JP2933489B2 - リードフレーム加工方法 - Google Patents

リードフレーム加工方法

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JP2933489B2 JP6192379A JP19237994A JP2933489B2 JP 2933489 B2 JP2933489 B2 JP 2933489B2 JP 6192379 A JP6192379 A JP 6192379A JP 19237994 A JP19237994 A JP 19237994A JP 2933489 B2 JP2933489 B2 JP 2933489B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザビームを利用し
て薄い金属板を適宜に切欠くことによりリードフレーム
を形成するリードフレーム加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リードフレームは、金属板にインナーリ
ードやアウターリード等の微細な加工パターンを施した
ものであり、このリードフレームにおいて、半導体チッ
プが搭載された後に半導体チップの端子とインナーリー
ドとが電気的に接続される。
【0003】ところで、近年、半導体チップの高密度実
装化、高集積化がより一層激しく要求されてきており、
これに対応するため半導体チップを搭載するリードフレ
ームも微細かつ高精度の寸法及び形状を有するものの開
発が進められている。特に、リードフレームの多ピン化
が重点的に進められており、これに伴って、インナーリ
ード先端部のピッチを狭く微細に加工できる加工技術が
要求されている。
【0004】上記リードフレーム等を金属板より形成す
る最近の加工技術は、プレス加工やエッチング加工が主
流であった。これらの加工によれば能率よく容易にリー
ドフレームを得ることができる。しかし、これらのエッ
チング加工やプレス加工は、共に使用される金属板の板
厚程度の間隙しか形成することができず、それ以下の狭
く微細な間隙を良好に加工することは不可能であった。
【0005】これに対して、リードフレームをレーザー
ビームにより加工する方式(以下、適宜レーザ加工とい
う)が提案されている。この方式によれば、上記エッチ
ング加工やプレス加工の限界を超えて微細な間隙を加工
することができる。即ち、ここで使用されるレーザビー
ムは一般にその断面が丸形をしているが、このレーザビ
ームは極めて小さく集光することができるので、極めて
微細な加工を行うことが可能である。従って、使用され
る素材の板厚に関係なく、インナーリード間ピッチを格
段に小さくすることができる(以下、これを丸形ビーム
を利用したレーザ加工と称する)。
【0006】このような丸形ビームを利用したレーザ加
工に対し、特開平1−306088号公報や特開昭60
−93095号公報に記載のような細長い楕円形の断面
形状をもつレーザビームや、電気学会・光量子デバイス
研究会資料(平成元年8月)で報告されているスラブレ
ーザ等の細長い断面形状を有するレーザビームを用いた
加工方式がある。
【0007】また、レーザ加工による他の従来技術とし
て、特開平2−247089号公報には、レーザ加工と
プレス加工またはエッチング加工とを組み合わせた方式
が開示されている。この方式は、インナーリード先端部
等の狭ピッチで微細な部分はレーザビームにより形成
し、アウターリード等の狭ピッチでない大きな部分はプ
レス加工またはエッチング加工により形成するものであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記丸形ビームを利用
したレーザ加工においては、1ショットの集光されたレ
ーザビームを金属板上の加工位置に照射し、表面から溶
融を進行させて貫通穴をあけ、このレーザビームの集光
位置を順次所定の軌跡に沿って移動させるか、金属板を
所定の軌跡に沿って移動させて加工が行われる。この
時、丸形のレーザビームで溶融させながら切断を進行さ
せるので、加工速度は制限され高速で加工を行うことは
困難である。特に、微細寸法が要求されるリードフレー
ム等の加工において切断幅を狭くするためにレーザビー
ム径を小さくすると、長さ方向の加工量も同時に短くな
るので、加工速度が非常に遅くなる。
【0009】これに対し、特開平1−306088号公
報や特開昭60−93095号公報や電気学会・光量子
デバイス研究会資料(平成元年8月)に記載の細長い断
面形状を有するレーザビームを用いると、加工を高速化
することが可能である。つまり、この方式をリードフレ
ームの加工に応用すれば、微細寸法の加工を行う場合で
も、1回のパルス状のレーザビーム照射によって長い間
隙が加工でき、このレーザビーム断面の長手方向と進行
方向(切断進行方向)とを一致させながら切断を行うこ
とにより、前述の丸形のレーザビームを用いるよりも格
段に速い速度で切断を行うことができる。
【0010】しかし、この細長いレーザビームを用いて
その断面の長手方向と進行方向(切断進行方向)とを一
致させ細長い間隙を形成する場合、各パルス毎のレーザ
ビーム照射位置の移動及び停止の動作を高速で行う必要
がある。つまり、このレーザビーム照射位置を、レーザ
ビームが出力されている時には停止させ、出力されてい
ない時には瞬時に切断進行方向に移動させる必要があ
り、各パルス毎、即ち非常に短い時間内に加速及び減速
を繰り返すことになってレーザビーム照射位置の制御が
非常に難しくなる。また、このようなレーザビーム照射
位置の制御が仮に実現できたとしても、加工後の高い寸
法精度を実現することはできない。
【0011】さらに、特開平2−247089号公報に
記載された方式におけるレーザ加工においては上記のよ
うなレーザ加工に関する問題を解決する配慮がなされて
いない。
【0012】このような問題点に対し、本件出願人は、
レーザビーム断面の長手方向とリードの長手方向とが一
致するようにレーザビーム断面を自転させ、かつレーザ
ビーム発生時の元の光軸を中心とする同心円状または螺
旋状の軌跡に沿ってレーザビームの光軸を公転させるリ
ードフレーム加工方法及びリードフレーム加工装置(特
願平5−194925号、出願日平成5年8月5日)、
及びレーザビーム断面の長手方向とリードの長手方向と
が一致するように前記レーザビーム断面を自転させ、か
つ対角線の交点を共有し各辺が平行でかつ等間隔の多数
の四角形状軌跡に沿ってレーザビームの光軸を移動させ
るリードフレーム加工方法及びリードフレーム加工装置
(特願平5−194927号、出願日平成年8月5日)
を発明し、出願している。これらの先願発明によれば、
微細なリードフレームを高速かつ容易に加工することが
できると共に、加工後の寸法精度や品質を向上すること
ができる。
【0013】しかしながら、この先願発明には、さらに
改善の余地があることがわかった。以下、このことにつ
いて説明する。
【0014】多ピンかつ狭ピッチのリードフレームは、
特にインナーリード部分のピッチが極めて狭く、その最
小ピッチは板厚(0.15mm程度)以下になることもあ
るため、レーザビーム照射による入熱が残留した状態
で、上記先願発明のように隣接する部分のレーザ加工を
続けて行うと、レーザ加工後の金属板素材は入熱過多に
なって異常に加熱されることが懸念される。その結果、
切断幅が広くなりすぎて高精度な切断加工を行うことが
困難となり、場合によっては金属板素材が溶融状態とな
りリードが溶断して所望のリードフレームの形状を形成
することができなくなることもある。
【0015】また、多ピンかつ狭ピッチのリードフレー
ムにおいて、特にインナーリードは、薄板を微細かつ高
精度に加工することが要求されるものであり、そのため
には、加工工程中に金属板素材を正確かつ確実に固定及
び拘束することが必要である。しかし、これらのインナ
ーリードを順次細長い最終形状にまで加工してしまう
と、剛性不足のため加工途中において正しい形状を維持
することが困難となり、変形がおきやすく、寸法精度が
低下してしまうことがある。
【0016】本発明の目的は、微細なリードフレームを
高速かつ容易に加工することができ、かつ加工後の寸法
精度や品質を向上することができると共に、金属板素材
が入熱過多になって異常に加熱されることを回避するこ
とが可能なリードフレーム加工方法を提供することであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、放射状に配列された多数のインナ
ーリードと、前記インナーリードの外側に連続するアウ
ターリードとで構成されたリードを有するリードフレー
ムの加工に際して、細長い断面形状を有するパルス状の
レーザビームを照射して薄い金属板を適宜に切欠くこと
により少なくとも前記インナーリードを形成するリード
フレーム加工方法において、前記金属板に照射されるレ
ーザビームのスポットの長手方向を前記形成されるべき
インナーリードの長手方向に一致させると共に前記レー
ザビームの光軸を前記インナーリードを横切る方向に相
対的に移動させ少なくとも1個おきのインナーリードを
分離する間隙となる位置にレーザビームを照射する第1
ステップと、そのレーザビームのスポットが放射方向に
整合するようにレーザビームの光軸を前記インナーリー
ドの長手方向に相対的に移動させる第2ステップとを有
し、前記第1ステップの移動及び前記第2ステップの移
動を繰り返すことにより前記インナーリードを形成する
ことを特徴とするリードフレーム加工方法が提供され
る。
【0018】また、上記目的を達成するため、本発明に
よれば、上記のようなリードフレーム加工方法におい
て、前記金属板に照射されるレーザビームのスポットの
長手方向を前記形成されるべきインナーリードの長手方
向に一致させると共に前記レーザビームの光軸を前記イ
ンナーリードを横切る方向に相対的に移動させる第1ス
テップと、そのレーザビームのスポットが放射方向に整
合するようにレーザビームの光軸を前記インナーリード
の長手方向に相対的に移動させる第2ステップとを有
し、前記レーザビーム照射位置近傍にアシストガスを噴
射し同時にそのアシストガスを囲むように冷却媒体を流
しながら前記第1ステップの移動及び前記第2ステップ
の移動を繰り返すことを特徴とするリードフレーム加工
方法が提供される。
【0019】さらに、上記目的を達成するため、本発明
によれば、上記のようなリードフレーム加工方法におい
て、前記金属板に照射されるレーザビームのスポットの
長手方向を前記形成されるべきインナーリードの長手方
向に一致させると共に前記レーザビームの光軸を前記イ
ンナーリードを横切る方向に相対的に移動させる第1ス
テップと、そのレーザビームのスポットが放射方向に整
合するようにレーザビームの光軸を前記インナーリード
の長手方向に相対的に移動させる第2ステップとの繰り
返しによって前記金属板に不連続かつ列状の貫通穴を形
成し、さらに、前記不連続かつ列状の貫通穴の形成の前
後いずれかにおいて金属板の両面にエッチング加工用の
レジスト膜を被覆する第3ステップと、その金属板にエ
ッチング液を供給して前記貫通穴相互間の未加工部分を
除去しこれら貫通穴を連結する第4ステップとを有する
ことを特徴とするリードフレーム加工方法が提供され
る。
【0020】
【作用】上記のように構成した本発明においては、細長
い断面形状を有するレーザビームをパルス状に発生さ
せ、レーザビームのスポットの長手方向を形成されるべ
きインナーリードの長手方向に一致させると共に、その
レーザビームの光軸をインナーリードを横切る方向に相
対的に移動させる第1ステップにより、金属板に多数の
放射状の間隙を容易に形成することができる。さらに、
上記のような第1ステップの移動と、レーザビームのス
ポットが放射方向に整合するようにレーザビームの光軸
をインナーリードの長手方向に相対的に移動させる第2
ステップの移動とを繰り返すことにより、金属板に放射
状に伸びる多数のインナーリードが形成される。
【0021】また、細長いレーザビームの長手方向と切
断進行方向とを一致させて加工を行う場合のように各パ
ルス毎のレーザビーム照射位置の移動及び停止の動作を
高速で行う必要がなく、レーザビームの自転及び公転等
の滑らかかつ緩やかな動作を制御するだけで容易に加工
を行うことが可能となり、しかもその加工速度は高速と
なる。
【0022】以上は前述の先願発明による作用と同様で
ある。
【0023】上記に加え、本発明では、第1ステップの
際に、隣接する部分のレーザ加工を続けて行うのではな
く、少なくとも1個おきのインナーリードを分離する間
隙となる位置にレーザビームを照射する。これにより、
レーザビーム照射による熱が金属板素材中に集中するこ
とがなく、金属板素材が入熱過多になって異常に加熱さ
れることが回避され、溶断することがない。また、入熱
が金属板素材に集中しないため、高精度な加工を行うこ
とが可能となる。さらに、上記のようにして残しておい
た未加工部分は、レーザビームの光軸を次に周回させる
際に加工することが可能であり、その次の周回時までの
間に、金属板素材の他の部分への熱伝導や空気中への熱
放散によって熱量が減少する。
【0024】また、上記のようなリードフレームの加工
を行う際に、レーザビーム照射位置近傍にアシストガス
を噴射し同時にそのアシストガスを囲むように冷却媒体
を流すことによって、レーザ加工後の金属板素材に投入
した入熱の大部分を速やかに除去して強制的にその温度
を下げることができる。また、金属板素材を冷却後の冷
却媒体は、レーザビーム照射位置近傍に噴射したアシス
トガスによって吹き飛ばされ、除去される。
【0025】また、上記のような方法によってインナー
リードを順次細長い最終形状にまで加工してしまうので
はなく、金属板に貫通穴を不連続かつ列状に形成するこ
とにより、レーザ加工だけで金属板を最終形状に加工す
る場合に比べて、レーザ加工量を少なくすることがで
き、入熱の影響を受ける範囲を非常に小さくして入熱過
多になることが回避される。また、レーザ光だけで最終
的な所定形状まで加工する場合には、レーザ光照射によ
る熱変形が次のレーザ加工に影響し、熱変形が次第に累
積して大きな寸法誤差を生ずることがあったが、本発明
ではこのような不具合をなくすことが可能である。さら
に、加工途中において多数の貫通穴が不連続な状態にあ
るため、それぞれの貫通穴の間の未加工部分の存在によ
り金属板は剛性が高い状態に保たれ、取扱いが容易にな
ると共に、加工途中において変形や加工誤差を発生する
ことがない。
【0026】また、金属板の両面にエッチング加工用の
レジスト膜を被覆する工程を上記のようなレーザ加工の
前に設ける場合、エッチング加工用のレジスト膜の表面
から金属板にレーザ光が照射され、金属板に貫通穴が形
成されると同時に、その部分のレジスト膜が除去されレ
ジスト膜に開口部が形成される。この時、レジスト膜に
形成される開口部は貫通穴よりも少し大きくなる。そし
て、これに続くエッチング加工において、上記金属板の
貫通穴にエッチング液が供給されることにより、レーザ
加工によって形成された貫通穴内部にエッチング液が十
分に満たされ、そのまわりの側壁部分は板厚方向にほぼ
平均にエッチング加工され、サイドエッチにより貫通穴
の幅方向にもエッチングが進行し、貫通穴の寸法は拡張
される。そして、列状の貫通穴相互間の未加工部分が除
去されることによりこれらの貫通穴が連続し、最終的に
所定形状の間隙が形成される。また、この時、レーザ加
工部近傍のドロスや酸化皮膜も同時に除去され、金属板
の加工された部分の壁面はきれいな表面となる。
【0027】また、金属板の両面にエッチング加工用の
レジスト膜を被覆する工程を上記のようなレーザ加工の
後に設ける場合には、レーザ加工後の金属板の両面に例
えばロ−ラ等でレジスト樹脂を塗布することにより、レ
ーザ加工された貫通穴を除く金属板の両面にエッチング
加工用のレジスト膜が被覆される。そして、これに続く
エッチング加工において上記と同様に列状の貫通穴相互
間の未加工部分が除去されて貫通穴が連続し、最終的に
所定形状の間隙が形成される。
【0028】
【実施例】本発明によるリードフレーム加工方法の一実
施例について、図1〜図5を参照しながら説明する。
【0029】まず、本実施例のリードフレーム加工装置
の全体構成を説明する。図1に示すように、本実施例の
リードフレーム加工装置は、ほぼ円形のレーザビームを
パルス状に発生させるレーザ発振器1010、凹型シリンド
リカルレンズ1021及び凸型シリンドリカルレンズ1022を
備えレーザ発振器1010から発生したレーザビーム1011の
断面形状を一方向に伸延させて楕円形断面に変換するビ
ーム断面変換器1020、ドーブプリズム1031を備えビーム
断面変換器1020からのレーザビーム1012をその光軸まわ
りに自転させるビーム自転装置1030、ビーム自転装置10
30からのレーザビーム1013の方向を変更するベンディン
グミラー1040、ベンディングミラー1040からのレーザビ
ーム1014を所定の回転中心周りに公転させるビーム公転
装置1050、ビーム公転装置1050による公転半径を変更す
る公転半径変更装置1060、装置全体の制御を行う制御装
置1070、加工部分の監視を行う加工部監視装置1080、加
工される金属板を送給する送給装置1090を有している。
上記レーザ発振器1010とビーム断面変換器1020とにより
レーザビーム発生手段が構成される。
【0030】レーザ発振器1010にはレーザ発振器用電源
1010aが接続され、ビーム自転装置1030には自転角度検
出器1030aが、ビーム公転装置1050には公転角度検出器1
050aが、公転半径変更装置1060には公転半径検出器1060
aがそれぞれ接続されている。また、ビーム公転装置105
0の先端には集光レンズ1552及びノズル1553が備えられ
ている。加工部監視装置1080にはカメラ制御部1081、画
像記録部1082、記憶部1083が備えられており、カメラ制
御部1081には加工部の画像を撮影するCCDカメラ1084
が接続されている。
【0031】制御装置1070には、加工部監視装置1080か
らの画像を判定する画像判定部1071、この判定に基づき
異常時に警告を発する警告発生部1071a、加工条件を外
部から入力する入力部1072、加工条件を予め記憶し必要
に応じて読み出す記憶部1073、レーザ発振器用電源1010
aを制御するレーザ制御部1074、レーザビームの形状や
移動を制御するビーム制御部1075、自転角度検出器1030
a、公転角度検出器1050a、公転半径検出器1060aからの
信号によりレーザビームの向きや公転位置を演算する演
算部1076、送給装置1090を制御する送給装置制御部107
7、加工結果を記録する記録部1078、及び各部を統括的
に制御する主制御部1079が設けられている。さらに、制
御装置1070において、ビーム制御部1075にはビーム断面
変換器制御部1075a、ビーム自転装置制御部1075b、ビー
ム公転装置制御部1075c、及び公転半径変更装置制御部1
075dが接続されており、それぞれがビーム断面変換器10
20、ビーム自転装置1030、ビーム公転装置1050、及び公
転半径変更装置1060を制御する。
【0032】次に、以上のような構成のリードフレーム
加工装置の基本的な動作を説明する。入力部1072より加
工すべきリードフレームの種類を入力すると、主制御部
1079は加工情報を記憶部1073より読み出して各部の制御
を行う。記憶部1073より読み出される加工情報として
は、リードフレームの種類に対応する金属板の板厚や加
工形状や加工軌跡、その加工軌跡を与えるためのレーザ
ビーム自転速度や公転速度や公転半径、レーザ発振器10
10の発振周波数や励起電圧や光学系の選択等のレーザ発
生条件、レーザビーム照射の可否や照射回数等がある。
【0033】主制御部1079の制御のもとにレーザ制御部
1074によってレーザ発振器用電源1010aが動作すると、
これによってレーザ発振器1010の発振動作が開始され
る。レーザ発振器1010から水平に出射した断面がほぼ円
形をなすレーザビーム1011は、ビーム断面変換器1020に
入射し、断面形状が一方向に伸延して楕円形の断面とな
る。この時、ビーム断面変換器1020の凹型シリンドリカ
ルレンズ1021の位置はビーム断面変換器制御部1075aに
より制御される。ビーム断面変換器1020から出射したレ
ーザビーム1012は、ビーム自転装置1030のドーブプリズ
ム1031に入射し、その光軸まわりに自転する。このドー
ブプリズム1031の回転動作(回転速度や回転角度)はビ
ーム自転装置制御部1075bにより制御される。
【0034】ビーム自転装置1030から出射したレーザビ
ーム1013は、ベンディングミラー1040により垂直方向に
反射する。ベンディングミラー1040で反射したレーザビ
ーム1014は、ビーム公転装置1050及び公転半径変更装置
1060に入射し、公転する。この時のビーム公転装置1050
の公転動作(回転速度や回転角度)はビーム公転装置制
御部1075cにより制御され、公転半径変更装置1060の公
転半径変更動作は公転半径変更装置制御部1075dにより
制御される。
【0035】上記ビーム断面変換器制御部1075a、ビー
ム自転装置制御部1075b、ビーム公転装置制御部1075c、
及び公転半径変更装置制御部1075dは主制御部1079の指
令のもとにビーム制御部1075によって制御される。
【0036】ビーム公転装置1050及び公転半径変更装置
1060より出射したレーザビーム1015は、集光レンズ1552
で集光され、ノズル1553先端部より金属板1101に照射さ
れる。この時、ノズル1553下部に接近して取り付けられ
たアシストガス供給口(図示せず)よりアシストガスが
噴出する。このアシストガスの噴出方法は、通常のレー
ザ加工装置と同様である。また、金属板1101の送給は主
制御部1079の指令のもとに送給装置制御部1077によって
制御される。
【0037】また、自転角度検出器1030aではビーム自
転装置1030による自転角度が検出され、公転角度検出器
1050aではビーム公転装置1050による公転角度が検出さ
れ、公転半径検出器1060aでは公転半径変更装置1060に
おける公転半径が検出される。そして、各検出器による
検出値が制御装置1070の演算部1076に送られ、レーザビ
ームの向きや公転位置が演算され、主制御部1079にフィ
ードバックされる。主制御部1079においては、演算部10
76での演算結果に基づきビーム制御部1075に指令が送ら
れると共に、必要に応じて加工条件の変更が行われる。
【0038】また、レーザビームが発生していないタイ
ミングにおいて、ビーム断面変換器1020とビーム自転装
置1030の間に挿入された反射鏡1085よりレーザ加工部の
画像情報(可視光)をCCDカメラ1084で撮像し、モニ
タ1086に表示すると共に、加工部監視装置1080の画像記
録部1082に記録する。尚、反射鏡1085として、例えば、
YAGレーザ(波長が1064mmの赤外光)を透過し、可視
光(波長が380〜770mmの光)を反射するものを用いるこ
とにより、CCDカメラで可視光のみの画像を撮像する
ことができる。また、CCDカメラ1084はカメラ制御部
1081によって制御される。
【0039】画像記録部1082に記録された画像情報は制
御装置1070の画像判定部1071に入力され、予め記憶部10
83で記憶しておいた良好な加工部の画像情報と比較さ
れ、加工結果の良否が判定される。加工結果が不良の場
合は、主制御部1079において、上記評価結果に基づき必
要に応じて加工条件の変更が行われると共に、警告発生
部1071aで警告を発生し、作業者に加工結果が不良であ
ることを認識させ、然るべき処置を促す。また、この時
のリードフレームの種類、加工結果及び加工条件等が記
録部1078に記録され、事後の対策のための情報として利
用する。
【0040】上記基本的な動作による金属板1101上での
レーザビーム1015の照射スポット1016の変化を図2に示
す。照射スポット1016は、ビーム自転装置1030によって
矢印1で示すように自転し、ビーム公転装置1050によっ
て矢印2で示すように所定の回転中心Oのまわりに公転
し、公転半径変更装置1060によって矢印3で示すように
公転半径が変更され、さらにビーム断面変換器1020によ
って矢印4で示すように断面の長手方向に伸縮する。
【0041】次に、本実施例によって加工されるリード
フレームの構成について図3により説明する。図3にお
いて、金属板1101の中央部分には、半導体チップ(図示
せず)を搭載するダイパッド1102が設けられており、こ
のダイパッド1102を囲むようにして多数のインナーリー
ド1103と、これらインナーリード1103に連続するアウタ
ーリード1104が配設されている。これら隣合うインナー
リード1103とアウターリード1104とはダムバー1105によ
り互いに連結状に支持されている。また、ダイパッド11
02の周辺は腕1102a以外は切欠き部1106が設けられてお
り、この切欠き部1106によりインナーリード1103はダイ
パッド1102と分離され、かつ隣合うインナーリード1103
はこの切欠き部1106によりそれぞれ分離されている。さ
らに、金属板1101の外周部分には半導体チップの端子と
インナーリード1103との接続時の位置決めように位置決
め穴1107が設けられている。尚、ダムバー1105は、半導
体チップのモールド時にレジンを堰止める役割とインナ
ーリード1103及びアウターリード1104を補強する役割を
有し、モールド後に除去される。
【0042】また、インナーリード1103は、ダイパッド
1102の方へ収束するように延びており、その先端部は半
導体チップ(図示せず)をダイパッド1102に搭載した後
に行われるワイヤボンディング等の電気的接続を行うの
に十分な幅となっている。従って、インナーリード1103
を分離する間隙1108の内側付近は特に狭く、極めて微細
な構造となっており、しかもこの部分の加工はリードフ
レームの加工において最も寸法精度や清浄度が厳しい部
分である。本実施例ではレーザ加工により、少なくとも
インナーリード1103を分離する間隙1108を形成し、アウ
ターリード1104等のインナーリード1103以外の大きな部
分はプレス加工やエッチング加工により形成する。これ
により、インナーリード1103を分離する間隙1108は、微
細加工が可能で非接触加工であるレーザ加工によって高
精度に加工することができ、比較的寸法精度が厳しくな
いインナーリード以外の部分は能率よく加工することが
できる。尚、特に問題がなければ、アウターリード1104
等の大きな部分を本実施例のレーザ加工により形成して
もよい。
【0043】次に、図1のリードフレーム加工装置を用
いたレーザ加工工程を図4及び図5により説明する。
【0044】図4はレーザ加工工程を説明するフローチ
ャートである。但し、このフローチャートを実施するた
めの制御命令群は主制御部1079に格納されている。ま
ず、図4のステップS11で加工すべきリードフレームの
種類を入力部1072より入力する。この時、リードフレー
ムの種類毎に加工品番号を設定しておき、この加工品番
号を入力してもよい。次にステップS21で、記憶部1073
より前述の加工軌跡やレーザ発生条件等の加工情報を読
み出し、この加工情報に基づいてステップS22で制御装
置1070各部の加工条件を設定する。そして、ステップS2
3で素材となる金属板1101を送給装置1090に取り付け、
固定する。上記金属板1101としてはコイル状に巻かれた
長い帯材を使用し、これを送給装置1090に取り付ける。
【0045】次に、ステップS31において、ビーム断面
変換器1020によりビームの断面形状(楕円形)を予め設
定する。但し、原則としてこの断面形状は加工中には変
更しないものとする。そして、ステップS32において、
この状態でレーザビームを発生させて試験加工を行い、
ステップS33でCCDカメラ1084及びモニタ1086等によ
りレーザビーム形状を確認する。このステップS33まで
が加工準備動作である。
【0046】次に、ステップS41で実際にリードフレー
ムのレーザ加工を実施する。即ち、ステップS411におい
て、演算部1076で演算したレーザビームの自転角度や公
転位置等の加工位置を確認し、ステップS412からステッ
プS414でレーザビームの自転角度や公転角度や公転半径
をそれぞれ設定し、ステップS415でレーザビームを発生
させて加工を行う。この時、ステップS411で確認したレ
ーザビームの自転角度や公転位置に基づいて上記レーザ
ビームの発生の可否が決定される。
【0047】さらに、ステップS416で、レーザビームが
発生していないタイミングにおいて、加工結果が良好か
どうかを判断する。これは、前述のように、CCDカメ
ラ1084、モニタ1086、加工部監視装置1080、及び画像判
定部1071によって行う。そして、加工結果が良好である
場合には、ステップS417に進み、ステップS41以下を繰
り返して次の位置の加工を行う。また、加工結果が不良
である場合には、ステップS418aで加工条件の変更を行
うと共に、ステップS418bで警告発生部1071aより警告を
発生し、ステップS419で、この時のリードフレームの種
類、加工結果及び加工条件等を記録部1078に記録する。
以上のステップS411〜S419の動作をリードフレームの所
定の間隙が全て形成されるまで繰り返す。
【0048】ところで、リードフレームは特にインナー
リード1103のピッチが極めて狭く、板厚以下になること
もあるため、パルス状のレーザビーム照射による入熱が
残留した状態で、隣接する部分のレーザ加工を続けて行
うと、レーザ加工後の金属板素材は入熱過多になって溶
断してしまうことが懸念される。従って、本実施例で
は、上記のようなレーザ加工によってインナーリード11
03を形成するに際して、以下に述べるような手順によっ
てレーザ加工を行う。
【0049】図5は本実施例によってインナーリード11
03を形成する手順を説明する概念図であって、形成され
るべきインナーリードの一部分のみ示す図である。図5
に示すように、加工されるべきインナーリード1103を横
切る方向に光軸を連続的に移動させながら、内側の同心
円状の軌跡185より順次外側の同心円状の軌跡186,18
7,188,189に沿ってパルス状にレーザビームを照射し
ていく。但し、各々の軌跡185〜189においては、インナ
ーリード1103を分離する間隙を1個おきに形成し、しか
も1つのインナーリード1103の両側の間隙において各照
射スポット1018による照射領域が長手方向にずれるよう
にする。そして、それ以後は、上記のような動作の繰返
しにより、インナーリード1103の形成が完了する。尚、
インナーリード1103を分離する間隙を1個おきに形成す
るのではなく、2個おき、またはそれ以上の個数を飛ば
して形成してもよい。また、1つの軌跡、例えば軌跡18
5に沿ってレーザビームを照射した際の入熱は、次の軌
跡186に沿ってレーザビームを照射するまでの間に、金
属板1101素材の他の部分への熱伝導や空気中への熱放散
によって減少する。
【0050】この時、内側のダイパッド1102や、インナ
ーリード1103よりも外側の部分がレーザ加工されないよ
うにレーザビームの発生の可否を制御する。上記レーザ
ビームの発生の可否は、図4のS415で説明したように、
演算部1076で演算したレーザビームの向きや公転位置に
基づいて主制御部1079で決定される。そして、その決定
に基づいてレーザ制御部1074に指令が送られ、レーザ発
振器用電源1010a、従って、レーザ発振器1010が制御さ
れる。
【0051】図4に戻り、ステップS51において、全て
の間隙の加工結果が良好かどうかを判断する。これも、
CCDカメラ1084、モニタ1086、加工部監視装置1080、
及び画像判定部1071によって行い、加工結果が良好であ
る場合には次の工程へ進む(ステップS52)。また、加
工結果が不良である場合には、ステップS53に進んで加
工を中断し、加工条件の再検討及び再設定を行う。
【0052】次に、ステップS61において、一枚の金属
板について全ての加工が終了したかを判断し、終了して
いる場合には次の工程へ進み(ステップS62)、そうで
ない場合は金属板を送給及び固定しステップS80にジャ
ンプする(ステップS63)。但し、この金属板の送給及
び固定は送給装置制御部1077からの指令に基づき送給装
置1090によって行う。次に、ステップS71において、全
ての金属板の加工が終了したかを判断し、終了している
場合はレーザ加工を全て終了し(ステップS72)、そう
でない場合は新しい金属板に取り替えステップS80にジ
ャンプする(ステップS73)。
【0053】以上のような本実施例によれば、微細なリ
ードフレームを高速かつ容易に加工することができるだ
けでなく、放射状に伸びるインナーリード1103を分離す
る間隙を、少なくとも1個おきに形成するので、パルス
状のレーザビーム照射による入熱が金属板1101素材中に
集中することがなく、金属板1101素材が入熱過多になっ
て異常に加熱され、溶断することがない。また、熱が金
属板1101の素材に集中しないため、高精度な加工を行う
ことが可能となる。
【0054】また、1つのインナーリード1103の両側の
間隙において各照射スポット1018による照射領域が長手
方向にずれるようにするので、金属板1101素材の他の部
分への熱伝導や空気中への熱放散によって熱量が減少し
易くなる。尚、このように1つのインナーリード1103の
両側の間隙において各照射スポット1018による照射領域
が長手方向にずれるようにすることは必ずしも必要では
ない。
【0055】次に、本発明によるリードフレーム加工方
法の他の実施例について、図6により説明する。
【0056】本実施例は、金属板素材にレーザ光照射に
よって投入された熱を強制的に除去するための実施例で
ある。図6に示すように、ノズル2021の中心からレーザ
ビーム2020と同軸的にアシストガス2000を噴射し、同時
にそのアシストガス2000を囲むように例えば冷却水等の
冷却媒体2010を流す。但し、図6において、ノズル2021
の上方には固定外筒2022及び固定内筒2023が取り付けら
れ、その固定内筒2023に集光レンズ2024が取り付けられ
ている。レンズ押え2025は集光レンズ2024を固定するた
めのものである。また、ノズル2021には集光レンズ2024
を含む光学系の各部材を保護するための保護ガラス2026
が取り付けられている。さらに、リードフレーム加工装
置としては図1と同様のものを用い、インナーリード11
03の加工手順も図4や図5と同様、或いは特願平5−1
94925号や特願平5−194927号と同様でよ
い。
【0057】アシストガス2000はアシストガス供給口20
01から供給し、冷却媒体2010は冷却媒体供給口2011から
供給する。冷却媒体供給口2011はノズル2021の外周に沿
ったにリング状の開口部を有しており、冷却媒体2010は
そのリング状の開口部からアシストガス2000を囲むよう
に噴出される。金属板1101素材を冷却した後の冷却媒体
2010のうち、金属板1101の表面にあるものはその表面に
沿って流れ去り、裏面に達したものはアシストガス2000
によって吹き飛ばされ、除去される。
【0058】以上のような本実施例によれば、アシスト
ガス2000を囲むように冷却媒体2010を流すので、レーザ
加工によって金属板1101素材に投入された熱の大部分を
レーザ加工の直後に速やかに除去して強制的にその温度
を下げることができる。従って、レーザビーム照射によ
る入熱が金属板1101素材中に集中することがなく、金属
板1101素材が入熱過多になって異常に加熱され、溶断す
ることがない。また、入熱が金属板1101の素材に集中し
ないため、高精度な加工を行うことが可能となる。
【0059】次に、本発明によるリードフレーム加工方
法のさらに他の実施例について、図7及び図8により説
明する。但し、図7(c)〜図7(d)は、それぞれ図
7(a)のB−B,C−C,D−Dの方向からの断面図
である。
【0060】本発明が加工対象としている多ピンかつ狭
ピッチのリードフレームにおいて、特にインナーリード
は、薄板を微細かつ高精度に加工することが要求される
ものであり、そのためには、加工工程中に金属板素材を
正確かつ確実に固定及び拘束することが必要である。し
かし、これらのインナーリードを順次細長い最終形状に
まで加工してしまうと、剛性不足のため加工途中におい
て正しい形状を維持することが困難となり、変形がおき
やすく、寸法精度が低下してしまうことがある。本実施
例は、このような不具合を解消するためのものである。
【0061】本実施例では、リードフレーム加工装置と
して図1と同様のものを用い、インナーリード1103の加
工手順も図4や図5と同様、或いは特願平5−1949
25号や特願平5−194927号と同様である。しか
し、本実施例におけるレーザ加工では、インナーリード
1103を順次細長い最終形状にまで加工するのではなく、
図7(a)に示すように、インナーリード1103を分離す
る間隙に沿って貫通穴2501を列状かつ不連続な形状に多
数形成する。但し、レーザ加工を行う前に、レジスト樹
脂を塗付し乾燥することにより、金属板1101の両面にレ
ジスト膜2502を被覆しておく(図8参照ステップS201及
びステップS202参照)。
【0062】つまり、本実施例においては、レーザ加工
によって最終的に得たい形状に加工する必要はなく、図
7(a)のような破線状の不連続な形状に加工すれば十
分であり、このため、従来のレーザ光だけで加工する場
合に比べて、レーザ光による加工量を少なくすることが
できる。従って、入熱の影響を受ける範囲を非常に小さ
くすることができ、入熱過多になることが回避される。
【0063】また、レーザ光だけで最終的な所定形状ま
で加工する加工方法では、レーザ光照射による熱変形が
次のレーザ加工に影響し、熱変形が次第に累積して大き
な寸法誤差を生ずることがあったが、本発明ではこのよ
うな不具合をなくすことができる。
【0064】さらに、加工途中において多数の貫通穴25
01が列状、即ち不連続な状態にあるため、それぞれの貫
通穴2501の間の未加工部分2504の存在により金属板1101
は剛性が高い状態に保たれ、取扱いが容易になると共
に、加工途中において変形や加工誤差を発生することが
ない。このように、金属板1101の剛性が高く取扱いが容
易であるため、例えばレーザ加工に伴なって発生するド
ロス及びスパッタの除去や、金属板1101の洗浄等のレー
ザ加工後の後処理も簡単に行える。
【0065】尚、図7(a)において、レーザ加工によ
って形成されるレジスト膜2502の開口部2503の寸法は、
金属板1101の貫通穴2501よりも少し大きくなるため、貫
通穴2501の列を形成した時点において開口部2503は図の
ようにほぼつながる。
【0066】上記のようなレーザ加工を行い、スパッタ
除去を行った後にエッチング加工を行う(図8のステッ
プS211〜ステップS213参照)。金属板1101にエッチング
液が供給されると、貫通穴2501の内部にもにエッチング
液が行き渡り、図7(b)に示すそのまわりの側壁部分
2505は板厚方向にほぼ平均にエッチング加工される。そ
して、金属板1101はレジスト膜2502に覆われた部分まで
少しエッチングされ、開口部2503よりも少し広い部分が
除去される。また、エッチングは等方性の加工であるた
め、図7(c)に示す未加工部分2504もエッチングされ
る。つまり、貫通穴2501は拡張されることになる。この
時のエッチング加工により除去される部分を図7(b)
及び図7(c)において斜線で示す。
【0067】これにより、未加工部分2504は除去され、
貫通穴2501は各列毎に連結され、最終的に所定形状の間
隙が形成され、インナーリード1103が形成される。ま
た、この時、裏面に付着したドロスや酸化皮膜もエッチ
ング液により除去され、インナーリード1103の切断面
は、なめらかできれいな矩形となる。また、図7(d)
に示すように、貫通穴2501やレジスト膜2502の開口部25
03から十分離れた位置にはエッチング加工は及ばない。
また、エッチング加工等の化学的処理は通常、室温また
は100℃以下の温度条件で行われるため、レーザ加工
後の形状を損うことはほとんどない。
【0068】上記エッチング加工が完了した後、レジス
ト膜2502が除去され、さらに、洗浄及び乾燥が行われ
る。上記エッチング加工は非熱加工であるので、金属板
1101の最終的な加工形状はなめらかで良好となり、高い
寸法精度を実現することができる。
【0069】次に、本実施例によって加工されるリード
フレームを用いた一連の半導体装置の製造方法の一例
を、図8により説明する。
【0070】まず、図8のステップS100において、帯状
の素材、例えば鋼、銅合金,42アロイ、コバール等の
金属板をレベラにかけ、巻きぐせを取り除く。続いて、
ステップS101で、その金属板の表面を洗浄して汚れや油
分等を除き、さらに乾燥する。
【0071】次に、ステップS110において、位置決め穴
や枠部をプレスにより加工し、ステップS111でアウター
リード1104を分離する間隙をプレスにより加工する。そ
して、ステップS112で、その金属板の表面を洗浄して汚
れや油分等を除き、さらに乾燥する。続いて、ステップ
S201及びステップS202において、レジスト樹脂を塗付し
乾燥することにより、金属板の両面にレジスト膜を被覆
しておく。そして、ステップS120において、レーザ加工
装置に上記金属板を取り付け、ステップS121でレーザ加
工条件の設定を行う。
【0072】次に、ステップS130でレーザ加工を実施す
る。即ち、ステップS131で金属板を拘束し、ステップS1
32でインナーリードをレーザ加工する。この時、前述の
ように、レーザビームを同心円状の軌跡に沿って金属板
の中央から外方へと移動させながら加工する(ステップ
S132a)。続いて、ステップS133においてインナーリー
ドの内方の先端部分を切除する。レーザ加工が終了する
と、ステップS135で金属板を拘束から解放し、ステップ
S136でリードフレーム一個分だけ金属板を移動させる。
以上ステップS130以下の動作を帯状の金属板が全長にわ
たって加工されるまで繰り返す。
【0073】次に、ステップS140でレーザ加工により飛
散した金属板表面のスパッタを機械的に除去した後、ス
テップS211で前述のようなエッチング加工を行い、ステ
ップS212でレジスト膜を除去し、さらに、ステップS213
で洗浄及び乾燥を行う。
【0074】次に、ステップS150において、ハンダ等に
よるメッキ処理を行い、ステップS151でその表面を洗浄
し乾燥する。このメッキ処理は、後ほど行われるリード
フレームと半導体チップ等との電気的接続が行い易いよ
うにするための工程である。
【0075】次に、ステップS160で半導体装置の組立を
実施する。即ち、ステップS161aでダイパッド1102(図
3参照)上に半導体チップを搭載し、ステップS161bで
両者を接着し、ステップS161cでリードがバラバラにな
ったり変形しないようにリードフレームに補強テープを
貼り付ける。次に、ステップS162aで半導体チップの端
子とリードとを接続し、ステップS162bで接続部を検査
する。続いて、ステップS163aで半導体チップ及びイン
ナーリードを樹脂モールドにより一体に封止し、ステッ
プS163bにおいて余分な樹脂モールドによるバリを除去
する。そして、ステップS164でダムバー1105(図3参
照)を切断し、ステップS165で製品型番をマーキングす
る。この時点ではコイル上の金属板に多数の半導体装置
が形成された状態となっているので、次のステップS166
でこれら半導体装置を個々に切り離す。
【0076】次に、ステップS170において、ここに切り
離された半導体装置のアウターリード1104を曲げ加工
し、ステップS180で最終的な検査を行い、最後にステッ
プS190で梱包し製品として出荷する。
【0077】以上のような本実施例においては、レーザ
加工によって貫通穴2501を破線状等の列状の不連続な形
状に形成するので、レーザ加工だけで最終形状に加工す
る場合に比べて、レーザ加工量を少なくすることがで
き、入熱の影響を受ける範囲を非常に小さくして入熱過
多になることが回避される。また、レーザ光照射による
熱変形が次第に累積して大きな寸法誤差を生ずることが
ない。さらに、加工途中において多数の貫通穴2501が不
連続な状態にあるため、それぞれの貫通穴2501の間の未
加工部分2504の存在により金属板1101は剛性が高い状態
に保たれ、取扱いが容易になると共に、加工途中におい
て変形や加工誤差を発生することがない。
【0078】また、最終的に非熱加工であるエッチング
加工によって未加工部分2504を除去するので、熱による
影響がなく、さらにドロスや酸化皮膜等も除去され、そ
の最終的に残った部分の加工形状は良好になり、寸法精
度も向上する。即ち、レーザ加工とエッチング加工を組
合せて積極的に両加工法の特徴を利用することにより、
寸法精度を向上することができる。しかも、加工後の寸
法精度を損うような後処理も不要であるため、加工精度
の良い状態を維持することができる。
【0079】次に、本発明のさらに他の実施例につい
て、図9及び図10を参照しながら説明する。
【0080】まず、本実施例のリードフレーム加工装置
の全体構成を説明する。図9に示すように、本実施例の
リードフレーム加工装置は、図1とほぼ同様の構成及び
機能を有するレーザ発振器3010、ビーム断面変換器302
0、ビーム自転装置3030、ベンディングミラー3040、ノ
ズル3051に取り付けられた集光レンズ3050、制御装置30
70、加工部監視装置3080を有し、さらに、集光レンズ30
50で集光されたレーザビーム3014の照射位置を金属板11
01上で移動させるXYテーブル3060、加工される金属板
を送給する送給装置3090を有している。
【0081】レーザ発振器3010にはレーザ発振器用電源
3010aが接続され、ビーム自転装置3030には自転角度検
出器3030aが、XYテーブル3060にはレーザビーム3014
の照射位置を検出する照射位置検出器3060aが接続され
ている。加工部監視装置3080にはカメラ制御部3081、画
像記録部3082、記憶部3083が備えられており、カメラ制
御部3081には加工部の画像を撮影するCCDカメラ3084
が接続されている。
【0082】制御装置3070には、加工部監視装置3080か
らの画像を判定する画像判定部3071、この判定に基づき
異常時に警告を発する警告発生部3071a、加工条件を外
部から入力する入力部3072、加工条件を予め記憶し必要
に応じて読み出す記憶部3073、レーザ発振器用電源3010
aを制御するレーザ制御部3074、レーザビームの形状や
移動を制御するビーム制御部3075、自転角度検出器3030
a及び照射位置検出器3060aからの信号によりレーザビー
ムの向きや移動位置を演算する演算部3076、送給装置30
90を制御する送給装置制御部3077、加工結果を記録する
記録部3078、及び各部を統括的に制御する主制御部3079
が設けられている。さらに、制御装置3070において、ビ
ーム制御部3075にはビーム断面変換器制御部3075a、ビ
ーム自転装置制御部3075b、XYテーブル制御部3075cが
接続されており、それぞれがビーム断面変換器3020、ビ
ーム自転装置3030、XYテーブル3060を制御する。
【0083】XYテーブル3060は金属板1101を真空吸着
方式によって固定し、その状態でX軸及びY軸方向に金
属板1101を移動させる。これによって集光レンズ3050で
集光されたレーザビーム3014の照射位置が金属板1101上
でX軸及びY軸方向に移動する。但し、X軸及びY軸は
金属板1101表面内において直交するように設定され、か
つX軸は帯状の金属板1101の送給方向と一致するように
設定される。また、送給装置3090は、コイル状に巻かれ
た帯状の金属板1101を巻き出す巻出装置3091、レーザ加
工を終えた帯状の金属板1101を巻き取る巻取装置3092、
XYテーブル3060の両端においてY軸に平行に備えられ
た駆動ロール3093及び3094を有する。
【0084】上記XYテーブル3060がX軸方向に移動し
た場合は、駆動ロール3093及び3094はXYテーブル3060
の動きと連動してX軸方向の移動距離と同一の長さだけ
金属板1101を繰り出したり引き込めたりする。また、X
Yテーブル3060がY軸方向に移動した場合は、駆動ロー
ル3093及び3094はXYテーブル3060の動きと連動してY
軸方向の移動距離と同一の長さだけ金属板1101を挟んだ
ままその回転軸方向、即ちY軸方向に移動する。また、
巻出装置3091と駆動ロール3093の間、及び巻取装置3092
と駆動ロール3094の間の金属板1101にはループ部3095が
設けられており、上記のようにXYテーブル3060の動き
と連動して駆動ロール3093,3094が移動した時の金属板
1101のたるみやねじれがこのループ部3095で吸収される
ようになっている。
【0085】次に、以上のような構成のリードフレーム
加工装置の基本的な動作を説明する。入力部3072より加
工すべきリードフレームの種類を入力すると、主制御部
3079は加工情報を記憶部3073より読み出して各部の制御
を行う。記憶部3073より読み出される加工情報として
は、リードフレームの種類に対応する金属板の板厚や加
工形状や加工軌跡、レーザビーム自転速度、レーザ発振
器3010の発振周波数や励起電圧や光学系の選択等のレー
ザ発生条件、レーザビーム照射の可否や照射回数等があ
る。
【0086】主制御部3079の制御のもとにレーザ制御部
3074によってレーザ発振器用電源3010aが動作すると、
これによってレーザ発振器3010の発振動作が開始され
る。レーザ発振器3010から水平に出射した断面がほぼ円
形をなすレーザビーム3011は、ビーム断面変換器3020に
入射し、断面形状が一方向に伸延して楕円形の断面とな
る。この時、ビーム断面変換器3020の凹型シリンドリカ
ルレンズ3021の位置はビーム断面変換器制御部3075aに
より制御される。ビーム断面変換器3020から出射したレ
ーザビーム3012は、ビーム自転装置3030のドーブプリズ
ム3031に入射し、第1の実施例のようにその光軸まわり
に自転する。このドーブプリズム3031の回転動作(回転
速度や回転角度)はビーム自転装置制御部3075bにより
制御される。
【0087】ビーム自転装置3030から出射したレーザビ
ーム3013は、ベンディングミラー3040により垂直方向に
反射する。ベンディングミラー3040で反射したレーザビ
ーム3014は集光レンズ3050で集光され、ノズル3051先端
部より金属板1101に照射スポット3016(図10参照)と
して照射される。この時、ノズル3051下部のアシストガ
ス供給口(図示せず)よりアシストガスが噴出する。金
属板1101上のレーザビーム3014の照射位置は前述のよう
にXYテーブル3060によって移動する。この時のXYテ
ーブル3060のX軸及びY軸方向の移動動作はXYテーブ
ル制御部3075cにより制御される。
【0088】また、上記ビーム断面変換器制御部3075
a、ビーム自転装置制御部3075b、及びXYテーブル制御
部3075cは主制御部3079の指令のもとにビーム制御部307
5によって制御される。さらに、巻出装置3091、巻取装
置3092、駆動ロール3093及び3094による金属板1101の送
給は、主制御部3079の指令のもとに送給装置制御部3077
によって制御され、駆動ロール3093及び3094のXYテー
ブル3060と連動した動作は、XYテーブル制御部3075c
からの制御情報をもとに送給装置制御部3077によって制
御される。
【0089】また、自転角度検出器3030aではビーム自
転装置3030による自転角度が検出され、照射位置検出器
3060aではXYテーブル3060によるレーザビーム3014の
照射位置(X座標及びY座標)が検出される。そして、
各検出器による検出値が制御装置3070の演算部3076に送
られ、レーザビームの向きや照射位置が演算され、主制
御部3079にフィードバックされる。主制御部3079におい
ては、演算部3076での演算結果に基づきビーム制御部30
75に指令が送られると共に、必要に応じて加工条件の変
更が行われる。
【0090】また、ビーム断面変換器3020とビーム自転
装置3030の間に挿入された反射鏡3085からのレーザ加工
部の画像情報(可視光)のCCDカメラ3084による撮
像、モニタ3086での表示、加工部監視装置3080での画像
記録部3082の記録、予め記憶部3083で記憶しておいた良
好な加工部の画像情報との比較、加工結果の良否の判
定、及び警告発生部3071aでの警告の発生等は図1と同
様に行われる。
【0091】上記のようなリードフレーム加工装置を用
いたレーザ加工工程は基本的には図4と同様であるが、
本実施例では図5のような同心円状の軌跡に沿ってレー
ザ加工を行うのではなく、図10のような対角線の交点
Oを共有し各辺が平行な多数の四角形状の軌跡に沿って
レーザ加工を行い、しかも、インナーリード1103を分離
する間隙を1個おきに形成する。尚、図10では、対称
性を考慮してリードフレームの1/4の部分のみを示
す。
【0092】即ち、図10に示すように、例えば四角形
の軌跡193に沿ってレーザビームを照射しインナーリー
ド1103を分離する間隙を1個おきに形成しておき、次に
もう一度軌跡193に沿ってレーザビームを照射し残して
おいた未加工部分を加工する。但し、図10の段階では
軌跡191及び192に沿ったレーザ加工は終了しているもの
とする。1回目に軌跡193に沿ってレーザビームを照射
した際の熱は、2回目に軌跡193に沿ってレーザビーム
を照射するまでの間に、金属板1101素材の他の部分への
熱伝導や空気中への熱放散によって減少する。
【0093】軌跡193に沿ったレーザ加工が終了した後
は、同様の動作の繰返しにより軌跡194〜198に沿ったレ
ーザ加工を行い、インナーリード1103の形成が完了す
る。勿論、インナーリード1103を分離する間隙を1個お
きに形成するのではなく、2個おき、またはそれ以上の
個数を飛ばして形成してもよい。これにより、レーザビ
ーム照射による入熱が金属板1101素材中に集中すること
がなく、金属板1101素材が入熱過多になって溶断するこ
とがない。
【0094】また、図6と同様にアシストガスを囲むよ
うに冷却媒体を流し、レーザ加工によって金属板1101素
材に投入された熱の大部分をレーザ加工直後に速やかに
除去して強制的にその温度を下げてもよい。さらに図7
及び図8と同様に、レーザ加工によって貫通穴を破線状
等の列状の不連続な形状に形成しておき、エッチング加
工によって未加工部分を除去する方式を採用してもよ
い。
【0095】尚、図5のように1つのインナーリード11
03の両側の間隙において各照射スポット1018による照射
領域が長手方向にずれるようにしてもよい。
【0096】また、本実施例のようにレーザビームの光
軸を固定しておき、金属板1101をX軸及びY軸に移動さ
せて相対的に四角形状軌跡に沿ってレーザ加工を行う加
工方法を応用すれば、レーザビーム用の光学系を複数系
統使用して複数のリードフレームを同時に加工すること
も容易にできる。
【0097】以上のような本実施例によれば、微細なリ
ードフレームを高速かつ容易に加工することができるだ
けでなく、放射状に伸びるインナーリード1103を分離す
る間隙を、少なくとも1個おきに形成するので、図1〜
図5の実施例と同様にレーザビーム照射による入熱が金
属板1101素材中に集中することがなく、金属板1101素材
が入熱過多になって異常に加熱され、溶断することがな
い。また、熱量が金属板1101の素材に集中しないため、
高精度な加工を行うことが可能となる。
【0098】尚、上記4つの実施例では主に金属板素材
として帯状の材料を用いる場合について説明したが、平
板状のシート材を用いてもよい。
【0099】
【発明の効果】本発明によれば、レーザビームのスポッ
トの長手方向を形成されるべきインナーリードの長手方
向に一致させそのレーザビームの光軸をインナーリード
を横切る方向に相対的に移動させる際に、少なくとも1
個おきのインナーリードを分離する間隙となる位置にレ
ーザビームを照射するので、入熱の集中を回避でき、金
属板素材が入熱過多になって溶断することがない。ま
た、入熱が金属板素材に集中しないため、高精度な加工
を行うことが可能となる。
【0100】また、アシストガスを囲むように冷却媒体
を流すので、レーザ加工によって金属板素材に投入され
た入熱の大部分を速やかに除去して強制的にその温度を
下げることができる。
【0101】また、レーザ加工によって貫通穴を不連続
かつ列状に形成するので、入熱過多になることが回避さ
れ、熱変形が累積することがない。また、加工途中にお
いて多数の貫通穴が不連続な状態にあるため、金属板は
剛性が高い状態に保たれ、取扱いが容易になると共に、
加工途中において変形や加工誤差を発生することがな
い。さらに、最終的に非熱加工であるエッチング加工に
よって未加工部分を除去するので、熱による影響がな
く、その最終的に残った部分の加工形状は良好になり、
寸法精度も向上する。
【0102】従って、微細なリードフレームを高速かつ
容易に加工することがでるだけでなく、加工後の寸法精
度や品質を向上することができ、さらに金属板素材が入
熱過多になって異常に加熱されることを回避することが
できる。
【0103】また、本発明によれば、半導体装置の小型
化、高性能化及び多ピン化を実現しうるリードフレーム
を高速かつ低コストで量産加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で使用されるリードフレーム
加工装置の構成を示す図である。
【図2】図1のリードフレーム加工装置の基本的な動作
による金属板上でのレーザビームのスポットの変化を示
す図である。
【図3】図1のリードフレーム加工装置によって加工さ
れるリードフレームの構成を示す図である。
【図4】図1のリードフレーム加工装置を用いたレーザ
加工工程を説明するフローチャートである。
【図5】図4のレーザ加工工程におけるインナーリード
の形成手順を説明する概念図である。
【図6】本発明の他の実施例によるリードフレーム加工
方法を説明する図であって、ノズルの中心からレーザビ
ームと同軸的にアシストガスを噴射し、同時に冷却媒体
を流す構成を示す図である。
【図7】本発明のさらに他の一実施例によるリードフレ
ーム加工方法を説明する図でであり、(a)はレーザ加
工によって形成された貫通穴及びレジスト膜の開口部を
示す図、(b)は(a)のB−B方向からの断面図、
(c)は(a)のC−C方向からの断面図、(d)は
(a)のD−D方向からの断面図である。
【図8】図7のリードフレーム加工方法によって加工さ
れるリードフレームを用いた一連の半導体装置の製造方
法の一例をを示す図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例で使用されるリード
フレーム加工装置の構成を示す図である。
【図10】図9のレーザ加工装置を使用したインナーリ
ードの形成手順を説明する概念図である。
【符号の説明】
185〜189 軌跡 191〜198 軌跡 1010 レーザ発振器 1011〜1015 レーザビーム 1016 照射スポット 1020 ビーム断面変換器 1021 凹型シリンドリカルレンズ 1022 凸型シリンドリカルレンズ 1030 ビーム自転装置 1030a 自転角度検出器 1031 ドーブプリズム 1050 ビーム公転装置 1050a 公転角度検出器 1060 公転半径変更装置 1060a 公転半径検出器 1070 制御装置 1073 記憶部 1074 レーザ発振制御部 1075 ビーム制御部 1076 演算部 1079 主制御部 1101 金属板 1103 インナーリード 1104 アウターリード 1108 (インナーリードを分離する)間隙 2000 アシストガス 2001 アシストガス供給口 2010 冷却媒体 2011 冷却媒体供給口 2021 ノズル 2024 集光レンズ 2501 貫通穴 2502 レジスト膜 2504 未加工部分 2505 側壁部分 3010 レーザ発振器 3011〜3014 レーザビーム 3016 レーザビーム照射領域 3020 ビーム断面変換器 3021 凹型シリンドリカルレンズ 3022 凸型シリンドリカルレンズ 3030 ビーム自転装置 3031 ドーブプリズム 3050 集光レンズ 3051 ノズル 3060 XYテーブル 3070 制御装置 3073 記憶部 3074 レーザ発振制御部 3075 ビーム制御部 3079 主制御部 3090 送給装置
フロントページの続き (72)発明者 桜井 茂行 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社 土浦工場内 (72)発明者 長野 義也 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社 土浦工場内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 23/50 B23K 26/00 320

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射状に配列された多数のインナーリー
    ドと、前記インナーリードの外側に連続するアウターリ
    ードとで構成されたリードを有するリードフレームの加
    工に際して、細長い断面形状を有するパルス状のレーザ
    ビームを照射して薄い金属板を適宜に切欠くことにより
    少なくとも前記インナーリードを形成するリードフレー
    ム加工方法において、 前記金属板に照射されるレーザビームのスポットの長手
    方向を前記形成されるべきインナーリードの長手方向に
    一致させると共に前記レーザビームの光軸を前記インナ
    ーリードを横切る方向に相対的に移動させ少なくとも1
    個おきの前記インナーリードを分離する間隙となる位置
    に前記レーザビームを照射する第1ステップと、前記レ
    ーザビームのスポットが放射方向に整合するように前記
    レーザビームの光軸を前記インナーリードの長手方向に
    相対的に移動させる第2ステップとを有し、前記第1ス
    テップの移動及び前記第2ステップの移動を繰り返すこ
    とにより前記インナーリードを形成することを特徴とす
    るリードフレーム加工方法。
  2. 【請求項2】 放射状に配列された多数のインナーリー
    ドと、前記インナーリードの外側に連続するアウターリ
    ードとで構成されたリードを有するリードフレームの加
    工に際して、細長い断面形状を有するパルス状のレーザ
    ビームを照射して薄い金属板を適宜に切欠くことにより
    少なくとも前記インナーリードを形成するリードフレー
    ム加工方法において、 前記金属板に照射されるレーザビームのスポットの長手
    方向を前記形成されるべきインナーリードの長手方向に
    一致させると共に前記レーザビームの光軸を前記インナ
    ーリードを横切る方向に相対的に移動させる第1ステッ
    プと、前記レーザビームのスポットが放射方向に整合す
    るように前記レーザビームの光軸を前記インナーリード
    の長手方向に相対的に移動させる第2ステップとを有
    し、前記レーザビーム照射位置近傍にアシストガスを噴
    射し同時に前記アシストガスを囲むように冷却媒体を流
    しながら前記第1ステップの移動及び前記第2ステップ
    の移動を繰り返すことにより、前記インナーリードを形
    成することを特徴とするリードフレーム加工方法。
  3. 【請求項3】 放射状に配列された多数のインナーリー
    ドと、前記インナーリードの外側に連続するアウターリ
    ードとで構成されたリードを有するリードフレームの加
    工に際して、細長い断面形状を有するパルス状のレーザ
    ビームを照射して薄い金属板を適宜に切欠くことにより
    少なくとも前記インナーリードを形成するリードフレー
    ム加工方法において、 前記金属板に照射されるレーザビームのスポットの長手
    方向を前記形成されるべきインナーリードの長手方向に
    一致させると共に前記レーザビームの光軸を前記インナ
    ーリードを横切る方向に相対的に移動させる第1ステッ
    プと、前記レーザビームのスポットが放射方向に整合す
    るように前記レーザビームの光軸を前記インナーリード
    の長手方向に相対的に移動させる第2ステップとの繰り
    返しによって前記金属板に不連続かつ列状の貫通穴を形
    成し、さらに、前記不連続かつ列状の貫通穴の形成の前
    後いずれかにおいて前記金属板の両面にエッチング加工
    用のレジスト膜を被覆する第3ステップと、前記金属板
    にエッチング液を供給して前記貫通穴相互間の未加工部
    分を除去しこれら貫通穴を連結する第4ステップとを有
    することを特徴とするリードフレーム加工方法。
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