JP2933622B1 - 放射性物質回収装置 - Google Patents

放射性物質回収装置

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JP2933622B1
JP2933622B1 JP27095598A JP27095598A JP2933622B1 JP 2933622 B1 JP2933622 B1 JP 2933622B1 JP 27095598 A JP27095598 A JP 27095598A JP 27095598 A JP27095598 A JP 27095598A JP 2933622 B1 JP2933622 B1 JP 2933622B1
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龍司 吉岡
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Kobe Steel Ltd
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KAKUNENRYO SAIKURU KAIHATSU KIKO
Kobe Steel Ltd
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Abstract

【要約】 【課題】 発火を確実に防止しながら、高い活性を有し
た放射性物質を回収する。 【解決手段】 高い活性を有した放射性物質の回収に使
用される。水20が充填された一次収納容器18および
二次収納容器19と、各収納容器18・19を一次収容
室16および二次収容室17にそれぞれ格納した下部隔
壁5等の格納手段と、二次収容室17の空気を外部に排
出する排風機7と、放射性物質を外部の空気と共に吸引
するように吸入口13aが格納手段の外部に位置され、
吸入口13aに連通された排出口13bが一次収容室1
6における一次収納容器18の上方に位置された第1通
気管13と、一次収容室16の空気を吸引するように吸
入口14aが一次収容室16における一次収納容器18
の上方に位置され、吸入口14aに連通された排出口1
4bが二次収容室17における二次収納容器19の水2
0内に位置された第2通気管14とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉状や片状の放射
性物質を回収する放射性物質回収装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所から発生する使用済原子燃
料を再処理する原子燃料再処理工場等の原子力関連施設
においては、使用済原子燃料の切断処理後の切り屑のよ
うに、粉状や片状の放射性物質が処理装置の周辺に散在
した状態で発生することがある。そして、これらの放射
性物質が多量に発生すると、処理場所の放射能強度が高
くなり、機器の劣化を早めたり、処理の障害になるた
め、通常は、所定量が発生した時点で容器等に回収され
る。
【0003】上記の放射性物質は、人体に対して有害で
あるため、処理装置が設置された厚肉のコンクリート構
造の室内において、室外からの遠隔操作で回収する必要
がある。従って、従来から、各種の方式の回収装置が使
用および提案されており、例えば特開平4−42099
号公報には、洗浄水を床面に吹き付けながらブラシおよ
びワイパで床面の放射性物質を掃き落とし、洗浄水と共
に吸引機構により吸い込んで放射性物質をタンク内に収
容する構成の回収装置が提案されている。また、特開平
9−203796号公報には、円筒体を回動させながら
側壁面に吸引部材を当接し、側壁面に付着している放射
性物質を吸引して吸引機構の下流側に配置されたフィル
タ装置で捕集する構成の回収装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のように、放射性物質を洗浄水と共にタンク内に収容
したり、放射性物質をフィルタ装置で捕集することによ
り回収する構成では、洗浄水による少量の水分を含有し
た状態や乾燥状態で放射性物質が回収されるため、タン
ク内で放射性物質同士の衝突や静電気により火花が生じ
ることがある。そして、このようなタンク内における火
花は、回収された放射性物質がジルコニウム合金のよう
に極めて高い活性を有したものである場合、タンク内で
放射性物質を発火させる原因となり、回収量が大きけれ
ば、放射性物質の発火によりタンクを爆発させる危険性
があるという問題がある。
【0005】そこで、本発明は、発火を確実に防止しな
がら、高い活性を有した放射性物質を回収することがで
きる放射性物質回収装置を提供しようとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、高い活性を有した放射性物質の
回収に使用される放射性物質回収装置であって、水が充
填された容器手段と、前記容器手段を内部空間に格納し
た格納手段と、前記内部空間の空気を外部に排出する排
気手段と、前記放射性物質を外部の空気と共に吸引する
ように吸入口が前記格納手段の外部に位置され、該吸入
口に連通された排出口が前記容器手段の水内に位置され
た吸引路手段とを有したことを特徴としている。
【0007】上記の構成によれば、格納手段の内部空間
に存在する空気が排気手段により外部に排出されると、
内部空間が減圧状態になる。そして、この内部空間に排
出口が位置された吸引路手段は、吸入口が大気圧である
格納手段の外部に位置されているため、吸入口側の空気
を吸引する。従って、吸引路手段の吸入口が放射性物質
に近接されていれば、放射性物質が空気と共に吸引さ
れ、吸引路手段の排出口から排出される。この際、吸引
路手段の排出口は、内部空間に格納された容器手段の水
内に位置されており、吸引路手段の排出口から排出され
た放射性物質は、水に浸漬された状態で容器手段に収容
されることになる。これにより、本構成を有した放射性
物質回収装置は、放射性物質が高い活性を有していた場
合でも、放射性物質を水により冷却すると共に空気と遮
断した状態にすることができるため、発火や爆発を確実
に防止しながら回収することができる。
【0008】請求項2の発明は、高い活性を有した放射
性物質の回収に使用される放射性物質回収装置であっ
て、上面が開口され、水が充填された第1容器手段およ
び第2容器手段と、前記第1容器手段および第2容器手
段を第1内部空間および第2内部空間にそれぞれ格納し
た格納手段と、前記第2内部空間の空気を外部に排出す
る排気手段と、前記放射性物質を外部の空気と共に吸引
するように吸入口が前記格納手段の外部に位置され、該
吸入口に連通された排出口が前記第1内部空間における
前記第1容器手段の上方に位置された第1吸引路手段
と、前記第1内部空間の空気を吸引するように吸入口が
前記第1内部空間における前記第1容器手段の上方に位
置され、該吸入口に連通された排出口が前記第2内部空
間における前記第2容器手段の水内に位置された第2吸
引路手段とを有したことを特徴としている。
【0009】上記の構成によれば、格納手段の第2内部
空間に存在する空気が排気手段により外部に排出される
と、第2内部空間が減圧状態になると共に、この第2内
部空間に第2吸引路手段を介して連通された第1内部空
間が減圧状態になる。そして、第1内部空間に排出口が
位置された第1吸引路手段は、吸入口が大気圧である格
納手段の外部に位置されているため、吸入口側の空気を
吸引する。従って、第1吸引路手段の吸入口が放射性物
質に近接されていれば、放射性物質が空気と共に吸引さ
れ、第1吸引路手段の排出口から排出される。
【0010】この際、第1吸引路手段の排出口は、第1
内部空間に格納された第1容器手段の上方に位置されて
いる。また、この第1容器手段の上方には、第1内部空
間の空気を吸引するように第2吸引路手段の吸入口が位
置されている。従って、第1内部空間においては、第1
吸引路手段の排出口から第2吸引路手段の吸入口の方向
に空気が流動した状態となっている。
【0011】これにより、第1吸引路手段の排出口から
排出された放射性物質が所定以上の大きなサイズや比重
である場合には、流動する空気中を自然落下し、下方の
第1容器手段に投入されることにより水内に浸漬され
る。一方、小さなサイズや比重の放射性物質は、空気と
共に第2吸引路手段に吸引されることによって、第2容
器手段の水内に排出されて浸漬される。従って、本構成
を有した放射性物質回収装置は、放射性物質が高い活性
を有していた場合でも、放射性物質を水により冷却する
と共に空気と遮断した状態にすることができるため、発
火や爆発を確実に防止しながら回収することができる。
さらに、放射性物質をサイズや比重に応じて分別しなが
ら回収することができる。
【0012】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の放射性物質回収装置であって、前記排気手段で外部に
排出される空気を通過させるように設けられ、該空気中
のミストや放射性物質を捕集するフィルタ手段を有した
ことを特徴としている。
【0013】上記の構成によれば、水内に回収できなか
った放射性物質や水面上のミストがフィルタ手段で捕集
されることによって、排出される空気から放射性物質や
ミストを確実に除去することができる。
【0014】請求項4の発明は、請求項1または2記載
の放射性物質回収装置であって、前記排気手段は、空気
を外部に排出する際に旋回させることによって、該空気
中に含まれる放射性物質やミストを遠心力により該空気
から分離することを特徴としている。
【0015】上記の構成によれば、水内に回収できなか
った放射性物質や水面上のミストが遠心力より空気から
分離されることによって、排出される空気から放射性物
質やミストを確実に除去することができる。また、フィ
ルタで捕集する場合のように目詰まりすることがないた
め、更新期間や保守期間を大幅に延長することができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】〔実施形態1〕本発明の第1の実
施形態を図1に基づいて以下に説明する。第1の実施形
態に係る放射性物質回収装置は、図1に示すように、放
射性物質を収容する回収装置本体1と、放射性物質を吸
引して回収装置本体1内に誘導するノズル機構2とを有
している。回収装置本体1は、上部隔壁3と中部隔壁4
と下部隔壁5とを上端側からこの順に備えている。各隔
壁3〜4同士の当接部には、フランジ部3a〜5aが外
周方向に突設されており、フランジ部3a〜5aは、図
示しないボルト部材で締結されることによって、各隔壁
3〜4同士を分割可能に接合して一体化させている。
【0017】上記の上部隔壁3には、排気口3aが上面
の中心部に形成されている。排気口3aの周囲には、一
対のフック部材6・6が排気口3aを中心として左右対
称に設けられている。そして、これらのフック部材6・
6は、回収装置を移動させる図示しないクレーン装置の
懸吊具に係合されるようになっている。
【0018】また、上部隔壁3の内部には、底面側に存
在する空気を吸い込んで側面方向に排気する排風機7
と、この排風機7を駆動する電動機8と、上部隔壁3内
と中部隔壁4内とを区分けする第1仕切り板9とが設け
られている。そして、第1仕切り板9には、通気口9a
が形成されていると共に、上述の排風機7が通気口9a
を覆うようにして接合されている。これにより、排風機
7は、電動機8により駆動されたときに、中部隔壁4内
の空気を通気口9aを介して強制的に上部隔壁3内に流
動させ、排気口3aを介して外部に排気するようになっ
ている。
【0019】また、中部隔壁4の内部には、第1仕切り
板9の下面外周部に当接された環状部材11と、中部隔
壁4の側面壁から内側方向に突設された環状突設部4b
と、環状部材11と環状突設部4bとで挟持されること
により固定されたフィルタ部材12とが設けられてい
る。上記のフィルタ部材12は、微細な連通孔を有した
材質からなっており、連通孔を介して空気を通過させる
際に、空気中に存在する微小なジルコニウム合金粉末等
の放射性物質および水分等のミストを捕集するようにな
っている。尚、フィルタ部材12は、ジルコニウム合金
粉末等による発火および爆発に対する安全性を高めるよ
うに、ミスト捕集用フィルタと微粒子捕集用フィルタと
の組み合わせからなっていることが望ましい。
【0020】上記のフィルタ部材12の下方には、第1
通気管13と第2通気管14とが設けられていると共
に、中部隔壁4内と下部隔壁5内とを区分けする第2仕
切り板10が設けられている。第2仕切り板10の下面
には、上下方向に設けられた第3仕切り板15の上端が
当接されており、第3仕切り板15は、下部隔壁5内を
二分割することによって、下部隔壁5内に一次収容室1
6と二次収容室17とを形成させている。そして、一次
収容室16は、密閉構造にされている一方、二次収容室
17は、第2仕切り板10の通気口10aにより上面が
開放されている。
【0021】上記の一次収容室16には、切断片のよう
に容易に自然落下する比較的に大きなサイズや比重の放
射性物質を収容する一次収納容器18が格納されてい
る。一方、二次収容室17には、切断粉のように自然落
下し難い小さなサイズや比重の放射性物質を収容する二
次収納容器19が格納されている。そして、これらの収
納容器18・19には、水20が充填されており、水2
0は、収納容器18・19内の放射性物質を冷却すると
共に空気と遮断することにより放射性物質の発火を防止
するようになっている。
【0022】上記の一次収納容器18および二次収納容
器19は、上面が開口されており、一次収納容器18の
上方には、自然落下する放射性物質を一次収納容器18
の開口方向に集合させるホッパー21が設けられてい
る。そして、ホッパー21の上方位置における第2仕切
り板10には、上述の第1通気管13の排出口13bお
よび第2通気管14の吸入口14aが接合されている。
尚、ホッパー21は、ホッパー21上方の空気流を調整
することにより一次収納容器18に自然落下する放射性
物質のサイズや比重を変更することができるように、開
口径や壁面の傾斜角度が可変にされていることが望まし
い。
【0023】上記の第2通気管14は、吸入口14a側
から鉛直方向に立ち上げられた後、二次収容室17の上
方位置となるように水平方向に曲折され、二次収容室1
7の上方位置において下降されることによって、二次収
納容器19の水20内に排出口14bが位置されてい
る。一方、第1通気管13は、排出口13b側から鉛直
方向に立ち上げられた後、上述の第2通気管14とは逆
方向に曲折され、中部隔壁4の側面壁を貫設されてい
る。
【0024】上記の第1通気管13の吸入口13aは、
吸引力調整機構22に連結されている。吸引力調整機構
22は、第1通気管13による通気路を2方向に分岐さ
せる連結部材23と、連結部材23の一方の分岐路に連
結された吸引力調整バルブ24とを有しており、吸引力
調整バルブ24を介して外部から空気を流入させること
によって、他方の分岐路から流入する空気量を調整可能
になっている。そして、このように構成された吸引力調
整機構22には、ノズル機構2が連結されており、ノズ
ル機構2は、連結部材23の他方の分岐路に連結された
吸引ホース25と、吸引ホース25に連結されたノズル
部材26とからなっている。ノズル部材26の下部26
aには、吸引詰まりを生じさせない程度のサイズに設定
された図示しない多数のスリット等の通気部が形成され
ており、通気部は、吸引時にノズル部材26と床面等と
の間で閉塞状態を発生させないようになっている。
【0025】上記の構成において、放射性物質回収装置
の動作について説明する。例えば使用済みの燃料集合体
を解体して核燃料を回収する場合には、プール内から燃
料集合体が取り出された後、切断装置に搬送される。そ
して、切断装置により燃料集合体を構成する燃料棒が所
定の寸法に切断され、切断片がカゴ型容器に入れられて
硝酸溶液の溶解槽に投入される。これにより、燃料棒に
含まれていたウランやプルトニウム等の核燃料が硝酸溶
液に溶解され、次工程以降において硝酸溶液から溶媒中
に抽出されて再処理される。一方、ジルコニウム合金製
の被覆管等の放射性物質は、硝酸溶液に溶解しないた
め、溶解槽内にセットしたカゴ型容器の底面に堆積す
る。また、切断装置により燃料棒が切断されると、核燃
料や被覆管の一部が粉状や片状の放射性物質として飛散
し、これらの放射性物質が切断装置および関連装置に用
いているゴム等の物質と共に切断装置の周囲に堆積す
る。
【0026】そして、このようにして溶解槽や切断装置
の周囲に堆積した放射性物質が所定量以上になったとき
に、溶解槽や切断装置が本実施形態の放射性物質回収装
置を用いて清掃される。
【0027】即ち、先ず、図示しないクレーン装置の懸
吊具がフック部材6・6に係合されて持ち上げられた
後、清掃対象である溶解槽や切断装置の上方に移動され
る。次に、電動機8により排風機7が駆動されることに
よって、中部隔壁4内の空気が上部隔壁3内の排気口3
aを介して外部に排気される。中部隔壁4内の空気が排
気されると、中部隔壁4内が減圧状態になると共に、中
部隔壁4内に連通された下部隔壁5内の二次収容室17
も減圧状態になる。そして、二次収容室17が所定の圧
力以下にまで減圧されたときに、第2通気管14を介し
て一次収容室16の空気が吸引される。これにより、一
次収容室16が減圧状態になることによって、この一次
収容室16に吸引ホース25等を介して接続されたノズ
ル部材26による吸引動作が開始されることになる。
【0028】上記のようにして吸引動作が開始される
と、ノズル部材26の先端が放射性物質の堆積部分に位
置するように、クレーン装置により回収装置本体1が移
動される。そして、ノズル部材26の先端が放射性物質
の堆積部分に接近すると、ノズル部材26が空気と共に
放射性物質を矢符方向に吸引し、回収装置本体1の一次
収容室16に流入させる。
【0029】一次収容室16に流入した放射性物質は、
切断片のように容易に自然落下する比較的に大きなサイ
ズや比重であれば、ホッパー21を通過して一次収納容
器18に落下し、一次収納容器18の水20に浸漬され
る。一方、放射性物質が切断粉(ジルコニウム合金粉末
等)のように自然落下し難い小さなサイズや比重である
場合には、空気と共に第2通気管14内に流入し、二次
収納容器19の水20内に排出される。そして、空気が
泡状となって水20を上昇する過程において、微小な放
射性物質の大部分が水20に接触することにより取り込
まれる。また、水20に取り込まれずに二次収容室17
に移動した放射性物質の残部およびミストは、空気と共
に上昇し、フィルタ部材12で捕集される。これによ
り、排風機7により外部に排出される空気に放射性物質
が残存することはなく、放射性物質が回収時に処理装置
の周囲に飛散することがない。
【0030】上記のようにして放射性物質が回収される
と、一次収納容器18および二次収納容器19には、多
量の放射性物質が充填された状態になる。この際、放射
性物質は、水20に完全に浸漬されており、この水20
により冷却されていると共に空気と遮断されている。従
って、放射性物質中に多くのジルコニウム合金のように
極めて高い活性を有した物質が存在していた場合であっ
ても、水による冷却効果と着火源がないために発火が確
実に防止される。尚、フィルタ部材12に捕集された放
射性物質は、一次収納容器18や二次収納容器19に回
収された放射性物質と比較して極めて僅かな量であるた
め、発火の危険性は殆どない。尚、本実施形態において
は、フィルタ部材12が中部隔壁4内の空間部に設けら
れているが、二次収納容器19内の水面上に設けられて
いても良い。
【0031】次に、放射性物質の回収が完了すると、一
次収納容器18、二次収納容器19およびフィルタ部材
12が回収装置本体1から取り出されて交換される。そ
して、取り出された収納容器18・19等は、後工程に
おいて減容処理等の各種の処理が施される。この際、一
次収納容器18および二次収納容器19には、大きなサ
イズや比重の放射性物質と小さなサイズや比重の放射性
物質とが分別して回収されている。従って、一次収納容
器18と二次収納容器19とを区別すれば、放射性物質
のサイズや比重に応じた分別作業が行われるため、後工
程における処理が容易に行われることになる。
【0032】〔実施形態2〕本発明の第2の実施形態を
図2に基づいて以下に説明する。尚、第1の実施形態と
同一の部材には同一の符号を付記してその説明を省略す
る。
【0033】第2の実施形態に係る放射性物質回収装置
は、図2に示すように、回収装置本体1の上部隔壁3に
遠心分離型回転機32を備えている。遠心分離型回転機
32は、上部隔壁3の上面に設けられた支持部材33に
より支持されており、支持部材33よりも下部が上部隔
壁3の内部に位置されている一方、支持部材33よりも
上部が上部隔壁3の外部に位置されている。
【0034】上記の遠心分離型回転機32は、中空の円
筒形状に形成されており、上部隔壁3の内部に位置する
側周面には、多数の小孔が形成されている。また、遠心
分離型回転機32の底面には、吸気口32bが形成され
ている。一方、上部隔壁3の外部に位置する側周面に
は、放散口32aが形成されており、上面には、遠心分
離型回転機32を高速で回転させる電動機34が設けら
れている。また、上部隔壁3内の下部には、第1仕切り
板9の通気口9aに一致するように開口された環状の傾
斜部材35が設けられており、傾斜部材35の上面は、
外周側から内周側にかけて低くなるように傾斜されてい
る。その他の構成は、第1の実施形態の構成と同一であ
る。
【0035】上記の構成において、放射性物質回収装置
の動作について説明する。燃料棒の切断処理等を行うこ
とによって、切断粉や切断片等の放射性物質が処理装置
の周辺に堆積すると、放射性物質回収装置がクレーン装
置により懸吊されて堆積位置まで運搬される。そして、
電動機34により遠心分離型回転機32が高速で回転駆
動されることによって、上部隔壁3内の空気が吸気口3
2bを介して遠心分離型回転機32内に取り込まれた
後、放散口32aから外部に排出される。これにより、
回収装置本体1内が減圧状態になることによって、ノズ
ル部材26による吸引動作が開始され、第1の実施形態
と同様の動作により、放射性物質の大部分が一次収納容
器18および二次収納容器19に回収される。
【0036】また、二次収納容器19に回収されずに二
次収容室17に移動した放射性物質の残部およびミスト
は、空気と共に上昇し、遠心分離型回転機32内に取り
込まれる。この際、遠心分離型回転機32は、高速で回
転することによって、取り込んだ空気を高速で回転方向
に旋回させる。従って、空気中のミストや放射性物質
は、旋回による遠心力の作用で外周方向に移動し、側周
面の小孔から外部に排出されることにより上部隔壁3の
内壁面や傾斜部材35に付着して捕集される。尚、傾斜
部材35に付着した放射性物質は、付着量が所定量以上
になると、傾斜部材35から滑り落ち、下方の二次収納
容器19の水20内に収容される。
【0037】これにより、本実施形態の構成において
も、第1の実施形態における図1のフィルタ部材12に
より放射性物質等を捕集する場合と同様に、放射性物質
等を十分に除去しながら、吸引した空気を排出すること
が可能になっている。また、本実施形態の構成によれ
ば、遠心分離型回転機32がフィルタ部材12のように
目詰まりすることがないため、フィルタ部材12を用い
た場合よりも更新期間や保守期間を大幅に延長すること
が可能になっている。
【0038】以上のように、第1および第2に実施形態
の放射性物質回収装置は、高い活性を有した放射性物質
の回収に使用されるものであり、上面が開口され、水2
0が充填された第1容器手段(一次収納容器18)およ
び第2容器手段(二次収納容器19)と、第1容器手段
および第2容器手段を第1内部空間(一次収容室16)
および第2内部空間(二次収容室17)にそれぞれ格納
した格納手段(上部隔壁3、中部隔壁4、下部隔壁5
等)と、第2内部空間の空気を外部に排出する排気手段
(排風機7、遠心分離型回転機32等)と、放射性物質
を外部の空気と共に吸引するように吸入口13aが格納
手段の外部に位置され、吸入口13aに連通された排出
口13bが第1内部空間における第1容器手段の上方に
位置された第1吸引路手段(第1通気管13)と、第1
内部空間の空気を吸引するように吸入口14aが第1内
部空間における第1容器手段の上方に位置され、吸入口
14aに連通された排出口14bが第2内部空間におけ
る第2容器手段の水20内に位置された第2吸引路手段
(第2通気管14)とを有した構成にされている。
【0039】尚、上記の構成においては、一次収容室1
6および二次収容室17にそれぞれ格納された一次収納
容器18および二次収納容器19に放射性物質を回収す
るようになっているが、これに限定されることはない。
【0040】即ち、放射性物質回収装置は、図3および
図4に示すように、下部隔壁5内に一つの収容室36を
有し、この収容室36に水20を充填した収納容器37
を格納し、ノズル機構2で吸引された空気および放射性
物質を通気管38を介して水20内に誘導するように構
成にされていても良い。具体的には、水20が充填され
た容器手段(収納容器37)と、容器手段を内部空間
(収容室36)に格納した格納手段(上部隔壁3、中部
隔壁4、下部隔壁5等)と、内部空間の空気を外部に排
出する排気手段(排風機7、遠心分離型回転機32等)
と、放射性物質を外部の空気と共に吸引するように吸入
口38aが格納手段の外部に位置され、吸入口38aに
連通された排出口38bが容器手段の水20内に位置さ
れた吸引路手段(通気管38)とを有した構成にされて
いても良い。そして、この構成の場合には、部品点数を
減少させることができるため、部品コストを低減するこ
とができる。
【0041】
【発明の効果】請求項1の発明は、高い活性を有した放
射性物質の回収に使用される放射性物質回収装置であっ
て、水が充填された容器手段と、前記容器手段を内部空
間に格納した格納手段と、前記内部空間の空気を外部に
排出する排気手段と、前記放射性物質を外部の空気と共
に吸引するように吸入口が前記格納手段の外部に位置さ
れ、該吸入口に連通された排出口が前記容器手段の水内
に位置された吸引路手段とを有した構成である。
【0042】上記の構成によれば、放射性物質を水によ
り冷却すると共に空気と遮断した状態にすることができ
るため、ジルコニウム合金粉体のような発火性粉体の発
火や爆発を確実に防止しながら回収することができると
いう効果を奏する。
【0043】請求項2の発明は、高い活性を有した放射
性物質の回収に使用される放射性物質回収装置であっ
て、上面が開口され、水が充填された第1容器手段およ
び第2容器手段と、前記第1容器手段および第2容器手
段を第1内部空間および第2内部空間にそれぞれ格納し
た格納手段と、前記第2内部空間の空気を外部に排出す
る排気手段と、前記放射性物質を外部の空気と共に吸引
するように吸入口が前記格納手段の外部に位置され、該
吸入口に連通された排出口が前記第1内部空間における
前記第1容器手段の上方に位置された第1吸引路手段
と、前記第1内部空間の空気を吸引するように吸入口が
前記第1内部空間における前記第1容器手段の上方に位
置され、該吸入口に連通された排出口が前記第2内部空
間における前記第2容器手段の水内に位置された第2吸
引路手段とを有した構成である。
【0044】上記の構成によれば、放射性物質が高い活
性を有していた場合でも、放射性物質を水により冷却す
ると共に空気と遮断した状態にすることができるため、
ジルコニウム合金粉体のような発火性粉体の発火や爆発
を確実に防止しながら回収することができる。さらに、
放射性物質をサイズや比重に応じて分別しながら回収す
ることができるという効果を奏する。
【0045】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の放射性物質回収装置であって、前記排気手段で外部に
排出される空気を通過させるように設けられ、該空気中
の放射性物質を捕集するフィルタ手段を有した構成であ
る。
【0046】上記の構成によれば、水内に回収できなか
った放射性物質がフィルタ手段で捕集されることによっ
て、排出される空気から放射性物質を確実に除去するこ
とができるという効果を奏する。
【0047】請求項4の発明は、請求項1または2記載
の放射性物質回収装置であって、前記排気手段は、空気
を外部に排出する際に旋回させることによって、該空気
中に含まれるミストや放射性物質を遠心力により該空気
から分離する構成である。
【0048】上記の構成によれば、水面上のミストや放
射性物質が遠心力より空気から分離されることによっ
て、排出される空気からミストや放射性物質を除去する
ことができる。また、フィルタで捕集する場合のように
目詰まりすることがないため、更新期間や保守期間を大
幅に延長することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】放射性物質回収装置の概略構成図である。
【図2】放射性物質回収装置の概略構成図である。
【図3】放射性物質回収装置の概略構成図である。
【図4】放射性物質回収装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 回収装置本体 2 ノズル機構 3 上部隔壁 4 中部隔壁 5 下部隔壁 6 フック部材 7 排風機 8 電動機 9 第1仕切り板 10 第2仕切り板 11 環状部材 12 フィルタ部材 13 第1通気管 14 第2通気管 15 第3仕切り板 16 一次収容室 17 二次収容室 18 一次収納容器 19 二次収納容器 20 水 21 ホッパー 22 吸引力調整機構 25 吸引ホース 26 ノズル部材 32 遠心分離型回転機 33 支持部材 34 電動機 35 傾斜部材 36 収容室 37 収納容器 38 通気管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高江 秋義 茨城県那珂郡東海村大字村松4番地33 動力炉・核燃料開発事業団 東海事業所 内 (72)発明者 小松 征彦 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 株式会社神戸製鋼所 東京本社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21F 9/28

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高い活性を有した放射性物質の回収に使
    用される放射性物質回収装置であって、 水が充填された容器手段と、 前記容器手段を内部空間に格納した格納手段と、 前記内部空間の空気を外部に排出する排気手段と、 前記放射性物質を外部の空気と共に吸引するように吸入
    口が前記格納手段の外部に位置され、該吸入口に連通さ
    れた排出口が前記容器手段の水内に位置された吸引路手
    段とを有したことを特徴とする放射性物質回収装置。
  2. 【請求項2】 高い活性を有した放射性物質の回収に使
    用される放射性物質回収装置であって、 上面が開口され、水が充填された第1容器手段および第
    2容器手段と、 前記第1容器手段および第2容器手段を第1内部空間お
    よび第2内部空間にそれぞれ格納した格納手段と、 前記第2内部空間の空気を外部に排出する排気手段と、 前記放射性物質を外部の空気と共に吸引するように吸入
    口が前記格納手段の外部に位置され、該吸入口に連通さ
    れた排出口が前記第1内部空間における前記第1容器手
    段の上方に位置された第1吸引路手段と、 前記第1内部空間の空気を吸引するように吸入口が前記
    第1内部空間における前記第1容器手段の上方に位置さ
    れ、該吸入口に連通された排出口が前記第2内部空間に
    おける前記第2容器手段の水内に位置された第2吸引路
    手段とを有したことを特徴とする放射性物質回収装置。
  3. 【請求項3】 前記排気手段で外部に排出される空気を
    通過させるように設けられ、該空気中のミストや放射性
    物質を捕集するフィルタ手段を有したことを特徴とする
    請求項1または2記載の放射性物質回収装置。
  4. 【請求項4】 前記排気手段は、 空気を外部に排出する際に旋回させることによって、該
    空気中に含まれるミストや放射性物質を遠心力により該
    空気から分離することを特徴とする請求項1または2記
    載の放射性物質回収装置。
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