JP2933086B2 - チルトリッドの取付方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は自動車等の車両のサンルーフにおけるチルト
リッドの取付方法に関するものである。

〔発明の背景〕 サンルーフを有する自動車にあっては、例えば第５図
に示すように車体（１）の天井（２）には前窓部
（３）、中央窓部（４）、左右一対の後窓部（５）が配
置され、前窓部（３）にはチルトリッド（６）、中央窓
部（４）にはスライドリッド（７）、後窓部（５）には
固定リッド（８）が夫々取付けられている。このような
サンルーフにおいて、チルトリッド（６）は第６図に示
すように車体（１）の前窓部（３）前縁ヒンジ（９）を
介してボルト（10）、ナット（11）により止着されてい
る。

〔従来の技術〕

上記チルトリッド（６）に取付けられるヒンジ（９）
は従来第７図に示すように可動片（91）の一辺左右に軸
受部（92），（92）を形成し、固定片（93）の一辺中央
に軸受部（94）を形成し、該可動片（91）の左右軸受部
（92），（92）間に該固定片（93）の軸受部（94）を挿
入し、軸（97）を該軸受部（92），（94），（92）間に
挿着することによって該可動片（91）と固定片（93）と
を相互枢着した構成を有し、該ヒンジ（９）の可動片
（91）をチルトリッド（６）側に取付けておき、かつ固
定片（93）にボルト（10）を溶接によって組付けておい
て、作業員がチルトリッド（６）を手で持ち、前窓部
（３）の前縁取付部（31）に該ヒンジ（９）の固定片
（93）を当接し、該取付部（31）のボルト孔（31）Ａに
該固定片（93）に組付けられているボルト（10）を挿入
し、該固定片（93）のボルト（10）にナット（11）を螺
着することにより該取付部（31）に取付ける。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら上記従来構成にあってはヒンジ（９）の
開度が規制されていないためにチルトリッド（６）を前
窓部（３）の前縁取付部（31）に取付ける際にチルトリ
ッド（６）に可動片（91）を介して取付けたヒンジ
（９）の固定片（93）が第８図に示すように垂れ下が
り、該固定片（93）を水平になるように手で保持しなけ
ればならないと云う困難さがあった。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は上記従来の課題を解決するための手段とし
て、車両の天井（２）の窓孔部（３）に取付けられるチ
ルトリッド（６）の取付端縁（31）に固定片（93）と該
固定片（93）に枢着されている可動片（91）とからな
り、該固定片（93）の枢着端から係止片（96）を起立さ
せて該係止片（96）を可動片（91）の枢着端に当接させ
ることによって開度を90゜から20゜の範囲に保持したヒ
ンジ（９）を可動片（91）を介して左右一対取付け、該
ヒンジ（９）が開いている状態で該窓孔部（３）取付端
縁（31）に当接し、該ヒンジ（９）の固定片（93）を該
窓孔部（３）取付端縁（31）に締結具（10）によって止
着するチルトリッド（６）の取付方法を提供するもので
ある。

〔作用〕

チルトリッド（６）を車体（１）の天井（２）の窓孔
部（３）の前縁取付部（31）に取付ける際は該チルトリ
ッド（６）を作業員が手で持つかあるいはロボットによ
り把持させ、該チルトリッド（６）に可動片（91）を介
して取付けられているヒンジ（９）の固定片（93）を該
車体（１）の取付部（31）に当接するのであるが、該ヒ
ンジ（９）は該固定片（93）の枢着端の係止片（96）が
該可動片（91）の枢着端に当接することによって、その
開度は20゜以上90゜以下の範囲で保持されている。この
ように該ヒンジ（９）の開度は90゜以下で保持されてい
るので、固定片（93）が垂れ下がることなく、チルトリ
ッド（６）を所定角度に傾ければ該ヒンジ（９）の固定
片（93）を該車体（１）の取付部（31）に沿わせて当接
することが可能である。このようにしてチルトリッド
（６）のヒンジ（９）の固定片（93）を車体（１）の取
付部（31）に当接し、該取付部（31）にボルト（10）お
よびナット（11）等の締結具によって止着する。ボルト
（10）は通常ヒンジ（９）の固定片（93）にあらかじめ
溶接により組付けられており、この状態で該ヒンジ
（９）の固定片（93）を該車体（１）の取付部（31）に
当接し、該固定片（93）に組付けられているボルト（1
0）を該取付部（31）のボルト孔（31）Ａに挿入し、ナ
ット（11）を螺着する。この際、ヒンジ（９）の開度は
20゜以上に保持されているから、該ボルト（10）とナッ
ト（11）による止着作業を支障なく行なうことが出来
る。

〔発明の効果〕

したがって本発明においてはチルトリッド（６）を窓
孔部に取付ける際にヒンジを手で保持する必要がないの
で、チルトリッド取付けが大巾に合理化される。

〔実施例〕

本発明を第１図〜第４図に示す一実施例によって説明
すれば、透明なチルトリッド（６）の前縁には左右一対
のヒンジ（９），（９）が取付けられ、左右側縁には該
チルトリッド（６）をチルトアップさせるための図示し
ないリンクが接続するブラケット（15），（15）が取付
けられている。

該チルトリッド（６）のヒンジ（９）は第２図に示す
ようにチルトリッド（６）側に取付けられる可動片（9
1）と車体（１）側に取付けられる固定片（93）とから
なり、該可動片（91）の前縁（枢着端）には左右一対の
軸受部（92），（92）が形成され、該軸受部（92），
（94），（92）間には係止縁（95）が切欠き形成されて
おり、また該可動片（91）には左右一対のボルト孔（9
1）A,（91）Ａが形成されている。該固定片（93）の前
縁（枢着端）には左右一対の軸受部（94），（94）が形
成され、該軸受部（94），（94）間には係止片（96）が
切起し形成され、また該固定片（93）には左右一対のボ
ルト孔（93）A,（93）Ａが形成されいる。そして該可動
片（91）の軸受部（92），（92）を固定片（93）の軸受
部（94），（94）間に嵌入し、軸受部（94），（92），
（92），（94）に軸（97）を挿貫する。

該ヒンジ（９）は可動片（91）の枢着端の係止縁（9
5）が固定片（93）の枢着端の係止片（96）に当接する
ことによって開度が90゜〜20゜の範囲に保持されいる。

上記ヒンジ（９）は固定片（93）のボルト孔（93）A,
（93）Ａにボルト（10）を挿入し溶接により固定した上
で可動片（91）をボルト（13）、ナット（14）によりチ
ルトリッド（６）に止着することによってチルトリッド
（６）の前縁に左右一対取付けられているが、第３図に
示すようにチルトリッド（６）を車体（１）の天井
（２）の前側窓孔部（３）の前縁取付部（31）に取付け
る時にはチルトリッド（６）を作業者が手に持つかある
いはロボットで把持して該チルトリッド（６）のヒンジ
（９）の固定片（93）を該取付部（31）に沿わせる。即
ちヒンジ（９）の開度が30゜に保持されている時はチル
トリッド（６）のヒンジ（９）の固定片（93）を車体
（１）の天井（２）に対して30゜後方に傾くように支持
すれば、該ヒンジ（９）の固定片（93）は作業者の手で
保持することなく自然に該取付部（31）に沿うことにな
る。このようにしてからチルトリッド（６）を車体
（１）の天井（２）の前側窓孔部（３）の前縁取付部
（31）に当接し、該固定片（93）に取付けられているボ
ルト（10）を該取付部（31）のボルト孔（31）Ａに挿入
し、ナット（11）を該ボルト（10）に螺着することによ
り該固定片（93）を該取付部（31）に止着する。

このようなチルトリッド（６）取付けに際してヒンジ
（９）の開度が90゜以上になるとチルトリッド（６）を
取付作業側であるヒンジ（９）の固定片（93）側より向
う側にかたむけねばならずチルトリッド（６）が保持し
にくくなり、またヒンジ（９）の開度が20゜以下になる
とチルトリッド（６）が止着作業に干渉し作業しづらく
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本発明の一実施例を示すものであり、
第１図はチルトリッドの斜視図、第２図はヒンジの分解
斜視図、第３図はチルトリッド取付時の説明図、第４図
はチルトリッド取付後の説明図、第５図は車体斜視図、
第６図はチルトリッド取付部分断面図、第７図は従来の
ヒンジ斜視図、第８図は従来のチルトリッド取付時の説
明図である。 図中、（１）……車体、（２）……天井、（３）……前
側窓孔部（窓孔部）、 （６）……チルトリッド、（９）……ヒンジ、（91）…
…可動片、 （93）……固定片、（95）……係止縁、（96）……係止
片、 （10）……ボルト、（11）……ナット

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車両の天井の窓孔部に取付けられるチルト
   リッドの取付端縁に固定片と該固定片に枢着されている
   可動片とからなり、該固定片の枢着端から係止片を起立
   させて該係止片を可動片の枢着端に当接させることによ
   って開度を90゜から20゜の範囲に保持したヒンジを可動
   片を介して左右一対取付け、該ヒンジが開いている状態
   で該窓孔部取付端縁に当接し、該ヒンジの固定片を該窓
   孔部取付端縁に締結具によって止着することを特徴とす
   るチルトリッド取付方法