JP2931207B2 - 列車接近警報装置 - Google Patents

列車接近警報装置

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JP2931207B2
JP2931207B2 JP17801094A JP17801094A JP2931207B2 JP 2931207 B2 JP2931207 B2 JP 2931207B2 JP 17801094 A JP17801094 A JP 17801094A JP 17801094 A JP17801094 A JP 17801094A JP 2931207 B2 JP2931207 B2 JP 2931207B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道の軌道上で保線工
事等を行う場合に作業者の安全を図るために、列車の接
近を報知して軌道上から退避することができるようにし
た列車接近警報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、鉄道の軌道上で保線工事を行う
場合には、作業上の安全性を図るために、監視員を置い
てその軌道上に列車が接近するのを作業者に知らせて軌
道上から退避させるようにしていた。しかし、人手によ
り監視する場合には、列車接近の認知が遅れる場合があ
り、安全性の点で問題があると共に人件費がかさむとい
う不具合がある。
【0003】そこで、従来では、例えば、線路に沿って
設置したセンサによって列車の接近を検知し、その検知
信号に基づいて作業者に対して無線により警報信号を送
信し作業者が携帯する受信機のブザーを鳴らして報知す
る構成としたものがある。これにより、人手により監視
する不具合を解消して作業者に確実に列車の接近を報知
することができるようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば、作
業を行う現場の線路が多数の軌道が敷設されている場合
には、作業者が線路内から退避する距離が長くなるため
に、その分の時間を確保するためには列車の接近をより
早く報知する必要が生ずる場合がある。そこで、これに
対応するために、作業現場の位置に対する列車センサの
配置距離を長くすることが考えられるが、従来構成のも
のでは、作業者が携帯する受信器が十分受信可能となる
ようにセンサの設置位置から出力する電波信号の出力レ
ベルを高くする必要がある。ところが、無線信号の出力
レベルをあるレベル以上に設定する場合には、無線免許
を所持する必要があるので、この場合には、作業現場に
有資格者を配置することが条件となり、誰でも簡単に取
り扱うことができなくなる不具合がある。
【0005】また、従来構成のものでは、上述のような
作業を行う現場の線路が多数の軌道が敷設されている場
合に、列車接近の情報として作業者が携帯する受信器の
ブザーを鳴らすことにより報知する構成であるために、
作業者は、そのブザー音を聞いただけではいずれの方向
から列車が接近しているのかを認識することができない
ので、実際には列車が通行しない列車軌道であっても軌
道が敷設された領域内から退避しなければならず、作業
者にとって不必要な退避動作を強いられる不具合があ
る。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、列車の接近を迅速に検知し作業者に進
行方向と共に報知することができ、しかも、センサの設
置位置にかかわらず無線資格を必要とせず、誰でも使用
することができるようにした列車接近警報装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の列車軌
道が敷設された線路の特定領域に接近する列車を検出し
てその特定領域内の作業者に報知するようにした列車接
近警報装置を対象とするものであり、請求項1の発明に
おいては、前記線路に沿って前記特定領域から両方向に
所定距離以上離れた地点に設けられるものであって、前
記複数の列車軌道を挟んで対向配置され列車の通行方向
に沿って設定される複数の光軸を有する一対の投光器お
よび受光器と、その受光器における各光軸の受光状態の
変化とその変化の順序に応じて前記複数の列車軌道のい
ずれかを通過する列車の有無およびその進行方向を検出
する検出手段とからなる複数の列車検知センサと、前記
特定領域に対応して配置され、前記複数の列車検知セン
サと信号ケーブルを介して接続されるものであって、い
ずれかの列車検知センサから通過列車検出の信号を受信
するとその列車の進行方向を示す電波信号を無線免許を
必要としない電波出力範囲内で発信する中継器と、この
中継器からの電波信号を受信可能な範囲内として設定さ
れた前記特定領域内において受信すると前記通過列車が
接近していることをその進行方向の情報と共に音声とし
て出力する携帯形の受信装置とを設けて構成したところ
に特徴を有する。
【0008】請求項2の発明においては 上記構成で、
前記列車検知センサを、前記線路に沿った所定区間内に
おいて複数個のものが互いに所定間隔を存して隣接する
ように固定的に配置し、前記特定領域を、前記列車検知
センサが配置された所定区間内に設定するようにしたと
ころに特徴を有する。
【0009】請求項3の発明においては、前記対象にお
いて、 前記線路に沿った所定区間内で複数個のものが互
いに所定間隔を存して隣接するように固定的に配置され
信号ケーブルを介して接続されるものであって、そのそ
れぞれは、前記複数の列車軌道を挟んで対向配置され列
車の通行方向に沿って設定される複数の光軸を有する一
対の投光器および受光器と、その受光器における各光軸
の受光状態の変化とその変化の順序に応じて前記複数の
列車軌道のいずれかを通過する列車の有無およびその進
行方向を検出する検出手段とからなる複数の列車検知セ
ンサ機能と、他のものから前記信号ケーブルを介して通
過列車検出の信号を受信するとその列車の進行方向を示
す電波信号を無線免許を必要としない程度の電波出力範
囲内で発信する中継器機能とを有する中継機能付列車検
知センサと、 この中継機能付列車検知センサからの電波
信号を受信可能な範囲内として設定された前記特定領域
内において受信すると前記通過列車が接近していること
をその進行方向の情報と共に音声として出力する携帯形
の受信装置とを設けた構成とし、 前記中継機能付列車検
知センサを、前記所定区間内の任意の領域に前記特定領
域が設定されたときに、その特定領域内に位置するもの
を前記中継器機能を利用するように設定し、その特定領
域から両方向に所定距離以上離れたところに位置するも
のを前記列車検知センサ機能を利用するように設定する
ようにしたところに特徴を有する。
【0010】請求項4の発明においては、前記信号ケー
ブルを、前記線路に沿って予め配設されている電話回線
を利用するようにしたところに特徴を有する。
【0011】請求項5の発明においては、前記列車検知
センサを、電源としてのバッテリを有すると共にこのバ
ッテリの充電用の太陽電池を有する構成としたところに
特徴を有する。
【0012】
【作用】請求項1記載の列車接近警報装置によれば、特
定領域に列車が接近すると、列車検知センサにおいて
は、投光器からの光が遮光されることにより受光器の受
光状態が変化するので、検出手段により列車の存在とそ
の進行方向を検知しその検知信号を信号ケーブルを介し
て中継器に送信する。中継器は、通過列車検知の信号を
受信すると、その列車の進行方向を示す電波信号を無線
免許が必要とならない程度の電波出力範囲内の強度で
定領域に対応して出力するようになる。これにより、受
信装置は、作業者が携帯するなどで特定領域内に存在す
る場合には、中継器からの電波信号を受信して列車の接
近とその方向を音声により報知するようになる。
【0013】これにより、特定領域内の作業者は、作業
中であってもそのままの状態で列車の接近とその進行方
向を音声により確実に認識することができるようにな
り、線路内から安全な場所に退避したりあるいは、列車
が通行しない列車軌道側に退避することで安全性を確保
することができるようになる。
【0014】そして、上述の場合に、受信装置に対する
電波信号をその電波信号が受信可能な範囲内として設定
した特定領域に対応して設置する中継器から出力するの
で、有資格者を置くことなく誰でも使用することができ
るようになる。
【0015】請求項2記載の列車接近警報装置によれ
ば、列車検知センサを線路に沿った所定区間内において
複数個のものを互いに所定間隔を存した状態で隣接する
ように固定的に配置して、その所定区間内において特定
領域を設定するようにしているので、例えば保線工事な
どが進行するにしたがって設定すべき特定領域が所定区
間内で移動していく場合でも、移動した場所に配置され
ている列車検知センサを用いることができるようにな
り、その都度その特定領域に対応して列車検知センサを
移動させたり、あるいは列車検知センサの投光器と受光
器との間の光軸調整を行う手間が省けて使い勝手が向上
する。
【0016】請求項3記載の列車接近警報装置によれ
ば、列車検知センサ機能と中継器機能とを備えた複数個
の中継機能付列車検知センサを、線路に沿った所定区間
内に互いに所定間隔を存して隣接するように固定的に配
置してそれらを信号ケーブルを介して接続した構成と
し、この中継機能付列車検知センサからの電波信号を受
信可能な範囲内として設定された特定領域内に位置する
受信装置により受信すると通過列車が接近していること
をその進行方向の情報と共に音声として出力するので、
所定区間内において特定領域が設定されると、あらかじ
め配置固定されている中継機能付列車検知センサのうち
の特定領域内に存在するものを中継器機能を利用するよ
うに設定し、特定領域から両方向に所定距離以上離れた
ところに存在するものを列車検知センサ機能を利用する
ように設定することにより、列車接近の検知を行なって
受信装置に送信することができるようになる。
【0017】請求項4記載の列車接近警報装置によれ
ば、一般的に線路に沿って敷設されている緊急用などの
電話回線を利用して信号ケーブルとして使用することが
できるので、列車検知センサによる検知信号を中継器に
対して電話回線を介して送信することができるようにな
り、別途に専用の信号ケーブルを設ける必要がなく、安
価且つ簡単に利用できるようになる。
【0018】請求項5記載の列車接近警報装置によれ
ば、各列車検知センサに電源としてのバッテリを設ける
と共に、このバッテリの充電用として太陽電池を設ける
構成としているので、各列車検知センサに対応して電源
ケーブルを配設する必要がなくなり、設置のための作業
が簡単になる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を列車軌道が3本設けられた地
点に設置した場合の一実施例について図面を参照しなが
ら説明する。図2は、列車が通行可能な線路1の3本の
列車軌道2〜4を示す平面図で、列車軌道2及び3は、
例えば列車Aが図中左側から右側へ向かうように設定さ
れたもので、列車軌道4は図中右側から左側へ向かうよ
うに設定されている。そして、この実施例においては、
列車軌道2及び3を「上り線」と呼び、列車軌道4を
「下り線」と呼び、上り線を進行する各列車を「上り列
車A」,「上り列車B」、下り線を進行する列車を「下
り列車C」などと呼ぶことにする。
【0020】図中Zで示す区間(後述するセンサ6aと
6bとの中間地点からセンサ6dと6eとの中間地点ま
での区間)は、特定領域として設定されている領域で、
いま、この区間Zの中央部の地点Pで保線工事を行う場
合について考える。また、線路1の片側には、これに沿
って予め緊急用の電話回線5が配設されている。この電
話回線5は、所定の地点で外部から電話機を接続して使
用可能となっており、本実施例においては、この電話回
線5を信号ケーブルとして使用する構成としている。
【0021】列車検知センサ(以下、単にセンサと略称
する)6は、列車検知センサの機能と中継器の機能との
両者を備えた中継機能付列車検知センサとして設けられ
るもので、線路1に沿って多数個配置されており、この
場合には、例えば500m間隔で配設されている。この
センサ6は、投光器7と受光器8とからなり、それぞれ
3本の列車軌道2〜4を挟んで対向するように配置され
ている。各受光器8は、電話回線5に共通に接続され、
後述するように、この電話回線5を介して信号の授受を
行うようになっている。そして、保線工事の地点Pを中
心として両側に位置する5個のセンサ6を6a〜6eと
して設定している。
【0022】図4は、センサ6a〜6eの信号系統の接
続構成を示す図で、各センサ6a〜6eの投光器7a〜
7eは独立して設置されており、受光器8a〜8eはそ
れぞれ電話回線5に所定間隔(例えば500m間隔)で
設定されている電話ボックス5a〜5eに接続されてい
る。
【0023】さて、センサ6a〜6eは、それぞれ投光
器7a〜7e及び受光器8a〜8eから構成されている
もので、いずれも外観は図3に示すように構成されてい
る。すなわち、地面にアンカーボルトで固定されるベー
ス部9の上部に角柱状の本体ケース10を配設した構成
とされている。本体ケース10は、その高さ寸法が列車
軌道2〜4を通過する列車の車体側面と対向する寸法に
設定されており、上方部に投光部11(受光器8におい
ては受光部12)が配設されており、中央部には操作部
13が配設されている。
【0024】投光部11あるいは受光部12は、それぞ
れ2個の光軸L1,L2を横方向の並ぶように設けた構
成としており、後述するように列車の通過方向をそれら
の受光状態の変化に応じて検出するようになっている。
また、操作部13には、各種スイッチが配設され、後述
する各種の設定を行うようになっている。本体ケース1
0の頂部にはバッテリの充電用としての太陽電池パネル
14が取り付けられている。
【0025】図1は電気的構成を示すもので、一つのセ
ンサ6を示しており、以下、これについて詳述する。投
光器7は、2個の投光回路15a,15bを有し、互い
に異なる周波数でパルス光を出力して投光動作を行うよ
うになっており、起動スイッチ16を介して内蔵バッテ
リ17に接続されると共に太陽電池パネル14に設けら
れた太陽電池18に接続されている。投光回路15a,
15bはそれぞれ発光ダイオードなどの投光素子を備
え、受光器8に向けて光軸L1,L2を設定するように
なっている。そして、内蔵バッテリ17は、起動スイッ
チ16がオフのときには太陽電池18から充電されるよ
うになっている。
【0026】次に、受光器8においては、光軸L1,L
2に対応して2個の受光回路19a,19bが設けられ
ており、これらは、それぞれ投光器7の投光回路15
a,15bのそれぞれから出力される光軸L1,L2に
対応する周波数のパルス光のみを受光するように構成さ
れており、受光素子の受光量に応じてオン信号あるいは
オフ信号を制御回路20に与えるようになっている。ま
た、各受光回路19a,19bは、それぞれ自己診断機
能を有しており、ケースに付着する汚れや霧などによっ
て受光レベルが低下している場合には、誤検出となるの
を防止するために、自動的に異常信号を制御回路20に
出力するようになっている。
【0027】制御回路20は、マイクロコンピュータ,
ROM,RAMなどから構成されるもので、予め記憶さ
れた制御プログラムにより、受光回路19a,19bか
らの受光信号に応じて動作すると共に、後述するよう
に、電話回線5を介して入力される信号に対する処理を
行うようになっている。この制御回路20は、入出力回
路21を介して電話回線5と接続されており、その入出
力回路21は、操作部13に設けられるスイッチの一つ
としてのアドレス設定部22が接続されている。このア
ドレス設定部22は、自己のアドレスが他のセンサ6に
対してどのような関係にあるかをアドレスの値で設定す
るものであり、例えば、センサ6a〜6eに対応してア
ドレス1〜5が設定されている。
【0028】この制御回路20の出力端子には音声信号
発生回路23が接続されており、受光回路19a,19
bから入力される検知信号に応じて判断された警報出力
を送信するようになっている。この音声信号発生回路2
3は、制御回路20から与えられた警報信号に応じた音
声メッセージに対応する信号を無線信号出力回路24を
介して外部に所定周波数の電波信号により所定出力レベ
ル(例えば10mW)出力する。なお、無線信号出力回
路24の出力周波数は、周波数設定回路25の設定によ
る所定の周波数となっている。
【0029】また、上述の場合において、警報出力に応
じて送信する音声としてのメッセージは、例えば、次の
4通りのものが準備されている。すなわち、「上り列車
が来ました」,「下り列車が来ました」あるいは「両方
向の列車が来ました」という列車接近情報と、「環境が
劣化しています」などの異常報知情報に応じたものであ
る。そして、このときの無線信号出力回路24の出力レ
ベルは、そのセンサ6が隣接するものとの中間位置程度
までの範囲(500m程度の範囲)に送信可能な低いレ
ベルであり、無線免許が必要とならない程度の出力であ
る。
【0030】出力動作設定部26は、操作部13に設け
られる設定スイッチの一つで、制御回路20の入力端子
に接続されており、受光回路19a,19bが検知信号
を出力したときに、制御回路20から警報信号の無線出
力を行うか否かの切換え設定を行うものであり、例え
ば、センサ6が保線工事の地点Pから遠く離れた位置に
設置されている場合には、無線出力を行っても地点Pま
で到達せず受信不能となるので、無駄な電波を避けるた
めにも出力をオフに設定して警報信号の出力を禁止状態
とするようになっている。
【0031】内蔵バッテリ27および太陽電池パネル1
4に設けられた太陽電池28は、起動スイッチ29を介
して各部に給電するもので、起動スイッチ29がオフ状
態のときには太陽電池28は内蔵バッテリ27に充電を
行うようになっている。また、携帯形受信機30は、保
線工事を行っている作業者が携帯するように設定されて
おり、音声信号に対応する電波信号を受信するとこれを
音声として出力する一般的なものであり、受光器8の無
線信号出力回路24から出力される警報用の電波信号を
アンテナ30aにより受信して音声信号としてスピーカ
30bから出力して作業者に報知するようになってい
る。
【0032】次に、本実施例の作用について図5ないし
図11を参照して説明するに、まず、センサ6の受光器
8による受光動作と警報出力の動作について基本動作を
図5〜図7の制御プログラムのフローチャートを参照し
て説明し、続いて、具体的な検出動作を4つのケースに
別けて説明する。
【0033】(A)基本動作 本実施例においては、前述したように、センサ6a及び
6eを列車検知専用とし、センサ6b〜6dを警報出力
動作を行わせるものとして操作部13により設定してい
る。なお、以下の基本動作説明においては、すべてのセ
ンサ6a〜6eの基本的な動作について説明すると共
に、その中でそれぞれの動作の違いについて述べること
とする。
【0034】(1)メイン制御プログラム まず、受光器8の制御回路20は図5に示すメイン制御
プログラムのフローチャートに従って検出動作を行って
いる。すなわち、まず、起動スイッチ29がオンされて
内蔵バッテリ27から給電されると、制御回路20は、
各種変数をクリアするなどの所定の初期設定処理を実行
し(ステップS1)、受光回路19a,19bからの異
常信号が入力されたか否かを判断し(ステップS2)、
「YES」の場合には異常信号を出力し(ステップS
3)、「NO」の場合にはそのままあるいは異常信号の
出力を停止して(ステップS4)ステップS5に進むよ
うになる。
【0035】なお、上述の異常信号の出力を行う場合
に、出力動作設定部26により無線信号を出力するよう
に設定している場合には、制御回路20は、音声信号発
生回路23に異常信号を出力すると共に、入出力回路2
1を介して電話回線5にも異常信号を出力するようにな
っている。これにより、無線信号出力回路24からは、
音声信号発生回路23により生成された音声合成信号に
よる例えば「環境が劣化しています」といったメッセー
ジの電波信号が出力され、これを携帯形受信機30が受
信すると、そのメッセージを音声としてスピーカ30b
により発するようになる。
【0036】続いて、制御回路20は、ステップS5
で、外部入力があるか否かを判断し、電話回線5を介し
て外部入力信号がある場合には「YES」と判断して外
部入力処理(ステップS6)を行った後ステップS7に
移行し、「NO」と判断した場合にはそのままステップ
S7にジャンプするようになる。なお、ステップS6の
外部入力処理においては、図7に示すサブルーチンを後
述のように実行するようになっており、接近する列車に
対応してその検知信号が入力されるようになっている。
【0037】さて、制御回路20は、ステップS7に進
むと、受光入力の変化があるか否かを判断し、受光回路
19a,19bのいずれかから受光信号の入力状態が変
化しているか否かを判断し、「YES」の場合には受光
入力処理(ステップS8)を実行した後ステップS9に
移行し、「NO」の場合にはそのままステップS9に移
行するようになっている。なお、ステップS8の受光入
力処理においては、図6に示すサブルーチンを後述のよ
うに実行するようになっている。
【0038】この後、制御回路20は、ステップS9な
いしS11を経て警報出力の送信をすべきか否かを判断
するのに、変数FUあるいはFDに設定された値が
「1」の出力設定か「0」の非出力設定かを参照して行
い、ステップS12〜14において「上り列車」,「下
り列車」あるいは「両方向からの列車」の接近を示す警
報出力の送信をするか、または、ステップS15におい
て警報出力の送信を停止するようになる。
【0039】(2)受光入力処理のサブルーチン(ステ
ップS8) 制御回路20は、図6に示すフローチャートにしたがっ
て、まず、受光回路19aあるいは19bのいずれの光
軸L1あるいはL2の受光状態が変化したかを判定し
(ステップP1)、これによって、例えば、列車軌道2
を上り列車Aが進行してきて遮光した場合には、上り列
車検出として「YES」と判断してステップP2に移行
するようになる。そして、進入検知か通過検知かを判断
して進入検知の場合にはステップP3に進み、ここで上
り列車が通過中であることを示すフラグTUを「1」に
設定すると共に、上り列車接近の警報出力の設定を示す
変数FUを「1」に設定し(ステップP4)、続いて上
り列車の進行方向に位置する2つのセンサ6への上り列
車接近を示す検知信号の伝送処理を行う(ステップP
5)。
【0040】ステップP5の伝送処理においては、制御
回路20は、上り列車検知の検知信号に自己のアドレス
データKと送信先のセンサ6のアドレスデータMからな
るシリアル信号を入出力回路21を介して電話回線5に
送信するようになる。
【0041】また、ステップP2で「NO」と判断され
たとき、つまり、受光回路19a,19bが遮光状態か
ら受光状態に変化した場合には、制御回路20は、通過
中であった列車が通り抜けたことを認識して上り列車が
通過中であることを示すフラグTUを「0」にクリア
(ステップP6)し、続くステップP7では、上り列車
が接近していることを示す検知信号を受信しているかど
うかを示す変数PUが「1」であるか否かを判断し、
「YES」の場合にはステップP8に進んで変数PUの
値を「0」に設定し、「NO」の場合にはステップP9
に移行するようになる。
【0042】そして、制御回路20は、このステップP
9にて下り列車が自己のセンサを通過中であることを示
すデータTDの値が「1」であるか否かを判断し、「Y
ES」の場合には、下り列車接近の警報出力を示すデー
タFDを「0」にクリアし(ステップP10)、この後
ステップP11にて上り列車接近の警報出力を示すデー
タFUを「0」にクリアしてプログラムを終了する。ま
た、ステップP9で「NO」と判断したときには、ステ
ップP11を経てプログラムを終了するようになる。
【0043】次に、ステップP1で「NO」と判断した
場合には、制御回路20は、下り列車が接近しているこ
とを検出したことに基づいて、以下ステップP12〜P
20を実行することにより、下り列車についての処理を
上述と同様にして行うようになる。
【0044】(3)外部入力処理のサブルーチン 制御回路20は、図7に示すフローチャートに従って、
まず、入力された信号に含まれるアドレス信号のデータ
のうち、自己アドレスに対応するデータを変数Kに代入
すると共に、送信したセンサ6に対応するアドレスのデ
ータを変数Mに代入する(ステップT1)。次に、制御
回路20は、入力されたデータが上り列車のデータか否
かを、アドレスデータKとMとを比較することにより判
定し(ステップT2)、上り列車接近の検知信号を受信
しているときには、「YES」と判断してステップT3
に進み、ここでは、すでに上り列車接近の検知信号を受
信している場合つまり変数FUの値が「1」であるか否
かを判定し、「NO」の場合にはステップT4に進んで
最新アドレスデータの変数値MUに上述の変数Mの値を
代入すると共に、上り列車接近の検知信号データFUを
「1」に設定してプログラムを終了する。
【0045】また、ステップT3で「YES」と判断し
たときには、制御回路20は、今受信した検知信号の送
信元のアドレスデータMが前回までの最新アドレスデー
タを記憶する変数MU以上であるか否かを判断し(ステ
ップT6)、「YES」の場合には受信してからまだ列
車が自己のセンサを通過していないことを示す変数デー
タPUを「1」に設定してプログラムを終了し、「N
O」の場合には今受信した送信元のアドレスデータMを
最新アドレス値MUとして代入してプログラムを終了す
る。
【0046】一方、ステップT2で「NO」と判断した
ときには、制御回路20は、下り列車が接近しているこ
とを検出したことに基づいて、以下ステップT9〜P1
4を実行することにより、上述と同様にして下り列車に
ついての処理を行うようになる。
【0047】なお、上述の説明にて使用した各種の変数
について、その内容と設定を下記にまとめて示す。 〈変数テーブル〉 FU:上り列車接近警報出力(「1」は出力、「0」は
非出力) FD:下り列車接近警報出力(「1」は出力、「0」は
非出力) K :自己のセンサに設定されたアドレスデータ M :送信元のセンサに設定されたアドレスデータ MU:上り列車の最新の検知信号を送信したセンサに設
定されたアドレス MD:下り列車の最新の検知信号を送信したセンサに設
定されたアドレス PU:上り列車の検知信号を受信してからその上り列車
が自己のセンサを通過するまでの間の状態を示すデータ
(「1」は通過前、「0」は通過後) PD:下り列車の検知信号を受信してからその下り列車
が自己のセンサを通過するまでの間の状態を示すデータ
(「1」は通過前、「0」は通過後) TU:上り列車が自己のセンサを通過中であることを示
すデータ(「1」は通過中、「0」は通過後) TD:下り列車が自己のセンサを通過中であることを示
すデータ(「1」は通過中、「0」は通過後)
【0048】次に、実際に列車が区間Zの保線工事地点
Pに接近している種々の場合について4つのケースを例
にとって説明する。すなわち、(1)第1のケースとし
て、最も単純な場合で、上り列車Aが保線工事地区Pに
接近している場合、(2)第2のケースとして、上り列
車Aおよび下り列車Cが保線工事地区Pに接近している
第1の場合、(3)第3のケースとして、同様の第2の
場合、そして(4)第4のケースとして、下り列車C,
Dが次々と保線工事地区に接近している場合である。
【0049】(1)第1のケースの場合 これは、列車軌道2を上り列車Aが進行してくる場合で
(図2参照)、センサ6aから順次6eに向けて上り列
車Aを検知し、その検知信号を図8に示すように順次出
力するようになる。まず、センサ6a(アドレス1)が
上り列車Aを検出すると、受光入力処理のサブルーチン
を実行することにより、進行方向の2個のセンサ6b
(アドレス2),6c(アドレス3)に検知信号を送信
する。
【0050】これにより、2個のセンサ6b,6cは、
それぞれ外部入力処理のサブルーチンを実行してそのデ
ータを入力した後、警報出力を電波信号により送信する
ようになり、保線工事地点Pの作業者が携帯している受
信器30は、センサ6cから出力された電波信号を受信
してスピーカ30bにより「上り列車が来ました」とい
うメッセージを音声で報知動作を行うようになる。
【0051】この後、上り列車Aがセンサ6bの光軸に
差し掛かって遮光すると、センサ6bはこれを検出して
センサ6c(アドレス3)およびセンサ6d(アドレス
4)に検知信号を送信する。これにより、センサ6cは
連続して警報出力の電波信号を送信し、センサ6dは警
報出力の電波信号の送信を開始する。この後、上り列車
Aがセンサ6bを通過すると、センサ6bは自己の警報
出力の送信を停止するようになる。
【0052】以下、センサ6cが上り列車Aを検知する
と、センサ6d,6eに検知信号を送信すると共に、そ
の上り列車Aが通過すると、自己の警報出力を停止する
ようになる。これによって、センサ6dは検知信号を受
信すると警報電波の送信を継続するが、センサ6eは警
報出力を禁止するように設定されていることから警報出
力動作は行わない。そして、センサ6dを上り列車Aが
通過すると、センサ6dは警報出力を停止する。
【0053】この結果、地点Pで作業している保線工事
作業者は、受信器30により、上り列車Aがセンサ6a
により検知されてからセンサ6cを通過するまでの間、
音声による警報のメッセージを受けることができ、作業
中であってもそのままの状態でこれを認識することがで
き、上り列車Aが地点Pに近接するまでの間に確実に線
路1内から退避することができるようになる。また、区
間Z内で保線工事の地点Pが移動する場合でも、センサ
6b,6c,6dのいずれかにより列車接近の警報のメ
ッセージを受信することができるので、その都度センサ
6a〜6eの設定を変更することなく広い範囲で安全に
作業を行うことができる。
【0054】(2)第2のケースの場合 これは、例えば、列車軌道2を走行する上り列車Aと列
車軌道4を走行する下り列車Cとが同時に区間Z内の保
線工事地点Pに接近する場合で、この場合には、下り列
車Cがセンサ6cを通過中の状態でに上り列車Aがセン
サ6cに達してから通過し終わる場合を想定しており、
そのときの各センサ6a〜6eの検知信号および警報出
力の状態は図9に示すようになる。なお、各センサ6a
〜6eの基本的な検知動作および警報信号の送信動作は
第1のケースの場合と同じであるので、以下、異なる部
分について説明する。
【0055】まず、下り列車Cがセンサ6eを通過する
と、センサ6eはセンサ6d,6cに検知信号を送信す
るようになり、センサ6d,6cは「下り列車が来まし
た」というメッセージに対応する警報出力を電波信号と
して送信するようになる。そして、この後、上り列車A
がセンサ6aを通過すると、センサ6aはセンサ6b,
6cに検知信号を送信するようになり、センサ6bは
「上り列車が来ました」というメッセージに対応する警
報出力を電波信号として送信し、一方、センサ6cはこ
の検知信号を受けると、「両方向から列車が来ました」
というメッセージに対応する警報出力を電波信号として
送信するようになる。これにより、地点Pにおいては、
受信器30は、初めに上り列車が接近していることを報
知し、続いて両方向からの列車接近の報知に切換わるよ
うになる。
【0056】この後、センサ6cが下り列車Cを検知し
ている期間中つまり下り列車Cがセンサ6cの光軸を遮
っている期間中に、上り列車Aがセンサ6cを通過して
しまうので、センサ6cは上り列車Aの通過を検出する
ことができない状態となっている。つまり、センサ6c
は、下り列車Cを検知した時点から通過状態を検知する
までの間、光軸L1,L2が遮光状態となっているため
に、上り列車Aを検知することができないのである。そ
こで、センサ6cは、下り列車Cが通過した時点ではま
だ上り列車Aが通過したことを検知できてないために、
再び警報出力として「上り列車が来ました」というメッ
セージに対応する電波信号を送信することになる。
【0057】この後、図9に示すように、別の上り列車
Bが接近してくる場合には、これを検知して新たに警報
出力を電波信号として送信することになるのでそのまま
の状態で検知動作および報知動作を継続させることがで
きるが、別の上り列車Bが接近しない場合には、一度、
センサ6cの受光器8cの操作部13においてリセット
スイッチを操作するかあるいは起動スイッチ29をオフ
にしてから再度オンさせることによりリセット動作を行
なわせることで、この状態から初期状態に戻すことがで
きるようになる。
【0058】(3)第3のケースの場合 これは、第2のケースと類似しているが、例えば、列車
軌道2を走行する上り列車Aと列車軌道4を走行する下
り列車Cとが同時に区間Z内の保線工事地点Pに接近す
る場合で、この場合には、下り列車Cがセンサ6cを通
過中に上り列車Aがセンサ6cに差し掛かり、上り列車
Aが通過した後に下り列車Cが通過する状態を想定して
おり、そのときの各センサ6a〜6eの検知信号および
警報出力の状態は図10に示すようになる。
【0059】まず、第2のケースと同様にして下り列車
Cがセンサ6eにより検知されると共に、その直後に上
り列車Aがセンサ6aにより検知されると、センサ6c
は、「下り列車が来ました」というメッセージに続いて
「両方向からの列車が来ました」というメッセージの警
報出力の電波信号を送信するようになる。この後、下り
列車Cがセンサ6cに差し掛かったことを検知している
期間中に上り列車Aがセンサ6cに差し掛かるので、下
り列車Cが通過した時点の検知が行われなくなり、セン
サ6cは、この後、上り列車Aが差し掛かった時点では
検知できず、上り列車Aの通過した時点で初めて検知す
るようになる。そして、センサ6cは、このような検知
状態の変化に対応できるように、受光入力処理のサブル
ーチンを実行すると、上り列車Aが通過した時点で警報
出力が停止するように対応できるようになっている。
【0060】(4)第4のケースの場合 これは、下り列車CとD(図示せず)とが短い間隔を存
して連続して通過する場合であり、そのときの各センサ
6a〜6eの検知信号および警報出力の状態は図11に
示すようになる。
【0061】この場合には、下り列車CおよびDが次々
にセンサ6eを通過すると、センサ6eはセンサ6d,
6cに検知信号の送信を繰り返すようになる。また、セ
ンサ6dにおいても同様にして下り列車CおよびDの検
知信号をセンサ6c,6bに繰り返し送信するようにな
る。このとき、下り列車CとDとの間隔が短いために、
センサ6cは、下り列車Cを検出してから通過した時点
では、前述の受光入力処理のサブルーチンを実行したと
きに警報出力の送信を停止せず、継続するようになり、
この後下り列車Dが通過した時点で警報出力の送信を停
止するようになっている。
【0062】つまり、センサ6eから送信された検知信
号により警報出力の送信を行っている状態で、センサ6
eをその下り列車Cが通過してしまう前にセンサ6eか
ら下り列車Dの新たな検知信号が送信された場合には、
短い間隔を存して下り列車Dがセンサ6cを通過すると
判断し、下り列車Cが通過した後も警報出力の停止を行
わず、次の下り列車Dが通過した後に停止するようにな
っているのである。
【0063】このような本実施例によれば、区間Zに対
応して多数のセンサ6a〜6eを設け、これらにより列
車の接近およびその進行方向を検出してその検知信号を
電話回線5を介して保線工事地点Pに最も近いセンサ6
cに送信し、そのセンサ6cから電波信号により作業者
が携帯する受信器30に送信する構成としたので、列車
の接近とその進行方向を音声によって報知することがで
きるので、作業者は、だれでも直ぐに認識することがで
き、速やかに退避することができると共に、不必要に遠
くまで退避することなく、確実且つ迅速に退避すること
ができる。
【0064】また、検知信号を既設の電話回線5を利用
して保線工事地点Pの近傍に位置するセンサ6cに送信
するので、受信器30に対する電波信号を遠距離に到達
させるための構成が不要となり、したがって、無線免許
を取得していない作業者でも自由に取り扱うことがで
き、取り扱いに際して制限を受けることがなくなる。
【0065】また、携帯形受信器30として、音声信号
に対応する電波信号を受信できるもので良いので、特殊
な受信機能を必要とせず、その周波数の信号が受信可能
な一般的な受信器を用いることができる。
【0066】さらに、センサ6a〜6eの投光器7およ
び受光器8のそれぞれに、内蔵バッテリおよび太陽電池
を設けて外部給電を不要とする構成としたので、電源ケ
ーブルを設ける必要がなく、設置工事が簡単になる。
【0067】そして、各センサ6a〜6eを、区間Zか
ら遠く離れた地点のセンサの電波出力をオフに設定する
ようにしているので、不要な電波を出力することなく、
消費電力の低減を図ることもでき、さらに、区間Zに対
応するセンサ6a〜6eのみの起動スイッチをオンさせ
て動作させる構成としているので、不要な電力消費を低
減することができる。
【0068】本発明は、上記実施例にのみ限定されるも
のではなく、次のように変形または拡張できる。警報出
力に応じた報知動作は、携帯形受信器30のみならず、
補助手段としてブザーを併用しても良いし、ランプで列
車進行方向を矢印表示を併用しても良し、さらに、振動
などにより作業者に感知させる構成のものを付加的に設
ける構成としても良い。センサ6a〜6eは、固定式で
なくとも、その都度設置する移動方式としても良いし、
その場合に、専用の中継器を設ける構成としても良い
し、さらに、外部電源により駆動する構成のものに適用
することもできる。信号ラインは、電話回線5以外に、
専用のものを敷設する構成としても良い。そして、電話
回線5を介した信号の授受は、アドレス指定ではなく、
進行方向を示すコード信号を送信する構成とし、進行方
向に位置する受信部でこれを受信して判断する構成とし
ても良い。
【0069】
【発明の効果】本発明の列車接近警報装置によれば、以
下に示すような効果を奏することができる。すなわち、
請求項1記載の列車警報装置によれば、複数の列車検知
センサを線路に沿って前記特定領域から両方向に所定距
離以上離れた地点に設け、中継器により信号ケーブルを
介して検知信号を受信するとその列車の進行方向を示す
電波信号を無線免許を必要としない電波出力範囲内で
信させ、特定領域内に存在する受信装置により電波信号
を受信して音声により接近する列車の進行方向を報知す
るようにしたので、特定領域内の作業者は、作業中であ
ってもそのままの状態で列車の接近とその進行方向を音
声により確実に認識することができるようになり、線路
内から安全な場所に退避したりあるいは、列車が通行し
ない列車軌道側に退避することで安全性を確保すること
ができるようになり、しかも、受信装置に対する電波信
号を特定領域に対応して設置する中継器から出力するの
で、電波信号の出力を特定領域として設定されている近
距離の範囲内に送信可能な程度に設定すれば良く、した
がって、無線免許を必要としない程度の電波出力範囲内
で使用することができるという優れた効果を奏する。
【0070】請求項2記載の列車警報装置によれば、
数の列車検知センサを線路に沿った所定区間内において
所定間隔を存して固定的に配置し、その所定区間内に特
定領域を設定するので、設定すべき特定領域が所定区間
内で移動する場合でも、移動した場所に配置されている
列車検知センサを用いることができ、列車検知センサを
移動させたり、投光器と受光器との間の光軸調整を行う
手間が省けて使い勝手が向上するという優れた効果を奏
する。
【0071】請求項3記載の列車警報装置によれば、
車検知センサ機能と中継器機能とを備えた複数個の中継
機能付列車検知センサを、線路に沿った所定区間内に互
いに所定間隔を存して隣接するように固定的に配置して
それらを信号ケーブルを介して接続した構成としたの
で、所定区間内で特定領域が設定されると、その特定領
域内に位置するものが中継器機能を利用するように設定
され、その特定領域から両方向に所定距離以上離れたと
ころに位置するものが列車検知センサ機能を利用するよ
うに設定され、これによって、列車接近の検知を行なっ
て受信装置に送信することができるようになり、所定区
間内での特定領域の設定変更に伴う列車検知センサの移
動をする必要がなくなり、しかも、無線免許を必要とし
ない程度の電波出力範囲内で使用することができるとい
う優れた効果を奏する。
【0072】請求項4記載の列車警報装置によれば、
般的に線路に沿って敷設されている緊急用などの電話回
線を利用して信号ケーブルとして使用することができる
ので、列車検知センサによる検知信号を中継器に対して
電話回線を介して送信することができるようになり、別
途に専用の信号ケーブルを設ける必要がなく、安価且つ
簡単に利用できるという優れた効果を奏する。
【0073】請求項5記載の列車警報装置によれば、各
列車検知センサに電源としてのバッテリを設けると共
に、バッテリの充電用として太陽電池を設ける構成とし
ているので、各列車検知センサに対応して電源ケーブル
を配設する必要がなくなり、設置のための作業が簡単に
なるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電気的構成図
【図2】線路の平面図
【図3】列車検知センサの外観斜視図
【図4】信号系統の接続構成図
【図5】メイン制御プログラムのフローチャート
【図6】受光入力処理のサブルーチンのフローチャート
【図7】外部入力処理のサブルーチンのフローチャート
【図8】第1のケースの信号入力状態を示す作用説明図
【図9】第2のケースの図8相当図
【図10】第3のケースの図8相当図
【図11】第4のケースの図8相当図
【符号の説明】
1は線路、2〜4は列車軌道、5は電話回線(信号ケー
ブル)、6は列車検知センサ、7は投光器、8は受光
器、9はベース部、10は本体ケース、11は投光部、
12は受光部、13は操作部、14は太陽電池パネル、
15a,15bは投光回路、16は起動スイッチ、17
は内蔵バッテリ、18は太陽電池、19a,19bは受
光回路、20は制御回路、21は入出力回路、22はア
ドレス設定部、23は音声信号発生回路、24は無線信
号出力回路、25は周波数設定回路、26は出力動作設
定回路、27は内蔵バッテリ、28は太陽電池、29は
起動スイッチ、30は携帯形受信器、30aはアンテ
ナ、30bはスピーカである。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の列車軌道が敷設された線路の特定
    領域に接近する列車を検出してその特定領域内の作業者
    に報知するようにした列車接近警報装置において、 前記線路に沿って前記特定領域から両方向に所定距離以
    上離れた地点に設けられるものであって、前記複数の列
    車軌道を挟んで対向配置され列車の通行方向に沿って設
    定される複数の光軸を有する一対の投光器および受光器
    と、その受光器における各光軸の受光状態の変化とその
    変化の順序に応じて前記複数の列車軌道のいずれかを通
    過する列車の有無およびその進行方向を検出する検出手
    段とからなる複数の列車検知センサと、 前記特定領域に対応して配置され、前記複数の列車検知
    センサと信号ケーブルを介して接続されるものであっ
    て、いずれかの列車検知センサから通過列車検出の信号
    を受信するとその列車の進行方向を示す電波信号を無線
    免許を必要としない電波出力範囲内で発信する中継器
    と、 この中継器からの電波信号を受信可能な範囲内として設
    定された前記特定領域内において受信すると前記通過列
    車が接近していることをその進行方向の情報と共に音声
    として出力する携帯形の受信装置とを設けて構成したこ
    とを特徴とする列車接近警報装置。
  2. 【請求項2】 前記列車検知センサは、前記線路に沿っ
    た所定区間内において複数個のものが互いに所定間隔を
    存して隣接するように固定的に配置され、 前記特定領域は、前記列車検知センサが配置された所定
    区間内に設定されることを特徴とする請求項1記載の列
    車接近警報装置。
  3. 【請求項3】 複数の列車軌道が敷設された線路の特定
    領域に接近する列車を検出してその特定領域内の作業者
    に報知するようにした列車接近警報装置において、 前記線路に沿った所定区間内で複数個のものが互いに所
    定間隔を存して隣接するように固定的に配置され信号ケ
    ーブルを介して接続されるものであって、そのそれぞれ
    は、前記複数の列車軌道を挟んで対向配置され列車の通
    行方向に沿って設定される複数の光軸を有する一対の投
    光器および受光器と、その受光器におけ る各光軸の受光
    状態の変化とその変化の順序に応じて前記複数の列車軌
    道のいずれかを通過する列車の有無およびその進行方向
    を検出する検出手段とからなる複数の列車検知センサ機
    能と、他のものから前記信号ケーブルを介して通過列車
    検出の信号を受信するとその列車の進行方向を示す電波
    信号を無線免許を必要としない程度の電波出力範囲内で
    発信する中継器機能とを有する中継機能付列車検知セン
    サと、 この中継機能付列車検知センサからの電波信号を受信可
    能な範囲内として設定された前記特定領域内において受
    信すると前記通過列車が接近していることをその進行方
    向の情報と共に音声として出力する携帯形の受信装置と
    を設けた構成とし、 前記中継機能付列車検知センサは、前記所定区間内の任
    意の領域に前記特定領域が設定されたときに、その特定
    領域内に位置するものが前記中継器機能を利用するよう
    に設定され、その特定領域から両方向に所定距離以上離
    れたところに位置するものが前記列車検知センサ機能を
    利用するように設定されることを特徴とする列車接近警
    報装置。
  4. 【請求項4】 前記信号ケーブルは、前記線路に沿って
    予め配設されている電話回線を利用することを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の列車接近警報装
    置。
  5. 【請求項5】 前記列車検知センサは、電源としての
    ッテリを有すると共にこのバッテリの充電用の太陽電池
    を有する構成とされていることを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれかに記載の列車接近警報装置。
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