2】本発明に係る培養袋開口部密封操作を施した後
培養したときの、培養基の培養袋開口先端部における雑
菌及び空気の状態を示す拡大説明図。
【図3】本発明の実施態様の一例を示す説明図。
【図4】ヘッドスペースが大きい場合(D)及びヘッド
スペースが小さい場合(E)の空気及び二酸化炭素の流
れを示す説明図。
【図5】培地上に大きなヘッドスペースがある場合の培
養袋内外の空気の流通性についての説明図。
【図6】既存の培養袋開口部の説明図。
【図7】既存の培養袋開口部の説明図。
【図8】本発明の培養袋先端密封部の一例を示す説明
図。
【符号の説明】
1 培養袋 5 培地 7 空気流路 9 開口壁 10 ヘッドスペース 11 空気 12 雑菌の流れ 13 密封部 14 折り曲げ部分 16 二酸化炭素 17 水滴 18 水蒸気

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 種菌の植菌された培地が充填されている
    培養袋を準備する工程と、上記培養袋の開口を通気性を
    保持しつつ密封して培養雰囲気中で培養する工程によっ
    てきのこを培養するに際し、上記培養袋の開口の密封
    後、その開口部分を培地上面に対して並行或いは培地に
    沿って折り曲げることを特徴とするきのこ培養容器内の
    二酸化炭素の除去方法
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