JPH05168979A - 空気清澄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単で、小さな動力で運転することが
出来るうえ、保守の手間を要さず、しかも粉粒体が変質
することのない空気清澄装置を提供する。 【構成】 周壁面にスリット状の取出口５を穿けてこれ
に捕集筒４を取り付けた旋回胴１の周壁面の適所に送込
ダクト３を切線方向に向けて取り付けると共に、旋回胴
１の中心線上には排気ダクト２を設けて、旋回胴１には
処理しようとする新たな空気を送り込み、これを胴内で
旋回させて、これに含まれる粉粒体が旋回胴１の内壁に
達したところで、この粉粒体を取出口５から排出させる
ことにより粉粒体を空気から分離して捕集し、清澄にな
った空気を排気ダクト２から排出させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、粉粒体を含有する空気
から粉粒体を分離、捕集して空気を清澄にする装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】食品や医薬品、或いは精密部材等を製造
したり、加工したりする装置や、これらの装置を備えた
室等にはエアフィルタやコットレル集塵機或いはサイク
ロン集塵機等の除塵装置を有する空気清澄装置が備えら
れていて、大気中に浮遊する粉粒体や埃等を分離除去し
て、清澄にした空気を送り込むようになっている。又、
これらの作業室等で粉粒体や粉塵が舞い上がって、これ
が室内の空気中に浮遊して、作業に支障を来すような場
合にも、空気清澄装置が備えられていて、空気中に浮遊
する粉粒体や埃等を分離し、捕集して、清澄にした空気
を大気中に放逸し、或いは室内に戻すようになってい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記したエアフィルタ
やコットレル集塵機等の除塵装置は、空気中の微細な粉
塵も取り除くことが出来るので、清澄な空気を得ること
は出来る。しかしながら、これらは少量の空気を処理す
るに適しているのであって、毎分数十m³以上の空気を処
理しようとすると除塵装置が著しく大型のものとなるた
め装置自体の設備費が嵩み、運転経費が高くなる。その
上、この装置での圧力損失が極めて大きくなるので、送
風機も大きな動力のものを用いざるを得ないので、設備
費や運転経費が一層高くなる、と云う不具合がある。
又、サイクロン集塵機では粉粒体は、旋回胴の内壁面に
まで到達したのち、胴の最下端に形成された取出口から
排出される迄の間、内壁面に沿って旋回を続けるので、
内壁面との摩擦により破砕し、変質することが多い。そ
のため、これを捕集しても利用することが出来なくなる
ことがあると云う問題もあった。本発明は、構造を簡単
にし、小さな動力で運転することが出来るうえ、保守の
手間を要さず、しかも粉粒体が変質することのない空気
清澄装置を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、空気を旋回さ
せるとこれに含まれる粉粒体が遠心力によって旋回流の
外側に向かって移行する点を利用して、旋回流から粉粒
体を分離して捕集し、同時に空気を清澄にするもので、
周壁面にスリット状の取出口を穿けてこれに捕集筒を取
り付けた旋回胴の周壁面の適所に送込ダクトを切線方向
に向けて取り付けると共に、旋回胴の中心線上には排気
ダクトを設けて、旋回胴には処理しようとする新たな空
気を送り込み、これを胴内で旋回させて、これに含まれ
る粉粒体が旋回胴の内壁に達したところで、この粉粒体
を取出口から排出させることにより粉粒体を空気から分
離して捕集し、清澄になった空気を排気ダクトから排出
させる手段を採用することによって上記した目的を達成
している。排気ダクトに排風機を取り付けて、このダク
トから機内の空気を排出させることにより旋回胴には処
理しようとする新たな空気を吸入する実施例とすること
も出来る。送込ダクトを旋回胴の下部に取り付けること
により、大径で比較的重い粒子を旋回胴の内壁面と殆ん
ど摩擦することなく分離捕集することの出来るようにし
た実施例とすることが出来る。排気ダクトを濾布を用い
て形成することにより、軽量の、或いは見掛け比重の小
さな粉粒体を分離捕集することの出来るようにした実施
例とすることも出来る。

【０００５】

【作用】本発明に係る空気清澄装置は、直径が数百mm以
上の円胴状の旋回胴の周壁面の適所に送込ダクトを切線
方向に向けて取り付けると共に、旋回胴の中心線上には
排気ダクトを設けて、この旋回胴に空気を送り込むよう
にしたことにより、空気は胴内で旋回し、この空気に含
有された粉粒体は、遠心力によって旋回流の外方へ移行
し、やがて旋回胴の内壁に到達する。又、旋回胴の周壁
面にはスリット状の取出口を穿けて、これに捕集筒を接
続したことにより、旋回胴の内壁に達した粉粒体は、必
然的に取出口を通って捕集筒に入り込んで捕集され、空
気は清澄になって排気ダクトから機外に排出される。

【０００６】

【実施例１】図１及び図２に本発明装置の第１実施例を
示す。この実施例では空気清澄装置は、旋回胴１と排気
ダクト２、送込ダクト３、及び捕集筒４等から成ってお
り、処理しようとする空気を旋回胴１に送り込んで旋回
させることにより、この空気に含まれている粉粒体を分
離させて機外に取り出し、清澄になった空気を排気ダク
ト２から送り出すようになっている。旋回胴１は、直径
が数百mm以上の円胴状に形成されたもので、周壁面の上
部には送込ダクト３が切線方向に向けて取り付けられて
おり、中心線上には排気ダクト２が設けられている。ま
た、旋回胴１の周壁面の他の部位にはスリット状の取出
口５が旋回胴１の長手方向に沿って穿けられていて、こ
れに円筒状、或いは角筒状の捕集筒４が接続されてい
る。送込ダクト３には送風機６が取り付けられていて、
所定量の空気を旋回胴１に送り込むようになっている。
排気ダクト２は上端が旋回胴１の上に突出しており、こ
れに図示しないダクトを連結して、旋回胴１を経て排気
ダクト２に入り込んだ清澄な空気を大気中に放出した
り、必要とする装置や作業室等に送り込んだりするよう
になっている。上記したようにこの実施例では、送込ダ
クト３が旋回胴１の上部に、切線方向に向けて取り付け
られているので、旋回胴１に送り込まれた空気は旋回胴
１内で旋回しながら次第に下降する。この旋回運動によ
って、空気に含まれていた粉粒体は遠心力により旋回流
の外方に向かって移行する。そして、旋回胴１の内壁面
に達して取出口５に至ると、ここから捕集筒４に入り込
み、この中を降下して捕集されて、機外に取り出され
る。一方、空気は粉粒体が無くなって清澄になり、送込
ダクト３の下端に達するとここから送込ダクト３に入り
込んで、その上端から送り出される。尚、旋回胴１は図
２に示すように取出口５の前縁の部分を僅かに捕集筒４
側に向けて張り出させて形成することにより、この部分
に達した粉粒体が取出口５に入り易くなっている。更
に、捕集筒４の下部にバルブ７を取り付けて、これを僅
かに開けてここから空気を少量づつ排出させると、粉粒
体と共に旋回胴１の内壁面に沿って旋回する空気が取出
口５を通って捕集筒４に入り込むので、取出口５を通っ
て捕集筒４に入り込む空気の流れが生じて、粉粒体が一
層捕集筒４に入り易くなる。又、旋回胴１の底面付近に
筒状、或いは笠状の案内突起８を設けておくと、この部
分の見掛け上の内容積が小さくなり、空気の旋回流が加
速されるので、それだけ旋回の効果が高められて、空気
の清澄化が達せられることゝなる。

【０００７】

【実施例２】図３に基づいて本発明装置の第２実施例を
説明する。尚、第１実施例と同一の構成部分について
は、同一符号になっている。空気清澄装置は、旋回胴１
と排気ダクト２、送込ダクト３、及び捕集筒４等から成
り、旋回胴１の中心線上に排気ダクト２が取り付けられ
ている。送込ダクト３は旋回胴１の周壁面の下部に切線
方向に向けて接続されていて、これに送風機６が取り付
けられており、周壁面の他の部位にはスリット状の取出
口５が穿けられていて、これに捕集筒４が接続されてい
る。又、捕集筒４の下端には貯留箱９が取り付けられて
いて、捕集筒４内を下降した粉粒体をこれに貯留するよ
うになっている。この貯留箱９はバルブ７に代わるもの
で、扉91から空気を少量づつ排出させると、取出口５を
通って捕集筒４に入り込む空気の流れが生じて、粉粒体
が一層捕集筒４に入り易くなるのである。排気ダクト２
は、上端が旋回胴１の天井面11の近くに開口していて、
胴内で旋回しながら上昇した空気がここから入り込むよ
うになっていると共に、下端は旋回胴１の底面12の下に
突出していて、これに図示しないダクトが連結されて、
旋回胴１を経て排気ダクト２に入り込んだ清澄な空気を
大気中に放出したり、必要とする装置や作業室等に送り
込んだりするようになっている。上記したようにこの実
施例では、送込ダクト３が旋回胴１の下部に、切線方向
に向けて取り付けられているので、旋回胴１に送り込ま
れた空気は旋回胴１内で旋回しながら次第に上昇する。
そして、この旋回運動によって、空気に含まれていた粉
粒体は旋回胴１の内壁面に向かって移行し、やがて旋回
胴１の内壁面に達して取出口５に至ると、ここから捕集
筒４に入り込み、この中を降下して捕集されて、機外に
取り出される。殊に、送込ダクト３が旋回胴１の下部に
取り付けられていることにより、大径で、比較的重い粉
粒体は、旋回胴１に送り込まれると速やかに内壁面に達
して捕集筒４に入り込みむので、旋回胴１の内壁面や捕
集筒４の内壁面との摺擦が少なくなり、破砕したり変質
したりすることが無くなって良好な状態で捕集される。

【０００８】ところで、この空気清澄装置は旋回胴１内
で粉粒体を空気から分離させて取り除くのではなく、粉
粒体が旋回胴１の内壁に達すると取出口５を通って自然
に排出する方式がとられている。従って、旋回流は粉粒
体が旋回胴１の内壁にまで到達することの出来る程度の
速度であれば充分であるし、而も旋回胴１内での圧力損
失が極めて小さいので、送風機６は小さな動力のもので
足りるのである。

【０００９】

【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る空気清
澄装置は、周壁面にスリット状の取出口を穿けた旋回胴
に処理しようとする空気を送り込んで旋回させて、これ
に含まれる粉粒体が旋回胴の内壁に達したところでこの
粉粒体を取出口から排出させることにより、これを捕集
すると共に清澄な空気を得るもので、極めて簡単な構造
で、送風機以外は駆動する部材がないし、動力を要する
ものがないので、運転が簡単なうえ、故障したり、作業
状態が変動したりする虞れがない。しかも毎分数十m³以
上の空気を処理することが出来るので、設備費が安くな
り、運転経費が低減されるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る空気清澄装置の一実施例を示す縦
断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】空気清澄装置の他の一実施例を示す縦断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 旋回胴 ２ 排気ダクト ３ 送込ダクト ４ 捕集筒 ５ 取出口 ６ 送風機 ７ バルブ ８ 案内突起 ９ 捕集箱

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 直径が数百mm以上の円筒状の旋回胴の周
   壁面に送込ダクトを切線方向に向けて接続して、ここか
   ら旋回胴内に空気を取り入れるようにすると共に、旋回
   胴の周壁面の他の部位にはスリット状の取出口を穿け
   て、これに円筒状、或いは角筒状の捕集筒を接続して、
   これに粉粒体が入り込むようにし、且つ、旋回胴の中心
   線上には排気ダクトを設けて、ここから清澄な空気を排
   出させるようにしたことを特徴とする空気清澄装置。
2. 【請求項２】 送込ダクトに送風機を取り付けて、所定
   量の空気を旋回胴に送り込み、これにより機内の空気を
   排気ダクトから送り出すようにしたことを特徴とする請
   求項１の空気清澄装置。
3. 【請求項３】 排気ダクトに排風機を取り付けて、この
   ダクトから機内の空気を排出させ、これにより送込ダク
   トから旋回胴に新たな空気を吸入するようにしたことを
   特徴とする請求項１の空気清澄装置。
4. 【請求項４】 捕集筒の下部にバルブを取り付けて、旋
   回胴の内壁面に沿って旋回する空気が取出口を通って捕
   集筒に入り込み、バルブから取り出されるようにしたこ
   とを特徴とする請求項１、請求項２又は請求項３の空気
   清澄装置。
5. 【請求項５】 送込ダクトは旋回胴の周壁面の上部に取
   り付け、排気ダクトは上端を旋回胴の天井面の上に突出
   させたことを特徴とする請求項１、請求項２、請求項３
   又は請求項４の空気清澄装置。
6. 【請求項６】 送込ダクトは旋回胴の周壁面の下部に取
   り付け、排気ダクトは下端を旋回胴の底面の下に突出さ
   せたことを特徴とする請求項１、請求項２、請求項３又
   は請求項４の空気清澄装置。
7. 【請求項７】 旋回胴の底面付近に筒状、或いは笠状の
   案内突起を設けて、この付近の空気の旋回流が加速され
   るようにしたことを特徴とする請求項５の空気清澄装
   置。