JP2932505B2 - 熱陰極形低圧希ガス放電ランプの点灯方法 - Google Patents

熱陰極形低圧希ガス放電ランプの点灯方法

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JP2932505B2 JP1154214A JP15421489A JP2932505B2 JP 2932505 B2 JP2932505 B2 JP 2932505B2 JP 1154214 A JP1154214 A JP 1154214A JP 15421489 A JP15421489 A JP 15421489A JP 2932505 B2 JP2932505 B2 JP 2932505B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、FAX,PPC等の産業応用機器用光源として
用いられる熱陰極形低圧希ガス放電ランプの点灯方法に
関するものである。
〔従来の技術〕
従来の低圧水銀蒸気放電ランプは、商用周波数(50,6
0Hz)で点灯されているが、例えば、昭和60年度の照明
学会全国大会でも報告されたように、交流高周波で点灯
すると、効率が改善され、光出力が向上することが知ら
れている。しかし、産業応用機器用光源としては、なお
不充分であった。また、この水銀蒸気放電ランプでは、
端部チラツキ防止策として直流で点灯することも検討さ
れていて、例えば、学習スタンドなどでは、すでにこの
方式のものが商品化されている。しかし、この方式のも
のは、連続点灯していると、水銀イオンが陰極側に寄っ
てしまい、陽極側で水銀イオンが過少になるので、陽陰
両極間で輝度分布が異常にくずれ、いわゆるカタホリシ
ス現象を起こす。このため、輝度分布の均一性が要求さ
れる産業応用機器用光源には適さなかった。
一方、希ガス放電ランプとしては、冷陰極タイプのも
のがすでに商品化(ハリソン電機(株)製のHCBラン
プ)されている。このランプは、25KHzの高周波インバ
ータにより点灯する高輝度,高効率のもので、希ガス放
電に特有な非温度依存性と瞬時安定性を有している。
〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、このタイプの希ガス放電ランプは、冷
陰極放電におけるランプ電流を大きくできないため、輝
度を上げることは困難であり、さらなる高輝度化の要望
に応えられなかった。
また、ランプ電圧が非常に高いため、ランプの取扱い
に危険を伴うという問題があった。
この発明は、このような従来の問題点を解決するため
になされたもので、高い精度を出し、かつ均一な輝度分
布を得ることができるとともに、ランプ電圧を高くせ
ず、したがって、ランプの取扱いに危険を伴わない熱陰
極形低圧希ガス放電ランプの点灯方法を提供することを
目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明が提供する熱陰極形低圧希ガス放電ランプの
点灯方法は、同ランプを点灯するさいに、30mA〜100mA
の直流で点灯することを特徴とするものである。
〔作用〕
熱陰極形低圧希ガス放電ランプは、もともとランプ電
圧が低いため、上記直流で点灯することにより電圧が上
昇しても、取扱いに危険を伴わない。
また、上記直流で点灯するので、輝度が向上し、その
分布が均一になるとともに、カタホリシス現象も発生し
ない。この事実は、実施例において実験的に検証するこ
とができた。
〔実施例〕
以下、この発明の一実施例を第1図により説明する。
第1図は実施例において使用した熱陰極形低圧希ガス放
電ランプの一部縦断側面図である。
図において、、1はバルブ、2は蛍光体層、3は反射
膜、4は電極、5はスリットである。バルブ1は、外径
8mmのソーダライムガラスバルブで、両端部に一対の電
極4が封着されている。電極間距離は260mmである。電
極4は、電子放射性物質を塗布したトリプルフィラメン
トコイルを使用した熱陰極形のものである。蛍光体層2
は、化成オプトニクス社製のZn2SiO4Mn緑色蛍光体より
なる。反射膜3は、この蛍光体層2とバルブ1の間に形
成されている。反射膜3と蛍光体層2は、ともに幅2mm
の直線スリット5を管長方向に設けたアパーチャー形と
なっている。図示しないしが、バルブ1内には発光ガス
としてXe:10%,Ne:90%の混合ガスが0.8Torr封入され、
電極4近傍には蒸発形バリウムゲッターが設けられてい
る。
第2図は、上記ランプを直流点灯した場合と交流点灯
した場合のランプに対する輝度の変化を示したグラフで
ある。輝度の測定は、ランプ中央のアパーチャー開口部
中心の値を測定した。直流点灯に際しては、片側フィラ
メントの両端リードを短絡して陽極とした。図中、実線
が直流点灯、点線が交流点灯の場合である。交流は65KH
zの周波数を固定して測定した。輝度は直流点灯55mA時
の輝度を100%として相対値で示した。
図から明らかなように、通常発熱が問題にならない30
mA〜100mAでは直流点灯の方が輝度が高く、最高輝度で1
0%以上差があった。ランプ電流は実効値であり、直流
点灯時のランプ電圧は交流点灯時より約30V程度高かっ
た。また、ランプ電流50mAで1000時間連続点灯したが、
カタホリシス現象は発生しなかった。
なお、交流点灯は、65KHzを例にとって説明したが、
他の周波数でも同様であった。また、直流点灯用とし
て、陽極側に電子放射物質を塗布しないタングステン棒
を設け、リード線を一本としてみたが、結果は同じであ
った。ガスもXe以外の希ガス、あるいはN2ガスを使用し
てみたが、また蛍光体層と反射膜の種類およびアパーチ
ャーの形も変えてみたが、結果は同様であった。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明によれば、熱陰極形低
圧希ガス放電ランプを30mA〜100mAの直流で点灯するの
で、交流点灯ではいかなるランプ電流でも出せなかった
高い輝度を出すことができる。また、カタホリシス現象
が起こらず、したがって、均一な輝度分布を得ることが
できる。
さらに、直流で点灯するので、ランプ電圧は上昇する
が、もともと放電ランプのランプ電圧は低いので、ラン
プの取扱いに危険を伴わない。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例において使用した熱陰極形低
圧希ガス放電ランプの一部縦断側面図、第2図は、直流
点灯と交流点灯した場合のランプ電流に対する輝度の変
化を示すグラフである。 図において、1はバルブ、2は蛍光体層、3は反射膜、
4は電極、5はスリットである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 勝男 神奈川県鎌倉市大船5丁目1番1号 三 菱電機株式会社大船製作所内 (56)参考文献 特開 昭58−119151(JP,A) 特開 昭58−119152(JP,A) 特開 昭57−158995(JP,A) 特開 昭59−114701(JP,A) 特開 昭64−84593(JP,A) 特開 平1−296763(JP,A) 特開 平2−256197(JP,A) 特開 平2−306596(JP,A) 特開 平2−312192(JP,A) 特公 昭60−47720(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05B 41/14 - 41/29

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱陰極形低圧希ガス放電ランプを点灯する
    さいに、30mA〜100mAの直流で点灯することを特徴とす
    る熱陰極低圧希ガス放電ランプの点灯方法。
JP1154214A 1989-06-13 1989-06-16 熱陰極形低圧希ガス放電ランプの点灯方法 Expired - Lifetime JP2932505B2 (ja)

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