JP2930579B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタ

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JP2930579B2
JP2930579B2 JP9398698A JP9398698A JP2930579B2 JP 2930579 B2 JP2930579 B2 JP 2930579B2 JP 9398698 A JP9398698 A JP 9398698A JP 9398698 A JP9398698 A JP 9398698A JP 2930579 B2 JP2930579 B2 JP 2930579B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録シートに付着し
たインクを定着させるためのヒーターを有するインクジ
ェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】図7はこの種のインクジェットプリンタ
の全体構成を示す縦断面図である。図7において、用紙
やプラスチック薄板などの記録シート(記録媒体)1は
カットシートであり、カットシートフィーダーに積層さ
れたカットシート1は最上層のものから1枚づつ給紙ロ
ーラ3および分離爪2によって分離給送される。給送さ
れた記録シート1は紙送りローラ(フリクションロー
ラ)4とそれに圧接されたピンチローラ5に挟まれ、紙
送りローラ4の回転量を制御することにより所定の位置
まで送り込まれる。
【0003】6はインクジェット式の記録ヘッド(イン
クジェットヘッド)を示し、この記録ヘッド6はキャリ
ア7に取付けられており、該キャリア7を印字桁方向
(記録シート1を横切る方向)に往復動させて1ライン
分づつ記録画像を形成し、紙送り(改行)を行うように
構成されている。すなわち、記録ヘッド6の前面(記録
シート1に対抗する面)には複数のインク吐出口が縦に
並べて形成されており、キャリア7の移動を制御するこ
とにより記録ヘッド6を記録シート1の一端から他端へ
主走査すること、並びに、紙送りローラ4によって記録
シート1をピッチ送りして副走査することにより、記録
シート1の全域にわたって画像あるいは文字を記録して
いくように構成されている。
【0004】記録ヘッド6に対面する位置から後流側
(上側)のシート送り経路に沿って、記録シート1上の
記録インクを定着させるためのヒーター部8が配置され
ている。このヒーター部8は、記録シート1の案内板を
兼ねており、図示の例では記録シート1の裏面に接触し
て案内するガイド板8aと該ガイド板8aの裏面に添設
された発熱体8bとで構成され、例えば摂氏60度程度
に温度調節され記録シート1上に付着したインクの乾燥
を促進するものである。図示の例では、前記ヒーター部
8は、記録ヘッド6の前面をカバーする範囲に設置さ
れ、プラテンとしての機能も有している。前記ヒーター
部8を通過した記録シート1は、該ヒーター8の上側
(排出側)に配置された排出ローラ9とそれに圧接する
拍車ローラ10a、10bによって、スタッカ上へ排出
される。
【0005】記録装置の本体に設けた支軸12にアーム
13が枢支され、該アーム13に設けた支軸14にロー
ラ支持部材15が枢支されており、前記一対の拍車ロー
ラ10a、10bは、このローラ支持部材15に軸支さ
れ、前記アーム13および該ローラ支持部材15をばね
(不図示)で排出ローラ9へ向けて付勢することによ
り、排出ローラ9に圧接されている。また、前記アーム
13には拍車16が軸支されており、この拍車16は、
記録シートが浮き上がって記録ヘッド6に接触し汚れて
しまうことを防止するためのものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の記録装置に
あっては、記録シート1がヒーター部(プラテン)8に
より直接加熱されるため、例えばホスト側のデータ処理
時間が長い場合など、ヒーター部8上に長時間停止する
場合がある。この時、記録シート1は記録面(表)側が
インクにより濡れており、裏面がヒーター部8により加
熱され、この熱でインクの水分およびシート1の含有水
分が蒸発する。ところが、水分は記録面側からは自由に
蒸発するが、裏面側ではヒーター部8のガイド板8aと
記録シート1とに挟まれているので水蒸気が逃げ難く記
録面ほど蒸発できない。このため、記録シート1の裏と
表とでは乾燥の程度に差異が生じ、シートの収縮率の差
異となって表われ、その結果記録シート1は乾燥しやす
い面の方向すなわち記録ヘッド6の方向へ反ってくる。
そのため、記録シート1と記録ヘッド6とのギャップが
狭くなり、ついには記録シート1と記録ヘッド6とが擦
れて汚れの発生となる。あるいは、汚れの発生までには
至らなくとも、記録シート1に凹凸が生じ記録画像のズ
レとなるなどの問題がある。また,水蒸気によりヘッド
面がぬれるという問題もある。
【0007】本発明は上記技術的課題に鑑みなされたも
のであり、本発明の目的は、ヒーターと記録シートとの
距離を短くするとともに、ヒーターの熱を直接記録シー
トに伝えるようにすることで、十分な加熱効果を発揮す
ることができ、また、記録シートの裏面から蒸発した水
蒸気を記録領域(インクジェットヘッドと記録シートと
を離間した状態でインクを記録シートに付与する領域)
から常時外部へ除去することにより、記録シートの表裏
の乾燥度の差を減少させて記録シートの反りを大幅に減
少または無くすことができ、さらに、記録シートの送り
に際して記録シートの先端が引っ掛かって詰まってしま
うなどの搬送不良を生じることがないインクジェットプ
リンタを提供することである。
【0008】
【課題解決のための手段】本発明は、上記目的を達成す
るため、インクジェットヘッドと記録シートとを離間し
た状態でインクを前記記録シートに付与する記録領域に
設けられ、前記記録シート裏面を支持するためのガイド
部材と、前記記録シートを、前記ガイド部材と前記イン
クジェットヘッドとの間を通過して送る搬送手段と、前
記ガイド部材に対して前記インクジェットヘッドの配さ
れる側とは反対側に配され、前記記録シートの裏面側か
ら加熱することにより前記記録シートに付着したインク
を定着するためのヒーターと、を有するインクジェット
プリンタであって、前記ガイド部材は、前記記録シート
の搬送方向に沿った方向に延在する複数の第1の線材
と、前記第1の線材と交差する方向に延在する複数の第
2の線材と、を具備するメッシュ構造を有し、前記ガイ
ド部材の前記記録シートと接触する部位では、前記第1
の線材の前記インクジェットヘッド側には前記第2の線
材が存在しないことを特徴とする。
【0009】
【作用】インクジェットヘッドと記録シートとを離間し
た状態でインクを前記記録シートに付与する記録領域に
おいて、前記インクジェットヘッドの配された側とは反
対側に配されたヒーターを有するメッシュ部材で前記記
録シートの裏面を支持するので、記録シートと全面で接
触していなくても十分な加熱効果を発揮するとともに、
記録シートの裏面から蒸発した水蒸気を記録領域から常
時外部へ除去することが可能となり、それによって、記
録シートの表裏の乾燥度の差を減少させて記録シートの
反りを大幅に減少または無くすことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の関連構成としての
インクジェットプリンタの定着用のヒーター部の一構成
例20を示す斜視図であり、図2は図1中の線2−2に
沿った断面図である。図1および図2において、図7中
のヒーター部8として使用されるヒーター部20は表側
のガイド板(プラテン)21と裏側の面状発熱体22を
接着あるいはハンダ等で一体的に接合した構造を有し、
これを表から裏へ貫通する通孔23が所望の分布を成し
て多数形成されている。前記各通孔23は発熱体22の
熱により記録シート1から発生する水蒸気を逃すための
ものであり、その分布範囲は定着すべき記録シート1の
全巾にわたっている。
【0011】ここで、前記通孔23の大きさが大きすぎ
ると、記録シート1がこの通孔23の部分では加熱され
ないことから、記録インクが未定着のままとなってしま
い、また、通孔23のピッチが大きすぎると、定着は促
進されるが水蒸気を逃がす効果はうすくなる。実用機で
実験した例では、直径1〜3mmの通孔23をピッチ3
〜5mmで配置したところ、記録シート1の表裏乾燥度
の差を減少させ、記録シート1の反りをほとんどなくす
ことができた。
【0012】図3は本発明の関連構成としてのインクジ
ェットプリンタの定着用のヒーター部の他の構成例30
を示す斜視図であり、図4は図3中の線4−4に沿った
部分断面図である。図3および図4において、図7中の
ヒーター部8として使用されるヒーター部30は表側の
ガイド板(プラテン)31と裏側の面状発熱体32を接
着あるいはハンダ等で一体的に接合した構造であり、記
録シート1の裏面に接するガイド板31の表面には記録
シート1の送り方向と略平行に溝33が形成されてい
る。この溝33は所望ピッチで記録シート1の全巾にわ
たって多数形成されている。また、各溝33はガイド板
31を上下に通り抜けるように形成され、それらの上下
端はガイド板31の上下の外部空間へ開口している。
【0013】図3および図4のヒーター部30によれ
ば、記録シート1の裏面から蒸発した水蒸気を各溝33
を通して常時外部空間へ放出することができ、したがっ
て、記録シート1の表裏の乾燥度の差を減少させ、記録
シート1の反りを大巾に減少または無くすことができ
た。また、各溝33は記録シート1の送り方向と略平行
に形成されているので、シート送りに際し記録シート1
の先端が引っ掛かって紙詰まり等の不具合が生じること
はない。さらに、図4に示すごとく、各溝33はガイド
板31を貫通するものではないので、裏面の面状発熱体
32に孔などを加工する必要がなく、接着も容易に行う
ことができる。
【0014】図5は本発明に係るインクジェットプリン
タの一実施例における定着用のヒーター部を示す斜視図
であり、図6は図5中の線6−6に沿った断面図であ
る。図5および図6において、図7中のヒーター部8と
して使用されるヒーター部40は、表側のメッシュで形
成されたガイド部材(プラテン)41と該ガイド部材4
1の裏側に接合された面状発熱体42と該面状発熱体4
2の裏面に接合され全体を支持する基板43とで構成さ
れている。前記ガイド部材41を形成するメッシュは、
例えば金属やプラスチックなどの細い線材(丸形断面や
薄形断面などの種々の断面のものを含む)を縦横に組付
けた構造をしており、該ガイド部材41に沿って送られ
る記録シート1の裏面から生じる水蒸気は該メッシュ4
1の間を通してその上下端および左右端から容易に外部
へ逃がすことができる。前記メッシュ41の寸法構造は
記録シート1の表裏の水分蒸発度を考慮して適当に選定
することができる。
【0015】図5および図6の実施例によれば、記録シ
ート1の裏面から蒸発した水蒸気をメッシュ構造のガイ
ド部材(プラテン)41内部を通してその端縁部から常
時外部へ放出することができ、したがって、記録シート
1の表裏の乾燥度の差を減少させ、記録シート1の反り
を大巾に減少または無くすことができる。また、メッシ
ュ41は金属板などの板部材より薄くすることができ、
記録シート1と面状発熱体42との間隔を小さくできる
ので、加熱効果(ヒーター効果)を充分に維持すること
が容易である。また、図示のように、ガイド部材41
は、記録シート1の搬送方向に沿った方向に延在する複
数の第1の線材と該第1の線材と交差する方向に延在す
る複数の第2の線材とを具備するメッシュ構造を有し、
該ガイド部材41の記録シート1と接触する部位では、
第1の線材のインクジェットヘッド6側には第2の線材
が存在しないように構成したので、記録シート1の送り
に際して該記録シート1の先端が引っ掛かって詰まって
しまうなどの搬送不良を生じることがない。
【0016】なお、図6の構造において基板43と面状
発熱体42との間に断熱材の層を設ければ、前述の効果
に加えて発熱体42の熱を効率的に伝達できるという効
果が得られる。また、図6において、メッシュは絶縁被
覆された発熱線で形成することができ、その場合は面状
発熱体42を削除して構造を簡単化することができる。
【0017】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、請求項
1の発明によれば、インクジェットヘッドと記録シート
とを離間した状態でインクを前記記録シートに付与する
記録領域に設けられ、前記記録シート裏面を支持するた
めのガイド部材と、前記記録シートを、前記ガイド部材
と前記インクジェットヘッドとの間を通過して送る搬送
手段と、前記ガイド部材に対して前記インクジェットヘ
ッドの配される側とは反対側に配され、前記記録シート
の裏面側から加熱することにより前記記録シートに付着
したインクを定着するためのヒーターと、を有するイン
クジェットプリンタであって、前記ガイド部材は、前記
記録シートの搬送方向に沿った方向に延在する複数の第
1の線材と、前記第1の線材と交差する方向に延在する
複数の第2の線材と、を具備するメッシュ構造を有し、
前記ガイド部材の前記記録シートと接触する部位では、
前記第1の線材の前記インクジェットヘッド側には前記
第2の線材が存在しない構成としたので、前記ガイド部
材は金属板等の板部材により薄くできることから、ヒー
ターと記録シートとの距離を短くすることができ、記録
シートとガイド部材とが全面で接触するものではないこ
とから、ヒーターの熱を各線材の間の空隙を通して直接
記録シートに伝えることができ、それによって、十分な
加熱効果を維持することができ、また、記録シートの裏
面から蒸発した水蒸気をガイド部材の空隙を通して記録
領域(インクジェットヘッドと記録シートとを離間した
状態でインクを記録シートに付与する領域)から常時外
部へ除去することができ、それによって、記録シートの
表裏の乾燥度の差を減少させて該記録シートの反りを大
幅に減少または無くすことができ、さらに、ガイド部材
の記録シートと接触する部位では第1の線材のインクジ
ェットヘッド側には第2の線材が存在しないことから、
記録シートの送りに際して記録シートの先端が引っ掛か
って詰まってしまうなどの搬送不良を生じることがない
インクジェットプリンタが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の関連構成としてのインクジェッ
トプリンタの定着用のヒーター部の一構成例を示す斜視
図である。
【図2】図1中の線2−2に沿った断面図である。
【図3】本発明の関連構成としてのインクジェットプリ
ンタの定着用のヒーター部の他の構成例を示す斜視図で
ある。
【図4】図3中の線4−4に沿った部分断面図である。
【図5】本発明に係るインクジェットプリンタの一実施
例における定着用のヒーター部を示す斜視図である。
【図6】図5中の線6−6に沿った断面図である。
【図7】ヒーター部を有するインクジェットプリンタの
全体構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 記録シート 4 紙送りローラ 6 記録ヘッド 7 キャリア 9 排出ローラ 40 ヒーター部 41 メッシュ(ガイド部材、プラテン) 42 面状発熱体 43 基板

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェットヘッドと記録シートと
    を離間した状態でインクを前記記録シートに付与する記
    録領域に設けられ、前記記録シート裏面を支持するため
    のガイド部材と、 前記記録シートを、前記ガイド部材と前記インクジェッ
    トヘッドとの間を通過して送る搬送手段と、 前記ガイド部材に対して前記インクジェットヘッドの配
    される側とは反対側に配され、前記記録シートの裏面側
    から加熱することにより前記記録シートに付着したイン
    クを定着するためのヒーターと、 を有するインクジェットプリンタであって、 前記ガイド部材は、 前記記録シートの搬送方向に沿った方向に延在する複数
    の第1の線材と、 前記第1の線材と交差する方向に延在する複数の第2の
    線材と、 を具備するメッシュ構造を有し、 前記ガイド部材の前記記録シートと接触する部位では、
    前記第1の線材の前記インクジェットヘッド側には前記
    第2の線材が存在しないことを特徴とするインクジェッ
    トプリンタ。
  2. 【請求項2】 前記メッシュ構造はその全面で前記ヒ
    ーターと直接対面していることを特徴とする請求項1に
    記載のインクジェットプリンタ。
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