JP2930105B2 - 移動通信システム - Google Patents

移動通信システム

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JP2930105B2
JP2930105B2 JP9204422A JP20442297A JP2930105B2 JP 2930105 B2 JP2930105 B2 JP 2930105B2 JP 9204422 A JP9204422 A JP 9204422A JP 20442297 A JP20442297 A JP 20442297A JP 2930105 B2 JP2930105 B2 JP 2930105B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動通信システム
に関し、特に無線基地局の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、携帯電話システム等の移動通信
システムは、図4に示すように構成されている。即ち、
この種の移動通信システムは、公衆網(例えば、PST
N:Public switched Telephone Network )41に接続
される移動交換局42と、移動交換局42に、それぞれ
回線43、44を介して接続される複数の無線基地局4
5、46と、各無線基地局のサービスエリア47、48
内に存在する移動局49とを有している。
【0003】この種の移動通信システムでは、移動局4
9同士の通信、または、移動局49と公衆網41との通
信を実現するために、移動交換局42が、呼制御(発着
呼制御)、移動管理(移動局の認証、位置登録)、及び
無線管理を行う。ここで、これらの制御及び管理は、各
無線基地局45、46が移動局49と交信することによ
り得た情報に基づいて行われる。
【0004】この種の移動通信システムの1つとしてR
CR STD−27*(*は、Aから順次発行され、現
段階ではFまで発行されている)で規定されるPDC
(Personal Digital Cellular )ディジタル移動通信シ
ステムがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】移動通信システムにお
ける携帯電話等の移動局は、無線により無線基地局と交
信を行うため、地震や台風などの災害発生時に、加入者
線切断等の被害による通話不能状態に成り得ず、通常時
以上に有力な通信手段と成りうる。
【0006】しかしながら、この種のシステムでは、無
線基地局と移動交換局との間は有線回線で接続されるこ
とが多く、この回線が切断してしまうと、その無線基地
局のサービスエリア内に存在する移動局は、通話不能状
態になってしまうという問題点がある。
【0007】この問題点を解決するシステムとして、特
開平1−114224号公報には、移動局に、基地局の
異常を検出した場合に、他の基地局の通信周波数を用い
て通信を行う手段を設けたシステムが提案されている。
しかしながら、このシステムでは、異常が発生した基地
局のサービスエリア内に位置する全ての移動局が、隣接
するサービスエリアの基地局と通信できるわけではな
い。即ち、移動局は、本来のサービスエリアよりも狭い
範囲でしか使用できない。また、本来のサービスエリア
を保証しようとすると、膨大なコストがかかる。
【0008】本発明は、無線基地局と移動交換局との間
を接続する回線が切断された場合であっても、その無線
基地局のサービスエリア内に存在する移動局同士の通信
だけは保証できる移動通信システムを提供することを目
的とする。
【0009】また、本発明は、無線基地局と移動交換局
との間を接続する回線が切断された場合の緊急通信手段
を廉価に提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、公衆網に接続
された交換局と、該交換局に回線により接続された無線
基地局と、該無線基地局のサービスエリアに存在すると
きに当該無線基地局と無線通信可能な移動局とを含む移
動通信システムにおいて、前記無線基地局が、前記回線
の断を検出する検出手段と、該検出手段により前記回線
の断が検出されたときに、当該無線基地局のサービスエ
リア内に存在する前記移動局同士の通信を可能にする緊
急通信手段とを有することを特徴とする。
【0011】具体的には、前記緊急通信手段は、前記サ
ービスエリア内に存在する前記移動局に関する位置登録
情報を管理するローカル位置登録管理手段と、前記位置
登録情報を参照して前記サービスエリア内に存在する移
動局同士の通信制御を行うローカル呼制御手段とを有す
る。
【0012】また、前記ローカル呼制御手段は、前記移
動局同士の通信を実現する際に、各移動局の認証手続き
をスキップする手段を含む。
【0013】また、本発明は、公衆網に接続された交換
局に回線により接続され、サービスエリアを形成して該
サービスエリア内に位置する移動局と無線通信する無線
基地局において、前記回線の断を検出する検出手段と、
該検出手段により前記回線の断が検出されたときに、前
記サービスエリア内に存在する前記移動局同士の通信を
可能にする緊急通信手段とを有する。
【0014】具体的には、前記緊急通信手段は、前記サ
ービスエリア内に存在する前記移動局に関する位置登録
情報を管理するローカル位置登録管理手段と、前記位置
登録情報を参照して前記サービスエリア内に存在する移
動局同士の通信制御を行うローカル呼制御手段とを有す
る。
【0015】また、前記ローカル呼制御手段は、前記移
動局同士の通信を実現する際に、各移動局の認証手続き
をスキップする手段を含む。
【0016】
【作用】無線基地局は、異常状態検出部が交換局との間
の回線の異常状態を認識すると、ローカル位置登録管理
部とローカル呼処理部を起動し、そのサービスエリア内
に存在する移動局の位置登録管理、及び登録された移動
局同士の呼制御を単独で実行し、サービスエリア内に存
在する移動局同士の通信を実現する。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。なお、ここでは、R
CR STD−27で規定されるPDCディジタル移動
通信システムを想定している。
【0018】図1に本発明の移動通信システムの一実施
の形態を示す。この移動通信システムは、公衆網(図示
せず)に接続された移動交換局(MSC)10と、移動
交換局10に回線15により接続された無線基地局20
と、無線基地局20のサービスエリア(図示せず)内に
位置する移動局30a、30bを有している。なお、こ
こでは、無線基地局20は1つしか示さないが、通常は
複数設けられる。また、移動局30は、任意の位置へ移
動するものであり、サービスエリア内に必ず存在するも
のではなく、また、2台に限らず多数存在する場合もあ
る。
【0019】無線基地局20は、アンテナ201、TR
X(送受信機)202、203、CPU204、及び回
線インターフェース部205を有している。
【0020】アンテナ201は、TRX202、203
からの無線信号を空中に送信するとともに、移動局30
からの無線信号を受信する。
【0021】TRX202、203は、移動局30へ送
信する呼制御信号や、通信信号などのベースバンド信号
を無線信号に変換し、それぞれ、周波数Fa1、Fb1
で送信する。また、TRX202、203は、移動局3
0からの周波数Fa2、Fb2の無線信号を受信してベ
ースバンド信号に変換する。
【0022】CPU204は、無線基地局20の制御の
中心を担うもので、回線インタフェース部205からの
情報に基づいて、異常状態に移行する異常検出部206
と、異常検出部206によって起動されるローカル位置
登録管理部207及びローカル呼制御部208とを含
む。また、ローカル呼制御部208は、認証スキップ部
209を有している。
【0023】回線インターフェース部205は、CPU
204が、移動交換局10と回線15を介して呼制御信
号及び通信信号等のやり取りを行うためのインターフェ
ースであって、回線15の断を検出する回線断検出部2
10を含む。この回線断検出部210は、回線15の状
態を常時監視しており、回線が断になったとき、そのこ
とを検出してCPU204の異常検出部206に通知す
る。
【0024】移動交換局10は、呼制御、移動管理、無
線管理等を主に行う交換局であって、移動局に関する位
置登録情報や加入者情報の管理も行っている。
【0025】次に、図2及び図3を参照して、図1の移
動通信システムの動作について説明する。
【0026】移動局30a、30bと無線基地局20と
の間の無線インターフェースは、RCR STD−27
の規定に従うものとする。即ち、TRX202が、制御
用物理チャンネル(周波数Fa1,Fa2)を受け持
ち、ハーフレート音声であれば、同時に同じ周波数で4
チャンネルの通信用物理チャンネルを受け持つことがで
きる。同様に、TRX203は、6チャンネルのハーフ
レート音声の通信用物理チャンネル(周波数Fb1,F
b2)を受け持つことができる。
【0027】無線基地局20のCPU204は、常に、
回線インターフェース部205の回線断検出部210か
らの情報を見ており、回線15が正常につながっている
場合は、主に呼処理、移動管理、無線管理を行う移動交
換局10と、回線インタフェース部205を介して信号
のやり取りを行う。また、CPU204は、移動局30
aと公衆網、または、移動局同士の通信を実現する。即
ち、CPU204は、回線15が正常な場合には、図2
のステップS1及びステップS2を繰り返し実行する。
なお、無線基地局20と移動交換局10との間の信号の
やり取りは、TTC JJ−70.11、に基づいて行
うことを、ここでは想定している。ただし、ここでは、
TTC JJ−70.11にあるホームロケーションレ
ジスタ(HLR)や、関門ロケーションレジスタ(GL
R)等の公衆網側の機能についても移動交換局10が行
うものとしている。また、回線15としては、例えば、
1.5MbpsのISDN専用回線が利用できる。
【0028】異常状態検出部206は、誤検出防止のた
めに、例えば10分以上回線断状態が続いた場合に異常
状態であると判断する。ここで、回線の復旧が困難と見
られる場合、例えば、震度5以上の地震によって回線1
5が断したような場合にのみ異常状態を検出するよう
に、異常状態検出部206に地震計を接続するようにし
てもよい。なお、回線15が二重化されている等の冗長
性を有している場合には、回線の全てが断した場合に異
常状態と判断するようにする。
【0029】異常状態検出部206が、回線15の異常
状態を検出すると、CPU204は、図2のステップS
3及びS4で、ローカル位置登録管理部207及びロー
カル呼制御部207を起動する。
【0030】回線15が正常な時においては、移動局の
加入者番号(MSN)や移動機番号(MNI)や位置情
報は、移動交換局10で管理しているが、回線15が異
常状態であると判断された時点で、CPU204は、自
局のサービスエリア内に位置する移動局に対して位置登
録要求を送信させ、ローカル位置登録管理部207にお
いて、加入者番号や移動機番号を含んだ位置登録情報を
作成する(図2のステップS3)。なお、RCR ST
D−27の規定によれば、制御チャンネルの中にある報
知情報を用いて、位置登録タイマの設定などにより定期
的に位置登録情報を移動局から送信させることが可能で
ある。
【0031】以上のようにして、サービスエリア内に位
置する移動局の位置登録が終わると、ローカル呼制御部
208の呼制御(図2のステップS4)が可能になる。
ローカル呼制御部208の動作を図3を参照して説明す
る。
【0032】ここでは、移動局30a及び移動局30b
が、無線基地局20のサービスエリア内に存在してお
り、移動局30aから移動局30bへ発信する場合につ
いて説明する。
【0033】まず、移動局30aは、相手(即ち、移動
局30b)の加入者番号を含む“呼設定信号”を、無線
基地局20へ送信する。
【0034】無線機基地局20では、アンテナ201に
より移動局30aからの“呼設定信号”を受信する。受
信した“呼設定信号”は、TRX202を介してCPU
204に供給される。
【0035】CPU204のローカル呼制御部208
は、“呼設定信号”を受け取ると、それに含まれている
加入者番号が、ローカル位置登録管理部207に位置登
録情報として登録されているか確認する。
【0036】加入者番号が位置登録情報として登録され
ていることが確認されると、ローカル呼制御部208
は、乱数を含む“認証要求信号”を、TRX202及び
アンテナ201を介して移動局30aへ送信する。逆
に、加入者番号の登録が確認されなければ、ローカル呼
制御部208は、“移動局解放信号”を移動局30aへ
送信し、呼の解放を行う。
【0037】移動局30aは、“認証要求信号”を受け
取ると、所定の演算を行い、その結果を“認証応答信
号”として送出する。
【0038】ローカル呼制御部208は、“認証応答信
号”を受け取ると、認証スキップ部209の働きによ
り、そのまま認証を容認する。そして、ローカル呼制御
部208は、発呼側の移動局30aに対してTCH(通
信用チャンネル)起動要求を行い、移動局30aとTR
X202との間でTCH起動が確認されると、通信用物
理チャンネル(周波数Fa1,Fa2)に移行する。
【0039】また、ローカル呼制御部208は、着呼側
の移動局30bに対して、TRX202から、その移動
機番号を含む“ページング信号”を送出する。移動局3
0bは、“ページング信号”に応答して“着信無線状態
報告信号”を送出する。
【0040】ローカル呼制御部208は、移動局30b
からの“着信無線状態報告信号”を受け取ると、移動局
30aに対して行った認証手続きと同様の手続きを行
う。即ち、ローカル呼制御部208は、移動局30bに
対して乱数を含む“認証要求信号”を送信する。移動局
30は、“認証要求信号”に応答して所定の演算を行
い、その演算結果を“認証応答信号”として返送する。
【0041】ローカル呼制御部208は、移動局30b
からの“認証応答信号”を受け取ると、認証スキップ部
209の働きにより、その認証を容認する。そして、移
動局30bに対して、TCH起動要求を行う。そして、
TRX203と移動局30bとの間でTCH起動が確認
されると、通信用物理チャンネル(周波数Fb1,Fb
2)に移行する。
【0042】次に、ローカル呼制御部208は、移動局
30bに対して“呼設定信号”を送出する。“呼設定信
号”を受け取った移動局30bは、“呼出信号”を返送
する。この後、移動局30bは、オフフックにより“応
答信号”を送出し、以後、移動局30aと移動局30b
との間で通話が可能になる。
【0043】通話中、無線基地局20では、TRX20
2とTRX203との間で、通話信号をやり取りするこ
とにより、移動局30aと移動局30bとの通話を実現
する。このとき、通話信号がディジタル信号であり、誤
り訂正符号を含むのであれば、一方(受信側)のTRX
で誤り訂正を行ってから、他方(送信側)へ出力するよ
うにしてもよい。なお、PDCディジタル移動通信シス
テムでは、音声信号として特殊な高能率圧縮信号が用い
られているが、無線基地局は音声信号の中継を行うだけ
なので、コーデック(CODEC)機能は必要ない。
【0044】なお、上記実施の形態では、無線基地局2
0のサービスエリア内に存在する1つの移動局30aと
別の移動局30bとの通信を実現する場合について述べ
たが、本システムでは、無線基地局20においてサービ
スエリア内に存在する全ての移動局の位置登録管理を行
っているので、サービスエリア内の全ての移動局に対し
て一斉着呼させることも可能である。これは、例えば、
移動局を所持するユーザーが地震により建物の中に生き
埋めになった場合などに、非常に有効な捜索手段とな
る。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、無線基地局と移動交換
局との間の回線が断した場合であっても、その無線基地
局のサービスエリア内に存在する移動局同士の通信を確
保できるので、緊急用の通信手段として利用することが
できる。
【0046】また、無線基地局は、異常状態に備えて、
ローカル位置登録情報管理手段、呼処理制御手段を備え
る必要があるが、異常状態においては、正常状態におけ
る処理を行う必要がないので、メモリ等については、正
常状態における制御処理と異常状態における制御処理と
で共用する(割り振る)ことが可能で、従来の基地局と
さほど変わらないコストで緊急通信システムを提供する
ことができる。
【0047】さらにまた、本発明によれば、移動局の認
証をスキップする手段を設けたことで、移動局に改良を
加える必要がなく、既存の移動局がそのまま利用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すブロック図であ
る。
【図2】図1のCPUの動作を説明するためのフローチ
ャートである。
【図3】図1のローカル呼制御手段の動作を説明するた
めの図である。
【図4】従来の移動通信システムを示す図である。
【符号の説明】
10 移動交換局(MSC) 15 回線 20 無線基地局(BS) 30a,30b 移動局(MS) 201 アンテナ 202,203 TRX 204 CPU 205 回線インターフェース部 206 異常検出部 207 ローカル位置登録管理部 208 ローカル呼制御部 209 認証スキップ部 210 回線断検出部 41 公衆網 42 移動交換局 43、44 回線 45、46 無線基地局 47、48 サービスエリア 49 移動局

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 公衆網に接続された交換局と、該交換局
    に回線により接続された無線基地局と、該無線基地局の
    サービスエリアに存在するときに当該無線基地局と無線
    通信可能な移動局とを含む移動通信システムにおいて、
    前記無線基地局が、前記回線の断を検出する検出手段
    と、該検出手段により前記回線の断が検出されたとき
    に、当該無線基地局のサービスエリア内に存在する前記
    移動局同士の通信を可能にする緊急通信手段とを有する
    ことを特徴とする移動通信システム。
  2. 【請求項2】 前記緊急通信手段が、前記サービスエリ
    ア内に存在する前記移動局に関する位置登録情報を管理
    するローカル位置登録管理手段と、前記位置登録情報を
    参照して前記サービスエリア内に存在する移動局同士の
    通信制御を行うローカル呼制御手段とを有することを特
    徴とする請求項1の移動通信システム。
  3. 【請求項3】 前記ローカル呼制御手段が、前記移動局
    同士の通信を実現する際に、各移動局の認証手続きをス
    キップする手段を含むことを特徴とする請求項2の移動
    通信システム。
  4. 【請求項4】 公衆網に接続された交換局に回線により
    接続され、サービスエリアを形成して該サービスエリア
    内に位置する移動局と無線通信する無線基地局におい
    て、前記回線の断を検出する検出手段と、該検出手段に
    より前記回線の断が検出されたときに、前記サービスエ
    リア内に存在する前記移動局同士の通信を可能にする緊
    急通信手段とを有することを特徴とする無線基地局。
  5. 【請求項5】 前記緊急通信手段が、前記サービスエリ
    ア内に存在する前記移動局に関する位置登録情報を管理
    するローカル位置登録管理手段と、前記位置登録情報を
    参照して前記サービスエリア内に存在する移動局同士の
    通信制御を行うローカル呼制御手段とを有することを特
    徴とする請求項4の無線基地局。
  6. 【請求項6】 前記ローカル呼制御手段が、前記移動局
    同士の通信を実現する際に、各移動局の認証手続きをス
    キップする手段を含むことを特徴とする請求項5の無線
    基地局。
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